JP2007181850A - 圧縮機および圧縮方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 モータの駆動力を利用してピストンロッドを移動させて、適切に処理物を圧縮する。
【解決手段】 圧縮機は、推力モータ14の回転にしたがって並進可能なプッシャー48と、その内径がプッシャーの外径と整合し、プッシャーの先端側が一端に挿入され、かつ、その側面にスリーブ部材の内部に処理物を投入するための開口が形成されたスリーブ部材76と、スリーブ部材76の他端に設けられ、当該他端を開閉するゲートを有するゲート部材22と、圧縮機の少なくとも推力モータ14の回転およびゲート部材22のゲートの開閉を制御する制御回路100と、を備える。制御回路100は、推力モータの駆動電流の電流値を検出する手段を有し、推力モータ14の正回転により、プッシャー48を、スリーブ部材76の内部を他端に向けて前進させる際、電流値が所定の設定値より大きくなったときに、推力モータ14の正回転を停止し、ゲート90を開放する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、切削加工により発生した金属切粉など処理物を、圧縮固形化する自動圧縮機に関する。
工作機械から排出された金属切粉などを、一方に開閉自在なゲートを有するシリンダ中に投入して、ゲートを閉めた状態で、シリンダ中で、ピストンロッドをゲートに向けて移動して、金属切粉を圧縮し、その後、ゲートを開放して、圧縮された円筒形状の高密度の固形物をゲートから排出するような圧縮機が実用化されている。たとえば、特許文献1には、外部筒体の内側に、筒体を設け、内側の筒体が、軸方向にスライド自在に構成することで、圧縮された固形物の排出時に、内側の筒体がわずかに後退することで、固形物とゲートとの間の接触摩擦を大幅に減じて、ゲートの開放を容易にするような圧縮機が開示されている。
特許第2949664号公報
圧縮機は、シリンダ内に投入した金属切粉を、高圧にて圧縮して高密度の固形物を作るため、圧力の制御が重要である。たとえば、投入した金属切粉が少なければ、ピストンロッドを移動しても、シリンダ内部の圧力が上昇せず、したがって、固形物を作ることができない場合がある。その一方、シリンダ内に投入された大量の金属切粉を、ピストンロッドを前進させて圧縮するときに、シリンダ内部のゲートとピストンロッド先端との間で画定される圧縮室における圧力が高まりすぎると、ゲートが内部の圧力に耐えられず、ゲートが破壊されて、高圧の内容物が噴出するというおそれもある。したがって、圧縮室内の圧力を把握して、所望の圧力にて金属切粉を固形化することが非常に重要である。このため、従来の圧縮機では、ピストンロッドを油圧駆動として、駆動系の油圧を計測することにより、圧縮室内の圧を制御している。
昨今、環境保護の観点から、産業廃棄物を適切に処理することが求められている。従来の圧縮機においても、シリンダ駆動のための油が廃油となる。したがって、油の交換のたびに廃油を適切に処理することが必要となり、圧縮機の維持コストを増大させる要因となっていた。したがって、油圧以外の手段を用いつつ、その一方、圧縮室の内部の圧力を適切に制御することができる圧縮機が求められる。
本発明は、モータの駆動力を利用してピストンロッドを移動させて、適切に処理物を圧縮する圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の目的は、推力モータと、当該推力モータの回転力を並進運動に変換する変換機構と、変換機構に接続され、前記推力モータの回転にしたがって並進可能なプッシャーと、その内径が前記プッシャーの外径と整合し、前記プッシャーの先端側が、一端に挿入されているスリーブ部材であって、その側面にスリーブ部材の内部に処理物を投入するための開口が形成されたスリーブ部材と、前記スリーブ部材の他端に設けられ、当該他端を開閉するゲートを有するゲート部材と、前記圧縮機の少なくとも推力モータの回転および前記ゲート部材のゲートの開閉を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路が、前記推力モータの駆動電流の電流値を検出する手段を有し、推力モータの正回転により、前記プッシャーを、前記スリーブ部材の内部を前記他端に向けて前進させる際、前記電流値が所定の設定値より大きくなったときに、前記推力モータの正回転を停止し、前記ゲートを開放するように構成されたことを特徴とする圧縮機により達成される。
好ましい実施態様においては、プッシャーが初期的に位置すべき原点位置、および、前記プッシャーの先端が、前記スリーブ部材の他端付近にまで達する位置である先端位置をそれぞれ検出する原点センサおよび先端センサと、を備え、
前記制御回路が、前記ゲートが開放されると、前記推力モータを正回転させることにより、前記プッシャーを先端センサに検知される位置まで前進させ、その後、前記推力モータを逆回転させることにより、前記原点センサにより検知される位置まで、引き戻すように構成される。
より好ましい実施態様においては、さらに、前記原点位置と先端位置との間に設けられた所定の中間位置を検出する中間センサを備え、
前記制御回路が、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させ、前記プッシャーが中間位置に到達したことを、前記中間センサにより検知した際に、前記推力モータの駆動電流の電流値が、前記所定の設定値より十分に小さい他の設定値以下であったときに、前記推力モータを逆回転させて、前記プッシャーを原点位置まで引き戻し、その後に、再度、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させるように構成される。
この実施態様においては、所定の硬さの圧縮された固形物が形成されると推定される電流値に相当する所定の電流値と、中間位置に到達したにもかかわらず、所定の硬さの固形物を得ることが期待できないと考えられる電流値に相当する他の所定の電流値の2種類の値を利用している。以下に述べる別の好ましい実施態様においては、所定の電流値のみが用いられる。
別の好ましい実施態様においては、さらに、前記原点位置と先端位置との間に設けられた所定の中間位置を検出する中間センサを備え、
前記制御回路が、前記電流値が前記所定の設定値以下の状態で、前記プッシャーが前記中間位置に到達したことを、前記中間センサにより検知した場合に、前記推力モータを逆回転させて、前記プッシャーを原点位置まで引き戻し、その後に、再度、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させる。
ある好ましい実施態様においては、前記変換機構が、外周面にネジが形成され、前記推力モータの回転に伴って回転するシャフトと、少なくともシャフトが挿入される部分が中空であり、当該中空の部分の内周面に前記シャフトのネジと螺合するネジが形成されたプッシャーと、前記プッシャーの回転を防止するガイド部材と、を有する。
別の好ましい実施態様においては、前記変換機構が、推力モータの回転に伴って回転するシャフトであって、中央部から一方の側と、他方の側とで、その外周面に反対向きにネジが形成されたシャフトと、前記シャフトの一方の側および他方の側のそれぞれに、その内周面に、前記シャフトのネジと螺合するネジが形成された一対のスリーブと、前記一対のスリーブのそれぞれに、その一端が回転自在に取り付けられた一対のリンク部材であって、その他端が、プッシャーの基部と回転自在に取り付けられた一対のリンク部材と、前記スリーブの、前記シャフトの回転に伴う回転を防止するように構成された回転防止部材と、を有する。
また、本発明の目的は、推力モータと、当該推力モータの回転力を並進運動に変換する変換機構と、変換機構に接続され、前記推力モータの回転にしたがって並進可能なプッシャーと、その内径が前記プッシャーの外径と整合し、前記プッシャーの先端側が、一端に挿入されているスリーブ部材であって、その側面にスリーブ部材の内部に処理物を投入するための開口が形成されたスリーブ部材と、前記スリーブ部材の他端に設けられ、当該他端を開閉するゲートを有するゲート部材と、前記圧縮機の少なくとも推力モータの回転および前記ゲート部材のゲートの開閉を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路が、前記推力モータの駆動電流の電流値を検出する手段を有する圧縮機において、
推力モータの正回転により、前記プッシャーを、前記スリーブ部材の内部を前記他端に向けて前進させる際、前記電流値が所定の設定値より大きくなったことを検出するステップと、
前記所定の設定値より大きくなったことを検出したときに、前記推力モータの正回転を停止するステップと、
前記推力モータの停止の後、前記ゲートを開放するステップと、を備えたことを特徴とする圧縮機の制御方法により達成される。
好ましい実施態様においては、前記圧縮機が、プッシャーが初期的に位置すべき原点位置、および、前記プッシャーの先端が、前記スリーブ部材の他端付近にまで達する位置である先端位置をそれぞれ検出する原点センサおよび先端センサと、を備え、
前記ゲートが開放された後に、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを先端センサに検知される位置まで前進させるステップと、
その後に、前記推力モータを逆回転させることにより、前記プッシャーを前記原点センサにより検知される位置まで、引き戻すステップと、を備えている。
より好ましい実施態様においては、前記圧縮機が、前記原点位置と先端位置との間に設けられた所定の中間位置を検出する中間センサを備え、
前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させ、前記プッシャーが中間位置に到達したことを、前記中間センサにより検知するステップと、
前記中間センサによる検知の際に、前記推力モータの駆動電流の電流値が、前記所定の設定値より十分に小さい他の設定値以下であったことを検出するステップと、
前記他の所定値以下であったことを検出したときに、前記推力モータを逆回転させて、前記プッシャーを原点位置まで引き戻すステップと、
その後に、再度、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させるステップと、を備えている。
別の好ましい実施態様においては、前記圧縮機が、前記原点位置と先端位置との間に設けられた所定の中間位置を検出する中間センサを備え、
前記電流値が前記所定の設定値以下の状態で、前記プッシャーが前記中間位置に到達したことを、前記中間センサにより検知するステップと、
前記中間センサにより検知された場合に、前記推力モータを逆回転させて、前記プッシャーを原点位置まで引き戻すステップと、
その後に、再度、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させるステップと、を備えている。
本発明によれば、モータの駆動力を利用してピストンロッドを移動させて、適切に処理物を圧縮する圧縮機を提供することが可能となる。油圧シリンダの代わりに、モータの駆動力を利用することで、廃油の処理の問題を考慮する必要がなくなり、また、装置自体をコンパクトにすることも可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる、破砕機付きの圧縮機(以下、単に「圧縮機」と称する。)の斜視図である。本実施の形態にかかる圧縮機は、工作機械から排出された金属切粉などを圧縮することで高密度の固形物を作成する。処理の対象となる物体として、金属切粉のほか、各種生活廃棄物、産業廃棄物とすることができる。以下、処理の対象となる物体を、単に処理物と称する。また、圧縮により作られる高密度の固形物をブリケットと称する。
図1に示すように、本実施の形態にかかる圧縮機は、基台12の上側に、圧縮機本体10が取り付けられている。本体10は、推力モータ14、動力伝搬部材16、駆動部材18を有する。図1では現れないが、基台12の裏側には、ゲート駆動モータ20およびゲート部材22が設けられている。
また、基台12には、破砕機32、送り込みモータ32および送り込み部材36が取り付けられている。破砕機32、送り込みモータ32および送り込み部材36により、破砕部30が構成される。
図2は、本実施の形態にかかる圧縮機の側面図である。推力モータ14は、取り付け部材52により、基台12上に立設されたフレーム50に取り付けられる。推力モータ14のモータ軸40と、推力スクリュー軸42とは、駆動チェーン44により連結され、モータ軸40の回転が推力スクリュー軸42に伝達されるようになっている。
フレーム50には、駆動スクリュー軸受46を介して、垂直方向に延びる推力スクリュー軸42が回転自在に取り付けられている。推力スクリュー42の外周面には、雄ネジが形成されている。スクリュー42には、その上部がスリーブ状になっており、上部内周面54に雌ネジが形成されたプッシャー48が螺入されている。
上述したように、プッシャー上部56はスリーブ状になっており、その一方、プッシャー下部58は、中実な金属材料で作られ、かつ、その下端には、処理物と接触する押圧部材60がネジなどにより取り付けられている。
フレーム50の四隅に配置されている、立設された支柱の少なくとも1つが、ガイド部材62として機能する。プッシャー上部56からガイド部材62に向かってガイドアーム64が延びている。ガイドアーム64の端部66は、ガイド部材62を取り囲むスリーブの形態をなしている。したがって、推力スクリュー軸42が回転する際に、プッシャー48はその回転に伴って回転せず、ガイド部材62にガイドされつつ、垂直方向に移動する。
ガイド部材62には、センサフレーム68が取り付けられている。センサフレーム68は、ガイド部材62と平行して延び、所定の位置に、原点センサ70、中間センサ72および先端センサ74が配置されている。原点センサ70、中間センサ72および先端センサ74は、ガイドアームの端部66の位置を検出することができる。これらセンサとして、たとえば、光学センサを使用することができる。
プッシャー48の下端は、スリーブ部材76内に嵌入している。スリーブ部材76は、外側スリーブ78および内側スリーブ80を有する。内側スリーブ80の内径は、プッシャー下部58の外径と一致する。スリーブ部材76の側面は開口82が形成されている。破砕機32の下から開口82まで、水平方向に、送り込みモータ34の駆動により回転する送り込みスクリュー84が延びている。
また、前述したように、基台12の裏側には、ゲート駆動モータ20およびゲート部材22が設けられている。ゲート部材22は、基台12の裏側に取り付けられ、ゲート90が開閉する際に、ガイドするゲートガイド部材88およびゲート90を有している。ゲート駆動モータ20の軸には、ギヤ(図示せず)を介して円盤(図示せず)が取り付けられ、円盤の外周部の一点と、ゲート90の外面の一点とが、それぞれ回動可能に取り付けられ、これにより、往復クランク機構を形成する。すなわち、ゲート駆動モータ20の回転に伴って、ゲート90が、ゲートガイド部材88にその移動方向を規定されて、基台と平行にスライドする。これにより、ゲート90の開閉が可能となる。
次に、プッシャー48およびスリーブ部材76の構造について、図3を参照してより詳細に説明する。プッシャー48は、中空で内周面に雌ネジが形成されているプッシャー上部56と、中実で下端に押圧部材60が取り付けられたプッシャー下部58とから構成される。プッシャー上部56とプッシャー下部58とは固定されている。
スリーブ部材76は、外側スリーブ78および内側スリーブ80を有する。外側スリーブ80は、ピン92によってフレーム50にしっかりと固定される。その一方、内側スリーブ80の上面には、外側スリーブ80に取り付けられたピン94が挿入する。ピン94を固定する外側スリーブ78の庇部98と内側スリーブ80の上面との間には、空隙が形成され、その空隙において、ピン94の軸にスプリング96が配置される。したがって、内側スリーブ80は、外側スリーブ78と垂直方向に相対移動可能であり、かつ、内側スリーブ80は、スプリング96により下方(ゲート90の方向)に付勢される。
図4に示すように、本実施の形態においては、推力モータ14、ゲート駆動モータ20、送り込みモータ34は、制御回路100に接続され、制御回路100からの制御信号により作動する。制御回路100は、推力モータ14のモータ駆動電流の電流値を受け入れている。また、原点センサ70、中間センサ72および先端センサ74も、制御回路100に接続される。制御回路100には、装置に取り付けられた制御盤(図示せず)中に配置され、制御盤上に配置された、オペレータが操作するスイッチ群102(図示せず)や、作動状態を示すランプ群104も接続される。
本実施の形態において、推力モータ14としては、いわゆるブレーキモータが使用される。ブレーキモータとしては、たとえば、無励磁作動形(スプリング制動方式)のものを使用することができる。ブレーキモータは、通電していない状態で、モータ軸が固定され、回転しないようになっている。ブレーキモータを採用することで、推力モータ14が通電されていない状態で、モータ軸が回転しないため、プッシャー48の重みにより、プッシャー48が下降してしまうことを防止することができる。
このように構成された圧縮機の動作、特に、制御回路100における制御にしたがった圧縮機の動作について、以下に説明する。まず、オペレータにより電源が投入され、動作の開始を示すスイッチがオンされたことに応答して、制御部100は、破砕機32および送り込みモータ34を起動する(ステップ501)。これにより、破砕機32に投入された処理物は、送り込みモータ34の回転に伴って回転する送り込みスクリュー84により、スリーブ部材76に形成された開口82を介して、圧縮室86に投入される。
制御回路100は、推力モータ14に通電し、推力モータ14を駆動して正回転させて、初期的には原点位置に配置されているプッシャー48を下方に移動させる(ステップ502)。なお、原点位置とは、プッシャーのガイドアーム64の端部66が、原点センサ70に検知される位置(図7の符号701参照)をいう。上述したように、本実施の形態においては、推力モータ14としてブレーキモータを利用しているため、推力モータ14に通電することで、初めてモータ軸が回転可能となる。
プッシャー48が下降することで、圧縮室86の容積は次第に小さくなっていく。このため、圧縮室86中に投入された処理物が次第に圧縮され圧縮室86内の圧力が高まり、プッシャー48の端部に取り付けられた押圧部材60の圧縮室86側の面に与えられる圧力(面圧)も高まる。油圧シリンダを利用した従来の圧縮機であれば、油圧から面圧を算出することができる。しかしながら、本実施の形態においては、面圧を直接算出することができないため、推力モータのモータ駆動電流の電流値から面圧を推定する。つまり、圧縮室が縮小して、圧縮室内に投入された処理物が圧縮されるのにしたがって、プッシャー48を下降させるために推力モータにより多くの電流を流す必要がある。本実施の形態においては、これを利用して面圧を推定する。なお、面圧については後に詳述する。
制御回路100は、プッシャー48が下降している間、ガイドアーム64の端部66が、中間位置、つまり、中間センサ72に検出される位置に到達したかどうかを判断する(ステップ503)。ステップ503でイエス(Yes)と判断された場合には、制御回路100は、推力モータ14に設置された電流計(図示せず)からの電流値を計測して(ステップ604)、推力モータ14のモータ駆動電流の電流値が、所定の第1の設定値より大きいか否かを判断する(ステップ505)。電流値が第1の設定値以下であれば(ステップ605でノー(No)、制御回路100は、推力モータ14を逆回転させて、プッシャー48を上昇させて、原点位置まで戻す(ステップ506)。その後、再度、推力モータ14を再度、正回転させて、プッシャー48を下降させる。なお、以下も同様であれば、本実施の形態において、正回転から逆回転させる際、あるいは、その逆の際に、いったん、推力モータ14に通電されない状態が作られるが、モータのブレーキにより、モータ軸の回転ができない状態となるため、プッシャー48は停止した状態が維持される。
プッシャー48が中間位置に到達したにもかかわらず、電流値が、第1の設定値以下であることは、圧縮室86内に投入された処理物が少なく、が所定の体積まで縮小しているにもかかわらず、圧縮室内の圧力がブリケットを作るのに十分でないことを示している。したがって、このような場合には、プッシャー48を原点位置まで戻し、その間に、さらに処理物を圧縮室内に投入させた上で、プッシャー48を下降させて圧縮を再開する。
ステップ505でイエス(Yes)と判断された場合には、制御回路100は、推力モータの正回転を維持して、さらに下方にプッシャー48を移動させる(ステップ507)。制御回路100は、プッシャー48が下降している間、推力モータ14のモータ駆動電流の電流値が、所定の第2の設定値より大きいか否かを判断する(ステップ508)。この第2の設定値は、第1の設定値よりも十分に大きい。推力モータ14のモータ駆動電流の電流値が、第2の設定値より大きくなるまで、プッシャー48は下降する。ステップ508でイエス(Yes)と判断されると、制御回路100は、推力モータ14を停止させ、その後、推力モータ14を逆回転させて、プッシャー48をわずかに上昇させる(ステップ509)。 ステップ508でイエスとなった時点で、圧縮室86内において適切な硬さのブリケットが形成され、その面圧が押圧部材60に与えられていることを意味する。
電流値が第2の設定値に達した状態では、面圧によってブリケットの上面と、押圧部材60の圧縮室側の面とがしっかりと密着した状態になっている。また、ブリケットの外周面も、内側スリーブ80の内周面としっかりと密着している。したがって、プッシャー48がわずかに上昇すると、圧縮室86において、ブリケットは、プッシャー48の移動に伴ってわずかに上昇する。上述したように、内側スリーブ80は、外側スリーブ78と垂直方向に相対移動可能である。したがって、ブリケットがわずかに上昇すると、ブリケットの外周面と、その内周面が密着している内側スリーブ80もわずかに上昇する。ブリケットが上昇することによって、ブリケットの下面とゲート90の上面との間にわずかな隙間が形成される。
次いで、制御回路100は、ゲート駆動モータ20を起動して、ゲート駆動モータ20を正回転させる。これにより、ゲート90が開放される(ステップ601)。ゲート90が開放されると、制御回路100は、再度、推力モータ14を正回転させて、プッシャー48を先端位置まで下降させる(ステップ602)。プッシャー48が先端位置まで到達すると、つまり、ガイドアーム64の端部66が、先端センサ74に検出される位置に到達すると、制御回路100は、推力モータ14を逆回転させて、プッシャー48を上昇させて、原点位置まで戻す(ステップ603)。プッシャー48が先端位置まで移動する間に、ブリケットはゲートから露出し、ブリケット自身の重さにより落下し、排出物収納容器38中に落下する。制御回路100は、ゲート駆動モータ20を逆回転させて、ゲート90を閉鎖する(ステップ604)。ゲート90が閉鎖されると、制御回路100は、タイマーを参照して、次の起動タイミングまで待機して(ステップ605)、起動タイミングが到来すると、ステップ502に戻る。
本実施の形態によれば、圧縮室内の圧力(プッシャー48の端部の押圧部材60の面圧)を、推力モータ14の駆動電流の電流値から推定し、当該電流値が、適切な硬さのブリケットが形成されていると推定される第2の設定値に達すると、プッシャー48による押圧を停止して、ゲート90を開放している。このような構成を採用することにより、油圧シリンダを使用することなく、適切に圧縮室内の圧を制御して、適切な硬さのブリケットを形成することが可能となる。
以下、電流値による面圧の推定について説明する。たとえば、ボールネジ駆動など、ネジの駆動において、締め付け力(トルク):F、推力:W、ネジリード(一回転で進む距離):l、摩擦係数:μ、有効径:dとすると、これらの間では、以下の式が成立する。
F=W×((l+μπd)/(πd−μl)
ここで、締め付け力Fは、推力モータ14の出力、つまり、電圧と電流とから決定される。推力モータ14の駆動電圧は一定であるため、締め付け力Fは、電流値によって決められる。また、ネジリードl、摩擦係数μ、有効径dは決まっているため、上記式において、右辺の括弧内は定数である。したがって、推力Wは、変数である電流値によって決められ得る。
さらに、単位面積あたりの面圧は、推力を、スリーブ部材76の内径で除すれば得ることができる。たとえば、内径50φのスリーブ部材76内を前進するプッシャーの推力が10,000kgfであれば、推力10,000kgfを、スリーブ部材76の面積(約19.6cm)で除することで、約510kgf/cmと求めることができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
たとえば、前記実施の形態においては、推力モータ14の回転を、プッシャーの並進運動に変換するための変換機構として、ネジおよびガイド部材を利用している。この変換機構の利点は、推力モータ14の回転と、プッシャーの変位との関係が線形であることである。しかしながら、変換機構は上述したものに限定されるものではない。
図7は、本発明の他の実施の形態にかかる変換機構、プッシャーおよびスリーブ部材の部分断面図である。図7に示すように、他の実施の形態においては、推力モータ(図7においては図示せず)のモータ軸114は、一体に形成された回転軸122、124と連結されている。回転軸122、124は、フレーム120およびフレーム120の中央に設けられた中間軸受126により、モータ軸114の回転に伴って回転するように取り付けられている。
回転軸122および回転軸124の外周面には、それぞれ逆向きに雄ネジ(図示せず)が形成されている。回転軸122、124には、それぞれ、回転軸の外周面に形成された雄ネジと螺合する雌ネジが、その内周面に形成されたスリーブ130、132が螺入されている。スリーブ130、132の一端には、それぞれ、リンク部材134、136の一端が回転自在に取り付けられる。リンク部材134、136の他端は、プッシャー148を取り付けるプッシャー基部149に回転自在に取り付けられる。この実施の形態において、スリーブ130、132は、リンク部材134、136によって、或いは、図示しないがガイド部材のような他の回転防止部材によって、回転軸122、124の回転に伴って回転しないようになっている。また、前述したように、回転軸122、124の外周面には逆向きに雄ネジが形成されている。したがって、推力モータ(図示せず)が正回転に伴って、スリーブ130、132は、相互に近接するように、中間軸受126の方向に並進する。その一方、推力モータが逆回転すると、スリーブ130、132は、相互に離間するように、それぞれ、フレーム120の端部に向かって並進する。
このような構成を採用することにより、推力モータ14が正回転すると、プッシャー基部140およびプッシャー148が下降して、スリーブ部材76中に嵌入する。その一方、推力モータ14が逆回転すると、プッシャー基部140およびプッシャー148は上昇する。図示しないが、この実施の形態においても、プッシャー148の位置の原点位置、中間位置および先端位置をそれぞれ検出するための原点センサ、中間センサおよび先端センサが配置される。或いは、プッシャー148の位置の代わりに、回転軸122或いは回転軸124の原点位置、中間位置、先端位置を、それぞれ検出するために、フレーム120に、原点センサ、中間センサおよび先端センサを配置しても良い。原点センサ、中間センサおよび先端センサを利用した、制御回路100による移動制御は、図5および図6を参照して説明したとおりである。
この実施の形態によれば、推力モータの駆動によるプッシャー148の推進力がもっとも必要な位置(先端位置)の付近では、推力モータの回転に比較してプッシャー148の移動量が少ないため、大きな推力を得ることができる。その一方、中間位置においては、推力モータの回転に比較して、プッシャー148の移動量は大きいため、プッシャー148は高速に移動することができる。
また、本実施の形態および上記変形例において、推力モータの回転により回転し、その外周部にネジが形成された軸(推力スクリュー軸42、回転軸122、124)と、少なくとも部分的にスリーブ状でありその内周面に、軸のネジと整合するネジが形成され、軸の回転にともなって、スリーブ状の部材が並進するようになっている。ここで、この機構は、ネジの螺合のみによるものであっても良いし、ボールスクリューの機構を採用していても良い。ボールスクリューを採用すれば、摩擦係数を著しく小さくすることができ、効率を向上させることができる。
また、上記実施の形態においては、第1の設定値と第2の設定値の2種類を制御回路に設定し(そのメモリに記憶させておき)、電流値をこれら2種類の設定値とを比較しているが、これに限定されるものではない。以下、第2の設定値に相当する単一の設定値を利用する例について説明する。
図8は、本実施の形態にかかる制御回路において実行されるシーケンスの他の例を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、図5のフローチャートのステップの代わりに実行されれば良い。図8のステップ801、802は、図5のステップ501、502に対応する。制御回路100は、さらに、推力モータ14を正回転させて、プッシャー48を下方に移動しつつ、推力モータ14の電流値を計測する(ステップ803)。電流が設定値より大きい場合には(ステップ804でイエス(Yes))、制御回路100は、推力モータ14を逆回転させて、プッシャー48をわずかに上昇させる(ステップ805)。このステップ805は、図5のステップ509に相当する。その後、図6の処理が実行されることになる。この例における設定値は、図5に示す例の第2の設定値に相当する。
ステップ804でノー(No)と判断された場合には、制御回路100は、プッシャー48が中間位置に到達しているか否かを判断する(ステップ806)。ステップ806では、図5のステップ603と同様に、ガイドアーム64の端部66が、中間センサ72に検出される位置に到達したか否かが判断される。ステップ806でノー(No)と判断された場合には、ステップ803に戻り、さらにプッシャー48が下方に移動される。これに対して、プッシャー48が中間位置に達した場合には(ステップ806でイエス(Yes))、制御回路100は、推力モータ14を逆回転させて、プッシャー48を上昇させて、原点位置まで戻す(ステップ807)。これは、図5のステップ506に相当する。
この例では、プッシャー48が中間位置に達するまでに、電流値が設定値に達すれば(つまり、設定された面圧に達すれば)、所定の硬さのブリケットが作られたと考えて、ゲート90を開放するための動作に移行する。その一方、プッシャー48が中間位置に達したにもかかわらず、電流地が設定値に達していないときには、十分な硬さのブリケットが形成されていないと判断して、プッシャー48を原点に戻して、圧縮をやり直す。上述した処理を実行することにより、設定値が単独であっても、適切な硬さのブリケットが形成されていると推定される場合には、ゲート90を開放し、その一方、中間位置まで達しても、形成されつつあるブリケットが適切な硬さに達していない場合には、動作を元に戻し、さらに、処理物が投入された状態で、プッシャー48を下降させ、再度、ブリケットを形成することができる。
或いは、図9に示すような処理が実行されても良い。ステップ901、902は、図8のステップ801、802と同様である。制御回路100は、推力モータ14を正回転させて、プッシャー48を下降させて(ステップ903)、プッシャー48が中間位置に達したら(ステップ904)、その後、推力モータ14の駆動電流の電流値を計測する(ステップ905)。計測された電流値が、設定値より大きければ(ステップ906でイエス(Yes)、制御回路100は、推力モータ14を逆回転させて、わずかにプッシャー14を上方に戻し(ステップ907)、ゲート90を開放する動作に移行する。その一方、中間位置に達したのにもかかわらず、計測された電流値が、設定値以下であれば(ステップ906でノー(No))、制御回路100は、プッシャー48を上昇させて、原点位置まで戻す(ステップ908)。これは、図8のステップ807と同様である。この例でも、中間位置に達したにもかかわらず、形成されつつあるブリケットが適切な硬さに達していない場合には、動作を元に戻し、さらに、処理物が投入された状態で、プッシャー48を下降させ、再度、ブリケットを形成する。
また、本実施の形態においては、原点センサ70、中間センサ72および先端センサ74を配置し、プッシャー48が原点位置、中間位置および先端位置に位置していること(或いは到達したこと)を検出している。図10は、ガイド部材62上のセンサの配置例を示す図である。図10に示すように、原点センサ70および先端センサ74は、実質的に、垂直方向に長さを有していないのに対して、中間センサ72は、垂直方向に一定の長さDを有する。中間センサ72は、プッシャー48が中間位置に到達したにもかかわらず、推力モータ14の駆動電流の電流値が、設定値に達していなかったときに、プッシャー48を原点位置に戻して、再度圧縮動作をさせるために利用される。したがって、処理物の材質の相違(たとえば、鉄、アルミニウム、或いは、金属以外)によって、設定値に到達しているか否かを判断する位置が異なることがある。また、実際に装置を動作させているときに、中間位置を調整したい場合も考えられる。そこで、本実施の形態においては、中間位置を、ガイドアーム64の端部が、中間センサ72の上端に位置したとき(符号66a)、中間センサ72の中央部に位置したとき(符号66b)、中間センサ72の下端に位置したとき(符号66c)など、所望の位置に設定することが可能である。
さらに、本実施の形態においては、プッシャーを垂直方向に並進させているが、これに限定されず、プッシャーを水平方向に並進させるような形態を採用しても良い。
図1は、本発明の実施の形態にかかる、破砕機付きの圧縮機の斜視図である。 図2は、本実施の形態にかかる圧縮機の側面図である。 図3は、本実施の形態にかかるプッシャーおよびスリーブ部材の構造をより詳細に示す部分断面図である。 図4は、本実施の形態にかかる制御部を説明する図である。 図5は、本実施の形態にかかる制御回路において実行されるシーケンスの例を説明するフローチャートである。 図6は、本実施の形態にかかる制御回路において実行されるシーケンスの例を説明するフローチャートである。 図7は、本発明の他の実施の形態にかかる変換機構、プッシャーおよびスリーブ部材の部分断面図である。 図8は、本実施の形態にかかる制御回路において実行されるシーケンスの他の例を説明するフローチャートである。 図9は、本実施の形態にかかる制御回路において実行されるシーケンスのさらに他の例を説明するフローチャートである。 図10は、本実施の形態にかかるセンサの配置を説明する図である。
符号の説明
10 本体
12 基台
14 推力モータ
16 動力伝搬部材
18 駆動部材
20 ゲート駆動モータ
22 ゲート部材
30 破砕部
32 破砕機
34 送り込みモータ
36 送り込み部材
38 排出物収納容器
42 推力スクリュー軸
44 駆動チェーン
46 駆動スクリュー軸受
48 プッシャー
50 フレーム
56 プッシャー上部
58 プッシャー下部
60 押圧部材
62 ガイド部材
64 ガイドアーム
70 原点センサ
72 中間センサ
74 先端センサ
76 スリーブ部材
78 外側スリーブ
80 内側スリーブ
84 送り込みスクリュー
86 圧縮室
88 ゲートガイド部材
90 ゲート

Claims (10)

  1. 推力モータと、当該推力モータの回転力を並進運動に変換する変換機構と、変換機構に接続され、前記推力モータの回転にしたがって並進可能なプッシャーと、その内径が前記プッシャーの外径と整合し、前記プッシャーの先端側が、一端に挿入されているスリーブ部材であって、その側面にスリーブ部材の内部に処理物を投入するための開口が形成されたスリーブ部材と、前記スリーブ部材の他端に設けられ、当該他端を開閉するゲートを有するゲート部材と、前記圧縮機の少なくとも推力モータの回転および前記ゲート部材のゲートの開閉を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路が、前記推力モータの駆動電流の電流値を検出する手段を有し、推力モータの正回転により、前記プッシャーを、前記スリーブ部材の内部を前記他端に向けて前進させる際、前記電流値が所定の設定値より大きくなったときに、前記推力モータの正回転を停止し、前記ゲートを開放するように構成されたことを特徴とする圧縮機。
  2. プッシャーが初期的に位置すべき原点位置、および、前記プッシャーの先端が、前記スリーブ部材の他端付近にまで達する位置である先端位置をそれぞれ検出する原点センサおよび先端センサと、を備え、
    前記制御回路が、前記ゲートが開放されると、前記推力モータを正回転させることにより、前記プッシャーを先端センサに検知される位置まで前進させ、その後、前記推力モータを逆回転させることにより、前記原点センサにより検知される位置まで、引き戻すように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. さらに、前記原点位置と先端位置との間に設けられた所定の中間位置を検出する中間センサを備え、
    前記制御回路が、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させ、前記プッシャーが中間位置に到達したことを、前記中間センサにより検知した際に、前記推力モータの駆動電流の電流値が、前記所定の設定値より十分に小さい他の設定値以下であったときに、前記推力モータを逆回転させて、前記プッシャーを原点位置まで引き戻し、その後に、再度、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させるように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. さらに、前記原点位置と先端位置との間に設けられた所定の中間位置を検出する中間センサを備え、
    前記制御回路が、前記電流値が前記所定の設定値以下の状態で、前記プッシャーが前記中間位置に到達したことを、前記中間センサにより検知した場合に、前記推力モータを逆回転させて、前記プッシャーを原点位置まで引き戻し、その後に、再度、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させるように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  5. 前記変換機構が、外周面にネジが形成され、前記推力モータの回転に伴って回転するシャフトと、少なくともシャフトが挿入される部分が中空であり、当該中空の部分の内周面に前記シャフトのネジと螺合するネジが形成されたプッシャーと、前記プッシャーの回転を防止するガイド部材と、を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の圧縮機。
  6. 前記変換機構が、推力モータの回転に伴って回転するシャフトであって、中央部から一方の側と、他方の側とで、その外周面に反対向きにネジが形成されたシャフトと、前記シャフトの一方の側および他方の側のそれぞれに、その内周面に、前記シャフトのネジと螺合するネジが形成された一対のスリーブと、前記一対のスリーブのそれぞれに、その一端が回転自在に取り付けられた一対のリンク部材であって、その他端が、プッシャーの基部と回転自在に取り付けられた一対のリンク部材と、前記スリーブの、前記シャフトの回転に伴う回転を防止するように構成された回転防止部材と、を有することを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の圧縮機。
  7. 推力モータと、当該推力モータの回転力を並進運動に変換する変換機構と、変換機構に接続され、前記推力モータの回転にしたがって並進可能なプッシャーと、その内径が前記プッシャーの外径と整合し、前記プッシャーの先端側が、一端に挿入されているスリーブ部材であって、その側面にスリーブ部材の内部に処理物を投入するための開口が形成されたスリーブ部材と、前記スリーブ部材の他端に設けられ、当該他端を開閉するゲートを有するゲート部材と、前記圧縮機の少なくとも推力モータの回転および前記ゲート部材のゲートの開閉を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路が、前記推力モータの駆動電流の電流値を検出する手段を有する圧縮機において、
    推力モータの正回転により、前記プッシャーを、前記スリーブ部材の内部を前記他端に向けて前進させる際、前記電流値が所定の設定値より大きくなったことを検出するステップと、
    前記所定の設定値より大きくなったことを検出したときに、前記推力モータの正回転を停止するステップと、
    前記推力モータの停止の後、前記ゲートを開放するステップと、を備えたことを特徴とする圧縮機の制御方法。
  8. 前記圧縮機が、プッシャーが初期的に位置すべき原点位置、および、前記プッシャーの先端が、前記スリーブ部材の他端付近にまで達する位置である先端位置をそれぞれ検出する原点センサおよび先端センサと、を備え、
    前記ゲートが開放された後に、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを先端センサに検知される位置まで前進させるステップと、
    その後に、前記推力モータを逆回転させることにより、前記プッシャーを前記原点センサにより検知される位置まで、引き戻すステップと、を備えたことを特徴とする請求項7に記載の制御方法。
  9. 前記圧縮機が、前記原点位置と先端位置との間に設けられた所定の中間位置を検出する中間センサを備え、
    前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させ、前記プッシャーが中間位置に到達したことを、前記中間センサにより検知するステップと、
    前記中間センサによる検知の際に、前記推力モータの駆動電流の電流値が、前記所定の設定値より十分に小さい他の設定値以下であったことを検出するステップと、
    前記他の所定値以下であったことを検出したときに、前記推力モータを逆回転させて、前記プッシャーを原点位置まで引き戻すステップと、
    その後に、再度、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させるステップと、を備えたことを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
  10. 前記圧縮機が、前記原点位置と先端位置との間に設けられた所定の中間位置を検出する中間センサを備え、
    前記電流値が前記所定の設定値以下の状態で、前記プッシャーが前記中間位置に到達したことを、前記中間センサにより検知するステップと、
    前記中間センサにより検知された場合に、前記推力モータを逆回転させて、前記プッシャーを原点位置まで引き戻すステップと、
    その後に、再度、前記推力モータを正回転させて、前記プッシャーを原点位置から前進させるステップと、を備えたことを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
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