JP2007181611A - シーツ類、及びその製造方法 - Google Patents

シーツ類、及びその製造方法 Download PDF

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昭 佐藤
Kazunori Kurata
一範 倉田
Kazuyuki Ochi
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Abstract

【課題】 幅広のローラを用いることなく凹凸部を形成でき、かつ、容易に凹凸の重ね合わせが可能で、抗菌性及び消臭性に優れたシーツ類を提供する。
【解決手段】 二次元方向に伸張する紙に多数の凹凸部を設けて形成したシーツ類であって、凹凸部が重なり合うように紙が折り畳まれ、使用時には紙が展開されてシーツ状となる。紙の片面又は両面の少なくとも中央部に、抗菌・消臭フィルムをラミネートした。また、隣接する凹凸部間の距離を凹部又は凸部の直径の1/5〜1/1.5とし、凹凸部における凹凸間の高さを、紙の厚さの10〜50倍とした。さらに、紙の厚さを、0.1〜2.0mmとし、紙を二層以上に積層した。また、紙を幅広かつ長尺状にして送り出し、次いで、該紙を幅方向に順次折り畳んで重ね、この重なった紙に対してローラにより凹凸部を形成し、その後長尺方向に所定の長さごとに切断して、折り畳まれたシーツ類を得るシーツ類の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、凹凸部を備えたシーツ類に関し、特に、幅広のローラを用いることなく凹凸部を形成でき、かつ、容易に凹凸の重ね合わせが可能なシーツ類、及びその製造方法に関する。
従来、病院などにおいては、ベッドに敷くシーツ類の衛生状態をいかにして高い水準に維持するかが問題となっていた。特に、シーツの下に敷くマットには、患者の尿などが染み込んでも交換しにくく、衛生状態を保つためには、高いコストや手間を要するという問題があった。
そこで、このようなシーツ類を、紙を素材として製造し、使い捨てとすれば、高い衛生状態を維持できるとともに、コストの低減化を図ることも可能になると考えられる。
このようなシーツ類に関連する先行技術文献としては、例えば特許文献1などを挙げることができる。
この特許文献1に記載のシーツは、紙基材の少なくとも片面に、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂層を形成させた紙積層シートにエンボス模様(凹凸)を施したものである。
このように、紙製のシーツ類に凹凸部を形成することにより、シーツ類に優れた通気性や、マッサージ効果を付与することが可能となる。
特開2004−229691号公報
しかしながら、凹凸部を形成した紙製のシーツ類の製造にあたっては、次のような問題があった。
すなわち、紙に凹凸部を形成するためには、一般にその紙の幅に応じたローラを備えた凹凸部加工装置(エンボス加工装置)が必要となる。しかし、シーツ類は比較的幅広であるため、これに凹凸部を形成するためには、幅広のローラが必要となる。このため、凹凸部加工装置が、大変高額なものになってしまうという問題があった。
また、凹凸部の形成は、凹凸部加工装置における一組のローラにより紙を両面から押圧することで行われるが、ローラが幅広になるにつれて、紙の両面に均等に圧力をかけることが困難となる。このため、凹凸加工の精度が悪くなり、形成される凹凸部の品質が低下してしまうという問題があった。
さらに、シーツ類は、一般に折り畳んだ状態で、運搬や販売が行われるが、凹凸部を形成した場合、これらを適切に重ね合わせて折り畳むことは難しく、運搬などの段階で、凹凸部がつぶれる場合があるという問題もあった。
また、このような凹凸部は、通常の紙に形成してもつぶれやすく、十分な強度を得ることができないという問題もあった。
そこで、発明者は鋭意検討した結果、あらかじめ紙を折り畳んだ後に、これに凹凸部を形成すれば、幅の狭いローラを備えた凹凸部加工装置により幅広のシーツ類の凹凸部を形成することが可能になるとともに、折り畳んだ状態で凹凸部が形成されることから、重ね合わせが非常に容易になることに想到し、本発明を完成させた。また、紙として二次元方向に伸張する紙(以下、伸張紙と称する場合がある。)を用いることで、凹凸部の強度が十分なシーツ類を製造することに成功した。
すなわち、本発明は、幅広のローラを用いることなく凹凸部を形成でき、かつ、凹凸部の強度が十分で、容易に凹凸の重ね合わせが可能なシーツ類、及びその製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のシーツ類は、二次元方向に伸張する紙に多数の凹凸部を設けて形成してある。
伸張紙は、紙自体に伸張性を有するとともに、紙全体に小さい波状のしわを連続的に形成することによって、伸張性に優れ、一般的な紙に比較して高い強度を備えている。
このため、シーツ類をこのような構成にすれば、クッション性が良く、柔軟かつ丈夫なものとすることができる。
特に、通常の紙を用いて凹凸部を形成した場合には、凹凸部の強度は小さく、つぶれやすいものとなるが、伸張紙を用いることで凹凸部の強度を大きく向上させることが可能となる。
また、このように紙を用いてシーツ類を製造することで、低コストで製造することができ、使い捨てにして用いることが可能となる。
また、本発明のシーツ類は、凹凸部が重なり合うように伸張紙が折り畳まれ、使用時には伸張紙が展開されてシーツ状となるものにしてある。
シーツ類をこのような構成にすれば、容易に凹凸の重ね合わせが可能なシーツ類を提供することが可能となる。
また、本発明のシーツ類は、伸張紙の片面又は両面の少なくとも中央部に、抗菌・消臭フィルムをラミネートしたものとしてある。
シーツ類をこのようなものとすれば、抗菌性及び消臭性に優れたものとすることができる。特に、抗菌・消臭フィルムを熱でラミネートすることで、接着剤等を使用せず、人体にやさしいものとすることが可能となる。
また、伸張紙の少なくとも中央部にラミネートすることで、人が横たわった場合の腰部や臀部が位置する部分に抗菌・消臭フィルムをラミネートすることができ、尿が漏れた場合などでもシーツ類を透過して尿がベッドまで染み込むことを防止する。
また、本発明のシーツ類は、隣接する凹凸部間の距離を凹部又は凸部の直径の1/5〜1/1.5としてある。
隣接する凹凸部を連続して設けた場合には、凹凸間の強度が低下し、凹凸間において折れ曲がりやすく、シーツ類の強度が低下する。また、隣接する凹凸部間の距離が大きすぎる場合には、伸張紙の平面に対して垂直な方向の押圧に対する強度が低下する。
本発明によれば、隣接する凹凸部の距離を上記のようにすることによって、シーツ類の強度を向上できるとともに、そのクッション性、通気性、及びマッサージ効果を優れたものとすることが可能となる。
また、本発明のシーツ類は、凹凸部における凹凸間の高さが、伸張紙の厚さの10〜50倍としてある。
また、本発明のシーツ類は、伸張紙の厚さが、0.1〜2.0mmとしてある。
シーツ類をこのような構成にすれば、凹凸部にもとづくクッション性、通気性、及びマッサージ効果を最適なものとすることができる。
すなわち、伸張紙の厚さを上記のようなものにするとともに、凹凸間の高さを伸張紙の厚さに対して上記のような大きさとすることで、優れたクッション性等を得ることが可能となる。
なお、「凹凸間の高さ」とは、凹部頂点から伸張紙の平面までの距離と、凸部頂点から伸張紙の平面までの距離の合計値を意味する。
また、本発明のシーツ類は、伸張紙を、二層以上に積層したものとしてある。
シーツ類をこのような構成にすれば、その強度を高めることが可能となる。このため、より長期間の使用に耐えるものとする場合などには、多数の伸張紙を積層した構成とすることにより、耐久性の高いシーツ類を提供することが可能となる。
また、本発明のシーツ類の製造方法は、上記シーツ類を製造する方法であって、伸張紙を幅広かつ長尺状にして送り出し、次いで、該伸張紙を幅方向に順次折り畳んで重ね、この重なった伸張紙に対してローラにより凹凸部を形成し、その後、長尺方向に所定の長さごとに切断して、折り畳まれたシーツ類を製造する方法としてある。
シーツ類の製造方法をこのような方法にすれば、幅広のローラを備えた凹凸部加工装置を用いることなくシーツ類を製造でき、かつ、容易に凹凸の重ね合わせが可能なシーツ類を製造することが可能となる。
このため、幅広のローラを備えた凹凸部加工装置を用いる場合に必要なコストを低減することができるとともに、凹凸加工の精度の低下を防止することが可能となる。
また、凹凸の重ね合わせが容易なことから、運搬や販売の際における凹凸のつぶれを防止することも可能となる。
また、本発明のシーツ類の製造方法は、上記折り畳みにおいて、伸張紙を三つ折り以上にする方法としてある。
シーツ類の製造方法をこのような方法にすれば、伸張紙を三つ折り以上に折り畳んだ状態で、幅の狭いローラの凹凸部加工装置を用いて効率的に凹凸加工を施すことが可能となる。
また、本発明のシーツ類の製造方法は、上記切断を行った後、切断された伸張紙を長尺方向に折り重ねる方法としてある。
シーツ類の製造方法をこのような方法にすれば、シーツ類を運搬や販売に適した大きさにすることが可能となる。
本発明によれば、伸張紙を素材とし、凹凸部を備えたシーツ類を提供することができる。このため、従来のシーツ類に比較して、クッション性が良く、柔軟かつ丈夫なシーツ類を提供することが可能となる。
また、このようなシーツ類を、伸張紙を幅方向に折り畳んで重ね、この重なった伸張紙に対してローラにより凹凸部を形成し、その後、長尺方向に所定の長さごとに切断することで、製造することできる。
このため、幅広のローラを備えた凹凸部加工装置を用いることなく、かつ、容易に凹凸を重ね合わせることができるシーツ類を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
[伸張紙]
まず、本発明の実施形態に係るシーツ類の素材に用いる伸張紙について説明する。
本発明の実施形態で使用する伸張紙としては、特許第3407114号公報に記載された「伸長可能な紙の製造法」により製造されたものなどを使用することができる。
具体的には、植物繊維混合物を混練機に供給して、この混合物を混練機中で水と混合し、摩擦により繊維をこう解して30°SR以上のこう解度を有するパルプを得て、こう解されたパルプを流送箱に移送する。
こう解されたパルプを流送箱から紙匹形成布に供給して重力と真空により水分を連続的に減少させ、紙匹をプレスして更に連続して水分を減少させ、最初の乾燥で予備成形された紙匹の水分を15%から65%の間にほぼ一定させる。
そして、硬い物質からなりその表面にリブを有し、もう一方より速い速度で回転するローラと、柔らかい物質からなり平滑な表面を有し、もう一方より遅い速度で回転するローラからなる一組のローラの間で圧縮し、最終の乾燥で水分を15%から4%の間とし、つや出しする、という工程により製造された伸張紙とすることが好ましい。
また、本実施形態のシーツ類の素材に用いる伸張紙としては、次のような特徴を備えたものを用いることが好ましい。
(1)優れた破裂強度を備え、伸張する二次元方向のうち破断伸びが大きい方の伸び特性が20%以上、小さい方の伸び特性が10%以上。
(2)プレス成形方式で連続成形ができる。
(3)植物繊維混合物からなるため、リサイクル性を備えるとともに、可燃ゴミとして廃棄処理ができる。
伸張紙をこのようなものすれば、シーツ類に高いクッション性、柔軟性、及び強度を付与することができるとともに、そのコスト性及び環境保全性も優れたものとなる。
[シーツ類]
次に、このような伸張紙を用いて製造した、本発明の実施形態のシーツ類について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本実施形態の折り畳まれたシーツ類の外観構成を示す図である。図2は、本実施形態の展開されたシーツ類の外観構成を示す図である。図3は、本実施形態のシーツ類における凹凸部の拡大正面断面図である。図4は、本実施形態のシーツ類における凹凸部の拡大平面図である。
本実施形態のシーツ類は、図1に示すように、折り畳まれた状態で製造される。同図において、シーツ類10の基部10aの上に、第一折り畳み部10bが折り畳まれ、この第一折り畳み部10bの上に第二折り畳み部10cが折り畳まれている。
そして、このようにして三つ折り状態にされた後、凹部11a及び凸部11bを含む多数の凹凸部が形成される。
これによって、本実施形態のシーツ類では、一度の凹凸加工により、基部10a、第一折り畳み部10b、及び第二折り畳み部10cの各部について、凹凸部を同時に形成することができる。
このため、幅広のローラを備えた凹凸部加工装置を使用することなく、幅広のシーツ類を製造することが可能となっている。
さらに、このように三つ折り状態にした後に、凹凸加工を施すことによって、基部10a、第一折り畳み部10b、及び第二折り畳み部10cのそれぞれの凹凸部が正確に対応するものとなる。
このため、シーツ類を展開した後に、再びこれを折り畳む場合にも、容易に凹凸部を対応させて重ね合わせることができる。
また、図1のシーツ類は、折り畳んだ伸張紙に凹凸加工を施して、所定の長さごとに切断した後、これを手動又は自動により、二つ折りにする様子を示している。この場合、凹部11a及び凸部11bを含む凹凸部が適切に重なるように折り重ねる。
なお、図1の例では、伸張紙を三つ折りにしているが、これに限定されるものではなく、二つ折り〜五つ折りとすることが好ましい。二つ折りより少ない場合、すなわち折り畳むことなく凹凸加工を施す場合には、広いロールを備えた凹凸部加工装置を用いる必要が生じ、五つ折りより多い場合には、優れた品質の凹凸部を形成することが困難となるからである。
四つ折りにする場合には、まず伸張紙を二つ折りにし、この二つ折りにした伸張紙をさらに二つ折りにすることで、四つ折りにすることができる。
図2に示すシーツ類は、図1に示すシーツ類を展開したものである。図2には、シーツ類の一部を拡大して、しわ及び凹凸部を明示している。
また、基部10aの上に第一折り畳み部10bを折り畳むための第一折り畳み線12aと、第一折り畳み部10bの上に第二折り畳み部10cを折り畳むための第二折り畳み線12bを示している。
さらに、切断後に二つ折りにする際の、中央折り畳み線13を示している。
また、シーツ類の中央部に抗菌・消臭フィルムをラミネートする場合に、そのラミネートする位置を示すラミネート部14を示している。勿論、抗菌・消臭フィルムのラミネートは、シーツ類全体に行うことも可能である。
図2に示すように、本実施形態のシーツ類は、波状のしわが形成された伸張紙を素材としており、かつ、その表面上に、多数の凹凸部を備えた構成としてある。これによって、シーツ類に、高いクッション性、柔軟性、及び強度等を付与することができるのみならず、さらに通気性、及びマッサージ効果等を付与することも可能となっている。
このように、本実施形態のシーツ類に用いられる伸張紙には、伸張する方向のうちの一の方向(図2においては、縦方向)に、しわが形成されている。このしわは、伸張紙における伸張率の小さい方向(図2の場合、横方向)によせられている。したがって、しわのラインは伸張率の大きい方向(図2の場合、縦方向)に延びている。
ここで、しわの高さは、山部頂点と谷部底点の距離が0.4〜2.0mmとなるようにすることが好ましい。また、紙の厚さは0.1〜1.0mmとすることが好ましい。
シーツ類をこのようにすると、クッション性、柔軟性、及び強度に優れたものとすることが可能となる。
なお、図2の例では、シーツ類の縦方向にしわが形成されているが、横方向や斜め方向に形成することも勿論可能である。
また、本実施形態のシーツ類に用いられる伸張紙の片面又は両面には、抗菌・消臭フィルムがラミネートされている。さらに、この伸張紙の片面又は両面の中央部のみに、抗菌・消臭フィルムをラミネートすることもできる。
シーツ類をこのようにすれば、シーツ類に抗菌性及び消臭性を付与することが可能となり、例えば病院のベッド用のシーツの下敷きマット(80×120〜150cmのもの等)として、好適に用いることができる。
特に、シーツ類の少なくとも中央部に抗菌・消臭フィルムをラミネートすることによって、患者の尿などが漏れた場合などに、ベッドが不衛生になることを適切に防止することが可能となる。
さらに、シーツ類に抗菌・消臭フィルムをラミネートにより接着させるため、接着剤などを使用する必要がない。このため、人体にやさしいシーツ類とすることができる。
また、伸張紙の表面上に形成した凹凸部は、図3に示すような構成となっている。すなわち、凹凸部における凹凸間の高さをh、伸張紙の厚さをdとすると、これらの関係が、30d≦h≦50dとなるように構成することが好ましい。
凹凸間の高さhと伸張紙の厚さdとの関係をこのようにすると、凹凸部によりシーツ類のクッション性が向上するとともに、この凹凸を潰れにくく、変形しても元にもどりやすいものとすることができる。また、シーツ類に高い通気性を付与することができるとともに、凹凸部による適切なマッサージ効果も得ることが可能となる。
このような観点から、凹凸間の高さhと伸張紙の厚さdとの関係を、35d≦h≦45dとすることがさらに好ましい。
また、本実施形態のシーツ類の素材に用いる伸張紙としては、その厚さdを0.1〜2.0mmとすることが好ましい。伸張紙の厚さdをこのようにすれば、凹凸部の形成を適切に行うことができる。
このような観点から、伸張紙の厚さdを0.5〜1.5mmとすることがさらに好ましい。
また、凹凸部における凹(凸)部の最大直径をa、凹(凸)部の縁から凸(凹)部の縁までの最短距離をbとすると、これらの関係が、(a/5)≦b≦(a/1.5)となるように凹凸部を構成することが好ましい。凹(凸)部の直径aと凹凸間の距離bとの関係をこのようにすると、シーツ類の強度を向上できるとともに、そのクッション性、通気性、及びマッサージ効果を優れたものとすることが可能となる。
また、本実施形態のシーツ類においては、しわのピッチを、図4に示すように、凹凸部における凹(凸)部の直径の1/2〜1/20とすることが好ましい。すなわち、図4に示すように、1ピッチの大きさをpとした場合に、1/2≦(p/a)≦1/20となるように、凹凸部を形成することが好ましい。
凹凸部におけるしわのピッチをこのようにすると、シーツ類の柔軟性と、凹凸部の復元力のバランスを適度なものとすることができ、シーツ類のクッション性をより向上させることが可能となる。
また、図1〜図4においては、凹部及び凸部の大きさが同一であるが、これらを互いに異なる大きさとすることもできる。
このとき、凹部又は凸部のうちのいずれか一方の大きい方の直径が、他方の小さい方の直径の1倍より大きく、10倍以下である構成とすることが好ましい。
シーツ類をこのような構成とすることにより、シーツ類の表面及び裏面の凹部及び凸部を適切なサイズに調整することができ、用途に応じた最適なクッション効果等を得ることが可能となる。
さらに、凹凸部における凹部及び凸部の大きさを、一定範囲ごとに異なるものとすることもできる。例えば、凹部及び凸部の5個分を一組とし、このグループごとに、凹部及び凸部の直径を異なるものとすることもできる。勿論、この凹部又は凸部の直径の異なるグループは、2以上の多数であってかまわない。
この場合、凹凸のサイズが最大のグループにおける凹部又は凸部の直径が、凹凸のサイズが最小のグループにおける凹部又は凸部の直径の1倍より大きく、10倍以下である構成とすることが好ましい。
シーツ類をこのような構成とすることにより、シーツ類の凹凸部を、身体の位置に応じた適切なサイズに調整することができ、最適なクッション性や通気性等を実現することが可能となる。
例えば、背中や尻の部分など、シーツ類において、より強く身体と接触する部分については、凹凸部のサイズを比較的小さくして、より弾力性を向上させ、比較的強く押圧されることのない部分については、凹凸部のサイズを比較的大きくして、通気性の向上を優先させることなどが可能である。
このように、シーツ類を上記のような構成とすれば、そのクッション性や通気性等をよりきめ細かく調整することが可能となる。
なお、凹部及び凸部の直径を異なるものとした場合、凹部及び凸部の高さを直径に比例させた大きさとすることが可能である。
また、本実施形態のシーツ類は、凹凸部が形成された伸張紙を二以上に積層した構成とすることも好ましい。
シーツ類をこのようにすれば、より長期間の使用に耐え得るようにしたい場合など、一層高い強度やクッション性が必要な場合には、伸張紙を複数積層することで、用途に応じた適切な強度等を得ることが可能となる。
特に、凹凸部が形成された伸張紙を二以上に積層する場合、重なった凹凸部が係合するため、二以上の伸張紙を圧着させることが容易であり、接着材を用いることなく、積層されたシーツ類を製造することができる。
また、伸張紙を積層させるにあたり、伸張紙の間に抗菌・消臭フィルムを挟み込んでラミネートすることで、十分に接着させることも可能である。
[シーツ類の製造方法]
次に、図5を参照して、本実施形態のシーツ類の製造方法について説明する。
まず、同図に示す幅広・長尺伸張紙Aには、予め抗菌・消臭フィルムが片面又は両面にラミネートされている。
そして、この幅広・長尺伸張紙Aは、第一折り畳み装置1により、その幅方向の一方の側が折り畳まれる。
同図の例では、伸張紙Aの右側1/3が折り畳まれて、伸張紙Bが製造されている。
次に、第二折り畳み装置2により、伸張紙Bがさらに折り畳まれ、三つ折りに折り畳まれた伸張紙Cが製造される。同図の例では、伸張紙Bの左側1/3が折り畳まれて、伸張紙Cが製造されている。
次に、三つ折りに折り畳まれた伸張紙Cは、凹凸部加工装置(エンボス加工装置)である成形装置3により、凹凸加工が施され、凹凸部が形成された伸張紙Dが製造される。
凹凸部が形成された伸張紙Dは、切断装置4によって、長手方向に所定の長さごとに切断され、シーツ類Eが製造される。
そして、このシーツ類Eが手動又は自動により折り重ねられて、運搬や販売に適したサイズのシーツ類Fとして完成される。
本実施形態のシーツ類をこのような方法で製造することで、伸張紙を折り畳んだ後に、凹凸部を形成して切断し、シーツ類を製造することができる。
このため、長尺・幅広の伸張紙を素材として用いる場合でも、幅広のロールを使用することなく凹凸部を形成することができ、低コストで高い品質の凹凸部を形成することが可能となる。
また、伸張紙が折り畳まれ、重なり合った状態で凹凸部が形成されることから、凹凸部が正確に重なりあった状態で折り畳まれており、運搬や販売等において、凹凸部をつぶれにくくすることが可能となる。勿論、このようにして製造されたシーツ類は、一度広げた後に、折り畳む場合でも、凹凸部が適切に対応し合った形で、容易に折り畳むことが可能である。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明のシーツ類に用いた伸張紙には、半球状の凹凸部を形成してあるが、この凹凸部を楕円の回転体の一部の形状や角柱状などとすることもできる。また、本実施形態では、伸張紙を三つ折りに折り畳んで凹凸部を形成しているが、二つ折りや四つ折以上に折り畳んで凹凸部を形成することもできる。また、シーツ類を所定の長さごとに切断した後、図5の例では二つ折にしているが、三つ折り以上にするなど適宜変更することが可能である。
本発明は、凹凸部を備えたシーツ類を製造するにあたり、凹凸部を形成するために、幅広のローラを用いることなく、容易に凹凸の重ね合わせが可能で、抗菌性及び消臭性に優れたシーツ類を製造する場合に、好適に利用することが可能である。
本発明の実施形態の折り畳まれたシーツ類の外観構成を示す図である。 本発明の実施形態の展開されたシーツ類の外観構成を示す図である。 本発明の実施形態のシーツ類における凹凸部の拡大正面断面図である。 本発明の実施形態のシーツ類における凹凸部の拡大平面図である。 本発明の実施形態のシーツ類の製造工程を示す図である。
符号の説明
A 幅広・長尺伸張紙
B 右側1/3が折り畳まれた伸張紙
C 三つ折りに折り畳まれた伸張紙
D 凹凸が形成された伸張紙
E 切断して得られたシーツ類
F 折り重ねられたシーツ類
1 第一折り畳み装置
2 第二折り畳み装置
3 成形装置
4 切断装置
10 シーツ類
10a 基部
10b 第一折り畳み部
10c 第二折り畳み部
11a 凹部
11b 凸部
12a 第一折り畳み線
12b 第二折り畳み線
13 中央折り畳み線
14 ラミネート部

Claims (10)

  1. 二次元方向に伸張する紙に多数の凹凸部を設けて形成したことを特徴とするシーツ類。
  2. 前記凹凸部が重なり合うように前記伸張紙が折り畳まれ、使用時には前記伸張紙が展開されてシーツ状となることを特徴とする請求項1記載のシーツ類。
  3. 前記伸張紙の片面又は両面の少なくとも中央部に、抗菌・消臭フィルムをラミネートしたことを特徴とする請求項1又は2記載のシーツ類。
  4. 隣接する前記凹凸部間の距離を凹部又は凸部の直径の1/5〜1/1.5としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシーツ類。
  5. 前記凹凸部における凹凸間の高さが、前記伸張紙の厚さの10〜50倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシーツ類。
  6. 前記伸張紙の厚さが、0.1〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシーツ類。
  7. 前記伸張紙が、二層以上に積層したものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシーツ類。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のシーツ類を製造する方法であって、前記伸張紙を幅広かつ長尺状にして送り出し、次いで、該伸張紙を幅方向に順次折り畳んで重ね、この重なった伸張紙に対してローラにより凹凸部を形成し、その後、長尺方向に所定の長さごとに切断して、折り畳まれたシーツ類を製造することを特徴としたシーツ類の製造方法。
  9. 前記折り畳みにおいて、前記伸張紙を三つ折り以上にすることを特徴とした請求項8記載のシーツ類の製造方法。
  10. 前記切断を行った後、切断された伸張紙を長尺方向に折り重ねることを特徴とした請求項8又は9記載のシーツ類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010029627A (ja) * 2008-07-02 2010-02-12 Paramount Bed Co Ltd ベッド及びマットレス
JP2017013484A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 大王製紙株式会社 家庭用薄葉紙の製造方法
JP2017035375A (ja) * 2015-08-12 2017-02-16 大王製紙株式会社 家庭用薄葉紙の製造方法

Cited By (3)

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