JP2007180260A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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英樹 大籏
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Abstract

【課題】高電圧使用時における漏れ電流が効果的に抑制され、優れた品質を有する固体電解コンデンサを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】表面に酸化皮膜を形成した弁作用を有する金属基材の酸化皮膜上に、導電性重合体形成性単量体を含む溶液と酸化剤を含む溶液を交互に繰り返し塗布し、重合して導電性重合体を形成する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、厚さ30nm以上の酸化皮膜が形成された弁作用金属基材を用い、かつ、雰囲気中の湿度が15%RH以上45%RH未満、かつ温度が10℃〜60℃の条件下で該単量体を重合して導電性重合体を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
一般的な固体電解コンデンサの基本素子は、図1に示すように、基材(1)、例えば、エッチング処理された比表面積の大きな金属箔からなる陽極基体(1)に誘電体の酸化皮膜層(2)を形成し、この外側に対向する電極として固体の半導体層(以下、「固体電解質」ということがある。)(3)を形成し、そして、望ましくはさらに導電ペーストなどの導電体層(4)を形成して作製される。望ましくは、マスキング材(5)によって陽極基体からなる陽極部と固体電解質および導電体層からなる陰極部とを分離する。このような固体電解コンデンサの基本素子素子(6)は単独で、または複数の固体電解コンデンサ基本素子を積層して(図2)、リード線(7,8)を接合し、全体をエポキシ樹脂(9)などで完全に封止してコンデンサ製品として幅広く電気製品に使用されている。
近年、電気機器のデジタル化、パーソナルコンピュータの高速化に伴い、小型で大容量のコンデンサ、高周波領域において低インピーダンスのコンデンサには、電子伝導性を有する導電性重合体を固体電解質として用いることが提案されている。一方、上述したような固体電解コンデンサが車載用としても用いられるようになり、固体電解コンデンサには更なる高耐電圧化が要求されている。
固体電解質には従来からπ共役系のポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン誘導体などの使用が知られている。また、固体電解質の形成方法については、従来から細孔または空隙構造を有する弁作用金属表面の誘電体層上に固体電解質層を融解して形成する方法や、誘電体層上で導電性高分子の固体電解質を産生する方法などが知られている。例えば、ピロールやチオフェンなどの複素五員環式化合物の重合体を使用する場合、陽極箔を複素五員環式化合物の低級アルコール/水系用液に浸漬した後、酸化剤と電解質を溶かした水溶液に浸漬して化学重合させ、導電性高分子を形成する方法、3,4−エチレンジオキシチオフェン単量体および酸化剤を好ましくは溶液の形態において、前後してまたは一緒に金属箔の酸化皮膜層に塗布して形成する方法などが知られている。
耐電圧などのコンデンサ特性を向上させる方法としては、単量体として、3,4−エチレンジオキシチオフェンと酸化剤としてp−トルエンスルホン酸鉄(III)を含むイソプロピルアルコール混合溶液を約30℃〜約50℃で湿度が約60%以上の空気中に約30分放置して化学酸化重合させ、導電性高分子を形成する方法(特開平10−64761号公報;特許文献1)、誘電体酸化皮膜の表面に導電性高分子層を形成してなる固体電解コンデンサの製造方法において、気中で重合させる際の雰囲気の温度を0℃〜20℃以下、湿度を30%RH以下にして実施する手法(特開2003−297688号公報;特許文献2)、導電性ポリマーからなる固体電解質層を形成する固体電解コンデンサの製造方法において、修復化成を陽極箔の箔耐電圧の1.0〜1.1倍未満の化成電圧で行う方法(特開2003−100565号公報;特許文献3)、弁作用金属上の酸化皮膜表面に単量体化合物またはその誘導体を繰り返し単位とし、アニオン系ドーパントを含む導電性高分子層を雰囲気中の湿度を10%以上60%未満にして形成する方法(特表2002−541659号公報;特許文献4)などが開示されている。
しかしながら、特開平10−64761号公報(特許文献1)記載の技術では、単量体、酸化剤およびイソプロピルアルコールの混合溶液にすることにより、単量体および酸化剤の回収が困難になり、製品歩留まりが悪い。また、イソプロピルアルコールを使用しているので蒸発しやすく、その結果、重合反応が促進され、重合体が早く形成されるために、得られる重合体の形態が非常に粗になると考えられる。そのため均一な重合物を形成するためには、系の湿度を60%以上にする必要がある。
特開2003−297688号公報(特許文献2)記載の技術では、重合反応の遅い単量体への適用が困難であり、生産性が低下してしまうことが考えられる。さらに、特開2003−100565号公報(特許文献3)記載の誘電体皮膜の修復による濡れ電流特性向上の手法など、従来法では、製品品質または歩留まりの向上が求められている。
特表2002−541659号公報(特許文献4)には、湿度に係る重合条件は開示されているが、それが適用される温度領域の規定はなく、高電圧箔での最適条件は開示されていない。
特開平10−64761号公報 特開2003−297688号公報 特開2003−100565号公報 特表2002−541659号公報
本発明の目的は、耐電圧性のよい固体電解コンデンサ素子、特に、高電圧使用時における漏れ電流を効果的に抑制され、優れた品質を有する固体電解コンデンサ素子を、高い歩留まりで製造することができる、固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するべく検討を重ねた結果、厚さ30nm以上の酸化皮膜が形成された弁作用金属基材を用い、かつ、特定の雰囲気中の温湿度条件下で、単量体を重合して導電性重合体を形成することが肝要なことを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、下記の固体電解コンデンサの製造方法が提供される。
〔1〕表面に酸化皮膜を形成した弁作用を有する金属基材の酸化皮膜上に、導電性重合体形成性単量体を含む溶液と酸化剤を含む溶液を交互に繰り返し塗布し、重合して導電性重合体を形成する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、厚さ30nm以上の酸化皮膜が形成された弁作用金属基材を用い、かつ、雰囲気中の湿度が15%RH以上45%RH未満、かつ温度が10℃〜60℃の条件下で該単量体を重合して導電性重合体を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
〔2〕導電性重合体が、下記一般式(1)
Figure 2007180260
(式中、置換基RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表し、
前記置換基RおよびRは互いに任意の位置で結合して、少なくとも1つの5,6または7員環の飽和または不飽和の環状構造を形成する二価鎖を少なくとも1つ形成してもよく、
XはS、O、Se、TeおよびNRからなる群より選ばれるヘテロ原子を表し、
は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基を表し、
、RおよびRが表すアルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、鎖中にカルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、またはイミノ結合を任意に有しても良く、
δは0〜1の範囲の数である。)
で示される構造単位を繰り返し化学構造として含むものである上記〔1〕に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〔3〕導電性重合体が、下記一般式(2)
Figure 2007180260
(式中、置換基RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素基、または炭素数1〜6の炭化水素基が互いに任意の位置で結合して、式中記載の2つの酸素原子を含む少なくとも1つの5、6または7員環の飽和または不飽和の環状構造を形成する置換基を表し、
前記環状構造は、置換ビニレン基および置換o−フェニレン基からなる群から選ばれる化学構造を含み、
δは0〜1の範囲の数である。)
で示される構造単位を繰り返し化学構造として含むものである上記〔1〕に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〔4〕導電性重合体形成性単量体として、下記一般式(3)
Figure 2007180260
(式中、置換基RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表し、
前記置換基RおよびRは互いに任意の位置で結合して、少なくとも1つの5,6または7員環の飽和または不飽和の環状構造を形成する二価鎖を少なくとも1つ形成してもよく、
XはS、O、Se、TeおよびNRからなる群より選ばれるヘテロ原子を表し、
は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基を表し、
、RおよびRが表すアルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、鎖中にカルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、またはイミノ結合を任意に有しても良い。)
で示される化合物を用いて重合を行う上記〔1〕または〔2〕に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〔5〕導電性重合体形成性単量体として、下記一般式(4)
Figure 2007180260
(式中、置換基RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素基、または炭素数1〜6の炭化水素基が互いに任意の位置で結合して、式中記載の2つの酸素原子を含む少なくとも1つの5、6または7員環の飽和または不飽和の環状構造を形成する置換基を表し、
前記環状構造は、置換ビニレン基および置換o−フェニレン基からなる群から選ばれる化学構造を含み、
δは0〜1の範囲の数である。)
で示される化合物を用いて重合を行う上記〔1〕または〔3〕に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〔6〕前記酸化剤が酸化性無機酸の金属塩またはアンモニウム塩である上記〔1〕、〔4〕または〔5〕に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〔7〕前記酸化性無機酸の金属塩またはアンモニウム塩が過硫酸塩である上記〔6〕に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〔8〕酸化剤を含む溶液として、さらにドーパント能を有するスルホン酸アニオンまたは有機スルホン酸のアニオンを供出できる化合物を含む溶液を用いる上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
本発明によれば、前記のように、厚さ30nm以上の酸化皮膜が形成された弁作用金属基材を用い、かつ、特定の雰囲気中の温湿度条件下で、単量体を重合して導電性重合体を形成することにより、コンデンサ特性、特に高い電圧で使用される場合に適した導電性重合体層を形成することができ、この結果、耐電圧が高く、漏れ電流が小さい高性能な固体電解コンデンサが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法で用いる基材は、表面に酸化皮膜(誘電体皮膜)を形成した弁作用を有する金属基材である。表面の酸化皮膜は、一般に多孔質である。このような多孔質層を有する弁作用金属は、固体電解コンデンサで好適に用い得るものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウムまたはこれらを基質とする合金系の弁作用を有する金属から選択される。または、これらの金属を主成分とする焼結体などから選ばれる。基材の形状は特に限定されず、薄板ないし箔、棒などが挙げられ、特に薄板ないし箔が好ましい。これらの金属基材は、空気中の酸素により表面が酸化された結果として誘電体酸化皮膜を有しているが、通常は粗面化処理および化成処理を行なって、表面に誘電体酸化皮膜を形成したものである。
弁作用を有する金属基材は、粗面化後、予め固体電解コンデンサの形状に合わせた寸法に裁断したものを使用するのが好ましい。
弁作用を有する金属の寸法は、使用目的によって変わり得るが、例えば、薄板ないし箔では、一般的に厚みが約40〜150μmのものが使用される。また、形状は用途により異なるが、平板形素子単位として幅約1〜50mm、長さ約1〜50mmの矩形のものが好ましく、より好ましくは幅約2〜20mm、長さ約2〜20mm、さらに好ましくは幅約2〜5mm、長さ約2〜6mmである。
本発明の製造方法では、弁作用を有する金属基材として、表面に厚さが30nm以上の誘電体皮膜が形成されたものを用いる。誘電体皮膜の厚さは、好ましくは30〜900nm、より好ましくは30〜500nm、特に好ましくは40〜500nm、最も好ましくは50〜250nmである。本発明においては、導電性高分子を形成する重合を特定の温度・湿度条件下に行うことと、誘電体皮膜の厚さを30nm以上とすることとが相俟って耐電圧が高く、漏れ電流が小さい高性能な固体電解コンデンサが得られる。
本発明の製造方法において、得られる導電性重合体は、ポリマー主鎖にπ電子共役構造を有する重合体であり、その重合度は2以上1,000以下、より好ましくは5以上500以下である。具体例としては、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリヘテロ環式重合体およびその置換誘導体が挙げられる。また、前記重合体を生成する単量体化合物を少なくとも2種以上用いて共重合体を用いることもできる。
好ましい導電性重合体の具体例として挙げられるポリヘテロ環式重合体は、一般式(1)で表される構造単位を含むπ電子共役系重合体であり、さらに好ましくは一般式(2)で表される構造単位を含むπ電子共役系重合体である。
上記一般式(1)および、その重合体の形成に用いる単量体(3)において、置換基R、RおよびRは炭素数1〜6の直鎖状または分岐状で飽和または不飽和の炭化水素基であって、有用な例としてはメチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、アリル基、イソプロピル基、ブチル基、1−ブテニル基などが挙げられる。また、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状で飽和または不飽和のアルコキシ基の有用な例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。
さらに前記炭化水素基やアルコキシ基以外の有用な置換基としては、ニトロ基、シアノ基、フェニル基および置換フェニル(Cl、Br、Fなどのハロゲン置換フェニル)基が挙げられる。前記のR、RおよびRで表されるアルキル基、アルコキシ基の鎖中にはカルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、イミノ結合などを任意に含有しても良い。
前記置換基R、RおよびRが互いに任意の位置で結合して少なくとも1つの5,6または7員環の飽和または不飽和の環状構造を形成する二価鎖を少なくとも一つ形成しても良い。一般式(1)または一般式(3)の置換基の例としては、3,4−プロピレン置換構造、3,4−ブチレン置換構造、3,4−ブタジエニレン置換構造およびナフト[2,3−c]縮合構造などが挙げられる。
一般式(1)または一般式(3)において、Xはヘテロ原子を表し、例としてはS、O、Se、TeまたはNRである。XがSである前記3,4−ブタジエニレン置換構造は、一般式(1)の繰り返し構造単位ではイソチアナフテニレン構造と呼ばれ、また一般式(3)の単量体化合物構造としてはイソチアナフテンと呼ばれる。同様に、ナフト[2,3−c]縮合構造は、一般式(1)の場合はナフト[2,3−c]チエニレン構造と呼ばれ、一般式(3)の単量体化合物構造ではナフト[2,3−c]チオフェンと呼ばれる。
一般式(2)で表わされる好ましい重合体、およびその形成に用いる単量体(4)中のRおよびRの有用な置換基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、アリル基などが挙げられる。さらにRおよびRの炭素数1〜6の炭化水素基が互いに任意の位置で結合して、一般式(2)または一般式(4)中に記載の2つの酸素原子を含む、少なくとも1つの5、6または7員環の複素環構造を形成する置換基であり、例えば1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,2−ジメチルエチレンが好ましい。
更に、RおよびRで表される、前記の炭素数1〜6の炭化水素基は互いに任意の位置で結合して、置換ビニレン基または置換o−フェニレン基などの不飽和炭化水素の環状構造を形成してもよく、例えば、1,2−ビニレン、1,2−プロペニレン、2,3−ブチレン−2−エン、1,2−シクロヘキシレン、メチル−o−フェニレン、1,2−ジメチル−o−フェニレンおよびエチル−o−フェニレンなどが挙げられる。
本発明の固体電解コンデンサおよびその製造方法において使用される、前記一般式(3)で表される単量体化合物のうち、例えばチオフェン(R=R=H、X=S)、ピロール(R=R=R=H、X=NR)または前記一般式(4)で表されるチオフェン類のうち、3,4−エチレンジオキシチオフェンが適している。またこれらの単量体化合物を重合し得る酸化剤の多くは公知である。
本発明の製造方法で使用される酸化剤としては、アニリンやチオフェン類の酸化重合に適する酸化剤が好ましく用いられる。例えば、有機酸鉄(III)、無機酸鉄(III)、アルキル過硫酸鉄塩、過硫酸塩、過酸化水素、KCrなどが挙げられる。前記有機酸鉄(III)の有機酸の例としては、メタンスルホン酸やドデシルベンゼンスルホン酸のような炭素数1〜20のアルキルスルホン酸や同じく脂肪族カルボン酸が挙げられる。中でも、酸化性無機酸の金属塩またはアンモニウム塩が好ましく用いられる。一般式(4)で表されるチオフェン類の化学重合において特に好適に使用できる酸化性無機酸の金属塩またはアンモニウム塩の例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩が挙げられる。
酸化剤を含有する溶液には、ドーパント能を有する化合物を含有せしめることができ、その好ましい例としては、有機スルホン酸アニオンまたは有機スルホン酸のアニオンを供出できる化合物が挙げられる。
次に、導電性重合体組成物層の形成反応における好ましい条件を以下に示す。
本発明においては単量体を含む溶液と酸化剤を含む溶液の二つの溶液を用いる系を採用することで、酸化剤と単量体の混合溶液の一液系に比べ、単量体および酸化剤の回収が可能となり、歩留まりが向上した。また重合工程で湿度を上げ過ぎると、低濃度の溶液状態が長く続き、重合がゆっくり進行するため、得られる重合体の収量は減少する。
従って、導電性重合体組成物の重合工程における湿度と温度を規定することにより、溶液状態での反応および固液状態での反応がバランスよく調整され、コンデンサ特性が向上した導電性重合体が有利に形成される。
単量体または酸化剤に用いられる溶媒としてメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類を用いると、重合雰囲気中の湿度を調節することによって、酸化剤溶液の取り込み速度を調節できる。その結果、1回の重合あたりの固体電解質の形成量を調節することができる。これは、一定量の固体電解質を形成する場合、湿度を規定することで重合回数を増減できることを示している。従って、重合雰囲気中の湿度範囲を規定することで、高容量で漏れ電流が少ないなどの優れたコンデンサ特性を発現させるために必要な形態および量のポリマーを形成できる。
本発明のコンデンサの製造方法において用いられる、前記一般式(3)または一般式(4)で表される単量体化合物、酸化剤およびスルホン酸化合物ドーパントのそれぞれの使用濃度は、単量体、酸化剤およびスルホン酸化合物の種類または溶媒などとの組合せによって異なるが、一般に、濃度は1×10-4〜10モル/リットルの範囲であり、好ましくは1×10-3〜5モル/リットルの範囲である。
本発明において、導電性重合体を形成する重合反応は、雰囲気中の湿度が15%RH以上45%RH未満、かつ温度が10℃〜60℃の条件下で行うことが肝要である。
重合工程での雰囲気中の好ましい湿度は、20〜40%RHの範囲である。また、雰囲気中の温度は、好ましくは15℃〜50℃の範囲であり、さらに好ましくは20℃〜45℃の範囲である。圧力は重合体の種類、重合方法などによって変わるもので、特に限定されない。
湿度が15%RH以下であると、誘電体皮膜上に保持された単量体を含有する溶液と酸化剤を含有する溶液が所望速度より早く乾燥してしまい、十分な重合反応を生起させることができない。逆に、45%RH以上の湿度では、重合反応は進むが、誘電体膜上に保持された単量体含有溶液と酸化剤含有溶液の乾燥が遅いため、次の単量体含有溶液と酸化剤含有溶液を適用する工程で、一旦生成した重合体が液中に流出してしまい、十分な量の重合体を誘電体皮膜上に析出させることができない。
重合させる際の雰囲気の温度が10℃より低いと反応速度が遅く、十分な量の重合体を誘電体皮膜上に析出させることが困難である。逆に、60℃より高いと、副反応が起こりやすく、得られる導電性高分子の純度が低下し、その特性が損なわれる。
重合反応工程は、誘電体皮膜層を形成した弁作用金属陽極箔を酸化剤とドーパントを含有する溶液(溶液1)に浸漬する工程と、単量体を含む溶液(溶液2)に浸漬する工程を含む。弁作用金属は前記工程の正順に前記溶液1に浸漬した後に前記溶液2に浸漬してもよく、また逆順に前記溶液2に浸漬した後に前記溶液1に浸漬してもよい。
別の実施形態としては、前記陽極箔に酸化剤とドーパントを含む溶液(溶液3)を噴霧する工程、および単量体を含む溶液(溶液4)を噴霧する工程を含むものであっても良い。この場合も陽極箔は正順に前記溶液3の噴霧の後に前記溶液4を噴霧しても良く、または逆順に前記溶液4の噴霧の後に前記溶液3を噴霧してもよい。
上記の浸漬や噴霧に代えて、はけ塗り法、流延法などにより塗布してもよい。
前記溶液1乃至4は均一な状態の溶液でもよいし、懸濁した状態の溶液を用いても良い。
溶液1乃至4の溶媒は同じでもまたは異なっていてもよい。溶媒の種類に応じて溶液1と溶液2または溶液3と溶液4の被覆工程の間に乾燥工程および/または洗浄工程を入れても良い。洗浄用有機溶媒には好ましくは溶液1乃至4で使用した溶媒で行うのが簡便で好ましいが、単に単量体化合物やドーパント能を有するアニオンを保持する化合物を溶解する溶媒であれば何でも良い。
ドーパントは、酸化剤含有溶液に配合することが好ましいが、単量体溶液に添加することも可能である。
具体的には、前記一般式(3)または(4)で表される単量体化合物はドーパントを供与できる化合物の存在下、酸化剤と雰囲気の水分の作用によって、陽極基体の微細孔を有する誘電体皮膜上で酸化的に重合し、生成した重合体は、固体電解質として誘電体表面に形成される。そして、前記製造工程を1つの陽極基体に対して少なくとも1回、好ましくは3〜30回繰り返すことによって緻密な固体電解質層を容易に得ることができる。
本発明の製造方法において用いられる溶媒または重合後の洗浄用溶媒の例としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンおよびジエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N―メチルピロリドン(NMP)およびジメチルスルホキシド(DMSO)などの非プロトン性極性溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、塩化メチレンなどの非芳香族性塩素系溶媒;ニトロメタン、ニトロエタンおよびニトロベンゼンなどのニトロ化合物;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;蟻酸、酢酸およびプロピオン酸などの有機酸;前記有機酸の酸無水物(例、無水酢酸など);水およびこれらの混合溶媒が挙げられる。これらの中では、水、アルコール類、ケトン類および/またはこれらの混合系が好ましい。
本発明で用いるドーパントとしては、例えば、有機スルホン酸、無機スルホン酸、有機カルボン酸およびこれらの塩である金属塩、アンモニウム塩などを使用することができる。酸化剤から供出され、ドーパントに使用できるアニオンも有用であり、上記酸化剤の反応後の還元体アニオンから誘導できるものであればよい。具体的には、塩素イオン、ClO 、炭素数1〜12の脂肪族有機カルボン酸アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、炭素数1〜12の脂肪族有機リン酸アニオン、硼酸アニオンなどが挙げられる。
さらに、複素環骨格を有し、高い芳香族性を有するもので、かつスルホン酸基を有するものはドーパントとして好ましい。好ましい一例としては、スルホキノン(分子内に一つ以上のスルホン酸基とキノン構造を有する化合物)が挙げられる。例えば、スルホキノンの基本骨格をもつものとしては、p−ベンゾキノン、o−ベンゾキノン、1、2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,6−ナフトキノン、9,10−アントラキノン(以下、単に「アントラキノン」と略する。)、1,4−アントラキノン、1,2−アントラキノン、1,4−クリセンキノン、5,6−クリセンキノン、6,12−クリセンキノン、アセナフトキノン、アセナフテンキノン、カンホルキノン、2,3−ボルナンジオン、9,10−フェナントレンキノン、2,7−ピレンキノンなどを挙げることができる。
中でも本発明で使用するスルホキノンとしては、好ましくは、アントラキノン骨格、1,4−ナフトキノン骨格または2,6−ナフトキノン骨格を有するスルホキノンである。
アントラキノン類の例としては、アントラキノン−1−スルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、アントラキノン−1,3−ジスルホン酸、アントラキノン−1,4−ジスルホン酸、アントラキノン−1,5−ジスルホン酸、アントラキノン−1,6−ジスルホン酸、アントラキノン−1,7−ジスルホン酸、アントラキノン−1,8−ジスルホン酸、アントラキノン−2,3−ジスルホン酸、アントラキノン−2,6−ジスルホン酸、アントラキノン−2,7−ジスルホン酸、アントラキノン−1,4,5−トリスルホン酸、アントラキノン−2,3,6,7−テトラスルホン酸、これらのアルカリ金属塩およびこれらのアンモニウム塩などが挙げられる。
また1,4−ナフトキノン類の例としては、1,4−ナフトキノン−5−スルホン酸、1,4−ナフトキノン−6−スルホン酸、1,4−ナフトキノン−5,7−ジスルホン酸、1,4−ナフトキノン−5,8−ジスルホン酸、これらのアルカリ金属塩、およびこれらのアンモニウム塩などが挙げられる。
また2,6−ナフトキノン類の例としては、2,6−ナフトキノン−1−スルホン酸、2,6−ナフトキノン−3−スルホン酸、2,6−ナフトキノン−4−スルホン酸、2,6−ナフトキノン−3,7−ジスルホン酸、2,6−ナフトキノン−4,8−ジスルホン酸、これらのアルカリ金属塩、およびこれらのアンモニウム塩などが挙げられる。
本発明で使用される幾つかのスルホキノン化合物は、単量体の重合反応に関与し、酸化脱水素剤として働く。その結果、スルホキノンは還元され、生成したキノン構造のプロトン付加体、つまりハイドロキノン構造またはキンヒドリンが固体電解質中にドーパントとしてそのまま残留する。
このようにして製造された固体電解質の電導度は、0.01〜200S/cmの範囲であり、好ましくは0.05〜100S/cmの範囲であり、さらに好ましくは0.1〜50S/cmの範囲である。
固体電解コンデンサ素子は、固体電解質層が形成された後、例えば、導電体層、電極を付与した後、樹脂封止する。または、慣用の態様および方法により積層した後に樹脂封止する。
また、例えば、図2に示すように各陰極部(固体電解質層)と陽極部がそれぞれ重なるに積層し全体を樹脂封止する。陰極と陽極に対応するリードフレーム上に、陰極部と陽極部とを有する固体電解コンデンサ素子を、陰極と陽極、陽極部と陰極部がそれぞれ対応するように積層し、全体を樹脂封止してもよい。
封止剤は特に限定されないが、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂が例示される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これらは例示であって、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
厚み110μmの化成アルミ箔(酸化皮膜厚70nm)を3.5mm幅に切断したものを13mmずつの長さに切り取り、この箔片の一方の短辺部を金属製ガイドに溶接により固定した。切口化成するために、固定していない端から7mmの箇所にポリイミド樹脂溶液(宇部興産製)を0.8mm幅に線状に描き、約180℃で30分乾燥させた。固定していないアルミ箔の先端から塗布されたポリイミド樹脂までの部分を、第1の化成(切口化成)として5質量%蓚酸水溶液中、電流密度10mA/cm、化成電圧63V、温度25℃で10分間化成処理した後、水洗、乾燥した。
次に第2の化成として、9質量%アジピン酸アンモニウム水溶液中、電流密度5mA/cm、化成電圧63V、温度65℃で10分間化成処理を行ない、同様に水洗、乾燥を行なった。
その後第3の化成工程として1質量%のケイ酸ナトリウム水溶液中、電流密度3mA/cm、化成電圧63V、温度65℃で10分間化成を行って同様に水洗、乾燥した。その後、340℃の熱処理を30分行なった。
さらに第4の化成として、9質量%アジピン酸アンモニウム水溶液中、電流密度5mA/cm、化成電圧63V、温度65℃で10分間化成処理を行ない、同様に水洗、乾燥を行なった。
次に陽極部と陰極部を分離するポリイミド樹脂を、アルミ箔の先端から5mmの部分を中心として0.8mm幅に線状に塗布し、180℃で1時間乾燥させた。陰極層である固体電解質は以下のように固体電解質を形成した。
すなわち、陰極部(3.5mm×4.6mm)を3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むイソプロパノール溶液(溶液1)に浸漬し、引き上げて放置した。次に過硫酸アンモニウムを含む水溶液(溶液2)に浸漬し、重合反応を行った。重合は雰囲気を30%RHの湿度および20℃の温度設定として酸化重合を行ない溶液1に浸漬してから溶液2に浸漬し、操作を25回繰り返した。
室温で1時間放置した後、50℃の温水で洗浄し、100℃で乾燥させて固体電解質層を形成した。さらに、陰極部にカーボンペースト、銀ペーストで電極を形成し、コンデンサ素子を完成させた。
塗布したマスキング材を含む部分をリードフレーム上にAgペーストで接合しながら3枚重ね、固体電解質のついていない部分に陽極リード端子を溶接により接続し、全体をエポキシ樹脂で封止し、135℃で20Vの電圧を印加してエージングして合計60個のチップ型固体電解コンデンサを作製した。
これら60個のコンデンサについて、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ)、100kHzにおける等価直列抵抗(以下「ESR」ということがある。)、それに漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧16Vを印加して1分後に測定した。測定結果は以下のとおりであった。
容量(平均値) :9.3μF
tanδ(平均値) :0.77%
ESR(平均値) :29mΩ
漏れ電流(平均値) :0.27μA
また0.8μA(0.005CV)以上の漏れ電流を不良品とした時の不良率は5%であった。
さらにリフロー試験およびこれに続いて行なった耐湿試験での結果を示した。リフロー試験(ハンダ耐熱性試験とも言う。)は次の方法で評価した。すなわち60個のコンデンサ素子を準備し、該素子を255℃の温度下に10秒間通過させ、この作業を3回繰り返し、定格電圧印加1分後の漏れ電流を測定し、そしてその値が16μA(0.1CV)以上の素子を不良品とした。また、耐湿試験は60℃、90%RHの高温高湿下に500時間放置し、定格電圧印加1分後漏れ電流値が64μA(0.4CV)以上を不良品とした。
リフロー試験後の漏れ電流 :3.9μA
耐湿試験後の漏れ電流 :9.1μA
いずれも不良率0であった。
実施例2
重合雰囲気の温度を30℃にした他は実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
実施例3
重合雰囲気の温度を40℃にした他は実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
実施例4
重合雰囲気の湿度を20%RH、重合温度を30℃にした他は実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
実施例5
重合雰囲気の湿度を30%RH、重合温度を30℃にした他は実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
実施例6
重合雰囲気の湿度を40%RH、重合温度を30℃にした他は実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
比較例1
重合雰囲気の湿度を30%RH、重合温度を8℃にした他は実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
比較例2
重合雰囲気の湿度を30%RH、重合温度を65℃にした他は実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
比較例3
重合雰囲気の湿度を13%RH、重合温度を30℃にした他は実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
比較例4
重合雰囲気の湿度を50%RH、重合温度を30℃にした他は実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
比較例5
酸化皮膜厚70nmの化成アルミ箔に代えて、酸化皮膜厚25nmの化成アルミ箔を用いた他は、実施例1と同様にしてコンデンサを作製して評価した。評価結果を表1および表2に示す。
Figure 2007180260
Figure 2007180260
一般的な固体電解コンデンサ素子の模式的断面図である。 一般的な固体電解コンデンサ素子を積層した状態を示す模式的断面図である。
符号の説明
1 陽極基体
2 酸化皮膜層
3 固体電解質層
4 導電体
5 マスキング材
6 固体電解コンデンサ
7 陽極リード
8 陰極リード
9 樹脂封止材

Claims (8)

  1. 表面に酸化皮膜を形成した弁作用を有する金属基材の酸化皮膜上に、導電性重合体形成性単量体を含む溶液と酸化剤を含む溶液を交互に繰り返し塗布し、重合して導電性重合体を形成する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、厚さ30nm以上の酸化皮膜が形成された弁作用金属基材を用い、かつ、雰囲気中の湿度が15%RH以上45%RH未満、かつ温度が10℃〜60℃の条件下で該単量体を重合して導電性重合体を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 導電性重合体が、下記一般式(1)
    Figure 2007180260
    (式中、置換基RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表し、
    前記置換基RおよびRは互いに任意の位置で結合して、少なくとも1つの5,6または7員環の飽和または不飽和の環状構造を形成する二価鎖を少なくとも1つ形成してもよく、
    XはS、O、Se、TeおよびNRからなる群より選ばれるヘテロ原子を表し、
    は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基を表し、
    、RおよびRが表すアルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、鎖中にカルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、またはイミノ結合を任意に有しても良く、
    δは0〜1の範囲の数である。)
    で示される構造単位を繰り返し化学構造として含むものである請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 導電性重合体が、下記一般式(2)
    Figure 2007180260
    (式中、置換基RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素基、または炭素数1〜6の炭化水素基が互いに任意の位置で結合して、式中記載の2つの酸素原子を含む少なくとも1つの5、6または7員環の飽和または不飽和の環状構造を形成する置換基を表し、
    前記環状構造は、置換ビニレン基および置換o−フェニレン基からなる群から選ばれる化学構造を含み、
    δは0〜1の範囲の数である。)
    で示される構造単位を繰り返し化学構造として含むものである請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 導電性重合体形成性単量体として、下記一般式(3)
    Figure 2007180260
    (式中、置換基RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選ばれる一価基を表し、
    前記置換基RおよびRは互いに任意の位置で結合して、少なくとも1つの5,6または7員環の飽和または不飽和の環状構造を形成する二価鎖を少なくとも1つ形成してもよく、
    XはS、O、Se、TeおよびNRからなる群より選ばれるヘテロ原子を表し、
    は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和のアルコキシ基を表し、
    、RおよびRが表すアルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、鎖中にカルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、またはイミノ結合を任意に有しても良い。)
    で示される化合物を用いて重合を行う請求項1または2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 導電性重合体形成性単量体として、下記一般式(4)
    Figure 2007180260
    (式中、置換基RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素基、または炭素数1〜6の炭化水素基が互いに任意の位置で結合して、式中記載の2つの酸素原子を含む少なくとも1つの5、6または7員環の飽和または不飽和の環状構造を形成する置換基を表し、
    前記環状構造は、置換ビニレン基および置換o−フェニレン基からなる群から選ばれる化学構造を含み、
    δは0〜1の範囲の数である。)
    で示される化合物を用いて重合を行う請求項1または3に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記酸化剤が酸化性無機酸の金属塩またはアンモニウム塩である請求項1、4または5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記酸化性無機酸の金属塩またはアンモニウム塩が過硫酸塩である請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 酸化剤を含む溶液として、さらにドーパント能を有する有機スルホン酸アニオンまたは有機スルホン酸のアニオンを供出できる化合物を含む溶液を用いる請求項1〜7のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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