JP2007180104A - 搬送治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着シートを用いて搬送対象物を搬送する搬送治具において、粘着シートの粘着力の設定が容易な構成を備える搬送治具を提供すること。
【解決手段】搬送対象物2の保持および保持した搬送対象物2の解放を行って、搬送対象物2を搬送する搬送治具1は、搬送対象物2を保持する粘着面4aと粘着面4aとは反対側の面となる裏側面4bとを有する粘着シート4と、裏側面4bを固定するためのシート固定面5aを有するとともに裏側面4bに向かって圧縮空気を供給するための空気供給孔5bが形成される粘着シート固定部材5とを備えている。シート固定面5aは、裏側面4bが固定される固定部と、空気供給孔5bに対応する位置に形成され裏側面4bが固定されない非固定部とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の搬送対象物を搬送する搬送治具に関する。
従来から、半導体チップ等の搬送対象物を搬送する搬送治具として、真空ポンプに接続される複数の溝が形成されたヘッド部と、このヘッド部に固定された粘着シートとを備える搬送治具が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された搬送治具は、粘着シートの表側に形成された粘着面で半導体チップを保持し、また、保持した半導体チップを粘着面から解放することで、半導体チップの搬送を行っている。具体的には、この搬送治具では、以下のように半導体チップの保持、解放を行っている。
まず、半導体チップを保持するときには、ヘッド部に形成された溝の圧力とヘッド部の外圧とをほぼ等しく維持し、粘着面を平面状態としている。すなわち、粘着面を平面状態として、半導体チップと粘着シートとの接触面積を大きくすることで、粘着面での半導体チップの保持力を維持している。一方、この搬送治具から半導体チップを解放するときには、真空ポンプの作用で溝の圧力を低くして、粘着シートを溝に向かって吸引し、溝側に窪ませている。すなわち、粘着面を窪ませると粘着シートと半導体チップとの接触面積が小さくなるため、粘着面での半導体チップの保持力が低下して、粘着シートから自重によって半導体チップが外れる。このように、特許文献1に記載された搬送治具では、真空ポンプによって、粘着シートと半導体チップとの接触面積を変えることで、半導体チップの保持、解放を行っている。
なお、特許文献1に記載された搬送治具では、粘着シートの粘着面の全面が所定の粘着力を有している。
特開2003−23018号公報
特許文献1に記載された搬送治具では、搬送対象物である半導体チップと粘着シートとの接触面積を変えるという簡易な構成で、搬送対象物の保持、解放を行い、搬送対象物を搬送することができる。しかしながら、特許文献1に記載された搬送治具では、全面に所定の粘着力を有する粘着面を溝側に窪ませて、搬送対象物の解放を行っているため、粘着シートの粘着力の設定が難しくなる。すなわち、粘着シートの粘着力が強すぎると、粘着面を溝側に窪ませても、搬送対象物の解放ができない。一方、この場合に、搬送対象物の解放ができるように粘着シートの粘着力を弱めると搬送対象物を確実に保持できないという問題が生じうる。
そこで、本発明の課題は、粘着シートを用いて搬送対象物を搬送する搬送治具において、粘着シートの粘着力の設定が容易な構成を備える搬送治具を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、搬送対象物の保持および保持した搬送対象物の解放を行って、搬送対象物を搬送する搬送治具において、搬送対象物を保持する粘着面と粘着面とは反対側の面となる裏側面とを有する粘着シートと、裏側面を固定するためのシート固定面を有するとともに裏側面に向かって圧縮空気を供給するための空気供給孔が形成される粘着シート固定部材とを備え、シート固定面は、裏側面が固定される固定部と、少なくとも空気供給孔に対応する位置に形成され裏側面が固定されない非固定部とを備えることを特徴とする。
本発明の搬送治具では、シート固定面は、空気供給孔に対応する位置に形成され裏側面が固定されない非固定部を備えている。そのため、空気供給孔から粘着シートの裏側面に向かって供給された圧縮空気によって、粘着シートの、非固定部に配置された部分は粘着面の方向へ向かって膨らむ。この粘着シートの膨らみ量を大きくすれば、粘着シートと搬送対象物との接触状態を限りなく点接触の状態に近づけることも可能になる。すなわち、粘着シートの膨らみ量を大きくすれば、粘着シートと搬送対象物との接触面積を非常に小さくすることができる。したがって、たとえば、粘着シートの粘着面の全面が粘着力を有する場合に、粘着シートの粘着力を強くしても粘着シートから搬送対象物を自重で外すことが可能になる。また、たとえば、粘着シートの粘着面の、非固定部に対応する位置が粘着力を有しない場合には、粘着シートの粘着力を強くしても粘着シートを膨らませることで、粘着シートから搬送対象物を外すことが可能となる。その結果、粘着シートの粘着力を設定する際には、搬送対象物を解放するための条件はそれほど考慮することなく、搬送対象物を確実に保持するための条件を考慮すれば良い。そのため、本発明の搬送治具では、粘着シートの粘着力の設定が容易になる。
本発明において、粘着面は、固定部に対応する位置の少なくとも一部に形成され粘着力を有する粘着部と、非固定部に対応する位置に形成され粘着力を有しない非粘着部とを備えることが好ましい。このように構成すると、粘着シートの裏側面に向かって供給された圧縮空気によって、粘着シートの、非固定部に配置された部分を粘着面の方向へ向かって膨らませることで、すなわち、非粘着部を搬送対象物に向かって膨らませることで、粘着部と搬送対象物とを非接触状態にすることができる。そのため、粘着シートから搬送対象物を容易に外すことができる。
本発明において、粘着シート固定部材には、分散して配置される複数の空気供給孔が形成されていることが好ましい。このように構成すると、粘着面に対向する搬送対象物の対向面に分散した力をかけて粘着シートから搬送対象物を外すことができる。そのため、薄型化して破損しやすい搬送対象物であっても、その破損を防止することができる。
本発明において、空気供給孔に連通する空気流路が形成される本体部を備え、粘着シート固定部材は、本体部とは別体で形成されるとともに本体部に着脱可能に取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、粘着シートの粘着力が低下した場合には、古い粘着シートが固定された状態の粘着シート固定部材を、新たな粘着シートが固定された状態の粘着シート固定部材に取り替えることで、搬送治具を継続して使用することができる。すなわち、搬送治具の保守が容易になる。また、本体部から取り外されると、粘着シート固定部材の取扱いが容易になる。そのため、粘着力が低下した粘着シートに再び粘着力を加えて、粘着シートおよび粘着シート固定部材を再利用することが可能となる。
本発明において、空気供給孔へ圧縮空気を供給する空気供給手段を備えることが好ましい。このように構成すると、搬送治具と空気供給手段とを接続するホース等の接続配管が不要になり、搬送治具の取扱いが容易になる。なお、圧縮空気を供給する空気供給手段として、たとえば、注射器等のピストンシリンダといった簡易な構成のものを用いることが可能であるため、搬送治具が空気供給手段を備えていても搬送治具が大型化するのを防止することは可能である。
また、上記の課題を解決するため、本発明は、搬送対象物の保持および保持した搬送対象物の解放を行って、搬送対象物を搬送する搬送治具において、搬送対象物を保持する粘着面と粘着面とは反対側の面となる裏側面とを有する粘着シートと、裏側面を固定するためのシート固定面と裏側面を吸引するために窪む空気吸引部とを有する粘着シート固定部材とを備え、シート固定面は、裏側面が固定される固定部と、少なくとも空気吸引部に対応する位置に形成され裏側面が固定されない非固定部とを備え、粘着面は、非固定部に対応する位置にのみ粘着力を有することを特徴とする。
本発明の搬送治具では、窪んだ空気吸引部に対応する位置に形成され裏側面が固定されない非固定部をシート固定面が備え、粘着面は、非固定部に対応する位置にのみ粘着力を有している。そのため、空気吸引部で粘着シートの裏側面が吸引され、粘着シートの非固定部に配置された部分が空気吸引部側へ向かって窪むと、粘着面の粘着力を有する部分と搬送対象物とが非接触状態となる。したがって、粘着シートの粘着力を強くしても粘着シートから搬送対象物を自重で外すことが可能になる。その結果、粘着シートの粘着力を設定する際には、搬送対象物を解放するための条件はそれほど考慮することなく、搬送対象物を確実に保持するための条件を考慮すれば良い。そのため、本発明の搬送治具では、粘着シートの粘着力の設定が容易になる。
本発明において、空気吸引部に連通する空気流路が形成される本体部を備え、粘着シート固定部材は、本体部とは別体で形成されるとともに本体部に着脱可能に取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、搬送治具の保守が容易になる。また、本体部から取り外された粘着シート固定部材の取扱いは容易であるため、粘着力が低下した粘着シートに再び粘着力を加えて、粘着シートおよび粘着シート固定部材を再利用することが可能となる。
本発明において、粘着シートは、シリコンゴムで形成されていることが好ましい。このように構成すると、粘着シートを容易に膨らませたり、窪ませたりすることができる。また、粘着部と非粘着部とを粘着面に形成する場合には、粘着部および非粘着部の位置精度を出しやすくなる。
以上説明したように、本発明にかかる搬送治具では、搬送対象物の搬送に利用する粘着シートの粘着力の設定が容易になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
(搬送治具の構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる搬送治具1の概略構成を側面から示す部分断面図である。図2は、図1のE−E方向から搬送治具1の一部を示す側面図である。図3は、図1のF−F方向から搬送治具1の底面を示す底面図である。図4は、図1のG−G方向から第1本体部9の上面を示す平面図である。図5は、図1に示す粘着シート固定部材5の底面を示す底面図である。図6は、図5のH部を拡大して示す拡大図である。図7は、図1のJ部を拡大して示す拡大断面図であり、(A)は、搬送治具1が半導体ウェハ2を保持した状態を示し、(B)は、搬送治具1が半導体ウェハ2を解放するときの状態を示す。
実施の形態1の搬送治具1は、所定位置に配置された搬送対象物2を保持し、また、保持した搬送対象物2を他の所定位置で解放することで、搬送対象物2を搬送するものである。本形態の搬送対象物2は半導体ウェハであるため、以下では、搬送対象物2を半導体ウェハ2と表記する。また、本形態の搬送治具1は、ウェハケース3(図3参照)に収納された半導体ウェハ2を作業者が手動で取り出して、所定の作業位置まで搬送するための治具である。この搬送治具1は、図1および図2等に示すように、半導体ウェハ2を保持するための粘着シート4と、粘着シート4が固定される粘着シート固定部材5と、粘着シート固定部材5が取り付けられる本体部6と、本体部6に取り付けられた空気供給手段としてのピストンシリンダ7とを備えている。
本体部6は、図1から図4に示すように、円板状に形成され粘着シート固定部材5が取り付けられる第1本体部9と、第1本体部9の図示上面の略中心に取り付けられた細長い円筒状の第2本体部10と、第1本体部9の図示上面で第2本体部10を支持する支持部材11と、作業者が搬送治具1を持ち上げるための取手12と、第2本体部10の図示上端に固定されたL形状の配管継手13と、ウェハケース3の内部へ搬送治具1を案内するための3つのガイド部材14とを備えている。なお、図1では便宜上、取手12の図示を省略し、また、図2では便宜上、ガイド部材14の図示を省略している。
第1本体部9は、上述のように円板状に形成されており、その外径はたとえば125mmとなっている。図1に示すように、この第1本体部9の中心には図示上下方向に貫通する貫通孔9aが形成されている。この貫通孔9aは、第2本体部10に形成された後述の貫通孔10aとほぼ同じ大きさの内径で形成された丸孔となっている。たとえば、この貫通孔9aの内径は6mmとなっている。また、図1における粘着シート固定部材5の上面に当接する第1本体部9の底面(図1の下面)には、貫通孔9aに連通する円形状の浅い凹部9bが形成されている。この凹部9bの内径は、貫通孔9aの内径よりも大きくなっており、その内径はたとえば90mmとなっている。
さらに、第1本体部9の周縁部には、粘着シート固定部材5を第1本体部9に取り付けるためのネジ(図示省略)が配置されるネジ配置孔9cが形成されている。このネジ配置孔9cは、図4に示すように、略等角度ピッチで6箇所に形成されている。さらにまた、第1本体部9の周縁部の図示上面には、ガイド部材14を取り付けるためのネジ孔9dが形成された取付溝9eが略等角度ピッチで3箇所に形成されている。また、第1本体部9の底面における凹部9bの径方向外側には、Oリング15が配設される円環状の円環溝9fが形成されている。この円環溝9fに配設されるOリング15によって、第1本体部9と粘着シート固定部材5との当接面からの空気漏れが防止されている。
ガイド部材14は、ウェハケース3の内周面に当接する当接部14aと、長孔14bが形成された基部14cとを備えている。このガイド部材14は、図4等に示すように、当接部14aを径方向外側に向けた状態で、ネジ孔9dに螺合された固定ネジ16(図1参照)によって、第1本体部9の取付溝9eに取り付けられている。固定ネジ16は、ガイド部材14の長孔14bに挿通された後に、ネジ孔9dに螺合される(図4参照)。そのため、第1本体部9に対する当接部14aの径方向外側への突出量が調整可能となっている。なお、図4では便宜上、固定ネジ16の図示を省略している。
第2本体部10には、図1に示すように、図示上下方向へ貫通する貫通孔10aが形成されている。支持部材11は、図1に示すように、鍔部11aを有する鍔付の円筒形状に形成されており、鍔部11aが第1本体部9の図示上面に固定されている。また、支持部材11の内周側には第2本体部10が挿通され、第2本体部10の図示下端が第1本体部9の図示上面に当接した状態で、第2本体部10は、支持部材11に固定されている。
取手12は、図2に示すように、搬送治具1を持ち上げるときに作業者が握るグリップ部12aを備え、第2本体部10に図示省略するネジ等の固定手段によって固定されている。
図1に示すように、第1本体部9に形成された貫通孔9aおよび凹部9bと、第2本体部10に形成された貫通孔10aと、配管継手13に形成された貫通孔13aとは連通している。これらの貫通孔9a、10a、13aおよび凹部9bによって、粘着シート固定部材5に形成された後述の空気供給孔5bに連通する空気流路が構成されている。
なお、本形態では、第1本体部9と第2本体部10と支持部材11と配管継手13とがそれぞれ別部材として形成されている。この他にも、第1本体部9と第2本体部10と支持部材11と配管継手13との少なくともいずれか2つが一体で形成されても良い。また、第1本体部9、第2本体部10、支持部材11および配管継手13は、強度を確保するためアルミ等の金属部材で形成されても良いし、軽量化を図るため樹脂部材で形成されても良い。
ピストンシリンダ7は、作業者が手動で駆動する手動式のものである。このピストンシリンダ7は、図1に示すように、略円筒状のシリンダケース17と、シリンダケース17の内部に配設されるピストン18と、シリンダケース17の内部からの空気漏れを防止するためピストン18の外周側に取り付けられたOリング19と、ピストン18の往復移動を案内するガイド20と、ピストン18を往復移動させるためのレバー21と、レバー21を動作させる時に作業者が握るグリップ部22とを備えている。
また、このピストンシリンダ7は、シリンダケース17の内部に接続される一方弁(図示省略)を備えている。この一方弁は、シリンダケース17の内部圧力が正圧(搬送治具1の外部圧力より大きな圧力)のときには、シリンダケース17の内部から空気が流出せず、シリンダケース17の内部圧力が負圧(搬送治具1の外部圧力より小さな圧力)のときには、シリンダケース17の内部に空気が流入するように、シリンダケース17の内部に接続されている。
図1に示すように、シリンダケース17の内部には、ピストン18が配設される大径部17aと、シリンダケース17の先端側(図1では左端側)に配置され大径部17aよりも内径が小さな小径部17bとが形成されている。このシリンダケース17の先端側は、配管継手13に固定され、その基端側(図1では右端側)には、グリップ部22が固定されている。
ピストン18は、大径部17aに配設されるピストンヘッド18aと、ガイド20によって図示左右方向へ案内されるピストンロッド18bとを備えている。図1に示すように、ピストンヘッド18aの外周側には、Oリング19が取り付けられている。また、ピストンロッド18bの図示右端には、連結軸23が固定されている。
レバー21は、グリップ部22に固定された固定軸24に、この固定軸24を中心として回動可能に取り付けられている。このレバー21の図示上端は、連結軸23に対して揺動可能に取り付けられている。また、図1に示すように、連結軸23および固定軸24に腕部が引っ掛けられたねじりコイルバネ25によって、連結軸23は図示右側へ付勢されている。
ピストンシリンダ7では、作業者がグリップ部22を握り、図1におけるレバー21の下端側を指で右方向へ引くと、ピストン18が左方向へ移動して、小径部17bから空気が、貫通孔9a、10a、13a等によって構成される空気流路に供給される。空気流路に供給された空気は、搬送治具1の外部に漏れないようになっており、そのため、シリンダケース17や空気流路の内部圧力が正圧となる。また、作業者がレバー21の下端側から指を外すと、ねじりコイルバネ25およびシリンダケース17内部の圧縮空気の反発力によって、ピストン18が図示右方向へ移動して、シリンダケース17や空気流路の内部圧力は、搬送治具1の外部圧力とほぼ等しくなる。なお、本形態のピストンシリンダ7は、図1に示すように、グリップ部22を備える拳銃のような形状をしたものであるが、ピストンシリンダは、注射器と同様の形状のものであっても良い。
粘着シート固定部材5は、アルミ等の金属部材または樹脂部材からなり、図5等に示すように、円板状に形成されている。たとえば、粘着シート固定部材5の外径は、第1本体部9の外径と同じ125mmとなっている。この粘着シート固定部材5の底面(図1の下面)は、粘着シート4の後述の裏側面4bを固定するためのシート固定面5aとなっている。また、粘着シート固定部材5には、貫通孔9a、10a、13a等によって構成される空気流路から供給される圧縮空気を粘着シート4の裏側面4bに向かって供給するための複数の空気供給孔5bと、シート固定面5aから窪むように形成され複数の空気供給孔5bがそれぞれ連通する複数の円環状の円環凹部5cとが形成されている。
また、粘着シート固定部材5には、第1本体部9のネジ配置孔9cに配置されるネジ(図示省略)に螺合する6個のネジ孔5dが形成されている。すなわち、粘着シート固定部材5は、ネジ配置孔9cに配置されるネジによって、第1本体部9に着脱可能に取り付けられている。
複数の空気供給孔5bは、粘着シート固定部材5の上面(図1の上面)から、円環凹部5cまで貫通するように形成されている。また、複数の空気供給孔5bは、粘着シート4の裏側面4bに向かって圧縮空気を供給するため、図1に示すように、第1本体部9に形成された凹部9bに連通する位置に形成されている。さらに、空気供給孔5bは、図5に示すように、シート固定面5aに分散した状態で複数形成されている。より具体的には、シート固定面5aのほぼ全面に略放射状に分散した状態で複数形成されている。
複数の円環凹部5cは、上述のように、複数の空気供給孔5bのそれぞれに連通しており、図5に示すように、円環凹部5cは、空気供給孔5bと同様に、略放射状に分散した状態で複数形成されている。また、円環凹部5cの内周側は、先端が平面となっている柱状の円形部5eとなっている。図1における円形部5eの下面は、図1および図7に示すように、シート固定面5aと同一面となっている。なお、円環凹部5cの外側の径は、たとえば、10mmとなっており、円環凹部5cの内側の径(すなわち、円形部5eの外径)は、たとえば、5mmとなっている。
シート固定面5aでは、円環凹部5cの形成部分および円形部5e以外の面に、粘着シート4の裏側面4bが固定される。すなわち、シート固定面5aでは、空気供給孔5bに対応するように形成された円環凹部5cの形成部分および円形部5eは、裏側面4bが固定されない非固定部となっている。また、シート固定面5aでは、円環凹部5cの形成部分および円形部5e以外の部分は裏側面4bが固定される固定部となっている。
粘着シート4は、伸び縮みが可能なシリコンゴムからなり、図3等に示すように円板状に形成されている。粘着シート固定部材5と同様にこの粘着シート4の外径も、たとえば、125mmとなっている。本形態の粘着シート4は、具体的には、信越ポリマー社製の「粘着プレート シンエツHSP」である。すなわち、本形態の粘着シート4は、電子部品や半導体デバイスの保持や搬送に最適な粘着プレートで形成されている。この粘着シート4のベース材料は、耐熱性や耐薬品性等に優れたシリコンゴムであり、その硬度(デュロメータのタイプAで測定した硬度)は10〜70度の範囲で任意に設定することができる。なお、本形態の粘着シート4の厚さはたとえば、0.3mm以上(具体的には0.5mm)となっている。
また、粘着シート4は、半導体ウェハ2を保持する粘着面4aと、粘着面4aとは反対側の面となる裏側面4bとを備えている。上述のように、裏側面4bは粘着シート固定部材5のシート固定面5aに固定されている。具体的には、シート固定面5aの固定部に裏側面4bが両面テープや接着等によって固定され、シート固定面5aの非固定部には裏側面4bは固定されていない。また、図1に示すように、粘着面4aが図示下側を向くように配置されている。さらに、シート固定面5aに固定される際の粘着シート4には外力が加えられておらず、粘着シート4は、伸び縮みしていない状態で、シート固定面5aに固定されている。なお、粘着シート4と粘着シート固定部材5とを一体成形で形成しても良い。
粘着面4aでは、図3および図7に示すように、複数の円環凹部5cの形成位置に対応する範囲であって、かつ、円環凹部5cの外側の径と同じ大きさの直径Dの範囲は、粘着力を有しない非粘着部4cとなっている。また、粘着面4aでは、非粘着部4c以外の部分が粘着力を有する粘着部となっている。すなわち、粘着面4aでは、非固定部となる円環凹部5cの形成部分および円形部5eに対応する位置に非粘着部4cが形成され、シート固定面5aの固定部(円環凹部5cの形成部分および円形部5e以外の部分)に対応する位置に粘着部が形成されている。なお、粘着部の粘着力の強さは任意に設定することができる。
ピストンシリンダ7から、貫通孔13a、10a、9a、凹部9b、空気供給孔5bおよび円環凹部5cを介して、粘着シート4の裏側面4bに向かって圧縮空気が供給されると(すなわち、貫通孔13a、10a、9a、凹部9b、空気供給孔5bおよび円環凹部5cの内部圧力が正圧になると)、図7(B)に示すように、圧縮空気によって、粘着シート4の、シート固定面5aに固定されていない部分(シート固定面5aの非固定部に対応する部分)が図示下側(粘着面4a側)に向かって膨らむように構成されている。すなわち、粘着シート4の裏側面4bに向かって圧縮空気が供給されると、非固定部となる円環凹部5cの形成部分および円形部5eに対応する位置に形成された非粘着部4cが図示下側に向かって膨らむように構成されている。
(半導体ウェハの搬送方法)
以上のように構成された搬送治具1を用いて以下のように半導体ウェハ2の搬送が行われる。以下では、ウェハケース3に収納された半導体ウェハ2を、ウェハケース3から所定の作業位置まで搬送する場合を例に半導体ウェハ2の搬送方法を説明する。
半導体ウェハ2を搬送する際には、まず、作業者が取手12を持って搬送治具1を持ち上げる。その後、粘着シート4の粘着面4aを下に向けた状態で、半導体ウェハ2が収納されているウェハケース3に搬送治具1を挿入する。このとき、搬送治具1は、ウェハケース3の内周面に当接するガイド部材14によってウェハケース3の内部に適切に案内される。
また、このときには、ピストンシリンダ7から圧縮空気が供給されず、貫通孔9a、10a、13a等から構成される空気流路、空気供給孔5bおよび円環凹部5cの内部圧力と、搬送治具1の外部圧力は略等しくなっている。そのため、図7(A)に示すように、粘着面4aは平面状態となっている。そして、ガイド部材14によってウェハケース3の内部に適切に案内された搬送治具1の粘着面4aと、ウェハケース3に収納された半導体ウェハ2とが当接し、粘着面4aに形成された粘着部に半導体ウェハ2が粘着保持される。
この状態で、搬送治具1をウェハケース3の内部から取り出し、半導体ウェハ2を所定の作業位置まで搬送する。この半導体ウェハ2の搬送時においても、粘着面4aは平面状態となっている。すなわち、空気流路、空気供給孔5bおよび円環凹部5cの内部圧力と、搬送治具1の外部圧力は略等しくなっている。なお、搬送治具1をウェハケース3の内部から取り出す際にも、半導体ウェハ2を保持した搬送治具1は、ガイド部材14によって適切に案内されるため、作業者が人手でウェハケース3から半導体ウェハ2を取り出す場合であっても、半導体ウェハ2の損傷を防止することができる。
半導体ウェハ2を所定の作業位置まで搬送すると、作業者は、半導体ウェハ2が保持された粘着面4aを下側に向けた状態で、レバー21の図1の下端側を指でグリップ部22側(図1の右側)に引く。レバー21を引くと、内部の空気が圧縮され、ピストンシリンダ7から、空気供給孔5bや円環凹部5c等を介して、粘着シート4の裏側面4bに向かって圧縮空気が供給される。圧縮空気が供給されると、図7(B)に示すように、圧縮空気によって、粘着シート4のシート固定面5aに固定されていない部分、すなわち、非粘着部4cが図示下側に向かって膨らむ。非粘着部4cが膨らむと、図7(B)に示すように、粘着面4aの粘着部から半導体ウェハ2が剥離されるため(粘着面4aの粘着部と半導体ウェハ2とが非接触状態となるため)、半導体ウェハ2は粘着シート4から外れ、所定の作業位置に配置される。
(実施の形態1の主な効果)
以上説明したように、実施の形態1の搬送治具1では、シート固定面5aにおける円環凹部5cの形成部分および円形部5eが非固定部となり、シート固定面5aにおける円環凹部5cの形成部分および円形部5e以外の部分が固定部となっている。また、粘着シート4の粘着面4aでは、シート固定面5aの非固定部に対応する位置に非粘着部4cが形成され、シート固定面5aの固定部に対応する位置に粘着部が形成されている。そのため、粘着シート4の裏側面4bに向かって供給された圧縮空気によって、非粘着部4cを膨らませて、粘着面4aの粘着部と半導体ウェハ2とを非接触状態にすることができる。したがって、圧縮空気によって、粘着シート4から半導体ウェハ2を容易に外すことができる。
すなわち、実施の形態1の搬送治具1では、粘着シート4の粘着部の粘着力を強くしても、圧縮空気の供給によって、粘着面4aの粘着部と半導体ウェハ2とを非接触状態にすることができるため、粘着シート4から半導体ウェハ2を容易に外すことができる。したがって、粘着シート4の粘着部の粘着力を設定する際には、半導体ウェハ2を解放するための条件はそれほど考慮することなく、半導体ウェハ2を確実に保持するための条件を考慮すれば良い。その結果、この搬送治具1では、粘着シート4の粘着力の設定が容易になる。
実施の形態1では、粘着シート固定部材5には、複数の空気供給孔5bがシート固定面5aのほぼ全面に略放射状に分散した状態で複数形成されている。そのため、複数の空気供給孔5bに対応するように形成された複数の非粘着部4cが圧縮空気で膨らむことによって、粘着面4aに対向する半導体ウェハ2の対向面(図1の上面)に分散した力をかけて粘着シート4の粘着部から半導体ウェハ2を剥離することができる。そのため、薄型化して破損しやすい半導体ウェハ2であっても、その破損を防止することができる。
実施の形態1では、粘着シート固定部材5は、本体部6とは別体で形成されるとともに第1本体部9に着脱可能に取り付けられている。そのため、粘着シート4の粘着力が低下した場合には、古い粘着シート4が固定された状態の粘着シート固定部材5を、新たな粘着シート4が固定された状態の粘着シート固定部材5に取り替えることで、搬送治具1を継続して使用することができる。すなわち、搬送治具1の保守が容易になる。また、本体部6から取り外されると、粘着シート固定部材5の取扱いが容易になるため、粘着力が低下した粘着シート4に再び粘着力を加えて、粘着シート4および粘着シート固定部材5を再利用することが可能となる。
実施の形態1の搬送治具1では、粘着シート4の裏側面4bへ圧縮空気を供給する空気供給手段としてピストンシリンダ7を備えている。そのため、圧縮空気を供給するためのホース等の配管を搬送治具1に接続する必要がなくなり、搬送治具1の取扱いが容易になる。特に本形態の空気供給手段は、シリンダケース17やピストン18等からなる簡易な構成のピストンシリンダ7であるため、搬送治具1に空気供給手段を設けても搬送治具1が大型化するのを防止できる。
実施の形態1では、粘着シート4はシリコンゴムで形成されている。そのため、粘着シート4を容易に膨らませることができる。また、粘着シート4はシリコンゴムで形成されているため、非粘着部4cの位置精度を出しやすくなる。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1では、粘着シート4の粘着面4aには、円環凹部5cの形成部分および円形部5eに対応する位置に非粘着部4cが形成されている。この他にもたとえば、粘着面4aには非粘着部4cが形成されず、粘着面4aの全面が粘着部であっても良い。このように構成した場合であっても、粘着シート4の裏側面4bに向かって供給される圧縮空気の圧力を大きくして、粘着シート4の、非固定部に配置された部分の膨らみ量を大きくすれば、粘着面4aと半導体ウェハ2との接触状態を限りなく点接触の状態に近づけることができる。すなわち、粘着シート4の膨らみ量を大きくすれば、粘着シート4と半導体ウェハ2との接触面積を非常に小さくすることができる。したがって、粘着シート4の粘着力を強くしても粘着シート4から半導体ウェハ2を自重で外すことが可能になる。その結果、粘着シート4の粘着力を設定する際には、半導体ウェハ2を解放するための条件はそれほど考慮することなく、半導体ウェハ2を確実に保持するための条件を考慮すれば良い。そのため、この場合であっても、粘着シート4の粘着力の設定が容易になる。
[実施の形態2]
図8は、本発明の実施の形態2にかかる搬送治具における図1のJ部に相当する部分を拡大して示す拡大断面図であり、(A)は、搬送治具が半導体ウェハ2を保持した状態を示し、(B)は、搬送治具が半導体ウェハ2を解放するときの状態を示す。
実施の形態1では、圧縮空気によって(すなわち、粘着シート4の裏側面4b側を正圧にして)粘着シート4を粘着面4a側に膨らませることで、保持した半導体ウェハ2の解放を行っている。一方、実施の形態2では、図8に示すように、粘着シート54の裏側面54a側を負圧にして粘着シート54を裏側面54b側に窪ませることで、保持した半導体ウェハ2の解放を行っており、この点が実施の形態1との主な相違点となっている。以下、この相違点を中心に実施の形態2にかかる搬送治具を説明する。なお、以下では、実施の形態1の構成と共通する構成については、図面に同一の符号を付するとともに、共通する部分についての詳細な説明は省略する。あるいは、実施の形態1と共通する部分についての図示および説明は省略する。
実施の形態2では、上述した粘着シート固定部材5に相当する粘着シート固定部材55は、上述したシート固定面5aに相当するシート固定面55aを有するとともに、この粘着シート固定部材55には、上述した複数の空気供給孔5bと同様の複数の空気吸引孔55bが形成されている。この空気吸引孔55bはたとえば、上述した空気供給孔5bと同様に、シート固定面55aのほぼ全面に略放射状に分散した状態で複数形成されている。
また、粘着シート固定部材55には、複数の空気吸引孔55bのそれぞれが連通する複数の円形状の円形凹部55cがシート固定面55aから窪むように形成されている。空気吸引孔55bは、凹部9b等から構成される空気流路を介して図示を省略する真空ポンプ等の空気吸引手段に接続されている。そして、空気吸引孔55bおよび円形凹部55cによって、上述した粘着シート4の裏側面4bに相当する粘着シート54の裏側面54bを吸引するための空気吸引部が構成されている。
シート固定面55aでは、円形凹部55cの形成部分以外の面に、粘着シート54の裏側面54bが固定される。すなわち、シート固定面55aでは、空気吸引孔55bに対応するように形成された円形凹部55cの形成部分は、裏側面54bが固定されない非固定部となっている。また、シート固定面55aでは、円形凹部55cの形成部分以外の部分は裏側面54bが固定される固定部となっている。
粘着シート54は、粘着シート4と同様に、シリコンゴム(具体的には、信越ポリマー社製の「粘着プレート シンエツHSP」)で形成されている。また、粘着シート54は、粘着シート4と同様に、半導体ウェハ2を保持する粘着面54aと、粘着面54aとは反対側の面となる裏側面54bとを備えている。
粘着面54aでは、図8に示すように、複数の円形凹部55cの形成位置に対応する範囲であって、かつ、円形凹部55cの径と同じ大きさの直径D1の範囲は、粘着力を有する粘着部54dとなっている。また、粘着面54aでは、粘着部54d以外の部分が粘着力を有しない非粘着部となっている。すなわち、粘着面54aでは、非固定部となる円形凹部55cの形成部分に対応する位置に粘着部54dが形成され、シート固定面55aの固定部に対応する位置に非粘着部が形成されている。
図示を省略する空気吸引手段によって、空気吸引孔55bおよび円形凹部55cを介して、粘着シート54の裏側面54bが吸引されると(すなわち、裏側面54a側が負圧なると)、図8(B)に示すように、粘着シート54の、シート固定面55aに固定されていない部分(すなわち、円形凹部55cに対応する部分)が図示上側(裏側面54b側)に向かって窪む。すなわち、裏側面54a側が負圧なると、非固定部となる円形凹部55cに対応する位置に形成された粘着部54dが図示上側に向かって窪む。
以上のように構成された実施の形態2の搬送治具では、空気吸引手段によって裏側面54bが吸引されていない状態で、すなわち、粘着面54aを平面状態として、実施の形態1と同様に、ウェハケース3に収納された半導体ウェハ2を粘着保持し、所定の作業位置まで搬送する。
半導体ウェハ2を所定の作業位置まで搬送すると、半導体ウェハ2が保持された粘着面54aを下側に向けた状態で、空気吸引手段によって、粘着シート54の裏側面54bを吸引する。裏側面54bを吸引すると、図8(B)に示すように、粘着シート54のシート固定面55aに固定されていない部分、すなわち、粘着部54dが図示上側に向かって窪む。粘着部54dが窪むと、図8(B)に示すように、粘着部54dから半導体ウェハ2が剥離されるため(粘着部54dと半導体ウェハ2とが非接触状態となるため)、半導体ウェハ2は粘着シート4から外れ、所定の作業位置に配置される。
以上のように、実施の形態2では、シート固定面54aは、円形凹部55cに対応する位置に形成された非固定部を備え、粘着面54aでは、非固定部に対応する位置に形成された粘着部54dのみが粘着力を有している。そのため、粘着シート54の裏側面54bが吸引され、粘着シート54の非固定部に配置された部分が裏側面54b側へ向かって窪むと、粘着部54dが裏側面54b側へ向かって窪み、粘着部54dと半導体ウェハ2とが非接触状態となる。したがって、粘着シート54の粘着力を強くしても粘着シート54から半導体ウェハ2を自重で外すことができる。その結果、粘着シート54の粘着力を設定する際には、半導体ウェハ2を解放するための条件はそれほど考慮することなく、半導体ウェハ2を確実に保持するための条件を考慮すれば良い。そのため、粘着シート54の粘着力の設定が容易になる。
実施の形態2では、空気吸引孔55bおよび円形凹部55cが、シート固定面55aのほぼ全面に略放射状に分散した状態で複数形成されている。また、粘着面54aでは、複数の円形凹部55cの形成位置に対応する範囲が粘着力を有する粘着部54dとなっている。そのため、粘着シート54の粘着面54aのほぼ全面に分散した状態で複数形成された粘着部54dによって、半導体ウェハ2を安定して保持することができる。
なお、実施の形態2でも、粘着シート固定部材55は、本体部6とは別体で形成され、第1本体部9に着脱可能に取り付けられている。そのため、搬送治具の保守が容易になる等の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
[他の実施の形態]
上述した各形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形可能である。
実施の形態1におけるシート固定面5aでは、円環凹部5cの形成部分および円形部5eは、裏側面4bが固定されない非固定部となっている。この他にもたとえば、シート固定面5aに粘着シート4を固定できるのであれば、図9(A)に示すように、円環凹部5cの形成部分よりも広い範囲が非固定部となっても良い。また、シート固定面5aの、円環凹部5cの形成部分および円形部5e以外の箇所に非固定部を設けても良い。同様に、実施の形態2でも、円形凹部55cの形成部分よりも広い範囲が非固定部となっても良いし、シート固定面55aの、円形凹部55cの形成部分以外の箇所に非固定部を設けても良い。
また、実施の形態1では、粘着シート固定部材5には円環状の円環凹部5cが形成されている。この他にもたとえば、粘着シート固定部材5には円環凹部5cが形成されずに、空気供給孔5bが、シート固定面5aまで貫通するように形成されても良い。この場合には、空気供給孔5bから供給される圧縮空気によって粘着シート4が膨らむように、空気供給孔5bに対応する位置を、裏側面4bが固定されない非固定部とすれば良い。同様に実施の形態2でも、粘着シート固定部材55に円形凹部55cが形成されずに、空気供給孔55bが、シート固定面55aまで貫通するように形成されても良い。
さらに、実施の形態1では、粘着シート固定部材5には円環状の円環凹部5cが形成されている。この他にもたとえば、円環凹部5cに代えて、空気供給孔5bに連通する円形状の凹部、楕円形状の凹部、多角形状の凹部、あるいは、多角環状の凹部が形成されても良い。同様に、実施の形態2でも、円形凹部55cに代えて、楕円形状の凹部や多角形状の凹部が形成されても良い。
さらにまた、実施の形態1における粘着面4aでは、円環凹部5cの外側の径と同じ大きさの直径Dの範囲が、粘着力を有しない非粘着部4cとなっている。この他にもたとえば、図9(B)に示すように、直径Dの範囲より広い範囲が非粘着部4cとなっても良いし、直径Dの範囲より狭い範囲が非粘着部4cとなっても良い。すなわち、粘着シート4では、シート固定面5aの非固定部に対応する位置に非粘着部4cが形成されれば良い。また、シート固定面5aの非固定部に対応する位置に加え、シート固定面5aの固定部に対応する位置に非粘着部4cが形成されても良い。さらに、実施の形態2でも、円形凹部55cの径と同じ大きさの直径D1の範囲よりも広い範囲が粘着部54dとなっても良い。
また、実施の形態1では、搬送治具1が、空気供給手段としてピストンシリンダ7を備えている。この他にもたとえば、ホース等の配管を介して電動コンプレッサー等の空気供給手段に搬送治具を接続しても良い。この場合には、図10に示すように、第2本体部10の上端側にクイックカプラー等の配管継手63を固定して、ホース等の配管を着脱可能に取り付けることが好ましい。また、図1に示すL形状の配管継手13の代わりにT形状の配管継手を第2本体部10の上端側に固定し、T形状の配管継手の一方にピストンシリンダ7を接続し、他方に他の空気供給手段に接続されたホース等の配管を接続しても良い。また、実施の形態2の搬送治具においても、治具自体が空気吸引手段を有するように構成しても良いし、ホース等の配管を介して搬送治具が空気吸引手段に接続されるように構成しても良い。
さらに、実施の形態1の搬送治具1は、ウェハケース3に収納された半導体ウェハ2を作業者が人手で取り出して、所定の作業位置まで搬送するための治具である。すなわち、搬送治具1は、手動ラインで用いられる搬送治具である。この他にもたとえば、ロボット等の搬送手段に搬送治具1を固定して(たとえば、ロボットハンドに搬送治具1を固定して)、ロボット等の搬送手段によって、半導体ウェハ2を搬送しても良い。すなわち、搬送治具1は、自動ラインで用いられる搬送治具であっても良い。この場合には、搬送治具1は、ガイド部材14を備えていなくても良い。また、実施の形態2の搬送治具も、手動ラインで用いられる搬送治具であっても良いし、自動ラインで用いられる搬送治具であっても良い。
さらにまた、上述した各形態では、搬送対象物は半導体ウェハ2であるが、搬送対象物は半導体ウェハ2には限定されない。たとえば、搬送対象物は、液晶用のガラス基板のように、半導体ウェハ2よりも大型のものであっても良いし、半導体チップのように、半導体ウェハ2よりも小型のものであっても良い。なお、本発明の搬送治具は、搬送対象物を粘着保持し、かつ、適切に解放することができるため、搬送対象物が液晶用のガラス基板等の大型のものであっても、搬送対象物を精度良く所定位置に配置することができる。
なお、上述した各形態の構成は、ICチップ等の電子部品や半導体ウェハ等を載置するトレイにも応用することができる。たとえば、トレイの枠体をなす箱の内側の底面をシート固定面とし、このシート固定面に固定部と非固定部とを設け、粘着面を上に向けた粘着シートをシート固定面に固定する。また、箱の底面に圧縮空気を供給する空気供給孔を形成し、非固定部へ圧縮空気を供給できるようにする。さらに、粘着シートの粘着面の、固定部に対応する位置を粘着部とし、非固定部に対応する位置を非粘着部とする。このように構成されたトレイでは、非粘着部が電子部品等の中心位置にくるように、かつ、粘着部に電子部品等が接触するように、粘着シートの粘着面に電子部品等を載置する。このトレイでは、粘着シートの粘着部によって電子部品等を確実に保持することができるとともに、粘着部の粘着力によって、トレイ上での電子部品等の正確な位置決めが可能になる。また、非固定部に圧縮空気を供給して非粘着部を膨らませることで、粘着シートから電子部品等を容易に取り外すことができる。
また、たとえば、ICチップ等の電子部品や半導体ウェハ等を載置するトレイを以下のように構成しても良い。すなわち、トレイの枠体をなす箱の内側の底面をシート固定面とし、このシート固定面に固定部と非固定部とを設け、粘着面を上に向けた粘着シートをシート固定面に固定するとともに、非固定部に対応する位置に凹部を形成し、非固定部を吸引して粘着シートを窪ませることができるようにする。さらに、粘着シートの粘着面の、固定部に対応する位置を非粘着部とし、非固定部に対応する位置を粘着部とする。このように構成されたトレイでは、粘着部が電子部品等の中心位置にくるように、かつ、非粘着部に電子部品等が接触するように、粘着シートに電子部品等を載置する。このトレイでは、粘着シートの粘着部によって電子部品等を確実に保持することができるとともに、粘着部の粘着力によって、トレイ上での電子部品等の正確な位置決めが可能になる。また、非固定部を吸引して粘着部を窪ませることで、粘着シートから電子部品等を容易に取り外すことができる。
本発明の実施の形態1にかかる搬送治具の概略構成を側面から示す部分断面図である。 図1のE−E方向から搬送治具の一部を示す側面図である。 図1のF−F方向から搬送治具の底面を示す底面図である。 図1のG−G方向から第1本体部の上面を示す平面図である。 図1に示す粘着シート固定部材の底面を示す底面図である。 図5のH部を拡大して示す拡大図である。 図1のJ部を拡大して示す拡大断面図であり、(A)は、搬送治具が半導体ウェハを保持した状態を示し、(B)は、搬送治具が半導体ウェハを解放するときの状態を示す。 本発明の実施の形態2にかかる搬送治具における図1のJ部に相当する部分を拡大して示す拡大断面図であり、(A)は、搬送治具が半導体ウェハを保持した状態を示し、(B)は、搬送治具が半導体ウェハを解放するときの状態を示す。 本発明の他の形態にかかる円環凹部の周辺を拡大して示す拡大図である。 本発明の他の形態にかかる搬送治具の上端部分を示す側面図である。
符号の説明
1 搬送治具
2 半導体ウェハ(搬送対象物)
4、54 粘着シート
4a、54a 粘着面
4b、54b 裏側面
4c 非粘着部
5、55 粘着シート固定部材
5a、55a シート固定面
5b 空気供給孔
5e 円形部(非固定部の一部)
6 本体部
7 ピストンシリンダ(空気供給手段)
9 第1本体部(本体部の一部)
9a 貫通孔(空気流路の一部)
9b 凹部(空気流路の一部)
10 第2本体部(本体部の一部)
10a 貫通孔(空気流路の一部)
13 配管継手(本体部の一部)
13a 貫通孔(空気流路の一部)
55b 空気吸引孔(空気吸引部の一部)
55c 円形凹部(空気吸引部の一部)

Claims (8)

  1. 搬送対象物の保持および保持した上記搬送対象物の解放を行って、上記搬送対象物を搬送する搬送治具において、
    上記搬送対象物を保持する粘着面と該粘着面とは反対側の面となる裏側面とを有する粘着シートと、上記裏側面を固定するためのシート固定面を有するとともに上記裏側面に向かって圧縮空気を供給するための空気供給孔が形成される粘着シート固定部材とを備え、
    上記シート固定面は、上記裏側面が固定される固定部と、少なくとも上記空気供給孔に対応する位置に形成され上記裏側面が固定されない非固定部とを備えることを特徴とする搬送治具。
  2. 前記粘着面は、前記固定部に対応する位置の少なくとも一部に形成され粘着力を有する粘着部と、前記非固定部に対応する位置に形成され粘着力を有しない非粘着部とを備えることを特徴とする請求項1記載の搬送治具。
  3. 前記粘着シート固定部材には、分散して配置される複数の前記空気供給孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の搬送治具。
  4. 前記空気供給孔に連通する空気流路が形成される本体部を備え、
    前記粘着シート固定部材は、上記本体部とは別体で形成されるとともに上記本体部に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の搬送治具。
  5. 前記空気供給孔へ圧縮空気を供給する空気供給手段を備えることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の搬送治具。
  6. 搬送対象物の保持および保持した上記搬送対象物の解放を行って、上記搬送対象物を搬送する搬送治具において、
    上記搬送対象物を保持する粘着面と該粘着面とは反対側の面となる裏側面とを有する粘着シートと、上記裏側面を固定するためのシート固定面と上記裏側面を吸引するために窪む空気吸引部とを有する粘着シート固定部材とを備え、
    上記シート固定面は、上記裏側面が固定される固定部と、少なくとも上記空気吸引部に対応する位置に形成され上記裏側面が固定されない非固定部とを備え、
    上記粘着面は、上記非固定部に対応する位置にのみ粘着力を有することを特徴とする搬送治具。
  7. 前記空気吸引部に連通する空気流路が形成される本体部を備え、
    前記粘着シート固定部材は、上記本体部とは別体で形成されるとともに上記本体部に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項6記載の搬送治具
  8. 前記粘着シートは、シリコンゴムで形成されていることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の搬送治具。
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