JP2007178500A - 感光性フイルム、並びに、永久パターン及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、感光層と支持体又は保護フイルムとを容易に剥離することができ、基材表面の凹凸への追従性が良好で、青紫色レーザ露光システム中に好適な感光性フイルム、並びに、該感光性フイルムを用いた永久パターン及びその効率的な形成方法の提供。
【解決手段】支持体と、感光層と、保護フイルムとをこの順に積層してなる感光性フイルムであって、前記支持体の少なくとも一方の面が離型性を有し、該離型性表面の表面張力が40dyn/cm以下であり、前記感光性フイルムから幅4.5cm×長さ8cmに切り出したサンプルを、前記支持体が表面側となるように台座上に固定し、該サンプルから支持体を引っ張り速度160cm/minで引き剥がした際における前記感光層と前記支持体との剥離力が1〜300gf/45mmであることを特徴とする感光性フイルム、これを用いた永久パターン及びその形成方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板等を覆う絶縁膜や保護膜としてのソルダーレジストなどの永久パターンを形成する、青紫色レーザ露光システムに好適な感光性フイルム、該感光性フイルムを用いた永久パターン及びその効率的な形成方法に関し、特に、感光層と支持体又は保護フイルムとの剥離性が良好で、基材表面の凹凸への追従性に優れた感光性フイルム、並びに、永久パターン及びその効率的な形成方法に関する。
プリント配線基板の分野では、半導体やコンデンサ、抵抗等の部品がプリント配線基板の上に、半田付けされる。この場合、例えば、IRリフロー等のソルダリング工程において、半田が、半田付けの不必要な部分に付着するのを防ぐため、保護膜、絶縁膜として、前記半田付けの不要部分に相当する永久パターンを形成する方法が採用されている。また、保護膜の永久パターンとしては、ソルダーレジストが好適に用いられている。
従来、ソルダーレジストとしては、熱硬化型の材料が多く用いられ、これをスクリーン印刷法で印刷して施す方法が一般的であった。しかし、近年、プリント配線板の配線の高密度化に伴い、スクリーン印刷法では解像度の点で限界が生じ、フォトリソグラフィー法で画像形成を行うフォトソルダーレジスト用の組成物が盛んに用いられるようになってきている。中でも、炭酸ソーダ溶液等の弱アルカリ溶液で現像可能なアルカリ現像型のフォトソルダーレジストが、作業環境、地球環境保全の点で主流になってきている。
前記感光性液状レジスト組成物による、前記ソルダーレジストや前記絶縁膜のプリント配線基板への形成法としては、スプレーコート、ディップコート等の各種コーターによる塗布法が一般的である。しかしながら、液状レジスト組成物を使用したときにみられる液の取り扱い性や作業効率の悪さから、近年ではドライフイルム化したレジスト組成物によるラミネート法(特許文献1参照)が望まれている。
ソルダーレジストを形成するための感光性フイルムは、基本的に、支持体上に、感光性組成物から形成された5〜80μm厚の感光層を有し、その感光層を保護するために支持体とは反対側に保護フイルムを貼り付けた構成をとる。使用される支持体としては5〜100μm厚のポリエチレンテレフタレート製透明フイルムが一般的であり、また、保護フイルムとしては5〜50μm厚のポリオレフィン製フイルムが一般的である。
前記感光性フイルムは、使用に当たり、通常は真空ラミネータ装置の中で、まず保護フイルムを剥がし、感光層を基板上に接触させつつ真空チャンバー内で脱気し、その後加熱加圧することにより十分な支持体と感光層の密着を実現する。そして放冷後に支持体を剥離する(真空ラミネータの例としては、特許文献2〜6参照)。
この過程で、感光層の表面のタック性の調整が重要である。つまりタック性が高すぎると、基板と感光層間の脱気が十分行えず、気泡残りとなり、現像後にはピンホールが開いてしまい、十分な保護機能が期待できなくなる。
一方、感光層形成後の露光としては、従来、フォトマスクを用いて露光を行うことが一般に行われてきたが、近年では、プリント基板の高生産性や不良率の減少を追求するために、マスクレスのレーザ露光システムが注目を集めている。
これらのプリント基板材料及びシステムの近年の動向の中で、高感度で膜厚均一性に優れた、青紫色レーザに対し高感度を示す感光性フイルムの開発が盛んに行われている。しかしながら、高感度や基板への十分な密着性についてはまだまだ目標性能を満足する感光性フイルムは市場に出現していない。
従って、上述した真空ラミネータによるラミネーション工程と青紫色レーザダイレクト露光システムによる露光に適合させるためには、感光層は(1)室温下ではタック性が少なく、容易に保護フイルムが剥離し、(2)青紫色レーザへの感度に優れ、(3)ラミネータの真空チャンバー内での加熱時は十分低粘度化して基板の凹凸に追従し、(4)露光後は支持体が容易に剥離することが求められる。
しかしながら、上述した(1)〜(4)の機能を満足するためには、感光層は矛盾した要求を満たす必要がある。つまり感光層の高感度化のためには一般的に感光層の粘度は低い方が有利であるのに、保護フイルムは容易に剥離できなければならず、基板との貼合わせ時には真空下での脱気性が必要のため、感光層の表面タック性は低く無ければ成らず、基板への埋め込み性確保のためにはプレス時の粘度が低い必要がある。
ソルダーレジスト用の感光性フイルムにおける、感光層の基板への密着性を改善するためには、感光層を固体状層と加熱時に流動性を有する層の2層構造とすること(特許文献1参照)や、引張及び剪断に対する抵抗の小さい支持体を用いること(特許文献7参照)などが提案されている。しかしながら、前記特許文献6及び7はソルダーレジスト形成用の組成物の具体例が記載されていない。
また、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸、多塩基酸無水物をこの順に反応して得られる生成物を含む組成物を用いた、密着性、耐熱性に優れたソルダーレジスト用の感光性フイルムも提案されている(特許文献8参照)。しかしながら、この組成物はエポキシ基を残すタイプである。
一方、エッチング用レジストフイルムにおいては、支持体と感光層との剥離性の改善を目的として、離型性支持体を用いることが知られている。具体的には、脂肪酸エステル化合物を含有するポリエステルフイルム(特許文献9参照)、フッ素含有ポリマーを塗布したポリエステルフイルム(特許文献10参照)等である。この離型性支持体をソルダーレジスト用のドライフイルムに適用したものも提案されている(特許文献11参照)。しかしながら、前記特許文献11に記載の支持体は表面凹凸が大きく、支持体剥離性や、感光層の露光感度において十分満足できるものではなかった。
特開昭61−80236号公報 特開平8−332646号公報 特開2001−252936号公報 特開2002−225059号公報 特開2003−291168号公報 特開2004−249639号公報 特開平3−229778号公報 特開平7−199457号公報 特開2004−12610号公報 特開2004−53897号公報 特開2002−185132号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、保存安定性に優れ、感光層と支持体又は保護フイルムとを容易に剥離することができ、基材表面の凹凸への追従性が良好で、青紫色レーザ露光システム中において十分な感度を有し、現像後に優れた耐熱性、表面硬度、密着性、耐薬品性、金めっき耐性、耐湿性を有する硬化膜が得られる感光性フイルム、並びに、該感光性フイルムを用いた永久パターン及びその効率的な形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体と、該支持体上に、(A)アルカリ可溶性架橋性樹脂と、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)熱架橋剤と、を少なくとも含む感光性組成物からなる感光層と、該感光層上に保護フイルムとを有する感光性フイルムであって、
前記支持体の少なくとも一方の面が離型性を有し、該離型性表面の表面張力が40dyn/cm以下であり、
前記感光性フイルムから幅4.5cm×長さ8cmに切り出したサンプルを、前記支持体が表面側となるように台座上に固定し、該サンプルから支持体を引っ張り速度160cm/minで引き剥がした際における前記感光層と前記支持体との剥離力が1〜300gf/45mmであることを特徴とする感光性フイルムである。
<2> 支持体の離型性表面の中心線平均粗さ(Ra)が、0.1μm未満である前記<1>に記載の感光性フイルムである。
<3> 支持体の離型性表面に、シリコーン化合物、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、ワックス系組成物、ポリビニルカルバメート類、及びクロム錯体の少なくともいずれかを含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<4> 感光層と支持体との間の剥離力が、感光層と保護フイルムと間の剥離力よりも大きい前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<5> (A)アルカリ可溶性架橋性樹脂が、エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<6> エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物が、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸及び多塩基酸無水物をこの順に反応して得られる生成物である前記<5>に記載の感光性フイルムである。
<7> エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物が、質量平均分子量10,000以下のオリゴマーである前記<5>から<6>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<8> (A)アルカリ可溶性架橋性樹脂が、更に(メタ)アクリル酸共重合体とエポキシ基を有するアクリレートとの開環付加反応物を含む前記<5>から<7>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<9>(D)熱架橋剤が、室温下で液体である前記<1>から<8>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<10> (D)熱架橋剤が、エポキシ化合物である前記<1>から<9>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<11> (D)熱架橋剤が、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物である前記<10>に記載の感光性フイルムである。
<12> (D)熱架橋剤が、多価フェノール化合物とβ−アルキルエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ化合物である前記<10>から<11>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<13> (D)熱架橋剤が、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される前記<10>から<12>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
ただし、前記構造式(I)中、Rは水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表し、nは0〜20の整数を表す。
ただし、前記構造式(II)中、R及びR’は同じでも異なってもよく、水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表し、nは0〜20の整数を表す。
<14> 感光層が、増感色素としてアクリドン化合物を含有し、青紫色レーザ露光に対して5〜60mJ/cmの感度を有する前記<1>から<13>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<15> 支持体が、少なくとも片面の表面を離型処理したポリエチレンテレフタレートフイルムであり、保護フイルムが、ポリオレフィンフイルムである前記<1>から<14>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<16> 支持体の膜厚が、5〜100μmであり、保護フイルムの膜厚が、5〜50μmである前記<1>から<15>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<17> 支持体が、長尺状である前記<1>から<16>のいずれかに記載の感光性フイルムである。
<18> 前記<1>から<17>のいずれかに記載の感光性フイルムにおける感光層を、基材の表面に積層した後、前記感光層に対し露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法である。該<18>に記載の永久パターン形成方法においては、前記<1>から<17>のいずれかに記載の感光性フイルムが、加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において基材の表面に転写され感光層が積層された後、露光され、該露光された感光層が現像される。その結果、表面硬度が高く、保護膜あるいは絶縁膜に最適な永久パターンが形成される。
<19> 基材が、配線形成済みのプリント配線基板である前記<18>に記載の永久パターン形成方法である。該<19>に記載の永久パターン形成方法においては、前記基材が配線形成済みのプリント配線基板であるので、該永久パターン形成方法を利用することにより、半導体や部品の多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの高密度実装が可能である。
<20> 露光が、350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる前記<18>から<19>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<21> 感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行われる前記<18>から<20>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<21>に記載の永久パターン形成方法においては、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部が指定され、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部が制御される。前記露光ヘッドを、前記感光層に対し走査方向に相対的に移動させて露光が行われることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記永久パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な永久パターンが形成される。
<22> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<21>に記載の永久パターン形成方法である。該<22>に記載の永久パターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域に形成される前記永久パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な永久パターンが形成される。
<23> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<21>に記載の永久パターン形成方法である。該<23>に記載の永久パターン形成方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記永久パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な永久パターンが形成される。
<24> 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される前記<21>から<23>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<25> N重露光のNが、3以上の自然数である前記<21>から<24>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<25>に記載のパターン形成方法においては、N重露光のNが、3以上の自然数であることにより、多重描画が行われる。この結果、埋め合わせの効果により、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記永久パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが、より精密に均される。
<26> 使用描素部指定手段が、
描素部により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える前記<21>から<25>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<27> 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する前記<21>から<26>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<28> 光点位置検出手段が、検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす実傾斜角度θ´を特定し、描素部選択手段が、前記実傾斜角度θ´と設定傾斜角度θとの誤差を吸収するように使用描素部を選択する前記<26>から<27>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<29> 実傾斜角度θ´が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである前記<28>に記載の永久パターン形成方法である。
<30> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する前記<28>から<29>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<31> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する前記<28>から<29>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<32> 描素部選択手段が、複数の描素部列により形成される被露光面上の重複露光領域を少なくとも含む領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
のいずれかである前記<26>から<31>に記載の永久パターン形成方法である。
<33> 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
のいずれかである前記<26>から<32>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<34> 不使用描素部が、行単位で特定される前記<33>に記載の永久パターン形成方法である。
<35> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<21>から<34>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<35>に記載の永久パターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、(N−1)列毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純な永久パターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<36> 使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部行を構成する前記描素部のみを使用して参照露光を行う前記<21>から<35>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<36>に記載の永久パターン形成方法においては、使用描素部指定手段において使用描素部を指定するために、使用可能な前記描素部のうち、N重露光のNに対し、1/N行毎の描素部列を構成する前記描素部のみを使用して参照露光が行われ、略1重描画の単純な永久パターンが得られる。この結果、前記ヘッド間つなぎ領域における前記描素部が容易に指定される。
<37> 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する前記<21>から<36>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<38> N重露光のNが、3以上7以下の自然数である前記<21>から<37>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<39> 光変調手段が、形成する永久パターン情報に基づいて制御信号を生成する永久パターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該永久パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<21>から<38>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<40> パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する変換手段を有する前記<21>から<39>のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
<41> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<21>から<40>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<42> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<41>に記載の永久パターン形成方法である。
<43> 描素部が、マイクロミラーである前記<21>から<42>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<44> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<21>から<43>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<44>に記載の永久パターン形成方法においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細な永久パターンが形成される。
<45> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<21>から<44>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<45>に記載の永久パターン形成方法においては、前記光照射手段により、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームが前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファイバに結合可能とすることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細な永久パターンが形成される。
<46> 現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う前記<18>から<45>のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
<47> 保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する前記<46>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。該<47>に記載の永久パターン形成方法では、保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかが形成されるので、該膜の有する絶縁性、耐熱性などにより、配線が外部からの衝撃や曲げなどから保護される。
<48> 前記<18>から<47>のいずれかに記載の永久パターン形成方法により形成されることを特徴とする永久パターンである。該<48>に記載の永久パターンは、前記永久パターン形成方法により形成されるので、優れた耐薬品性、表面硬度、耐熱性などを有し、かつ高精細であり、半導体や部品の多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの高密度実装に有用である。
<49> 保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかである前記<48>に記載の永久パターンである。該<49>に記載の永久パターンは、保護膜、層間絶縁膜及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかであるので、該膜の有する絶縁性、耐熱性などにより、配線が外部からの衝撃や曲げなどから保護される。
本発明によれば、従来における問題を解決することができ、保存安定性に優れ、感光層と支持体又は保護フイルムとを容易に剥離することができ、基材表面の凹凸への追従性が良好で、青紫色レーザ露光システム中において十分な感度を有し、現像後に優れた耐熱性、表面硬度、密着性、耐薬品性、金めっき耐性、耐湿性を有する硬化膜が得られる感光性フイルム、並びに、該感光性フイルムを用いた永久パターン及びその効率的な形成方法を提供することができる。
(感光性フイルム)
前記感光性フイルムは、離型性表面を有する支持体と、感光層と、保護フイルムとを有してなり、更に必要に応じて、その他の層を有してなる。
前記感光性フイルムにおいては、該感光性フイルムから幅4.5cm×長さ8cmに切り出したサンプルを、前記支持体が表面側となるように台座上に固定し、該サンプルから支持体を引っ張り速度160cm/minで引き剥がした際における前記感光層と前記支持体との剥離力(測定時の剥離力のピーク強度)が1〜300gf/45mmであり、1〜100gf/45mmが好ましく、1〜10gf/45mmが特に好ましい。
前記剥離力が300gf/45mmを超えると、取り扱い時にタック(ベタツキ)が問題となることがあり、1gf/45mm未満であると、加工時に支持体が剥がれてしまうことがある。
また、前記感光性フイルムは、基板へのラミネート時の簡便さを考慮して、前記感光層と前記支持体との間の剥離力が前記感光層と前記保護フイルムと間の剥離力よりも大きいことが好ましい。これは、該感光性フイルムは、基板へのラミネートに先立って、該保護フイルムを該感光性フイルムから剥離するためである。
前記大小関係を満たさないと、保護フイルムの剥離時に、前記感光層と前記支持体との間で剥がれ、保護フイルムのみを剥がすことが困難になることがある。
従って、前記感光層と前記保護フイルムと間の剥離力としては、該感光性フイルムから幅4.5cm×長さ8cmに切り出したサンプルを、前記支持体が表面側となるように台座上に固定し、該サンプルから支持体を引っ張り速度160cm/minで引き剥がした際における前記感光層と前記保護フイルムとの剥離力(測定時の剥離力のピーク強度)が1〜100gf/45mmであり、1〜50gf/45mmが好ましい。
〔離型性表面を有する支持体〕
前記離型性表面を有する支持体としては、少なくとも一方の表面が離型性を有し、該離型性表面の表面張力が、40dyn/cm以下であれば特に制限はないが、離型性表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm未満であるものが好ましく、更に、光の透過性が良好であるものがより好ましい。
前記離型性表面を有する支持体としては、それ自体が離型性材料であるポリエステル(特開2000−94507号公報参照)、ポリオレフィンなどの離型性樹脂とポリエステルとの共押出により製造される多層積層フイルム(特開平6−161096号、特開平6−236026号、特開平9−96907号各公報参照)や離型層を表面に形成したポリエステルフイルム(特開平2−83546号、特開平10−53639号、特開2003−191423号、特開2004−53897号各公報参照)などを挙げることができる。これらの中でも、離型層を少なくとも一方の表面に形成したポリエステルフイルムが好ましく、特に、離型層を少なくとも一方の表面に形成したポリエチレンテレフタレートフイルムが好ましい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記離型層としては、シリコーン化合物、フッ素系樹脂、ワックス系組成物、オレフィン系樹脂、ポリビニルカルバメート類、クロム錯体よりなる群のいずれか一種以上を主成分とする離型剤から形成される。離型剤の種類には、制限はなく、表面張力が40dyn/cm以下で、感光層との剥離強度が1〜300gf/45mmになるように、種類や濃度を選べばよい。これらの中でも、特に、シリコーン化合物やフッ素系樹脂を主成分とするものが好ましい。
<シリコーン化合物>
前記シリコーン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、硬化型シリコーン樹脂が好ましい。
前記硬化型シリコーン樹脂としては、これを主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等であってもよい。前記硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型、縮合型、紫外線硬化型、電子線硬化型、無溶剤型等、いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
前記硬化型シリコーン樹脂の具体例としては、信越化学工業(株)製のKS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製のDKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製のYSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製のSD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。前記硬化型シリコーン樹脂は、更に離型層の剥離性等を調整するために、剥離コントロール剤と併用してもよい。
また、本発明の離型層は、前記硬化型シリコーン樹脂に加え、更に四官能性のシロキサン構造単位を有するシリコーン系化合物を添加することも、オリゴマー析出防止効果が一層向上するために好ましい。通常、シロキサン構造は、下記一般式に示すように四通りのシロキサン構造単位に分類される。
[RSiO(4−m)/2
ただし、前記一般式において、Rは珪素原子に直接結合した、非置換又は置換炭化水素基であり、かつラジカル重合性のない炭化水素基を表し、mは0〜3の整数を表す。
前記一般式において、mが1以上の場合(一官能性:M単位;二官能性:D単位;三官能性:T単位)は、離型層自体からオリゴマーが析出する場合があり、好ましくない。例えば、より高温で保護フイルムを熱処理した場合には離型層表面からのオリゴマー析出量がさらに増加する場合がある。m=0であるシロキサン構造単位、すなわち、四官能性のシロキサン構造単位(以下、Q単位と略記する場合がある)を有する離型層を設けた保護フイルムを用いれば、離型層がより緻密な塗膜を形成するため、オリゴマー析出防止効果が一層向上するようになるので好ましい。
前記離型層がQ単位のシロキサン構造単位を有する具体例として、例えば、硬化型シリコーン樹脂にQ単位のシロキサン構造を有するシリコーン系化合物を添加する方法等が挙げられ、かかるシリコーン系化合物としては、反応性を有するレジンタイプのものが例示される。
本発明における離型層中のQ単位を有するシリコーン系化合物の含有量としては、離型層中10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。該含有量が10質量%未満であると、得られる離型層のオリゴマー析出防止効果が不十分となることがある。
<フッ素系樹脂>
前記フッ素系樹脂を主成分とする離型剤としては、フッ素を含有する重合体成分と架橋剤を併用することが必要である。
フッ素含有する重合体成分としては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレンなどを単量体とするフルオロオレフィン系共重合樹脂;ヒドロキシ基含有のフッ素樹脂共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系化合物又は他の単量体とをグラフト重合してなるフッ素系共重合樹脂;パーフルオロアルキル基を有するビニル重合体;等が挙げられる。これらの中でもフルオロオレフィン系共重合樹脂が好ましい。
前記フルオロオレフィン系共重合樹脂としては、具体的には、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン又はフッ化ビニリデン等の含フッ素ビニル単量体類が約20〜約60モル%、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等の各種のカルボン酸ビニルエステル類が30〜70モル%、及びマレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステルが5〜35モル%からなる共重合樹脂が挙げられる。
前記分子内にフッ素を含有する重合体は、水分散体として塗布液とすることが好ましい。前記水分散体とする方法としては、例えば、カルボキシル基の一部を塩基性化合物を用いて中和した後水性媒体中に分散する方法、アニオン型、カチオン型、両性型、非イオン型などの界面活性剤を乳化剤として水媒体中で乳化重合する方法、等がある。
前記分子中にフッ素を含有する重合体の水分散体の添加量としては、塗膜を形成させるために用いる塗布液に対して、通常20〜95質量%、好ましくは30〜90質量%が好ましい。該含有量が20質量%未満であると、支持体の感光性フイルムからの離型性が低下することがある。
本発明においては、離型層とフイルムとの接着性を向上させ、レジスト面への移行を防ぐため、及び滑り性を良化するために架橋剤を混合して塗布することが必須である。前記架橋剤としては、メラミン系、アミド系、アクリルアミド系等の化合物、エポキシ化合物、ポリイソシアネート、ブロックポリイソシアネート、カルボジイミド化合物、等が挙げられる。
前記架橋剤の含有量としては、該架橋剤の由来成分が塗布層の乾燥固形分中5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。該含有量が80質量%を超えると、支持体の感光性フイルムからの離型性が低下することがあり、5質量%未満であると、塗布層の塗膜強度が低下することがある。
本発明の離型層形成用塗布液には、塗布性を向上させるために本発明の効果を損なわない範囲で、潤滑剤、帯電防止剤、消泡剤、粒子等を含有させてもよい。
<ワックス系組成物>
前記ワックス系組成物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販の各種のワックス、例えば石油系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、動物系ワックス、低分子量ポリオレフィン類などを使用することができるが、本発明においては石油系ワックス、植物系ワックスの併用が剥離性の点で好ましい。
前記石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、などが挙げられる。これらの中でも酸化ワックスの使用が突起形成性の点で特に好ましい。
また、前記植物性ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ロウ、オリキューリーワックス、さとうきびロウ、ロジン変性ワックス、などが挙げられる。
石油系ワックス/植物性ワックスを組み合わせる場合の混合質量比率としては、10/90〜90/10が好ましく、20/80〜80/20がより好ましく、30/70〜70/30が特に好ましい。
前記植物性ワックスを10質量%以上とするのは高温時における易滑性及び離型性の付与、並びに、水に乳化あるいは懸濁させる場合の均一分散性が良好で均一な塗布膜を得るのに好適であることによる。また、石油系ワックスを10質量%以上とするのは塗布膜の突起形成による易滑性が良好であると共に高速ラミネート時の操作性が良いことによる。ここで、組み合わせる石油系ワックスとしては酸化ワックスがより好ましい。
また、本発明においては、前記ワックス系組成物に更にオイル状物質を加えて混合物としてもよい。この場合、高温処理などの過酷領域での離型性が特に優れたものとすることができる。ここでオイル状物質とは、常温で液体あるいはペースト状のオイルであり、植物油、油脂、鉱物油、合成潤滑油などを挙げることができる。
前記植物油としてはアマニ油、カヤ油、サフラー油、大豆油、シナギリ油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヌカ油、綿実油、オリーブ油、サザンカ油、つばき油、ヒマシ油、落花生油、バーム油、椰子油、などが挙げられる。
前記油脂としては牛脂、豚油、羊油、カカオ油、などが挙げられる。
前記鉱物油としてはマシン油、絶縁油、タービン油、モーター油、ギヤ油、切削油、流動パラフィンなどが挙げられる。
前記合成潤滑油としては化学大辞典(共立出版社)に記載の要件を満たすものを任意に使用することができ、例えばオレフィン重合油、ジエステル油、ポリアルキレングリコール油、シリコーン油などを挙げることができる。
これらの中でも高パルス幅領域での走行性の良好な鉱物油、合成潤滑油が好適である。またこれらの混合系であってもよい。
前記オイル状物質の含有量としては、前記ワックス系組成物100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましい。該含有量が1質量部未満であると、高温高湿領域での剥離性が低下することあり、100質量部を越えると、逆に低温低湿領域での剥離性が低下することある。上記範囲とした場合には広範囲の温度・湿度下でスティックが起こらず剥離性が良好となる。
前記ワックス系組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加剤を併用することができる。該添加剤としては、例えば、帯電防止剤、耐熱剤、耐酸化防止剤、有機、無機の粒子、顔料、などが挙げられる。また、塗料中には、水への分散性を向上させ、塗布性を向上させる目的で各種添加剤、例えば分散助剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを添加してもよい。
<オレフィン系樹脂>
前記オレフィン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1及び4−メチルペンテン−1、これらの共重合体(エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等)、これらのオレフィンと他のモノマーとの共重合体、などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<ポリビニルカルバメート類>
前記ポリビニルカルバメート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルステアレート等のポリビニルアルコールと長鎖イソシアネートとの反応により製造される化合物(特公昭29−7333号、特公昭34−3382号、特開昭62−81475号各公報参照)などが挙げられる。また、前記ポリビニルカルバメート類は市販品を用いてもよく、例えば、ピーロイル405(一方社油脂工業製商品名)などが挙げられる。
<クロム錯体>
前記クロム錯体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、BTRジャパン社製AMC−2(クロムオクタノエート)などが挙げられる。
<離型層の形成方法>
本発明において、支持体に離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗布方式を挙げることができる。
前記離型層の塗布量としては、塗布性の面から、通常0.01〜1g/mが好ましくは、0.03〜0.5g/mがより好ましい。該塗布量が0.01g/m未満であると、塗布性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になることがあり、一方、1g/mを超えて厚塗りにすると、離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下することがある。
前記離型層の厚みとしては、0.005μm〜2μmが好ましく、0.01μm〜0.5μmがより好ましい。該厚みが0.005μm未満であると、スティックが発生しやすくなり、2μmを超えると、耐ブロッキング性が不十分となることがある。
<支持体ヘの添加微粒子>
本発明において、支持体を構成するポリエステルには、滑剤微粒子を添加してフイルムの作業性(滑り性)を確保することが好ましい。前記滑剤微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機系滑剤微粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられ、有機系滑剤微粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等が挙げられる。これらの中でも、一次粒子の凝集粒子である多孔質シリカ粒子が特に好ましい。該多孔質シリカ粒子はフイルムの延伸時に粒子周辺にボイドが発生しにくいため、フイルムの透明性を向上させることができる。
前記多孔質シリカ粒子を構成する一次粒子の平均粒径としては、0.001〜0.1μmが好ましい。該平均粒径が0.001μm未満であると、スラリー段階で解砕により極微細粒子が生成し、これが凝集体を形成して、透明性低下の原困となることがあり、0.1μmを超えると、粒子の多孔性が失われ、その結果、ボイド発生が少ない特徴が失われることがある。
前記凝集粒子の細孔容積としては、0.5〜2.0ml/gが好ましく、0.6〜1.2ml/gがより好ましい。該細孔容積が0.5ml/g未満であると、粒子の多孔性が失われ、ボイドが発生し易くなり、透明性が低下することがあり、2.0ml/gを超えると、解砕、凝集が起こり易く、粒径の調整を行うことが困難になることがある。
前記多孔質シリカ粒子の平均粒径としては、0.05μm以上3.0μm未満が好ましく、0.1μm以上2.5μm以下がより好ましい。該平均粒径が0.05μm以下であると、フイルムの作業性すなわち滑り性を得るために添加量を多くせねばならず、透明性が損なわれることがある。3.0μmを超えると、解像度が低下することがあり、回路を形成する導体の縁辺が直線的にならず、ギザギザになり易い。
前記多孔質シリカ粒子の添加量としては、50ppm以上1,000ppm未満が好ましく、100ppm以上800ppm以下がより好ましい。該添加量が50ppm未満であると、滑り性付与に効果が得られないことがあり、1,000ppm以上であると、透明性が損なわれることがある。
また、多孔質シリカは粗大(例えば10μm以上)凝集粒子を形成することがあり、該粗大凝集粒子の個数が多いと解像度低下や破れの原因となる。該粗大凝集粒子の個数を減らすためには、製膜時のフィルターとして線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜30μm、好ましくは13〜28μm、更に好ましくは15〜25μmの不織布型フィルターを用い、溶融ポリマーを濾過することが好ましい。
前記多孔質シリカ粒子又はその他の滑剤粒子は、通常、ポリエステルを製造するための反応時、例えばエステル交換法による場合、エステル交換反応中ないし重縮合反応中の任意の時期、又は直接重合法による場合の任意の時期に、反応系中に添加(好ましくはグリコール中のスラリーとして)される。特に、重縮合反応の初期、例えば固有粘度が約0.3に至るまでの間に多孔質シリカ粒子を反応系中に添加するのが好ましい。
本発明の離型性を有する支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上75μm以下がより好ましく、15μm以上38μm以下が特に好ましい。該厚みが100μmを超えると、本発明のポリエステルフイルムをドライフイルムフォトレジスト用に使用した際に、厚い支持体のために、光散乱により解像度が低下することがあり、5μm未満であると、強度が不足し、特に支持体の剥離作業時の破れが頻発することがある。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの長さのものが挙げられる。
〔感光層〕
前記感光層は、感光性組成物から形成される。前記感光性組成物としては、少なくとも(A)アルカリ可溶性架橋性樹脂と、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)熱架橋剤と、を含み、更に必要に応じて無機充填剤、着色剤、熱硬化促進剤などのその他の成分を含んでなる。
前記感光層の前記感光性フイルムにおいて設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記支持体上に積層される。
また、前記感光層は、青紫レーザ露光に対して、5〜60mJ/cmの感度を有することが好ましい。
<(A)アルカリ可溶性架橋性樹脂>
前記アルカリ可溶性架橋性樹脂は、バインダーとしての機能があり、前記感光層の硬度を高め、弾性体としての性質を付加する機能がある。
前記アルカリ可溶性とは、それを含む感光性組成物がアルカリ性現像液によって溶解する性質をいい、具体的には、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有していればよい。アルカリ性現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、ヒドロキシエチルアミン、トリエチルアミンのようなアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような4級アンモニウムヒドロキシド類の水溶液やそれらと混和性の有機溶剤との混合物が用いられる。pHは、8〜14であり、これらアルカリ剤の0.01〜10質量%水溶液が好ましい。これらのアルカリ性現像液のうち、プリント配線板業界では、一般的に、0.2〜2質量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられ、1質量%炭酸ナトリウム水溶液が最も一般的である。
現像方法の一例を示すと、表面を整面し、乾燥した銅張積層板の表面に、感光性フイルムの保護フイルムを剥がしながら、感光層を、真空ラミネータを用いて圧着して、銅張り積層板、感光層、そして支持体フイルムからなる積層体を作製する。圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、そして加圧時間10秒とする。
積層体から支持体フイルムを剥がし取り、銅張り積層板上の感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.1MPaの圧力にてスプレーする。少なくとも60秒間のスプレーの後で銅張り積層板上の感光層が除去された場合、現像されことになる。
このようなアルカリ可溶性を示す樹脂としては、例えば、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液中に1質量%以上の溶解度を示すものから、好適に選ぶことができる。
一方、前記架橋性とは、光化学反応により、線状のポリマー分子が網状の三次元構造となる分子の性質をいい、このような架橋性を示す樹脂としては、具体的には、光重合開始剤の光分解により、発生する遊離ラジカルの作用により、重合反応をして網状化しうる樹脂が挙げられる。
従って、アルカリ可溶性架橋性樹脂とは、分子中にアルカリ可溶性基と光重合に関与する架橋性基を含有する、1%炭酸ソーダ水溶液(pH=10)に可溶性の樹脂である。
前記アルカリ可溶性架橋性樹脂としては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。具体的には、エチレン性不飽和二重結合と酸性基とを有する化合物が挙げられ、エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物が好適である。また、これらは、更に必要に応じてその他のアルカリ可溶性架橋性樹脂と併用してもよい。
−エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物−
前記エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ基含有重合性化合物と不飽和カルボン酸とを反応させた反応生成物、及びエポキシ基含有重合性化合物と不飽和カルボン酸とを反応させ、更に多塩基酸無水物を付加させた反応生成物などが挙げられる。
前記エポキシ基含有重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型ビフェニル型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等の多官能グリシジルアミン樹脂;テトラフェニルグリシジルエーテルエタン等の多官能性グリシジルエーテル樹脂;フェノール、o−クレゾール、ナフトール等のフェノール化合物と、フェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合反応により得られるポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応物;フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物;4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環を有するエポキシ樹脂;などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、α−シアノ桂皮酸、β−スチルアクリル酸、β−アクリロキシプロピオン酸、及び1個の水酸基と1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と二塩基酸無水物との反応物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多塩基酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニルコハク酸無水物、無水クロレンド酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、及びベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ化合物にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物の中でも、下記構造式(III)及び(IV)で表されるエポキシアクリレート化合物が好ましい。
ただし、前記構造式(III)中、Xは、水素原子、又は少なくとも酸性基を含む置換基を表す。Yは、メチレン基、イソプロピリデン基、又はスルホニル基を表す。nは、1〜20の整数を表す。
ただし、前記構造式(IV)中、nは、1〜20の整数を表す。
また、前記構造式(III)で表されるエポキシアクリレート化合物としては、具体的には、下記構造式(V)で表されるビスフェノールF型エポキシアクリレート化合物、及び下記構造式(VI)で表されるビスフェノールA型エポキシアクリレート化合物がより好ましい。
前記エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物としては、質量平均分子量10,000以下のオリゴマーが好ましい。該質量平均分子量としては、500〜5,000がより好ましく、1,000〜3,000が特に好ましい。該質量平均分子量が10,000を超えると、現像性が悪化したり、基板への積層時に埋め込み性が悪化することがある。
−その他のアルカリ可溶性架橋性樹脂−
前記エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物と併用可能なその他のアルカリ可溶性架橋性樹脂としては、例えば、ビニルポリマー型架橋性樹脂などが挙げられる。
前記ビニルポリマー型架橋性樹脂は、下記タイプ(A−1)、(A−2)及び(A−3)に分類され、少なくともいずれかのタイプから選ばれる。
タイプ(A−1):(a)カルボキシル基含有共重合樹脂と、(b)エポキシ基含有不飽和化合物との反応により製造される。
タイプ(A−2):(c)エポキシ基含有共重合樹脂と、(d)カルボキシル基含有不飽和化合物を付加反応し更に得られる生成物のヒドロキシル基への(e)多塩基酸無水物の付加反応により製造される。
タイプ(A−3):(f)酸無水物基含有共重合樹脂と、(g)分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の付加反応により製造される。
なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタアクリレート及びそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
−−タイプ(A−1)−−
前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型架橋性樹脂の製造に用いられる、(a)カルボキシル基含有共重合樹脂は、1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン類の少なくともいずれかとを共重合させて得られる。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂を構成単位とする1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物とは、(メタ)アクリル酸、更にはマレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基を分子中に2個以上含むものが挙げられる。また、マレイン酸、イタコン酸のモノエステル、又はモノアミドも含まれる。また、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物が挙げられる。これら半エステル化合物は、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物とを等モル比で反応させることで得られる。
前記半エステル化合物の合成に用いられるヒドロキシル基含有アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンダエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジベンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記半エステル化合物の合成に用いられる飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルナドラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
これら1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂の構成単位となる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂の構成単位となるスチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t−Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂は、これら1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基、又は、酸無水物基を有する化合物と(メタ)アクリル酸エステルモノマーとスチレン類の少なくともいずれかとの通常の共重合法、例えば、溶液重合法により共重合して得られる。
また、前記(a)カルボキシル基含有共重合樹脂に包含される、マレイン酸モノエステル/スチレン類共重合体、マレイン酸モノアミド/スチレン類共重合体、イタコン酸モノエステル/スチレン類共重合体やイタコン酸モノアミド/スチレン類共重合体の場合は、それぞれ無水マレイン酸/スチレン類共重合体や無水イタコン酸/スチレン類共重合体のアルコール類又は一級又は二級アミン類との高分子反応により得ることができる。
前記マレイン酸無水物との高分子反応に使用する前記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノールなどを好適に挙げることができる。
また、前記一級アミン類としては、例えば、ベンジルアミン、フェネチルアミン、3−フェニル−1−プロピルアミン、4−フェニル−1−ブチルアミン、5−フェニル−1−ペンチルアミン、6−フェニル−1−ヘキシルアミン、α−メチルベンジルアミン、2−メチルベンジルアミン、3−メチルベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、2−(p−トリル)エチルアミン、β―メチルフェネチルアミン、1−メチル−3−フェニルプロピルアミン、2−クロロベンジルアミン、3−クロロベンジルアミン、4−クロロベンジルアミン、2−フロロベンジルアミン、3−フロロベンジルアミン、4−フロロベンジルアミン、4−ブロモフェネチルアミン、2−(2−クロロフェニル)エチルアミン、2−(3−クロロフェニル)エチルアミン、2−(4−クロロフェニル)エチルアミン、2−(2−フロロフェニル)エチルアミン、2−(3−フロロフェニル)エチルアミン、2−(4−フロロフェニル)エチルアミン、4−フロロ−α,α−ジメチルフェネチルアミン、2−メトキシベンジルアミン、3−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、2−エトキシベンジルアミン、2−メトキシフェネチルアミン、3−メトキシフェネチルアミン、4−メトキシフェネチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、フェニルアミン、1−ナフチルアミン、メトキシメチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2−ブトキシエチルアミン、2−シクロへキシルオキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミンなどが好適に挙げられる。
更に、前記二級アミン類としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、ジエチルアミン、エチルプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N,N−メチルベンジルアミンなどを好適に挙げることができる。
前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型架橋性樹脂の製造に用いられる(b)エポキシ基含有不飽和化合物としては、1分子中に1個のラジカル重合性の不飽和基とエポキシ基とを有する化合物であればよく、例えば、下記一般式(VII−1)〜(VII−14)で示される化合物などが挙げられる。
ただし、一般式(VII−1)〜(VII−14)において、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1〜10のアルキレン基、R16は炭素数1〜10の炭化水素基、pは0又は1〜10の整数を表す。
これら(b)エポキシ基含有不飽和化合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
−−タイプ(A−2)−−
前記タイプ(A−2)のビニルポリマー型架橋性樹脂の製造に用いられるエポキシ基含有共重合樹脂(c)は、エポキシ基含有モノマーとそれ以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリルエステル及びスチレン類の少なくともいずれかとの共重合により得られる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型架橋性樹脂の説明において既述の化合物が好適に用いられる。
前記エポキシ基含有モノマー以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン類の少なくともいずれかは、前記タイプ(A−1)のビニルポリマー型架橋性樹脂において既述のもののうち、カルボキシル基、アルコール性ヒドロキシル基、フェノール性ヒドロキシル基、アミノ基などを含まないものが好適に用いられる。
前記エポキシ基含有共重合樹脂(c)の製造法としては、エポキシ基含有モノマーとそれ以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン類を常法、例えば溶液重合法等により共重合して得られる。
ここで前記エポキシ基含有モノマーとそれ以外のエポキシ基と非反応性の(メタ)アクリルエステル及びはスチレン類の少なくともいずれかとのモル比は60:40〜20:80が好適である。なお、エポキシ基含有モノマーの配合量が少な過ぎてこのモル比が20:80より大きいと、次の不飽和カルボン酸、更に多塩基酸無水物の前記共重合体への付加量が少なくなる結果、紫外線硬化性及び希アルカリ水溶液による現像性が悪くなり、また逆にエポキシ基含有モノマーの配合量が多過ぎて前記モル比が60:40より小さいと、軟化点が低くなり過ぎる傾向がある。
また、前記カルボキシル基含有不飽和化合物(d)は、タイプ(A−1)のビニルポリマー型架橋性樹脂の説明中で1分子中に1個の不飽和基と少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物として既述の各化合物が好適に使用できる。
また、前記多塩基酸無水物(e)としては、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、3−エチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−エチルヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、3−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、4−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、3−エチルテトラヒドロフタル酸無水物、4−エチルテトラヒドロフタル酸無水物、フタル酸無水物などの、分子中に1つの酸無水物基を有する飽和又は不飽和の脂肪族化合物、脂環式又は芳香族化合物が好ましい。これらの中でも、テトラヒドロフタル酸無水物が特に好ましい。
前記エポキシ基含有共重合体とカルボキシル基含有不飽和化合物と引き続く多塩基酸無水物との反応は次のように実施するのが好ましい。前記エポキシ基含有モノマーの共重合体に対し、この共重合体の1エポキシ基当量当り0.8〜1.2モルの不飽和カルボン酸を付加反応した後、更に得られる生成物のヒドロキシル基に多塩基酸無水物を付加反応する。
−−タイプ(A−3)−−
前記タイプ(A−3)のビニルポリマー型架橋性樹脂の製造に用いられる酸無水物基含有樹脂(f)は、マレイン酸無水物とスチレン類の共重合又はイタコン酸無水物とスチレン類の共重合により得られる。
共重合成分である前記スチレン類は、前記タイプ(A−1)の架橋性樹脂の説明中で既述のものが好適に用いられる。前記マレイン酸無水物又は前記イタコン酸無水物と前記スチレン類の共重合組成比は90:10〜10:90が好ましく、80:20〜20:80が更に好ましく、70:30〜30:70が特に好ましい。90:10以上では硬化部の耐現像性が劣り、10:90以下では現像性が劣る。
前記無水マレイン酸1モルに対してスチレンを1モルから3モルの割合で共重合させて得られる質量平均分子量が、1,000から5,000程度の共重合体が好ましく、例えば、ARCO Chemical社製SMAレンジ1000、2000、3000などが挙げられる。
前記分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(g)としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ペンダエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、グリセロールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記酸無水物共重合体と、分子中に1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの開環付加反応は、活性水素を含まない有機溶剤中で行うという公知の方法で製造できる。溶剤として好ましいものは、酢酸エチル、メトキシプロピルアセテート、メチルエチルケトン等が好ましい。その際の前記モノマー中ヒドロキシル基/前記共重合体中酸無水物基のモル比は0.8〜1.2が好ましい。
上記開環付加反応は通常50℃から200℃で行なうがジエステルの生成及びゲル化を防止するために80℃から150℃程度が好ましい。なお、反応促進剤としてトリエチルアミン、トリエタノールアミン、モリホリン、ペンダメチルジエチレントリアミンなどの第三級アミン類又は第四級アンモニウム塩などを使用することができる。一方反応中に重合物が生成するのを防止するためにヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルヒドロキノン、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、フェノチアジンなどの公知の重合禁止剤を添加使用することもできる。
得られた前記タイプ(A−1)、(A−2)及び(A−3)の少なくともいずれかからなるビニルポリマー型架橋性樹脂は、その酸価が、50〜250mgKOH/gの範囲にあることが必要である。前記酸価は、70〜200mgKOH/gがより好ましく、90〜180mgKOH/gが特に好ましい。前記酸価が、50mgKOH/g未満であると、弱アルカリ水溶液である現像液での未露光部の除去が難しく、一方、250mgKOH/gを超えると、硬化被膜の耐水性、電気特性が劣るなどの弊害がある。
また、前記ビニルポリマー型架橋性樹脂は、質量平均分子量が5,000〜200,000の範囲にあるものが好ましい。また、質量平均分子量は10,000〜100,000がより好ましく、30,000〜80,000が特に好ましい。質量平均分子量が5,000未満であると、指触乾燥性が著しく劣り、支持体との剥離性が劣る。一方、質量平均分子量が200,000を超えると、アルカリ現像液による未露光部の除去性、貯蔵安定性が著しく悪くなる等の問題を生じるので好ましくない。
また、前記アルカリ可溶性架橋性樹脂としては、特開平5−70528号公報記載のフルオレン骨格を有するエポキシアクリレートに酸無水物を付加させて得られる化合物、特開平11−288087号公報記載のポリアミド(イミド)樹脂、特開平2−097502号公報や特開2003−20310号公報記載のアミド基を含有するスチレン又はスチレン誘導体と酸無水物共重合体、特開平11−282155号公報記載のポリイミド前駆体なども用いることができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートに酸無水物を付加させて得られる化合物、ポリアミド(イミド)、アミド基含有スチレン/酸無水物共重合体、あるいは、ポリイミド前駆体などのバインダーの分子量は、3,000〜500,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。該分子量が3,000未満であると、感光層表面のタック性が強くなることがあり、後述する感光層の硬化後において、膜質が脆くなる、あるいは、表面硬度が劣化することがあり、500,000を超えると、現像性が劣化することがある。
前記アルカリ可溶性光架橋性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記アルカリ可溶性架橋性樹脂の前記感光性組成物中の固形分含有量としては、15〜70質量%が好ましい。15質量%未満であると、硬化膜の強靱性が劣ることがあり、70質量%を越えると信頼性の低下など、性能バランスが劣化することがある。
特に、前記アルカリ可溶性架橋性樹脂としては、前記エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物からの1種と前記ビニルポリマー型架橋性樹脂からの1種との混合物が、バランスのとれた性能を付与することができるため好ましい。その場合の混合比としては、質量比で10/90〜90/10が好ましく、20/80〜80/20がより好ましく、30/70〜70/30が特に好ましい。
更に、本発明においては、前記ビニルポリマー型架橋性樹脂の中でも、(メタ)アクリル酸共重合体とエポキシ基を有するアクリレートとの開環付加反応物が好ましい。
<(B)重合性化合物>
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記(メタ)アクリル基を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンやグリセリン、ビスフェノールなどの多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応した後で(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報などの各公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報などの各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類などの多官能アクリレートやメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記重合性化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量としては、5〜75質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。該固形分含有量が5質量%未満であると、現像性の悪化、露光感度の低下などの問題を生ずることがあり、75質量%を超えると、感光層の粘着性が強くなりすぎることがあり、好ましくない。
<(C)光重合開始剤>
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができ、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(330〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するものなど)、ホスフィンオキサイド、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテルなどが挙げられる。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物としては、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記英国特許1388492号明細書記載の化合物としては、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭53−133428号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記独国特許3337024号明細書記載の化合物としては、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物としては、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭62−58241号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−281728号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−34920号公報記載化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなど)などが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス<9,9’−アクリジニル)ヘプタンなど)、N−フェニルグリシンなど、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトンなど)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5−19475号公報、特開平7−271028号公報、特開2002−363206号公報、特開2002−363207号公報、特開2002−363208号公報、特開2002−363209号公報などに記載のクマリン化合物など)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル、ペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODBIIなど)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレットなど)、アシルホスフィンオキサイド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えば、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η−シクロペンタジエニル−η−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシー2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
また、後述する感光層への露光における露光感度や感光波長を調整する目的で、前記光重合開始剤に加えて、増感剤を添加することが可能である。
前記増感剤は、後述する光照射手段としての可視光線や紫外光レーザ、可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤など)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動など)することにより、ラジカルや酸などの有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができ、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン(例えば、2−クロロ−10−ブチルアクリドン等)など)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリンなどがあげられ、他に特開平5−19475号公報、特開平7−271028号公報、特開2002−363206号公報、特開2002−363207号公報、特開2002−363208号公報、特開2002−363209号公報などの各公報に記載のクマリン化合物など)が挙げられる。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記増感剤の含有量としては、前記感光性組成物中の全成分に対し、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。該含有量が、0.05質量%未満であると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、保存時に前記感光層から前記増感剤が析出することがある。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の特に好ましい例としては、後述する露光において、波長が405nmのレーザ光に対応可能である、前記ホスフィンオキサイド類、前記α−アミノアルキルケトン類、前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物と後述する増感剤としてのアミン化合物とを組合せた複合光開始剤、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、あるいは、チタノセンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の前記感光性組成物における含有量としては、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。
<(D)熱架橋剤>
前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室温下(25℃)で液体あることが好ましく、前記感光性組成物を用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができる。
前記1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000、ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業社製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂(例えば、低臭素化エポキシ樹脂、高ハロゲン化エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、アリル基含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジフェニルジメタノール型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業社製」等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、トリグリシジルアミノフェノール等)、グリジジルエステル型エポキシ樹脂(フタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等)ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジエポキシド、「GT−300、GT−400、ZEHPE3150;ダイセル化学工業製」等)、イミド型脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、市販品としては「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学社製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業社製」等)、フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの、線状含リン構造を有するエポキシ樹脂、環状含リン構造を有するエポキシ樹脂、α―メチルスチルベン型液晶エポキシ樹脂、ジベンゾイルオキシベンゼン型液晶エポキシ樹脂、アゾフェニル型液晶エポキシ樹脂、アゾメチンフェニル型液晶エポキシ樹脂、ビナフチル型液晶エポキシ樹脂、アジン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂社製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有する前記エポキシ化合物以外に、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物を用いることが出来、β位がアルキル基で置換されたエポキシ基(より具体的には、β−アルキル置換グリシジル基など)を含む化合物が特に好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物は、室温における保存安定性の観点から、前記感光性組成物中に含まれる前記エポキシ化合物全量中における、全エポキシ基中のβ−アルキル置換グリシジル基の割合が、70%以上であることが好ましい。
前記β−アルキル置換グリシジル基としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、β−ブチルグリシジル基、などが挙げられ、これらの中でも、前記感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させる観点、及び合成の容易性の観点から、β−メチルグリシジル基が好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物としては、例えば、多価フェノール化合物とβ−アルキルエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ化合物が好ましい。
前記β−アルキルエピハロヒドリンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−メチルエピクロロヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン、β−メチルエピフロロヒドリン等のβ−メチルエピハロヒドリン;β−エチルエピクロロヒドリン、β−エチルエピブロモヒドリン、β−エチルエピフロロヒドリン等のβ−エチルエピハロヒドリン;β−プロピルエピクロロヒドリン、β−プロピルエピブロモヒドリン、β−プロピルエピフロロヒドリン等のβ−プロピルエピハロヒドリン;β−ブチルエピクロロヒドリン、β−ブチルエピブロモヒドリン、β−ブチルエピフロロヒドリン等のβ−ブチルエピハロヒドリン;などが挙げられる。これらの中でも、前記多価フェノールとの反応性及び流動性の観点から、β−メチルエピハロヒドリンが好ましい。
前記多価フェノール化合物としては、1分子中に2以上の芳香族性水酸基を含有する化合物であれば、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ビフェノール、テトラメチルビフェノール等のビフェノール化合物、ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等のナフトール化合物、フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物等のフェノールノボラック樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド重縮合物等の炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物、キシレノール−ホルムアルデヒド重縮合物等の炭素数1〜10のジアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物、ビスフェノールA−ホルムアルデヒド重縮合物等のビスフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物、フェノールと炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノールとホルムアルデヒドとの共重縮合物、フェノール化合物とジビニルベンゼンの重付加物などが挙げられる。これらの中でも、例えば、流動性及び保存安定性を向上させる目的で選択する場合には、前記ビスフェノール化合物が好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ジヒドロキシナフタレンのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビナフトールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のナフトール化合物のβ−アルキルグリシジルエーテル;フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;クレゾール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;キシレノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のジアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビスフェノールA−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;フェノール化合物とジビニルベンゼンの重付加物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;などが挙げられる。
これらの中でも、下記構造式(I)で表されるビスフェノール化合物、及びこれとエピクロヒドリンなどから得られる重合体から誘導されるβ−アルキルグリシジルエーテル、及び下記構造式(II)で表されるフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテルが好ましい。
ただし、前記構造式(I)中、Rは水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表し、nは0〜20の整数を表す。
ただし、前記構造式(II)中、R及びR’は同じでも異なってもよく、水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表し、nは0〜20の整数を表す。
これらβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物、及びβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物を併用することも可能である。
前記オキセタン化合物としては、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基を有する化合物と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
また、前記熱架橋剤としては、特開平5−9407号公報記載のポリイソシアネート化合物を用いることができ、該ポリイソシアネート化合物は、少なくとも2つのイソシアネート基を含む脂肪族、環式脂肪族又は芳香族基置換脂肪族化合物から誘導されていてもよい。具体的には、2官能イソシアネート(例えば、1,3−フェニレンジイソシアネートと1,4−フェニレンジイソシアネートとの混合物、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−及び1,4−キシリレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−フェニル)メタン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)、該2官能イソシアネートと、トリメチロールプロパン、ペンタリスルトール、グリセリン等との多官能アルコール;該多官能アルコールのアルキレンオキサイド付加体と、前記2官能イソシアネートとの付加体;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート又はその誘導体等の環式三量体やビュレット体;ノルボルナンジイソシアネート;などが挙げられる。
更に、本発明の感光性組成物の保存性を向上させることを目的として、前記ポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物を用いてもよい。
前記イソシアネート基ブロック剤としては、アルコール類(例えば、イソプロパノール、tert−ブタノール等)、ラクタム類(例えば、ε−カプロラクタム等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−sec−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等)、複素環式ヒドロキシル化合物(例えば、3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等)、活性メチレン化合物(例えば、ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等)などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
また、前記熱架橋剤として、メラミン誘導体を用いることができる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン(メチロール基を、メチル、エチル、ブチルなどでエーテル化した化合物)などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保存安定性が良好で、感光層の表面硬度あるいは硬化膜の膜強度自体の向上に有効である点で、アルキル化メチロールメラミンが好ましく、ヘキサメチル化メチロールメラミンが特に好ましい。
また、その他の熱架橋剤として、メラミン以外のアルデヒド縮合生成物、樹脂前駆体などを用いることができる。具体的には、N,N’−ジメチロール尿素、N,N’−ジメチロールマロンアミド、N,N’−ジメチロールスクシンイミド、1,3−N,N’−ジメチロールテレフタルアミド、2,4,6−トリメチロールフェノール、2,6−ジメチロール−4−メチロアニソール、1,3−ジメチロール−4,6−ジイソプロピルベンゼン、などが挙げられる。また、これらのメチロール化合物の代わりに、対応するエチルもしくはブチルエーテル、又は酢酸あるいはプロピオン酸のエステルを使用してもよい。
前記熱架橋剤の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量としては、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。該固形分含有量が1質量%未満であると、硬化膜の膜強度の向上が認められず、50質量%を超えると、現像性の低下や露光感度の低下を生ずることがある。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、アルカリ可溶性非架橋性樹脂、無機充填剤、着色剤、熱硬化促進剤溶剤、密着促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤及びその他の添加剤などが挙げられ、更にその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする感光性組成物あるいは感光性フイルムの安定性、写真性、膜物性などの性質を調整することができる。
−アルカリ可溶性非架橋性樹脂−
本発明の感光性組成物中には、バインダーとして、更にアルカリ可溶性非架橋性樹脂を添加することができる。
前記アルカリ可溶性非架橋性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、マレアミド酸系共重合体などが挙げられる。
前記マレアミド酸系共重合体は、無水マレイン酸共重合体の無水物基に対して1級アミン化合物を1種以上反応させて得られる共重合体である。該共重合体は下記構造式(VIII)で表される、マレイン酸ハーフアミド構造を有するマレアミド酸ユニットBと、前記マレイン酸ハーフアミド構造を有しないユニットAと、を少なくとも含むマレアミド酸系共重合体であるのが好ましい。
前記ユニットAは1種であってもよいし、2種以上であってもよい。例えば、前記ユニットBが1種であるとすると、前記ユニットAが1種である場合には、前記マレアミド酸系共重合体が2元共重合体を意味することになり、前記ユニットAが2種である場合には、前記マレアミド酸系共重合体が3元共重合体を意味することになる。
前記ユニットAとしては、置換基を有していてもよいアリール基と、後述するビニル単量体であって、該ビニル単量体のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が80℃未満であるビニル単量体(c)との組合せが好適に挙げられる。
ただし、前記構造式(VIII)中、R及びRは水素原子及び低級アルキル基のいずれかを表す。x及びyは繰り返し単位のモル分率を表し、例えば、前記ユニットAが1種の場合、xは85〜50モル%であり、yは15〜50モル%である。
前記構造式(VIII)中、Rとしては、例えば、(−COOR10)、(−CONR1112)、置換基を有していてもよいアリール基、(−OCOR13)、(−OR14)、(−COR15)などの置換基が挙げられる。ここで、前記R10〜R15は、水素原子(−H)、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基及びアラルキル基のいずれかを表す。該アルキル基、アリール基及びアラルキル基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。
前記R10〜R15としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、アリル、n−ヘキシル、シクロへキシル、2−エチルヘキシル、ドデシル、メトキシエチル、フェニル、メチルフェニル、メトキシフェニル、ベンジル、フェネチル、ナフチル、クロロフェニルなどが挙げられる。
前記Rの具体例としては、例えば、フェニル、α−メチルフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル等のベンゼン誘導体;n−プロピルオキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、メチルオキシカルボニルなどが挙げられる。
前記Rとしては、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。これらは、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。前記Rの具体例としては、例えば、ベンジル、フェネチル、3−フェニル−1−プロピル、4−フェニル−1−ブチル、5−フェニル−1−ペンチル、6−フェニル−1−ヘキシル、α−メチルベンジル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル、2−(p−トリル)エチル、β―メチルフェネチル、1−メチル−3−フェニルプロピル、2−クロロベンジル、3−クロロベンジル、4−クロロベンジル、2−フロロベンジル、3−フロロベンジル、4−フロロベンジル、4−ブロモフェネチル、2−(2−クロロフェニル)エチル、2−(3−クロロフェニル)エチル、2−(4−クロロフェニル)エチル、2−(2−フロロフェニル)エチル、2−(3−フロロフェニル)エチル、2−(4−フロロフェニル)エチル、4−フロロ−α,α−ジメチルフェネチル、2−メトキシベンジル、3−メトキシベンジル、4−メトキシベンジル、2−エトキシベンジル、2−メトキシフェネチル、3−メトキシフェネチル、4−メトキシフェネチル、メチル、エチル、プロピル、1−プロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ラウリル、フェニル、1−ナフチル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、3−メトキシプロピル、2−ブトキシエチル、2−シクロへキシルオキシエチル、3−エトキシプロピル、3−プロポキシプロピル、3−イソプロポキシプロピルアミンなどが挙げられる。
前記アルカリ可溶性非架橋性樹脂は、特に、(a)無水マレイン酸と、(b)芳香族ビニル単量体と、(c)ビニル単量体であって、該ビニル単量体のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が80℃未満であるビニル単量体と、からなる共重合体の無水物基に対して1級アミン化合物を反応させて得られる共重合体であるのが好ましい。該(a)成分と、該(b)成分と、からなる共重合体では、後述する感光層の高い表面硬度を得ることはできるものの、ラミネート性の確保が困難になることがある。また、該(a)成分と、該(c)成分と、からなる共重合体では、ラミネート性は確保することができるものの、前記表面硬度の確保が困難になることがある。
−−(b)芳香族ビニル単量体−−
前記芳香族ビニル単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の感光性組成物を用いて形成される感光層の表面硬度を高くすることができる点で、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が80℃以上である化合物が好ましく、100℃以上である化合物がより好ましい。
前記芳香族ビニル単量体の具体例としては、例えば、スチレン(ホモポリマーのTg=100℃)、α−メチルスチレン(ホモポリマーのTg=168℃)、2−メチルスチレン(ホモポリマーのTg=136℃)、3−メチルスチレン(ホモポリマーのTg=97℃)、4−メチルスチレン(ホモポリマーのTg=93℃)、2,4−ジメチルスチレン(ホモポリマーのTg=112℃)などのスチレン誘導体が好適に挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−(c)ビニル単量体−−
前記ビニル単量体は、該ビニル単量体のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が80℃未満であることが必要であり、40℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。
前記ビニル単量体としては、例えば、n−プロピルアクリレート(ホモポリマーのTg=−37℃)、n−ブチルアクリレート(ホモポリマーのTg=−54℃)、ペンチルアクリレート、あるいはヘキシルアクリレート(ホモポリマーのTg=−57℃)、n−ブチルメタクリレート(ホモポリマーのTg=−24℃)、n−ヘキシルメタクリレート(ホモポリマーのTg=−5℃)などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−1級アミン化合物−
前記1級アミン化合物としては、例えば、ベンジルアミン、フェネチルアミン、3−フェニル−1−プロピルアミン、4−フェニル−1−ブチルアミン、5−フェニル−1−ペンチルアミン、6−フェニル−1−ヘキシルアミン、α−メチルベンジルアミン、2−メチルベンジルアミン、3−メチルベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、2−(p−トリル)エチルアミン、β−メチルフェネチルアミン、1−メチル−3−フェニルプロピルアミン、2−クロロベンジルアミン、3−クロロベンジルアミン、4−クロロベンジルアミン、2−フロロベンジルアミン、3−フロロベンジルアミン、4−フロロベンジルアミン、4−ブロモフェネチルアミン、2−(2−クロロフェニル)エチルアミン、2−(3−クロロフェニル)エチルアミン、2−(4−クロロフェニル)エチルアミン、2−(2−フロロフェニル)エチルアミン、2−(3−フロロフェニル)エチルアミン、2−(4−フロロフェニル)エチルアミン、4−フロロ−α,α−ジメチルフェネチルアミン、2−メトキシベンジルアミン、3−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、2−エトキシベンジルアミン、2−メトキシフェネチルアミン、3−メトキシフェネチルアミン、4−メトキシフェネチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、1−プロピルアミン、ブチルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、アニリン、オクチルアニリン、アニシジン、4−クロルアニリン、1−ナフチルアミン、メトキシメチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2−ブトキシエチルアミン、2−シクロヘキシルオキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、ベンジルアミン、フェネチルアミンが特に好ましい。
前記1級アミン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記1級アミン化合物の反応量としては、前記無水物基に対して0.1〜1.2当量であることが必要であり、0.1〜1.0当量が好ましい。該反応量が1.2当量を超えると、前記1級アミン化合物を1種以上反応させた場合に、溶解性が著しく悪化することがある。
前記(a)無水マレイン酸の前記アルカリ可溶性非架橋性樹脂における含有量は、15〜50mol%が好ましく、20〜45mol%がより好ましく、20〜40mol%が特に好ましい。該含有量が15mol%未満であると、アルカリ現像性の付与ができず、50mol%を超えると、耐アルカリ性が劣化し、また、前記共重合体の合成が困難になり、正常な永久パターンの形成を行うことができないことがある。また、この場合における、前記(b)芳香族ビニル単量体、及び(c)ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が80℃未満であるビニル単量体の前記アルカリ可溶性非架橋性樹脂における含有量は、それぞれ20〜60mol%、15〜40mol%が好ましい。該含有量が該数値範囲を満たす場合には、表面硬度及びラミネート性の両立を図ることができる。
前記マレアミド酸系共重合体の分子量は、3,000〜500,000が好ましく、8,000〜150,000がより好ましい。該分子量が3,000未満であると、後述する感光層の硬化後において、膜質が脆くなり、表面硬度が劣化することがあり、500,000を超えると、前記感光性組成物の加熱積層時の流動性が低くなり、適切なラミネート性の確保が困難になることがあり、また、現像性が悪化することがある。
前記アルカリ可溶性非架橋性樹脂の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量としては、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
−無機充填剤−
前記無機充填剤は、永久パターンの表面硬度を向上でき、線膨張係数を低く抑えることができ、硬化層自体の誘電率や誘電正接を低く抑えることができる機能がある。
前記無機充填剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。
前記無機充填剤の平均粒径は、3μm未満が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。該平均粒径が3μm以上であると、光錯乱により解像度が劣化することがある。
前記無機充填剤の添加量としては、5〜75質量%が好ましく、8〜70質量%がより好ましく、10〜65質量%が特に好ましい。該添加量が5質量%未満であると、十分に線膨張係数を低下させることができないことがあり、75質量%を超えると、感光層表面に硬化膜を形成した場合に、該硬化膜の膜質が脆くなり、永久パターンを用いて配線を形成する場合において、配線の保護膜としての機能が損なわれることがある。
更に必要に応じて有機微粒子を添加することも可能である。好適な有機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などが挙げられる。また、平均粒径0.1〜2μm、吸油量100〜200m/g程度のシリカ、架橋樹脂からなる球状多孔質微粒子などを用いることができる。
前記無機充填剤に、平均粒径が0.1〜2μmの粒子を含有していることから、永久パターンをプリント配線基板の薄型化にともなって、厚み5〜20μmに薄層化したとしても、無機充填剤粒子が永久パターンの表裏両面を架橋することはなく、その結果、高加速度試験(HAST)においてもイオンマイグレーションの発生がなく、耐熱性、耐湿性に優れた永久パターンとすることができる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の染料の中から、適宜選択した着色顔料などの染料を使用することができる。
−−着色顔料−−
前記着色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・イエロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・イエロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・イエロー83)、イソインドリンイエロー(C.I.ピグメントイエロー139及び185)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色顔料の前記感光性組成物溶液の固形分中の固形分含有量は、永久パターン形成の際の感光層の露光感度、解像性などを考慮して決めることができ、前記着色顔料の種類により異なるが、一般的には0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましい。
−熱硬化促進剤−
前記熱硬化促進剤は、熱架橋剤である、前記エポキシ樹脂化合物や前記多官能オキセタン化合物の熱硬化を促進する機能があり、前記感光性樹脂に好適に添加される。
前記熱硬化促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミンなどのアミン化合物;トリエチルベンジルアンモニウムクロリドなどの4級アンモニウム塩化合物;ジメチルアミンなどのブロックイソシアネート化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩;トリフェニルホスフィンなどのリン化合物;メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナミン化合物;2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物などのS−トリアジン誘導体、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、有機ヒドラジド累、無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などの芳香族酸無水物、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの脂肪族酸無水物類、ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラックなどのポリフェノール類などなどを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記エポキシ樹脂化合物や前記多官能オキセタン化合物の硬化触媒、あるいは、これらとカルボキシル基の反応を促進することができるものであれば、特に制限はなく、上記以外の熱硬化を促進可能な化合物を用いてもよい。
前記エポキシ樹脂、前記多官能オキセタン化合物、及びこれらとカルボン酸との熱硬化を促進可能な化合物の前記感光性組成物溶液の固形分中の固形分含有量は、通常0.01〜20質量%である。
−密着促進剤−
前記密着促進剤は、各層間の密着性、又は感光層と基材との密着性、電食性を向上させる機能がある。
前記密着促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアテミン、メラミン−フェノールホルマリン樹脂、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジンなどのトリアジン化合物が挙げられる。市販されているトリアジン化合物としては、下記構造式(A)〜(C)に示す四国化成工業社製;2MZ−AZINE(構造式(A)),2E4MZ−AZINE(構造式(B)),CllZ−AZINE(構造式(C))などが挙げられる。
これらの化合物は、銅回路との密着性を高め、耐PCT性を向上させ、電食性にも効果がある。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。密着促進剤の配合量は、感光性組成物固形分に対して0.1〜40質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。
−熱重合禁止剤−
前記熱重合禁止剤は、前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止し、保存安定性を向上させるために添加することが好ましい。
前記熱重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、アルキル又はアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレートなどが挙げられる。
前記熱重合禁止剤の含有量としては、前記重合性化合物に対して0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。該含有量が、0.001質量%未満であると、保存時の安定性が低下することがあり、5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
−その他の添加剤−
前記その他の添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベントン、モンモリロナイト、エアロゾル、アミドワックスなどのチキソ性付与剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤、レベリング剤のような添加剤類を用いることができる。
<感光層の形成方法>
前記感光層の形成方法としては、前記支持体の上に、本発明の前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて前記感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記感光性組成物を溶解するための前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いて、前記支持体に直接塗布する方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合などによっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3〜100μmが好ましく、5〜70μmがより好ましい。
〔保護フイルム〕
前記保護フイルムは、前記感光層の汚れや損傷を防止し、保護する機能を有する。
前記保護フイルムとしては、上述したように、前記感光層と前記支持体との間の剥離力が前記感光層と前記保護フイルムと間の剥離力よりも大きいことが好ましい。
前記保護フイルムは、上述の剥離力の関係を満たすために、離型性を有していることが好ましく、該離型性を有する保護フイルムとしては、その材質自体が離型性であるものと、離型性層を表面に形成したものに分けられる。具体的には、それ自身が離型性材料であることが知られているポリオレフィン類から得られる保護フイルムが好ましいが、更に離型性処理した高分子フイルムなどからも選ぶこともできる。
前記ポリオレフィンフイルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい。
本発明に使用しうる離型性処理した高分子フイルムとしては、離型層を形成したポリエステルが好ましい。
前記離型層形成用の離型剤としては、ポリオレフィンワックス、フッ素化合物、シリコーン化合物など、前記支持体用離型剤と同様のものを好適に使用することができる。
前記保護フイルムの好ましい厚みとしては、5μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上40μm以下がより好ましく、16μm以上30μm以下が特に好ましい。該厚みが5μm未満であると、強度が不足することがあり、50μmを超えると、フイルムのコシが強いために、保護フイルムを剥離する際、感光層の表面に傷を与えるおそれがある。
〔その他の層〕
本発明の感光性フイルムは、前記感光層、前記支持体、前記保護フイルムの他に、クッション層、酸素遮断層(PC層)、接着層、光吸収層、表面保護層などのその他の層を有していてもよい。
前記その他の層の前記感光性フィルムにおける配置、厚み等は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記クッション層は、常温ではタック性が無く、真空及び加熱条件で積層した場合に溶融し、流動する層であることが好ましい。
前記PC層は、ポリビニルアルコールを主成分として形成された1.5μm程度の被膜であることが好ましい。
本発明の感光性フイルムの1つの形態としては、例えば、図1に示すように、少なくとも支持体4と、支持体離型層3と、感光層2と、保護フイルム1と、をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる形態が挙げられる。この形態では、保護フイルム1は、その材質自体が離型性であるものが好ましい。
また、本発明の感光性フイルムの他の形態としては、例えば、図2に示すように、少なくとも支持体4と、支持体離型層3と、感光層2と、保護フイルム離型層5、保護フイルム1と、をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる形態が挙げられる。
なお、前記感光層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。また、本発明の感光性フイルムの形態としては、これらに制限されるものではない。
前記感光性フイルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。前記長尺状の感光性フイルムの長さとしては、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られるのが好ましい。また、前記ロール状の感光性フイルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置するのが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いるのが好ましい。
本発明の感光性フイルムは、保存安定性に優れ、現像後に優れた耐薬品性、表面硬度、耐熱性などを発揮する感光性組成物が積層された感光層を有してなる。このため、プリント配線板、カラーフィルタや柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの永久パターン形成用として広く用いることができ、本発明の永久パターン及びその形成方法に好適に用いることができる。
特に、本発明の感光性フイルムは、該フイルムの厚みが均一であるため、永久パターンの形成に際し、永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストなど)を薄層化しても、高加速度試験(HAST)においてイオンマイグレーションの発生がなく、耐熱性、耐湿性に優れた高精細な永久パターンが得られるため、基材への積層がより精細に行われる。
(永久パターン形成方法、及び永久パターン)
本発明の永久パターン形成方法は、本発明の感光性フイルムにおける感光層を基材の表面に転写して積層体を形成する積層工程、露光工程、及び現像工程を少なくとも含み、適宜選択したその他の工程を含む。
なお、本発明の永久パターンは、本発明の感光性フイルムを用い、本発明の前記永久パターン形成方法により形成される。前記永久パターンは、前記永久パターン形成方法の説明を通じて明らかにする。
[積層工程]
前記積層体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記保護フイルムを剥離し、前記基材上に前記感光性フイルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、70〜130℃が好ましく、80〜110℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01〜1.0MPaが好ましく、0.05〜1.0MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒートプレス、ヒートロールラミネータ(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)、真空ラミネータ(例えば、ニチゴーモートン(株)社製、VP130)などが好適に挙げられる。
<<基材>>
前記基材としては、特に制限はなく、公知の材料の中から表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を有するものまで適宜選択することができ、板状の基材(基板)が好ましく、具体的には、公知のプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)、ガラス板(例えば、ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフイルム、紙、金属板などが挙げられ、これらの中でも、プリント配線板形成用基板が好ましく、多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの半導体などの高密度実装化が可能となる点で、該プリント配線板形成用基板が配線形成済みであるのが特に好ましい。
前記積層体は、基材上に前記感光層が形成されてなり、該感光層に対し、後述する露光工程により露光した領域を硬化させ、後述する現像工程により永久パターンを形成することができる。
[露光工程]
前記露光工程は、前記積層工程において形成された前記積層体の前記感光層に対し、露光を行う工程である。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記デジタル露光としては、例えば、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う方法が好ましい。
前記「N重露光」とは、前記感光層の被露光面上の露光領域の略すべての領域において、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線が、前記被露光面上に照射されたN本の光点列(画素列)と交わるような設定による露光を指す。ここで、「光点列(画素列)」とは、前記描素部により生成された描素単位としての光点(画素)の並びうち、前記露光ヘッドの走査方向となす角度がより小さい方向の並びを指すものとする。なお、前記描素部の配置は、必ずしも矩形格子状でなくてもよく、たとえば平行四辺形状の配置等であってもよい。 ここで、露光領域の「略すべての領域」と述べたのは、各描素部の両側縁部では、描素部列を傾斜させたことにより、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が減るため、かかる場合に複数の露光ヘッドをつなぎ合わせるように使用したとしても、該露光ヘッドの取付角度や配置等の誤差により、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数がわずかに増減することがあるため、また、各使用描素部の描素部列間のつなぎの、解像度分以下のごくわずかな部分では、取付角度や描素部配置等の誤差により、走査方向と直交する方向に沿った描素部のピッチが他の部分の描素部のピッチと厳密に一致せず、走査方向に平行な直線と交わる使用描素部の描素部列の数が±1の範囲で増減することがあるためである。なお、以下の説明では、Nが2以上の自然数であるN重露光を総称して「多重露光」という。さらに、以下の説明では、本発明の露光装置又は露光方法を、描画装置又は描画方法として実施した形態について、「N重露光」及び「多重露光」に対応する用語として、「N重描画」及び「多重描画」という用語を用いるものとする。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
<パターン形成装置>
本発明のパターン形成方法に係るパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記パターン形成装置としては、いわゆるフラットベッドタイプの露光装置とされており、図3に示すように、前記感光性フイルムにおける少なくとも前記感光層12を有する前記積層体を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、このパターン形成装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設けられている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。このゲート22を挟んで一方の側にはスキャナ24が設けられ、他方の側には感光層12の先端及び後端を検知する複数(たとえば2個)のセンサ26が設けられている。スキャナ24及びセンサ26はゲート22に各々取り付けられて、ステージ14の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ24及びセンサ26は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
ここで、説明のため、ステージ14の表面と平行な平面内に、図3に示すように、互いに直交するX軸及びY軸を規定する。
ステージ14の走査方向に沿って上流側(以下、単に「上流側」ということがある。)の端縁部には、X軸の方向に向かって開く「く」の字型に形成されたスリット28が、等間隔で10本形成されている。各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
スリット28の位置は、前記露光ヘッド30の中心と略一致させられている。また、各スリット28の大きさは、対応する露光ヘッド30による露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。また、スリット28の位置としては、隣接する露光済み領域34間の重複部分の中心位置と略一致させてもよい。この場合、各スリット28の大きさは、露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさとする。
ステージ14内部の各スリット28の下方の位置には、それぞれ、後述する使用描素部指定処理において、描素単位としての光点を検出する光点位置検出手段としての単一セル型の光検出器(図示せず)が組み込まれている。また、各光検出器は、後述する使用描素部指定処理において、前記描素部の選択を行う描素部選択手段としての演算装置(図示せず)に接続されている。
露光時における前記パターン形成装置の動作形態はとしては、露光ヘッドを常に移動させながら連続的に露光を行う形態であってもよいし、露光ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で露光ヘッドを静止させて露光動作を行う形態であってもよい。
<<露光ヘッド>>
各露光ヘッド30は、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている。このため、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。図4及び図5Bに示す例では、2行5列の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッドが、スキャナ24に備えられている。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
また、図5A及び図5Bに示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア3211と露光エリア3212との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア3221により露光することができる。
露光ヘッド30の各々は、図6及び図7に示すように、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備えている。このDMD36は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた描素部制御手段としてのコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36上の使用領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド30ごとに、DMD36の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
図6に示すように、DMD36の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア32の長辺方向と一致する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源38、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系40、このレンズ系40を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42がこの順に配置されている。なお図6では、レンズ系40を概略的に示してある。
上記レンズ系40は、図7に詳しく示すように、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を平行光化する1対の組合せレンズ44、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ46、及び光量分布が補正されたレーザ光をDMD36上に集光する集光レンズ48で構成されている。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の被露光面上に結像するレンズ系50が配置されている。レンズ系50は、DMD36と感光層12の被露光面とが共役な関係となるように配置された、2枚のレンズ52及び54からなる。
本実施形態では、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光は、実質的に5倍に拡大された後、DMD36上の各マイクロミラーからの光線が上記のレンズ系50によって約5μmに絞られるように設定されている。
‐光変調手段‐
前記光変調手段としては、n個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された前記描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD36は図8に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。本実施形態では、1,024列×768行のマイクロミラー58が配されてなるDMD36を使用するが、このうちDMD36に接続されたコントローラにより駆動可能すなわち使用可能なマイクロミラー58は、1,024列×256行のみであるとする。DMD36のデータ処理速度には限界があり、使用するマイクロミラー数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、このように一部のマイクロミラーのみを使用することにより1ライン当りの変調速度が速くなる。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD36のSRAMセル(メモリセル)56に、所望の2次元パターンを構成する各点の濃度を2値で表した画像信号が書き込まれると、支柱に支えられた各マイクロミラー58が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±α度(たとえば±10度)のいずれかに傾く。図9Aは、マイクロミラー58がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図9Bは、マイクロミラー58がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。このように、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー58の傾きを、図8に示すように制御することによって、DMD36に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー58の傾き方向へ反射される。
図8には、DMD36の一部を拡大し、各マイクロミラー58が+α度又はα度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された上記のコントローラによって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
‐光照射手段‐
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330〜500nmが更に好ましく、400〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源38は、図10に示すように、複数(たとえば14個)のレーザモジュール60を備えており、各レーザモジュール60には、マルチモード光ファイバ62の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ62の他端には、マルチモード光ファイバ62より小さいクラッド径を有する光ファイバ64が結合されている。図11に詳しく示すように、光ファイバ64のマルチモード光ファイバ62と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図11に示すように、表面が平坦な2枚の支持板68に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。光ファイバ64の光出射端面は、光密度が高いため集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
このような光ファイバは、例えば、図27に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ62のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ64を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ64の入射端面が、マルチモード光ファイバ62の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ64のコア64aの径は、マルチモード光ファイバ62のコア62aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ62の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ64を、マルチモード光ファイバ62の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ62は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ64は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバのクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ64のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール60は、図28に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック110上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズL1、L2、L3、L4、L5、L6及びL7と、1つの集光レンズ200と、1本のマルチモード光ファイバ62と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図29及び図30に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ400内に収納されている。パッケージ400は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋410を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ400の開口をパッケージ蓋410で閉じることにより、パッケージ400とパッケージ蓋410とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ400の底面にはベース板420が固定されており、このベース板420の上面には、前記ヒートブロック110と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダー450と、マルチモード光ファイバ62の入射端部を保持するファイバホルダー460とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ62の出射端部は、パッケージ400の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック110の側面にはコリメータレンズホルダー440が取り付けられており、コリメータレンズL1〜L7が保持されている。パッケージ400の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線470がパッケージ外に引き出されている。
なお、図30においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズL7にのみ番号を付している。
図31は、前記コリメータレンズL1〜L7の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズL1〜L7の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズL1〜L7は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図31の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズL1〜L7に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズL1〜L7の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズL1〜L7の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ200は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズL1〜L7の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ200は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ200も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。従って、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図32に示すように、ヒートブロック110上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図33Aに示す、複数(例えば、5個)の発光点111aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ111は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ111に撓みが発生し易くなるため、発光点111aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ111や、図33Bに示すように、ヒートブロック110上に、複数のマルチキャビティレーザ111が各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図34に示すように、複数(例えば、3個)の発光点111aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ111を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ111と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ111は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aを、上記マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ200として、マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ111からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ62への結合効率を上げることができる。
また、図35に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ111を用い、ヒートブロック110上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ111が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ111は、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ111に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図36A及び図36Bに示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ111が、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ111のレーザ光出射側には、各チップの発光点111aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ62と、このマルチモード光ファイバ62の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ200と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキヤビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ200によって集光されて、マルチモード光フアイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明のパターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ62の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
<<使用描素部指定手段>>
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
(1)単一露光ヘッド内における使用描素部の指定方法
本実施形態(1)では、パターン形成装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
露光ヘッド30の走査方向に対する描素部(マイクロミラー58)の列方向の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1,024列×256行の描素部を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも、若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
となる。本実施形態(1)では、上記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図12は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、1つの露光ヘッド30の取付角度誤差、及びパターン歪みの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。以下の図面及び説明においては、各描素部(マイクロミラー)により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点について、第m行目の光点をr(m)、第n列目の光点をc(n)、第m行第n列の光点をP(m,n)とそれぞれ表記するものとする。
図12の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光層12の被露光面上に投影される、使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示し、下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を示したものである。
なお、図12では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図12の例では、設定傾斜角度θを上記の角度θidealよりも若干大きい角度を採用した結果として、また露光ヘッド30の取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度と上記の設定傾斜角度θとが誤差を有する結果として、被露光面上のいずれの領域においても濃度むらが生じている。具体的には、奇数列のマイクロミラーによる露光パターン及び偶数列のマイクロミラーによる露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となり、描画が冗長となる領域が生じ、濃度むらが生じている。
さらに、図12の例では、被露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、被露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。このような角度歪みが生じる原因としては、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれ、及びDMD36自体の歪みやマイクロミラーの配置誤差等が挙げられる。
図12の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
上記したような、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域における濃度むらを軽減するために、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド30ごとに実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された前記演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
実傾斜角度θ´は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図13及び14を用いて、前記実傾斜角度θ´の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
−実傾斜角度θ´の特定−
図13は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、上記の実傾斜角度θ´として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1,512)及びP(256,512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ´として特定する。
図14は、光点P(256,512)の位置の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図14における右方に相対移動させる。そして、図14において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,512)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図14における左方に相対移動させる。そして、図14において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を光点P(256,512)の位置として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,512)の被露光面上における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。同様の測定により、P(1,512)の位置を示す座標も決定し、それぞれの座標を結ぶ直線と、露光ヘッド30の走査方向とがなす傾斜角度を導出し、これを実傾斜角度θ´として特定する。
‐使用描素部の選択‐
このようにして特定された実傾斜角度θ´を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
図15は、上記のようにして実際に使用するマイクロミラーとして選択されたマイクロミラーが生成した光点のみを用いて行った露光において、図12に示した被露光面上のむらがどのように改善されるかを示した説明図である。
この例では、上記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図15に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
一方、図15の左方の領域(図中のc(1)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも小さくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーのみによる露光では、偶数列による露光パターン及び奇数列による露光パターンのそれぞれにおいて、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
また、図15の右方の領域(図中のc(1,024)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光線列の傾斜角度が、中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも大きくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
本実施形態(1)では、上述のとおり、第512列目の光線列の実傾斜角度θ´が測定され、該実傾斜角度θ´を用い、前記式(4)により導出されたTに基づいて使用するマイクロミラー58を選択したが、前記実傾斜角度θ´の特定方法としては、複数の描素部の列方向(光点列)と、前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度をそれぞれ測定し、それらの平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかを実傾斜角度θ´として特定し、前記式4等によって実際の露光時に実際に使用するマイクロミラーを選択する形態としてもよい。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
さらに、前記最小値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
一方、前記実傾斜角度θ´の特定は、同一の描素部の列(光点列)中の少なくとも2つの光点の位置に基づく方法に限定されない。例えば、同一描素部列c(n)中の1つ又は複数の光点の位置と、該c(n)近傍の列中の1つ又は複数の光点の位置とから求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。さらに、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(たとえば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(1)の使用描素部の指定方法によれば、各露光ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像度のばらつきや濃度のむらを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(2)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<1>
本実施形態(2)では、パターン形成装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1,024列×256行の描素部マイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealを採用するものとする。
この角度θidealは、上記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、パターン形成装置10は、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
図16は、上記のように初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれの影響により、被露光面上のパターンに生じる濃度むらの例を示した説明図である。各露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれは、露光ヘッド間の相対位置の微調整が困難であるために生じ得るものである。
図16の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光層12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した図である。図16の下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示したものである。
なお、図16では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図16の例では、上記したX軸方向に関する露光ヘッド3012と3021との間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な部分が生じてしまっている。
上記したような、複数の前記露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域に現れる濃度むらを軽減するために、本実施形態(2)では、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021からの光点群のうち、被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を構成する光点のいくつかについて、その位置(座標)を検出する。該位置(座標)に基づいて、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−位置(座標)の検出−
図17は、図16と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、すなわち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
図18は、一例として露光エリア3221の光点P(256,1024)の位置を検出する際の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第1,024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図18における右方に相対移動させる。そして、図18において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,1024)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図18における左方に相対移動させる。そして、図18において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を、光点P(256,1024)として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,1024)の被露光面における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。
−不使用描素部の特定−
図16の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256,1)の位置を、上記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256,1024)、P(256,1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256,n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図16において、露光エリア3221の光点P(256,1020)が、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア3221の光点P(256,1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図19において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1,024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
次に、N重露光の数Nに対して、露光エリア3212の光点P(256,N)の位置が検出される。本実施形態(2)では、N=2であるので、光点P(256,2)の位置が検出される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、上記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1,1020)から順番にP(1,1020)、P(2,1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256,2)よりも大きいX座標を示す光点P(m,1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
さらに、露光エリア3212の光点P(256,N−1)すなわち光点P(256,1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
その結果、たとえば、図19において網掛けで覆われた領域72を構成する光点に対応するマイクロミラーが、実際の露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。これらのマイクロミラーには、常時、そのマイクロミラーの角度をオフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に使用されない。
このように、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定し、該使用しないマイクロミラーを除いたものを、実際の露光時に使用するマイクロミラーとして選択することにより、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができ、図19の下段に示すように、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光を実現することができる。
なお、上記の例においては、図19において網掛けで覆われた領域72を構成する光点の特定に際し、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標との比較を行わずに、ただちに、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
さらに、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(2)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(3)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<2>
本実施形態(3)では、パターン形成装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、露光ヘッド30の取付角度誤差等がない理想的な状態であれば、使用可能な1,024列×256行の描素部(マイクロミラー58)を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて上記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、上記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度程度の角度を採用するとよい。パターン形成装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図20は、上記のように各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度が初期調整されたパターン形成装置10において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の取付角度誤差、並びに各露光ヘッド3012と3021間の相対取付角度誤差及び相対位置のずれの影響により、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
図20の例では、図16の例と同様の、X軸方向に関する露光ヘッド3012と3021の相対位置のずれの結果として、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、露光エリア3212と3221の被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な領域74が生じ、これが濃度むらを引き起こしている。
さらに、図20の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を満たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が上記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
本実施形態(3)では、まず、各露光ヘッド3012と3021の取付角度誤差及び相対取付角度のずれの影響による濃度むらを軽減するための使用画素選択処理を行う。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−実傾斜角度θ´の特定−
実傾斜角度θ´の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
−不使用描素部の特定−
そのようにして特定された実傾斜角度θ´を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図21において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
ここで、上記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光量過多となる面積が最小になり、かつ露光量不足となる面積が生じないようになすことができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
その後、図21において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、図16から19を用いて説明した本実施形態(3)と同様の処理がなされ、図21において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
以上のように、パターン形成装置10を用いた本実施形態(3)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
以上、パターン形成装置10による使用描素部指定方法ついて詳細に説明したが、上記実施形態(1)〜(3)は一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
また、上記の実施形態(1)〜(3)では、被露光面上の光点の位置を検出するための手段として、スリット28と単一セル型の光検出器の組を用いたが、これに限られずいかなる形態のものを用いてもよく、たとえば2次元検出器等を用いてもよい。
さらに、上記の実施形態(1)〜(3)では、スリット28と光検出器の組による被露光面上の光点の位置検出結果から実傾斜角度θ´を求め、その実傾斜角度θ´に基づいて使用するマイクロミラーを選択したが、実傾斜角度θ´の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーを選択する形態としてもよい。さらには、たとえばすべての使用可能なマイクロミラーを用いた参照露光を行い、参照露光結果の目視による解像度や濃度のむらの確認等により、操作者が使用するマイクロミラーを手動で指定する形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
なお、被露光面上に生じ得るパターン歪みには、上記の例で説明した角度歪みの他にも、種々の形態が存在する。
一例としては、図22Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図22Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で被露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と被露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
さらに別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で被露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と被露光面間の光学要素(たとえば1枚レンズである図7のレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、被露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
上記の実施形態(1)〜(3)によれば、本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択した後の、これらの形態のパターン歪みの残留要素も、上記の角度歪みの残留要素と同様、多重露光による埋め合わせの効果で均すことができ、解像度や濃度のむらを、各露光ヘッドの露光領域全体にわたって軽減することができる。
<<参照露光>>
上記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
図23A及び図23Bは、単一露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図23Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図23Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図24は、複数の露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図24に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図24に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図25は、単一露光ヘッドを用い、全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図25Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図25Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図26は、複数の露光ヘッドを用い、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)について、それぞれ全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図26に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図26に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
以上の実施形態(1)〜(3)及び変更例においては、いずれも本露光を2重露光とする場合について説明したが、これに限定されず、2重露光以上のいかなる多重露光としてもよい。特に3重露光から7重露光程度とすることにより、高解像度を確保し、解像度のばらつき及び濃度むらが軽減された露光を実現することができる。
また、上記の実施形態及び変更例に係る露光装置には、さらに、画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、選択された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、画像データを変換する機構が設けられていることが好ましい。そのように画像データを変換することによって、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを被露光面上に形成することができる。
[現像工程]
前記現像工程は、前記露光工程により前記感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、永久パターンを形成する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物若しくは炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア水、4級アンモニウム塩の水溶液などが好適に挙げられる。これらの中でも、炭酸ナトリウム水溶液が特に好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、ベンジルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミンなど)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類など)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
[硬化処理工程]
本発明の永久パターン形成方法は、更に、硬化処理工程を含むことが好ましい。
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成された永久パターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成する感光性組成物中の樹脂の硬化が促進され、前記永久パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記永久パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
なお、前記基材が多層配線基板などのプリント配線板である場合には、該プリント配線板上に本発明の永久パターンを形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像工程により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)としての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
本発明の永久パターン形成方法においては、保護膜及び層間絶縁膜の少なくともいずれかを形成するのが好ましい。前記永久パターン形成方法により形成される永久パターンが、前記保護膜又は前記層間絶縁膜であると、配線を外部からの衝撃や曲げから保護することができ、特に、前記層間絶縁膜である場合には、例えば、多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの半導体や部品の高密度実装に有用である。
本発明の永久パターン形成方法は、高速でパターン形成が可能であるため、各種パターンの形成に広く用いることができ、特に配線パターンの形成に好適に使用することができる。
また、本発明の永久パターン形成方法により形成される永久パターンは、優れた表面硬度、絶縁性、耐熱性、耐湿性などを有し、保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストパターン、として好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−感光性組成物の調製−
下記の各成分(表1参照)を混合し、感光性組成物溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(DPHA、日本化薬社製、76質量%希釈品)・・・・・・・・・・10.5質量部
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド
(Irgacure819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6.0質量部
下記構造式(I−1)で表されるビスフェノールA型β―メチルエポキシ樹脂(エポキシ当量:214g/eq.、粘度:62,000mPa・s、熱架橋剤)・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23.8質量部
無機充填剤/着色剤共分散物(67.4質量%)・・・・・・・143.5質量部
ジシアンジアミド(熱硬化促進剤)・・・・・・・・・・・・・・・・0.6質量部
トリアジン・イソシアヌル酸付加物(2MAOK、四国化成社製、熱硬化促進剤)・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.45質量部
30質量%フッ素系界面活性剤(塗布助剤)・・・・・・・・・・・・0.2質量部
MEK/MFGAc(溶剤)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
*無機充填剤/着色剤共分散液の調製
C.I.ピグメント・ブルー15:3を0.80質量部と、C.I.ピグメント・イエロー185を0.7質量部と、アルカリ可溶性架橋性樹脂1(昭和高分子社製商品名:PR300、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂にアクリル酸、テトラヒドロ無水フタル酸を反応した生成物、エポキシ当量45,000、質量平均分子量1,900)48質量部と、メトキシプロピレングリコールアセテート溶液15質量部とを秤量し、ジルコアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、緑色顔料分散液(固形分77質量%)を得た。
引き続き、無機充填剤である硫酸バリウム(B30;堺化学社製沈降性硫酸バリウム)32.1質量部を追加溶剤メトキシプロピレングリコールアセテート46.9質量部とともに、前記緑色顔料分散液中に混合攪拌し、緑色顔料との共分散液143.5質量部(固形分濃度67.4質量%)を得た。
−感光性フイルムの作製−
離型層としてシリコーン化合物を表面に有する、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(E7006、東洋紡積(株)製)を支持体として用い、該支持体上の離型層側に、前記感光性組成物塗布液をバーコーターにより、乾燥後の感光層の厚みが30μmになるように塗布し、80℃、30分間熱風循環式乾燥機中で乾燥させ、感光層を形成し、次いで、該感光層の上に、前記保護フイルムとして厚み20μmのポリプロピレンフイルム(E200、王子製紙(株)製)をラミネートにより積層し、感光性フイルムを作製した。
前記支持体については、下記の方法により、離型性表面の表面張力、中心線平均粗さ(Ra)を測定した。結果を表3に示す。
<表面張力>
支持体の表面張力は、ASTM−D−2578(67T)の試験方法に準じ、20℃、65RH%雰囲気にて測定した。
<中心線平均粗さ(Ra)>
表面凹凸の中心線平均粗さ(Ra)は、フィルム表面層を触針式表面粗さ計を用いて、JIS B0601法で凹凸の大きさを測定し、単位長(3mm)当たりの凹凸から、下記数式(1)で求めた。
ただし、前記数式(1)において、aは単位長当たりのn個の凹凸におけるn番目の凹又は凸の面積(mm)を表し、Lはフィルムの単位長(測定長、mm)を表す。
−永久パターンの形成−
−−基板積層体の調製−−
前記基材として、配線形成済みの銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μmのプリント配線板)の表面に化学研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フイルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フイルムにおける保護フイルムを剥がしながら、真空ラミネータ(ニチゴーモートン(株)製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフイルム(支持体)とがこの順に積層された積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
−−露光工程−−
前記調製した積層体における感光層に対し、支持体側から、下記に説明するパターン形成装置を用いて、405nmのレーザ光を、直径の異なる穴部が形成されるパターンが得られるようにエネルギー量35mJ/cmを照射し露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。
<<パターン形成装置>>
前記光照射手段として図10〜11及び図27〜31に示した合波レーザ光源と、前記光変調手段として図8に概略図を示した主走査方向にマイクロミラー58が1,024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1,024個×256列のみを駆動するように制御したDMD36と、図7に示した光を前記感光層に結像する光学系とを有する露光ヘッド30を備えたパターン形成装置10を用いた。
各露光ヘッド30すなわち各DMD36の設定傾斜角度としては、使用可能な1,024列×256行のマイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用した。この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
であり、s=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、たとえば0.50度を採用した。
まず、2重露光における解像度のばらつきと露光むらを補正するため、被露光面の露光パターンの状態を調べた。結果を図20に示した。図20においては、ステージ14を静止させた状態で感光層12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した。また、下段部分に、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示した。なお、図20では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示したが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図20に示したとおり、露光ヘッド3012と3021の間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多な領域が生じていることが判る。
前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定した。
実傾斜角度θ´を用いて、下記式4
ttanθ´=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出した。露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255がそれぞれ導出された。その結果、図21において斜線で覆われた部分78及び80を構成するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定された。
その後、図21において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、同様にして図21において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加された。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しないように制御した。
これにより、露光エリア3212と3221のうち、複数の前記露光ヘッドで形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
−−現像工程−−
室温にて10分間静置した後、前記積層体から支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、アルカリ現像液として、1質量%炭酸ソーダ水溶液を用い、30℃にて60秒間、0.18MPa(1.8kgf/cm)の圧力でシャワー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。その後、水洗し、乾燥させ、永久パターンを形成した。
−−硬化処理工程−−
前記永久パターンが形成された積層体の全面に対して、150℃で60分間、加熱処理を施し、永久パターンの表面を硬化し、膜強度を高めた。
次に、得られた感光性フイルム及び積層体について、以下の条件で、保護フイルム及び支持体の剥離性、感光層の埋め込み性、最短現像時間、露光感度、解像度、エッジラフネス、及び保存性を評価した。結果を表4に示す。
また、前記永久パターンについて、以下の条件で、鉛筆硬度、密着性、誘電率、誘電正接、電気絶縁性、耐酸性、耐アルカリ性、無電解金めっき耐性、及びPCT耐性の評価を行った。結果を表5に示す。
<保護フイルム及び支持体の剥離力>
保護フイルム及び支持体の剥離力の測定はJIS K−6854−2の試験方法に準じ、具体的には、得られた前記感光性フイルムから幅4.5cm×長さ8cmに切り出したサンプルを、前記保護フイルム又は支持体が上となるようにテンシロン装置の台座上に固定し、該保護フイルム又は支持体を、フォースゲージを用いて引っ張り速度160cm/分で引き剥がした際の保護フイルムと感光層との剥離力、支持体と感光層との剥離力をそれぞれ測定した。測定は5回行い、その平均値で表した。
<保護フイルム剥離性>
得られた前記感光性フイルムを裁断し、内径4インチ、長さ220mmの巻き芯の上に、幅200mm、長さ80mのロール状に巻き取った。前記真空ラミネータに設定し、室温25℃で保護フイルムの剥離試験を行い、剥離性を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
○:保護フイルムと感光層との界面での剥離が軽剥離であり、保護フイルム表面に感光性組成物が全く残留しなかった。
△:保護フイルムと感光層との界面での剥離が中剥離であり、剥離音の発生と、保護フイルム表面に感光性組成物が微量残留した。
×:保護フイルムと感光層との界面での剥離が重剥離であり、保護フイルム表面に感光性組成物が残留した。
<支持体剥離性>
上記保護フイルムの剥離試験で作製した、前記の幅200mm、長さ80mのロール状ドライフイルムを前記真空ラミネータに設定し、保護フイルムの剥離後、銅張り積層板に積層し、室温まで放冷後、支持体の剥離試験を行い、剥離性を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
○:支持体と感光層との界面での剥離が軽剥離であり、支持体表面に感光性組成物が全く残留しなかった。
△:支持体と感光層との界面での剥離が中剥離であり、剥離音の発生と、支持体表面に感光性組成物が微量残留した。
×:支持体と感光層との界面での剥離が重剥離であり、支持体表面に感光性組成物が残留した。
<埋め込み性>
厚み25μmのポリイミドフイルム(アピカルNPI、鐘淵化学工業(株)製)をベースフイルムとし、該ベースフイルムに接着剤を塗布して、圧延銅箔(三井金属(株)製、厚み12μm)を貼り付けた。次いで、上記圧延銅箔上に、ドライフイルムレジストを用いて、ライン/スペース=100μm/100μmで長さ8cmの直線状ラインを50本と、この直線状ライン対して並行に、ライン/スペース=50μm/50μmで長さ8cmの他の直線状ラインが50本とを形成して、厚み18μmのパターン回路を形成して、回路付き銅張積層板(CCL)を得た。
続いて、前記感光性フイルムから保護フイルムを剥離し、感光層面を、前記回路付き銅張り積層板にラミネートして、貼り合わせサンプルを得た。該ラミネートは、温度100〜150℃、75,000Pa・mの条件下で行った。得られた貼合せサンプルを、光学顕微鏡を用いて50倍〜200倍の倍率で観察した。
この観察により、前記感光性フイルムが、上記パターン回路とベースフイルムとの段差を埋め込み、前記感光性フイルムと前記回路付き銅張り積層板との間に隙間ができていない場合は、埋め込み性を合格(○)とした。一方、前記感光性フイルムと前記回路付きCCLとの間に隙間が生じている場合や、パターン回路と前記感光性フイルムとの間に空気の泡等が生じている場合には、埋め込み性を不合格(×)とした。
<最短現像時間>
前記積層体からポリエチレンテレフタレートフイルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とした。得られた最短現像時間は下記基準で評価した。
−評価基準−
○:最短現像時間が10秒以上30秒以下
×:最短現像時間が10秒未満または30秒超
<露光感度>
前記永久パターンにおいて、残った前記感光層の硬化領域の厚みを測定した。次いで、レーザ光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から配線上の硬化領域の厚さが30μmとなり、硬化領域の表面が光沢面である時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
<解像度>
前記永久パターン形成済みのプリント配線基板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化層パターンの穴部に残膜が無い、最小の穴径を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
<エッジラフネス>
前記積層体のポリエチレンテレフタレートフイルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、前記露光ヘッドの走査方向と直交する方向の横線パターンが形成されるように照射して2重露光し、ライン/スペース=1/1でライン幅30μmで線幅の露光を行う。この際の露光量は、前記露光感度の評価で測定した前記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取る。銅張積層板上の感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記現像時間の評価で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去する。このようにして得られた永久パターンのうち、ライン幅30μmのラインの任意の5箇所について、レーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス(株)製;対物レンズ50倍)を用いて観察し、視野内のエッジ位置のうち、最も膨らんだ箇所(山頂部)と、最もくびれた箇所(谷底部)との差を絶対値として求め、観察した5箇所の平均値を算出し、これをエッジラフネスとした。該エッジラフネスは、値が小さい程、良好な性能を示すため好ましい。
<保存性>
保存性は、各感光性フイルムについて、初期の現像時間と、50℃で24時間放置後の現像時間とを対比して、下記基準で評価した。
−評価基準−
○:1倍以上2倍未満
△:2倍以上3倍未満(実使用可能なレベル)
×:3倍以上
−鉛筆硬度及び密着性試験用評価サンプルの作製−
前記感光性フイルムを、保護フイルムを剥離後、回路パターンの無い銅張り積層板上に真空ラミネートした。これを室温まで冷却した後、露光量500mJ/cmの条件で露光し、熱風循環式乾燥炉で硬化を150℃で60分間行ない、その後室温まで冷却し、鉛筆硬度及び密着性試験用評価サンプルを得た。
<鉛筆硬度>
JIS K−5400の試験方法に準じ、鉛筆硬度試験機を用い、前記評価サンプルに荷重1kgをかけた際の皮膜にキズが付かない最も高い硬度を求めた。
<密着性>
JIS D−0202の試験方法に準じ、前記評価サンプルにクロスカットを入れ、次いでセロハン粘着テープによるピーリングテスト後の剥がれの状態を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
○:全く剥がれが認められないもの
△:ほんの僅か剥がれたもの
×:完全に剥がれたもの
<誘電率、誘電正接>
得られた前記永久パターンにおいて、硬化層の誘電率、誘電正接をJIS C−6481の試験方法に準じて測定した。
<電気絶縁性>
IPC−B−25の櫛型電極Bクーポンに、前記感光性フイルムから保護フイルムを剥離後、真空ラミネータで積層し、室温まで冷却した後、露光量90mJ/cmの条件で露光し、熱風循環式乾燥炉で硬化を150℃で60分間行ない、評価サンプルを得た。この櫛型電極にDC500Vのバイアス電圧を印加し、絶縁抵抗値を測定した。
<耐酸性試験>
前記電気絶縁性に用いたのと同じ評価サンプルを10質量%硫酸水溶液に20℃で30分間浸漬後取り出し、塗膜の状態と密着性とを総合的に判定評価した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
○:変化が認められないもの
△:ほんの僅か変化しているもの
×:塗膜にフクレあるいは膨満脱落があるもの
<耐アルカリ性試験>
10質量%硫酸水溶液を10質量%水酸化ナトリウム水溶液に変えた以外は、前記耐酸性試験と同様に評価した。
<無電解金めっき耐性>
後述する工程に従って前記試験基板に無電解金めっきを行ない、その試験基板について外観の変化及びセロハン粘着テープを用いたピーリング試験を行ない、レジスト皮膜の剥離状態を以下の基準で評価した。
−評価基準−
○:外観変化もなく、レジスト皮膜の剥離も全くない。
△:外観の変化はないが、レジスト皮膜にわずかに剥れがある。
×:レジスト皮膜の浮きが見られ、めっき潜りが認められ、ピーリング試験でレジスト皮膜の剥れが大きい。
−−無電解金めっき工程−−
ソルダーレジストパターンを形成した試験基板を、30℃の酸性脱脂液(日本マクダーミット製、Metex L−5Bの20質量%水溶液)に3分間浸漬した後、流水中に3分間浸漬して水洗した。
次いで、14.3質量%過硫酸アンチモン水溶液に室温で3分間浸漬した後、流水中に3分間浸漬して水洗し、更に、10質量%硫酸水溶液に室温で試験基板を1分間浸漬した後、流水中に30秒〜1分間浸漬して水洗した。
次に、この基板を30℃の触媒液(メルテックス製、メタルプレートアクチベーター350の10質量%水溶液)に7分間浸漬後、流水中に3分間浸漬して水洗し、次いで85℃のニッケルメッキ液((株)メルテックス製、メルプレートNi−865M、20容量%水溶液、pH4.6)に20分間浸漬し、無電解ニッケルめっきを行った後、10質量%硫酸水溶液に室温で1分間浸漬後、流水中に30秒〜1分間浸漬して水洗した。
次いで、試験基板を95℃の金メッキ液((株)メルテックス製、オウロレクトロレスUP15質量%とシアン化金カリウム3質量%の水溶液、pH6)に10分間浸漬し、無電解金メッキを行った後、流水中に3分間浸漬して水洗し後、更に、60℃の温水で3分間浸漬して十分に水洗後、乾燥し、無電解金めっきした試験基板を得た。
<PCT耐性>
プリント配線板に前記感光性フイルムから保護フイルムを剥離後、真空ラミネータで積層し、室温まで冷却した後、露光量90mJ/cmの条件で露光し、熱風循環式乾燥炉で硬化を150℃で60分間行ない、評価サンプルを得た。これを室温まで冷却した後、PCT試験装置(TABAI ESPEC HAST SYSTEM、TPC−412MD)を用いて121℃、2気圧の条件で168時間処理し、硬化皮膜の状態を評価した。評価基準は以下のとおりである。
−評価基準−
○:剥がれ、変色そして溶出なし。
△:剥がれ、変色そして溶出のいずれかあり。
×:剥がれ、変色そして溶出が多く見られる。
(実施例2)〜(実施例9)及び(比較例1)〜(比較例2)
実施例1において、下記表1及び2に記載の各組成に基づいて調製した感光性組成物と、下記表3に記載の支持体及び保護フイルムとを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性フイルムを作製し、引き続き、永久パターンを形成して各評価を行った。結果を表3及び4に示す。
なお、表1及び2に記載のアルカリ可溶性樹脂2については、前記アルカリ可溶性樹脂1と同様に、無機充填剤/着色剤共分散液の調製時に添加した。
(実施例10)
実施例1のパターン形成装置において、前記式3に基づきN=1として設定傾斜角度θを算出し、前記式4に基づきttanθ´=1の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、N重露光(N=1)を行ったこと以外は、実施例1と同様に感光性フイルムを作製し、引き続き、永久パターンを形成して各評価を行った。結果を表3及び4に示す。
実施例10における被露光面の露光の状態の例を、図37に示した。図37においては、ステージ14を静止させた状態で感光層12の被露光面上に投影される、一の露光ヘッド(例えば、3012)が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した。また、下段部分に、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、一の露光エリア(例えば、3212)について示した。
前記一の露光ヘッド(例えば、3012)の理想的な状態からのずれの結果として、被露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、被露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。図37の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど大きく、図の右方の列ほど小さくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、図の左方に示した被露光面上に露光過多となる領域が生じ、図の右方に示した被露光面上に露光不足となる領域が生じる。
*「アルカリ可溶性架橋性樹脂2」:メタクリル酸とメタクリル酸メチルの共重合体に対し、脂環式エポキシ基を分子内に有する重合性化合物(サイクロマーA200;ダイセル化学工業(株)製)を付加した共重合体であり、質量平均分子量19,000、数平均分子量11,000、酸価104mgKOH/g、C=C当量2.22モル/kg
*「ビスフェノールA型エポキシ樹脂」:850S(大日本インキ化学工業(株)製)
*「E7002」:東洋紡積(株)製、ポリエチレンテレフタレートフイルム
*「K1571」:東洋紡積(株)製、ポリエチレンテレフタレートフイルム
*「TN200」:東洋紡積(株)製、ポリエチレンテレフタレートフイルム
*「TN100」:東洋紡積(株)製、ポリエチレンテレフタレートフイルム
*「S120H38」:三菱化学ポリエステルフイルム(株)製、ポリエチレンテレフタレートフイルム
*「16FB50」:東レ(株)製、ポリエチレンテレフタレートフイルム
表4及び5の結果から、本発明の感光性フイルムは、支持体又は保護フイルムと感光層との剥離性、埋め込み性、現像性、感光性及び保存性に優れ、その硬化物は、鉛筆硬度、密着性、誘電特性、電気絶縁性、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性、無電解金めっき耐性、PCT耐性に優れ、信頼性の高い永久パターンが得られたことが判った。
また、実施例1〜9の永久パターンは、2重露光によって解像度のばらつきと露光むらを補正したため、実施例10の永久パターンと比較して、エッジラフネスが小さく、高精細であることが判った。
本発明の感光性フイルムは、保存安定性に優れ、感光層と支持体又は保護フイルムとを容易に剥離することができ、基材表面の凹凸への追従性が良好で、青紫色レーザ露光システム中において十分な感度を有し、現像後に優れた耐薬品性、表面硬度、耐熱性などを発現する。また、本発明の永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストなど)を薄層化しても、表面硬度、絶縁性、耐熱性、耐湿性に優れた高精細な永久パターンが得られるため、保護膜、層間絶縁膜として好適に使用することができ、プリント配線板(多層配線基板、ビルドアップ配線基板など)、カラーフィルタや柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの永久パターン形成用として広く用いることができる。
図1は、本発明の感光性フイルムの層構成の第1の例を示した説明図である。 図2は、本発明の感光性フイルムの層構成の第2の例を示した説明図である。 図3は、パターン形成装置の一例の外観を示す斜視図である。 図4は、パターン形成装置のスキャナの構成の一例を示す斜視図である。 図5Aは、感光層の被露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図である。 図5Bは、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す平面図である。 図6は、露光ヘッドの概略構成の一例を示す斜視図である。 図7Aは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す上面図である。 図7Bは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す側面図である。 図8は、図3のパターン形成装置のDMDの一例を示す部分拡大図である。 図9Aは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図9Bは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図10は、ファイバアレイ光源の構成の一例を示す斜視図である。 図11は、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列の一例を示す正面図である。 図12は、露光ヘッドの取付角度誤差及びパターン歪みがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図13は、1つのDMDによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図14は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図15は、選択されたマイクロミラーのみが露光に使用された結果、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図16は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれがある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図17は、隣接する2つの露光ヘッドによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図18は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図19は、図16の例において選択された使用画素のみが実動され、被露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図20は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれ及び取付角度誤差がある際に、被露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図21は、図20の例において選択された使用描素部のみを用いた露光を示す説明図である。 図22Aは、倍率歪みの例を示した説明図である。 図22Bは、ビーム径歪みの例を示した説明図である。 図23Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図23Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図24は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図25Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図25Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図26は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図27は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図28は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図29は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図30は、図29に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図31は、図29に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図32は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図33Aは、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例である。 図33Bは、図33Aに示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図34は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図35は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図36Aは、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図36Bは、図36Aの光軸に沿った断面図の一例である。 図37は、実施例10において、各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」により、被露光面上のパターンに生じたむらの例を示した説明図である。
符号の説明
1 支持体
2 感光層
3 支持体離型層
4 支持体
5 保護フイルム離型層
B1〜B7 レーザビーム
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 パターン形成装置
12 感光層
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ
28 スリット
30 露光ヘッド
32 露光エリア
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ

Claims (28)

  1. 支持体と、該支持体上に、(A)アルカリ可溶性架橋性樹脂と、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)熱架橋剤と、を少なくとも含む感光性組成物からなる感光層と、該感光層上に保護フイルムとを有する感光性フイルムであって、
    前記支持体の少なくとも一方の面が離型性を有し、該離型性表面の表面張力が40dyn/cm以下であり、
    前記感光性フイルムから幅4.5cm×長さ8cmに切り出したサンプルを、前記支持体が表面側となるように台座上に固定し、該サンプルから支持体を引っ張り速度160cm/minで引き剥がした際における前記感光層と前記支持体との剥離力が、1〜300gf/45mmであることを特徴とする感光性フイルム。
  2. 支持体の離型性表面の中心線平均粗さ(Ra)が、0.1μm未満である請求項1に記載の感光性フイルム。
  3. 支持体の離型性表面に、シリコーン化合物、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、ワックス系組成物、ポリビニルカルバメート類、及びクロム錯体の少なくともいずれかを含む請求項1から2のいずれかに記載の感光性フイルム。
  4. 感光層と支持体との間の剥離力が、感光層と保護フイルムとの間の剥離力よりも大きい請求項1から3のいずれかに記載の感光性フイルム。
  5. (A)アルカリ可溶性架橋性樹脂が、エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物を含む請求項1から4のいずれかに記載の感光性フイルム。
  6. エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物が、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸及び多塩基酸無水物をこの順に反応して得られる生成物である請求項5に記載の感光性フイルム。
  7. エポキシ樹脂にエチレン性不飽和二重結合と酸性基とを導入した化合物が、質量平均分子量10,000以下のオリゴマーである請求項5から6のいずれかに記載の感光性フイルム。
  8. (A)アルカリ可溶性架橋性樹脂が、更に(メタ)アクリル酸共重合体とエポキシ基を有するアクリレートとの開環付加反応物を含む請求項5から7のいずれかに記載の感光性フイルム。
  9. (D)熱架橋剤が、室温下で液体である請求項1から8のいずれかに記載の感光性フイルム。
  10. (D)熱架橋剤が、エポキシ化合物である請求項1から9のいずれかに記載の感光性フイルム。
  11. (D)熱架橋剤が、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物である請求項10に記載の感光性フイルム。
  12. (D)熱架橋剤が、多価フェノール化合物とβ−アルキルエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ化合物である請求項10から11のいずれかに記載の感光性フイルム。
  13. (D)熱架橋剤が、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される請求項10から12のいずれかに記載の感光性フイルム。
    ただし、前記構造式(I)中、Rは水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表し、nは0〜20の整数を表す。
    ただし、前記構造式(II)中、R及びR’は同じでも異なってもよく、水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表し、nは0〜20の整数を表す。
  14. 感光性組成物が増感色素としてアクリドン化合物を含有し、感光層が青紫色レーザ露光に対して5〜60mJ/cmの感度を有する請求項1から13のいずれかに記載の感光性フイルム。
  15. 支持体が、少なくとも片面の表面を離型処理したポリエチレンテレフタレートフイルムであり、保護フイルムが、ポリオレフィンフイルムである請求項1から14のいずれかに記載の感光性フイルム。
  16. 支持体の膜厚が、5〜100μmであり、保護フイルムの膜厚が、5〜50μmである請求項1から15のいずれかに記載の感光性フイルム。
  17. 請求項1から16のいずれかに記載の感光性フイルムにおける、感光層を、基材の表面に積層した後、露光し、現像することを特徴とする永久パターン形成方法。
  18. 基材が、配線形成済みのプリント配線基板である請求項17に記載の永久パターン形成方法。
  19. 露光が、350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる請求項17から18のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
  20. 感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
    前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
    前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
    前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行われる請求項17から19のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
  21. 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項20に記載の永久パターン形成方法。
  22. 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項21に記載の永久パターン形成方法。
  23. 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される請求項20から22のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
  24. 使用描素部指定手段が、
    描素部により生成されて被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
    前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
    を備える請求項20から23のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
  25. パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する請求項20から24のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
  26. 現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う請求項17から25のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
  27. 保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する請求項26に記載の永久パターン形成方法。
  28. 請求項17から27のいずれかに記載の永久パターン形成方法により形成されることを特徴とする永久パターン。
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