JP2007178037A - 搬送機構及び熱処理炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォーキングビームに代表されるようなビームに所定の周期的動作を行わせることにより被熱処理物である基板を搬送する搬送機構であって、ビームの上面と下面との温度差に起因するビームの湾曲や、破損した基板の破片がビーム上に留まることによって生じる搬送の不具合を回避することが可能な搬送機構と、それを備えた熱処理炉を提供する。
【解決手段】基材上に機能膜材料が形成された基板1の前記機能膜材料を熱処理する熱処理炉で、複数の基板1を順次搬送するために使用される搬送機構である。この搬送機構は、中空のビーム2に所定の周期的動作を行わせることによりビーム2上の基板1を搬送するものであり、ビーム2内に、内部に冷却用エアが導入される冷却管8であって、その周壁に前記冷却用エアを吹き出すための複数の吹き出し孔9が形成されたものが配されている。
【選択図】図1
【解決手段】基材上に機能膜材料が形成された基板1の前記機能膜材料を熱処理する熱処理炉で、複数の基板1を順次搬送するために使用される搬送機構である。この搬送機構は、中空のビーム2に所定の周期的動作を行わせることによりビーム2上の基板1を搬送するものであり、ビーム2内に、内部に冷却用エアが導入される冷却管8であって、その周壁に前記冷却用エアを吹き出すための複数の吹き出し孔9が形成されたものが配されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱処理炉において、太陽電池基板等の、基材上に機能膜材料が形成された基板を順次搬送するために使用される搬送機構と、そのような搬送機構を備えた熱処理炉に関する。
太陽電池基板の製造においては、シリコンからなる基材の表面及び裏面に導電性の電極材料をペースト状にして所定のパターンで印刷形成した後、熱処理炉内を連続的又は間欠的に移動させながら熱処理(乾燥、焼成等)する工程がある。従来、この太陽電池基板のように、基材上に機能膜材料が形成された基板の熱処理に用いられる熱処理炉には、基板を移動させるための搬送機構として、メッシュベルトコンベアを用いるのが一般的であったが(例えば、特許文献1参照)、メッシュベルトコンベアはメッシュベルト自体の熱容量が非常に大きく、基板の加熱に要するエネルギーと同等以上のエネルギーがメッシュベルトの加熱に費やされるため、エネルギーコストが高くなるという問題があった。
このため、最近は、メッシュベルトコンベアに比して熱容量が小さいウォーキングビームを搬送機構として用いた、より省エネルギー性に優れた熱処理炉も使用されるようになってきている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、前記のような熱処理は、特に焼成工程において迅速な加熱が要求されるため炉内の焼成が行われる領域は800〜900℃という高温に保つ必要があり、焼成前の余熱や乾燥工程でも500℃程度の炉内温度が必要になる。
ウォーキングビームを搬送機構として用いた熱処理炉では、搬送される基板の下方の位置には搬送機構であるウォーキングビーム等が存在し、ヒーターを設置することは困難であるため、通常は、基板の上方の位置にのみヒーターを設け、この上方のヒーターにより炉内の加熱を行う。このため、ウォーキングビームのビームは、その上面が下面よりも加熱されやすく、上面と下面とで温度差が生じる。この温度差は、炉内温度が高くなるにしたがって大きくなり、ビームがSUSのような金属製である場合には、前記温度差により生じる上面と下面との熱膨張差によって、ビームの先端が下方に湾曲するおそれがある。このようなビームの湾曲が発生すると、ウォーキングビームの動作の不具合や、基板の位置ズレといった不具合を招くことになる。
また、図4に示すように、従来、ウォーキングビームに使用されるビーム71には、断面が四角形である金属製の角パイプを用いるのが一般的であり、このようなビーム71の平らな上面に基板1を載せて熱処理を行うと、基板1が熱衝撃等により破損しても、その破片がビーム71から落下しにくく、破片がビーム71上に留まりやすい。そして、このように破損した基板1の破片がビーム71上に留まったままの状態になっていると、後から搬送されてくる後続の基板が破片に重なるなどして重大な搬送の不具合を招くおそれがあった。
なお、太陽電池基板の熱処理においては、基材の表面だけでなく裏面にも機能膜材料が形成されている関係で、ビーム上に直接基板を載置せず、例えば図5に示すように、基板1の端部(機能膜材料が形成されていない部分)にのみ接触して基板1を支持できるような基板支持具75をビーム71に装着し、当該基板支持具75を介してビーム71上に基板1を載置する場合もあるが、このような場合においても、基板1の支持位置がビーム71の上面に近いため、やはり基板1が破損しても破片が落下せずにビーム71上に留まりやすく、前記と同様に搬送の不具合を招くおそれがある。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウォーキングビームに代表されるようなビームに所定の周期的動作を行わせることにより被熱処理物である基板を搬送する搬送機構であって、ビームの上面と下面との温度差に起因するビームの湾曲や、破損した基板の破片がビーム上に留まることによって生じる搬送の不具合を回避することが可能な搬送機構と、それを備えた熱処理炉を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の搬送機構及び熱処理炉が提供される。
[1] 基材上に機能膜材料が形成された基板の前記機能膜材料を熱処理する熱処理炉で、複数の前記基板を順次搬送するために使用される搬送機構であって、前記搬送機構は、中空のビームに所定の周期的動作を行わせることにより当該ビーム上の前記基板を搬送するものであり、前記ビーム内に、内部に冷却用エアが導入される冷却管であって、その周壁に前記冷却用エアを吹き出すための複数の吹き出し孔が形成されたものが配されている搬送機構。
[2] 前記複数の吹き出し孔が前記冷却管の長手方向に沿って所定の間隔で直線状に配置されているともに、前記複数の吹き出し孔が上向きとなるように前記冷却管が前記ビーム内に配されている前記[1]に記載の搬送機構。
[3] 基材上に機能膜材料が形成された基板の前記機能膜材料を熱処理する熱処理炉で、複数の前記基板を順次搬送するために使用される搬送機構であって、前記搬送機構は、中空のビームに所定の周期的動作を行わせることにより当該ビーム上の前記基板を搬送するものであり、前記ビーム上に、前記基板の端部とのみ接触して前記基板を支持する基板支持具が装着されており、前記ビームの上面から前記基板支持具の支持位置までの高さが30mm以上である搬送機構。
[4] 基材上に機能膜材料が形成された基板の前記機能膜材料を熱処理する熱処理炉で、複数の前記基板を順次搬送するために使用される搬送機構であって、前記搬送機構は、中空のビームに所定の周期的動作を行わせることにより当該ビーム上の前記基板を搬送するものであり、前記ビームの上面が凸状に盛り上がった形状となっている搬送機構。
[5] 前記[1]〜[4]の何れかに記載の搬送機構を備えた熱処理炉。
本発明の搬送機構は、中空のビーム内に冷却管を配し、当該冷却管の吹き出し孔から吹き出される冷却用エアにより、ビームの他の部分より加熱されやすい部分(例えば上面)を選択的に冷却することができるため、ビーム各部(例えば上面と下面)の温度差を小さくして、その温度差に起因するビームの湾曲を抑えることができる。また、ビームの上面からビームに装着した基板支持具の支持位置までの高さが所定の高さ以上となるようにしたり、ビーム上面が凸状に盛り上がった形状となるようにしたりすることにより、熱衝撃等で破損した基板の破片がビーム上から落下しやすくなり、当該破片がビーム上に留まることにより生じる搬送の不具合を回避できる。更に、本発明の熱処理炉は、基板の搬送機構として、前記本発明の搬送機構を備えた熱処理炉であり、この熱処理炉を使用して基板の熱処理を行うことによって、前記本発明の搬送機構により得られる効果を、実際の熱処理において享受することができる。
前記のとおり、本発明の一の態様に係る搬送機構は、基材上に機能膜材料が形成された基板の前記機能膜材料を熱処理する熱処理炉で、複数の前記基板を順次搬送するために使用されるものであって、中空のビームに所定の周期的動作を行わせることにより当該ビーム上の前記基板を搬送するものであり、前記ビーム内に、内部に冷却用エアが導入される冷却管であって、その周壁に前記冷却用エアを吹き出すための複数の吹き出し孔が形成されたものが配されていることを、その主要な特徴とする。また、本発明の他の態様に係る搬送機構は、同様に中空のビームに所定の周期的動作を行わせることにより当該ビーム上の前記基板を搬送するものであり、前記ビーム上に、前記基板の端部とのみ接触して前記基板を支持する基板支持具が装着されており、前記ビームの上面から前記基板支持具の支持位置までの高さが30mm以上であることを、その主要な特徴とする。また、本発明の更に他の態様に係る搬送機構は、同様に中空のビームに所定の周期的動作を行わせることにより当該ビーム上の前記基板を搬送するものであり、前記ビームの上面が凸状に盛り上がった形状となっていることを、その主要な特徴とする。なお、これらの各態様は、各々単独で用いても所定の効果を発揮し得るものであるが、1つの搬送機構に対して組み合わせて適用するとより効果的である。
以下、本発明の代表的な実施形態を図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図3は、本発明に係る搬送機構を備えた熱処理炉の一例を示す概略図である。この熱処理炉は、炉の入口51側から出口52側に向かって、基板1の乾燥を行う乾燥領域41と、基板1の焼成を行う焼成領域42とが順に設けられ、基板1が乾燥領域41を搬送されながら乾燥処理された後、焼成領域42を搬送されながら焼成されるようになっており、基板1を搬送するための搬送機構として、第一の搬送機構、第二の搬送機構及び第三の搬送機構という3種類の搬送機構を有する。
第一の搬送機構は、一定のストロークで上昇、前進、下降、後退という動作を周期的に繰り返すビーム2を備えたものであり、乾燥領域41では基板1の搬送をこの第一の搬送機構により行う。また、第二の搬送機構は、一定のストロークで前進、後退という動作を周期的に繰り返すビーム11を備えたものであり、焼成領域42では基板1の搬送をこの第二の搬送機構により行う。第三の搬送機構は、一定のストロークで上昇、前進、下降、後退という動作を周期的に繰り返すビーム21を備えたものであり、焼成領域42を搬送された後の基板1を、炉外の所定位置まで搬送するために使用される。
基板1が、例えば一辺15cm程度の矩形の太陽電池基板である場合には、乾燥領域41の長さを2m程度とし、焼成領域42の長さを0.3m程度とするのが好ましい。乾燥領域41は、炉天井部に設けられたインフラスタイン(IR)ヒーター61等の加熱手段により、雰囲気温度が300〜500℃程度に調整され、焼成領域42は、炉天井部に設けられた近赤外線ランプヒーター62等の加熱手段により、雰囲気温度が800〜1000℃程度に調整されているのが望ましい。乾燥領域41は、1つの領域として構成されていてもよいし、複数の乾燥領域に区分された構成となっていてもよい。
前記のとおり、第一の搬送機構は、一定のストロークで上昇、前進、下降、後退という動作を周期的に繰り返すビーム2を備えたものである。この第一の搬送機構には、このようなビーム2に加え、当該ビーム2が下降状態(後退動作時を含む)にあるときに、基板1を支持しておくための支持体(図示せず)を備えている。この支持体には、例えば炉に固定されたビーム(固定ビーム)を用いることができる。このような構成において、ビーム2は、一定ストローク前進してから下降する過程において基板1を固定ビームに受け渡し、その後、一定ストローク後退してから上昇する過程において固定ビームから基板1を受け取る。このような動作を周期的に繰り返すことで、第一の搬送機構は乾燥領域41において基板1の搬送を行う。
第二の搬送機構は、一定のストロークで前進、後退という動作を周期的に繰り返すビーム11を備えたものである。この第二の搬送機構は、乾燥領域41の終端部(焼成領域42の直前部)で、第一の搬送機構から基板1を受け取り、ビーム11の一度の前進動作によって基板1の焼成領域42の搬送を行う。こうして焼成領域42を通過させて基板1を焼成領域42の出口まで搬送した後、基板1は第二の搬送機構から第三の搬送機構へ受け渡され、その後、第二の搬送機構のビーム11は後退して、再び第一の搬送機構からの基板1の受け取りに備える。このような動作を周期的に繰り返すことで、第二の搬送機構は焼成領域42において基板1の搬送を行う。
なお、第一の搬送機構から第二の搬送機構への受け渡しは、第一の搬送機構のビーム2の下降動作の過程で行われる。すなわち、第一の搬送機構により乾燥領域41の終端部まで搬送されて来た基板1は、最後にビーム2の下降動作により、前記固定ビームの代わりに、ビーム2の下方で待ち受けている第二の搬送機構のビーム11へ受け渡される。
第三の搬送機構は、一定のストロークで上昇、前進、下降、後退という動作を周期的に繰り返すビーム21を備えたものである。ビーム21は、その下降状態において、第二の搬送機構のビーム11より下方位置にあり、第二の搬送機構により焼成領域42の出口まで基板1が搬送されて来た時点で、その下降状態から上昇を始める。このビーム21の上昇の過程で、基板1は第二の搬送機構のビーム11から第三の搬送機構のビーム21へと受け渡される。次いで、ビーム21は上昇したまま前進し、この前進動作により、ビーム21上の基板1は炉外の所定位置まで搬送される。続いて、ビーム21は下降し、この下降の過程で基板1は、ビーム21上から、前記所定位置に設けられた後続する工程のための他の搬送ライン等に移載される。最後に、ビーム21は下降したまま後退し、最初の位置に戻って、再び第二の搬送機構からの基板1の受け取りに備える。これらの動作を周期的に繰り返すことで、第三の搬送機構は第二の搬送機構から基板を受け取り、炉外の所定の位置まで搬送することができる。
図1は、第一の搬送機構と第二の搬送機構のビーム構造の一例を示す部分斜視図であり、第一の搬送機構に、本発明を適用した状態を示している。本例においては、第一の搬送機構のビーム2は1本のビームからなり、第二の搬送機構のビーム11は2本のビームから構成されている。ビーム2の先端部は2本のビーム11の間で上下方向の動作をするので、ビーム2の動作がビーム11によって妨げられることはない。また、太陽電池基板のような基材の表面だけでなく裏面にも機能膜材料が形成されている基板の搬送を考慮して、ビーム2とビーム11とには、それぞれ基板1の端部(機能膜材料が形成されていない部分)にのみ接触して基板1を支持できるような基板支持具5、15が装着され、当該基板支持具5、15を介して各ビーム2、11上に基板1が載置されるようにしている。
第一の搬送機構のビーム2は、前述のような周期的動作を行って基板1を搬送する中空のビームであり、このビーム2内に、内部に冷却用エアが導入される冷却管8が配されている。この冷却管8は、その周壁に冷却用エアを吹き出すための複数の吹き出し孔9が形成されており、冷却管8内部に導入された冷却用エアは、この吹き出し孔9より冷却管8外に吹き出し、ビーム2の内面のうち、吹き出し孔9に対向している面に吹き付けられて、当該面を選択的に冷却する。
本例では、複数の吹き出し孔9が冷却管8の長手方向に沿って所定の間隔で直線状に配置されているともに、それら複数の吹き出し孔9が上向きとなるように冷却管8がビーム2内に配されているので、吹き出し孔9から吹き出される冷却用エアによって、ビーム2の上面がその内面側から選択的に冷却されることになる。本実施形態の熱処理炉では、基板1の上方の炉天井部にインフラスタイン(IR)ヒーター61、近赤外線ランプヒーター62等の加熱手段が設けられており、基板1の下方には加熱手段は存在しないため、ビーム2はその下面よりも上面の方が高温になりやすく、両面の温度差に起因する熱膨張差によりビームの湾曲が生じやすい状態にあるが、前記のように、ビーム2の上面を選択的に冷却することにより、下面との温度差を解消して湾曲を回避することが可能となる。
なお、本発明の搬送機構を、ヒーター等の加熱手段が基板の上方以外の箇所に設置されている熱処理炉に用いる場合にも、吹き出し孔が加熱手段の存在する方向を向くように冷却管をビーム内に配置することで、同様にビーム各部の温度差に起因する湾曲を回避することができる。冷却の程度は、例えば、単位時間当たりの冷却用エアの冷却管内への導入量を調節すること等によって制御することができる。
冷却管の吹き出し孔から吹き出された冷却用エアは、高温の炉内に流れ出すと炉内温度を低下させる等の不具合が生じるおそれがあるので、図2のビームの断面図に示すように、ビーム2の炉内に挿入される側の先端部2aを封止するとともに、ビーム2の炉内に挿入されない部分にエア抜き孔7を設け、冷却管8の吹き出し孔9から吹き出された冷却用エアがビーム2の冷却に供された後、このエア抜き孔7から炉外に排出されるようにすることが好ましい。
また、この搬送機構においては、ビーム2の上面から基板支持具5の支持位置(基板支持具と基板とが接触する位置)までの高さHが30mm以上となるようにしている。このようにしてビーム2の上面と基板1との間隔を広く離しておくと、搬送中に基板1が熱衝撃等で破損した場合に、その破片が基板支持具5からビーム2上にずり落ちて、そのままビーム2上に留まることが難しく、ビーム2の下方へと落下しやすくなる。
更に、ビーム2は、少なくとも一部において、その上面が凸状に盛り上がった形状となるようにしている。ビーム上面にそのような形状を付与する方法は特に限定されないが、例えば図1のように、断面が半円状の部材16を角パイプからなるビーム2の上面に取り付けるといった方法で容易に付与することができる。なお、この例では上面は半円状の形状となるが、凸状に盛り上がるような形状であればそれ以外の形状、例えば二等辺三角形状のような形状であってもよい。また、このような上面形状は、ビーム2に部分的に形成されていてもよいが、できる限りビーム全長に渡って形成されていることが好ましい。ビーム2上面をこのような形状とすると、基板1が破損し、その破片がビーム2上面に接触したとしても、その接触状態が不安定であるためビーム2上に長く留まることができず、速やかにビーム2の下方に落下する。
このように、破損した基板の破片がビームの下方へと落下しやすくすれば、該破片がビーム上に留まることにより生じる、後続の基板の搬送の不具合を回避することができる。
なお、本例においては、第一の搬送機構に、本発明を適用した場合について説明したが、第二の搬送機構にも同様に適用することが可能である。また、本発明の搬送機構は、熱膨張率が高く湾曲が生じやすい金属製のビームを用いた搬送機構に特に好ましく適用できるが、それ以外の材質からなるビームを用いた搬送機構にも勿論適用可能である。
本発明の熱処理炉は、基板の搬送機構として、以上説明したような本発明の搬送機構を備えた熱処理炉であり、この熱処理炉を使用して基板の熱処理を行うことによって、前記本発明の搬送機構により得られる効果を、実際の熱処理において享受することができる。なお、熱処理炉に備えられる搬送機構の数は図3の例のように複数であってもよいし、1つのみであってもよい。また、搬送機構のビームの動作やビームの配置、本数等も前記実施形態に限定されない。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図2のように、内部に冷却管が配されたSUS304製のビーム(25mm×25mm×1000mmの角パイプ)を用いた搬送機構を、炉天井部にのみヒーターが配置され、当該ヒーターにより炉内温度が800℃に加熱された炉内で使用し、冷却管に冷却用エアを導入しない場合と、冷却管に室温の冷却用エアを50リットル/minで導入した場合とで、ビームに生じる湾曲の程度を調べた。その結果、冷却管に冷却用エアを導入しない場合には、図6に示すビーム先端部の湾曲量Δxが15mmで、継続的な使用が困難であるような大きな湾曲が生じたのに対し、冷却管に室温の冷却用エアを50リットル/minで導入した場合には、湾曲量Δxが4mmで、継続的な使用に耐えうる小さな湾曲に抑えることができた。
本発明は、太陽電池基板等の、基材上に機能膜材料が形成された基板を順次搬送するために使用される搬送機構及びそのような搬送機構を備えた熱処理炉として好適に利用することができるものである。
1:基板、2:ビーム、5:基板支持具、7:エア抜き孔、8:冷却管、9:吹き出し孔、11:ビーム、15:基板支持具、16:断面が半円状の部材、21:ビーム、41:乾燥領域、42:焼成領域、51:入口、52:出口、61:インフラスタイン(IR)ヒーター、62:近赤外線ランプヒーター、71:ビーム、75:基板支持具。
Claims (5)
- 基材上に機能膜材料が形成された基板の前記機能膜材料を熱処理する熱処理炉で、複数の前記基板を順次搬送するために使用される搬送機構であって、
前記搬送機構は、中空のビームに所定の周期的動作を行わせることにより当該ビーム上の前記基板を搬送するものであり、前記ビーム内に、内部に冷却用エアが導入される冷却管であって、その周壁に前記冷却用エアを吹き出すための複数の吹き出し孔が形成されたものが配されている搬送機構。 - 前記複数の吹き出し孔が前記冷却管の長手方向に沿って所定の間隔で直線状に配置されているともに、前記複数の吹き出し孔が上向きとなるように前記冷却管が前記ビーム内に配されている請求項1に記載の搬送機構。
- 基材上に機能膜材料が形成された基板の前記機能膜材料を熱処理する熱処理炉で、複数の前記基板を順次搬送するために使用される搬送機構であって、
前記搬送機構は、中空のビームに所定の周期的動作を行わせることにより当該ビーム上の前記基板を搬送するものであり、前記ビーム上に、前記基板の端部とのみ接触して前記基板を支持する基板支持具が装着されており、前記ビームの上面から前記基板支持具の支持位置までの高さが30mm以上である搬送機構。 - 基材上に機能膜材料が形成された基板の前記機能膜材料を熱処理する熱処理炉で、複数の前記基板を順次搬送するために使用される搬送機構であって、
前記搬送機構は、中空のビームに所定の周期的動作を行わせることにより当該ビーム上の前記基板を搬送するものであり、前記ビームの上面が凸状に盛り上がった形状となっている搬送機構。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の搬送機構を備えた熱処理炉。
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Cited By (2)
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JP2011196612A (ja) * | 2010-03-19 | 2011-10-06 | Koyo Thermo System Kk | 連続熱処理装置 |
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- 2005-12-27 JP JP2005375517A patent/JP2007178037A/ja active Pending
Cited By (2)
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