JP2007187398A - 連続式熱処理炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】平板状の被熱処理物を搬送しながら熱処理する連続式熱処理炉であって、炉の入口や出口の開口部を通じて生ずる炉内外の気体の移動を効果的に遮断して炉内の雰囲気を保持することができ、特殊な雰囲気下での熱処理を要する被熱処理物の熱処理を、所望の雰囲気下で行うことが容易なものを提供する。
【解決手段】平板状の被熱処理物1を搬送しながら熱処理する連続式熱処理炉20である。当該連続式熱処理炉20の前部及び後部には、それぞれ被熱処理物1及び被熱処理物1を搬送するための搬送機構の可動部が通過する入口25と出口27とが設けられており、前記搬送機構として、被熱処理物1の搬送方向に炉体を貫通して設置され、所定の搬送動作を行う可動線材3又は可動ビームを有する搬送機構を備えるとともに、入口25と出口27とに雰囲気遮断用の開閉式シャッター40が設置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の電極部に使用するセパレータのような特殊雰囲気下での熱処理を要する被熱処理物の熱処理に好適に使用できる連続式熱処理炉に関する。
燃料電池の電極部に使用するセパレータは、その製造過程において、高濃度の不活性ガスで満たされた不活性雰囲気下で熱処理(脱バインダー、乾燥等)する必要がある。通常、このような雰囲気下での熱処理は、その入口側と出口側とにそれぞれ前室と後室とが設けられた連続式熱処理炉を用いて行われ、被熱処理物(セパレータ)を搬送するための搬送機構としては、メッシュベルトコンベアを使用するのが一般的である。
具体的には、まず、前室において熱処理前の被熱処理物がメッシュベルトコンベア上に投入される。次いで、当該被熱処理物がメッシュベルトコンベアにより入口を通って連続式熱処理炉内に搬入され、不活性ガスが導入された炉内を移動しながら、炉内に設置された赤外線ヒーター等の加熱手段によって加熱され、熱処理が施されて行く。こうして炉内での熱処理が完了した被熱処理物は、メッシュベルトコンベアにより炉内から出口を通って後室に搬送され、後室においてメッシュベルト上から取り除かれる(なお、このような従来技術に関する先行技術文献は特に見当たらない。)。
しかしながら、このような連続式熱処理炉では、搬送機構としてメッシュベルトコンベアを使用しているため、炉の入口と出口とをメッシュベルトが通過できるような大きな開口部とする必要があり、当該開口部を通じて炉内外で気体の移動が生じ、炉内を所望の雰囲気に保つことが困難であった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、平板状の被熱処理物を搬送しながら熱処理する連続式熱処理炉であって、炉の入口や出口の開口部を通じて生ずる炉内外の気体の移動を効果的に遮断して炉内の雰囲気を保持することができ、特殊な雰囲気下での熱処理を要する被熱処理物の熱処理を、所望の雰囲気下で行うことが容易なものを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の連続式熱処理炉が提供される。
[1] 平板状の被熱処理物を搬送しながら熱処理する連続式熱処理炉であって、当該連続式熱処理炉の前部及び後部には、それぞれ前記被熱処理物及び前記被熱処理物を搬送するための搬送機構の可動部が通過する入口と出口とが設けられており、前記搬送機構として、前記被熱処理物の搬送方向に炉体を貫通して設置され、所定の搬送動作を行う可動線材又は可動ビームを有する搬送機構を備えるとともに、前記入口と前記出口とに雰囲気遮断用の開閉式シャッターが設置された連続式熱処理炉。
[2] 前記搬送機構が、前記被熱処理物の搬送方向に炉体を貫通して設置され、一定の移動ストロークで上昇、前進、下降、後退という動作を周期的に繰り返す、少なくとも2本の可動線材又は可動ビームを有するものである前記[1]に記載の連続式熱処理炉。
[3] 前記搬送機構が、更に、前記被熱処理物の搬送方向に炉体を貫通して設置され、前記連続式熱処理炉に対して固定された固定線材又は固定ビームを有する前記[1]又は[2]に記載の連続式熱処理炉。
[4] 前記搬送機構が、前記被熱処理物の搬送方向に炉体を貫通して設置され、一定の移動ストロークで前進、後退という動作を周期的に繰り返す、少なくとも2本の可動線材又は少なくとも1本の可動ビームを有するものである前記[1]に記載の連続式熱処理炉。
[5] 前記可動ビーム又は前記可動線材に、前記被熱処理物の端部とのみ接触して前記被熱処理物を支持する支持具が装着された前記[1]〜[4]の何れかに記載の連続式熱処理炉。
[6] 前記支持具が、前記可動ビーム又は前記可動線材の特定の位置にのみ装着されている前記[5]に記載の連続式熱処理炉。
[7] 前記固定ビーム又は前記固定線材に、前記被熱処理物の端部とのみ接触して前記被熱処理物を支持する支持具が装着された前記[3]に記載の連続式熱処理炉。
[8] 前記支持具が、前記固定ビーム又は前記固定線材の特定の位置にのみ装着されている前記[7]に記載の連続式熱処理炉。
[9] 前記可動線材又は前記可動ビームが前記搬送動作に加えて前記搬送動作とは別の揺動的動作をも行うものであり、前記固定ビーム又は前記固定線材に装着された前記支持具に前記被熱処理物が支持されている時間帯に、前記可動線材又は前記可動ビームが前記揺動的動作を行って、前記被熱処理物を微小距離移動させ、前記支持具による前記被熱処理物の支持位置を変動させることができるようにした前記[8]に記載の連続式熱処理炉。
[10] 前記連続式熱処理炉の前記入口側及び前記出口側に、ぞれぞれ前記連続式熱処理炉と連なるようにして、内部の雰囲気を大気以外の雰囲気でパージできる機構を有する前室と後室とが設けられた前記[1]〜[9]の何れかに記載の連続式熱処理炉。
[11] 前記前室及び前記後室が、グローブボックス構造となっている前記[10]に記載の連続式熱処理炉。
[12] 前記開閉式シャッターに、前記開閉式シャッターが閉じたときに前記可動線材又は可動ビームと接触しないように切欠部が形成されている前記[1]〜[11]の何れかに記載の連続式熱処理炉。
[13] 前記開閉式シャッターに、前記開閉式シャッター下部よりエアを吹き出すエアカーテン機構を設けた前記[1]〜[12]の何れかに記載の連続式熱処理炉。
本発明の連続式熱処理炉は、当該炉の入口と出口の開口部を通じて生じる炉内外の気体の移動を効果的に遮断して炉内の雰囲気を保持することができ、特殊な雰囲気下での熱処理を要する被熱処理物の熱処理を、所望の雰囲気下で容易に行うことができる。
以下、本発明の代表的な実施形態を図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図1及び図2は、それぞれ本発明に係る連続式熱処理炉の実施形態の一例を示す側面方向から見た概略断面図と、上方から見た概略断面図である。本例の連続式熱処理炉は、燃料電池の電極部に使用するセパレータの熱処理を目的としたものであり、その入口25側及び出口27側に、ぞれぞれ連続式熱処理炉20の本体と連なるようにして、前室10と後室30とが設けられている。
この連続式熱処理炉20おける被熱処理物(本例ではセパレータ)1の移動には、被熱処理物の搬送方向に炉体を貫通して設置され、所定の搬送動作を行う可動線材又は可動ビームを有するものが使用される。図3は、そのような搬送機構の一例を示す概略図である。この搬送機構は、被熱処理物1の搬送方向に炉体を貫通して設置されて所定の搬送動作を行う2本の可動線材3と、可動線材3の外側に平行に配置され、炉に対して固定的に設置された2本の固定ビーム5とを有する。
可動線材3は、所定の張力を付与された状態で、その両端部が支持体8に固定されている。支持体8は、駆動機構9により一定のストロークで上昇、前進、下降、後退の動作を周期的に繰り返すように構成されており、これによって支持体8に固定された可動線材3も同様の周期的動作を行う。固定ビーム5には、被熱処理物1の端部とのみ接触して被熱処理物1を支持する支持具7が所定のピッチで装着されている。
この搬送機構による被熱処理物の搬送動作としては、まず最初に、可動線材3が固定ビーム5より下方に下降した状態にあり、このとき被熱処理物1は固定ビーム5の支持具7に支持された状態となっている。次に、可動線材3が所定のストローク分上昇し、この上昇の過程で、被熱処理物1は固定ビーム5の支持具7上から可動線材3上に受け渡される。次いで、可動線材3は上昇したまま所定のストローク分前進する。続いて、可動線材3は所定のストローク分下降し、この下降の過程で被熱処理物1は、可動線材3上から固定ビーム5の支持具7上に受け渡される。最後に、可動線材3が下降したまま所定のストローク分後退し、最初の位置に戻る。可動線材3がこれらの動作を周期的に繰り返すことで、この搬送機構は被熱処理物1の搬送を行う。
なお、本発明の連続式熱処理炉に使用される搬送機構は、このような構成以外に様々な構成を採り得る。例えば、前記の搬送機構における可動線材3の本数を増やしたり、可動線材3の代わりに、同様の搬送動作をする可動ビームを使用したり、固定ビーム5の代わりに、炉に対して固定的に設置された固定線材を使用したりしてもよい。また、一定の移動ストロークで前進、後退という水平方向の往復動作のみを周期的に繰り返す、少なくとも2本の可動線材又は少なくとも1本の可動ビームを有する搬送機構を用いてもよい。この場合、前進及び後退のストロークを炉長より長く設定することで、可動線材又は可動ビームの一度の前進動作により、炉の入口から出口まで被熱処理物を搬送することが可能となる。
また、可動線材、可動ビーム、固定線材及び固定ビームには、それぞれ必要に応じて、被熱処理物の端部とのみ接触して被熱処理物を支持する支持具が装着されていてもよい。このような支持具は、線材やビームと被熱処理物とが直接接触すると、焼き付き等の不具合が生じるような場合に、それを回避すべく使用される。この支持具は、それぞれの線材やビームの全長に渡って連続的に設けられていてもよいが、後述する開閉式シャッターとの関係で、図3の固定ビーム5に装着された支持具7のように、線材やビームの特定の位置にのみ非連続的に設けられることが好ましい。
なお、図3のように、固定ビーム5(又は固定線材)の特定の位置にのみ支持具7を装着する場合においては、可動線材3(又は可動ビーム)が前記にような本来の搬送動作に加えてそれとは別の揺動的動作をも行えるようにし、固定ビーム5(又は固定線材)に装着された支持具7に被熱処理物1が支持されている時間帯に、可動線材3(又は可動ビーム)が前記揺動的動作を行って、被熱処理物1を微小距離(10〜40mm程度)移動させ、支持具7による被熱処理物1の支持位置を変動させることができるようにすることが好ましい。
被熱処理物1の支持具7との接触部分は、他の部分に比して焼成が不十分になりやすいため、焼成ムラが生じることがある。このような焼成ムラは、被熱処理物1が固定ビーム5(又は固定線材)に装着された支持具7に長時間支持されるような場合に生じやすいが、支持具7に被熱処理物1が支持されている時間帯に、可動線材3(又は可動ビーム)に揺動的動作を行わせて、支持具7上において被熱処理物1を微小距離移動させ、支持具7による被熱処理物1の支持位置(被熱処理物1と支持具7との接触部分)を変動させれば、支持位置が短時間で変化するため焼成ムラが生じにくくなる。なお、前記のような微小距離の移動であれば、被熱処理物1全体の温度分布にも大きな影響を与えない。
可動ビームや固定ビームの材質としては、耐熱性と耐熱衝撃性に優れた材質であることが好ましく、例えば炭化珪素系のセラミック材料からなるものが好適に使用できる。また、可動線材や固定線材の材質としては、炉内温度に耐えられる耐熱性を有するとともに、必要な張力を与えることができるものであれば、その材質や形状に特に制限はないが、例えば、インコネル、チタン等の金属のより線や、径が1〜2mm程度の細棒からなるワイヤー、あるいは、同様に耐熱性に優れた金属やセラミックスからなるチェーンを挙げることができる。
連続式熱処理炉20の入口25側に設けられた前室10は、これから熱処理を施そうとする被熱処理物1を、前記のような搬送機構上に投入するためのゾーンであり、大気から遮断された密閉構造となっている。この前室10には、熱処理前の被熱処理物1が積み重ねて収納される、上部が開口した箱状のワークカセット11が備えられており、このワークカセット11に収納された被熱処理物1を、吸着式投入機13によって上から1枚ずつ吸着し、搬送機構上まで移動させ、搬送機構上に載置する。
連続式熱処理炉20は、その前部及び後部に、それぞれ被熱処理物1及び被熱処理物1を搬送するための搬送機構の可動部(本例では可動線材3)が通過する入口25と出口27とが設けられている。連続式熱処理炉20内には、搬送機構の上方に、赤外線ヒーター21等の加熱手段が設けられており、前室10から入口25を通じて炉内に搬送されてきた被熱処理物1は、当該加熱手段により加熱され、熱処理が施される。また、加熱手段の上側には、チャンバー23が設けられており、炉の外部から、このチャンバー23内に導入された不活性ガス等が、チャンバー23に形成された孔部を通じて、図1中の矢印のように連続式熱処理炉20内に供給され、炉内を所定の雰囲気に調整できるようになっている。
連続式熱処理炉20の出口27側に設けられた後室30は、連続式熱処理炉20内で熱処理を施された被熱処理物1を徐冷して、搬送機構上から取り出す(取り除く)ためのゾーンであり、前室10と同様に大気から遮断された密閉構造となっている。この後室30には、搬送機構上から取り除いた被熱処理物1を積み重ねて収納する、上部が開口した箱状のワークカセット31が備えられている。搬送機構により連続式熱処理炉20から後室30に搬送されてきた熱処理後の被熱処理物1は、搬送機構から後室30に設けられた取り出し機33に移載され、この取り出し機33によりワークカセット31まで運ばれる。
前室10と後室30は、それらの内部の雰囲気を大気以外の雰囲気でパージできる機構を有することが好ましい。当該機構により、前室10と後室30との内部の雰囲気を、連続式処理炉20内の雰囲気と同等又は近似する組成の雰囲気に置換しておけば、連続式熱処理炉20内の雰囲気を保持しやすくなる。また、前室10と後室30はグローブボックス構造となっていることが好ましく、前室10における被熱処理物1の搬送機構上への投入や、後室30における被熱処理物1の搬送機構上からの取り出しといった作業を、グローブボックスのグローブを装着した人間によって行うようにしてもよい。
なお、これら前室10と後室30は、本発明の連続式熱処理炉に必須の構成要件ではないが、後述する開閉式シャッターでは、十分な雰囲気遮断効果が得られないような場合には、設置することが好ましい。本発明の連続式熱処理炉のように、搬送機構として線材やビームを用いる場合には、従来のようにメッシュベルトコンベアを用いる場合に比して、搬送機構の熱容量が小さくなり、搬送機構自体の加熱に要する熱エネルギーが抑えられるため、加熱効率が向上し、炉長の短縮化が可能となる。しかしながら、炉長を短縮すると、炉内の雰囲気保持が困難となりやすいため、前記のような前室10と後室30を設けて雰囲気保持を容易にすることが好ましい。
連続式熱処理炉20の入口25と出口27には、それぞれ雰囲気遮断用の開閉式シャッター40が設置されている。この開閉式シャッター40は、被熱処理物が入口25及び出口27を通過するとき以外の時間帯に、入口25及び出口27の開口面積をできるだけ減少させ、炉内外の気体の移動を効果的に遮断して炉内の雰囲気を保持することを目的とするものである。前述のメッシュベルトコンベアを搬送機構として使用した従来の炉においては、大きなメッシュベルトコンベアが、入口及び出口の開口部を常に通過しているため、それら開口部の開口面積自体を大きくする必要があるとともに、仮に開閉式シャッターを設けたとしても、メッシュベルトコンベアの動作を阻害しない範囲でしか開口面積を減少させられないため、炉内外の気体の移動を十分に遮断することができず、結果として炉内の雰囲気を保持することが極めて困難であった。
これに対し、本発明に係る連続式熱処理炉では、搬送機構として可動部の断面積がメッシュベルトコンベアに比して遙かに小さな可動線材あるいは可動ビームを有する搬送機構を使用しているため、入口及び出口の開口部の開口面積自体を小さくできるとともに、被熱処理物が入口及び出口を通過するとき以外の時間帯には、開閉式シャッターによって入口及び出口の開口面積を大きく減少させることが可能である。
図4(a)及び(b)は、炉の入口に設けられる開閉式シャッターの一例を示す概略図で、図4(a)は開状態、図4(b)は閉状態である。これらの図に示すように、開閉式シャッター40は、それを閉じたときに、搬送機構の可動部である可動線材3(又は可動ビーム)と接触しないように切欠部41が形成されていることが好ましい。このように切欠部41を形成することにより、可動線材3等の搬送動作を妨げることなく、入口25の開口部のほぼ全体を開閉式シャッター40で塞ぐことができる。前記のように可動線材3(又は可動ビーム)に揺動的動作を行わせる場合においては、開閉式シャッター40を閉じた状態でも開閉式シャッター40と干渉せず揺動的動作が可能なように、揺動のストロークを考慮して切欠部41が形成されていることが好ましい。
なお、開閉式シャッター40を閉状態としても、切欠部41からの気体の流入・流出は生じ得るが、搬送機構の可動部である可動線材3等は、その断面積が非常に小さいため、切欠部41を細いスリット状とすることが可能であり、切欠部41を通じた気体の移動は最小限に抑えられる。特に、搬送機構の可動部が可動線材である場合には、可動部が可動ビームである場合に比して、切欠部41の幅をより細くすることができ、高い遮断効果が得られる。
入口及び出口の開口部を通過する可動線材や可動ビームに、前述のように支持具を設ける場合には、当該支持具を可動線材や可動ビームの全長に渡って連続的に設けるよりも、可動線材や可動ビームの特定の位置にのみ非連続的に装着するのが好ましい。
図5は、支持具7を可動ビーム4の全長に渡って連続的に設けた場合における開閉式シャッター40の設置例を示す概略図であるが、この場合には、必然的に入口25や出口の開口部を支持具7が通過する状態となるため、開閉式シャッター40が、可動ビーム4だけでなく、それに装着された支持具7とも干渉しないように、開閉式シャッター40の横幅を入口25や出口の開口部の横幅に対してかなり短くしている。したがって、開閉式シャッター40を閉状態としても塞ぎきれない開口部の面積が大きくなり、その分、開閉式シャッターによる雰囲気遮断効果が減じることになる。
一方、図6は、支持具7を可動ビーム4の特定位置にのみ非連続的に設けた場合における開閉式シャッター40の設置例を示す概略図であるが、この場合には、開閉式シャッター40が設置される入口25や出口の開口部と支持具7の位置とをずらすことによって、開閉式シャッター40と支持具7との干渉を考慮する必要がなくなり、結果的に、図5の例に比して、開閉式シャッター40の横幅を長くできる。したがって、図5の例に比して、開閉式シャッター40を閉状態としても塞ぎきれない開口部の面積が小さくなり、その分、開閉式シャッターによる雰囲気遮断効果が向上する。
被熱処理物が入口25及び出口27を通過する際には、図4(a)のように開閉式シャッター40を開状態としなければならないが、この際の炉内外の気体の移動を極力抑えるため、開閉式シャッター40に、その下部よりエアを吹き出すエアカーテン機構を設けたることが好ましい。図4(a)中の矢印に示すように、開閉式シャッターの下部からエアを吹き出して、入口25や出口の開口部にエアカーテンを形成すれば、開閉式シャッター40が開状態となっているときでも、開口部を通じた炉内外の気体の移動を最小限に抑えることができる。
このように、本発明に係る連続式熱処理炉は、炉の入口及び出口の開口部を通じて生じる炉内外の気体の移動を効果的に遮断して炉内の雰囲気を保持することができ、特殊な雰囲気下での熱処理を要する被熱処理物の熱処理を、所望の雰囲気下で容易に行うことができる。
例えば、燃料電池の電極部に使用するセパレータの熱処理(脱バインダー、乾燥等)は、高濃度の不活性ガス(例えばArガス)で満たされた不活性雰囲気下で行う必要であるが、本発明の連続式熱処理炉では、前記のような搬送機構と開閉式シャッターとの併用により、炉内外の気体の移動を効果的に遮断して、炉内の雰囲気を保持することができるので、理想的な雰囲気下での熱処理が可能となる。
本発明に係る連続式熱処理炉の熱処理対象となる板状の被熱処理物は、特に限定されるものではないが、燃料電池の電極部に使用するセパレータのような、大気以外の特殊な雰囲気下での熱処理を要するものが被熱処理物として好適である。
本発明の連続式熱処理炉は、不活性雰囲気のような特殊な雰囲気下での熱処理を要する被熱処理物の熱処理に好適に使用することができるものである。
本発明に係る連続式熱処理炉の実施形態の一例を示す側面方向から見た概略断面図である。 本発明に係る連続式熱処理炉の実施形態の一例を示す上方から見た概略断面図である。 本発明に係る連続式熱処理炉に使用される搬送機構の一例を示す概略図である。 炉の入口の開口部に設けられる開閉式シャッターの開状態の一例を示す概略図である。 炉の入口の開口部に設けられる開閉式シャッターの閉状態の一例を示す概略図である。 支持具を可動ビームの全長に渡って連続的に設けた場合における開閉式シャッターの設置例を示す概略図である。 支持具を可動ビームの特定位置にのみ非連続的に設けた場合における開閉式シャッターの設置例を示す概略図である。
符号の説明
1:被熱処理物、2:開口部、3:可動線材、4:可動ビーム、5:固定ビーム、7:支持具、8:支持体、9:駆動機構、10:前室、11:ワークカセット、13:吸着式投入機、20:連続式熱処理炉、21:赤外線ヒーター、23:チャンバー、25:入口、27:出口、30:後室、31:ワークカセット、33:取り出し機、40:開閉式シャッター、41:切欠部。

Claims (13)

  1. 平板状の被熱処理物を搬送しながら熱処理する連続式熱処理炉であって、
    当該連続式熱処理炉の前部及び後部には、それぞれ前記被熱処理物及び前記被熱処理物を搬送するための搬送機構の可動部が通過する入口と出口とが設けられており、前記搬送機構として、前記被熱処理物の搬送方向に炉体を貫通して設置され、所定の搬送動作を行う可動線材又は可動ビームを有する搬送機構を備えるとともに、前記入口と前記出口とに雰囲気遮断用の開閉式シャッターが設置された連続式熱処理炉。
  2. 前記搬送機構が、前記被熱処理物の搬送方向に炉体を貫通して設置され、一定の移動ストロークで上昇、前進、下降、後退という動作を周期的に繰り返す、少なくとも2本の可動線材又は可動ビームを有するものである請求項1に記載の連続式熱処理炉。
  3. 前記搬送機構が、更に、前記被熱処理物の搬送方向に炉体を貫通して設置され、前記連続式熱処理炉に対して固定された固定線材又は固定ビームを有する請求項1又は2に記載の連続式熱処理炉。
  4. 前記搬送機構が、前記被熱処理物の搬送方向に炉体を貫通して設置され、一定の移動ストロークで前進、後退という動作を周期的に繰り返す、少なくとも2本の可動線材又は少なくとも1本の可動ビームを有するものである請求項1に記載の連続式熱処理炉。
  5. 前記可動ビーム又は前記可動線材に、前記被熱処理物の端部とのみ接触して前記被熱処理物を支持する支持具が装着された請求項1〜4の何れか一項に記載の連続式熱処理炉。
  6. 前記支持具が、前記可動ビーム又は前記可動線材の特定の位置にのみ装着されている請求項5に記載の連続式熱処理炉。
  7. 前記固定ビーム又は前記固定線材に、前記被熱処理物の端部とのみ接触して前記被熱処理物を支持する支持具が装着された請求項3に記載の連続式熱処理炉。
  8. 前記支持具が、前記固定ビーム又は前記固定線材の特定の位置にのみ装着されている請求項7に記載の連続式熱処理炉。
  9. 前記可動線材又は前記可動ビームが前記搬送動作に加えて前記搬送動作とは別の揺動的動作をも行うものであり、前記固定ビーム又は前記固定線材に装着された前記支持具に前記被熱処理物が支持されている時間帯に、前記可動線材又は前記可動ビームが前記揺動的動作を行って、前記被熱処理物を微小距離移動させ、前記支持具による前記被熱処理物の支持位置を変動させることができるようにした請求項8に記載の連続式熱処理炉。
  10. 前記連続式熱処理炉の前記入口側及び前記出口側に、ぞれぞれ前記連続式熱処理炉と連なるようにして、内部の雰囲気を大気以外の雰囲気でパージできる機構を有する前室と後室とが設けられた請求項1〜9の何れか一項に記載の連続式熱処理炉。
  11. 前記前室及び前記後室が、グローブボックス構造となっている請求項10に記載の連続式熱処理炉。
  12. 前記開閉式シャッターに、前記開閉式シャッターが閉じたときに前記可動線材又は可動ビームと接触しないように切欠部が形成されている請求項1〜11の何れか一項に記載の連続式熱処理炉。
  13. 前記開閉式シャッターに、前記開閉式シャッター下部よりエアを吹き出すエアカーテン機構を設けた請求項1〜12の何れか一項に記載の連続式熱処理炉。
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