JP2015141846A - 燃料電池用の金属セパレーターの製造装置および燃料電池用の金属セパレーターの製造方法 - Google Patents

燃料電池用の金属セパレーターの製造装置および燃料電池用の金属セパレーターの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄板状の金属セパレーターの位置を精度良く検出して加工することができる製造装置を提供する。
【解決手段】金属セパレーター10の製造装置100は、目印形成部130と引張部110と位置決め部150と加工部(例えば組立加工部160)とを有する。目印形成部は、薄板状の基材から切断される前の燃料電池用の金属セパレーターの対向した両端に備えられた把持部10hの少なくとも一方に対して位置検出の基準となる目印10pを形成する。引張部は、把持部を把持部材(クランプ111)によって把持し、把持部同士を互いに離間させて金属セパレーターを外方に引っ張る。位置決め部は、引張部によって引っ張られた状態の金属セパレーターの目印に基づき金属セパレーターの位置を検出し、各々の金属セパレーターに個別に対応して位置を補正する。加工部は、位置が補正された金属セパレーターに加工を施す。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池用の金属セパレーターの製造装置および燃料電池用の金属セパレーターの製造方法に関する。
近年、環境負荷の少ない電源として燃料電池が注目されている。燃料電池は、外部から供給された燃料ガス(水素)および酸化剤ガス(空気または純酸素)によって化学反応を起こし、発生した化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。燃料電池は、化学反応により生成される物質が原理的に水であることから、地球環境への悪影響がほとんど無い。
燃料電池は、金属セパレーターと膜電極接合体とを交互に積層して構成している。燃料電池の積層方向の高さを低くするために、金属セパレーターは薄板状に形成している。薄板状の金属セパレーターは、薄肉の基材をプレス成形して製造しており、反り返りや撓みが残存している。
したがって、金属セパレーターと膜電極接合体とを交互に積層するときに、相対的に位置がずれる虞がある。一方、金属セパレーターの位置を精度良く検出できるか否かが、燃料電池の生産に係る歩留まりに大きく影響する。特に、高出力の燃料電池を得るためには金属セパレーターと膜電極接合体との積層数が多くなることから、金属セパレーターの位置を高精度で検出して加工することが、燃料電池を構成するユニットの歩留まりに大きく寄与することとなる。
このため、レーザー方式または画像センシング方式を用いて金属セパレーターの外形形状を検出することによって、金属セパレーターの位置を検出している。しかしながら、金属セパレーターは、把持力が必ずしも十分ではない吸引チャックによって保持されていることから、反り返りや撓みを十分に除去することが困難であり、位置を精度良く検出して加工することができない虞がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−164881号公報
したがって、薄板状の金属セパレーターであっても、反り返りや撓みを十分に除去し、位置を精度良く検出して加工することによって、燃料電池を構成するユニットの生産に係る歩留まりを向上させることができる技術が要請されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、反り返りや撓みの影響を受け易い薄板状の金属セパレーターであっても、その金属セパレーターの位置を精度良く検出して加工することができる燃料電池用の金属セパレーターの製造装置、および燃料電池用の金属セパレーターの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の燃料電池用の金属セパレーターの製造装置は、目印形成部と、引張部と、位置決め部と、加工部とを有する。前記目印形成部は、薄板状の基材から切断される前の燃料電池用の金属セパレーターの対向した両端に備えられた把持部の少なくとも一方に対して位置検出の基準となる目印を形成する。前記引張部は、前記把持部を把持部材によって把持し、前記把持部同士を互いに離間させて前記金属セパレーターを外方に引っ張る。前記位置決め部は、前記引張部によって引っ張られた状態の前記金属セパレーターの前記目印に基づき前記金属セパレーターの位置を検出し、各々の前記金属セパレーターを個別に移動させて位置を補正する。前記加工部は、位置が補正された前記金属セパレーターに加工を施す。
本発明の燃料電池用の金属セパレーターの製造方法は、目印形成工程と、加工工程とを有する。前記目印形成工程は、薄板状の基材から切断される前の燃料電池用の金属セパレーターの対向した両端に備えられた把持部の少なくとも一方に対して位置検出の基準となる目印を形成する。前記加工工程は、前記金属セパレーターの把持部を把持して外方に引っ張りつつ、前記目印に基づき前記金属セパレーターの位置を検出し、各々の前記金属セパレーターを個別に移動させて位置を補正した後、前記金属セパレーターに加工を施す。
燃料電池用の金属セパレーターの製造装置および製造方法では、薄板状の基材から切断される前の金属セパレーターの把持部に目印を形成することから、反り返りや撓みが無い状態の金属セパレーターに対して精度良く目印を形成することができる。さらに、金属セパレーターの両端に備えた把持部を引っ張ることによって、反り返りや撓みの影響を受けることなく、把持部に形成された目印に基づき金属セパレーターの位置を精度良く検出し、各々の金属セパレーターを個別に移動させて位置を補正した上で、加工を施すことができる。したがって、反り返りや撓みが生じ易い薄板状の金属セパレーターであっても、その金属セパレーターの位置を精度良く検出して加工することができることから、燃料電池の生産に係る歩留まりを向上させることができる。
実施形態に係る燃料電池用の金属セパレーターの製造装置を示す斜視図である。 図1の製造装置の形状加工部によって長尺の基材から金属セパレーターを形成しつつ、目印形成部によって金属セパレーターに目印を形成している状態を示す斜視図である。 図2の構成を搬送方向に沿って示す側面図である。 図1の製造装置の位置決め部によって金属セパレーターを位置決めした後、組立加工部によって金属セパレーターを加工している状態を示す斜視図である。 図4のうち位置決め部に係る構成を搬送方向と交差した方向に沿って示す側面図である。 図4のうち組立加工部に係る構成を搬送方向と交差した方向に沿って示す側面図である。 図1の製造装置の引張部によって金属セパレーターを引っ張っている状態を示す斜視図である。 図7の引張部を8−8線から模式的に示す断面図である。 図7の構成を搬送方向と交差した方向に沿って示す側面図である。 図7の構成を主要部毎に分解して示す分解斜視図である。 実施形態の変形例に係る燃料電池用の金属セパレーターの製造装置を示す斜視図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。図1〜図11の全ての図において、X方向、Y方向、およびZ方向を、それぞれ矢印で示している。X方向は、金属セパレーター10の搬送方向を示している。Y方向は、金属セパレーター10の搬送方向と交差した方向を示している。Z方向は、金属セパレーター10の積層方向を示している。
(実施形態)
燃料電池用の金属セパレーター10の製造装置100は、燃料電池の製造において使用される。金属セパレーター10は、長尺からなる薄板状の基材1に対して流路10gとなる凹凸やマニホールド孔(例えばアノードガス供給口10a)となる貫通孔が形成された後に、成形品となる領域が打ち抜かれて成形されたものである。搬送部140は、成形後の各々の金属セパレーター10を、膜電極接合体と交互に積層する積層加工ステージまで、別個に搬送する。金属セパレーター10は、膜電極接合体と交互に積層され、燃料電池を形成する。
製造装置100は、目印形成部130、引張部110、位置決め部150、および加工部(例えば組立加工部160)を含んでいる。目印形成部130は、薄板状の基材1から切断される前の燃料電池用の金属セパレーター10の対向した両端に備えられた把持部10hの少なくとも一方に対して位置検出用の目印10pを形成する。引張部110は、把持部10hを把持部材(クランプ111)によって把持し、把持部10h同士を互いに離間させて金属セパレーター10を外方に引っ張る。位置決め部150は、引張部110によって引っ張られた状態の金属セパレーター10の目印10pに基づき金属セパレーター10の位置を検出し、各々の金属セパレーター10に個別に対応して位置を補正する。加工部(例えば組立加工部160)は、位置が補正された金属セパレーター10に加工を施す。
さらに、製造装置100は、形状加工部120、搬送部140、および制御部170を含んでいる。形状加工部120は、長尺の基材1を所定の形状に加工して金属セパレーター10を形成する。搬送部140は、引張部110を介して金属セパレーター10を搬送する。制御部170は、形状加工部120と目印形成部130と搬送部140と位置決め部150と組立加工部160の各々を制御する。
先ず、図10を参照して、製造装置100を用いて位置検出してから加工する金属セパレーター10を説明する。
図10は、図1の製造装置100の引張部110によって金属セパレーター10を引っ張っている状態を主要部毎に分解して示す分解斜視図である。
金属セパレーター10は、隣り合う膜電極接合体を隔離しつつ、膜電極接合体で発生した電力を通電させ、さらに媒体と冷却水とを隔てて流通させる。金属セパレーター10は、薄板状からなり、導電性材料を有する。金属セパレーター10は、対向する両端に引張部110によって把持され外方に向かって引っ張られる把持部10hを備えている。図示例の金属セパレーター10にあっては、長手方向の両端に把持部10hを備えている。把持部10hには、十字状の目印10pを形成している。
金属セパレーター10は、例えば、ステンレス鋼鈑にプレス加工を施すことによって形成される。ステンレス鋼鈑は、複雑な機械加工を施しやすく、かつ導電性が良好である点で好ましく、必要に応じて、耐食性のコーティングを施すことも可能である。金属セパレーター10がアノード側セパレーターの場合は、膜電極接合体のアノードに当接させて積層する。金属セパレーター10がカソード側セパレーターの場合は、膜電極接合体のカソードに当接させて積層する。
金属セパレーター10の中央には、媒体と冷却水とを隔てて流す流路10gを形成している。流路10gは、凹凸形状を一定の間隔で複数設けることによって構成している。金属セパレーター10がアノード側セパレーターの場合は、媒体に燃料ガス(水素)を用いる。金属セパレーター10がカソード側セパレーターの場合は、媒体に酸化剤ガス(空気または純酸素)を用いる。
金属セパレーター10は、長方形状からなり、その長手方向の一端に、アノードガス供給口10a、冷却流体供給口10b、およびカソードガス供給口10cに相当する貫通孔を開口している。同様に、金属セパレーター10は、その長手方向の他端に、カソードガス排出口10d、冷却流体排出口10e、およびアノードガス排出口10fに相当する貫通孔を開口している。
次に、図1〜図10を参照して、金属セパレーター10の製造方法およびその製造方法を具現化した製造装置100の構成を説明する。
図1は、燃料電池用の金属セパレーター10の製造装置100を示す斜視図である。図2は、図1の製造装置100の形状加工部120によって長尺の基材1から金属セパレーター10を形成しつつ、目印形成部130によって金属セパレーター10に目印10pを形成している状態を示す斜視図である。図3は、図2の構成を搬送方向Xに沿って示す側面図である。図4は、図1の製造装置100の位置決め部150によって金属セパレーター10を位置決めした後、組立加工部160によって金属セパレーター10を加工している状態を示す斜視図である。図5は、図4のうち位置決め部150に係る構成を搬送方向Xと交差した方向Yに沿って示す側面図である。図6は、図4のうち組立加工部160に係る構成を搬送方向Xと交差した方向Yに沿って示す側面図である。図7は、図1の製造装置100の引張部110によって金属セパレーター10を引っ張っている状態を示す斜視図である。図8は、図7の引張部を8−8線から模式的に示す断面図である。図9は、図7の構成を搬送方向Xと交差した方向Yに沿って示す側面図である。図10は、図7の構成を主要部毎に分解して示す分解斜視図である。
形状加工部120の構成を、図1〜図3を参照しながら説明する。
形状加工部120は、固定型121および移動型122を含んでいる。固定型121および移動型122は、長尺状の基材1から金属セパレーター10を形成する複数組の金型121a〜121fおよび122a〜122fを対向するように取り付けている。固定型121および移動型122の間に長尺状の基材1を搬送方向Xに沿って移動可能に配置する。固定型121に対して、移動型122を当接および離間させる毎に、一の金型から隣接する他の金型まで基材1を移動させる。金型121a〜121fおよび122a〜122fは、基材1に対する凹凸や貫通孔等の形成において一般的なものを用いる。金型121a〜121fおよび122a〜122fは、基材1の搬送方向Xの上流側から下流側に沿って一定の間隔で位置している。
形状加工部120は、先ず、金型121aおよび122aによって、基材1に対して、位置決め用のロケート孔1mを形成する。次に、金型121bおよび122bによって、金属セパレーター10のアクティブエリアおける凹凸状の流路10gを形成する。次に、金型121cおよび122cによって、ガスや冷却水を供給および排出するマニホールド孔(アノードガス供給口10a〜アノードガス排出口10f)を成形する。その後、金型121dおよび122dによって、金属セパレーター10となる部分の外周縁を打ち抜いて打抜孔1nを開口する。基材1から打ち抜いた金属セパレーター10は、引張部110に取り付ける。
目印形成部130の構成を、図1〜図3を参照しながら説明する。
目印形成部130のレーザーマーキングユニット131は、例えば炭酸ガスレーザーから構成している。レーザーマーキングユニット131は、形状加工部120の上方(積層方向Zに相当)であって、金属セパレーター10の長手方向(搬送方向Xと交差した方向Y)の両側に位置するように、それぞれ1台ずつ配設している。詳細には、レーザーマーキングユニット131は、形状加工部120において、マニホールド孔(アノードガス供給口10a〜アノードガス排出口10f)を成形する金型121cおよび122cよりも搬送方向Xに沿った下流側であって、かつ、打抜孔1nを開口する金型121dおよび122dよりも搬送方向Xに沿った上流側に配設している。すなわち、レーザーマーキングユニット131は、形状加工部120によって基材1から金属セパレーター10となる部分の外周縁が打ち抜かれて打抜孔1nが開口される直前に、金属セパレーター10の把持部10hに目印10pを形成する。
レーザーマーキングユニット131は、導出したレーザー光L1を金属セパレーター10の把持部10hに照射し、その照射部分を溶解することによって、目印10pを形成する。レーザーマーキングユニット131は、移動型122との干渉を回避するために、移動型122の切欠部122eを介して、レーザー光L1を金属セパレーター10に導出させる。レーザーマーキングユニット131は、レーザー光L1を把持部10hに走査して、例えば十字状の目印10pを形成する。
レーザーマーキングユニット131によって、金属セパレーター10の把持部10hの中央に目印10pを1個形成してもよいし、金属セパレーター10の把持部10hの短手方向に沿って目印10pを複数個形成してもよい。レーザーマーキングユニット131によって形成する目印の形状や位置は、位置決め部150における目印の検出精度等によって決定する。例えば、目印は、L字状に形成し、4個のクランプ111の当接部材111aにそれぞれ近接するように4個形成してもよい。
レーザーマーキングユニット132を用いて、形状加工部120によって加工される前の基材1に対して目印10pを形成することもできる。この場合には、図1に示すように、レーザーマーキングユニット132を、基材1に位置決め用のロケート孔1mを形成する金型121aおよび122aの搬送方向Xに沿った下流側で隣り合うように配設する。レーザーマーキングユニット132の仕様は、レーザーマーキングユニット131の仕様と同様である。
引張部110の構成を、図1および図7〜図10を参照しながら説明する。
引張部110のクランプ111は、第1固定台112または第1移動台113とで、金属セパレーター10の把持部10hを挟み込んで把持する。クランプ111は、第1固定台112および第1移動台113の上面にそれぞれ配設している。クランプ111は、例えば、当接部材111a、回転支持部材111b、および圧縮バネ111cを含んでいる。当接部材111aは、板状に形成し、一端を金属セパレーター10の把持部10hに当接させ、一端に対向した他端を圧縮バネ111cによって付勢させている。回転支持部材111bは、当接部材111aの一端と他端の中央に配設し、当接部材111aを所定の範囲内で回動自在に支持している。回転支持部材111bは、第1固定台112または第1移動台113の上面に接合している。圧縮バネ111cは、いわゆる押しバネに相当する。圧縮バネ111cは、螺旋状に形成し、伸縮自在である。圧縮バネ111cは、当接部材111aの他端と、第1固定台112または第1移動台113の上面との間で伸長する。その結果、当接部材111aの一端は、第1固定台112または第1移動台113の上面に対して押圧する。
第1固定台112は、一対からなり、金属セパレーター10の長手方向に沿った方向の両端であって、金属セパレーター10の搬送方向Xの下流側に配設している。一方、第1移動台113は、一対からなり、金属セパレーター10の長手方向に沿った方向の両端であって、金属セパレーター10の搬送方向Xの上流側に配設している。すなわち、第1固定台112は、金属セパレーター10の短手方向に沿って、第1移動台113と対向して配設している。一対の第1固定台112は、図8に示すように、その下部から突出した固定ピン112bを、第2固定台115の上面に開口した固定孔115a、または第2移動台116の上面に開口した固定孔116aに挿入し、下側からネジ部材181の締結によって固定している。
一対の第1移動台113は、第2固定台115、または第2移動台116において、X方向に沿って移動自在に当接している。具体的には、一対の第1移動台113の下部から突出させた長尺状の平行キー113dを、第2固定台115の上面に開口した長孔状のキー溝115c、または第2移動台116の上面に開口した長孔状のキー溝116cに対して、搬送方向Xに沿って移動自在に挿通している。但し、Z方向の浮動を防止するため、図8に示すように、下側からネジ部材181で第2固定台115、または第2移動台116に締結固定している。一対の第1移動台113は、一対の第1伸長部材114によって、第1固定台112から離間する方向に移動する。
第1伸長部材114は、第1移動台113を第1固定台112から離間させる。第1伸長部材114は、図4に示すように、例えば、圧縮バネ114aおよび支持部材114bを含んでいる。一対の第1伸長部材114は、第1移動台113と第1固定台112との間に配設している。圧縮バネ114aは、いわゆる押しバネに相当する。圧縮バネ114aは、螺旋状に形成し、伸縮自在である。支持部材114bは、円柱状に形成し、圧縮バネ114aを伸縮方向(搬送方向Xに相当)に保持している。支持部材114bは、第1固定台112の側面に接合し、圧縮バネ114aを挿通している。
第2固定台115と第2移動台116とは、第1固定台112と第1移動台113とをそれぞれ支持する。第2固定台115と、第2移動台116は、それぞれ長方形状からなり、金属セパレーター10の長手方向に沿った方向Yの両端に対向して配設している。第2固定台115は、その下部から突出した固定ピン115bを、支持台118の長手方向の一端に開口した固定孔118aに挿入して固定している。第2移動台116は、支持台118の長手方向の他端に移動自在に当接している。具体的には、第2移動台116の下部から突出させた長尺状の平行キー116dを、支持台118の長手方向の他端に開口した長孔状のキー溝118cに対して、搬送方向Xと交差した方向Yに沿って移動自在に挿通している。但し、Z方向の浮動を防止するため、図8に示すように、下側からネジ部材181で支持台118に締結固定している。一対の第2移動台116は、一対の第2伸長部材117によって、第2固定台115から離間する方向に移動する。一対の第2伸長部材117は、第2移動台116と第2固定台115との間に配設している。
第2伸長部材117は、第2移動台116を第2固定台115から離間させる。第2伸長部材117は、図4に示すように、例えば、圧縮バネ117a、支持部材117b、および延長部材117cを含んでいる。圧縮バネ117aは、いわゆる押しバネに相当する。圧縮バネ117aは、螺旋状に形成し、伸縮自在である。支持部材117bは、円柱状に形成し、圧縮バネ117aを伸縮方向(搬送方向Xと交差した方向Yに相当)に保持している。支持部材117bは、延長部材117cの一端に接合し、圧縮バネ117aを挿通している。延長部材117cは、支持部材117bよりも径が大きい円柱状に形成し、支持部材117bと伸縮方向(搬送方向Xと交差した方向Yに相当)に沿って接合している。延長部材117cは、一端を支持部材117bに接合し、他端を第2固定台115の側面に接合している。延長部材117cは、使用する圧縮バネ117aの全長が長くなることを抑えるためのものである。
支持台118は、第2固定台115と第2移動台116とを支持する。支持台118は、長尺の板状からなり、中央部分に開口を備えている。支持台118の長手方向の一端に開口した固定孔118aに、第2固定台115の下部から突出した固定ピン115bを挿入することによって、第2固定台115を固定している。支持台の長手方向の他端に開口した長孔状のキー溝118cに、第2移動台116の下部から突出させた長尺状の平行キー116dを挿入することによって、第2移動台116を搬送方向Xと交差した方向Yに沿って移動自在に挿通している。
搬送部140の構成を、図1を参照しながら説明する。
搬送部140のキャリー141は、鉤状から形成し、引張部110の支持台118の下部を把持する。4つのキャリー141によって、図7に詳細を示した1つの支持台118を把持しつつ、搬送中は上昇させ、搬送後は降下させる。レール142および143は、同様の構成からなり、キャリー141を搬送方向Xに沿って往復させる。レール142および143は、長尺状に形成し、搬送方向Xに沿って並行して配設している。レール142および143は、それぞれ、キャリー141を移動自在に係留する凹部を備えている。保持台144は、長方体形状から形成し、位置決め部150および組立加工部160を保持している。図1に示す製造装置100においては、例えば、保持台144を2台備え、それぞれ位置決め部150および組立加工部160を保持している。
搬送方向Xに沿った下流側に位置する2台目の保持台144に備えた組立加工部160は、相対的に上流側に位置する1台目の保持台144に備えた組立加工部160と異なる加工を行うことができる。すなわち、1台目の保持台144に備えた位置決め部150および組立加工部160によって位置決めと加工を終えた金属セパレーター10は、キャリー141によって搬送される支持台118に支持された状態のまま、2台目の保持台144に備えた位置決め部150および組立加工部160によって新たに位置決めして他の加工を施すことができる。
位置決め部150の構成を、図1、図4、および図5を参照しながら説明する。
位置決め部150の撮像ユニット151は、例えばCCDカメラから構成している。撮像ユニット151は、搬送部140の上方(積層方向Zに相当)であって、金属セパレーター10の長手方向の両側に位置するように、それぞれ1個ずつ配設している。撮像ユニット151は、金属セパレーター10の把持部10hの付近から反射した反射光R1を受光することによって、金属セパレーター10の目印10pを検出する。目印10pは、金属セパレーター10の一対の把持部10hに対して、それぞれ十字状に形成されている。
撮像ユニット151は、一対の目印10pの各々の中心を通る直線によって、金属セパレーター10の面内(金属セパレーター10の搬送方向Xおよび搬送方向Xと交差する方向Y)の傾きを検出する。すなわち、撮像ユニット151は、搬送方向Xに対する金属セパレーター10の斜行の状態を検出する。さらに、一対の目印10pのどちらか一方の目印10pの中心位置に基づき、金属セパレーター10の絶対位置を検出する。金属セパレーター10の絶対位置の検出に係る動作は、撮像ユニット151で行ってもよいし、制御部170のコントローラ171で行ってもよい。
回転ステージ152は、引張部110を着脱自在に載置し、金属セパレーター10の搬送方向Xおよび搬送方向Xと交差する方向Yの面内において回転する。直進ステージ153は、回転ステージ152を回動自在に載置し、方向Yに沿って移動する。回転ステージ152および直進ステージ153は、撮像ユニット151によって位置が検出された各々の金属セパレーター10を、その位置の検出結果に基づき、位置ずれが解消するように個別に移動させる。具体的には、先ず、回転ステージ152によって、金属セパレーター10の搬送方向Xおよび方向Yの面内の傾きを補正する。次に、直進ステージ153によって、金属セパレーター10の方向Yのずれを補正する。金属セパレーター10の搬送方向Xのずれは、例えば搬送部140によって組立加工部160まで搬送する移動距離を増減することによって補正する。このように、金属セパレーター10は、位置決め部150によって位置ずれが補正された後、搬送部140によって組立加工部160に搬送される。
組立加工部160の構成を、図1、図4および図6を参照しながら説明する。
組立加工部160は、位置決め部150に対して、金属セパレーター10の搬送方向Xの下流側であって、位置決め部150に隣接して配設している。組立加工部160は、位置決め部150によって位置決めされ搬送部140によって順に搬送されてくる金属セパレーター10に対して所定の加工を行う。組立加工部160は、例えば、金属セパレーター10と膜電極接合体とを交互に積層した上で、隣り合う金属セパレーター10同士を接合するために、金属セパレーター10の外周縁に接着剤を塗布するものである。
組立加工部160の塗布ユニット161は、充填された接着剤を一定量で金属セパレーター10に塗布する。Y軸ステージ162は、塗布ユニット161を吊り下げた状態において、搬送方向Xと交差する方向Yに沿って移動する。X軸ステージ163は、Y軸ステージ162の長手方向の一端に備え、Y軸ステージ162を搬送方向Xに沿って移動する。X軸補助レール164は、Y軸ステージ162の長手方向の他端に備え、X軸ステージ163によるY軸ステージ162の移動を補助する。X軸ステージ163およびX軸補助レール164によって、Y軸ステージ162を両端支持梁の状態で支持する。塗布ユニット161は、X軸ステージ163およびY軸ステージ162によって、図4および図6に長一点破線の矢印で示す軌跡K1に沿って移動しつつ、金属セパレーター10の外周縁に接着剤を塗布する。
制御部170の構成を、図1を参照しながら説明する。
制御部170のコントローラ171は、ROM、CPU、およびRAMを含んでいる。ROM(Read Only Memory)は、形状加工部120の移動型122、目印形成部130のレーザーマーキングユニット131、搬送部140のキャリー141、位置決め部150の撮像ユニット151と直進ステージ153と回転ステージ152、および組立加工部160の塗布ユニット161とY軸ステージ162とX軸ステージ163に係る制御プログラムをそれぞれ格納している。CPU(Central Processing Unit)は、制御プログラムに基づいて製造装置100の動作を制御する。RAM(Random Access Memory)は、制御中の各構成部材に係るデータを一時的に記憶する。データは、例えば、撮像ユニット151で撮像された画像データである。通信線172は、コントローラ171と各構成部材との間で通信を行うためのケーブルである。
次に、実施形態の製造装置100の作用を説明する。
形状加工部120は、図2に示すように、固定型121および移動型122によって、長尺かつ薄板状の基材1を所定の形状に加工して金属セパレーター10を形成する。金型121aおよび122aによって基材1に位置決め用のロケート孔1mを形成した後、金型121bおよび122bによって金属セパレーター10のアクティブエリアおける凹凸状の流路10gを形成する。次に、金型121cおよび122cによって、マニホールド孔(アノードガス供給口10a〜アノードガス排出口10f)を成形する。
次いで、目印形成部130は、図2に示すように、一対のレーザーマーキングユニット131によって、金属セパレーター10の両端に形成した一対の把持部10hに対して、それぞれレーザー光L1を走査する。レーザー光L1によって、例えば十字状の目印10pを形成する。
次いで、形状加工部120は、図2に示すように、金型121dおよび122dによって、金属セパレーター10となる部分の外周縁を打ち抜いて打抜孔1nを開口する。
次いで、引張部110は、図4等に示すように、金属セパレーター10の把持部10hをクランプ111によって把持し、クランプ111同士を互いに離間させて金属セパレーター10を外方に引っ張る。金属セパレーター10を引張部110にセットするときには、まず、第1移動台113を第1固定台112に向かって押圧することによって、第1移動台113と第1固定台112との間の間隔を狭める。同様に、第2移動台116を第2固定台115に向かって押圧することによって、第2移動台116と第2固定台115との間の間隔を狭める。クランプ111における当接部材111aの一端を、圧縮バネ111cの弾発力に抗して、第1固定台112および第1移動台113の上面から離反させ、クランプ111を開放状態にする。
この状態で、金属セパレーター10を第1固定台112および第1移動台113の上面に載置する。金属セパレーター10を載置した後、クランプ111の開放状態を解除し、圧縮バネ111cの弾発力によって把持部10hを把持する。その後、第1移動台113の押圧、および第2移動台116の押圧を解除する。すると、第1移動台113が第1伸長部材114の弾発力によって第1固定台112から離間するように移動し、かつ、第2移動台116が第2伸長部材117の弾発力によって第2固定台115から離間するように移動する。これによって、金属セパレーター10の全面に亘って、反り返りや撓みを除去することができる。
次いで、位置決め部150は、図4および図5に示すように、撮像ユニット151によって、金属セパレーター10の把持部10hの付近から反射した反射光R1を受光して目印10pを検出する。撮像ユニット151は、金属セパレーター10の一対の目印10pに基づき、金属セパレーター10の絶対位置を検出する。ここで、搬送部140は、金属セパレーター10を引っ張った状態で把持している引張部110を、位置決め部150を介して一定の間隔で搬送する。
次いで、搬送部140は、各々の引張部110を、位置決め部150を介して組立加工部160に搬送する。組立加工部160の塗布ユニット161は、図4および図6に示すように、金属セパレーター10に接着剤を塗布する。塗布ユニット161は、位置決め部150によって位置ずれが補正され搬送部140によって順に搬送されてくる金属セパレーター10の外周縁に沿って精度良く接着剤を塗布する。
その後、搬送部140によって、積層加工ステージまで搬送した金属セパレーター10を、クランプ111を開放状態にして引張部110から取り外す。そして、金属セパレーター10は、膜電極接合体と交互に積層され、燃料電池を形成する。
このように、製造装置100は、金属セパレーター10の対向する両端の把持部10hを引っ張りつつ、その把持部10hに形成した目印10pに基づいて金属セパレーター10の位置を検出し、その検出された各々の金属セパレーター10の位置を個別に補正してから加工を施す。したがって、位置検出の際に金属セパレーターの反り返りや撓みの影響を受けることなく、精度良く位置を検出して加工することができる。
さらに、製造装置100は、金属セパレーター10の外形形状の一部を目印として用いていないことから、金属セパレーター10の外形形状に対する治具の映り込みに起因する認識アルゴリズムの複雑化を回避することができる。また、製造装置100は、金属セパレーター10の外形形状をなす切断面のばらつきに起因する認識アルゴリズムの複雑化を回避することができる。
さらに、製造装置100は、引張部110によって金属セパレーター10を保持することから、位置決め部150によって金属セパレーター10の位置を検出した後、その金属セパレーター10を別ユニットに載せ替えることなく、組立加工部160によって加工することができる。したがって、製造装置100は、金属セパレーター10の位置を検出し、その位置を補正してから組み立て加工をするまでの工程において、リードタイムや手間を削減できる。
さらに、製造装置100は、位置決め部150によって各々の金属セパレーター10の位置を検出することから、装置の故障等に起因した金属セパレーター10の位置ずれを早期に検出することができる。
以上説明したように、燃料電池用の金属セパレーター10の製造装置100にあっては、目印形成部130と引張部110と位置決め部150と加工部(例えば組立加工部160)とを有する。目印形成部130は、薄板状の基材1から切断される前の燃料電池用の金属セパレーター10の対向した両端に備えられた把持部10hの少なくとも一方に対して位置検出用の目印10pを形成する。引張部110は、把持部10hを把持部材(クランプ111)によって把持し、把持部10h同士を互いに離間させて金属セパレーター10を外方に引っ張る。位置決め部150は、引張部110によって引っ張られた状態の金属セパレーター10の目印10pに基づき金属セパレーター10の位置を検出し、各々の金属セパレーター10に個別に対応して位置を補正する。加工部(例えば組立加工部160)は、位置が補正された金属セパレーター10に加工を施す。
また、燃料電池用の金属セパレーター10の製造方法にあっては、目印形成工程と加工工程とを有する。目印形成工程は、薄板状の基材1から切断される前の燃料電池用の金属セパレーター10の対向した両端に備えられた把持部10hの少なくとも一方に対して位置検出の基準となる目印10pを形成する。加工工程は、金属セパレーター10の把持部10hを把持して外方に引っ張りつつ、目印10pに基づき金属セパレーター10の位置を検出し、各々の金属セパレーター10に個別に対応して位置を補正した後、金属セパレーター10に加工を施す。
このような製造装置100および製造方法によれば、薄板状の基材1から切断される前の金属セパレーター10の把持部10hに目印10pを形成することから、反り返りや撓みが無い状態の金属セパレーター10に対して精度良く目印10pを形成することができる。さらに、金属セパレーター10の両端に備えた把持部10hを引っ張ることによって、反り返りや撓みの影響を受けることなく、把持部10hに形成された目印10pに基づき金属セパレーター10の位置を精度良く検出し、各々の金属セパレーター10を個別に移動させて位置を補正した上で、加工を施すことができる。したがって、反り返りや撓みが生じ易い薄板状の金属セパレーター10であっても、その金属セパレーター10の位置を精度良く検出して加工することができることから、燃料電池の生産に係る歩留まりを向上させることができる。
金属セパレーター10の製造装置100において、目印形成部130は、把持部10hに対して目印10pを非接触によって形成する構成とすることができる。このように構成すれば、目印形成部130が把持部10hに目印10pを形成する際に、把持部10hに機械的な応力が発生しないことから、把持部10hが把持部材(クランプ111)からずれたり外れたりすることがない。したがって、把持部10hに目印10pを形成する際に、金属セパレーター10に反り返りや撓みが生じることがなく、その金属セパレーター10の位置を精度良く検出して加工することができる。
金属セパレーター10の製造装置100において、目印形成部130は、基材1に加工された加工形状を基準にして目印10pを形成する構成とすることができる。基材1に加工された加工形状は、例えば、レーザーマーキングユニット131の下面に備えたCCDカメラによって撮像した画像データに基づき検出する。より具体的には、例えば、画像データから加工形状のうちの所定のエッジ形状を抽出し、そのエッジ形状から搬送方向Xおよび搬送方向Xと交差する方向Yに所定の距離だけオフセットした位置に、目印10pを形成する。このように構成すれば、金属セパレーター10に対する目印10pの形成を、金属セパレーター10の加工精度に準じて行うことができる。
金属セパレーター10の製造装置100において、上記の金属セパレーター10の加工形状は、媒体を流通させるマニホールド孔(アノードガス供給口10a〜アノードガス排出口10fに相当)の形状とすることができる。このように構成すれば、マニホールド孔は金属セパレーター10の両端部に形成されていることから、目印形成部130と形状加工部120との干渉を回避し易い。したがって、目印形成部130または形状加工部120をメンテナンスする際の作業効率を向上させることができる。さらに、マニホールド孔(アノードガス供給口10a〜アノードガス排出口10fに相当)は、金属セパレーター10を複数積層した状態で燃料ガス(水素)、酸化剤ガス(空気または純酸素)、および冷却媒体(冷却水)を流通させるために、金属セパレーター10に対して高い位置精度によって形成されている。したがって、金属セパレーター10に対する目印10pの形成を、金属セパレーター10の中でも位置が高精度で検出されたマニホールド孔に準じて行うことができる。
金属セパレーター10の製造装置100において、目印形成部130は、図1に示すように、レーザーマーキングユニット132を用いて、形状加工部120によって加工される前の基材1に対して目印10pを形成する構成とすることができる。形状加工部120は、基材1を加工して金属セパレーター10を形成する。このように構成すれば、目印形成部130と形状加工部120とを互いに完全に隔てて配設することによって、互いの干渉を容易に回避することができる。したがって、目印形成部130または形状加工部120をメンテナンスする際の作業効率を向上させることができる。
金属セパレーター10の製造方法において、目印形成工程は、基材1に加工が施されて金属セパレーター10が形成されるときに目印10pを形成する構成とすることができる。このように構成すれば、金属セパレーター10に対する目印10pの形成を、金属セパレーター10の形状を形成する金型(例えば、基材1の位置決め用のロケート孔1mを形成するための金型121aおよび122a等)の位置決め精度に準じて行うことができる。したがって、金属セパレーター10に対する目印10pの形成を非常に高い位置精度で行うことができる。
(実施形態の変形例)
実施形態の変形例に係る製造装置200について、図11に加えて図4を参照しながら説明する。
図11は、燃料電池用の金属セパレーター10の製造装置200を示す斜視図である。
実施形態の変形例に係る製造装置200は、無端状のベルト241を設けた搬送部240によって、位置決め部150の直進ステージ153を搬送する構成が、前述した実施形態に係る製造装置100の構成と異なる。
実施形態の変形例においては、前述した実施形態と同様の構成からなるものについて、同一の符号を使用し、前述した説明を省略する。
搬送部240の構成を説明する。
搬送部240のベルト241は、複数の位置決め部150の直進ステージ153を一定の間隔で載置して搬送する。ベルト241は、チェーンまたはゴム材からなり、無端状に形成している。ベルト241は、一対からなり、金属セパレーター10の搬送方向Xと交差する方向Yに沿って互いに離間して配設している。一対のベルト241は、各々の位置決め部150の直進ステージ153の長手方向の両端部分を載置して搬送する。係留部材242は、各々の位置決め部150の直進ステージ153を係留し、搬送中の位置決め部150の直進ステージ153の位置ずれを防止する。係留部材242は、長方体形状に形成し、一対のベルト241の外周面にそれぞれ一定の間隔で配置している。隣り合う係留部材242によって、位置決め部150の直進ステージ153を挟持する。
駆動ロール243は、図示せぬ従動ロールと共に、無端状のベルト241を回動させる。駆動ロール243は、円柱形状に形成し、図示せぬモータに接続している。駆動ロール243は、従動ロールと共に、一対のベルト241の内周面の両端に対向して配設している。ガイドロール244は、ベルト241を内周面の側からガイドしている。ガイドロール244は、円柱形状のシャフトに歯車を挿通させて構成している。ガイドロール244は、駆動ロール243と従動ロールの間に一定の間隔で回動自在に複数配設し、一対のベルトの内周面に当接している。
組立加工部160は、位置決め部150に対して、金属セパレーター10の搬送方向Xに沿った下流側であって、位置決め部150に隣接して配設している。組立加工部160は、位置決め部150によって位置決めされ、かつ、搬送部140によって順に搬送された金属セパレーター10に対して所定の加工を行う。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜改変することができる。
例えば、実施形態では、位置決め部150によって金属セパレーター10の位置ずれを補正した後、搬送部140によって金属セパレーター10を搬送方向Xに沿った下流側に配設した組立加工部160まで搬送してから、その金属セパレーター10を加工する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。本発明は、位置決め部150によって金属セパレーター10の位置ずれを補正した後、その金属セパレーター10を停止させたまま、組立加工部160を搬送方向Xに沿った上流側に移動させ、金属セパレーター10を加工する構成にも適用可能である。
また、実施形態では、目印形成部130に設けたレーザーマーキングユニット131によって、金属セパレーター10にレーザー光を照射して部分的に溶解させて目印10pを形成する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。本発明は、金属セパレーター10に対して、インクを照射して部分的に色付けすることによって、目印を形成する構成にも適用可能である。
また、実施形態では、目印形成部130によって、金属セパレーター10に非接触方式で目印10pを形成する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。本発明は、金属セパレーター10に対して、ケガキによって引っ掻き跡を付けたり、十字状のシールを貼り付けしたりすることによって、接触方式で目印を形成する構成にも適用可能である。
また、実施形態では、位置決め部150に設けた撮像ユニット151によって、金属セパレーター10の目印10pを撮像し、その撮像データに基づいて金属セパレーター10の位置を検出する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。本発明は、金属セパレーター10に対してプロープを接触させつつ走査することによって、目印10pの凹凸を検出し、その検出データに基づいて金属セパレーター10の位置を検出する構成にも適用可能である。また、本発明は、金属セパレーター10の目印10pに対して、十分に集光したレーザー光を走査することによって、目印10pの凹凸から発生する散乱光を検出し、その検出データに基づいて金属セパレーター10の位置を検出する構成にも適用可能である。金属セパレーター10の表面反射率や加工油に起因した油膜の状態に応じて、位置決め部150による目印10pの検出方法を適宜選択する。
また、実施形態では、長辺と短辺とを備える矩形形状の金属セパレーター10を短手方向に沿って搬送する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。本発明は、金属セパレーター10を長手方向に沿って搬送する構成にも適用可能である。
また、実施形態では、対向するクランプ111の間に伸長自在な圧縮バネ(押しバネ)を配設する構成として説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。すなわち、本発明は、各々のクランプ111を金属セパレーター10の外方に配設し、それらのクランプ111を引っ張りバネによって別個に外方に引っ張る構成にも適用可能である。金属セパレーター10を外方に引っ張る力は、バネの弾発力を利用する場合に限られるものではない。油圧や空気圧などの流体圧シリンダや、ソレノイドやモータなどの電気機器などを用いて、引張力を付与してもよい。
また、クランプ111が金属セパレーター10を把持する力も、バネの弾発力を利用する場合に限られるものではない。流体圧シリンダや電気機器などを用いて、クランプ111に対して把持力を付与してもよい。
1 基材、
1m ロケート孔、
1n 打抜孔、
10 金属セパレーター、
10a アノードガス供給口、
10b 冷却流体供給口、
10c カソードガス供給口、
10d カソードガス排出口、
10e 冷却流体排出口、
10f アノードガス排出口、
10g 流路、
10h 把持部、
10p 目印、
100,200 製造装置、
110 引張部、
111 クランプ(把持部材)、
111a 当接部材、
111b 回転支持部材、
111c 圧縮バネ、
112 第1固定台、
112b 固定ピン、
113 第1移動台、
113d 平行キー、
114 第1伸長部材、
114a 圧縮バネ、
114b 支持部材、
115 第2固定台、
115a 固定孔、
115b 固定ピン、
115c キー溝、
116 第2移動台、
116a 固定孔、
116c キー溝、
116d 平行キー、
117 第2伸長部材、
117a 圧縮バネ、
117b 支持部材、
117c 延長部材、
118 支持台、
118a 固定孔、
118c キー溝、
120 形状加工部、
121 固定型、
122 移動型、
121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122d 金型、
122e 切欠部、
130 目印形成部、
131、132 レーザーマーキングユニット、
140 搬送部、
141 キャリー、
142、143 レール 、
144 保持台、
150 位置決め部、
151 撮像ユニット、
152 回転ステージ、
153 直進ステージ、
160 組立加工部(加工部)、
161 塗布ユニット、
162 Y軸ステージ、
163 X軸ステージ、
164 X軸補助レール、
170 制御部、
171 コントローラ、
172 通信線、
181 ネジ部材、
240 搬送部、
241 ベルト、
242 係留部材、
243 駆動ロール、
244 ガイドロール、
L1 レーザー光、
R1 反射光、
K1 軌跡、
X (金属セパレーター10の)搬送方向、
Y (搬送方向Xと交差する)方向、
Z (金属セパレーター10の)積層方向。

Claims (7)

  1. 薄板状の基材から切断される前の燃料電池用の金属セパレーターの対向した両端に備えられた把持部の少なくとも一方に対して位置検出の基準となる目印を形成する目印形成部と、
    前記把持部を把持部材によって把持し、前記把持部同士を互いに離間させて前記金属セパレーターを外方に引っ張る引張部と、
    前記引張部によって引っ張られた状態の前記金属セパレーターの前記目印に基づき前記金属セパレーターの位置を検出し、各々の前記金属セパレーターを個別に移動させて位置を補正する位置決め部と、
    位置が補正された前記金属セパレーターに加工を施す加工部と、を有する燃料電池用の金属セパレーターの製造装置。
  2. 前記目印形成部は、前記把持部に対して前記目印を非接触によって形成する請求項1に記載の燃料電池用の金属セパレーターの製造装置。
  3. 前記目印形成部は、前記基材に加工された加工形状を基準にして前記目印を形成する請求項1または2に記載の燃料電池用の金属セパレーターの製造装置。
  4. 前記加工形状は、媒体を流通させるマニホールド孔の形状である請求項3に記載の燃料電池用の金属セパレーターの製造装置。
  5. 前記基材を加工して前記金属セパレーターを形成する形状加工部をさらに有し、
    前記目印形成部は、前記形状加工部によって加工される前の前記基材に対して前記目印を形成する請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用の金属セパレーターの製造装置。
  6. 薄板状の基材から切断される前の燃料電池用の金属セパレーターの対向した両端に備えられた把持部の少なくとも一方に対して位置検出の基準となる目印を形成する目印形成工程と、
    前記金属セパレーターの把持部を把持して外方に引っ張りつつ、前記目印に基づき前記金属セパレーターの位置を検出し、各々の前記金属セパレーターを個別に移動させて位置を補正した後、前記金属セパレーターに加工を施す加工工程と、を有する燃料電池用の金属セパレーターの製造方法。
  7. 前記目印形成工程は、前記基材に加工が施されて前記金属セパレーターが形成されるときに前記目印を形成する請求項6に記載の燃料電池用の金属セパレーターの製造方法。
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