JP2007177833A - 車両用無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車速が所定車速未満であるときにはプライマリプーリ側油圧シリンダ内の油圧とセカンダリプーリ側油圧シリンダ内の油圧との比率を予め定められた最大変速比を成立させる無段変速機の変速制御装置において、変速制御の目標変速比が最大変速比であるときにベルト滑りを防止しつつ変速比を最大変速比に到達させる。
【解決手段】油圧制御回路100の閉じ込み制御が実行されているときの推力比τが最大変速比γmaxとすることができる値とされ且つ変速制御の目標変速比γが最大変速比γmaxであるときには、実車速Vが予め定められた所定車速V’以上であっても低車速用変速制御継続制御手段168により閉じ込み制御が継続されるので、最大変速比γmaxを成立させる位置まで伝動ベルト48が戻らずに車両が停止した場合であっても、車両発進の際には閉じ込み制御にてベルト滑りを防止しつつ変速比γを最大変速比γmaxに到達させることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両用無段変速機の変速制御装置に係り、特に、低車速時の変速制御に関するものである。
車両用無段変速機の変速制御装置において、所定回転部材の実回転速度と目標回転速度との偏差に基づいて変速比のフィードバック制御を行う一方で、その所定回転部材の回転速度が検出不可能な低回転速度となる所定車速未満の低車速状態では、そのフィードバック制御を禁止する制御作動が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用無段変速機の変速制御装置がそれである。この特許文献1には、プライマリプーリおよびセカンダリプーリとそれら両プーリに巻き掛けられたベルトとを有する車両用無段変速機の変速制御装置において、プライマリプーリの実回転速度と目標回転速度との偏差に基づいて変速比のフィードバック制御を行う一方で、プライマリプーリの回転速度が検出不可能な低回転速度となる所定車速未満の低車速状態では、そのフィードバック制御を禁止し、プライマリプーリ側油圧シリンダへの作動油の給排を制限する所謂閉じ込み制御を実行して無段変速機の変速比を所定の状態に維持(保持または制御)する制御作動が記載されている。
しかし、特許文献1に記載された閉じ込み制御では、差圧を一定とするチェック弁がライン油路とプライマリプーリ側油圧シリンダとの間に設けられることによって行われているため、高アクセル開度となると、プライマリプーリ側油圧シリンダへの油圧が必要以上に高くなり過ぎて変速比が増速側へ変化する傾向となり、車両発進時に必要なトルクを得ることができないという問題があった。そこで、特許文献2には、プライマリプーリ側油圧シリンダ内の油圧とセカンダリプーリ側油圧シリンダ内の油圧との比率を予め定められた関係とする閉じ込み制御を実行して変速比を最大変速比とすることが可能な油圧回路を備え、所定車速未満の低車速状態では閉じ込み制御により最大変速比を成立させて再発進時に変速比が増速側へ変化するのを防止し、良好な発進性能を実現することができる無段変速機の変速制御装置が提案されている。
特開2001−324007号公報 特開2005−42799号公報 特開2001−330122号公報
ところで、車両の急停車やABS(アンチロック・ブレーキ・システム)作動などにより、発進時の目標変速比である最大変速比を設定する位置までベルト位置が戻らずに停止する所謂ベルト戻り不良が生じる場合がある。このようなベルト戻り不良が生じた発進時に車速が上記所定車速を超えることに基づいて閉じ込み制御から変速比のフィードバック制御へ切り換えられると、変速比が速やかに最大変速比とされるようにプライマリプーリ側油圧シリンダの油圧指令値を求めるためのフィードバックゲインすなわち係数が大きくされてプライマリプーリ側油圧シリンダ内から作動油が急速に排出されることから、ベルトの緩みやそれに起因するベルト滑りなどが生じるおそれがある。そこで、特許文献3には、ベルト戻り不良後の発進時にはフィードバックゲインを小さくし、ベルト滑りを防止する技術が提案されている。
しかしながら、ベルト戻り不良が生じた車両発進の際にフィードバックゲインが小さくされると、変速比が最大変速比に到達せず発進性能が低下するという問題が発生する可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、プライマリプーリ側油圧シリンダ内の油圧とセカンダリプーリ側油圧シリンダ内の油圧との比率を予め定められた関係とする油圧回路を備え、車速が所定車速未満であるときにはその比率を予め定められた関係とする車両用無段変速機の変速制御装置において、目標変速比が最大変速比であるときにベルト滑りを防止しつつ変速比をその最大変速比に到達させることにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a) 走行用動力源と駆動輪との間の動力伝達経路にプライマリプーリおよびセカンダリプーリとその両プーリに巻き掛けられたベルトとを有する無段変速機が配設された車両において、前記プライマリプーリの溝幅を可変するための推力を付与するプライマリプーリ側油圧シリンダと、前記セカンダリプーリの溝幅を可変するための推力を付与するセカンダリプーリ側油圧シリンダと、そのプライマリプーリ側油圧シリンダ内の油圧とそのセカンダリプーリ側油圧シリンダ内の油圧との比率を予め定められた関係とする油圧回路とを備え、車速が所定車速未満であることを条件として、所定回転部材の実回転速度と目標回転速度との偏差を解消するための変速比のフィードバック制御を行わず、前記比率を予め定められた関係とする低車速用の変速制御を行う車両用無段変速機の変速制御装置であって、(b) 前記低車速用の変速制御を実行しているときの前記プライマリプーリ側油圧シリンダによる推力と前記セカンダリプーリ側油圧シリンダによる推力との比率である推力比が前記変速比を最大変速比とすることができる推力比とされ且つ前記目標変速比が最大変速比であるときには、車速が前記所定車速以上であっても前記低車速用の変速制御を継続する低車速用変速制御継続制御手段を含むことにある。
このようにすれば、低車速用の変速制御を実行しているときのプライマリプーリ側油圧シリンダによる推力とセカンダリプーリ側油圧シリンダによる推力との比率である推力比が変速比を最大変速比とすることができる推力比とされ且つ目標変速比が最大変速比であるときには、車速が所定車速以上であっても低車速用変速制御継続制御手段により低車速用の変速制御が継続されるので、目標変速比である最大変速比を設定する位置までベルト位置が戻らずに車両停止するベルト戻り不良が生じた場合であっても、車両発進時においてベルト戻り不良を防止するためにフィードバックゲインが小さくされて変速比が最大変速比に到達させることができなくなるおそれがあるフィードバック制御へ低車速用の変速制御から切り換えられることなく、車両発進の際には低車速用の変速制御にてベルト滑りを防止しつつ変速比を最大変速比に到達させることができて発進性能を向上させることができる。
ここで、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の車両用無段変速機の変速制御装置において、前記予め定められた関係とは、前記変速比を最大変速比とするための推力比を発生させるように予め設定されたものであり、前記油圧回路は、前記予め定められた関係とする推力比コントロールバルブを備えたものである。このようにすれば、最大変速比が保持可能なように推力比コントロールバルブが設定されている機構的構成とされるので、成り行きで変速比が最大変速比とされる。
また、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の車両用無段変速機の変速制御装置において、前記推力比コントロールバルブは、軸方向へ移動可能に設けられることにより入力ポートを開閉してライン油圧をその入力ポートから出力ポートを経て推力比制御油圧を供給可能にするスプール弁子と、そのスプール弁子を開弁方向へ付勢する付勢手段と、そのスプール弁子に開弁方向の推力を付与するために挟圧力制御圧を受け入れる油室と、そのスプール弁子に閉弁方向の推力を付与するためにその出力ポートから出力された推力比制御油圧を受け入れるフィードバック油室とを備えたものであり、前記油室における挟圧力制御圧をPBELT、その挟圧力制御圧の受圧面積をa、前記フィードバック油室における推力比制御油圧をPτ、推力比制御油圧の受圧面積をb、前記付勢手段の付勢力をFとするとき、前記スプール弁子は、次式(1)を満足するように作動するものである。このようにすれば、最大変速比に対応する推力比より大きな推力比が可能なように挟圧力制御圧の受圧面積(a)、推力比制御油圧の受圧面積(b)、および付勢手段の付勢力(F)が設定されると、変速比が最大変速比に保持可能となる。
τ×b=PBELT×a+F ・・・(1)
ここで、好適には、前記無段変速機において、プライマリプーリの溝幅(有効径)を変化させるプライマリプーリ側油圧シリンダはプライマリプーリに一体的に設けられ、プライマリプーリ側油圧シリンダの油圧が油圧制御装置によって変化させられることにより前記ベルトの掛かり径(有効径)が変更されて変速比が連続的に変化させられる。また、セカンダリプーリの溝幅(有効径)を変化させるセカンダリプーリ側油圧シリンダはセカンダリプーリに一体的に設けられ、セカンダリプーリ側油圧シリンダの油圧がベルトが滑りを生じないように油圧制御装置によって調圧される。
無段変速機の通常の変速制御、すなわち回転速度センサによる所定回転部材の回転速度を検出可能な所定車速以上の通常走行時の変速制御は、例えば予め定められた変速条件に従って目標変速比を求め、実際の変速比が目標変速比になるようにプライマリプーリ側油圧シリンダの油圧をフィードバック制御したり、車速や出力回転速度(駆動輪側回転速度)などに応じて入力側(駆動源側)の目標回転速度を求め、実際の入力回転速度が目標回転速度になるようにプライマリプーリ側油圧シリンダの油圧をフィードバック制御したりするなど、種々の態様を採用できる。
上記予め定められた変速条件は、例えばアクセル操作量などの運転者の出力要求量(加速要求量)および車速(出力回転速度に対応)などの運転状態をパラメータとするマップや演算式などによって設定される。
所定車速未満の極低車速走行時のようなフィードバック制御が不可の時の油圧制御は、プライマリプーリ側油圧シリンダの油圧およびセカンダリプーリ側油圧シリンダの油圧をそれぞれ独立に制御して所定の推力比τ(=セカンダリプーリ側油圧シリンダの油圧×セカンダリプーリ側油圧シリンダの断面積/プライマリプーリ側油圧シリンダの油圧×プライマリプーリ側油圧シリンダの断面積)となるようにプライマリプーリ側油圧シリンダの油圧を制御するものでも良いが、例えばセカンダリプーリ側油圧シリンダの油圧がパイロット圧として導入される推力比コントロールバルブを有し、その推力比コントロールバルブから出力されるコントロール圧に基づいてプライマリプーリ側油圧シリンダの油圧が制御されることにより、所定の推力比τとなるように構成することが望ましい。
また、好適には、前記走行用動力源としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であるエンジンが広く用いられる。さらに、補助的な走行用動力源として、電動機等が上記エンジンに加えて用いられても良い。或いは、走行用動力源として電動機のみが用いられてもよい。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10の構成を説明する骨子図である。この車両用駆動装置10は横置き型自動変速機であって、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、走行用の動力源としてエンジン12を備えている。内燃機関にて構成されているエンジン12の出力は、エンジン12のクランク軸、流体式伝動装置としてのトルクコンバータ14から前後進切換装置16、ベルト式の無段変速機(CVT)18、減速歯車装置20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右の駆動輪24L、24Rへ分配される。
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、およびトルクコンバータ14の出力側部材に相当するタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それ等のポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間にはロックアップクラッチ26が設けられており、油圧制御回路(油圧回路)100(図2、図3参照)内の図示しないロックアップコントロールバルブ(L/C制御弁)などによって係合側油室および解放側油室に対する油圧供給が切り換えられることにより、係合または解放されるようになっており、完全係合させられることによってポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tは一体回転させられる。ポンプ翼車14pには、無段変速機18を変速制御したりベルト挟圧力を発生させたり、ロックアップクラッチ26を係合解放制御したり、或いは各部に潤滑油を供給したりするための油圧をエンジン12により回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ28が連結されている。
前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに一体的に連結され、無段変速機18の入力軸36はキャリア16cに一体的に連結されている一方、キャリア16cとサンギヤ16sは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介してハウジングに選択的に固定されるようになっている。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は断続装置に相当するもので、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
そして、前進用クラッチC1が係合させられるとともに後進用ブレーキB1が解放されると、前後進切換装置16は一体回転状態とされることによりタービン軸34が入力軸36に直結され、前進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、前進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。また、後進用ブレーキB1が係合させられるとともに前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換装置16は後進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、入力軸36はタービン軸34に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)になる。
無段変速機18は、入力軸36に設けられた入力側部材である有効径が可変の入力側可変プーリ(プライマリプーリ、プライマリシーブ)42と、出力軸44に設けられた出力側部材である有効径が可変の出力側可変プーリ(セカンダリプーリ、セカンダリシーブ)46と、それ等の可変プーリ42、46に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。
可変プーリ42および46は、入力軸36および出力軸44にそれぞれ固定された固定回転体42aおよび46aと、入力軸36および出力軸44に対して軸まわりの相対回転不能かつ軸方向の移動可能に設けられた可動回転体42bおよび46bと、それらの間のV溝幅を可変するための推力を付与するアクチュエータとしての入力側油圧シリンダ(プライマリプーリ側油圧シリンダ)42cおよび出力側油圧シリンダ(セカンダリプーリ側油圧シリンダ)46cとを備えて構成されており、入力側油圧シリンダ42cの油圧(変速制御圧PRATIO)が油圧制御回路100によって制御されることにより、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が連続的に変化させられる。また、出力側油圧シリンダ46cの油圧(挟圧力制御圧PBELT)は、伝動ベルト48が滑りを生じないように油圧制御回路100によって調圧制御される。
図2は、図1の車両用駆動装置10などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。電子制御装置50は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御や無段変速機18の変速制御およびベルト挟圧力制御やロックアップクラッチ26のトルク容量制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や無段変速機18およびロックアップクラッチ26の油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置50には、エンジン回転速度センサ52により検出されたクランク軸回転角度(位置)ACR(°)およびエンジン12の回転速度(エンジン回転速度)Nに対応するクランク軸回転速度を表す信号、タービン回転速度センサ54により検出されたタービン軸34の回転速度(タービン回転速度)Nを表す信号、入力軸回転速度センサ56により検出された無段変速機18の入力回転速度である入力軸36の回転速度(入力軸回転速度)NINを表す信号、車速センサ(出力軸回転速度センサ)58により検出された無段変速機18の出力回転速度である出力軸44の回転速度(出力軸回転速度)NOUTすなわち出力軸回転速度NOUTに対応する車速Vを表す車速信号、スロットルセンサ60により検出されたエンジン12の吸気配管32(図1参照)に備えられた電子スロットル弁30のスロットル弁開度θTHを表すスロットル弁開度信号、冷却水温センサ62により検出されたエンジン12の冷却水温Tを表す信号、CVT油温センサ64により検出された無段変速機18等の油圧回路の油温TCVTを表す信号、アクセル開度センサ66により検出されたアクセルペダル68の操作量であるアクセル開度Accを表すアクセル開度信号、フットブレーキスイッチ70により検出された常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無BONを表すブレーキ操作信号、レバーポジションセンサ72により検出されたシフトレバー74のレバーポジション(操作位置)PSHを表す操作位置信号などが供給されている。
また、電子制御装置50からは、エンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号S、例えば電子スロットル弁30の開閉を制御するためのスロットルアクチュエータ76を駆動するスロットル信号や燃料噴射装置78から噴射される燃料の量を制御するための噴射信号や点火装置80によるエンジン12の点火時期を制御するための点火時期信号などが出力される。また、無段変速機18の変速比γを変化させる為の変速制御指令信号S例えば変速制御圧PRATIOを制御するための指令信号、伝動ベルト48の挟圧力を調整させる為の挟圧力制御指令信号S例えば挟圧力制御圧PBELTを制御するための指令信号、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量を制御させる為のロックアップ制御指令信号例えば油圧制御回路100内の前記ロックアップコントロールバルブの弁位置を切り換える図示しないオンオフソレノイド弁DSUを駆動するための指令信号やロックアップクラッチ26のトルク容量を調節するソレノイド弁DS2を駆動するための指令信号、ライン油圧Pを制御するリニアソレノイド弁SLTやリニアソレノイド弁SLSを駆動するための指令信号などが油圧制御回路100へ出力される。
シフトレバー74は、例えば運転席の近傍に配設され、順次位置させられている5つのレバーポジション「P」、「R」、「N」、「D」、および「L」(図3参照)のうちの何れかへ手動操作されるようになっている。
「P」ポジション(レンジ)は車両用駆動装置10の動力伝達経路を解放しすなわち車両用駆動装置10の動力伝達が遮断されるニュートラル状態(中立状態)とし且つメカニカルパーキング機構によって機械的に出力軸44の回転を阻止(ロック)するための駐車ポジション(位置)であり、「R」ポジションは出力軸44の回転方向を逆回転とするための後進走行ポジション(位置)であり、「N」ポジションは車両用駆動装置10の動力伝達が遮断されるニュートラル状態とするための中立ポジション(位置)であり、「D」ポジションは無段変速機18の変速を許容する変速範囲で自動変速モードを成立させて自動変速制御を実行させる前進走行ポジション(位置)であり、「L」ポジションは強いエンジンブレーキが作用させられるエンジンブレーキポジション(位置)である。このように、「P」ポジションおよび「N」ポジションは車両を走行させないときに選択される非走行ポジションであり、「R」ポジション、「D」ポジションおよび「L」ポジションは車両を走行させるときに選択される走行ポジションである。
図3は、油圧制御回路100のうち無段変速機18のベルト挟圧力制御、変速比制御、およびシフトレバー74の操作に伴う前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1の係合油圧制御に関する部分を示す要部油圧回路図である。図3において、油圧制御回路100は、伝動ベルト48が滑りを生じないように出力側油圧シリンダ46cの油圧である挟圧力制御圧PBELTを調圧する挟圧力コントロールバルブ110、リニアソレノイド弁SLTにより調圧された第1油圧としての制御油圧PSLTを出力する第1位置とライン圧モジュレータNO.2バルブ122からの第2油圧としての出力油圧PLM2を出力する第2位置とに切り換えられる切換弁として機能するクラッチアプライコントロールバルブ112、変速比γが連続的に変化させられるように入力側油圧シリンダ42cの油圧である変速制御圧PRATIOを調圧する変速比コントロールバルブUP114および変速比コントロールバルブDN116、変速制御圧PRATIOと挟圧力制御圧PBELTとの比率を予め定められた関係とする推力比コントロールバルブ118、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が係合或いは解放されるようにシフトレバー74の操作に従って油路が機械的に切り換えられるマニュアルバルブ120等を備えている。
また、ライン油圧Pは、エンジン12により回転駆動される機械式のオイルポンプ28(図1参照)から出力(発生)される作動油圧を元圧として、例えばリリーフ型のプライマリレギュレータバルブ(調圧弁)124によりリニアソレノイド弁SLTからの信号圧PSLT或いはリニアソレノイド弁SLSからの信号圧PSLSに基づいてエンジン負荷等に応じた値に調圧されるようになっている。上記出力油圧PLM2は、ライン油圧Pを元圧として前記ライン圧モジュレータNO.2バルブ122によりリニアソレノイド弁SLTからの信号圧PSLT或いはリニアソレノイド弁SLSからの信号圧PSLSに基づいて調圧されるようになっている。出力油圧PLM3は、制御油圧(信号圧)PSLTおよび信号圧PSLSの元圧となるものであって、ライン油圧Pを元圧としてライン圧モジュレータNO.3バルブ126により一定圧に調圧されるようになっている。モジュレータ油圧Pは、電子制御装置50によってデューティ制御されるソレノイド弁DS1の出力油圧である制御油圧PDS1およびソレノイド弁DS2の出力油圧である制御油圧PDS2の元圧となるものであって、出力油圧PLM3を元圧としてモジュレータバルブ128により一定圧に調圧されるようになっている。
前記マニュアルバルブ120において、入力ポート120aにはクラッチアプライコントロールバルブ112から出力された係合油圧Pが供給される。そして、シフトレバー74が「D」ポジション或いは「L」ポジションに操作されると、係合油圧Pが前進走行用出力圧として前進用出力ポート120fを経て前進用クラッチC1に供給され且つ後進用ブレーキB1内の作動油が後進用出力ポート120rから排出ポートEXを経て例えば大気圧にドレーン(排出)されるようにマニュアルバルブ120の油路が切り換えられ、前進用クラッチC1が係合させられると共に後進用ブレーキB1が解放させられる。
また、シフトレバー74が「R」ポジションに操作されると、係合油圧Pが後進走行用出力圧として後進用出力ポート120rを経て後進用ブレーキB1に供給され且つ前進用クラッチC1内の作動油が前進用出力ポート120fから排出ポートEXを経て例えば大気圧にドレーン(排出)されるようにマニュアルバルブ120の油路が切り換えられ、後進用ブレーキB1が係合させられると共に前進用クラッチC1が解放させられる。
また、シフトレバー74が「P」ポジションおよび「N」ポジションに操作されると、入力ポート120aから前進用出力ポート120fへの油路および入力ポート120aから後進用出力ポート120rへの油路がいずれも遮断され且つ前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1内の作動油が何れもマニュアルバルブ120からドレーンされるようにマニュアルバルブ120の油路が切り換えられ、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放させられる。
前記クラッチアプライコントロールバルブ112は、軸方向へ移動可能に設けられることにより制御油圧PSLTを入力ポート112iから出力ポート112sを経て係合油圧Pとしてマニュアルバルブ120へ供給し且つ信号圧PSLSを入力ポート112jから出力ポート112tを経てライン圧モジュレータNO.2バルブ122およびプライマリレギュレータバルブ124へ供給する第1の油路を構成する第1位置(CONTROL位置)と出力油圧PLM2を入力ポート112kから出力ポート112sを経て係合油圧Pとしてマニュアルバルブ120へ供給し且つ制御油圧PSLTを入力ポート112iから出力ポート112tを経てライン圧モジュレータNO.2バルブ122およびプライマリレギュレータバルブ124へ供給する第2の油路を構成する第2位置(NORMAL位置)とに位置させられるスプール弁子112aと、そのスプール弁子112aを第2位置側に向かって付勢する付勢手段としてのスプリング112bと、スプール弁子112aに第1位置側に向かう推力を付与するために制御油圧PDS1を受け入れる油室112cと、スプール弁子112aに第1位置側に向かう推力を付与するために制御油圧PDS2を受け入れる径差部112dとを備えている。
このように構成されたクラッチアプライコントロールバルブ112において、例えば所定の低車速時や車両停止時等にシフトレバー74が「N」ポジションから「D」ポジション或いは「R」ポジションへ操作されるガレージシフト(N→Dシフト或いはN→Rシフト)が行われ、所定圧以上の制御油圧PDS1が油室112cへ供給され且つ所定圧以上の制御油圧PDS2が径差部112dへ供給されると、中心線より右側半分に示す第1位置側に切り換えられて制御油圧PSLTがマニュアルバルブ120を介して前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1に供給される。これにより、ガレージシフト時のクラッチC1やブレーキB1の係合過渡油圧が第1の電磁弁としてのリニアソレノイド弁SLTによって調圧される。例えば、制御油圧PSLTは、N→Dシフト或いはN→RシフトにおいてクラッチC1やブレーキB1の過渡的な係合状態を制御するための油圧であって、クラッチC1或いはブレーキB1が滑らかに係合させられ、係合時のショックが抑制されるように、予め定められた規則に従って調圧される。
また、例えばガレージシフト後のクラッチC1やブレーキB1が係合させられた定常時等に、制御油圧PDS1および制御油圧PDS2のうち少なくとも一方の供給が停止させられると、中心線より左側半分に示す第2位置側に切り換えられて出力油圧PLM2がマニュアルバルブ120を介して前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1に供給される。これにより、ガレージシフト後のクラッチC1やブレーキB1の係合が出力油圧PLM2によって保持される。例えば、出力油圧PLM2は、クラッチC1やブレーキB1を完全係合状態とするための所定油圧であって、少なくとも予め定められた一定圧に調圧されると共に信号圧PSLTに応じた油圧分を加えて調圧される。
このように、クラッチアプライコントロールバルブ112は、クラッチC1或いはブレーキB1への油圧の供給油路を、ガレージシフト時には前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1の過渡的な係合状態を制御するために制御油圧PSLTを供給する第1油路と、定常時にはクラッチC1或いはブレーキB1を完全係合状態とするために出力油圧PLM2を供給する第2油路とのいずれかに、第2の電磁弁としてのソレノイド弁DS1およびソレノイド弁DS2からの制御油圧PDS1および制御油圧PDS2に基づいて切り換える切換弁として機能する。
尚、本実施例では、リニアソレノイド弁SLTの出力油圧を制御油圧PSLTと信号圧PSLTとで2通りの記載をしているが、ガレージシフト時の係合過渡油圧を制御油圧PSLTとし、ライン油圧Pを調圧するためのパイロット圧を信号圧PSLTとして明確に区別して用いる。すなわち、リニアソレノイド弁SLTは、クラッチアプライコントロールバルブ112が第1位置に切り換えられているときには前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1の過渡的な係合状態を制御するために制御油圧PSLTを出力し、クラッチアプライコントロールバルブ112が第2位置に切り換えられているときにはライン油圧Pを調圧するために信号圧PSLTを出力する。また、この信号圧PSLTはプライマリレギュレータバルブ124によりライン油圧Pを調圧するためのパイロット圧であり、クラッチC1或いはブレーキB1を係合するために直接的にそれら係合装置の油圧アクチュエータに供給される油圧でないことから、上記出力油圧PLM2よりも小さな油圧とされている。
前記変速比コントロールバルブUP114は、軸方向へ移動可能に設けられることによりライン油圧Pを入力ポート114iから入出力ポート114jを経て入力側可変プーリ42へ供給可能且つ入出力ポート114kを閉弁するアップシフト位置と入力側可変プーリ42が入出力ポート114jを介して入出力ポート114kと連通させられる原位置とに位置させられるスプール弁子114aと、そのスプール弁子114aを原位置側に向かって付勢する付勢手段としてのスプリング114bと、そのスプリング114bを収容し且つスプール弁子114aに原位置側に向かう推力を付与するために制御油圧PDS2を受け入れる油室114cと、スプール弁子114aにアップシフト位置側に向かう推力を付与するために制御油圧PDS1を受け入れる油室114dとを備えている。
また、変速比コントロールバルブDN116は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入出力ポート116jが排出ポートEXと連通させられるダウンシフト位置と入出力ポート116jが入出力ポート116kと連通させられる原位置とに位置させられるスプール弁子116aと、そのスプール弁子116aを原位置側に向かって付勢する付勢手段としてのスプリング116bと、そのスプリング116bを収容し且つスプール弁子116aに原位置側に向かう推力を付与するために制御油圧PDS1を受け入れる油室116cと、スプール弁子116aにダウンシフト位置側に向かう推力を付与するために制御油圧PDS2を受け入れる油室116dとを備えている。
このように構成された変速比コントロールバルブUP114および変速比コントロールバルブDN116において、中心線より左側半分に示すようにスプール弁子114aがスプリング114bの付勢力に従って原位置に保持されている閉じ状態では、入出力ポート114jと入出力ポート114kとが連通させられ、入力側可変プーリ42(入力側油圧シリンダ42c)の作動油が入出力ポート116jへ流通することが許容される。また、中心線より右側半分に示すようにスプール弁子116aがスプリング116bの付勢力に従って原位置に保持されている閉じ状態では、入出力ポート116jと入出力ポート116kとが連通させられ、推力比コントロールバルブ118からの推力比制御油圧Pτが入出力ポート114kへ流通することが許容される。
また、制御油圧PDS1が油室114dへ供給されると、中心線より右側半分に示すようにスプール弁子114aがその制御油圧PDS1に応じた推力によりスプリング114bの付勢力に抗してアップシフト位置側へ移動させられ、ライン油圧Pが制御油圧PDS1に対応する流量で入力ポート114iから入出力ポート114jを経て入力側油圧シリンダ42cへ供給されると共に、入出力ポート114kが遮断されて変速比コントロールバルブDN116側への作動油の流通が阻止される。これにより、変速制御圧PRATIOが高められ、入力側可変プーリ42のV溝幅が狭くされて変速比γが小さくされるすなわち無段変速機18がアップシフトされる。
また、制御油圧PDS2が油室116dへ供給されると、中心線より左側半分に示すようにスプール弁子116aがその制御油圧PDS2に応じた推力によりスプリング116bの付勢力に抗してダウンシフト位置側へ移動させられ、入力側油圧シリンダ42cの作動油が制御油圧PDS2に対応する流量で入出力ポート114jから入出力ポート114kさらに入出力ポート116jを経て排出ポートEXから排出される。これにより、変速制御圧PRATIOが低められ、入力側可変プーリ42のV溝幅が広くされて変速比γが大きくされるすなわち無段変速機18がダウンシフトされる。
このように、制御油圧PDS1が出力されると変速比コントロールバルブUP114に入力されたライン油圧Pが入力側油圧シリンダ42cへ供給されて変速制御圧PRATIOが連続的にアップシフトされ、制御油圧PS2が出力されると入力側油圧シリンダ42cの作動油が排出ポートEXから排出されて変速制御圧PRATIOが連続的にダウンシフトされる。
例えば図4に示すようにアクセル開度Accをパラメータとして車速Vと無段変速機18の目標入力回転速度である目標入力軸回転速度NIN との予め記憶された関係(変速マップ)から実際の車速Vおよびアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて設定される目標入力軸回転速度NIN と実際の入力軸回転速度(以下、実入力軸回転速度という)NINとが一致するように、それ等の回転速度差(偏差)ΔNIN(=NIN −NIN)に応じて無段変速機18の変速がフィードバック制御により実行される、すなわち入力側油圧シリンダ42cに対する作動油の供給および排出により変速制御圧PRATIOが調圧されて変速比γがフィードバック制御により連続的に変化させられる。
図4の変速マップは変速条件に相当するもので、車速Vが小さくアクセル開度Accが大きい程大きな変速比γになる目標入力軸回転速度NIN が設定されるようになっている。また、車速Vは出力軸回転速度NOUTに対応するため、入力軸回転速度NINの目標値である目標入力軸回転速度NIN は目標変速比に対応し、無段変速機18の最小変速比γminと最大変速比γmaxの範囲内で定められる。
また、制御油圧PDS1は変速比コントロールバルブDN116の油室116cに供給され、制御油圧PDS2に拘らずその変速比コントロールバルブDN116を閉じ状態としてダウンシフトを制限する一方、制御油圧PDS2は変速比コントロールバルブUP114の油室114cに供給され、制御油圧PDS1に拘らずその変速比コントロールバルブUP114を閉じ状態としてアップシフトを禁止するようになっている。つまり、制御油圧PDS1および制御油圧PDS2が共に供給されないときはもちろんであるが、制御油圧PDS1および制御油圧PDS2が共に供給されるときにも、変速比コントロールバルブUP114および変速比コントロールバルブDN116は何れも原位置に保持されている閉じ状態とされる。これにより、電気系統の故障などでソレノイド弁DS1、DS2の一方が機能しなくなり、制御油圧PDS1または制御油圧PDS2が最大圧で出力され続けるオンフェール時となった場合でも、急なアップシフトやダウンシフトが生じたり、その急変速に起因してベルト滑りが発生したりすることが防止される。
前記挟圧力コントロールバルブ110は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入力ポート110iを開閉してライン油圧Pを入力ポート110iから出力ポート110tを経て出力側可変プーリ46および推力比コントロールバルブ118へ挟圧力制御圧PBELTを供給可能にするスプール弁子110aと、そのスプール弁子110aを開弁方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング110bと、そのスプリング110bを収容し且つスプール弁子110aに開弁方向の推力を付与するために制御油圧PSLSを受け入れる油室110cと、スプール弁子110aに閉弁方向の推力を付与するために出力ポート110tから出力された挟圧力制御圧PBELTを受け入れるフィードバック油室110dと、スプール弁子110aに閉弁方向の推力を付与するためにモジュレータ油圧Pを受け入れる油室110eとを備えている。
このように構成された挟圧力コントロールバルブ110において、伝動ベルト48が滑りを生じないように制御油圧PSLSをパイロット圧としてライン油圧Pが連続的に調圧制御されることにより、出力ポート110tから挟圧力制御圧PBELTが出力される。
例えば図5に示すように伝達トルクに対応するアクセル開度Accをパラメータとして変速比γと必要油圧PBELT (ベルト挟圧力に相当)とのベルト滑りが生じないように予め実験的に求められて記憶された関係(挟圧力マップ)から実際の変速比γおよびアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて決定された必要油圧PBELT が得られるように出力側油圧シリンダ46cの挟圧力制御圧PBELTが制御され、この挟圧力制御圧PBELTに応じてベルト挟圧力すなわち可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力が増減させられる。
前記推力比コントロールバルブ118は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入力ポート118iを開閉してライン油圧Pを入力ポート118iから出力ポート118tを経て変速比コントロールバルブDN116へ推力比制御油圧Pτを供給可能にするスプール弁子118aと、そのスプール弁子118aを開弁方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング118bと、そのスプリング118bを収容し且つスプール弁子118aに開弁方向の推力を付与するために挟圧力制御圧PBELTを受け入れる油室118cと、スプール弁子118aに閉弁方向の推力を付与するために出力ポート118tから出力された推力比制御油圧Pτを受け入れるフィードバック油室118dとを備えている。
このように構成された推力比コントロールバルブ118において、油室118cにおける挟圧力制御圧PBELTの受圧面積をa、フィードバック油室118dにおける推力比制御油圧Pτの受圧面積をb、スプリング118bの付勢力をFとすると、次式(1)で平衡状態となる。
τ×b=PBELT×a+F ・・・(1)
従って、推力比制御油圧Pτは、次式(2)で表され、挟圧力制御圧PBELTに比例する。
τ=PBELT×(a/b)+F/b ・・・(2)
そして、制御油圧PDS1および制御油圧PDS2が共に供給されないか、或いは所定圧以上の制御油圧PDS1および所定圧以上の制御油圧PDS2がともに供給されて、変速比コントロールバルブUP114および変速比コントロールバルブDN116が何れも原位置に保持されている閉じ状態とされたときには、推力比制御油圧Pτが入力側油圧シリンダ42cに供給されることから、変速制御圧PRATIOが推力比制御油圧Pτと一致させられる。つまり、推力比コントロールバルブ118により変速制御圧PRATIOと挟圧力制御圧PBELTとの比率を予め定められた関係に保つ推力比制御油圧Pτすなわち変速制御圧PRATIOが出力される。
例えば、入力軸回転速度センサ56の精度上所定車速V’未満の低車速状態では入力軸回転速度NINの検出精度が劣ることから、このような所定車速V’未満の低車速走行時や発進時には回転速度差(偏差)ΔNINを解消するための変速比γのフィードバック制御に替えて、制御油圧PDS1および制御油圧PDS2を供給せず変速比コントロールバルブUP114および変速比コントロールバルブDN116を何れも閉じ状態とする所謂閉じ込み制御を実行する。これにより、車両発進時には変速制御圧PRATIOと挟圧力制御圧PBELTとの比率を予め定められた関係とするようにPBELTに比例するPRATIOが入力側油圧シリンダ42cへ供給されて、車両停車時から極低車速時における伝動ベルト48のベルト滑りが防止されると共に、このとき例えば最大変速比γmaxに対応する推力比τ(=出力側油圧シリンダ推力WOUT/入力側油圧シリンダ推力WIN;WOUTは挟圧力制御圧PBELT×出力側油圧シリンダ46cの断面積、WINは変速制御圧PRATIO×入力側油圧シリンダ42cの断面積)より大きな推力比τが可能なように上記式(2)の右辺第1項の(a/b)やF/bが設定されていると、最大変速比γmax又はその近傍の変速比γmax’にて良好な発進が行われる。また、上記所定車速V’は、所定回転部材の回転速度例えば入力軸回転速度NINが検出不可能な回転速度となる車速Vとして予め定められたフィードバック制御を実行可能な下限の車速であって、例えば2km/h程度に設定されている。
図6は、車速Vをパラメータとして変速比γと推力比τとの予め求められて記憶された関係であって、最大変速比γmaxに対応する推力比τより大きな推力比τが可能なように上記式(2)の右辺第1項の(a/b)が設定された場合の一例を示す図である。図6の一点鎖線で示した車速Vのパラメータは入力側油圧シリンダ42cおよび出力側油圧シリンダ46cにおける遠心油圧を考慮して算出した推力比τであり、実線との交点(例えばV、V20、V50)にて閉じ込み制御時に保持可能な所定の変速比としての変速比γが求められる。例えば、この図6においては、車速Vが20km/h以下であれば閉じ込み制御時に所定の変速比として最大変速比γmaxが保持可能である。
図7は、電子制御装置50による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図7において、目標入力回転設定手段150は、例えば図4に示すような予め記憶された変速マップから実際の車速Vおよびアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて入力軸回転速度NINの目標入力軸回転速度NIN を逐次設定する。
変速制御手段152は、実入力軸回転速度NINが前記目標入力回転設定手段150によって設定された目標入力軸回転速度NIN と一致するように、回転速度差ΔNIN(=NIN −NIN)に基づいて無段変速機18の変速をフィードバック制御する。すなわち、入力側油圧シリンダ42cの変速制御圧PRATIOを制御する通常の変速制御のための変速指令信号(油圧指令)Sを油圧制御回路100へ出力して変速比γを連続的に変化させる。
ベルト挟圧力設定手段154は、例えば図5に示すような予め実験的に求められて記憶された挟圧力マップから実際の変速比γおよびアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて必要油圧PBELT を設定する。
ベルト挟圧力制御手段156は、前記ベルト挟圧力設定手段154により設定された必要油圧PBELT が得られるように出力側油圧シリンダ46cの挟圧力制御圧PBELTを制御する挟圧力制御指令信号Sを油圧制御回路100へ出力してベルト挟圧力を増減させる。
油圧制御回路100は、上記変速制御指令信号Sに従って無段変速機18の変速が実行されるようにソレノイド弁DS1或いはソレノイド弁DS2を作動させて変速制御圧PRATIOを調圧すると共に、上記挟圧力制御指令信号Sに従ってベルト挟圧力が増減されるようにリニアソレノイド弁SLSを作動させて挟圧力制御圧PBELTを調圧する。
また、変速制御手段152は、前述の機能に加え、車速Vが前記所定車速V’未満であることを条件として、例えば車速Vが所定車速V’未満であるか否かを判定する車速判定手段158により車速Vが所定車速V’未満であると判定されたときには、通常の変速制御としての回転速度差ΔNINを解消するための変速比γのフィードバック制御を行わず、推力比コントロールバルブ118により変速制御圧PRATIOと挟圧力制御圧PBELTとの比率を予め定められた関係に保つ閉じ込み制御を実行する。すなわち、変速比コントロールバルブUP114および変速比コントロールバルブDN116を閉じ状態とする低車速用の変速制御のための変速指令信号S’を油圧制御回路100へ出力して所定の変速比を成立させる。
油圧制御回路100は、上記変速制御指令信号S’に従って変速比コントロールバルブUP114および変速比コントロールバルブDN116が閉じ状態とされるようにソレノイド弁DS1およびソレノイド弁DS2を作動させず、推力比コントロールバルブ118から変速制御圧PRATIOと挟圧力制御圧PBELTとの比率を予め定められた関係に保つ推力比制御油圧Pτを出力する。
エンジン出力制御手段160は、エンジン12の出力制御の為にエンジン出力制御指令信号S、例えばスロットル信号や噴射信号や点火時期信号などをそれぞれスロットルアクチュエータ76や燃料噴射装置78や点火装置80へ出力する。例えば、エンジン出力制御手段160は、アクセル開度Accに応じたスロットル開度θTHとなるように電子スロットル弁30を開閉するスロットル信号をスロットルアクチュエータ76へ出力してエンジントルクTを制御する動力源出力制御手段として機能する。
係合制御手段162は、ガレージシフト時には、クラッチアプライコントロールバルブ112を第1位置側へ切り換えると共に、前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1の過渡的な係合状態を制御するために係合ショックが抑制されるように係合油圧を緩やかに上昇させるための制御油圧PSLTを出力し且つライン油圧Pを調圧するために信号圧PSLSを出力する制御指令信号Sを油圧制御回路100へ出力する。例えば、係合制御手段162は、リニアソレノイド弁SLTをデューティー制御するための指令信号SLTDUTYとして係合過渡油圧指令圧pcltexcを油圧制御回路100へ出力する。
油圧制御回路100は、ガレージシフト時には上記制御指令信号Sに従って、クラッチアプライコントロールバルブ112が第1位置側へ切り換えられるようにソレノイド弁DS1およびソレノイド弁DS2を作動させて所定圧以上の制御油圧PDS1および所定圧以上の制御油圧PDS2を出力すると共に、予め定められた規則に従って前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1が係合されるようにリニアソレノイド弁SLTを作動させて制御油圧PSLTを出力し且つエンジン負荷等に応じてライン油圧Pが調圧されるようにリニアソレノイド弁SLSを作動させて信号圧PSLSを出力する。
また、係合制御手段162は、ガレージシフト後例えばガレージシフト開始から所定時間経過後や制御油圧PSLTが所定の係合油圧以上となった後等の定常時には、前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1へ出力油圧PLM2を供給して完全係合状態とするためにクラッチアプライコントロールバルブ112を第2位置側へ切り換えると共に、ライン油圧Pを調圧するために信号圧PSLTを出力する制御指令信号Sを油圧制御回路100へ出力する。例えば、係合制御手段162は、リニアソレノイド弁SLTをデューティー制御するための指令信号SLTDUTYとしてライン圧指令圧plctgtを油圧制御回路100へ出力する。
油圧制御回路100は、定常時には上記制御指令信号Sに従って、前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1へ出力油圧PLM2が供給されて完全係合状態とされるようにソレノイド弁DS1およびソレノイド弁DS2を同時に作動させずにクラッチアプライコントロールバルブ112を第2位置側へ切り換えると共に、エンジン負荷等に応じてライン油圧Pが調圧されるようにリニアソレノイド弁SLTを作動させて信号圧PSLTを出力する。
このように、リニアソレノイド弁SLTは、ガレージシフト時にはクラッチアプライコントロールバルブ112の第1位置において、前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1が係合されるように制御油圧PSLTを出力する(クラッチ圧モードという)。また、リニアソレノイド弁SLTは、定常時にはクラッチアプライコントロールバルブ112の第2位置において、ライン油圧Pが調圧されるように信号圧PSLTを出力する(ライン圧モードという)。また、このクラッチ圧モードにおいては、所定圧以上の制御油圧PDS1および所定圧以上の制御油圧PDS2が出力されていることから、前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1へ制御油圧PSLTが供給されると同時に、所定の変速比となるように推力比コントロールバルブ118による閉じ込み制御が行われる。
ところで、車両の急停車やABS(アンチロック・ブレーキ・システム)作動などにより、車両発進時の目標変速比γである最大変速比γmaxを成立させる位置まで伝動ベルト48が戻らずに停止する所謂ベルト戻り不良が生じる場合がある。このようなベルト戻り不良が生じた発進時に所定車速V’以上となって閉じ込み制御から変速比γのフィードバック制御へ切り換えられると、変速比γが速やかに最大変速比γmaxとされるように入力側油圧シリンダ42c内から作動油が急速に排出されることから、伝動ベルト48の緩みやそれに起因するベルト滑りなどが生じる可能性がある。このようなベルト戻り不良が生じた車両発進の際のベルト滑りを防止するために入力側油圧シリンダ42c内の作動油を緩やかに排出させることも考えられるが、変速比γが最大変速比γmaxに到達せず発進性能が低下するという相反する問題が発生する可能性がある。
そこで、以下に詳述するように、ベルト戻り不良が生じたような場合であってもベルト滑りを防止しつつ変速比γを最大変速比γmaxに到達させるために、閉じ込み制御が実行されているときの推力比τが所定の変速比を最大変速比γmaxとすることができる推力比τとされ且つ目標変速比γが最大変速比γmaxであるときには、車速Vが所定車速V’以上であっても閉じ込み制御から変速比γのフィードバック制御である通常の変速制御へ切り換えず、その閉じ込み制御すなわち低車速用の変速制御が継続されるようになっている。
具体的には、目標変速比判定手段164は、目標変速比γが最大変速比γmaxであるか否かを判定する。例えば、目標変速比判定手段164は、前記目標入力回転設定手段150により設定された目標入力軸回転速度NIN が目標変速比γを最大変速比γmaxとする目標値であるか否かに基づいて、目標変速比γが最大変速比γmaxであるか否かを判定する。例えば、前記図4の変速マップに示されるように、低車速領域(例えば9km/h程度以下の車速V)や高アクセル開度領域において設定される目標入力軸回転速度NIN が目標変速比γを最大変速比γmaxとする目標値となる。
最大変速比保持可否判定手段166は、前記変速制御手段152により閉じ込み制御が実行されているときの実際の推力比τが所定の変速比を最大変速比γmaxに保持することができる推力比τであるか否か、すなわち推力比コントロールバルブ118により最大変速比γmaxに保持可能であるか否かを以下のように判定する。
例えば、前記図6の予め記憶された関係に示されるように車速Vが20km/h以下の推力比τであれば閉じ込み制御時の変速比として最大変速比γmaxが保持可能なように推力比コントロールバルブ118(前記式(2)の右辺第1項の(a/b))が設定されている機構的構成とされているような油圧制御回路100である場合には、ベルト戻り不良が生じて最大変速比γmaxより変速比γが小さな点aの状態で車両停止したとしても再発進時には車速Vが略20km/h以下までは閉じ込み制御により成り行きで(自動的に)最大変速比γmaxとされることから、最大変速比保持可否判定手段166は、車速Vが20km/h以下であるときには推力比コントロールバルブ118により最大変速比γmaxに保持可能であると判定する。この点aの状態から最大変速比γmaxに到達させられる場合には、前記式(2)を満足させるようにすなわち変速制御圧PRATIOと挟圧力制御圧PBELTとの比率を予め定められた関係に保つように推力比コントロールバルブ118により推力比制御油圧Pτが出力されるので、変速比γのフィードバック制御により点aの状態から最大変速比γmaxに到達させる場合と異なり、ベルト滑りを防止しつつ変速比γを最大変速比γmaxに到達させることができる。
低車速用変速制御継続制御手段168は、車両発進の際の前記変速制御手段152による閉じ込み制御時に、前記目標変速比判定手段164により目標変速比γが最大変速比γmaxであると判定され、且つ推力比コントロールバルブ118により最大変速比γmaxに保持可能であると前記最大変速比保持可否判定手段166により判定されたときには、最大変速比γmaxを保持するように或いは変速比γを最大変速比γmaxに到達させるように、車速Vが所定車速V’以上となっても閉じ込み制御から変速比γのフィードバック制御へ切り換えず、変速比γのフィードバック制御を禁止し、閉じ込み制御を継続する指令を前記変速制御手段152に出力する。
変速制御手段152は、前記低車速用変速制御継続制御手段168による指令に従って、前記車速判定手段158により車速Vが所定車速V’以上であると判定されたときでも、変速比γのフィードバック制御を行うための変速指令信号Sを出力せず、その変速指令信号Sに替えて閉じ込み制御を継続するための変速指令信号S’を油圧制御回路100へ出力する。
図8は、電子制御装置50の制御作動の要部すなわち目標変速比γが最大変速比γmaxであるときに変速比γをその最大変速比γmaxに保持或いは到達させる為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
先ず、前記目標変速比判定手段164に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、目標変速比γが最大変速比γmaxであるか否かが、例えば目標入力軸回転速度NIN が目標変速比γを最大変速比γmaxとする目標値であるか否かに基づいて判定される。
上記S1の判断が肯定される場合は前記最大変速比保持可否判定手段166に対応するS2において、閉じ込み制御が実行されているときの実際の推力比τが所定の変速比を最大変速比γmaxに保持することができる推力比τであるか否か、すなわち推力比コントロールバルブ118により最大変速比γmaxに保持可能であるか否かが判定される。
前記S1の判断が否定されるか或いは前記S2の判断が否定される場合は前記車速判定手段158に対応するS3において、車速Vが所定車速V’例えば2km/h未満であるか否かが判定される。
前記S2の判断が肯定されるか或いは前記S3の判断が肯定される場合は前記低車速用変速制御継続制御手段168および前記変速制御手段152に対応するS4において、車両発進の際の閉じ込み制御時に最大変速比γmaxが保持されるように或いは変速比γが最大変速比γmaxに到達させられるように、車速Vが所定車速V’以上となっても変速比γのフィードバック制御を禁止して閉じ込み制御を継続する指令が出力され、閉じ込み制御を継続するための変速指令信号S’が油圧制御回路100へ出力される。
前記S3の判断が否定される場合は前記変速制御手段152に対応するS5において、回転速度差ΔNINに基づいて変速比γのフィードバック制御を実行するための変速指令信号(油圧指令)Sが油圧制御回路100へ出力される。
上述のように、本実施例によれば、閉じ込み制御が実行されているときの推力比τが変速比を最大変速比γmaxとすることができる推力比τとされ且つ目標変速比γが最大変速比γmaxであるときには、車速Vが所定車速V’以上であっても低車速用変速制御継続制御手段168により閉じ込み制御から変速比γのフィードバック制御へ切り換えられず、閉じ込み制御が継続されるので、目標変速比γである最大変速比γmaxを成立させる位置まで伝動ベルト48が戻らずに車両停止するベルト戻り不良が生じた場合であっても、車両発進の際には閉じ込み制御にてベルト滑りを防止しつつ変速比γを最大変速比γmaxに到達させることができて発進性能を向上させることができる。
また、本実施例によれば、変速制御圧PRATIOと挟圧力制御圧PBELTとの比率を変速比γを最大変速比γmaxとするための推力比τを発生させる予め定められた関係とするように、推力比コントロールバルブ118が予め設定されている機構的構成とされている油圧制御回路100であるので、ベルト戻り不良が生じて最大変速比γmaxより変速比γが小さな状態で車両停止したとしても再発進に際して閉じ込み制御により成り行きで(自動的に)最大変速比γmaxとすることができる。
また、本実施例によれば、推力比コントロールバルブ118のスプール弁子118aは、前記式(1)(変換すれば前記式(2))を満足するように作動するので、最大変速比γmaxに対応する推力比τより大きな推力比τが可能なように(a/b)やF/bが設定されると、変速比γが最大変速比γmaxに保持可能となり良好な発進が行われる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、最大変速比保持可否判定手段166は、推力比コントロールバルブ118により最大変速比γmaxに保持可能であるか否かを図6の予め記憶された関係から実際の車速Vに基づいて判定したが、入力側油圧シリンダ42cおよび出力側油圧シリンダ46cのそれぞれの回転速度から算出した遠心油圧、推力比コントロールバルブ118の油圧設定、およびスプリング118bの付勢力Fから閉じ込み制御時の実際の推力比τを算出し、最大変速比γmaxを保持可能な推力比τであるか否かを判断しても良い。
例えば、前述の実施例における入力軸回転速度NINやそれに関連する目標入力軸回転速度NIN などは、それら入力軸回転速度NINなどに替えて、エンジン回転速度Nやそれに関連する目標エンジン回転速度N など、或いはタービン回転速度Nやそれに関連する目標タービン回転速度N などであっても良い。従って、入力軸回転速度センサ56等の回転速度センサは、制御する必要がある回転速度に合わせて適宜備えられれば良い。
また、前述の実施例において、流体伝動装置としてロックアップクラッチ26が備えられているトルクコンバータ14が用いられていたが、ロックアップクラッチ26は必ずしも設けられなくてもよく、またトルクコンバータ14に替えて、トルク増幅作用のない流体継手(フルードカップリング)などの他の流体式動力伝達装置が用いられてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が適用された車両用駆動装置を説明する骨子図である。 図1の車両用駆動装置などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 油圧制御回路のうち無段変速機のベルト挟圧力制御、変速比制御、およびシフトレバーの操作に伴う前進用クラッチ或いは後進用ブレーキの係合油圧制御に関する部分を示す要部油圧回路図である。 無段変速機の変速制御において目標入力回転速度を求める際に用いられる変速マップの一例を示す図である。 無段変速機の挟圧力制御において変速比等に応じて必要油圧を求める必要油圧マップの一例を示す図である。 車速をパラメータとして変速比と推力比との予め求められて記憶された関係であって、最大変速比に対応する推力比より大きな推力比が可能なように設定された場合の一例を示す図である。 図2の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図2の電子制御装置の制御作動の要部すなわち目標変速比が最大変速比であるときに変速比をその最大変速比に保持或いは到達させる為の制御作動を説明するフローチャートである。
符号の説明
12:エンジン(走行用動力源)
18:無段変速機
24:駆動輪
42:入力側可変プーリ(プライマリプーリ)
46:出力側可変プーリ(セカンダリプーリ)
48:伝動ベルト(ベルト)
42c:入力側油圧シリンダ(プライマリプーリ側油圧シリンダ)
46c:出力側油圧シリンダ(セカンダリプーリ側油圧シリンダ)
50:電子制御装置(変速制御装置)
100:油圧制御回路(油圧回路)
168:低車速用変速制御継続制御手段

Claims (3)

  1. 走行用動力源と駆動輪との間の動力伝達経路にプライマリプーリおよびセカンダリプーリと該両プーリに巻き掛けられたベルトとを有する無段変速機が配設された車両において、前記プライマリプーリの溝幅を可変するための推力を付与するプライマリプーリ側油圧シリンダと、前記セカンダリプーリの溝幅を可変するための推力を付与するセカンダリプーリ側油圧シリンダと、該プライマリプーリ側油圧シリンダ内の油圧と該セカンダリプーリ側油圧シリンダ内の油圧との比率を予め定められた関係とする油圧回路とを備え、車速が所定車速未満であることを条件として、所定回転部材の実回転速度と目標回転速度との偏差を解消するための変速比のフィードバック制御を行わず、前記比率を予め定められた関係とする低車速用の変速制御を行う車両用無段変速機の変速制御装置であって、
    前記低車速用の変速制御を実行しているときの前記プライマリプーリ側油圧シリンダによる推力と前記セカンダリプーリ側油圧シリンダによる推力との比率である推力比が前記変速比を最大変速比とすることができる推力比とされ且つ前記目標変速比が最大変速比であるときには、車速が前記所定車速以上であっても前記低車速用の変速制御を継続する低車速用変速制御継続制御手段を含むことを特徴とする車両用無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記予め定められた関係とは、前記変速比を最大変速比とするための推力比を発生させるように予め設定されたものであり、
    前記油圧回路は、前記予め定められた関係とする推力比コントロールバルブを備えたものである請求項1の車両用無段変速機の変速制御装置。
  3. 前記推力比コントロールバルブは、軸方向へ移動可能に設けられることにより入力ポートを開閉してライン油圧を該入力ポートから出力ポートを経て推力比制御油圧を供給可能にするスプール弁子と、該スプール弁子を開弁方向へ付勢する付勢手段と、該スプール弁子に開弁方向の推力を付与するために挟圧力制御圧を受け入れる油室と、該スプール弁子に閉弁方向の推力を付与するために該出力ポートから出力された推力比制御油圧を受け入れるフィードバック油室とを備えたものであり、
    前記油室における挟圧力制御圧をPBELT、該挟圧力制御圧の受圧面積をa、前記フィードバック油室における推力比制御油圧をPτ、推力比制御油圧の受圧面積をb、前記付勢手段の付勢力をFとするとき、
    前記スプール弁子は、次式(1)を満足するように作動するものである請求項2の車両用無段変速機の変速制御装置。
    τ×b=PBELT×a+F ・・・(1)
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