JP2007177683A - 燃料噴射管及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料噴射管を巨大化させたりすることがなく、必要な塑性加工段階で亀裂等の損傷を引き起こさず、しかも内圧疲労強度を高めた燃料噴射管を提供する。
【解決手段】 外径14〜16mm、肉厚3.0〜4mmのフェライト系高圧配管用炭素鋼管からなる外管の内側に、外径が該外管の内径よりも小さく、肉厚が3.0〜4mmの析出硬化型ステンレス鋼、マルエージング鋼もしくはオーステナイト系ステンレス鋼のうちの1種からなる内管を挿入した後、一体絞りにより伸管加工を行って外管と内管とを密着接合させて二重管とし、該二重管に所定の塑性形状加工を行った後に必要な熱処理を施して内管の強度アップをする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料供給路に使用する燃料噴射管に係り、より詳しくは管径約6.0mmないし15.0mm、肉厚約2.2mmないし5.5mm程度の比較的細径厚肉の燃料噴射管に関するものである。
一般にディーゼルエンジン用燃料噴射管には、引張強さ340N/mm 級〜410N/mm 級の鋼管が使用されてきたが、ディーゼルエンジンの排ガス規制による浄化技術の開発に伴い、燃料を高圧、微粒化噴射することによってエンジンシリンダー内の燃料をより完全燃焼に近づけ排ガスを清浄化する手法がとられるようになったことから、燃料噴射管には従来の最高1200bar(120N/mm )からそれ以上の高内圧が負荷されるようになり、高い内圧疲労強度が要求されるようになり、その対応策として引張強さ490N/mm 級〜800N/mm 級の高張力鋼管が使用される傾向にある。
例えば、厚肉の鋼管からなる外管に、内側に流通路が形成されたステンレス鋼管からなる薄肉の内管を圧嵌して二重金属管を構成し、かつ内管の肉厚を二重金属管全体の外径に対し、1.2ないし8.5%としたものがある(例えば、特許文献1参照。)。この燃料噴射管は、NOxの低減や黒煙対策の一つとして噴射時間1〜2ミリ秒、流速が最大で50m/sec、内圧600〜1000bar(60〜100N/mm 、ピーク圧)という最近の燃料の噴射圧の高圧化の条件で動作しても、内周面にキャビテーション・エロージョン・コロージョン(以下キャビテーションという)の発生を防止できるのみならず、繰り返し高圧疲労に対する耐久性もほぼ満足できるものとされている。このような二重金属管は、一般に引抜加工によって製造されている。
燃料高圧化の傾向は一層顕著になり、内圧800〜1400bar(80〜140N/mm 、ピーク圧)の条件においても耐キャビテーション性能が発揮できる高圧燃料噴射管が期待されている。上述の特許文献1に開示された噴射管によると、このような高圧では耐キャビテーション性能が十分に発揮できない傾向が見られた。また二重金属管からなる噴射管材の接続端部に接続頭部を成形する際、前記噴射管材に伸管加工に伴う加工硬化があるため成形がし難いという問題もあった。
そこでこれらに欠点を改善するものとして、厚肉の鋼管からなる外管に薄肉の内管を圧嵌して構成した二重金属管の接続端部に、截頭円錐状、円弧状または算盤珠状の接続頭部を成形してなる燃料噴射管であって、前記内管がばね調質されたオーステナイト系ステンレス鋼管により構成されている燃料噴射管が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
この燃料噴射管は、高圧の燃料を使用しても十分な耐キャビテーション性能を発揮し、かつ伸びの限界まで伸管加工しても加熱処理により伸びが回復して、接続端部における接続頭部の成形が容易となるとともに、ディーゼル内燃機関付近に配管する際に必要な曲げ加工を実施することができる燃料噴射管とされている。
特開昭62−184291号公報 特開平10−238435号公報
しかしながら高強度の高張力鋼管を選択し、内管の肉厚を増加するだけでは十分な疲労強度の向上は達成されず、燃料噴射管が大きく重いものになってしまうばかりか、最小曲げ半径が大きくなってしまうため、配索性が極端に悪くなる。また、燃料噴射管の材料としてオーステナイト系ステンレス鋼管のような硬い材料を使用すると、靱性が乏しいために端末成形あるいは曲げ加工工程において亀裂が生じたり、塑性加工するのに強大な力が必要となるため、生産性が悪化する欠点がある。
そこで本発明の目的は、燃料噴射管を巨大化させたりすることがなく、必要な塑性加工で問題を引き起こしたり取り扱いに細心の注意を払ったりしなくても内圧疲労強度の十分な向上が得られる燃料噴射管を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の燃料噴射管の一つは、内管と外管とからなる厚肉で細径の内径を有する二重管構造の燃料噴射管であって、外管としてフェライト系高圧配管用炭素鋼を使用し、内管として溶体化処理した析出硬化型ステンレス鋼を使用してなり、外管と内管とが密着接合してなる燃料噴射管とした。
本発明の燃料噴射管の他の一つは、内管と外管とからなる厚肉で細径の内径を有する二重管構造の燃料噴射管であって、外管としてフェライト系高圧配管用炭素鋼を使用し、内管として溶体化処理したマルエージング鋼を使用してなり、外管と内管とが密着接合してなる燃料噴射管とした。
本発明の燃料噴射管のさらに別の一つは、内管と外管とからなる厚肉で細径の内径を有する二重管構造の燃料噴射管であって、外管としてフェライト系高圧配管用炭素鋼を使用し、内管として深冷処理したマルテンサイト系ステンレス鋼を使用してなり、外管と内管とが密着接合してなる燃料噴射管とした。
このような材質、構造の燃料噴射管とすれば、必要な塑性加工で亀裂等の損傷を引き起こしたりすることなく、十分な強度を有するので燃料噴射管を小型にすることができ、しかも200MPaを超える超高圧の噴射圧にも耐える燃料噴射管が得られる。
本発明の燃料噴射管においては、前記外管もしくは内管の肉厚が0.5〜1.0mmであることが好ましい。
超高圧の噴射圧にも耐える燃料噴射管強度を得るためである。
本発明の燃料噴射管の製造方法は、外径14〜16mm、肉厚3.0〜4mmのフェライト系高圧配管用炭素鋼管からなる外管の内側に、外径が該外管の内径よりも小さく、肉厚が3.0〜4mmの析出硬化型ステンレス鋼、マルエージング鋼もしくはオーステナイト系ステンレス鋼のうちの1種からなる内管を挿入した後、一体絞りにより伸管加工を行って外管と内管とを密着接合させて二重管とし、該二重管に所定の塑性形状加工を行った後に必要な熱処理を施す燃料噴射管の製造方法とした。
このような製造方法を使えば、200MPaを超える超高圧の噴射圧にも耐える燃料噴射管を確実に得ることができる。
本発明の燃料噴射管の製造方法においては、前記析出硬化型ステンレス鋼の合金組成がC:0.9%以下(wt%、以下同じ)、Si:1.0%以下、Ni:3〜7.7%、Cr:15.0〜18.0%であって、前記必要な熱処理を500℃〜600℃で60分〜120分保持後空冷する溶体化処理をした後、時効硬化処理をする方法を採用することができる。
また、本発明の燃料噴射管の製造方法においては、前記マルエージング鋼の合金組成がC:0.03%以下、Ni:12〜18.5%、Co:7.8〜8.8%、Mo:3.0〜5.0%、Ti:0,2〜0.7%、Al:0.1%以下であって、前記必要な熱処理を450℃〜550℃で60分〜180分保持後空冷して溶体化処理した後、時効硬化処理をする方法を採用することができる。
さらに本発明の燃料噴射管の製造方法においては、前記オーステナイト系ステンレス鋼の合金組成がC:0.15%以下、Si:1.0%以下、Ni:6.0〜10.0%、Cr:16.0〜19.0%であって、前記必要な熱処理を450〜550℃で60〜120分保持した後油冷し、さらに引き続き−56.6℃〜−80℃で10分〜60分保持する深冷処理とすることもできる。
このような製造方法を採用すれば、材料の持つ特性を最大限に発揮させて、小型でも耐圧強度の高い燃料噴射管を確実に得ることができる。
本発明は、すべての塑性加工が終了した後に溶体化処理し、さらに時効硬化処理やサブゼロ処理等の熱処理を施して強度を発揮させるもので、塑性加工段階では材料に靱性や伸びが有りひび割れ等の損傷が発生することはない。しかも熱処理後の素材は必要な引張強度と格段に優れた内圧疲労強度を有しており、燃料噴射圧が200MPa(200N/mm )を超える超高圧燃料噴射管として利用することが可能となる。
図1は本発明の燃料噴射管に使用する二重構造管の一例を示す一部破断外観図で、図2は図1の線A−A’に沿った断面図である。本発明で使用する二重管10は、外管1の内側に内管2が密着して嵌合しており、中心には内径が1.5〜5mm程度の細い燃料の流通路3が確保されている。
本発明において、燃料噴射管として二重管を用いたのは、比較的細径厚肉の燃料噴射管を少ない引抜加工数で得ることができるようにすることと、厚肉管において内面に顕著に発生する微細なしわ疵を防止するためである。さらに全体として細くても必要な内圧疲労強度を確保するためである。
外管1は内管ほど大きな内圧疲労強度は要求されないため、軟鋼のシームレス管を使用することも可能であるが、使用するシームレス管としては要求される内圧疲労強度に応じて引張強さ370N/mm 以上の高圧配管用炭素鋼鋼管が使用できる。この高圧配管用炭素鋼鋼管は組成がC:0.30%以下、Si:0.10〜0.35%、Mn:0.30〜1.5%で、フェライト組織を有するものである。外管の外径は14〜16mm、肉厚は3〜4mmとするのが好ましい。この他にも高寿命が得られる材料としてステンレス鋼やMn鋼等からなる490N/mm 級〜800N/mm 級の高張力鋼管を使用することもできる。
内管2はステンレス鋼やMn鋼等の高張力鋼鋼管を使用することもできるが、さらに高圧の燃料噴射圧力に耐えるために、本発明では析出硬化型ステンレス鋼やマルエージング鋼もしくは深冷処理されたマルテンサイトステンレス鋼のいずれかを使用することとした。これらの特殊鋼は通常は比較的柔らかい材質特性を有するものの、それぞれ特有の熱処理を施すことにより強度を大幅に向上させることができるからである。したがって塑性加工後に熱処理を施すことにより、加工による損傷を発生させることなく高圧の燃料噴射圧力に耐えるまでの強度を付与することが可能となる。
析出硬化型ステンレス鋼は合金組成がC:0.9%以下、Si:1.0%以下、Ni:3〜7.7%、Cr:15.0〜18.0%であって、焼きなまし状態での引張強さは480〜700N/mm 、伸びは20%以上であるが、時効硬化処理を施すと伸びは10%以上程度に低下するものの、引張強さは1000N/mm 以上にも高めることができる。この場合、必要な熱処理は温度500℃〜600℃で60分〜120分間保持した後空冷する溶体化処理を施し、さらに時効硬化を促進する処理をする熱処理である。時効硬化処理は、例えば230〜450℃、好ましくは250〜300℃に10〜30分間保持する処理が適用できる。
マルエージング鋼は合金組成がC:0.03%以下、Ni:12〜18.5%、Co:7.8〜8.8%、Mo:3.0〜5.0%、Ti:0,2〜0.7%、Al:0.1%以下であって、焼きなまし状態での引張強さは390〜450N/mm 、伸びは18%以上であるが、マルエージング処理後は伸びは8%以上程度に低下するものの、引張強さは1300N/mm 以上にも高めることができる。この場合、必要なマルエージング処理の条件は、450℃〜550℃で60分〜180分間保持して空冷する溶体化処理をし、さらに時効硬化処理をする熱処理である。時効硬化処理は、例えば230〜450℃、好ましくは250〜300℃に10〜30分間保持する処理が適用できる。
また、深冷処理されたマルテンサイト系ステンレス鋼は、合金組成がC:0.15%以下、Si:1.0%以下、Ni:6.0〜10.0%、Cr:16.0〜19.0%のオーステナイト系ステンレス鋼であって、焼きなまし状態でのオーステナイト系ステンレス鋼は引張強さは200〜275N/mm 、伸びは40%以上であるが、溶体化処理によって固溶体を過飽和に含む鋼を深冷処理すると金属組織はマルテンサイトを主体とする組織に変化し、伸びは20%以上程度に低下するものの、引張強さは540N/mm 以上にも高めることができる。深冷処理(サブゼロ処理とも言う。)はオーステナイト系ステンレス鋼を焼き入れした後、焼入鋼を0℃以下に冷却して組織中に残留するオーステナイト相を安定化してマルテンサイト変態を阻止する熱処理操作である。オーステナイト組織を高温に保持すると高温で安定な、強度が向上する。しかし未変態の残留オーステナイトは時間とともの徐々にマルテンサイト相に変態して膨張の原因になる。従って残留オーステナイトは極力少なくしておくことが必要になり、焼入鋼を0℃以下に冷却することによって残留オーステナイトの安定化が達成できる。
この場合、必要な深冷処理の条件は、焼き入れした鋼を引き続き−56.6℃〜−80℃で10分〜60分保持する処理である。冷却するための冷媒としては、液体アンモニア(−33.4℃)、ドライアイス(−78.5℃)、液体空気(−140.7℃)、液体窒素(−198)等が利用できる。これらのうち例えばドライアイスとアルコールまたはエーテルを混合することにより−56.6℃〜−80℃のサブゼロ温度に調節することができる。保持時間は目的とする材料が必要とする材料特性に応じて適宜調節すればよい。
伸管前の内管2の外径は、外管1の内側に挿入できればよいので、外管1の内径よりわずかに小さければよい。内管2の肉厚は超高圧の噴射圧にも耐える燃料噴射管強度を得るために、0.5〜1.0mmであることが好ましい。また、外管と組み合わせてできるだけ細くて小型の燃料噴射管とするためである。
上記のような材質を組み合わせた外管内に内管を挿入した後、両管を一体絞りにより伸管加工を行って外管と内管とを密着接合させて二重管とする。伸管加工後の内径は1.5〜5mmあればよい。伸管加工は常用のスエージングマシンによる口付後伸管機(ドローベンチ)を使用して行うことができる。伸管加工は熱処理前に行うので素材の靱性が保たれており、亀裂等の損傷が発生する恐れはない。伸管加工することにより全体の管径は細く、外管と内観は強固に密着される。伸管加工終了後必要な寸法に切断したり曲げ加工をしたり、あるいは両端にねじ切り加工を施したり、算盤珠状の接続頭部を形成する等の必要な塑性加工を施す。
その後、前述の熱処理を施して内管に必要な強度を付与する。このような手順を踏めば、塑性加工中は材料の強度は低いが靱性に富んでいるので加工損傷は発生せず、塑性加工後に必要な熱処理を施すので内管の強度は飛躍的に高くなって、超高圧の燃料噴射圧力に耐える燃料噴射管が得られる。
外管として外径15mm、内径8.5mmで、ディーゼルエンジンの燃料噴射管として用いられてきたDIN ST−52相当の圧力配管用炭素鋼鋼管(C:0.15,Si:0.25,Mn:0.50)を使用し、外管の内側に内管として外径8.0mm、内径6.5mmで、焼き鈍し処理された析出効果型ステンレス鋼JIS SUS631からなる内管を挿入して、第1伸管及び第2伸管ともに伸引きにして、外管の外径8.0mmで、内管の内径が5.0mmであって、外管と内管が締まり嵌めにて密に接触するように引き落とされた二重管構造の素材を得た。二重管に端末成形と曲げ加工を施した後、内管のSUS631鋼管を強化する目的で、565℃で90分保持後空冷して溶体化処理した後、250℃で15分保持して時効硬化させる熱処理を施して、燃料噴射管とした。
得られた燃料噴射管の内圧疲労試験を実施した。内圧疲労試験条件は18MPaから250MPa圧力繰り返しを1000万回繰り返した。その結果、5本の供試片すべてに何ら損傷は認められなかった。
外管として外径15mm、内径8.5mmで、ディーゼルエンジンの燃料噴射管として用いられてきたDIN ST−52相当の圧力配管用炭素鋼鋼管(C:0.15,Si:0.25,Mn:0.50)を使用し、外管の内側に内管として外径8.0mm、内径6.5mmで、焼き鈍し処理されたASTM18Ni200マルエージング鋼(C:0.02,Ni:18,Co:7.8,Mo:4.25,Ti:0.2,Al:0.1)を挿入して、第1伸管及び第2伸管ともに伸引きにして、外管の外径が8.0mmで、内管の内径が5.0mmで、外管と内管が締まり嵌めにて密に接触するように引き落として二重管構造の素材を得た。この二重管に端末成形と曲げ加工を施した後、内管のマルエージング鋼を強化する目的で、500℃で180分保持後空冷する溶体化処理をした後、300℃で15分保持して時効硬化させる熱処理を施して、燃料噴射管とした。
得られた燃料噴射管の内圧疲労試験を実施した。内圧疲労試験条件は18MPaから250MPa圧力繰り返しを1000万回繰り返した。その結果、5本の供試片すべてに何ら損傷は認められなかった。
外管として外径15mm、内径8.5mmで、ディーゼルエンジンの燃料噴射管として用いられてきたDIN ST−52相当の圧力配管用炭素鋼鋼管(C:0.15,Si:0.25,Mn:0.50)を使用し、外管の内側に内管として外径8.0mm、内径6.5mmで、焼き鈍し処理したJIS SUS301オーステナイトステンレス鋼(C:0.10,Si:0.8,Mn:1.5,Ni:6,Cr:16)を挿入して、第1伸管及び第2伸管ともに伸引きにして、外管の外径8.0mm、内管の内径5.0mmで、外管と内管が締まり嵌めにて密に接触するように引き落として二重管構造の素材を得た。二重管に端末成形と曲げ加工を施した後、内管のステンレス鋼を強化させる目的で、450〜550℃で60〜120分保持した後油冷し、さらに引き続きドライアイスとエタノールを使用して−70℃で30分保持する深冷処理を施して、燃料噴射管とした。
得られた燃料噴射管の内圧疲労試験を実施した。内圧疲労試験条件は18MPaから250MPa圧力繰り返しを1000万回繰り返した。その結果、5本の供試片すべてに何ら損傷は認められなかった。
(比較例)
外管として外径15mm、内径8.5mmの軟鋼炭素鋼管(組成はC:0.08,Si:0.28,Mn:0.45)を使用し、内管に外径8.0mm、内径6.5mmで、JIS SUS304からなる電縫鋼管を使用して、第1伸管及び第2伸管ともに伸引きにして、外管の外径8.0mm、内径6.5mmで、内管の外径6.5mm、内径5.0mmで、外管と内管が締まり嵌めにて密に接触するように引き落として二重管構造の素材を得た。得られた二重管の端末に端末成形と曲げ加工を施して燃料噴射管とした。
得られた燃料噴射管の内圧疲労試験を実施例と同様の試験条件の下で実施した。その結果、37万回繰り返した時点で2本の供試片に疲労亀裂が外面に貫通したことによる漏れが発生した。
本発明の燃料噴射管に使用する二重管構造の一例を示す一部切欠側面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。
符号の説明
1 外管
2 内管
3 流通路
10 二重管

Claims (8)

  1. 内管と外管とからなる厚肉で細径の内径を有する二重管構造の燃料噴射管であって、外管としてフェライト系高圧配管用炭素鋼を使用し、内管として溶体化処理した析出硬化型ステンレス鋼を使用してなり、外管と内管とが密着接合してなることを特徴とする燃料噴射管。
  2. 内管と外管とからなる厚肉で細径の内径を有する二重管構造の燃料噴射管であって、外管としてフェライト系高圧配管用炭素鋼を使用し、内管として溶体化処理したマルエージング鋼を使用してなり、外管と内管とが密着接合してなることを特徴とする燃料噴射管。
  3. 内管と外管とからなる厚肉で細径の内径を有する二重管構造の燃料噴射管であって、外管としてフェライト系高圧配管用炭素鋼を使用し、内管として深冷処理したマルテンサイト系ステンレス鋼を使用してなり、外管と内管とが密着接合してなることを特徴とする燃料噴射管。
  4. 前記外管もしくは内管の肉厚が0.5〜1.0mmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料噴射管。
  5. 外径14〜16mm、肉厚3.0〜4mmのフェライト系高圧配管用炭素鋼管からなる外管の内側に、外径が該外管の内径よりも小さく、肉厚が3.0〜4mmの析出硬化型ステンレス鋼、マルエージング鋼もしくはオーステナイト系ステンレス鋼のうちの1種からなる内管を挿入した後、一体絞りにより伸管加工を行って外管と内管とを密着接合させて二重管とし、該二重管に所定の塑性形状加工を行った後に必要な熱処理を施すことを特徴とする燃料噴射管の製造方法。
  6. 前記析出硬化型ステンレス鋼の合金組成がC:0.9%以下(wt%、以下同じ)、Si:1.0%以下、Ni:3〜7.7%、Cr:15.0〜18.0%であって、前記必要な熱処理が500℃〜600℃で60分〜120分保持後空冷して溶体化処理した後、時効硬化処理することを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射管の製造方法。
  7. 前記マルエージング鋼の合金組成がC:0.03%以下、Ni:12〜18.5%、Co:7.8〜8.8%、Mo:3.0〜5.0%、Ti:0,2〜0.7%、Al:0.1%以下であって、前記必要な熱処理が450℃〜550℃で60分〜180分保持後空冷して溶体化処理した後、時効硬化処理することを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射管の製造方法。
  8. 前記オーステナイト系ステンレス鋼の合金組成がC:0.15%以下、Si:1.0%以下、Ni:6.0〜10.0%、Cr:16.0〜19.0%であって、前記必要な熱処理が450〜550℃で60〜120分保持した後油冷し、さらに引き続き−56.6℃〜−80℃で10分〜60分保持する深冷処理であることを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射管の製造方法。

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