JP2007177287A - 軸の製造方法、ピニオンシャフト - Google Patents

軸の製造方法、ピニオンシャフト Download PDF

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Abstract

【課題】ピニオンシャフトにフレーキングが生じた場合でも折損を生じ難くする。
【解決手段】炭素(C)含有率が0.9質量%以上1.5質量%以下、クロム(Cr)含有率が0.9質量%以上1.2質量%以下、珪素(Si)含有率が0.4質量%以上0.8質量%以下、マンガン(Mn)含有率が0.9質量%以上1.2質量%以下であり、残部が鉄および不可避不純物である合金鋼からなる素材を用いる。表層部に窒素を導入する処理を行わずに、焼入れ焼戻しを行うことにより、表層部の硬さをビッカース硬さ(Hv)で700以上、芯部の硬さをビッカース硬さ(Hv)で260以下とし、表層部の残留オーステナイト量を15体積%以上50体積%以下とし、芯部のオーステナイト量を0にする
【選択図】図1

Description

この発明は、プラネタリギヤ装置のピニオンシャフトのような、転がり軸受の内輪軌道面として機能する面を有する軸の製造方法に関する。
ラジアルニードル軸受では、軸の面を内輪軌道面として使用する(すなわち、軸に転動体である針状ころを転がり接触させる)ことが多い。例えば、自動車用オートマチックトランスミッションの遊星歯車機構(プラネタリギヤ装置)では、ピニオンシャフトの長さ方向中央部の外周面が内輪軌道面に、ピニオンギヤの内周面が外輪軌道面になっており、ピニオンシャフトとピニオンギヤの間に多数の針状ころが配置されている。
このようなラジアルニードル軸受の軸は、転がり疲労特性を向上することと、衝撃荷重が大きい場合であっても塑性変形を生じ難くすることが課題となっている。この課題を解決するために、下記の特許文献1には、ラジアルニードル軸受の内輪を兼ねる軸を、0.5〜1.2wt%の炭素を含有する鋼で構成するとともに、芯部の残留オーステナイト量を0とし、表面層の窒素含有率を0.05〜0.4wt%とし、表面層の硬さをHv650以上とし、表面層の残留オーステナイト量を15〜40vol%とすることが開示されている。
また、この文献には、前記構成の軸の製造方法として、浸炭窒化後に焼入れ・焼戻しを施して、軸の全体の硬さをHv300〜500(望ましくはHv400〜500)に調質し、次いで高周波焼入れと焼戻しを行って表層部の硬さをHv650以上にする方法が記載されている。この方法では、芯部の残留オーステナイト量が0となり、芯部の硬さがHv300〜500(望ましくはHv400〜500)となる。
特開2002−4003号公報
ピニオンシャフトはフレーキングが生じても回転できるが、これを起点とした折損が生じると回転できなくなる。そして、芯部が硬いほどフレーキングを起点とした折損が生じ易くなる。よって、前記特許文献1に記載の技術には、塑性変形を生じ難くするために芯部の硬さを硬くしていることで、フレーキングが生じた際に、これを起点とした折損が生じやすいという問題点がある。
本発明の課題は、このような従来技術の問題点に着目し、ピニオンシャフトにフレーキングが生じた場合でも折損を生じ難くすることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、転がり軸受の内輪軌道面として機能する面を有する軸の製造方法において、炭素(C)含有率が0.9質量%以上1.5質量%以下、クロム(Cr)含有率が0.9質量%以上1.2質量%以下、珪素(Si)含有率が0.4質量%以上0.8質量%以下、マンガン(Mn)含有率が0.9質量%以上1.2質量%以下であり、残部が鉄および不可避不純物である合金鋼からなる素材を軸の形状に加工した後、この軸の表層部に窒素を導入する処理を行わずに、焼入れ焼戻しを行うことにより、表層部の硬さをビッカース硬さ(Hv)で700以上、芯部の硬さをビッカース硬さ(Hv)で260以下とし、表層部の残留オーステナイト量を15体積%以上50体積%以下とし、芯部のオーステナイト量を0にすることを特徴とする軸の製造方法を提供する。
本発明の方法によれば、炭素(C)含有率が0.9質量%以上1.5質量%以下、クロム(Cr)含有率が0.9質量%以上1.2質量%以下、珪素(Si)含有率が0.4質量%以上0.8質量%以下、マンガン(Mn)含有率が0.9質量%以上1.2質量%以下であり、残部が鉄および不可避不純物である合金鋼からなる素材を用いることにより、浸炭窒化処理や窒化処理を行わずに焼入れ焼戻しだけで、表層部の硬さをビッカース硬さ(Hv)で700以上に、表層部の残留オーステナイト量を15体積%以上にすることができる。また、芯部の硬さをビッカース硬さ(Hv)で260以下とすることにより、亀裂進展性が著しく低下するため、ピニオンシャフトにフレーキングが生じた場合でも折損を生じ難くすることができる。
前記不可避不純物としてはリン(P)、硫黄(S)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、および窒素(N)が挙げられるが、これらの元素の含有率は、リン(P)と硫黄(S)が0.025質量%以下、ニッケル(Ni)とモリブデン(Mo)が0.10質量%以下、窒素(N)が0.03質量%以下であることが好ましい。
本発明はまた、プラネタリギヤ装置のサンギヤおよびリングギヤに螺合するピニオンギヤを、転動体を介して回転自在に支持するピニオンシャフトであって、本発明の方法で製造され、表層部の窒素含有率が0.03質量%以下、表層部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で700以上、芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で260以下、表層部の残留オーステナイト量が15体積%以上50体積%以下、芯部のオーステナイト量が0となっていることを特徴とするピニオンシャフトを提供する。
本発明のピニオンシャフトによれば、表層部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で700以上で、表層部の残留オーステナイト量が15体積%以上であるため、十分な耐久性が得られる。また、表層部の残留オーステナイト量が50体積%以下であり、芯部のオーステナイト量が0であるため、塑性変形が生じ難くなる。また、芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で260以下であるため、亀裂進展性が著しく低下して、ピニオンシャフトにフレーキングが生じた場合でも折損を生じ難くすることができる。
なお、「表層部の窒素含有率が0.03質量%以下」は軸の表層部に窒素を導入する処理を行わないため生じる構成である。また、表層部の残留オーステナイト量の値は、表面を電解研磨により約50μm(研磨加工影響層)を除去して露出させた面の値である。
本発明の方法によれば、フレーキングが生じた場合でも折損が生じ難い軸を製造することができる。
本発明のピニオンシャフトによれば、フレーキングが生じた場合でも折損が生じ難くなる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
ピニオンシャフト用の素材として、下記の表1に示す組成の二種類の鋼A,Bからなる棒状素材を用意した。
Figure 2007177287
鋼Aからなる素材および鋼Bからなる素材を加工して、直径20mm、長さ85mmの軸を得た。この軸(ピニオンシャフト1)は、図1に示すように、軸線に沿って延びる平行路21と、軸の長さ方向中心位置で、軸の径方向に沿って延びる垂直路22とからなる油穴2を有する。
次に、各軸に対して、下記の表2に示す熱処理を下記の条件で行った。
No. 1およびNo. 3では、先ず、温度830〜870℃、保持時間2〜5時間、Rxガス+エンリッチガス+アンモニアガス(アンモニアガス濃度1〜7vol %)雰囲気の条件で浸炭窒化を行った。次に、500℃に5時間保持する焼き鈍しを行った。
次に、周波数30kHz、電圧10kV、電流10A、送り速度8〜15mm/秒、冷却水量35リットル/分の条件で、高周波焼入れを行った。次に、160〜450℃に1.5〜2時間保持する焼き戻しを行った。
No. 2およびNo. 4では、先ず、周波数30kHz、電圧10kV、電流10A、送り速度8〜15mm/秒、冷却水量35リットル/分の条件で、高周波焼入れを行った。次に、160〜450℃に1.5〜2時間保持する焼き戻しを行った。
熱処理後のサンプルNo. 1〜4のピニオンシャフトについて、表層部の硬さ(Hv)および残留オーステナイト量(γR )と、芯部の残留オーステナイト量(γR )と硬さ(Hv)を測定した。また、表層部の窒素含有率〔N〕を測定した。
これらの結果を下記の表2に示す。なお、Hv550以上となる表面硬化層の深さは、No. 1〜4ともに1.1mmであった。
Figure 2007177287
また、各サンプルのピニオンシャフト1を組み込んだプラネタリギヤ装置を、図1に示す試験機にかけて回転試験を行った。
この試験機は、ピニオンシャフト1の一端を固定する一方のキャリア3を回転させる回転軸4と、サンギヤ5の回転軸6を回転自在に支持する支持構造7を備えている。ピニオンシャフト1の他端は他方のキャリア8に固定される。キャリア3とその回転軸4はボルト43により固定されている。キャリア3と回転軸4には、ピニオンシャフト1の油穴2に通じる油穴31,41が形成されている。
ピニオンシャフト1とピニオンギヤ11との間に、針状ころ12とこれを保持する保持器13が配置されている。サンギヤ5とピニオンギヤ11が螺合している。ピニオンシャフト1の両端のキャリヤ8,3とピニオンギヤ11との間の部分に、ワッシャー91,92が取り付けられている。
各サンプルのピニオンシャフト1に、予め9.8Nの荷重でビッカーズ圧痕を付けておき、これを組み込んだプラネタリギヤ装置を図1に示す試験機にかけて、回転軸4を回転速度7000min-1で回転させた。これに伴い、ピニオンシャフト1は公転する。また、回転軸6を回転させることにより、サンギヤ5に螺合しているピニオンギヤ11を回転速度7400min-1で自転させた。この回転条件により、ピニオンシャフト1、ピニオンギヤ11、および針状ころ12で構成されるラジアルニードル軸受に、動定格荷重の40%の荷重が加わる。また、油路41,31,2を介して「VG7」グレードの潤滑油をピニオンシャフト1とピニオンギヤ11の間に供給し、100時間回転した。回転中の廃油の温度は120℃であった。
No. 1〜4のサンプルを各5本用意して試験を行った結果、No. 1は5本中3本が折損し、No. 2は5本中2本が折損した。No. 3は、5本とも折損はしなかったが、圧痕が広がり、5本中2本が油穴2の垂直路22の位置までクラックが到達していた。No. 4は5本とも折損せず、圧痕が僅かに拡がっただけであった。No. 1〜3は本発明の比較例であり、No. 4は本発明の実施例である。この結果から、本発明の方法で得られたピニオンシャフト1は、フレーキングが生じた場合でも折損が生じ難いことが分かる。
実施形態で使用した試験装置を示す断面図である。
符号の説明
1 ピニオンシャフト
11 ピニオンギヤ
12 針状ころ
13 保持器
2 油穴
3 キャリア
4 回転軸
41 油穴
5 サンギヤ
6 回転軸
8 キャリア

Claims (2)

  1. 転がり軸受の内輪軌道面として機能する面を有する軸の製造方法において、
    炭素(C)含有率が0.9質量%以上1.5質量%以下、クロム(Cr)含有率が0.9質量%以上1.2質量%以下、珪素(Si)含有率が0.4質量%以上0.8質量%以下、マンガン(Mn)含有率が0.9質量%以上1.2質量%以下であり、残部が鉄および不可避不純物である合金鋼からなる素材を軸の形状に加工した後、
    この軸の表層部に窒素を導入する処理を行わずに、焼入れ焼戻しを行うことにより、表層部の硬さをビッカース硬さ(Hv)で700以上、芯部の硬さをビッカース硬さ(Hv)で260以下とし、表層部の残留オーステナイト量を15体積%以上50体積%以下とし、芯部のオーステナイト量を0にすることを特徴とする軸の製造方法。
  2. プラネタリギヤ装置のサンギヤおよびリングギヤに螺合するピニオンギヤを、転動体を介して回転自在に支持するピニオンシャフトであって、
    請求項1に記載の方法で製造され、表層部の窒素含有率が0.03質量%以下、表層部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で700以上、芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で260以下、表層部の残留オーステナイト量が15体積%以上50体積%以下、芯部のオーステナイト量が0となっていることを特徴とするピニオンシャフト。
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