JP2007176325A - 車両懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪に接続されるチューブのストローク量を大きくすることが可能となり軸方向の小型化を容易に行うことができ、また、横荷重を支える各軸受け間の距離を長くすることが可能な車両懸架装置を提供する。
【解決手段】軸部材25は、筒状のロータ部材24の筒内に該ロータ部材24の内周面と所定隙間34を形成するように同軸に挿通され、上端部が該ロータ部材24に固設されて、ロータ部材24と一体的に回転するように設けられている。そして、左前輪3A又は右前輪3Bに接続されるチューブ8は、この軸部材25に摺動自在に嵌装されて、該軸部材25とロータ部材24との隙間34に進入可能に設けられている。また、軸部材25の外周面に当接するメタル軸受65は、チューブ8の上端部近傍の内周部に固設され、該チューブ8の内周面に当接するメタル軸受51は、該軸部材25の下端部に固定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両懸架装置に関し、特に、車輪に接続されるチューブの軸方向の変位と懸架バネ内に設けられたモータのロータの回転とがボール螺子ナット等を介して相対的に変換される車両懸架装置に関するものである。
従来より、車輪に接続されるチューブの軸方向の変位と懸架バネ内に設けられたモータのロータの回転とがボール螺子ナット等を介して相対的に変換される車両懸架装置が種々提案されている。
例えば、車体側チューブの内側または外側に、下方懸架バネ受が外周に設けられた車軸側チューブを摺動自在に嵌装するとともに、モータを車体側チューブ内もしくは外方に結合させ、車軸側チューブ内に当該車軸側チューブと一体的に移動するボール螺子ナットを設け、上記ボール螺子ナット内にモータシャフトに直接または動力伝達手段を介して結合した螺子軸、もしくは、モータシャフトに一体に連設した螺子軸を回転自在に螺合し、ボール螺子ナットの直線運動を螺子軸の回転運動に変換し、この回転運動をモータシャフトに伝達して当該モータに電磁力を発生させ、この電磁力に起因する上記モータシャフトの回転に抗するトルクを車軸側チューブの直線運動を抑制する減衰力として利用する車両懸架装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−197817号公報(段落(0058)〜(0119)、図1〜図3)
しかしながら、前記した特許文献1に記載された車両懸架装置では、螺子軸を懸架バネ内に設けたモータから外側に突出するモータシャフトの先端部に結合又は一体に連設しているため、車軸側チューブのストローク量がモータの全長分短くなり軸方向の小型化が難しいという問題がある。また、車体側チューブの下端部と車軸側チューブ上端部とのそれぞれに軸受部材が設けられるため、横荷重を支える各軸受部材間の距離が短くなって、各軸受けの負荷荷重が大きくなり、滑らかな摺動が得難く、乗り心地が悪くなるという問題がある。更に、車体側チューブで車両懸架装置の曲げ荷重を支える必要があるため、剛性確保のため車体側チューブが太くなり、全体的に太くなるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車輪に接続されるチューブのストローク量を大きくすることが可能となり軸方向の小型化を容易に行うことができ、また、横荷重を支える各軸受け間の距離を長くすることが可能となり乗り心地の向上を図ることができ、更に、車体側チューブでなく軸部材で車両懸架装置の曲げ荷重を支えることができ全体的に細くすることが可能となる車両懸架装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係る車両懸架装置は、上方懸架バネ受と前記上方懸架バネ受の下側に配置されて下方に開口されるモータフレームとが設けられた車体取付部材と、前記モータフレームの内周部に設けられるステータと、前記モータフレーム内に回転自在に取り付けられて下方に拡径した筒状のロータと、前記ロータの筒孔内に該筒孔の内周面と所定隙間を形成するように同軸に挿通されて上端部が該ロータに固設されて該ロータと一体的に回転する軸部材と、前記軸部材の外側に摺動自在に嵌装されて該軸部材と前記ロータとの隙間に進入可能に設けられて車輪側に接続されるチューブと、前記チューブの外周に設けられた下方懸架バネ受と、前記上方懸架バネ受と前記下方懸架バネ受との間に介装されると共に前記モータフレームの外側に配置される懸架バネと、前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とを相対的に変換する変換手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る車両懸架装置は、請求項1に記載の車両懸架装置において、前記変換手段は、前記軸部材の下方所定長さの外周面に形成される雄ねじ部と、前記チューブ内に固設されて前記雄ねじ部に螺合するボール螺子ナットと、を有し、前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とが前記ボール螺子ナット及び前記雄ねじ部を介して相対的に変換されることを特徴とする。
また、請求項3に係る車両懸架装置は、請求項2に記載の車両懸架装置において、前記チューブ内に下方から挿入されて上端側に前記ボール螺子ナットが固設されると共に、下端側が該チューブに固着されるインナチューブを備えたことを特徴とする。
また、請求項4に係る車両懸架装置は、請求項2に記載の車両懸架装置において、前記チューブ内に下方から挿入されて下端側が該チューブに固着される第1インナチューブと、該チューブ内に上方から挿入されて下端側に前記ボール螺子ナットが固設されると共に、該ボール螺子ナットが前記第1インナチューブに当接した状態で上端側が該チューブに固設される第2インナチューブと、を備えたことを特徴とする。
また、請求項5に係る車両懸架装置は、請求項1に記載の車両懸架装置において、前記変換手段は、前記チューブの上方所定長さの外周面に形成される雄ねじ部と、前記ロータの下端面から下側方向に所定長さ延出される筒状の延出部と、前記延出部の下端部に固設されて前記雄ねじ部に螺合するボール螺子ナットと、を有し、前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とが前記雄ねじ部及び前記ボール螺子ナットを介して相対的に変換されることを特徴とする。
また、請求項6に係る車両懸架装置は、上方懸架バネ受と前記上方懸架バネ受の下側に配置されて下方に開口されるモータフレームとが設けられた車体取付部材と、前記モータフレームの内周部に設けられるステータと、前記モータフレーム内に回転自在に取り付けられて上下に貫通する筒状のロータと、前記ロータの筒孔内に該筒孔の内周面と所定隙間を形成するように同軸に挿通されて上端部が前記モータフレームに固設される軸部材と、前記軸部材の外側に摺動自在に嵌装されて該軸部材と前記ロータとの隙間に進入可能に設けられて車輪側に接続されるチューブと、前記チューブの外周に設けられた下方懸架バネ受と、前記上方懸架バネ受と前記下方懸架バネ受との間に介装されると共に前記モータフレームの外側に配置される懸架バネと、前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とを相対的に変換する変換手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項7に係る車両懸架装置は、請求項6に記載の車両懸架装置において、前記変換手段は、前記チューブの上方所定長さの外周面に形成される雄ねじ部と、前記ロータの筒孔内に固設されて前記チューブの雄ねじ部に螺合するボール螺子ナットと、を有し、前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とが前記雄ねじ部及び前記ボール螺子ナットを介して相対的に変換されることを特徴とする。
また、請求項8に係る車両懸架装置は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の車両懸架装置において、前記ステータ又はロータのうちの一方に巻装される複数個のコイルと、該ステータ又はロータのうちの他方の前記各コイルに対向する位置に設けられる永久磁石と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項9に係る車両懸架装置は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の車両懸架装置において、前記軸部材は、下端部から軸心に沿って穿設された所定深さの油案内孔と、外周面の軸方向に沿って複数カ所に穿設されて前記油案内孔に連通する複数のオイル孔と、を有し、前記チューブは、該チューブ内の下方に所定量の潤滑油を有することを特徴とする。
更に、請求項10に係る車両懸架装置は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の車両懸架装置において、前記チューブの上端部の内周部に固設されて前記軸部材の外周面に当接する第1軸受部材と、該軸部材の下端部の外周部に固設されて該チューブの内周面に当接する第2軸受部材と、を備えたことを特徴とする。
前記構成を有する請求項1に係る車両懸架装置では、車輪側に接続されるチューブは、筒状のロータの筒内に該筒孔の内周面と所定隙間を形成するように同軸に挿通されて上端部が該ロータに固設されて該ロータと一体的に回転する軸部材に摺動自在に嵌装されて、該軸部材とロータとの隙間に進入可能に設けられているため、このチューブは、懸架バネ内に配設されたモータ内に進入可能となり軸方向のストローク量を大きくすることができ、軸方向の小型化を容易に行うことが可能となる。
また、上端部が該ロータに固設されて該ロータと一体的に回転する軸部材によって車両懸架装置の曲げ荷重を支えることができ車両懸架装置を全体的に細くすることが可能となる。
また、車輪側に接続されるチューブの軸方向の変位を変換手段を介してモータフレーム内のロータの回転に変換することによって、該チューブの直線運動を抑制する減衰力を発生させることが可能となると共に、ロータの回転を該変換手段を介してチューブの軸方向の変位に変換することによって、懸架バネによる減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
また、請求項2に係る車両懸架装置では、上端部がロータに固設されて該ロータと一体的に回転する軸部材の下方所定長さの外周面に雄ねじ部が形成され、この雄ねじ部にチューブ内に固設されたボール螺子ナットが螺合するため、車輪側に接続されるチューブの軸方向の変位を該ボール螺子ナットを介してロータの回転にスムーズに変換することが可能となると共に、ロータの回転を該ボール螺子ナットを介してチューブの軸方向の変位にスムーズに変化することが可能となる。
また、請求項3に係る車両懸架装置では、チューブ内に下方から挿入されて上端側にボール螺子ナットが固設されると共に、下端側が該チューブに固着されるインナチューブを設けることによって、チューブを所定厚さのパイプで構成することが可能となり、簡易な構成にすることが可能となる。
また、請求項4に係る車両懸架装置では、第1インナチューブがチューブ内に下方から挿入されて下端側が該チューブに固着される。また、ボール螺子ナットを下端部に固設された第2インナーチューブは、このボール螺子ナットが軸部材に螺合すると共に第1インナチューブに当接した状態で上端側が該チューブに固設される。これにより、チューブ、第1インナチューブ及び第2インナチューブを所定厚さのパイプで構成することが可能となり、簡易な構成にすることが可能となる。
また、請求項5に係る車両懸架装置では、チューブの上方所定長さの外周面に雄ねじ部が形成され、この雄ねじ部にロータの下側方向に延出される延出部の下端部に固設されたボール螺子ナットが螺合するため、車輪側に接続されるチューブの軸方向の変位を該ボール螺子ナットを介してロータの回転にスムーズに変換することが可能となると共に、ロータの回転を該ボール螺子ナットを介してチューブの軸方向の変位にスムーズに変化することが可能となる。
また、請求項6に係る車両懸架装置では、車輪側に接続されるチューブは、筒状のロータの筒内に該筒孔の内周面と所定隙間を形成するように同軸に挿通されて上端部がモータフレームに固設される軸部材に摺動自在に嵌装されて、該軸部材とロータとの隙間に進入可能に設けられているため、このチューブは、懸架バネ内に配設されたモータ内に進入可能となり軸方向のストローク量を大きくすることができ、軸方向の小型化を容易に行うことが可能となる。
また、上端部がモータフレームに固設された軸部材によって車両懸架装置の曲げ荷重を支えることができ全体的に細くすることが可能となる。
また、車輪側に接続されるチューブの軸方向の変位を変換手段を介してモータフレーム内のロータの回転に変換することによって、該チューブの直線運動を抑制する減衰力を発生させることが可能となると共に、ロータの回転を該変換手段を介してチューブの軸方向の変位に変換することによって、懸架バネによる減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
また、請求項7に係る車両懸架装置では、チューブの上方所定長さの外周面に雄ねじ部が形成され、この雄ねじ部にロータの筒孔内に固設されたボール螺子ナットが螺合するため、車輪側に接続されるチューブの軸方向の変位を該ボール螺子ナットを介してロータの回転にスムーズに変換することが可能となると共に、ロータの回転を該ボール螺子ナットを介してチューブの軸方向の変位にスムーズに変化することが可能となる。
また、請求項8に係る車両懸架装置では、ステータ又はロータのうちの一方に複数個のコイルが巻装され、他方の各コイルに対向する位置に永久磁石が設けられるため、ステータに巻装される各コイルを短絡することによって該チューブの直線運動を抑制する減衰力を発生させることが可能となると共に、ステータに巻装される各コイルに所定の電圧を印加することにより懸架バネの減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
また、請求項9に係る車両懸架装置では、軸部材には、下端部から軸心に沿って油案内孔が穿設されると共に、この油案内孔に連通する複数のオイル孔が、外周面の軸方向に沿って複数カ所に穿設されているため、チューブ内の下方にある潤滑油は、該チューブの軸方向の移動に伴って油案内孔及び各オイル孔内を流れる。これにより、油案内孔及び各オイル孔内を流れる潤滑油の抵抗によってチューブの直線運動を抑制する減衰力が発生し、乗り心地の更なる向上を図ることが可能となる。
更に、請求項10に係る車両懸架装置では、軸部材の外周面に当接する第1軸受部材は、チューブの上端部の内周部に固設され、該チューブの内周面に当接する第2軸受部材は、該軸部材の下端部の外周部に固設されるため、横荷重を支える第1軸受部材と第2軸受部材との軸方向間の距離を長くすることが可能となり乗り心地の向上を図ることができる。
以下、本発明に係る車両懸架装置について具体化した実施例1乃至実施例6に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、実施例1に係る車両懸架装置について図1乃至図4を用いて説明する。図1は実施例1に係る車両懸架装置が設けられた車両の構成を示す図である。図2は実施例1に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。図3は図2に示す車両懸架装置が縮んだ状態を示す図である。図4は図2に示す車両懸架装置が伸びた状態を示す図である。
図1に示すように、車両1は、車体2と、左前輪3A、右前輪3B、左後輪3C及び右後輪3Dとを備えている。また、各車輪3A〜3Dは、ホイールとゴムタイヤから構成されている。また、車体2と左前輪3A及び右前輪3Bは、実施例1に係る各車両懸架装置4で連結されている。また、車体2と左後輪3C及び右後輪3Dは、それぞれ各コイルスプリング5と各ダンパ6で連結されている。
次に、車両懸架装置4の構成について図2に基づいて説明する。
図2に示すように、車両懸架装置4は、車体取付部材5を介して上端部が各ボルト6によって車体2にボルト止めによって連結され、また、筒状のチューブ8の下方側面に設けられたアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されて、いわゆるストラット形に構成されている。
また、各ボルト6によって車体2にボルト止めされる車体取付部材5は、上下一対のブラケット11、12と、この各ブラケット11、12によって抱持されると共に熱溶着や接着等により取り付けられたゴム製でリング状のインシュレータ13と、このインシュレータ13に熱溶着や接着等により取り付けられた上方懸架バネ受15とから構成されている。
この各ブラケット11、12は、インシュレータ13を抱持可能なように内周側に凹部を設けた円盤状に形成されており、その外周近傍には車体2連結するための各ボルト6が挿入可能なように複数の孔が設けられている。
また、上方懸架バネ受15は、インシュレータ13に挿通されて固着される筒部16と、この筒部16の下端周縁部から直角外側方向に延出されたフランジ部17と、このフランジ部17の外周縁部から斜め下側方向に所定長さ延出されて、懸架バネ18の上端部がダストカバー19を挟んで当接されるバネ受部20とから構成されている。
また、図2に示すように、上方懸架バネ受15の下側には、モータ22が取り付けられている。このモータ22は、上方懸架バネ受15の下側に固定されるモータフレーム23と、このモータフレーム23内に回転自在に取り付けられるロータとして機能するロータ部材24と、上端部が該ロータ部材24に固設されて該ロータ部材24と一体的に回転する所定長さの軸部材25と、から基本的に構成されている。
このモータフレーム23は、下方に開口されると共に、上端面部には上方懸架バネ受15の筒部16に挿通される筒状の取付部27が形成されている。また、この取付部27の軸方向の長さは、上方懸架バネ受15の筒部16よりも長く形成され、上端部に雄ねじ部が形成され、ナット28によって該上方懸架バネ受15の下面に取り付けられている。また、この取付部27の内周下端部には、ロータ部材24の上端外周部に圧入された転がり軸受29が下方から嵌入される段部30が形成されている。
また、モータフレーム23の内周部には、電磁鋼板等を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成されるステータ31が圧入や接着等によって固設され、複数個のコイル32が巻装されている。
また、ロータとして機能するロータ部材24は、図2に示すように、該ロータ部材24の内周部と軸部材25の外周面とによってチューブ8が進入可能な所定隙間34を形成するように下方に拡径した筒状であって、上端部に転がり軸受29が外周部に圧入される軸受筒部33が形成されている。また、ロータ部材24の外周面には電磁鋼板等を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成されるコア24Aが圧入や接着等によって固設されると共に、このコア24Aの外周部には、各コイル32に対向する位置に各永久磁石24Bが接着等によって取り付けられている。また、ロータ部材24の下端部の外周面には、内側方向に凹む段部35が形成され、下方から転がり軸受36が圧入や接着等によって取り付けられている。
そして、このロータ部材24は、軸受筒部33を転がり軸受29と共に下方からモータフレーム23の取付部27内に嵌入後、下端部に取り付けられた転がり軸受36の外輪部を、モータフレーム23の下端部に各ボルト38によってボルト止めされる略リング状のカバー部材39によって支持することによって、モータフレーム23に対して回転自在に取り付けられている。
また、軸部材25は、上端部に少し細い段差部41が形成されている。この段差部41は、ロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入されて、該軸受筒部33よりも外側に所定長さ突出するように形成されると共に、この段差部41の軸受筒部33よりも外側に突出する部分には雄ねじ部が形成されている。従って、軸部材25は、段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入後、固定ナット42によって固定することによって、このロータ部材24と一体的に回転可能に取り付けられると共に、該ロータ部材24の内周面と所定隙間34を形成するように同軸に取り付けられる。
また、この軸部材25は、約下側半分の外周面に雄ねじ部25Aが形成され、後述のようにチューブ8内に固定されたボール螺子ナット45が螺合される。また、この軸部材25の下端部には、所定深さのネジ孔47が形成され、上端面中央部にネジ48が立設されて該軸部材25と略同一外径に形成された軸口部材49がねじ込まれている。また、この軸口部材49には、上方から円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられ、チューブ8の内周面と摺接するように構成されている。また、軸口部材49には、上端面から下端面に連通するオイル孔52が穿設されると共に、このオイル孔52の上端部から外周面に達するオイル溝53が形成され、この軸口部材49を軸部材25の下端面にねじ込むことによって、オイル孔52及びオイル溝53によって、軸部材25の下端部外周からチューブ8の下端部に連通する連通孔が形成される。これにより、チューブ8内の下端部及びチューブ8内周部と軸部材25との間に形成される下方の隙間に注入された所定量の潤滑油55が、該チューブ8の車体2に対する上下移動によって、オイル孔52及びオイル溝53によって形成される連通孔内を流れる。これにより、ボール螺子ナット45やメタル軸受51(第2軸受部材)等への潤滑ができる。更に、オイル孔52及びオイル溝53を流れる潤滑油55の抵抗によってチューブ8の直線運動を抑制する減衰力が発生し、乗り心地の更なる向上を図ることも可能となる。
尚、潤滑油55が必要でない場合は、潤滑油55をチューブ8内に注入しなくてもよい。
一方、アクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されるチューブ8は、略筒状であって、その下端が溶接等によって取り付けられたキャップ8Aによって封止されている。また、チューブ8の上端部の外径は、ロータ部材24の内周部と軸部材25の外周面とによって形成される隙間34内に進入可能に形成されている。例えば、通常状態では、チューブ8の上端部は、ロータ部材24の下端内周部に対向している。
また、チューブ8の内周部は、軸方向略上半分の内径が、ボール螺子ナット45をチューブ8の上端側から嵌入可能となるように、下側の内径よりも少し大きくなるように形成され、軸方向略中央部に段差部61が形成されている。そして、ボール螺子ナット45は、この段差部61に当接した状態で、ネジ62によってチューブ8内に固定され、軸部材25の雄ねじ部25Aに螺合している。また、チューブ8の下方の内周部には、軸部材25の下端部にねじ込まれた軸口部材49に設けられたメタル軸受51が摺接するように構成されている。
また、チューブ8の上端部近傍の内周部には、先ず、上方から円筒形のメタル軸受65(第1軸受部材)が圧入されて取り付けられ、軸部材25の外周面と摺接するように構成されている。また、チューブ8の上端部近傍の内周部には、このメタル軸受65の上側に、オイルシール66が上方から圧入されて取り付けられ、軸部材25の外周面と摺接するように構成されている。更に、チューブ8の上端には、中央部に軸部材25が挿通される貫通孔が形成されるカバー67がカシメや溶接等によって固定され、泥や埃等のチューブ8内への侵入を防止している。
また、チューブ8の外周面には、下方懸架バネ受71が溶接等によって固設されている。また、上方懸架バネ受15と下方懸架バネ受71との間に懸架バネ18が介装され、ダストカバー19が懸架バネ18の内側に保持されると共に、このダストカバー19の内側にモータ22及びチューブ8の上端部が位置するように構成されている。
ここで、車両懸架装置4の組み立てについて図2に基づき説明する。
先ず、各ブラケット11、12を内周側に凹部を設けた円盤状に形成し、この各部ラケット11、12にインシュレータ13を抱持すると共に熱溶着や接着等により取り付ける。そして、このインシュレータ13に上方懸架バネ受部15の筒部16を下方から挿入して熱溶着や接着等により取り付けて、車体取付部材5を組み立てる。
また、モータフレーム23に下方から複数個のコイル32を巻装したステータ31を圧入や接着等によって固設する。また、ロータ部材24の上下端縁部の外周部に各転がり軸受29、36を圧入や接着等によって取り付ける。そして、このロータ部材24の転がり軸受29を下方からモータフレーム23の取付部27内に嵌入後、下端部に取り付けられた転がり軸受36の外輪部に、略リング状のカバー部材39を当接させると共に、該カバー部材39をモータフレーム23の下端部に各ボルト38によってボルト止めしてモータ22を構成する。
続いて、軸部材25にボール螺子ナット45を螺合させた後、軸部材25の下端部に円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられた軸口部材49をねじ込んで固定する。
次に、チューブ8の外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ8にボール螺子ナット45及び軸部材25を上端部から嵌入して該ボール螺子ナット45を段差部61に当接させた状態で、ネジ62によってボール螺子ナット45をチューブ8内に固定する。また、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ8の上端部からメタル軸受65を圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ8の上端部にカシメ等によって固定する。
その後、車体取付部材5にモータ22の取付部27を下方から挿入してナット28によって固定する。
そして、ダストカバー19を懸架バネ18の内側に上方から挿入した状態で、上方懸架バネ受15に下方から当接させる。そして、上記チューブ8内に挿入された軸部材25の段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入して固定ナット42によって、ロータ部材24に固定して車両懸架装置4を組み立てる。
次に、このように構成された車両懸架装置4の作動について図3及び図4に基づいて説明する。
図3に示すように、左前輪3A又は右前輪3Bが車体2に対して近づいた場合には、チューブ8は、アクスルブラケット9を介して上方(矢印75方向)に移動され、各メタル軸受51、65を介して軸部材25に沿って上方に摺動移動する。また、このチューブ8の上端部は、ロータ部材24の内周部と軸部材25の外周面とによって形成される隙間34に進入して、該ロータ部材24の内側上端部近傍まで、移動可能となる。また、この時には、チューブ8内の下方に注入された潤滑油55は、軸部材25の下端部に設けられたオイル孔52及びオイル溝53を経て、チューブ8内周部と軸部材25との間に形成される下方の隙間からチューブ8内のボール螺子ナット45まで達するため、このボール螺子ナット45に潤滑油を給油してスムーズに作動させることが可能となる。
そして、図4に示すように、左前輪3A又は右前輪3Bが車体2に対して離れた場合には、チューブ8は、アクスルブラケット9を介して下方(矢印76方向)に移動され、各メタル軸受51、65を介して軸部材25に沿って下方に摺動移動する。また、このチューブ8の上端部は、ロータ部材24の内周部と軸部材25の外周面とによって形成される隙間34の外側下方に移動することとなる。また、この時には、チューブ8内の下端部及びチューブ8内周部と軸部材25との間に形成される下方の隙間に注入された潤滑油55は、軸部材25の下端部に設けられたオイル溝53及びオイル孔52を経て、該チューブ8の下端部に溜まるように流れる。
また、図3及び図4に示すように、チューブ8が左前輪3A又は右前輪3Bの動きに伴って、車体2に対して軸方向に移動した場合には、このチューブ8内に固定されたボール螺子ナット45が軸部材25に対して軸方向に移動する。このため、該ボール螺子ナット45のボールが軸部材25の軸方向に移動するが、この時、当該ボールは軸部材25の雄ねじ部25Aの螺旋状の螺子溝に沿って移動するため、軸部材25は回転され、ロータ部材24も該軸部材25と共に一体的に回転される。一方、モータフレーム23は、車体取付部材5を介して車体2に対して固定されているため、該ロータ部材24の回転によって、各コイル32には誘導起電力に起因する電流が流れる。このため、各コイル32が短絡されている場合には、各コイル32に電磁力が発生し、軸部材25の回転に抗するトルクが発生する。
尚、ステータ31の各コイル32が励磁されてロータ部材24が回転された場合には、軸部材25が一体的に回転する。このため、軸部材25に螺合するボール螺子ナット45のボールが、軸部材25の雄ねじ部25Aの螺旋状の螺子溝に沿って移動するため、このボール螺子ナット45は軸方向に移動され、チューブ8もボール螺子ナット45と共に一体的に軸方向に移動される。
以上詳細に説明した通り、実施例1に係る車両懸架装置4では、軸部材25は、筒状のロータ部材24の筒内に該ロータ部材24の内周面と所定隙間34を形成するように同軸に挿通され、上端部が該ロータ部材24に固設されて、ロータ部材24と一体的に回転するように設けられている。そして、左前輪3A又は右前輪3Bに接続されるチューブ8は、この軸部材25に摺動自在に嵌装されて、該軸部材25とロータ部材24との隙間34に進入可能に設けられている。このため、このチューブ8は、懸架バネ18内に配設されたモータ22内に進入可能となり軸方向のストローク量を大きくすることができ、軸方向の小型化を容易に行うことが可能となる。
また、上端部が固定ナット42によってロータ部材24に固設されて、ロータ部材24と一体的に回転する軸部材25によって、各メタル軸受51、65に負荷される車両懸架装置4の曲げ荷重を支えることができ、軸部材25を含む車両懸架装置4を全体的に細くすることが可能となる。
また、上端部に形成される段差部41が、固定ナット42によってロータ部材24に固設されて該ロータ部材24と一体的に回転すると共に下方所定長さの外周面に雄ねじ部25Aが形成された軸部材25と、この軸部材25の雄ねじ部25Aに螺合するボール螺子ナット45とによって、アクスルブラケット9を介して左前輪3A又は右前輪3Bに接続されるチューブ8の軸方向の変位とロータ部材24の回転とが相対的に変換されるため、モータフレーム23に固定されたステータ31に巻装される各コイル32を短絡することによって該チューブ8の直線運動を抑制する減衰力を発生させることが可能となると共に、ステータ31に巻装される各コイル32に所定の電圧を印加することにより減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
更に、軸部材25の外周面に当接するメタル軸受65は、チューブ8の上端部近傍の内周部に固設され、該チューブ8の内周面に当接するメタル軸受51は、該軸部材25の下端部に固定された軸口部材49の外周部、即ち該軸部材25の下端部近傍の外周部に固設されるため、横荷重を支えるメタル軸受65とメタル軸受51との軸方向間の距離を長くすることが可能となり乗り心地の向上を図ることができる。
次に、実施例2に係る車両懸架装置について図5に基づいて説明する。図5は実施例2に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。
尚、以下の説明において上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この実施例2に係る車両懸架装置の構成は、実施例1に係る車両懸架装置4とほぼ同じ構成である。
但し、図5に示すように、実施例2に係る車両懸架装置81は、実施例1に係るチューブ8に替えて一様な所定肉厚のパイプで形成されるチューブ85で構成されている点で異なっている。
このアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されるチューブ85は、一様な所定肉厚のパイプであって、その下端が溶接等によって取り付けられたキャップ85Aによって封止されている。また、チューブ85の上端部の外径は、ロータ部材24の内周部と軸部材25の外周面とによって形成される隙間34内に進入可能に形成されている。例えば、通常状態では、チューブ85の上端部は、ロータ部材24の下端内周部に対向している。
また、チューブ85の内径はボール螺子ナット45の外径とほぼ同じ寸法に形成され、その下端が溶接等によって取り付けられたキャップ85Aによって封止されている。また、このチューブ85内の略下側半分には、上記実施例1に係るチューブ8の段差部63に替えて、このボール螺子ナット45の外径とほぼ同じ外径寸法の薄肉厚のパイプで形成されたインナチューブ86が挿入されて、キャップ85Aに下端部が溶接等によって固定されている。また、このインナチューブ86の上端部には、軸部材25の雄ねじ部25Aに螺合されるボール螺子ナット45の下端部が溶接等によって固定されている。また、インナチューブ86の内周部には、軸部材25の下端部にねじ込まれた軸口部材49に設けられたメタル軸受51が摺接するように構成されている。また、チューブ85の下端部には、所定量の潤滑油55が注入されている。
尚、インナチューブ86の下端部をキャップ85Aに溶接等によって固定する方法に替えて、上記実施例1のように、ボール螺子ナット45及びインナチューブ86をチューブ85の上端部から嵌入させ、このインナチューブ86の下端部をキャップ85Aに当接させた状態で、ネジ62によってボール螺子ナット45をチューブ85内に固定してもよい。
また、チューブ85の上端部近傍の内周部には、先ず、上方から円筒形のメタル軸受65(第1軸受部材)が圧入されて取り付けられ、軸部材25の外周面と摺接するように構成されている。また、チューブ85の上端部近傍の内周部には、このメタル軸受65の上側に、オイルシール66が上方から圧入されて取り付けられ、軸部材25の外周面と摺接するように構成されている。更に、チューブ85の上端には、中央部に軸部材25が挿通される貫通孔が形成されるカバー67がカシメや溶接等によって固定され、泥や埃等のチューブ85内への侵入を防止している。
また、チューブ85の外周面には、下方懸架バネ受71が溶接等によって固設されている。また、上方懸架バネ受15と下方懸架バネ受71との間に懸架バネ18が介装され、ダストカバー19が懸架バネ18の内側に保持されると共に、このダストカバー19の内側にモータ22及びチューブ85の上端部が位置するように構成されている。
ここで、車両懸架装置81の組み立てについて図5に基づき説明する。
先ず、上記実施例1の車両懸架装置4と同様に、車体取付部材5と、モータ22を構成する。続いて、軸部材25にボール螺子ナット45及びインナチューブ86を下方から挿入して螺合させた後、軸部材25の下端部に円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられた軸口部材49をねじ込んで固定する。
次に、チューブ85の外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ85にボール螺子ナット45、インナチューブ86及び軸部材25を下端部から嵌入してインナチューブ86の下端部をキャップ85Aに溶接すると共に、該キャップ85Aをチューブ85の下端部に溶接等によって固定して封止する。また、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ85の上端部からメタル軸受65を圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ85の上端部にカシメ等によって固定する。
その後、車体取付部材5にモータ22の取付部27を下方から挿入してナット28によって固定する。
そして、ダストカバー19を懸架バネ18の内側に上方から挿入した状態で、上方懸架バネ受15に下方から当接させる。そして、上記チューブ85内に挿入された軸部材25の段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入して固定ナット42によって、ロータ部材24に固定して車両懸架装置81を組み立てる。
従って、実施例2に係る車両懸架装置81では、上記実施例1の車両懸架装置4の効果に加えて、チューブ85内に下方から挿入されて上端側にボール螺子ナット45が固設されると共に、下端側が該チューブ85のキャップ85Aに固着されるインナチューブ86を設けることによって、チューブ85及びインナチューブ86を所定厚さのパイプで構成することが可能となり、簡易な構成にすることが可能となる。
次に、実施例3に係る車両懸架装置について図6に基づいて説明する。図6は実施例3に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。
尚、以下の説明において上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この実施例3に係る車両懸架装置の構成は、実施例1に係る車両懸架装置4とほぼ同じ構成である。
但し、図6に示すように、実施例3に係る車両懸架装置91は、実施例1に係るチューブ8に替えて一様な所定肉厚のパイプで形成されるチューブ95で構成されている点で異なっている。
このアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されるチューブ95は、一様な所定肉厚のパイプであって、その下端が溶接等によって取り付けられたキャップ95Aによって封止されている。また、チューブ95の上端部の外径は、ロータ部材24の内周部と軸部材25の外周面とによって形成される隙間34内に進入可能に形成されている。例えば、通常状態では、チューブ95の上端部は、ロータ部材24の下端内周部に対向している。
また、チューブ95の内径はボール螺子ナット45の外径とほぼ同じ寸法に形成され、その下端が溶接等によって取り付けられたキャップ95Aによって封止されている。また、このチューブ95内の略下側半分には、上記実施例1に係るチューブ8の段差部63に替えて、このボール螺子ナット45の外径とほぼ同じ外径寸法の薄肉厚のパイプで形成された下側インナチューブ(第1インナチューブ)96が挿入されて、キャップ95Aに下端部が溶接等によって固定されている。また、この下側インナチューブ96の上端部には、軸部材25の雄ねじ部25Aに螺合されるボール螺子ナット45の下端部が当接されている。また、このボール螺子ナット45の上端部には、このボール螺子ナット45の外径とほぼ同じ外径寸法の薄肉厚のパイプで形成された上側インナチューブ(第2インナチューブ)97が溶接等によって固定されている。また、下側インナチューブ96の内周部には、軸部材25の下端部にねじ込まれた軸口部材49に設けられたメタル軸受51が摺接するように構成されている。
尚、下側インナチューブ96の下端部をキャップ95Aに溶接等によって固定する方法に替えて、下側インナチューブ96を挿入後、ボール螺子ナット45及び上側インナチューブ97をチューブ95の上端部から嵌入させ、この下側インナチューブ96の下端部をキャップ95Aに当接させた状態で、ネジ62によってボール螺子ナット45をチューブ95内に固定してもよい。
また、チューブ95の上端部近傍の内周部には、先ず、上方から円筒形のメタル軸受65(第1軸受部材)が、上側インナチューブ97に当接するように圧入されて取り付けられ、軸部材25の外周面と摺接するように構成されている。また、チューブ95の上端部近傍の内周部には、このメタル軸受65の上側に、オイルシール66が上方から圧入されて取り付けられ、軸部材25の外周面と摺接するように構成されている。更に、チューブ95の上端には、中央部に軸部材25が挿通される貫通孔が形成されるカバー67がカシメや溶接等によって固定され、泥や埃等のチューブ95内への侵入を防止している。
また、チューブ95の外周面には、下方懸架バネ受71が溶接等によって固設されている。また、上方懸架バネ受15と下方懸架バネ受71との間に懸架バネ18が介装され、ダストカバー19が懸架バネ18の内側に保持されると共に、このダストカバー19の内側にモータ22及びチューブ95の上端部が位置するように構成されている。
ここで、車両懸架装置91の組み立てについて図6に基づき説明する。
先ず、上記実施例1の車両懸架装置4と同様に、車体取付部材5と、モータ22を構成する。続いて、軸部材25に、上側インナチューブ97及びボール螺子ナット45を、上側インナチューブ97側から下方より挿入して螺合させた後、軸部材25の下端部に円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられた軸口部材49をねじ込んで固定する。
次に、チューブ95の外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ95に軸部材25及び下側インナチューブ96を下端部から嵌入して下側インナチューブ96の下端部をキャップ95Aに溶接すると共に、該キャップ95Aをチューブ95の下端部に溶接等によって固定して封止する。また、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ95の上端部からメタル軸受65を上側インナチューブ97に当接するように圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ95の上端部にカシメ等によって固定する。
その後、車体取付部材5にモータ22の取付部27を下方から挿入してナット28によって固定する。
そして、ダストカバー19を懸架バネ18の内側に上方から挿入した状態で、上方懸架バネ受15に下方から当接させる。そして、上記チューブ95内に挿入された軸部材25の段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入して固定ナット42によって、ロータ部材24に固定して車両懸架装置91を組み立てる。
従って、実施例3に係る車両懸架装置91では、上記実施例1の車両懸架装置4の効果に加えて、下側インナチューブ96がチューブ95内に下方から挿入されて下端側が該チューブ95に固着される。また、ボール螺子ナット45を下端部に固設された上側インナチューブ97は、このボール螺子ナット45が軸部材25に螺合すると共に下側インナチューブ96に当接した状態で上端側が該チューブ95に固設される。これにより、チューブ95、下側インナチューブ96及び上側インナチューブ97を所定厚さのパイプで構成することが可能となり、簡易な構成にすることが可能となる。
次に、実施例4に係る車両懸架装置について図7に基づいて説明する。図7は実施例4に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。
尚、以下の説明において上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この実施例4に係る車両懸架装置の構成は、実施例1に係る車両懸架装置4とほぼ同じ構成である。
但し、図7に示すように、実施例4に係る車両懸架装置101は、実施例1に係る軸部材25及び軸口部材49に替えて軸部材105及び軸口部材112で構成されている点で異なっている。
この軸部材105は、上記軸部材25と同様に、上端部に少し細い段差部41が形成されている。従って、軸部材105は、段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入後、固定ナット42によって固定することによって、このロータ部材24と一体的に回転可能に取り付けられると共に、該ロータ部材24の内周面と所定隙間34を形成するように同軸に取り付けられる。
また、この軸部材105は、上記軸部材25と同様に、約下側半分の外周面に雄ねじ部25Aが形成され、チューブ8内に固定されたボール螺子ナット45が螺合される。また、この軸部材105の軸心上には、下端部から雄ねじ部25Aよりも上側の部分に達する所定内径の油案内孔106が形成されている。また、軸部材105の雄ねじ部25Aの外周面には、この油案内孔106に連通する複数のオイル孔107が、軸方向に沿って略等間隔で穿設されている。
また、この油案内孔106の下端部には所定深さの雌ねじ部108が形成され、上端面中央部にネジ111が立設されて該軸部材105と略同一外径に形成された軸口部材112がねじ込まれている。また、この軸口部材112には、軸心上に下端面からネジ111の上端面に連通する貫通孔113が穿設され、油案内孔106からチューブ8の下端部に連通する連通孔が形成されている。また、この軸口部材112には、上方から円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられ、チューブ8の内周面と摺接するように構成されている。
これにより、チューブ8内の下端部及びチューブ8内周部と軸部材105との間に形成される下方の隙間に注入された所定量の潤滑油55が、該チューブ8の車体2に対する上下移動によって、貫通孔113、油案内孔106及び各オイル孔107によって形成される連通孔内を流れる。尚、潤滑油55が必要でない場合は、潤滑油55をチューブ8内に注入しなくてもよい。
ここで、車両懸架装置101の組み立てについて図7に基づき説明する。
先ず、上記実施例1の車両懸架装置4と同様に、車体取付部材5と、モータ22を構成する。続いて、軸部材105にボール螺子ナット45を螺合させた後、軸部材105の下端部に円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられた軸口部材112をねじ込んで固定する。
次に、チューブ8の外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ8にボール螺子ナット45及び軸部材105を上端部から嵌入して該ボール螺子ナット45を段差部61に当接させた状態で、ネジ62によってボール螺子ナット45をチューブ8内に固定する。また、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ8の上端部からメタル軸受65を圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ8の上端部にカシメ等によって固定する。
その後、車体取付部材5にモータ22の取付部27を下方から挿入してナット28によって固定する。そして、ダストカバー19を懸架バネ18の内側に上方から挿入した状態で、上方懸架バネ受15に下方から当接させる。そして、上記チューブ8内に挿入された軸部材105の段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入して固定ナット42によって、ロータ部材24に固定して車両懸架装置101を組み立てる。
従って、実施例4に係る車両懸架装置101では、上記実施例1の車両懸架装置4の効果に加えて、軸部材105の雄ねじ部25Aには、該軸部材105の下端部から軸心に沿って穿設される油案内孔106に連通する複数のオイル孔107が、この雄ねじ部25Aの外周面の軸方向に沿って複数カ所に穿設されているため、チューブ8内の下方にある潤滑油55は、該チューブ8の軸方向の移動に伴って油案内孔106及び各オイル孔107を通って雄ねじ部25Aの外周面に送出されて、ボール螺子ナット45が更にスムーズに上下方向に移動すると共に、油案内孔106及び各オイル孔107を流れる潤滑油55の抵抗によってチューブ8の直線運動を抑制する減衰力が発生し、乗り心地の更なる向上を図ることが可能となる。
次に、実施例5に係る車両懸架装置について図8乃至図10に基づいて説明する。図8は実施例5に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。図9は図8に示す車両懸架装置が縮んだ状態を示す図である。図10は図8に示す車両懸架装置が伸びた状態を示す図である。
尚、以下の説明において、上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この実施例5に係る車両懸架装置の構成は、実施例1に係る車両懸架装置4と似た構成である。
但し、図8に示すように、実施例5に係る車両懸架装置121は、ボール螺子ナット145がロータ部材24の下端面から下側方向に所定長さ延出された筒状の延出部123の下端の内周部にネジ146によって固設され、チューブ158の略上半分の外周面に形成された雄ねじ部159に螺合するように構成されている点で異なっている。
以下、図8に基づいて車両懸架装置121の構成について説明する。
図8に示すように、車両懸架装置121は、車体取付部材5を介して上端部が各ボルト6によって車体2にボルト止めによって連結され、また、筒状のチューブ158の下方側面に設けられたアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されて、いわゆるストラット形に構成されている。
また、上方懸架バネ受15の下側には、モータ122が取り付けられている。このモータ122は、上記実施例1に係るモータ22とほぼ同じ構成で、上方懸架バネ受15の下側に固定されるモータフレーム23と、このモータフレーム23内に回転自在に取り付けられるロータとして機能するロータ部材24と、上端部が該ロータ部材24に固設されて該ロータ部材24と一体的に回転する所定長さの軸部材151と、から基本的に構成されている。
また、このロータ部材24の下端面から下側方向に所定長さ延出された筒状の延出部123が設けられている。また、この延出部123の下端の内周部は、ボール螺子ナット145を下端側から嵌入可能となるように、上側の内径よりも少し大きくなるように形成され、段差部125が形成されている。そして、ボール螺子ナット145は、この段差部125に当接した状態で、ネジ146によってロータ部材24の延出部123内に固定され、チューブ158の約上側半分の外周面に形成される雄ねじ部159に螺合している。
そして、このロータ部材24は、軸受筒部33を転がり軸受29と共に下方からモータフレーム23の取付部27内に嵌入後、下端部に取り付けられた転がり軸受36の外輪部を、モータフレーム23の下端部に各ボルト38によってボルト止めされる略リング状のカバー部材39によって支持することによって、モータフレーム23に対して回転自在に取り付けられている。
また、軸部材151は、上記実施例1に係る軸部材25とほぼ同じ構成であるが、外周面に雄ねじ部25Aが設けられていない点で異なっている。従って、該軸部材151は、段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入後、固定ナット42によって固定することによって、このロータ部材24と一体的に回転可能に取り付けられると共に、該ロータ部材24の内周面と所定隙間34を形成するように同軸に取り付けられる。
また、この軸部材151の下端部には、所定深さのネジ孔47が形成され、上記実施例1に係る軸口部材49がねじ込まれている。これにより、この軸口部材49に、上方から圧入されて取り付けられた円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が、チューブ158の内周面と摺接するように構成される。また、チューブ158内の下端部及びチューブ158内周部と軸部材151との間に形成される下方の隙間に注入された所定量の潤滑油55が、該チューブ158の車体2に対する上下移動によって、オイル孔52及びオイル溝53によって形成される連通孔内を流れるため、潤滑油55の抵抗によって該チューブ158の直線運動を抑制する減衰力が発生し、乗り心地の更なる向上を図ることが可能となる。
尚、潤滑油55が必要でない場合は、潤滑油55をチューブ158内に注入しなくてもよい。
一方、アクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されるチューブ158は、一様な所定肉厚のパイプであって、その下端が溶接等によって取り付けられたキャップ158Aによって封止されている。また、チューブ158の上端部の外径は、ロータ部材24の内周部と軸部材151の外周面とによって形成される隙間34内に進入可能に形成されている。例えば、通常状態では、チューブ158の上端部は、ロータ部材24の下端内周部、即ち、延出部123の上端内周部に対向している。
また、チューブ158の約上側半分の外周面には、雄ねじ部159が形成され、ロータ部材24の延出部123内に固定されたボール螺子ナット145に螺合している。
また、チューブ158の上端部近傍の内周部には、先ず、上方から円筒形のメタル軸受65(第1軸受部材)が圧入されて取り付けられ、軸部材151の外周面と摺接するように構成されている。また、チューブ158の上端部近傍の内周部には、このメタル軸受65の上側に、オイルシール66が上方から圧入されて取り付けられ、軸部材151の外周面と摺接するように構成されている。更に、チューブ158の上端には、中央部に軸部材151が挿通される貫通孔が形成されるカバー67がカシメや溶接等によって固定され、泥や埃等のチューブ158内への侵入を防止している。
また、チューブ158の雄ねじ部159の下側外周面には、下方懸架バネ受71が溶接等によって固設されている。また、上方懸架バネ受15と下方懸架バネ受71との間に懸架バネ18が介装されている。また、ダストカバー161がモータフレーム23の下端外周面に接着やネジ止め等によって取り付けられ、ボール螺子ナット145やチューブ158の雄ねじ部159への泥や埃等の侵入を防止している。
ここで、車両懸架装置121の組み立てについて図8に基づき説明する。
先ず、上記実施例1と同様にして、車体取付部材5を組み立てる。
また、モータフレーム23に下方から複数個のコイル32を巻装したステータ31を圧入や接着等によって固設する。
また、ロータ部材24の上下端縁部の外周部に各転がり軸受29、36を圧入や接着等によって取り付ける。
そして、このロータ部材24の転がり軸受29を下方からモータフレーム23の取付部27内に嵌入後、下端部に取り付けられた転がり軸受36の外輪部に、略リング状のカバー部材39を当接させると共に、該カバー部材39をモータフレーム23の下端部に各ボルト38によってボルト止めする。その後、ロータ部材24の延出部123内に下端からボール螺子ナット145を嵌入し、ネジ146によって固設してモータ122を構成する。そして、ダストカバー161をモータフレーム23の下端外周面に接着やネジ止め等によって取り付ける。
続いて、軸部材151の下端部に円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられた軸口部材49をねじ込んで固定する。
次に、チューブ158の雄ねじ部159の下側外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ158に軸部材151を上端部から嵌入し、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ158の上端部からメタル軸受65を圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ158の上端部にカシメ等によって固定する。
その後、車体取付部材5にモータ22の取付部27を下方から挿入してナット28によって固定する。
そして、懸架バネ18を上方懸架バネ受15に下方から当接させる。続いて、上記チューブ158の雄ねじ部159をボール螺子ナット145に下方から挿入して螺合させた状態で、このチューブ158内に挿入された軸部材151の段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入して固定ナット42によって、ロータ部材24に固定して車両懸架装置121を組み立てる。
次に、このように構成された車両懸架装置121の作動について図9及び図10に基づいて説明する。
図9に示すように、左前輪3A又は右前輪3Bが車体2に対して近づいた場合には、チューブ158は、アクスルブラケット9を介して上方(矢印165方向)に移動され、各メタル軸受51、65を介して軸部材151に沿って上方に摺動移動する。また、このチューブ158の上端部は、ロータ部材24及び延出部123の内周部と軸部材151の外周面とによって形成される隙間134に進入して、該ロータ部材24の内側上端部近傍まで、移動可能となる。また、この時には、チューブ158内の下方に注入された潤滑油55は、軸部材151の下端部に設けられたオイル孔52及びオイル溝53を経て、チューブ158内周部と軸部材151との間に形成される隙間に流入する。
そして、図10に示すように、左前輪3A又は右前輪3Bが車体2に対して離れた場合には、チューブ158は、アクスルブラケット9を介して下方(矢印166方向)に移動され、各メタル軸受51、65を介して軸部材151に沿って下方に摺動移動する。また、このチューブ158の上端部は、ロータ部材24及び延出部123の内周部と軸部材151の外周面とによって形成される隙間134を下方に移動して、ボール軸受ナット145の上端部近傍に位置することとなる。また、この時には、チューブ158内周部と軸部材151との間に形成される隙間に流入した潤滑油55は、軸部材151の下端部に設けられたオイル溝53及びオイル孔52を経て、該チューブ158の下端部に溜まるように流れる。
また、図9及び図10に示すように、チューブ158が左前輪3A又は右前輪3Bの動きに伴って、車体2に対して軸方向に移動した場合には、ボール螺子ナット145に螺合するチューブ158の雄ねじ部159が、このボール螺子ナット145に対して軸方向に移動する。このため、該ボール螺子ナット145のボールがチューブ158の軸方向に移動するが、この時、当該ボールはチューブ158の雄ねじ部159の螺旋状の螺子溝に沿って移動するため、ボール螺子ナット145は回転され、ロータ部材24も該ボール螺子ナット145と共に一体的に回転される。一方、モータフレーム23は、車体取付部材5を介して車体2に対して固定されているため、該ロータ部材24の回転によって、各コイル32には誘導起電力に起因する電流が流れる。このため、各コイル32が短絡されている場合には、各コイル32に電磁力が発生し、ロータ部材24の回転に抗するトルクが発生する。
尚、ステータ31の各コイル32が励磁されてロータ部材24が回転された場合には、該ロータ部材24の延出部123の下端に取り付けられたボール螺子ナット145が一体的に回転する。このため、ボール螺子ナット145のボールが、チューブ158の雄ねじ部159の螺旋状の螺子溝に沿って移動するため、このチューブ158は軸方向に移動される。
以上詳細に説明した通り、実施例5に係る車両懸架装置121では、軸部材151は、筒状のロータ部材24及び該ロータ部材24の下側方向に延出される延出部123とによって形成される筒内に、該ロータ部材24及び延出部123の内周面と所定隙間134を形成するように同軸に挿通されて上端部が該ロータ部材24に固設されて、該ロータ部材24と一体的に回転するように設けられている。そして、左前輪3A又は右前輪3Bに接続されるチューブ158は、この軸部材151に摺動自在に嵌装されて、該軸部材151とロータ部材24との隙間134に進入可能に設けられている。このため、このチューブ158は、懸架バネ18内に配設されたモータ122内に進入可能となり軸方向のストローク量を大きくすることができ、軸方向の小型化を容易に行うことが可能となる。
また、上端部が該ロータ部材24に固設されて該ロータ部材24と一体的に回転する軸部材151によって車両懸架装置121の曲げ荷重を支えることができ、軸部材151を含む車両懸架装置121を全体的に細くすることが可能となる。
また、ロータ部材24の下側方向に延出される延出部123の下端部に固設されたボール螺子ナット145は、アクスルブラケット9を介して左前輪3A又は右前輪3Bに接続されるチューブ158の略上半分の外周面に形成された雄ねじ部159に螺合して、チューブ158の軸方向の変位とロータ部材24の回転とが相対的に変換されるため、モータフレーム23に固定されたステータ31に巻装される各コイル32を短絡することによって該チューブ158の直線運動を抑制する減衰力を発生させることが可能となると共に、ステータ31に巻装される各コイル32に所定の電圧を印加することにより減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
更に、軸部材151の外周面に当接するメタル軸受65は、チューブ158の上端部近傍の内周部に固設され、該チューブ158の内周面に当接するメタル軸受51は、該軸部材151の下端部近傍の外周部に固設されるため、横荷重を支えるメタル軸受65とメタル軸受51との軸方向間の距離を長くすることが可能となり乗り心地の向上を図ることができる。
次に、実施例6に係る車両懸架装置について図11乃至図13に基づいて説明する。図11は実施例6に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。図12は図11に示す車両懸架装置が縮んだ状態を示す図である。図13は図11に示す車両懸架装置が伸びた状態を示す図である。
尚、以下の説明において、上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。また、上記図8乃至図10の実施例5に係る車両懸架装置121の構成と同一符号は、前記実施例5に係る車両懸架装置121の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この実施例6に係る車両懸架装置の構成は、実施例5に係る車両懸架装置121と似た構成である。
但し、図11に示すように、実施例6に係る車両懸架装置201は、ボール螺子ナット245がロータ部材224の内周部に固設され、チューブ158の略上半分の外周面に形成された雄ねじ部159に螺合するように構成されている点で異なっている。また、軸部材151がモータフレーム223に固設されている点で異なっている。
以下、図11に基づいて車両懸架装置201の構成について説明する。
図11に示すように、車両懸架装置201は、車体取付部材5を介して上端部が各ボルト6によって車体2にボルト止めによって連結され、また、筒状のチューブ158の下方側面に設けられたアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されて、いわゆるストラット形に構成されている。
また、上方懸架バネ受15の下側には、モータ222が取り付けられている。このモータ222は、上方懸架バネ受15の下側に固定されるモータフレーム223と、このモータフレーム223内に回転自在に取り付けられるロータとして機能するロータ部材224と、このロータ部材224の内周部に固設されるボール螺子ナット245と、上端部が該モータフレーム223に固設される所定長さの軸部材251と、から基本的に構成されている。
このモータフレーム223は、長い筒状に形成されて下方に開口されると共に、上端面部には上方懸架バネ受15の筒部16に挿通される筒状の取付部27が形成されている。また、この取付部27の軸方向の長さは、上方懸架バネ受15の筒部16よりも長く形成され、上端部に雄ねじ部が形成され、ナット28によって該上方懸架バネ受15の下面に取り付けられている。また、この取付部27の上下方向略中央部には、中心部に貫通孔205が形成されたゴム製でリング状のインシュレータ206が熱溶着や接着等により取り付けられている。
また、モータフレーム223の下端側内周部には、電磁鋼板等を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成されるステータ31が圧入や接着等によって固設され、複数個のコイル32が巻装されている。また、このステータ31の上側の内周部には、転がり軸受229の外輪部が段差部208に圧入されて固設されている。
また、ロータとして機能するロータ部材224は、筒状であって、転がり軸受229の内輪部の下端縁部に対向する位置にはスナップリングが取り付けられ、該転がり軸受229の内輪部の下端面に当接されている。また、ロータ部材224の外周面には電磁鋼板等を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成されるコア24Aが圧入や接着等によって固設されると共に、このコア24Aの外周部には、各コイル32に対向する位置に各永久磁石24Bが接着等によって取り付けられている。また、ロータ部材224の下端部の外周面には、内側方向に凹む段部35が形成され、下方から転がり軸受36が圧入や接着等によって取り付けられている。また、ロータ部材224の内周部の軸方向中央部には、ボール螺子ナット245が圧入又は接着により固設され、チューブ158の約上側半分の外周面に形成される雄ねじ部159に螺合している。
そして、このロータ部材224は、下端部に取り付けられた転がり軸受36の外輪部を、モータフレーム223の下端部に各ボルト38によってボルト止めされる略リング状のカバー部材39によって支持することによって、各転がり軸受229、36を介してモータフレーム223に対して回転自在に取り付けられている。
また、軸部材251は、上記実施例5に係る軸部材151とほぼ同じ構成であるが、段差部41に替えて、モータフレーム223の上端部に設けられたインシュレータ206の貫通孔205に下方から嵌入されて、該インシュレータ206よりも外側に所定長さ突出するように形成される少し細い段差部241が設けられている。また、この段差部241は、インシュレータ206よりも外側に突出する部分に雄ねじ部が形成されている。従って、軸部材251は、段差部241をモータフレーム223の上端部に設けられたインシュレータ206の貫通孔205に下方から嵌入後、固定ナット42によって固定することによって、該モータフレーム223及びロータ部材224の内周面と所定隙間234を形成するように同軸に取り付けられる。また、インシュレータ206によって軸部材251の振動が減衰される。
また、この軸部材251の下端部には、所定深さのネジ孔47が形成され、上記実施例1に係る軸口部材49がねじ込まれている。これにより、この軸口部材49に、上方から圧入されて取り付けられた円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が、チューブ158の内周面と摺接するように構成される。また、チューブ158内の下端部及びチューブ158内周部と軸部材251との間に形成される下方の隙間に注入された所定量の潤滑油55が、該チューブ158の車体2に対する上下移動によって、オイル孔52及びオイル溝53によって形成される連通孔内を流れるため、潤滑油55の抵抗によって該チューブ158の直線運動を抑制する減衰力が発生し、乗り心地の更なる向上を図ることが可能となる。
尚、潤滑油55が必要でない場合は、潤滑油55をチューブ158内に注入しなくてもよい。
一方、アクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されるチューブ158は、一様な所定肉厚のパイプであって、その下端が溶接等によって取り付けられたキャップ158Aによって封止されている。また、チューブ158の上端部の外径は、ロータ部材224の内周部と軸部材251の外周面とによって形成される隙間234内に進入可能に形成されている。例えば、通常状態では、チューブ158の上端部は、モータフレーム223の内周部の軸方向略中央部に対向している。
また、チューブ158の約上側半分の外周面には、雄ねじ部159が形成され、ロータ部材224内に固定されたボール螺子ナット245に螺合している。
また、チューブ158の上端部近傍の内周部には、先ず、上方から円筒形のメタル軸受65(第1軸受部材)が圧入されて取り付けられ、軸部材251の外周面と摺接するように構成されている。また、チューブ158の上端部近傍の内周部には、このメタル軸受65の上側に、オイルシール66が上方から圧入されて取り付けられ、軸部材251の外周面と摺接するように構成されている。更に、チューブ158の上端には、中央部に軸部材251が挿通される貫通孔が形成されるカバー67がカシメや溶接等によって固定され、泥や埃等のチューブ158内への侵入を防止している。
また、チューブ158の雄ねじ部159の下側外周面には、下方懸架バネ受71が溶接等によって固設されている。また、上方懸架バネ受15と下方懸架バネ受71との間に懸架バネ18が介装され、ダストカバー19が懸架バネ18の内側に保持されると共に、このダストカバー19の内側にモータ222が位置するように構成され、ボール螺子ナット245やチューブ158の雄ねじ部159への泥や埃等の侵入を防止している。
ここで、車両懸架装置201の組み立てについて図11に基づき説明する。
先ず、上記実施例1と同様にして、車体取付部材5を組み立てる。
また、モータフレーム223に下方から転がり軸受229を圧入後、複数個のコイル32を巻装したステータ31を圧入や接着等によって固設する。
また、ロータ部材224の内周部の軸方向中央部に、ボール螺子ナット245を圧入又は接着により固設する。そして、このロータ部材224の下端縁部の外周部に転がり軸受36を圧入や接着等によって取り付ける。また、ロータ部材224の上端外周部にスナップリング230を取り付ける。
そして、このロータ部材224を下方からモータフレーム223内に挿入後、下端部に取り付けられた転がり軸受36の外輪部に、略リング状のカバー部材39を当接させると共に、該カバー部材39をモータフレーム223の下端部に各ボルト38によってボルト止めしてモータ222を構成する。
続いて、軸部材251の下端部に円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられた軸口部材49をねじ込んで固定する。
次に、チューブ158の雄ねじ部159の下側外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ158に軸部材251を上端部から嵌入し、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ158の上端部からメタル軸受65を圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ158の上端部にカシメ等によって固定する。
その後、車体取付部材5にモータ222の取付部27を下方から挿入してナット28によって固定する。
そして、ダストカバー19を懸架バネ18の内側に上方から挿入した状態で、上方懸架バネ受15に下方から当接させる。そして、上記チューブ158の雄ねじ部159をボール螺子ナット245に下方から挿入して螺合させた状態で、このチューブ158内に挿入された軸部材251の段差部241をモータフレーム223の上端部に形成されるインシュレータ206の貫通孔205に嵌入して固定ナット42によって、該モータフレーム223に固定して車両懸架装置201を組み立てる。
次に、このように構成された車両懸架装置201の作動について図12及び図13に基づいて説明する。
図12に示すように、左前輪3A又は右前輪3Bが車体2に対して近づいた場合には、チューブ158は、アクスルブラケット9を介して上方(矢印265方向)に移動され、各メタル軸受51、65を介して軸部材251に沿って上方に摺動移動する。また、このチューブ158の上端部は、モータフレーム223及びロータ部材224の内周部と軸部材251の外周面とによって形成される隙間234に進入して、該モータフレーム223の内側上端部近傍まで、移動可能となる。また、この時には、チューブ158内の下方に注入された潤滑油55は、軸部材251の下端部に設けられたオイル孔52及びオイル溝53を経て、チューブ158内周部と軸部材251との間に形成される隙間に流入する。
そして、図13に示すように、左前輪3A又は右前輪3Bが車体2に対して離れた場合には、チューブ158は、アクスルブラケット9を介して下方(矢印266方向)に移動され、各メタル軸受51、65を介して軸部材251に沿って下方に摺動移動する。また、このチューブ158の上端部は、モータフレーム223及びロータ部材224の内周部と軸部材251の外周面とによって形成される隙間234を下方に移動して、ロータ部材224の上端部近傍に位置することとなる。また、この時には、チューブ158内周部と軸部材251との間に形成される隙間に流入した潤滑油55は、軸部材251の下端部に設けられたオイル溝53及びオイル孔52を経て、該チューブ158の下端部に溜まるように流れる。
また、図12及び図13に示すように、チューブ158が左前輪3A又は右前輪3Bの動きに伴って、車体2に対して軸方向に移動した場合には、ボール螺子ナット245に螺合するチューブ158の雄ねじ部159が、このボール螺子ナット245に対して軸方向に移動する。このため、該ボール螺子ナット245のボールがチューブ158の軸方向に移動するが、この時、当該ボールはチューブ158の雄ねじ部159の螺旋状の螺子溝に沿って移動するため、ボール螺子ナット245は回転され、ロータ部材224も該ボール螺子ナット245と共に一体的に回転される。一方、モータフレーム223及び軸部材251は、車体取付部材5を介して車体2に対して固定されているため、該ロータ部材224の回転によって、各コイル32には誘導起電力に起因する電流が流れる。このため、各コイル32が短絡されている場合には、各コイル32に電磁力が発生し、ロータ部材224の回転に抗するトルクが発生する。
尚、ステータ31の各コイル32が励磁されてロータ部材224が回転された場合には、該ロータ部材224に取り付けられたボール螺子ナット245が一体的に回転する。このため、ボール螺子ナット245のボールが、チューブ158の雄ねじ部159の螺旋状の螺子溝に沿って移動するため、このチューブ158は軸方向に移動される。
以上詳細に説明した通り、実施例6に係る車両懸架装置201では、軸部材251は、筒状のモータフレーム223及びロータ部材224の内周部と軸部材251の外周面とによって形成される隙間234を形成するように同軸に挿通されて上端部がモータフレーム223の上端部に固設されている。そして、左前輪3A又は右前輪3Bに接続されるチューブ158は、この軸部材251に摺動自在に嵌装されて、該軸部材251とモータフレーム223及びロータ部材224との隙間234に進入可能に設けられている。このため、このチューブ158は、懸架バネ18内に配設されたモータ222内に進入可能となり軸方向のストローク量を大きくすることができ、軸方向の小型化を容易に行うことが可能となる。
また、上端部がモータフレーム223に固設された軸部材251によって車両懸架装置201の曲げ荷重を支えることができ、軸部材251を含む車両懸架装置201を全体的に細くすることが可能となる。
また、ロータ部材224内に固設されたボール螺子ナット245は、アクスルブラケット9を介して左前輪3A又は右前輪3Bに接続されるチューブ158の略上半分の外周面に形成された雄ねじ部159に螺合して、チューブ158の軸方向の変位とロータ部材224の回転とが相対的に変換されるため、ステータ31に巻装される各コイル32を短絡することによって該チューブ158の直線運動を抑制する減衰力を発生させることが可能となると共に、ステータ31に巻装される各コイル32に所定の電圧を印加することにより減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
更に、軸部材251の外周面に当接するメタル軸受65は、チューブ158の上端部近傍の内周部に固設され、該チューブ158の内周面に当接するメタル軸受51は、該軸部材251の下端部近傍の外周部に固設されるため、横荷重を支えるメタル軸受65とメタル軸受51との軸方向間の距離を長くすることが可能となり乗り心地の向上を図ることができる。
尚、本発明は上記実施例1乃至実施例6に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
(A)上記実施例1乃至実施例6では、ステータ31にコイル32を巻装し、コア24Aの外周部の各コイル32に対向する位置に永久磁石24Bを接着等によって取り付けたが、コア24にコイル32を巻装し、ステータ31の内周部の各コイル32に対向する位置に永久磁石24Bを接着等によって取り付けた構成にしてよい。
これにより、各モータフレーム23、223は車体取付部材5を介して車体2に対して固定されているため、各ロータ部材24、224の回転によって各コイル32には誘導起電力に起因する電流が流れる。このため、各コイル32が短絡されている場合には、各コイル32に電磁力が発生し、各軸部材25、251の回転に抗するトルクが発生する。また、各ロータ部材24、224の各コイル32が励磁された場合には、該各ロータ部材24、224が回転され、各チューブ8、158が軸方向に移動されるため、減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
(B)上記実施例1乃至実施例6では、ステータ31にコイル32を巻装し、コア24Aの外周部の各コイル32に対向する位置に永久磁石24Bを接着等によって取り付けたが、ステータ31及びコア24Aの両方にコイルを巻装して、ステータ31又はコア24Aのいずれか一方に巻装されたコイルに通電して電磁石を構成し、他方に巻装されたコイルを短絡する構成にしてもよい。これにより、各軸部材25、251の回転に抗するトルクを発生させることが可能となる。
実施例1に係る車両懸架装置が設けられた車両の構成を示す図である。 実施例1に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。 図2に示す車両懸架装置が縮んだ状態を示す図である。 図2に示す車両懸架装置が伸びた状態を示す図である。 実施例2に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。 実施例3に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。 実施例4に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。 実施例5に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。 図8に示す車両懸架装置が縮んだ状態を示す図である。 図8に示す車両懸架装置が伸びた状態を示す図である。 実施例6に係る車両懸架装置の構成を示す側面断面図である。 図11に示す車両懸架装置が縮んだ状態を示す図である。 図11に示す車両懸架装置が伸びた状態を示す図である。
符号の説明
1 車両
2 車体
3A 左前輪
3B 右前輪
4、81、91、101、121、201 車両懸架装置
5 車体取付部材
8、158 チューブ
9 アクスルブラケット
15 上方懸架バネ受
18 懸架バネ
19、161 ダストカバー
22、122、222 モータ
23、223 モータフレーム
24、224 ロータ部材
24A コア
24B 永久磁石
25、151、251 軸部材
25A、159 雄ねじ部
31 ステータ
32 コイル
45、145、245 ボール螺子ナット
49、112 軸口部材
51、65 メタル軸受
55 潤滑油
120 下方懸架バネ受

Claims (10)

  1. 上方懸架バネ受と前記上方懸架バネ受の下側に配置されて下方に開口されるモータフレームとが設けられた車体取付部材と、
    前記モータフレームの内周部に設けられるステータと、
    前記モータフレーム内に回転自在に取り付けられて下方に拡径した筒状のロータと、
    前記ロータの筒孔内に該筒孔の内周面と所定隙間を形成するように同軸に挿通されて上端部が該ロータに固設されて該ロータと一体的に回転する軸部材と、
    前記軸部材の外側に摺動自在に嵌装されて該軸部材と前記ロータとの隙間に進入可能に設けられて車輪側に接続されるチューブと、
    前記チューブの外周に設けられた下方懸架バネ受と、
    前記上方懸架バネ受と前記下方懸架バネ受との間に介装されると共に前記モータフレームの外側に配置される懸架バネと、
    前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とを相対的に変換する変換手段と、
    を備えたことを特徴とする車両懸架装置。
  2. 前記変換手段は、
    前記軸部材の下方所定長さの外周面に形成される雄ねじ部と、
    前記チューブ内に固設されて前記雄ねじ部に螺合するボール螺子ナットと、
    を有し、
    前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とが前記ボール螺子ナット及び前記雄ねじ部を介して相対的に変換されることを特徴とする請求項1に記載の車両懸架装置。
  3. 前記チューブ内に下方から挿入されて上端側に前記ボール螺子ナットが固設されると共に、下端側が該チューブに固着されるインナチューブを備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両懸架装置。
  4. 前記チューブ内に下方から挿入されて下端側が該チューブに固着される第1インナチューブと、
    該チューブ内に上方から挿入されて下端側に前記ボール螺子ナットが固設されると共に、該ボール螺子ナットが前記第1インナチューブに当接した状態で上端側が該チューブに固設される第2インナチューブと、
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両懸架装置。
  5. 前記変換手段は、
    前記チューブの上方所定長さの外周面に形成される雄ねじ部と、
    前記ロータの下端面から下側方向に所定長さ延出される筒状の延出部と、
    前記延出部の下端部に固設されて前記雄ねじ部に螺合するボール螺子ナットと、
    を有し、
    前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とが前記雄ねじ部及び前記ボール螺子ナットを介して相対的に変換されることを特徴とする請求項1に記載の車両懸架装置。
  6. 上方懸架バネ受と前記上方懸架バネ受の下側に配置されて下方に開口されるモータフレームとが設けられた車体取付部材と、
    前記モータフレームの内周部に設けられるステータと、
    前記モータフレーム内に回転自在に取り付けられて上下に貫通する筒状のロータと、
    前記ロータの筒孔内に該筒孔の内周面と所定隙間を形成するように同軸に挿通されて上端部が前記モータフレームに固設される軸部材と、
    前記軸部材の外側に摺動自在に嵌装されて該軸部材と前記ロータとの隙間に進入可能に設けられて車輪側に接続されるチューブと、
    前記チューブの外周に設けられた下方懸架バネ受と、
    前記上方懸架バネ受と前記下方懸架バネ受との間に介装されると共に前記モータフレームの外側に配置される懸架バネと、
    前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とを相対的に変換する変換手段と、
    を備えたことを特徴とする車両懸架装置。
  7. 前記変換手段は、
    前記チューブの上方所定長さの外周面に形成される雄ねじ部と、
    前記ロータの筒孔内に固設されて前記チューブの雄ねじ部に螺合するボール螺子ナットと、
    を有し、
    前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とが前記雄ねじ部及び前記ボール螺子ナットを介して相対的に変換されることを特徴とする請求項6に記載の車両懸架装置。
  8. 前記ステータ又はロータのうちの一方に巻装される複数個のコイルと、
    該ステータ又はロータのうちの他方の前記各コイルに対向する位置に設けられる永久磁石と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の車両懸架装置。
  9. 前記軸部材は、下端部から軸心に沿って穿設された所定深さの油案内孔と、
    外周面の軸方向に沿って複数カ所に穿設されて前記油案内孔に連通する複数のオイル孔と、を有し、
    前記チューブは、該チューブ内の下方に所定量の潤滑油を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の車両懸架装置。
  10. 前記チューブの上端部の内周部に固設されて前記軸部材の外周面に当接する第1軸受部材と、
    該軸部材の下端部の外周部に固設されて該チューブの内周面に当接する第2軸受部材と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の車両懸架装置。
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