JP2007176325A - 車両懸架装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸部材25は、筒状のロータ部材24の筒内に該ロータ部材24の内周面と所定隙間34を形成するように同軸に挿通され、上端部が該ロータ部材24に固設されて、ロータ部材24と一体的に回転するように設けられている。そして、左前輪3A又は右前輪3Bに接続されるチューブ8は、この軸部材25に摺動自在に嵌装されて、該軸部材25とロータ部材24との隙間34に進入可能に設けられている。また、軸部材25の外周面に当接するメタル軸受65は、チューブ8の上端部近傍の内周部に固設され、該チューブ8の内周面に当接するメタル軸受51は、該軸部材25の下端部に固定されている。
【選択図】図2
Description
例えば、車体側チューブの内側または外側に、下方懸架バネ受が外周に設けられた車軸側チューブを摺動自在に嵌装するとともに、モータを車体側チューブ内もしくは外方に結合させ、車軸側チューブ内に当該車軸側チューブと一体的に移動するボール螺子ナットを設け、上記ボール螺子ナット内にモータシャフトに直接または動力伝達手段を介して結合した螺子軸、もしくは、モータシャフトに一体に連設した螺子軸を回転自在に螺合し、ボール螺子ナットの直線運動を螺子軸の回転運動に変換し、この回転運動をモータシャフトに伝達して当該モータに電磁力を発生させ、この電磁力に起因する上記モータシャフトの回転に抗するトルクを車軸側チューブの直線運動を抑制する減衰力として利用する車両懸架装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、上端部が該ロータに固設されて該ロータと一体的に回転する軸部材によって車両懸架装置の曲げ荷重を支えることができ車両懸架装置を全体的に細くすることが可能となる。
また、車輪側に接続されるチューブの軸方向の変位を変換手段を介してモータフレーム内のロータの回転に変換することによって、該チューブの直線運動を抑制する減衰力を発生させることが可能となると共に、ロータの回転を該変換手段を介してチューブの軸方向の変位に変換することによって、懸架バネによる減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
また、上端部がモータフレームに固設された軸部材によって車両懸架装置の曲げ荷重を支えることができ全体的に細くすることが可能となる。
また、車輪側に接続されるチューブの軸方向の変位を変換手段を介してモータフレーム内のロータの回転に変換することによって、該チューブの直線運動を抑制する減衰力を発生させることが可能となると共に、ロータの回転を該変換手段を介してチューブの軸方向の変位に変換することによって、懸架バネによる減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
図2に示すように、車両懸架装置4は、車体取付部材5を介して上端部が各ボルト6によって車体2にボルト止めによって連結され、また、筒状のチューブ8の下方側面に設けられたアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されて、いわゆるストラット形に構成されている。
この各ブラケット11、12は、インシュレータ13を抱持可能なように内周側に凹部を設けた円盤状に形成されており、その外周近傍には車体2連結するための各ボルト6が挿入可能なように複数の孔が設けられている。
また、上方懸架バネ受15は、インシュレータ13に挿通されて固着される筒部16と、この筒部16の下端周縁部から直角外側方向に延出されたフランジ部17と、このフランジ部17の外周縁部から斜め下側方向に所定長さ延出されて、懸架バネ18の上端部がダストカバー19を挟んで当接されるバネ受部20とから構成されている。
また、モータフレーム23の内周部には、電磁鋼板等を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成されるステータ31が圧入や接着等によって固設され、複数個のコイル32が巻装されている。
そして、このロータ部材24は、軸受筒部33を転がり軸受29と共に下方からモータフレーム23の取付部27内に嵌入後、下端部に取り付けられた転がり軸受36の外輪部を、モータフレーム23の下端部に各ボルト38によってボルト止めされる略リング状のカバー部材39によって支持することによって、モータフレーム23に対して回転自在に取り付けられている。
尚、潤滑油55が必要でない場合は、潤滑油55をチューブ8内に注入しなくてもよい。
先ず、各ブラケット11、12を内周側に凹部を設けた円盤状に形成し、この各部ラケット11、12にインシュレータ13を抱持すると共に熱溶着や接着等により取り付ける。そして、このインシュレータ13に上方懸架バネ受部15の筒部16を下方から挿入して熱溶着や接着等により取り付けて、車体取付部材5を組み立てる。
次に、チューブ8の外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ8にボール螺子ナット45及び軸部材25を上端部から嵌入して該ボール螺子ナット45を段差部61に当接させた状態で、ネジ62によってボール螺子ナット45をチューブ8内に固定する。また、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ8の上端部からメタル軸受65を圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ8の上端部にカシメ等によって固定する。
そして、ダストカバー19を懸架バネ18の内側に上方から挿入した状態で、上方懸架バネ受15に下方から当接させる。そして、上記チューブ8内に挿入された軸部材25の段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入して固定ナット42によって、ロータ部材24に固定して車両懸架装置4を組み立てる。
図3に示すように、左前輪3A又は右前輪3Bが車体2に対して近づいた場合には、チューブ8は、アクスルブラケット9を介して上方(矢印75方向)に移動され、各メタル軸受51、65を介して軸部材25に沿って上方に摺動移動する。また、このチューブ8の上端部は、ロータ部材24の内周部と軸部材25の外周面とによって形成される隙間34に進入して、該ロータ部材24の内側上端部近傍まで、移動可能となる。また、この時には、チューブ8内の下方に注入された潤滑油55は、軸部材25の下端部に設けられたオイル孔52及びオイル溝53を経て、チューブ8内周部と軸部材25との間に形成される下方の隙間からチューブ8内のボール螺子ナット45まで達するため、このボール螺子ナット45に潤滑油を給油してスムーズに作動させることが可能となる。
また、上端部が固定ナット42によってロータ部材24に固設されて、ロータ部材24と一体的に回転する軸部材25によって、各メタル軸受51、65に負荷される車両懸架装置4の曲げ荷重を支えることができ、軸部材25を含む車両懸架装置4を全体的に細くすることが可能となる。
更に、軸部材25の外周面に当接するメタル軸受65は、チューブ8の上端部近傍の内周部に固設され、該チューブ8の内周面に当接するメタル軸受51は、該軸部材25の下端部に固定された軸口部材49の外周部、即ち該軸部材25の下端部近傍の外周部に固設されるため、横荷重を支えるメタル軸受65とメタル軸受51との軸方向間の距離を長くすることが可能となり乗り心地の向上を図ることができる。
尚、以下の説明において上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
但し、図5に示すように、実施例2に係る車両懸架装置81は、実施例1に係るチューブ8に替えて一様な所定肉厚のパイプで形成されるチューブ85で構成されている点で異なっている。
このアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されるチューブ85は、一様な所定肉厚のパイプであって、その下端が溶接等によって取り付けられたキャップ85Aによって封止されている。また、チューブ85の上端部の外径は、ロータ部材24の内周部と軸部材25の外周面とによって形成される隙間34内に進入可能に形成されている。例えば、通常状態では、チューブ85の上端部は、ロータ部材24の下端内周部に対向している。
尚、インナチューブ86の下端部をキャップ85Aに溶接等によって固定する方法に替えて、上記実施例1のように、ボール螺子ナット45及びインナチューブ86をチューブ85の上端部から嵌入させ、このインナチューブ86の下端部をキャップ85Aに当接させた状態で、ネジ62によってボール螺子ナット45をチューブ85内に固定してもよい。
先ず、上記実施例1の車両懸架装置4と同様に、車体取付部材5と、モータ22を構成する。続いて、軸部材25にボール螺子ナット45及びインナチューブ86を下方から挿入して螺合させた後、軸部材25の下端部に円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられた軸口部材49をねじ込んで固定する。
そして、ダストカバー19を懸架バネ18の内側に上方から挿入した状態で、上方懸架バネ受15に下方から当接させる。そして、上記チューブ85内に挿入された軸部材25の段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入して固定ナット42によって、ロータ部材24に固定して車両懸架装置81を組み立てる。
尚、以下の説明において上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
但し、図6に示すように、実施例3に係る車両懸架装置91は、実施例1に係るチューブ8に替えて一様な所定肉厚のパイプで形成されるチューブ95で構成されている点で異なっている。
このアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されるチューブ95は、一様な所定肉厚のパイプであって、その下端が溶接等によって取り付けられたキャップ95Aによって封止されている。また、チューブ95の上端部の外径は、ロータ部材24の内周部と軸部材25の外周面とによって形成される隙間34内に進入可能に形成されている。例えば、通常状態では、チューブ95の上端部は、ロータ部材24の下端内周部に対向している。
尚、下側インナチューブ96の下端部をキャップ95Aに溶接等によって固定する方法に替えて、下側インナチューブ96を挿入後、ボール螺子ナット45及び上側インナチューブ97をチューブ95の上端部から嵌入させ、この下側インナチューブ96の下端部をキャップ95Aに当接させた状態で、ネジ62によってボール螺子ナット45をチューブ95内に固定してもよい。
先ず、上記実施例1の車両懸架装置4と同様に、車体取付部材5と、モータ22を構成する。続いて、軸部材25に、上側インナチューブ97及びボール螺子ナット45を、上側インナチューブ97側から下方より挿入して螺合させた後、軸部材25の下端部に円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられた軸口部材49をねじ込んで固定する。
そして、ダストカバー19を懸架バネ18の内側に上方から挿入した状態で、上方懸架バネ受15に下方から当接させる。そして、上記チューブ95内に挿入された軸部材25の段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入して固定ナット42によって、ロータ部材24に固定して車両懸架装置91を組み立てる。
尚、以下の説明において上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
但し、図7に示すように、実施例4に係る車両懸架装置101は、実施例1に係る軸部材25及び軸口部材49に替えて軸部材105及び軸口部材112で構成されている点で異なっている。
この軸部材105は、上記軸部材25と同様に、上端部に少し細い段差部41が形成されている。従って、軸部材105は、段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入後、固定ナット42によって固定することによって、このロータ部材24と一体的に回転可能に取り付けられると共に、該ロータ部材24の内周面と所定隙間34を形成するように同軸に取り付けられる。
また、この油案内孔106の下端部には所定深さの雌ねじ部108が形成され、上端面中央部にネジ111が立設されて該軸部材105と略同一外径に形成された軸口部材112がねじ込まれている。また、この軸口部材112には、軸心上に下端面からネジ111の上端面に連通する貫通孔113が穿設され、油案内孔106からチューブ8の下端部に連通する連通孔が形成されている。また、この軸口部材112には、上方から円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられ、チューブ8の内周面と摺接するように構成されている。
先ず、上記実施例1の車両懸架装置4と同様に、車体取付部材5と、モータ22を構成する。続いて、軸部材105にボール螺子ナット45を螺合させた後、軸部材105の下端部に円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が圧入されて取り付けられた軸口部材112をねじ込んで固定する。
次に、チューブ8の外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ8にボール螺子ナット45及び軸部材105を上端部から嵌入して該ボール螺子ナット45を段差部61に当接させた状態で、ネジ62によってボール螺子ナット45をチューブ8内に固定する。また、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ8の上端部からメタル軸受65を圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ8の上端部にカシメ等によって固定する。
尚、以下の説明において、上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
但し、図8に示すように、実施例5に係る車両懸架装置121は、ボール螺子ナット145がロータ部材24の下端面から下側方向に所定長さ延出された筒状の延出部123の下端の内周部にネジ146によって固設され、チューブ158の略上半分の外周面に形成された雄ねじ部159に螺合するように構成されている点で異なっている。
図8に示すように、車両懸架装置121は、車体取付部材5を介して上端部が各ボルト6によって車体2にボルト止めによって連結され、また、筒状のチューブ158の下方側面に設けられたアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されて、いわゆるストラット形に構成されている。
また、この軸部材151の下端部には、所定深さのネジ孔47が形成され、上記実施例1に係る軸口部材49がねじ込まれている。これにより、この軸口部材49に、上方から圧入されて取り付けられた円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が、チューブ158の内周面と摺接するように構成される。また、チューブ158内の下端部及びチューブ158内周部と軸部材151との間に形成される下方の隙間に注入された所定量の潤滑油55が、該チューブ158の車体2に対する上下移動によって、オイル孔52及びオイル溝53によって形成される連通孔内を流れるため、潤滑油55の抵抗によって該チューブ158の直線運動を抑制する減衰力が発生し、乗り心地の更なる向上を図ることが可能となる。
尚、潤滑油55が必要でない場合は、潤滑油55をチューブ158内に注入しなくてもよい。
また、チューブ158の上端部近傍の内周部には、先ず、上方から円筒形のメタル軸受65(第1軸受部材)が圧入されて取り付けられ、軸部材151の外周面と摺接するように構成されている。また、チューブ158の上端部近傍の内周部には、このメタル軸受65の上側に、オイルシール66が上方から圧入されて取り付けられ、軸部材151の外周面と摺接するように構成されている。更に、チューブ158の上端には、中央部に軸部材151が挿通される貫通孔が形成されるカバー67がカシメや溶接等によって固定され、泥や埃等のチューブ158内への侵入を防止している。
先ず、上記実施例1と同様にして、車体取付部材5を組み立てる。
また、ロータ部材24の上下端縁部の外周部に各転がり軸受29、36を圧入や接着等によって取り付ける。
そして、このロータ部材24の転がり軸受29を下方からモータフレーム23の取付部27内に嵌入後、下端部に取り付けられた転がり軸受36の外輪部に、略リング状のカバー部材39を当接させると共に、該カバー部材39をモータフレーム23の下端部に各ボルト38によってボルト止めする。その後、ロータ部材24の延出部123内に下端からボール螺子ナット145を嵌入し、ネジ146によって固設してモータ122を構成する。そして、ダストカバー161をモータフレーム23の下端外周面に接着やネジ止め等によって取り付ける。
次に、チューブ158の雄ねじ部159の下側外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ158に軸部材151を上端部から嵌入し、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ158の上端部からメタル軸受65を圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ158の上端部にカシメ等によって固定する。
そして、懸架バネ18を上方懸架バネ受15に下方から当接させる。続いて、上記チューブ158の雄ねじ部159をボール螺子ナット145に下方から挿入して螺合させた状態で、このチューブ158内に挿入された軸部材151の段差部41をロータ部材24の軸受筒部33内に下方から嵌入して固定ナット42によって、ロータ部材24に固定して車両懸架装置121を組み立てる。
図9に示すように、左前輪3A又は右前輪3Bが車体2に対して近づいた場合には、チューブ158は、アクスルブラケット9を介して上方(矢印165方向)に移動され、各メタル軸受51、65を介して軸部材151に沿って上方に摺動移動する。また、このチューブ158の上端部は、ロータ部材24及び延出部123の内周部と軸部材151の外周面とによって形成される隙間134に進入して、該ロータ部材24の内側上端部近傍まで、移動可能となる。また、この時には、チューブ158内の下方に注入された潤滑油55は、軸部材151の下端部に設けられたオイル孔52及びオイル溝53を経て、チューブ158内周部と軸部材151との間に形成される隙間に流入する。
また、上端部が該ロータ部材24に固設されて該ロータ部材24と一体的に回転する軸部材151によって車両懸架装置121の曲げ荷重を支えることができ、軸部材151を含む車両懸架装置121を全体的に細くすることが可能となる。
更に、軸部材151の外周面に当接するメタル軸受65は、チューブ158の上端部近傍の内周部に固設され、該チューブ158の内周面に当接するメタル軸受51は、該軸部材151の下端部近傍の外周部に固設されるため、横荷重を支えるメタル軸受65とメタル軸受51との軸方向間の距離を長くすることが可能となり乗り心地の向上を図ることができる。
尚、以下の説明において、上記図1乃至図4の実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一符号は、前記実施例1に係る車両懸架装置4の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。また、上記図8乃至図10の実施例5に係る車両懸架装置121の構成と同一符号は、前記実施例5に係る車両懸架装置121の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
但し、図11に示すように、実施例6に係る車両懸架装置201は、ボール螺子ナット245がロータ部材224の内周部に固設され、チューブ158の略上半分の外周面に形成された雄ねじ部159に螺合するように構成されている点で異なっている。また、軸部材151がモータフレーム223に固設されている点で異なっている。
図11に示すように、車両懸架装置201は、車体取付部材5を介して上端部が各ボルト6によって車体2にボルト止めによって連結され、また、筒状のチューブ158の下方側面に設けられたアクスルブラケット9の各ボルト孔9A、9Bを介して左前輪3A又は右前輪3Bにボルト止めによって連結されて、いわゆるストラット形に構成されている。
また、モータフレーム223の下端側内周部には、電磁鋼板等を複数枚、厚さ方向に積層・固着して形成されるステータ31が圧入や接着等によって固設され、複数個のコイル32が巻装されている。また、このステータ31の上側の内周部には、転がり軸受229の外輪部が段差部208に圧入されて固設されている。
また、この軸部材251の下端部には、所定深さのネジ孔47が形成され、上記実施例1に係る軸口部材49がねじ込まれている。これにより、この軸口部材49に、上方から圧入されて取り付けられた円筒形のメタル軸受51(第2軸受部材)が、チューブ158の内周面と摺接するように構成される。また、チューブ158内の下端部及びチューブ158内周部と軸部材251との間に形成される下方の隙間に注入された所定量の潤滑油55が、該チューブ158の車体2に対する上下移動によって、オイル孔52及びオイル溝53によって形成される連通孔内を流れるため、潤滑油55の抵抗によって該チューブ158の直線運動を抑制する減衰力が発生し、乗り心地の更なる向上を図ることが可能となる。
尚、潤滑油55が必要でない場合は、潤滑油55をチューブ158内に注入しなくてもよい。
また、チューブ158の上端部近傍の内周部には、先ず、上方から円筒形のメタル軸受65(第1軸受部材)が圧入されて取り付けられ、軸部材251の外周面と摺接するように構成されている。また、チューブ158の上端部近傍の内周部には、このメタル軸受65の上側に、オイルシール66が上方から圧入されて取り付けられ、軸部材251の外周面と摺接するように構成されている。更に、チューブ158の上端には、中央部に軸部材251が挿通される貫通孔が形成されるカバー67がカシメや溶接等によって固定され、泥や埃等のチューブ158内への侵入を防止している。
先ず、上記実施例1と同様にして、車体取付部材5を組み立てる。
また、ロータ部材224の内周部の軸方向中央部に、ボール螺子ナット245を圧入又は接着により固設する。そして、このロータ部材224の下端縁部の外周部に転がり軸受36を圧入や接着等によって取り付ける。また、ロータ部材224の上端外周部にスナップリング230を取り付ける。
そして、このロータ部材224を下方からモータフレーム223内に挿入後、下端部に取り付けられた転がり軸受36の外輪部に、略リング状のカバー部材39を当接させると共に、該カバー部材39をモータフレーム223の下端部に各ボルト38によってボルト止めしてモータ222を構成する。
次に、チューブ158の雄ねじ部159の下側外周面に下方懸架バネ受71を溶接等によって固設する。そして、チューブ158に軸部材251を上端部から嵌入し、潤滑油55が必要な場合には、潤滑油55を所定量注入する。続いて、チューブ158の上端部からメタル軸受65を圧入後、オイルシール66を圧入し、その後、カバー67をチューブ158の上端部にカシメ等によって固定する。
そして、ダストカバー19を懸架バネ18の内側に上方から挿入した状態で、上方懸架バネ受15に下方から当接させる。そして、上記チューブ158の雄ねじ部159をボール螺子ナット245に下方から挿入して螺合させた状態で、このチューブ158内に挿入された軸部材251の段差部241をモータフレーム223の上端部に形成されるインシュレータ206の貫通孔205に嵌入して固定ナット42によって、該モータフレーム223に固定して車両懸架装置201を組み立てる。
図12に示すように、左前輪3A又は右前輪3Bが車体2に対して近づいた場合には、チューブ158は、アクスルブラケット9を介して上方(矢印265方向)に移動され、各メタル軸受51、65を介して軸部材251に沿って上方に摺動移動する。また、このチューブ158の上端部は、モータフレーム223及びロータ部材224の内周部と軸部材251の外周面とによって形成される隙間234に進入して、該モータフレーム223の内側上端部近傍まで、移動可能となる。また、この時には、チューブ158内の下方に注入された潤滑油55は、軸部材251の下端部に設けられたオイル孔52及びオイル溝53を経て、チューブ158内周部と軸部材251との間に形成される隙間に流入する。
また、上端部がモータフレーム223に固設された軸部材251によって車両懸架装置201の曲げ荷重を支えることができ、軸部材251を含む車両懸架装置201を全体的に細くすることが可能となる。
更に、軸部材251の外周面に当接するメタル軸受65は、チューブ158の上端部近傍の内周部に固設され、該チューブ158の内周面に当接するメタル軸受51は、該軸部材251の下端部近傍の外周部に固設されるため、横荷重を支えるメタル軸受65とメタル軸受51との軸方向間の距離を長くすることが可能となり乗り心地の向上を図ることができる。
これにより、各モータフレーム23、223は車体取付部材5を介して車体2に対して固定されているため、各ロータ部材24、224の回転によって各コイル32には誘導起電力に起因する電流が流れる。このため、各コイル32が短絡されている場合には、各コイル32に電磁力が発生し、各軸部材25、251の回転に抗するトルクが発生する。また、各ロータ部材24、224の各コイル32が励磁された場合には、該各ロータ部材24、224が回転され、各チューブ8、158が軸方向に移動されるため、減衰力を可変可能に構成することが可能となる。
2 車体
3A 左前輪
3B 右前輪
4、81、91、101、121、201 車両懸架装置
5 車体取付部材
8、158 チューブ
9 アクスルブラケット
15 上方懸架バネ受
18 懸架バネ
19、161 ダストカバー
22、122、222 モータ
23、223 モータフレーム
24、224 ロータ部材
24A コア
24B 永久磁石
25、151、251 軸部材
25A、159 雄ねじ部
31 ステータ
32 コイル
45、145、245 ボール螺子ナット
49、112 軸口部材
51、65 メタル軸受
55 潤滑油
120 下方懸架バネ受
Claims (10)
- 上方懸架バネ受と前記上方懸架バネ受の下側に配置されて下方に開口されるモータフレームとが設けられた車体取付部材と、
前記モータフレームの内周部に設けられるステータと、
前記モータフレーム内に回転自在に取り付けられて下方に拡径した筒状のロータと、
前記ロータの筒孔内に該筒孔の内周面と所定隙間を形成するように同軸に挿通されて上端部が該ロータに固設されて該ロータと一体的に回転する軸部材と、
前記軸部材の外側に摺動自在に嵌装されて該軸部材と前記ロータとの隙間に進入可能に設けられて車輪側に接続されるチューブと、
前記チューブの外周に設けられた下方懸架バネ受と、
前記上方懸架バネ受と前記下方懸架バネ受との間に介装されると共に前記モータフレームの外側に配置される懸架バネと、
前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とを相対的に変換する変換手段と、
を備えたことを特徴とする車両懸架装置。 - 前記変換手段は、
前記軸部材の下方所定長さの外周面に形成される雄ねじ部と、
前記チューブ内に固設されて前記雄ねじ部に螺合するボール螺子ナットと、
を有し、
前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とが前記ボール螺子ナット及び前記雄ねじ部を介して相対的に変換されることを特徴とする請求項1に記載の車両懸架装置。 - 前記チューブ内に下方から挿入されて上端側に前記ボール螺子ナットが固設されると共に、下端側が該チューブに固着されるインナチューブを備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両懸架装置。
- 前記チューブ内に下方から挿入されて下端側が該チューブに固着される第1インナチューブと、
該チューブ内に上方から挿入されて下端側に前記ボール螺子ナットが固設されると共に、該ボール螺子ナットが前記第1インナチューブに当接した状態で上端側が該チューブに固設される第2インナチューブと、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両懸架装置。 - 前記変換手段は、
前記チューブの上方所定長さの外周面に形成される雄ねじ部と、
前記ロータの下端面から下側方向に所定長さ延出される筒状の延出部と、
前記延出部の下端部に固設されて前記雄ねじ部に螺合するボール螺子ナットと、
を有し、
前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とが前記雄ねじ部及び前記ボール螺子ナットを介して相対的に変換されることを特徴とする請求項1に記載の車両懸架装置。 - 上方懸架バネ受と前記上方懸架バネ受の下側に配置されて下方に開口されるモータフレームとが設けられた車体取付部材と、
前記モータフレームの内周部に設けられるステータと、
前記モータフレーム内に回転自在に取り付けられて上下に貫通する筒状のロータと、
前記ロータの筒孔内に該筒孔の内周面と所定隙間を形成するように同軸に挿通されて上端部が前記モータフレームに固設される軸部材と、
前記軸部材の外側に摺動自在に嵌装されて該軸部材と前記ロータとの隙間に進入可能に設けられて車輪側に接続されるチューブと、
前記チューブの外周に設けられた下方懸架バネ受と、
前記上方懸架バネ受と前記下方懸架バネ受との間に介装されると共に前記モータフレームの外側に配置される懸架バネと、
前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とを相対的に変換する変換手段と、
を備えたことを特徴とする車両懸架装置。 - 前記変換手段は、
前記チューブの上方所定長さの外周面に形成される雄ねじ部と、
前記ロータの筒孔内に固設されて前記チューブの雄ねじ部に螺合するボール螺子ナットと、
を有し、
前記チューブの軸方向の変位と前記ロータの回転とが前記雄ねじ部及び前記ボール螺子ナットを介して相対的に変換されることを特徴とする請求項6に記載の車両懸架装置。 - 前記ステータ又はロータのうちの一方に巻装される複数個のコイルと、
該ステータ又はロータのうちの他方の前記各コイルに対向する位置に設けられる永久磁石と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の車両懸架装置。 - 前記軸部材は、下端部から軸心に沿って穿設された所定深さの油案内孔と、
外周面の軸方向に沿って複数カ所に穿設されて前記油案内孔に連通する複数のオイル孔と、を有し、
前記チューブは、該チューブ内の下方に所定量の潤滑油を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の車両懸架装置。 - 前記チューブの上端部の内周部に固設されて前記軸部材の外周面に当接する第1軸受部材と、
該軸部材の下端部の外周部に固設されて該チューブの内周面に当接する第2軸受部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の車両懸架装置。
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