JP2006118677A - 車両懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オイルなどの潤滑液を螺子機構に対して効果的に塗布する車両懸架装置を提案することを目的とする。
【解決手段】 電磁サスペンション10は、モータ12に連結されたボールねじ19およびボールねじナット28を含むボールねじ機構を有し、ボールねじナット28の下方にはボールねじ19の下部を内側に配置するシリンダ32が取り付けられている。シリンダ32内には潤滑オイル40が所定量注入されており、ボールねじ19が標準位置にある場合には当該ボールねじ19の直下に潤滑オイル40の液面が位置する。電磁サスペンション10に高周波域の振動などが入力すると、潤滑オイル40は波立ち或いは上方に飛散してボールねじ19に付着、塗布される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両懸架装置に関し、特に螺子機構を利用して減衰力を発生させる車両懸架装置に関する。
路面に対しタイヤを適切に接地させるとともに路面の凹凸などに起因する振動を車体に伝えないようにするサスペンションなどの車両懸架装置の技術分野では、螺子機構を利用して所望の減衰力を電気的に発生させる電磁サスペンション装置が提案されている。例えば特許文献1では、電気モータを利用した車両用電気動力付能動懸架装置の一例が開示されている。また特許文献2では、慣性モーメントによる減衰力の影響を抑制して車両の乗り心地を向上させるための電磁緩衝器が開示されている。また特許文献3では、高周波域での乗り心地を悪化させることなく低周波域での不快な車両挙動を抑制するための車両の姿勢制御装置が開示されている。
特開平2−120113号公報 特開2004−11750号公報 特開2001−180244号公報
螺子機構を利用する車両懸架装置では、円滑な螺子運動を確保して螺子機構の耐摩耗性を向上させるために、螺子機構に対してグリスなどの潤滑剤が塗布されることが多い。この潤滑剤は、螺子運動に伴って螺子機構から蒸発、脱落し、また時間の経過と共に螺子機構から蒸発、脱落してしまう。そのため潤滑剤を定期的に螺子機構に補給することが望ましいが、螺子機構に対する潤滑剤の塗布量が不十分になるタイミングを推測して適切な潤滑剤の補給を行うことは困難であり、そのような作業は多くの手間を要することがある。
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、オイルなどの潤滑液を螺子機構に対して効果的に塗布する車両懸架装置を提案することにある。
本発明の一態様は車両懸架装置に関する。この車両懸架装置は、モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられ前記螺子軸の少なくとも一部が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、前記シリンダの内側には、前記螺子軸が標準位置にある場合に当該螺子軸の直下に液面が位置するように所定量の潤滑液が注入されていることを特徴とする。
当該車両懸架装置によれば、車両懸架装置に振動や衝撃などの入力成分が加わった際にシリンダ内の潤滑液が波立って螺子軸に対し付着、塗布される。特に、螺子軸が標準位置にある場合に当該螺子軸の直下に液面が位置するように潤滑液をシリンダの内側に注入することにより、通常は標準位置に配置されることが多い螺子軸に対して効果的に潤滑液が付着、塗布される。なお「標準位置」とは、螺子機構によってもたらされる直線運動の基準となる位置を指し、シリンダなどの他の部材に対する相対的な位置も含む概念である。例えば、車両懸架装置に入力成分が加わっていない状態での螺子軸の配置位置や、本発明に係る車両懸架装置を搭載する車両を標準車高に調整する際の螺子軸の配置位置などが「標準位置」に含まれうる。なお、シリンダ内の潤滑液は、車両懸架装置に作用する入力成分、とりわけ高周波域の入力成分によって潤滑液が波立ち等することで標準位置の螺子軸に付着、塗布されるように位置に液面が調整されることが好ましい。
前記潤滑液は、車両懸架装置に対する高周波域の入力成分によって標準位置の前記螺子軸の下端が前記潤滑液に接触あるいは突入するような位置に液面を有するものであってもよい。当該発明によれば、螺子軸が標準位置にある場合に高周波域の入力成分が車両懸架装置に対して作用すると、螺子軸の下端が潤滑液に接触あるいは突入し、潤滑液が効果的に波立ちあるいは飛散して螺子軸に付着、塗布される。
前記シリンダ内に弾性手段を介して設置され、当該弾性手段の弾性作用により振動可能に設けられた振動手段を更に備え、前記振動手段は、前記螺子軸が標準位置にある場合の前記潤滑液の液面近傍に配置されるものであってもよい。当該発明によれば、車両懸架装置に入力成分が加わると弾性手段の弾性作用により振動手段が振動することがあり、その場合には潤滑液を大きく波立たせうる。また特に螺子軸が標準位置にある場合には、振動手段が潤滑液の液面近傍で振動することとなるので、潤滑液を効果的に波立たせることができる。
本発明の別の態様も車両懸架装置に関する。この車両懸架装置は、モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられて所定量の潤滑液が内側に注入され前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、前記螺子軸には、軸回転しながら前記シリンダ内における位置を変位させる当該螺子軸の動作に応じて前記潤滑液を当該螺子軸に飛散させる飛散手段が設けられていることを特徴とする。
当該車両懸架装置によれば、飛散手段によって飛散される潤滑液が螺子軸に付着、塗布される。「飛散手段」は、螺子軸の動作に応じて潤滑液を飛散させることができる任意の構成をとることができ、例えば「螺子軸の軸回転運動」や「螺子軸のシリンダ内における軸方向への変位」を利用することが可能である。
本発明の別の態様も車両懸架装置に関する。この車両懸架装置は、モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられて所定量の潤滑液が内側に注入され前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、前記シリンダの内側には、前記螺子軸が標準位置にある場合の前記潤滑液の液面の上方の流路を絞る絞り手段が配置されることを特徴とする。
当該車両懸架装置によれば、潤滑液の流路を絞る絞り手段によって、シリンダ内において潤滑液が上昇する際に当該潤滑液に対し液圧変動をもたらしうる。これにより、上昇する潤滑液を絞り手段の下方から上方に向かって勢いよく噴出させて、螺子軸に対して効果的に潤滑液を付着、塗布することができる。また、絞り手段により潤滑液の液面を更に効果的に上昇させることができる。なお、潤滑液を絞り手段の上方に向かって勢いよく噴出させる観点からは、絞り手段と螺子軸との間における潤滑液の流路を狭く形成することが好ましい。
本発明の別の態様も車両懸架装置に関する。この車両懸架装置は、モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられて所定量の潤滑液が内側に注入され前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、前記シリンダには、当該シリンダの上方内側と下方内側とを連通する連絡路が設けられ、軸回転しながら前記シリンダ内における位置を変位させる前記螺子軸が前記潤滑液に対し圧力を加えることにより、前記連絡路を介して前記潤滑液が前記シリンダの下方内側から上方内側に移送されることを特徴とする。
当該車両懸架装置によれば、連絡路を介してシリンダの下方内側から上方内側へ移送される潤滑液によって、螺子軸のうちシリンダの上方に位置する部分に対しても潤滑液を塗布しうる。なお、螺子軸が潤滑液に対して圧力を加える際には、「螺子軸の軸回転」や「シリンダ内の潤滑液への螺子軸の突入」などを利用することが可能である。
本発明の別の態様も車両懸架装置に関する。この車両懸架装置は、モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられて所定量の潤滑液が内側に注入され前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、前記シリンダ内には、前記入力成分に応じて動作し前記潤滑液を泡立てる泡立て手段が設けられていることを特徴とする。
当該車両懸架装置によれば、入力成分が作用した際に泡立て手段によって潤滑液が泡立てられ、その泡立てられた潤滑液がシリンダ内の空間を埋めるようにして積層する。したがって、シリンダ内で泡立っている潤滑液がボールねじの広範囲にわたって付着、塗布されうる。なお、泡立て手段は任意の構成をとることができ、例えばシリンダ内の空気を潤滑液に取り込んで泡立たせる構造とすることが可能である。
本発明の別の態様も車両懸架装置に関する。この車両懸架装置は、モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられ前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、前記シリンダを内側に配置するアウターシェルと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、前記シリンダには、当該シリンダ内と前記アウターシェル内とを連通して当該シリンダ内と前記アウターシェル内の間で潤滑液を流通させる連通部が形成されていることを特徴とする。
当該車両懸架装置によれば、シリンダ内の潤滑液は連通部を介してアウターシェル内へ流通可能なので、螺子軸の突入時などにシリンダ内における潤滑液の貯留可能空間が狭小となった場合であっても、シリンダ内からアウターシェル内へ潤滑液を流出させて、シリンダ内の潤滑液の液面を適正に保つことができる。なお連通部は、潤滑液の所望の流通状態を確保するために、シリンダの所望の位置に形成することが可能である。例えば、シリンダの下部に連通部を形成することもでき、特に螺子軸が標準位置に配置されている場合の潤滑液の液面よりも下方に連通部を形成することが可能である。
本発明の別の態様も車両懸架装置に関する。この車両懸架装置は、モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられ前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、前記シリンダを内側に配置するアウターシェルと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、前記シリンダには、当該シリンダ内と前記アウターシェル内とを連通して当該シリンダ内と前記アウターシェル内の間で潤滑液を流通させる第1の連通部が形成されるとともに、前記第1の連通部の上方に設けられ当該シリンダ内と前記アウターシェル内とを連通して当該シリンダ内と前記アウターシェル内の間で潤滑液を流通させる第2の連通部が形成され、前記第2の連通部は、前記螺子軸が標準位置にある場合の前記潤滑液の液面よりも上方に位置し、開口面積が前記第1の連通部よりも大きいことを特徴とする。
当該車両懸架装置によれば、第1の連通部だけではなく第2の連通部を介して、シリンダ内とアウターシェル内の間における潤滑液の流通を確保することができる。特に第2の連通部を比較的上方に配置することにより、「シリンダ内における潤滑液の上昇量」と「シリンダ内とアウターシェル内のにおける潤滑液の流通量」とのバランスを良好に保持しうる。また、第2の連通部の開口面積を第1の連通部の開口面積よりも大きくすることで、シリンダ内とアウターシェル内の間における潤滑液の流通性能、特にシリンダからアウターシェルへの潤滑液の流通性能を向上させることができる。
前記シリンダを内側に配置し前記潤滑液を貯留可能な構成を有するアウターシェルを更に備え、前記シリンダには、当該シリンダ内と前記アウターシェル内とを連通して当該シリンダ内と前記アウターシェル内の間で潤滑液を流通させる連通部が形成されていてもよい。この場合、シリンダ内の潤滑液に螺子軸が突入する際などに当該シリンダ内における潤滑液の貯留可能空間が狭小となった場合であっても、シリンダ内からアウターシェル内へ潤滑液を流出させて、シリンダ内の潤滑液の液面を適正に保つことができる。
前記アウターシェルの少なくとも一部が利用されて形成され、車両懸架装置の内部と外部の間で空気を流通させる空気流通路を更に備え、前記空気流通路は、前記螺子軸が前記シリンダ内の下方に配置された状態にある場合に前記アウターシェル内の潤滑液によって塞がれないような位置に形成されていてもよい。当該車両懸架装置によれば、螺子軸がシリンダ内の下方に配置された状態にある場合であっても、空気流通路はアウターシェル内の潤滑液によって塞がれず、車両懸架装置の内部と外部の間における空気の流通が確保される。なお、空気流通路は、シリンダ内おける螺子軸の位置にかかわらず、アウターシェル内の潤滑液によって塞がれないような位置に形成されることが好ましい。
前記アウターシェルの上方に形成され車両懸架装置の内部と外部の間で空気を流通させる空気流通路を更に備えていてもよい。この場合、車両懸架装置の内部と外部の間における空気の流通が空気流通路によって確保される。なお、空気流通路は、シリンダ内おける螺子軸の位置にかかわらず、潤滑液などによって塞がれないような位置に形成されることが好ましい。
本発明によれば、シリンダ内の潤滑液が効果的に螺子軸を含む螺子機構に塗布され、螺子機構に対する潤滑液の塗布を簡便化することができる。
以下、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態では、サスペンション装置の上方を「バネ上」と呼び、バネ上に配置される部材を「バネ上部材」と呼ぶ。また、サスペンション装置の下方を「バネ下」と呼び、バネ下に配置される部材を「バネ下部材」と呼ぶ。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。図1において、モータ12やボールねじ19については外観構成が示されており、ボールねじ19に記された斜線はねじ山の方向を示す。また、図1中において右上から左下へ傾斜するハッチングが記されている部材は車輪側の部材を指し、左上から右下へ傾斜するハッチングが記されている部材は車体側の部材を指す。
電磁サスペンション10は、モータ回転軸18を有するモータ12と、モータ回転軸18と一体的に形成されてモータ12に連結されたボールねじ19と、ボールねじ19と螺合するボールねじナット28と、ボールねじナット28の下方においてボールねじナット28と一体的に設けられたシリンダ32と、シリンダ32の外側に設けられ車体取付面14と一体的に設けられたロッド22と、ロッド22の外側に設けられ底部側においてサスペンション底部35を介しシリンダ32に連結されるアウターシェル36と、を備える。
アウターシェル36の中間部には外側に突出するスプリングシート30が設けられ、車体取付面14とスプリングシート30の間にはコイルスプリング20が配置される。ロッド22内の上方には、モータ回転軸18を中央で保持する回転軸ベアリング16が設けられ、サスペンション底部35の下部にはサスペンション取付部42が設けられている。シリンダ32の下部には段付き部34が形成され、この段付き部34より下方のシリンダ32の径は段付き部34より上方のシリンダ32の径よりも小さい。シリンダ32内には所定量の潤滑オイル40が注入され、シリンダ32内の下方空間はオイル貯留室33を構成する。本実施の形態では、シリンダ32の下部およびサスペンション底部35によってオイル貯留室33が区画形成されている。ロッド22の上部には、ロッド22の内部と外部とを連通するエア吸排気口44が形成されている。
ロッド22、ボールねじナット28、シリンダ32、およびアウターシェル36は、それぞれ筒状形状を有し、モータ回転軸18およびボールねじ19は円柱状の形状を有する。また、「シリンダ32とサスペンション底部35」および「アウターシェル36と35」のそれぞれは密接した状態で接着されている。
モータ12は、図示しないバッテリから供給される電力を利用してモータ回転軸18およびボールねじ19を回転させることが可能であり、またボールねじ19およびモータ回転軸18の機械的な回転運動を電気的なエネルギーに変換する一種の発電機として機能することも可能である。なお、モータ12は、いわゆるセレーションを利用してモータ回転軸18を軸回転可能に保持する。ボールねじ19およびボールねじナット28は、図示しないボールを挟み込んだ状態で螺合してボールねじ機構を構成する。したがって、ボールねじ19が軸回転するとボールねじナット28は軸方向へ移動し、また逆にボールねじナット28が軸方向へ移動するとボールねじ19は軸回転する。
シリンダ32は、潤滑オイル40が所定量注入され、ボールねじ19の下部が内側に配置され、ボールねじナット28とともに軸方向へ移動する。したがって、ボールねじ19が軸回転するとシリンダ32に対するボールねじ19の軸方向に関する相対位置が変動し、シリンダ32が軸方向へ移動するとボールねじ19が軸回転する。アウターシェル36は、サスペンション底部35によって連結されたシリンダ32とともに移動し、ロッド22の外周に沿って移動する。このアウターシェル36には、アウターシェル36とロッド22の間に配置されるダストシール24およびロッド軸受26が取り付けられている。ダストシール24は、アウターシェル36の最上部においてアウターシェル36とロッド22の間を塞いで、アウターシェル36内へのゴミなどの異物の侵入を防ぐ。ロッド軸受26は、ダストシール24の下方において2箇所に設けられ、ロッド22の外周に沿って摺動するアウターシェル36の移動をスムーズなものにする。
車体取付面14は、車体などに取り付けられる箇所であり、電磁サスペンション10と車体を連結する役割を果たす。サスペンション取付部42は、車輪から延びるロアアームなどに取り付けられる箇所であり、電磁サスペンション10と車輪を連結する役割を果たす。
回転軸ベアリング16は、軸回転運動を阻害しないようにモータ回転軸18およびボールねじ19を支持する。コイルスプリング20は、ボールねじ機構に対して並列的に配置され、バネ上部材の重量を支持するとともに、バネ下から伝わってくる振動や衝撃などがバネ上部材に伝わるのをその弾性力によって抑制する弾性体である。スプリングシート30は、アウターシェル36とともに移動し、コイルスプリング20の軸方向長さを変動させる。ロッド22の最下部にはロッドストッパ23が設けられ、ボールねじナット28とともにシリンダ32の移動範囲を規定する。
段付き部34は、標準位置に配置されるボールねじ19の先端よりも下方に位置する。ボールねじ19が標準位置にある場合には潤滑オイル40の液面がボールねじ19の直下に位置するように、所定量の潤滑オイル40がシリンダ32の内側に注入されている。なお、潤滑オイル40の注入量は、ボールねじ19が軸回転によってサスペンション底部35にもっとも近接した位置に配置された場合であっても潤滑オイル40がシリンダ32から漏れ出さないように調整されている。
エア吸排気口44は、ロッド22のうち、ボールねじ19が標準位置にある場合のアウターシェル36の上方において形成され、電磁サスペンション10の内部と外部の間で空気を流通させる。なお、「シリンダ32とロッドストッパ23の間」および「ボールねじ19とボールねじナット28の間」も空気が流通可能となっており、アウターシェル36内、シリンダ32内、およびロッド22内の空気は、エア吸排気口44を介して供給あるいは排出される。
つぎに、本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の電磁サスペンション10は、モータ12によってもたらされる軸回転運動とボールねじ機構によってもたらされる軸方向への直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる。
このような電磁サスペンション10を搭載する車両の走行時等に、例えば12〜14(Hz)程度の比較的高い周波数帯域の振動などの入力成分がオイル貯留室33内の潤滑オイル40に作用した場合、その潤滑オイル40は波立ち、あるいは上方に飛散してボールねじ19に付着する。一方、例えば1〜3(Hz)程度の比較的低い周波数帯域の入力成分が電磁サスペンション10に作用した場合にボールねじ19が軸回転してオイル貯留室33内の潤滑オイル40に突入すると、潤滑オイル40がボールねじ19に対して直接付着する。とりわけ、ボールねじ19が潤滑オイル40に突入する際には、ボールねじ19の先端部により潤滑オイル40の液面が叩かれて潤滑オイル40が波立ち上方に飛散するので、より効果的に潤滑オイル40がボールねじ19に付着しうる。このように、電磁サスペンション10に対して高周波域の入力成分および低周波領域の入力成分のいずれが作用する場合であっても、ボールねじ19に対し潤滑オイル40が塗布されることとなる。これにより、ボールねじ機構のスムーズなねじ運動を維持するとともに、ボールねじ機構の耐摩耗性を向上させて焼き付きなどの不具合を効果的に防ぐことができる。
また、外部から大きな衝撃や振動などが作用せずに車高が標準車高に調整されて電磁サスペンション10が標準状態にある場合、ボールねじ19は、潤滑オイル40よりも上方の標準位置に配置される。そして、外部から大きな衝撃や振動などが作用しうる車両走行時には、ボールねじ19は標準位置を中心に軸回転しながらシリンダ32内における軸方向への相対位置を変位するので、一般的には標準位置やその近辺にボールねじ19が配置されることが多い。そのため、標準位置のボールねじ19の直下に液面が位置するように潤滑液の量を調整することで、少量であっても潤滑オイル40をボールねじ19に対して効果的に塗布することができる。
また、シリンダ32のうち段付き部34よりも下方部分の径を比較的小さく形成することによって、オイル貯留室33に貯留される潤滑オイル40が比較的少量であっても、潤滑オイル40の液面を上方に配置することができる。これにより、高周波域の入力成分が電磁サスペンション10に作用した際、オイル貯留室33内の潤滑オイル40がより上方へ飛散し、ボールねじ19の広範囲にわたって潤滑オイル40が塗布されることとなる。また、シリンダ32の下方の径を比較的小さくすることにより、ボールねじ19が軸回転して潤滑オイル40内に突入した際に効率良く液面が押し上げられ、ボールねじ19の広範囲にわたって効果的に潤滑オイル40が塗布される。一方、段付き部34を介してシリンダ32の上方の径を比較的大きく形成することにより、シリンダ32内に比較的多量の潤滑オイル40を注入することもできる。これにより、潤滑オイル40の量が少ない時に予想される「高周波域の入力成分が作用した際の潤滑オイル40の振動や飛散の効果が薄れる」ということを防ぐこともできる。
このように本実施の形態によれば、ボールねじ19に対する潤滑オイル40の塗布を簡素な構造で安価に実現することができ、「定期的に人手を介してボールねじ19に潤滑剤を塗布する」という煩雑な作業を必ずしも必要としない。また、本実施の形態の電磁サスペンション10は非常にシンプルな構成を有しており、従来の電磁サスペンションに対しても簡単に応用することができるので非常に便利である。また、比較的少量の潤滑オイル40により「ボールねじ19に対する潤滑オイル40の塗布」を効果的に実現することで、低コスト化および軽量化を図るとともにリサイクルを容易にすることができる。また、シリンダ32内を潤滑オイル40によって満たす場合に比べ、よりシンプルなシール構造によって「潤滑オイル40のシリンダ32からの漏出」を防ぐことができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図2は、第2の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。本実施の形態の段付き部34は、標準位置のボールねじ19の先端に近接した位置に配置されている。また、潤滑オイル40は、ボールねじ19が標準位置に配置される場合に液面がボールねじ19の先端に近接した位置に配置されるように、シリンダ32内に所定量注入されている。また、シリンダ32内への潤滑オイル40の注入量が調整され、電磁サスペンション10に対する高周波域の入力成分によって標準位置のボールねじ19の下方先端が潤滑オイル40に接触あるいは突入するような位置に潤滑オイル40の液面が配置されている。
潤滑オイル40の具体的な注入量は、入力成分が作用した際のボールねじ19の変動特性などに応じて適宜決定される。例えば、高周波域の入力成分が作用したボールねじ19の変動量が軸方向へ最大5(mm)程度の場合、標準位置に配置されるボールねじ19の下方先端と潤滑オイル40の液面との距離が5(mm)以下となるように、潤滑オイル40の注入量を調整することが好ましい。
他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様の構成とすることができる。
本実施の形態において高周波域の入力成分が電磁サスペンション10に作用した場合、オイル貯留室33内の潤滑オイル40は、高周波域の入力成分が直接的に作用して波立ったり飛散するだけではなく、高周波域の入力成分により軸方向へ相対的に変位するボールねじ19によって液面が叩かれて波立ったり飛散する。そのため、高周波域の入力成分が作用した際の潤滑オイル40の波立ちや飛散はより激しいものになり、潤滑オイル40が更に効果的にボールねじ19に対して塗布されることとなる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図3は、第3の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。なお図3では、モータ12やボールねじ19だけではなく掻き上げ体50も外観構成が示されている。本実施の形態のシリンダ32には段付き部34が設けられておらず、シリンダ32は、軸方向の全長にわたって略同一の径を有する。また、ボールねじ19の下方先端部には、円柱状の掻き上げ体50が一体的に取り付けられている。
図4は、掻き上げ体50の外観構成を示す図である。掻き上げ体50は、円柱外周に沿って形成された複数の掻き上げフィン52を有する。掻き上げフィン52は、所定の傾斜をもって形成されており、軸回転によって液体を上方へ掻き上げる機能を有する。特に本実施の形態では、ボールねじ19とシリンダ32の底部とが相互に近接する方向へ変位する際にオイル貯留室33内の潤滑オイル40が掻き上げ体50によって掻き上げられるように、掻き上げフィン52の傾斜方向がボールねじ19のねじ山の傾斜方向と逆方向となるように設けられている(図3参照)。
他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様の構成とすることができる。
本実施の形態の掻き上げ体50は、軸回転しながらシリンダ32内における位置を変位させるボールねじ19の動作に応じて、潤滑オイル40をボールねじ19に飛散させる。掻き上げ体50がボールねじ19とともに軸回転しながら潤滑オイル40に突入する際に、オイル貯留室33の潤滑オイル40を掻き上げフィン52が掻き上げて飛散させる。そのため、ボールねじ19やボールねじナット28には掻き上げフィン52によって掻き上げられた潤滑オイル40が効果的に付着、塗布される。また、オイル貯留室33の潤滑オイル40内で掻き上げ体50が軸回転する場合、掻き上げ体50が潤滑オイル40を対流させて効果的に波立たせる。これにより、ボールねじ19には波立った潤滑オイル40が効果的に塗布される。
なお、掻き上げフィン52の数、傾斜、方向、サイズ、形状などの特性は、潤滑オイル40の性質、ボールねじ19の軸回転状態、シリンダ32内におけるボールねじ19の軸方向への変位状態、などに応じて適宜決定される。また、掻き上げフィン52の傾斜方向を調整して、ボールねじ19とシリンダ32の底部とが遠離する方向へ変位する際にオイル貯留室33の潤滑オイル40が掻き上げ体50によって掻き上げられるようにすることもできる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5は、第4の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。本実施の形態のシリンダ32には段付き部34が設けられておらず、シリンダ32は、軸方向の全長にわたって略同一の径を有する。また、ボールねじ19の下方先端部には、箱状の汲み上げ体56がボールねじ19と一体的に設けられている。汲み上げ体56は、ボールねじ19とともに軸回転してシリンダ32内における相対位置が変位する。
図6は、汲み上げ体56の構成を示す図である。なお図6において、ボールねじ19は外観構成が示され、汲み上げ体56は断面状態が示されている。汲み上げ体56は、ボールねじ19の下方先端部に接続された汲み上げ底部58と、汲み上げ底部58から上方に向かって延びる円筒状の汲み上げ側部60と、汲み上げ側部60の上端に沿って形成されボールねじ19に向かう傾斜がつけられた汲み上げ傾斜部62と、を有する。汲み上げ体56の内側には、液体を貯留することができる汲み上げ室64が形成されている。本実施の形態の汲み上げ室64は、ボールねじ19、汲み上げ底部58、汲み上げ側部60、および汲み上げ傾斜部62によって区画形成され、汲み上げ傾斜部62とボールねじ19の間は汲み上げ室64の開放部となる汲み上げ開口部を形成する。
他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様の構成とすることができる。
本実施の形態の汲み上げ体56は、軸回転しながらシリンダ32内における位置を変位させるボールねじ19の動作に応じてオイル貯留室33内の潤滑オイル40をボールねじ19に飛散させる。ボールねじ19が軸回転して先端に設けられた汲み上げ体56がシリンダ32の内側に貯留される潤滑オイル40内に浸されると、汲み上げ体56の汲み上げ室64に潤滑オイル40が貯留される。
そして、ボールねじ19が軸回転によりシリンダ32内で変位して汲み上げ開口部が潤滑オイル40から脱出すると、汲み上げ体56の軸回転動作に応じて汲み上げ室64内の潤滑オイル40が汲み上げ開口部から飛散する。この時、汲み上げ傾斜部62がボールねじ19に向かって傾斜しているので、汲み上げ開口部から飛散する潤滑オイル40は、汲み上げ傾斜部62に導かれボールねじ19に向かって飛散しやすい。そのため、汲み上げ体56の軸回転により飛散される潤滑オイル40はボールねじ19やロッド軸受26に対し効果的に付着、塗布される。また本実施の形態では、ボールねじ19の先端部が汲み上げ室64内の潤滑オイル40に浸っている状態を確保することができる。
なお、汲み上げ体56は、軸回転しながらシリンダ32内における位置を変位させるボールねじ19の動作に応じて潤滑オイル40をボールねじ19に飛散させる任意の構造をとることができ、上述のものには限定されない。したがって、汲み上げ底部58、汲み上げ側部60、あるいは汲み上げ傾斜部62に変形を加えることも可能である。
(第5の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7は、第5の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。本実施の形態のシリンダ32には段付き部34が設けられておらず、シリンダ32は、軸方向の全長にわたって略同一の径を有する。また、シリンダ32の内側には、ボールねじ19が標準位置にある場合の潤滑オイル40の液面の上方に、シリンダ32内における潤滑オイル40の流路を絞る絞り部70が配置されている。この絞り部70は、断面形状が半円状を有し、シリンダ32内の全周にわたって設けられている。なお本実施の形態では、ボールねじ19が標準位置にある場合の潤滑オイル40の液面に近接した位置に絞り部70が配置されており、この絞り部70はシリンダ32内におけるボールねじ19の変位を阻害しない程度に潤滑オイル40の流路を絞る。
他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様の構成とすることができる。
ボールねじ19が軸回転しシリンダ32内における位置が変位してオイル貯留室33内の潤滑オイル40に突入すると、潤滑オイル40は、シリンダ32内を流路とし、ボールねじ19の突入量に応じて液面を上昇させる。この時、シリンダ32内における潤滑オイル40の上方への流れが絞り部70によって制限され、オイル貯留室33内の潤滑オイル40の液圧が一時的に上がる。そのため、絞り部70の下方から上昇してくる潤滑オイル40は、絞り部70から上方に向かって勢いよく吹き出して飛散する。飛散した潤滑オイル40は、ボールねじ19の広範囲にわたって付着、塗布されることとなる。
なお、絞り部70の形状や大きさなどについては、ボールねじ19の動作状態や潤滑オイル40の特性などに応じて適宜決定され、絞り部70から上方に向かって吹き出す潤滑オイル40が効果的にボールねじ19に塗布されるような形状や大きさに決定されることが好ましい。
(第6の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第5の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8は、第6の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。本実施の形態のシリンダ32には、シリンダ32の上方内側と下方内側とを連通する連絡路74が設けられている。この連絡路74の下方端は、絞り部70よりも下方であって潤滑オイル40の液面より下方に配置される。一方、連絡路74の上方端は、絞り部70よりも上方に配置される。したがって、連絡路74の下方端近傍の潤滑オイル40に大きな圧力が加えられると、潤滑オイル40が連絡路74を介してシリンダ32の下方内側から上方内側に移送される。
他の構成は、上述の第5の実施の形態と同様の構成とすることができる。
ボールねじ19が軸回転しシリンダ32内における位置が変位してオイル貯留室33内の潤滑オイル40に突入すると、シリンダ32内における潤滑オイル40の上昇流が絞り部70によって制限され、オイル貯留室33の潤滑オイル40の液圧が一時的に上がる。そのため、オイル貯留室33の潤滑オイル40の一部が連絡路74を介してシリンダ32の下方内側から上方内側に移送される。連絡路74の上方端から吹き出した潤滑オイル40は、シリンダ内に飛散して、ボールねじ19に付着、塗布される。また、連絡路74の上方端から吹き出した潤滑オイル40は、重力の影響により下方に落下して、絞り部70に衝突して飛散したり、オイル貯留室33の潤滑オイル40の液面に衝突して飛散し、ボールねじ19に付着、塗布される。
なお、連絡路74の径の大きさや下方端・上方端の位置、絞り部70の形状や大きさなどについては、ボールねじ19の動作状態や潤滑オイル40の特性などに応じて適宜決定される。例えば、連絡路74を介してシリンダ32の下方内側から上方内側へ効果的に潤滑オイル40を移送する観点からは、潤滑オイル40に対するボールねじ19の突入時に所望の潤滑オイル40の液圧変動が得られるように決定されることが好ましい。
(第7の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第6の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図9は、第7の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。なお図9では、モータ12やボールねじ19だけではなく撹拌フィン82も外観構成が示されている。本実施の形態の電磁サスペンション10は、絞り部70が設けられていないが、ボールねじ19の下方先端に撹拌部80が設けられている。撹拌部80は、外周に沿って複数形成された撹拌フィン82を有する。撹拌フィン82は、所定の傾斜をもって形成されており、軸回転によって液体を撹拌する機能を有する。本実施の形態の撹拌フィン82の傾斜方向は、ボールねじ19の下方先端とサスペンション底部35とが相互に近接する方向へ変位する際に、撹拌フィン82がオイル貯留室33内の潤滑オイル40を撹拌して、連絡路74の下端部近傍の潤滑オイル40の液圧を増加させるような向きに調整されている。
他の構成は、上述の第6の実施の形態と同様の構成とすることができる。
本実施の形態では、ボールねじ19および撹拌部80が軸回転して撹拌部80がオイル貯留室33の潤滑オイル40に浸ると、ボールねじ19とともに軸回転する撹拌部80が潤滑オイル40に圧力を加える。そして、連絡路74の下端近傍の潤滑オイル40の液圧が増加し、連絡路74を介して潤滑オイル40がシリンダ32の下方内側から上方内側に移送される。これにより、連絡路74の上方端から吹き出した潤滑オイル40が、ボールねじ19に付着、塗布される。
なお、撹拌フィン82の数、傾斜、方向、サイズ、形状などの特性は、連絡路74の性状、潤滑オイル40の性質、ボールねじ19の軸回転状態、シリンダ32内におけるボールねじ19の軸方向への変位状態などに応じて適宜決定される。また、撹拌フィン82の傾斜方向は、ボールねじ19の下方先端とサスペンション底部35とが相互に遠離する方向へ変位する際に、連絡路74の下端部近傍の潤滑オイル40の液圧を増加させるような向きに調整されていてもよい。
(第8の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10は、第8の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。なお図10では、モータ12やボールねじ19だけではなくコイルばね90も外観構成が示されている。本実施の形態のシリンダ32には段付き部34が設けられておらず、シリンダ32は、軸方向の全長にわたって略同一の径を有する。シリンダ32内のオイル貯留室33には、コイルばね90を介して円盤状の振動板92が設置されている。振動板92は、オイル貯留室33の潤滑オイル40内に設置され、ボールねじ19が標準位置にある場合にはオイル貯留室33の潤滑オイル40の液面近傍に配置される。コイルばね90は、その弾性作用により振動板92が振動可能な程度の弾性定数を有し、特に高周波域の入力成分がコイルばね90に作用した際に振動板92を振動させる。なおコイルばね90の共振周波数は、想定される「高周波域の入力成分」の周波数帯域などに応じて適宜決定することができ、例えば10(Hz)程度に設定することができる。
他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様の構成とすることができる。
本実施の形態の電磁サスペンション10に高周波域の入力成分が作用すると、コイルばね90の弾性作用により振動板92が振動し、この振動板92の振動に応じてオイル貯留室33の潤滑オイル40の液面も大きく波立つ。これにより、オイル貯留室33の潤滑オイル40がボールねじ19の広範囲にわたって付着、塗布される。また、振動板92は、シリンダ32の底部に向かって接近するボールねじ19により押圧され変動する。その場合にも、振動板92の変動に応じてオイル貯留室33の潤滑オイル40の液面が大きく波立つ。なお、振動板92は、ボールねじ19との接触に関して耐久性を有する金属などの部材によって構成されることが好ましい。
(第9の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第8の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図11は、第9の実施の形態における振動板92を上方から見た外観図である。本実施の形態の振動板92には複数の板孔94が形成されており、この板孔94は、振動板92の中央部に形成されるとともに、振動板92の中央部の周りに等間隔に8箇所において形成されている。また、コイルばね90の弾性定数は、ボールねじ19が標準位置にある場合に高周波域の入力成分がコイルばね90に作用すると振動板92がオイル貯留室33の潤滑オイル40の液面から突出するように調整されている。
他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様の構成とすることができる。
本実施の形態の電磁サスペンション10に高周波域の入力成分が作用すると、コイルばね90の弾性作用により振動板92が振動し、この振動板92は入力成分に応じてオイル貯留室33の潤滑オイル40の内外への進退動作を繰り返す。このとき、オイル貯留室33内の潤滑オイル40の上方の空気が振動板92によってオイル貯留室33の潤滑オイル40内に取り込まれ、特に板孔94によって空気が効果的に潤滑オイル40内に取り込まれて、オイル貯留室33の潤滑オイル40は泡立つ。泡立った潤滑オイル40は、オイル貯留室33の潤滑オイル40の上方に積層されてシリンダ32内の空間を埋め、ボールねじ19の広範囲にわたって付着、塗布される。
なお、上述の実施の形態では板孔94が形成された振動板92を利用した例について説明したが、潤滑オイル40を泡立てるのに適した形状を有する他の部材を利用することも可能である。
(第10の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図12は、第10の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。本実施の形態のシリンダ32には段付き部34が設けられておらず、シリンダ32は、軸方向の全長にわたって略同一の径を有する。またシリンダ32には、シリンダ32内とアウターシェル36内とを連通する第1連通路100が形成されており、この第1連通路100はシリンダ32内とアウターシェル36内の間で潤滑オイル40を流通可能にする。シリンダ32内のオイル貯留室33には比較的多量の潤滑オイル40が貯留され、またアウターシェル36内にも多量の潤滑オイル40が貯留されている。
他の構成は、上述の第1の実施の形態と同様の構成とすることができる。
ボールねじ19が軸回転してサスペンション底部35とボールねじ19の下方先端部とが接近した場合、オイル貯留室33内の潤滑オイル40へのボールねじ19の突入により、オイル貯留室33内の潤滑オイル40の液面が上昇する。一般に、オイル貯留室33内の潤滑オイル40の液面が過度に上昇すると、すべての潤滑オイル40をシリンダ32内に貯留しておくことが難しくなり、予定していない箇所から潤滑オイル40が漏出してしまうおそれがある。本実施の形態では、第1連通路100を通じてシリンダ32内とアウターシェル36内の間で潤滑オイル40が自由に流通可能なので、シリンダ32内における潤滑オイル40の過度な液面上昇を抑制し、予定していない箇所から潤滑オイル40が漏出してしまうことを防ぐことができる。また、シリンダ32内だけでなくアウターシェル36内にも潤滑オイル40を貯留しておくことができるので、電磁サスペンション10には多量の潤滑オイル40を貯留しておくことができ、ボールねじ機構のスムーズなねじ動作を非常に長期にわたって維持することができる。
(第11の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第10の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図13は、第11の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。本実施の形態のシリンダ32には、シリンダ32内とアウターシェル36内とを連通する第2連通路102が第1連通路100の上方に形成されている。この第2連通路102は、シリンダ32内とアウターシェル36内の間で潤滑オイル40を流通可能にする。第2連通路102は、ボールねじ19が標準位置にある場合のオイル貯留室33の潤滑オイル40の液面よりも上方に位置する。また、第2連通路102の開口面積は第1連通路100の開口面積よりも大きい。
他の構成は、上述の第10の実施の形態と同様の構成とすることができる。
本実施の形態では、第1連通路100および第2連通路102を介して潤滑オイル40がシリンダ32内とアウターシェル36内の間で自由に流通可能なので、シリンダ32内の潤滑オイル40の液圧の大きな変動を防いで、ボールねじ機構のスムーズな作動を保持することができる。また、シリンダ32内における潤滑オイル40の過度な液面上昇を効果的に抑制し、予定していない箇所からの潤滑オイル40の漏出を効果的に防ぐことができる。特に、開口面積が比較的小さい第1連通路100を下方に配置することで、シリンダ32内からアウターシェル36内への潤滑オイル40の流出を抑制し、オイル貯留室33の潤滑オイル40内にボールねじ19が突入した際における潤滑オイル40の液面を効果的に上昇させうるとともに、アウターシェル36内に流出した潤滑オイル40が必要に応じてシリンダ32内に返送される。一方、開口面積が比較的大きい第2連通路102を上方に配置することで、シリンダ32内からアウターシェル36内へ潤滑オイル40をスムーズに流出させて、シリンダ32内における潤滑オイル40の液面の過度な上昇を防ぐことができる。
なお、第1連通路100の具体的な大きさ、形状、配置位置などは、とりわけ「シリンダ32内における潤滑オイル40の上昇状態」「シリンダ32内とアウターシェル36内の間における潤滑オイル40の流出入状態」に応じて決定されることが好ましい。一方、第2連通路102の具体的な大きさ、形状、配置位置などは、とりわけ「シリンダ32内からアウターシェル36内への潤滑オイル40の流出状態」に応じて決定されることが好ましい。
(第12の実施の形態)
本実施の形態において、上述の第10の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図14は、第12の実施の形態の電磁サスペンション10の断面構成を示す図である。本実施の形態では、ロッド22の上方にエア吸排気口44が設けられる代わりに、アウターシェル36とロッド22の間の空間が、電磁サスペンション10の内部と外部の間で空気を流通させる空気流通路46としての役割を果たす。ダストシール24およびロッド軸受26は、それぞれ上述した本来の機能を保有するとともに、空気の流れを遮断せずに電磁サスペンション10の内部と外部の間で比較的自由に空気を流通させる。また、ボールねじ19の下方先端部がアウターシェル36内の潤滑オイル40に突入してシリンダ32内の下方に配置される際にその潤滑オイル40によって空気流通路46を塞がないように、シリンダ32内およびアウターシェル36内における潤滑オイル40の貯留量が調整されている。したがって、ボールねじ19の下方先端部がサスペンション底部35に最も近接した位置に配置される場合であっても、アウターシェル36内の潤滑オイル40とロッドストッパ23とは離間しており、空気流通路46は潤滑オイル40によって遮断されない。
他の構成は、上述の第10の実施の形態と同様の構成とすることができる。
本実施の形態によれば、ボールねじ19がシリンダ32内のいずれの位置に配置される場合であっても、電磁サスペンション10の内部と外部の間における空気の流通が空気流通路46よって確保される。そのため、電磁サスペンション10はボールねじ19の軸回転に基づく伸縮動作をスムーズに行うことができ、入力成分を打ち消す減衰力発生の応答性を良好に保つことができる。また、電磁サスペンション10の内部の空気給排時に、オイル貯留室33の潤滑オイル40を電磁サスペンション10の外部に排出してしまうということを防ぐことができる。
本発明は上述の各実施の形態や変形例に限定されるものではなく、各実施の形態やその変形例の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施の形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施の形態やその変形例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
例えば図15に示すように、シリンダ32内とロッド22内とを連通する第3連通路110をシリンダ32の上方に形成し、シリンダ32の外周部を摺動可能なロッドストッパ23によってシリンダ32とロッド22の間がシールされるようにすることも可能である。この場合、シリンダ32内におけるボールねじ19の変位によってシリンダ32内から溢れる潤滑オイル40は、第3連通路110を介してロッド22内に流入して貯留される。そのため、予定されていない箇所からシリンダ32内の潤滑液が流出してしまうことを効果的に防いで、シリンダ32内における潤滑液の貯留量を適正に保つことができる。また、ボールねじ19とボールねじナット28の間からロッド22内に漏出した潤滑オイルを、第3連通路110を介してシリンダ32内に返送することもできる。なお、ロッド22内に貯留される潤滑オイル40は、シリンダ32が軸方向へ移動することで、第3連通路110を介して再びシリンダ32内に流入され貯留される。
また、図16〜図21に示すように、上述の各実施の形態に第1連通路100を適宜設けることも可能である。例えば、図3に示す第3の実施の形態のシリンダ32に第1連通路100を形成したり(図16参照)、図5に示す第4の実施の形態のシリンダ32に第1連通路100を形成したり(図17参照)、図7に示す第5の実施の形態のシリンダ32に第1連通路100を形成したり(図18参照)、図8に示す第6の実施の形態のシリンダ32に第1連通路100を形成したり(図19参照)、図9に示す第7の実施の形態のシリンダ32に第1連通路100を形成したり(図20参照)、図10に示す第8の実施の形態のシリンダ32に第1連通路100を形成することも可能である(図21参照)。
なお、各図面には模式図が記載されており、各部材のサイズや配置関係などについては適宜調整することが可能である。
第1の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 第2の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 第3の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 掻き上げ体の外観構成を示す図である。 第4の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 汲み上げ体の構成を示す図である。 第5の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 第6の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 第7の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 第8の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 第9の実施の形態における振動板を上方から見た外観図である。 第10の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 第11の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 第12の実施の形態の電磁サスペンションの断面構成を示す図である。 本発明の変形例を示す図である。 本発明の変形例を示す図である。 本発明の変形例を示す図である。 本発明の変形例を示す図である。 本発明の変形例を示す図である。 本発明の変形例を示す図である。 本発明の変形例を示す図である。
符号の説明
10 電磁サスペンション、 12 モータ、 14 車体取付面、 16 回転軸ベアリング、 18 モータ回転軸、 19 ボールねじ、 20 コイルスプリング、 22 ロッド、 23 ロッドストッパ、 24 ダストシール、 26 ロッド軸受、 28 ボールねじナット、 30 スプリングシート、 32 シリンダ、 33 オイル貯留室、 34 段付き部、 35 サスペンション底部、 36 アウターシェル、 40 潤滑オイル、 42 サスペンション取付部、 44 エア吸排気口、 46 空気流通路、 50 掻き上げ体、 52 掻き上げフィン、 56 汲み上げ体、 58 汲み上げ底部、 60 汲み上げ側部、 62 汲み上げ傾斜部、 64 汲み上げ室、 70 絞り部、 74 連絡路、 80 撹拌部、 82 撹拌フィン、 90 コイルばね、 92 振動板、 94 板孔、 100 第1連通路、 102 第2連通路、 110 第3連通路。

Claims (12)

  1. モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられ前記螺子軸の少なくとも一部が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、
    前記シリンダの内側には、前記螺子軸が標準位置にある場合に当該螺子軸の直下に液面が位置するように所定量の潤滑液が注入されていることを特徴とする車両懸架装置。
  2. 前記潤滑液は、車両懸架装置に対する高周波域の入力成分によって標準位置の前記螺子軸の下端が前記潤滑液に接触あるいは突入するような位置に液面を有することを特徴とする請求項1に記載の車両懸架装置。
  3. 前記シリンダ内に弾性手段を介して設置され、当該弾性手段の弾性作用により振動可能に設けられた振動手段を更に備え、
    前記振動手段は、前記螺子軸が標準位置にある場合の前記潤滑液の液面近傍に配置されることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の車両懸架装置。
  4. モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられて所定量の潤滑液が内側に注入され前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、
    前記螺子軸には、軸回転しながら前記シリンダ内における位置を変位させる当該螺子軸の動作に応じて前記潤滑液を当該螺子軸に飛散させる飛散手段が設けられていることを特徴とする車両懸架装置。
  5. モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられて所定量の潤滑液が内側に注入され前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、
    前記シリンダの内側には、前記螺子軸が標準位置にある場合の前記潤滑液の液面の上方の流路を絞る絞り手段が配置されることを特徴とする車両懸架装置。
  6. モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられて所定量の潤滑液が内側に注入され前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、
    前記シリンダには、当該シリンダの上方内側と下方内側とを連通する連絡路が設けられ、
    軸回転しながら前記シリンダ内における位置を変位させる前記螺子軸が前記潤滑液に対し圧力を加えることにより、前記連絡路を介して前記潤滑液が前記シリンダの下方内側から上方内側に移送されることを特徴とする車両懸架装置。
  7. モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられて所定量の潤滑液が内側に注入され前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、
    前記シリンダ内には、前記入力成分に応じて動作し前記潤滑液を泡立てる泡立て手段が設けられていることを特徴とする車両懸架装置。
  8. モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられ前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、前記シリンダを内側に配置するアウターシェルと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、
    前記シリンダには、当該シリンダ内と前記アウターシェル内とを連通して当該シリンダ内と前記アウターシェル内の間で潤滑液を流通させる連通部が形成されていることを特徴とする車両懸架装置。
  9. モータに連結された螺子軸および螺子ナットを含む螺子機構と、前記螺子ナットの下方に設けられ前記螺子軸が内側に配置されるシリンダと、前記シリンダを内側に配置するアウターシェルと、を備え、前記モータによってもたらされる回転運動と前記螺子機構によってもたらされる直線運動との相互変換により入力成分を打ち消す減衰力を発生させる車両懸架装置であって、
    前記シリンダには、当該シリンダ内と前記アウターシェル内とを連通して当該シリンダ内と前記アウターシェル内の間で潤滑液を流通させる第1の連通部が形成されるとともに、前記第1の連通部の上方に設けられ当該シリンダ内と前記アウターシェル内とを連通して当該シリンダ内と前記アウターシェル内の間で潤滑液を流通させる第2の連通部が形成され、
    前記第2の連通部は、前記螺子軸が標準位置にある場合の前記潤滑液の液面よりも上方に位置し、開口面積が前記第1の連通部よりも大きいことを特徴とする車両懸架装置。
  10. 前記シリンダを内側に配置し前記潤滑液を貯留可能な構成を有するアウターシェルを更に備え、
    前記シリンダには、当該シリンダ内と前記アウターシェル内とを連通して当該シリンダ内と前記アウターシェル内の間で潤滑液を流通させる連通部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の車両懸架装置。
  11. 前記アウターシェルの少なくとも一部が利用されて形成され、車両懸架装置の内部と外部の間で空気を流通させる空気流通路を更に備え、
    前記空気流通路は、前記螺子軸が前記シリンダ内の下方に配置された状態にある場合に前記アウターシェル内の潤滑液によって塞がれないような位置に形成されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の車両懸架装置。
  12. 前記アウターシェルの上方に形成され車両懸架装置の内部と外部の間で空気を流通させる空気流通路を更に備えることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の車両懸架装置。
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