JP2003035332A - 液圧緩衝器の摩擦発生装置 - Google Patents

液圧緩衝器の摩擦発生装置

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JP2003035332A
JP2003035332A JP2001221912A JP2001221912A JP2003035332A JP 2003035332 A JP2003035332 A JP 2003035332A JP 2001221912 A JP2001221912 A JP 2001221912A JP 2001221912 A JP2001221912 A JP 2001221912A JP 2003035332 A JP2003035332 A JP 2003035332A
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piston rod
shock absorber
hydraulic shock
friction
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JP2001221912A
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Hiroyuki Yamaguchi
裕之 山口
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作動油の置換流動の速度に応じて減衰力を発生
させて車体の振動を減衰する液圧緩衝器の減衰力のみで
は吸収、減衰することのできない低速度の入力、特に、
高周波領域を含む低速度の入力を吸収、減衰して、広範
囲な入力領域において車両を快適な乗り心地にする液圧
緩衝器の摩擦発生装置を提供する。 【解決手段】ロッドガイド14の凹部22内にリテーナ
26とリップ部材27からなる摩擦発生装置23を配設
し、前記リテーナ26を筒状部24とフランジ部25と
から形成して、該フランジ部25に前記リップ部材27
を焼き付け固定し、該リップ部材27の内周部をピスト
ンロッド4の外周面に断接させると共に、該リップ部材
27の外周面と前記筒状部24の内周面との間に空隙部
29を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に装着された
液圧緩衝器の衝撃吸収及び振動減衰特性を向上させるた
めに液圧緩衝器内に装填される摩擦発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このような液圧緩衝器の摩擦発生装置と
しては、例えば、特開平10−141415号公報に記
載のものが知られている。この摩擦発生装置は、軸方向
のスリットにて分断された環状のブッシュをピストンロ
ッドの外周に挿入し、該ブッシュの外周にコイルスプリ
ングやゴム等の弾性押圧部材を装填して、この押圧部材
によってブッシュをピストンロッドの外周面に押圧付勢
することによって、ピストン速度が微低速の時に一定の
フリクションを発生させるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの従来
の摩擦発生装置のブッシュは、ピストンロッドが貫通支
持されるロッドガイドの上部に形成された凹部内に、押
圧部材を外装した状態で配設され、凹部の上方に設けら
れた抜け止め部材によって凹部内に保持されるようにな
っていた。一般にこのようにブッシュを配設する場合に
は、製作誤差によって、ブッシュが抜け止め部材に干渉
して組付け不能とならないように、ブッシュの軸方向寸
法が凹部の深さ寸法よりも短く設定されるが、この従来
例にあっても同公報の図2に開示の如く、ブッシュと抜
け止め部材との間に隙間が設けられる構成となってい
た。このために、低周波入力時のピストン速度が微低速
の時に一定のフリクションを発生させることは可能なも
のの、高周波入力時にはブッシュがピストンロッドに引
きつられて前記隙間を移動するために高周波振動入力を
減衰するものではなかった。
【0004】本発明は、上記従来の液圧緩衝器のフリク
ション発生機構に内在する課題を解決して、高周波振動
を含む広範囲の振動入力を減衰して車両の乗り心地を向
上させる液圧緩衝器の摩擦発生装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、作動液体が充填された有底のシリンダと、該シリン
ダの開放端側に固設されたロッドガイドに摺動支持され
て前記シリンダ内から外方に延出するピストンロッド
と、該ピストンロッドと前記ロットガイドよりも外側で
摺接して作動液体の前記シリンダ外への漏洩を防止する
ロッドシールと、該ロッドシールによって画成された前
記シリンダ内の位置に設けられた摩擦発生装置と、を備
えた液圧緩衝器の摩擦発生装置において、前記摩擦発生
装置は、該シリンダ側部材に固設されるリテーナと、該
リテーナに一端が固着され他端が前記ピストンロッドに
弾接するリップ部材とからなり、該リップ部材は前記リ
テーナに固着された基端部から径方向斜め内方に向かっ
て延設され、さらに該リップ部材の外周面と前記筒状部
との間には、前記摩擦発生装置に前記ピストンロッドが
挿通されて該リップ部材の内周部が前記ピストンロッド
の外周面に弾接した時にリップ部材が折り曲げられて拡
開変形可能な環状の空隙部が設けられている構成とし
た。
【0006】請求項2記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項1記載の摩擦発生装置において、空隙部の大
きさを特定しており、該空隙部の大きさは、前記摩擦発
生装置に前記ピストンロッドが挿通されて前記リップ部
材の内周部が前記ピストンロッドの外周面に弾接してリ
ップ部材が折り曲げられて拡開変形した時に、該リップ
部材の外周部が前記筒状部の内周面に弾接するように形
成されている。
【0007】請求項3記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項1または2記載の摩擦発生装置において、リ
テーナの構造および該リテーナへのリップ部材の取り付
けを特定しており、リテーナの筒状部の一端に径方向内
方に延在するフランジ部を設け、該フランジ部に前記リ
ップ部材の基端部を固着した構成としている。
【0008】請求項4記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項3記載の摩擦発生装置において、リップ部材
の形状を特定しており、該リップ部材の内周部の断面を
三角突状に形成して該突条を前記ピストンロッドとの弾
接部とすると共に、該弾接部から前記フランジ部までの
長さよりも、前記筒条部と前記リップ部材外周部との弾
接部から前記フランジ部までの長さが長く形成されてい
る。
【0009】請求項5記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項1〜4までの何れかに記載の液圧緩衝器の摩
擦発生装置において、該摩擦装置の配置を特定してお
り、該摩擦発生装置は前記リップ部材が重力に対して上
方を向くように設けられると共に、該摩擦発生装置に前
記ピストンロッドが挿通された状態で、前記筒状部の上
端が前記リップ部材の上端よりも上方に位置するように
形成されている。
【0010】
【作用】請求項1記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置で
は、弾性体とリテーナから構成される摩擦発生装置のリ
テーナがシリンダ側部材に固定され、ピストンロッドに
弾接して摩擦力を発生する弾性体はリテーナに固着され
ているので、ピストン速度や振動入力周波数の大小に係
らず、ピストンロッドに引きつられることなく、安定し
た摩擦力を発生する。
【0011】また、リップ部材はリテーナのフランジ部
に固着された基端部から径方向斜め内方に向かって延設
され、該リップ部材の内周部がピストンロッドの外周面
に弾接すると共に、該リップ部材の外周面とリテーナの
筒状部との間には環状の空隙部が設けられている。これ
によって、リップ部材はピストンロッドとの弾接部が弾
性圧縮変形すると共に、固着された基端部を中心に空隙
部に向けて折り曲げ弾性変形される。この折り曲げ弾性
変形の分、大きい摩擦力を発生させることが可能とな
り、とりわけ、前記ロッドシールの摩擦力を可及的に小
さく設定することが可能となり、ロッドシールの耐久性
を向上させることができる。
【0012】さらに、折り曲げ弾性変形に伴う摩擦力の
大きさは、前記基端部の肉厚及び基端部から弾接部まで
の長さによって、任意の設定が可能であり、これによっ
て、例えば、種々の振動特性を有する車両ごとの最適摩
擦力の設定が容易になる。
【0013】請求項2記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
では、空隙部の大きさを、リップ部材が折り曲げ変形さ
れた時に該リップ部材の外周部がリテーナの筒状部の内
周面に弾接するように形成されているので、この弾接部
で圧縮弾性変形した弾発力によって、リップ部材はさら
にピストンロッドに向けて押圧力を付加されるので、よ
り大きい摩擦力を発生させることができ、さらなる適用
の拡大を図ることができる。
【0014】請求項3記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
ではリップ部材の器端部をリテーナのフランジ部に固着
することによって、延在する角度や長さが安定したリッ
プ部材が得られる。
【0015】請求項4記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
では、リップ部材の固定端であるフランジ部からリップ
部材の2カ所の弾接部までの長さ、即ち、ピストンロッ
ドとの弾接部までの長さと、リテーナの筒状部との弾性
部までの長さのうち、筒状部との弾接部までの長さを長
く形成したので、筒状部との弾接部に作用する弾発力は
ピストンロッドとの弾接部には挺子の作用で前記長さの
差分のモーメントスパンで作用して、さらに大きな押圧
力をピストンロッドとの弾接部に付加する。また、筒状
部との弾接部からピストンロッドとの弾性部に付加され
る押圧力は作用点が軸方向にずれているために、ピスト
ンロッドとの弾接部には軸方向の圧縮力が作用し、リッ
プ部材が軸方向に圧縮変形してピストンロッドの摺動時
により大きな軸方向の粘弾性係数を与えることとなり、
さらに好ましい振動減衰特性を得ることができる。
【0016】請求項5記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
では、リップ部材がリテーナの筒状部の上端よりも下方
に位置することとなり、リップ部材の状部が油溜とな
り、再始動時にも潤滑が確保され、摩擦発生装置やシー
ル部材の耐久性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0018】図1は、複筒型液圧緩衝器の要部の断面図
で、外筒1の図外の閉塞された下端部には車輪側の部材
が固設され、内部には所定量の作動油が充填されてい
る。該外筒1の内部にはシリンダ2が同軸に配設され、
該シリンダ2によって内部の油室とリザーバ3とが画成
され、下端部に設けられた図外のボトム部材に形成され
ている連通路によって前記油室とリザーバ3との間の作
動油の交互流通が可能となっている。前記油室には図外
の上端部が車体に取り付けられたピストンロッド4の下
端部が貫入してきており、車体が前記車輪側部材と相対
的に移動するに伴って貫入量が変動し、この変動に応じ
て油室とリザーバ3間にて作動油が交互流通し、体積補
償がなされる。
【0019】前記ピストンロッド4の下端部にはピスト
ン5が固設され、該ピストン5はその外周に巻装された
ピストンリング6によって、シリンダ2の内周面に滑ら
かに摺接すると共に、前記油室を上室7と下室8とに画
成している。また、該ピストン5には軸方向に貫通して
前記上室7と下室8とを連通する伸び通路9と圧通路1
0とが形成され、伸び通路9の出口の下室8側端と圧通
路10の出口の上室7側端には、各出口を閉塞するよう
に弾性体からなる伸側ディスクバルブ11と圧側ディス
クバルブ12とが配設され、ナット13によってピスト
ン5と共にピストンロッド4に締結されている。このた
めに各ディスクバルブ11,12は上室7と下室8との
間に圧力差が生じると、この圧力差に応じて固定された
内周部を支点に撓み変形して各出口にオリフィスを形成
する。このオリフィスの開口面積に応じたオリフィス前
後の圧力降下が上室7と下室8間の圧力差となり、この
圧力差がピストンロッド4とシリンダ2との相対移動を
抑止する減衰力として作用する。
【0020】シリンダ2の上端側にはロッドガイド14
の下端部が嵌合され、該ロッドガイド14を貫通して形
成された中心孔15にはガイドブッシュ16が圧入固定
されていて、該ガイドブッシュ16によって前記ピスト
ンロッド4が滑らかに摺動支持されている。
【0021】前記ロッドガイド14の上端には環状のリ
テーナ17にゴム製のシールリップ18を焼き付けて形
成されたロッドシール19が配設され、該ロッドシール
19の外周部が、前記外筒1の上端部を該ロッドシール
19の外周部上面に折り曲げることによって、前記ロッ
ドガイド14の外周部に押し付け固定されている。一
方、シールリップ18の内周部は前記ピストンロッド4
の外周面に弾接して、作動油の外部への漏洩と外部から
のごみや水等の侵入を防止している。
【0022】20は外筒1の上端外周にかしめ固定され
たバウンドキャップで、大バウンド時に図外のバウンド
ラバーが衝突して衝撃を吸収する。21はピストンロッ
ドの外周に溶接にて固定されたリテーナ上に硬質ナイロ
ン等からなる緩衝体を載置して形成されたリバウンドス
トッパで大リバウンド時に緩衝体が前記ロッドガイド1
4に衝突して衝撃を吸収しながらストロークを規制す
る。
【0023】前記ロッドガイド14には、前記リップ部
材18の下面に対向して凹部22が形成されており、該
凹部22内に摩擦発生装置23が配設されている。図2
は該摩擦発生装置23の断面図であり、該摩擦発生装置
23は筒状部24及び該筒状部24の一端を径方向内方
へ折り曲げ形成されたフランジ部25からなる金属製の
リテーナ26と、前記フランジ部25の折り曲げられた
内面側に焼き付けられたリップ部材27とから構成され
ている。該リップ部材27の内周部及び外周部は共に傾
斜して半径方向へ向かって延設され、内周端には断面三
角突条の弾接部28が形成され、外周傾斜部と筒状部2
4との間には環状の空隙29が形成されている。
【0024】このように形成された摩擦発生装置23
は、リテーナ26の筒状部24が図1の如くロッドガイ
ド14の凹部22に圧入固定され、ピストンロッド4が
装通されて液圧緩衝器に装着される。30は前記凹部2
2の底面と内周面とに亘って形成された連通溝で、摩擦
発生装置23の装着時に、該摩擦発生装置23の上室7
側とロッドシール19側とをバイパス連通して作動油の
通路を形成している。
【0025】図3は摩擦発生装置23の装着状態を示す
拡大された断面図で、内周の弾接部28が挿通されたピ
ストンロッド4の外周面によって押圧されて、三角形の
突条が平坦になるように圧縮変形し、リップ部材27全
体は焼き付けられたフランジ部25側を中心に拡開方向
に弾性変形して、外周部先端が前記筒状部24の内周面
に弾接している。この状態で、リップ部材27の上端か
らフランジ部25の底面までの長さh2は、ピストンロ
ッド4との弾接部28の最大面圧となる突条先端からフ
ランジ部25底面までの長さh1よりも長く形成されて
いる。また筒状部24のフランジ部25底面からの長さ
Hが前記リップ部材27上面までの長さh3よりも長く
形成されている。
【0026】次に、上記構成になる本発明の実施の形態
の作用・効果を説明する。車両走行中には、路面の凹凸
やコーナリングやブレーキング等に伴って外力が作用
し、これら外力に応じて車体側(ばね上)と車輪側(ば
ね下)との間にバウンシング、ローリング、ピッチング
等の相対運動が生じる。このために、ばね上のピストン
ロッド4とばね下のシリンダ2との間で相対移動し、こ
の相対移動の間はピストンロッド4はシリンダ2に対し
て退出する行程(以後、伸行程とする)と進入する行程
(以後、圧行程とする)とが交互に行われる。この伸行
程と圧行程とに応じて、前記段落番号[0018]に記
載の如く、作動油は体積補償の流れを生じるのである
が、この場合には、油室は前記ピストン5によって上室
7と下室8とに画成されているので、この両室の間にも
交互に置換流動を生じる。この置換流動に伴って、前記
段落番号[0019]に記載の如く減衰力を発生させ
て、ばね上とばね下との相対移動を抑制する。
【0027】このように液圧緩衝器にあっては、相対移
動速度に対応した作動油の流通速度に応じて減衰力を発
生させるので、流通速度が小さい相対移動時には作動油
の流通による減衰は十分でない。そこで、このような低
速の相対移動時には摩擦発生装置23による減衰作用が
行われる。即ち、ピストンロッド4の外周面に所定の弾
接力にて弾接したリップ部材27の弾接部28はピスト
ンロッド4の移動速度に関係なく、移動開始時から摩擦
力を発生させてピストンロッド4の移動を抑制するよう
に作用する。ここで、リップ部材27はシリンダ2側に
固設されたリテーナ26に焼き付けにて固定されている
ので、ピストンロッド4に引きつけられて移動すること
はなく、移動開始時に軸方向に微少に弾性変形を行って
後、相対移動して摩擦力を発生する。従って、高周波の
入力時にも弾性摩擦力による減衰作用を行うと共に、相
対移動の軸方向弾性変形によって入力時の衝撃が吸収さ
れる。これによって、突き上げ感などの衝撃的な車体へ
の入力が防止されると共に、効果的に車体の振動が抑止
される。
【0028】本実施の形態にあっては、リップ部材27
の外周面と筒状部24の内周面との間には空隙部29が
設けられているので、ピストンロッド4が挿入された時
にリップ部材27は焼き付けられた基端部を中心にして
弾性的に曲げ変形する。従って、弾接部28には曲げ戻
りの弾性復元力が加わって、弾接部での摩擦力をより大
きくすることができ、車両の仕様に対応した幅広い振動
減衰特性の設定が容易になる。
【0029】また、前記空隙部29の大きさは、リップ
部材27が弾性曲げ変形した時に、その外周面が筒状部
24の内周面に弾接する大きさに形成されているので、
筒状部24からの弾接反力によってピストンロッド4と
の弾接部28にはさらに大きな押圧力が付加される。
【0030】さらに、前記フランジ部25から各弾接部
までの長さが、即ち、筒状部24との弾接部までの長さ
がピストンロッド4との弾接部28までの長さよりも長
く形成されているので、筒状部24からの弾接反力は、
挺子の作用によって弾接部28にさらに大きな押圧力を
付加して、摩擦力を大きくすることができる。また、筒
状部24からの弾接反力がピストンロッド4との弾接部
28に対して軸方向にずれているために、弾接部28に
は軸方向の圧縮力が作用して、これが前記軸方向の衝撃
入力の吸収効果をさらに高める。
【0031】該摩擦発生装置23が装着されたロッドガ
イド14の凹部22内面には、該摩擦発生装置23をバ
イパスして連通溝30が形成されており、伸行程時に上
室7が高圧になって、ガイドブッシュ16とピストンロ
ッド4との摺接隙間から該摩擦発生装置23の下部に流
入してきた作動油を、該連通溝30によってロッドシー
ル19側に流入させシールリップ18とピストンロッド
4との摺接部の油膜の形成を容易にしている。これによ
って、摩擦発生装置23の弾接部28の潤滑によって作
動油が掻き落とされても、ロッドシール19の潤滑は良
好に確保されロッドシール19の耐久性が向上する。
【0032】ここで、該摩擦発生装置23の筒状部24
の長さは、フランジ部25からリップ部材27の上端ま
での長さよりも長く形成されているので、筒状部24の
内側には作動油溜りが形成されて、前記連通溝30から
導入された作動油は該作動油溜りに貯留されて、長時間
停車後に液圧緩衝器が再作動しても、即座にロッドシー
ル19の潤滑は確保される。
【0033】なお、前記ロッドシール19のシールリッ
プ18の外周部には逆止弁31が設けられていて、連通
溝30から流入した余剰の作動油を、ロッドガイド14
に形成した戻し通路32を介してリザーバ3に還流させ
ると共に、リザーバ3上部の空気の吸い込みを防止する
ようになっている。
【0034】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明の液圧緩衝器の
摩擦発生装置は、シリンダ側部材に固設されるリテーナ
と、該リテーナに一端が固着され他端がピストンロッド
に弾接するリップ部材とからなる構成としたことで、弾
性体とリテーナから構成される摩擦発生装置のリテーナ
がシリンダ側部材に固定され、ピストンロッドに弾接し
て摩擦力を発生する弾性体はリテーナに固着されている
ので、ピストン速度や振動入力周波数の大小に関わら
ず、ピストンロッドに引きつられることなく、安定した
摩擦力を発生する。
【0035】また、リテーナはピストンロッドと同心に
配設される筒状部と、該筒状部の一端から折曲げ形成さ
れて径方向内方へ延在するフランジ部を備えると共に、
リップ部材はフランジ部に固着された基端部から径方向
斜め内方に向かって延設されてなり、該リップ部材の外
周面と前記筒状部との間には、摩擦発生装置にピストン
ロッドが挿通されてリップ部材の内周部がピストンロッ
ドの外周面に弾接した時にリップ部材が折り曲げられて
拡開変形可能な環状の空隙部が設けられている構成とし
たことで、リップ部材はピストンロッドとの弾接部が弾
性圧縮変形すると共に、固着された基端部を中心に空隙
部に向けて折り曲げ弾性変形されるため、この折り曲げ
弾性変形の分、大きい摩擦力を発生させることが可能と
なり、とりわけ、ロッドシールの摩擦力を可及的に小さ
く設定することが可能となって、ロッドシールの耐久性
を向上させることができる。
【0036】さらに、折り曲げ弾性変形に伴う摩擦力の
大きさは、前記基端部の肉厚及び基端部から弾接部まで
の長さによって、任意の設定が可能であり、これによっ
て、例えば、種々の振動特性を有する車両ごとの最適摩
擦力の設定が容易になる。
【0037】請求項2記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項1記載の摩擦発生装置において、前記空隙部
の大きさを、摩擦発生装置にピストンロッドが挿通され
てリップ部材の内周部がピストンロッドの外周面に弾接
してリップ部材が折り曲げられて拡開変形した時に、該
リップ部材の外周部が筒状部の内周面に弾接するように
形成したことで、この弾接部で圧縮弾性変形した弾発力
によって、リップ部材はさらにピストンロッドに向けて
押圧力を付加されるので、より大きい摩擦力を発生させ
ることができ、さらなる適用の拡大を図ることができ
る。
【0038】請求項3記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項1または2記載の摩擦発生装置において、前
記リテーナの筒状部の一端に径方向内方に延在するフラ
ンジ部を設け、該フランジ部に前記リップ部材の基端部
を固着したことで、延在する角度や長さが安定したリッ
プ部材が得られる。
【0039】請求項4記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項3記載の摩擦発生装置において、前記リップ
部材の内周部の断面を三角突条に形成して該突条をピス
トンロッドとの弾接部とすると共に、該弾接部からフラ
ンジ部までの長さよりも、筒状部とリップ部材外周部と
の弾接部からフランジ部までの長さが長く形成されるこ
とで、リップ部材の固定端であるフランジ部からリップ
部材の2カ所の弾接部までの長さ、即ち、ピストンロッ
ドとの弾接部までの長さと、リテーナの筒状部との弾性
部までの長さのうち、筒状部との弾接部までの長さが長
く形成されるため、筒状部との弾接部に作用する弾発力
はピストンロッドとの弾接部には挺子の作用で前記長さ
の差分のモーメントスパンで作用して、さらに大きな押
圧力をピストンロッドとの弾接部に付加することにな
り、また、筒状部との弾接部からピストンロッドとの弾
性部に付加される押圧力は作用点が軸方向にずれている
ために、ピストンロッドとの弾接部には軸方向の圧縮力
が作用し、リップ部材が軸方向に圧縮変形してピストン
ロッドの摺動時により大きな軸方向の粘弾性係数を与え
ることとなり、さらに好ましい振動減衰特性を得ること
ができる。
【0040】請求項5記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置
は、請求項1〜4までの何れかに記載の液圧緩衝器の摩
擦発生装置において、該摩擦発生装置はリップ部材が重
力に対して上方を向くように設けられると共に、該摩擦
発生装置にピストンロッドが挿通された状態で、筒状部
の上端がリップ部材の上端よりも上方に位置するように
形成されたことで、リップ部材がリテーナの筒状部の上
端よりも下方に位置することとなり、リップ部材の状部
が油溜となり、再始動時にも潤滑が確保され、摩擦発生
装置やシール部材の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摩擦発生装置が配設された液圧緩衝器
の断面図である。
【図2】ピストンロッドが挿通される前の本発明の摩擦
発生装置の断面図である。
【図3】本発明の摩擦発生装置にピストンロッドが挿通
された状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
2 シリンダ 4 ピストンロッド 14 ロッドガイド 19 ロッドシール 23 摩擦発生装置 24 筒状部 25 フランジ部 26 リテーナ 29 空隙部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動液体が充填された有底のシリンダ
    と、該シリンダの開放端側に固設されたロッドガイドに
    摺動支持されて前記シリンダ内から外方に延出するピス
    トンロッドと、該ピストンロッドと前記ロットガイドよ
    りも外側で摺接して作動液体の前記シリンダ外への漏洩
    を防止するロッドシールと、該ロッドシールによって画
    成された前記シリンダ内の位置に設けられた摩擦発生装
    置と、を備えた液圧緩衝器の摩擦発生装置において、 前記摩擦発生装置は、該シリンダ側部材に固設される筒
    状部を備えたリテーナと、該リテーナに一端が固着され
    他端が前記ピストンロッドに弾接するリップ部材とから
    なり、該リップ部材は前記リテーナに固着された基端部
    から径方向斜め内方に向かって延設され、さらに該リッ
    プ部材の外周面と前記筒状部との間には、前記摩擦発生
    装置に前記ピストンロッドが挿通されて前記リップ部材
    の内周部が前記ピストンロッドの外周面に弾接した時に
    該リップ部材が折り曲げられて拡開変形可能な環状の空
    隙部が設けられていることを特徴とする液圧緩衝器の摩
    擦発生装置。
  2. 【請求項2】 前記空隙部の大きさは、前記摩擦発生装
    置に前記ピストンロッドが挿通されて前記リップ部材の
    内周部が前記ピストンロッドの外周面に弾接してリップ
    部材が折り曲げられて拡開変形した時に、該リップ部材
    の外周部が前記筒状部の内周面に弾接するように形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の液圧緩衝器の
    摩擦発生装置。
  3. 【請求項3】 前記リテーナの筒状部の一端に径方向内
    方に延在するフランジ部を設け、該フランジ部に前記リ
    ップ部材の基端部を固着したことを特徴とする請求項1
    または2記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置。
  4. 【請求項4】 前記リップ部材の内周部の断面を三角突
    条に形成して該突状を前記ピストンロッドとの弾接部と
    すると共に、該弾接部から前記フランジ部までの長さよ
    りも、前記筒状部と前記リップ部材外周部との弾接部か
    ら前記フランジ部までの長さが長く形成されていること
    を特徴とする請求項3記載の液圧緩衝器の摩擦発生装
    置。
  5. 【請求項5】 前記摩擦発生装置は前記リップ部材が重
    力に対して上方を向くように設けられると共に、該摩擦
    発生装置に前記ピストンロッドが挿通された状態で、前
    記筒状部の上端が前記リップ部材の上端よりも上方に位
    置するように形成されていることを特徴とする請求項1
    〜4までの何れかに記載の液圧緩衝器の摩擦発生装置。
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