JP2007176011A - 保護層熱転写シート - Google Patents

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和哉 吉田
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Abstract

【課題】 常温常湿下のみならず、高温多湿環境下でも容易に保護層の転写が可能な保護層熱転写シートを提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 基材シート1の一方の面の少なくとも一部に、離型層2、保護層3および必要に応じて感熱接着剤層5が積層され、前記離型層2が有機・無機ハイブリッド材料からなることを特徴とする保護層熱転写シート10であり、前記離型層2が硬化された有機・無機ハイブリッド材料からなることが好ましく、高温多湿下での印画においても、常温常湿下と同様に保護層の転写が容易な保護層熱転写シートを得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、保護層熱転写シートに関し、さらに詳しくは高温多湿環境下における印画の際にも、常温常湿環境下と変わらない印画性能を有する保護層熱転写シートに関するものである。
従来、簡易的に高精細な画像を形成できる方法として熱転写方法が広く知られている。この熱転写方法としては種々の方法のものが公知であるが、そのなかでも昇華性染料を記録材とし、これを紙やプラスチックフィルム等の基材シートに担持させて熱転写シートとし、紙やプラスチックフィルム等の表面に染料受容層を設けた熱転写受像シートに上記昇華性染料を染着することにより各種のフルカラー画像を形成する昇華転写方法がより高精細な画像を形成できる方法として知られている。この昇華転写方法は昇華性染料を色材としている為、濃度階調を自由に調節することができ、原稿のフルカラー画像が表現できるという利点を有している。また、染料により形成された画像は非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、中間色の再現性や階調再現性に優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することが可能であるという利点を有している。このような利点から、昇華転写方法は、現在、デジタルカメラ用写真プリンター等に広く用いられるに至っている。
一方、昇華型の熱転写シートを使用した場合には、顔写真などの階調性画像を精密に形成することができるが、形成された画像は、通常の印刷インキによるものとは異なり、ビヒクルがなく、染料のみによって形成されているので、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性などの耐久性に劣るという欠点がある。
上記の対応として、熱溶融性インキ層あるいは昇華性染料の熱転写によって得られた画像上に、転写性保護層を有する保護層熱転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロールなどを用いて転写性保護層を転写させ、画懐上に保護層を形成する方法が知られている。このように保護層を設けることによって、画像の耐摩擦性、耐薬品性、耐溶剤性などをある程度向上させることができ、さらに保護層中に紫外線吸収剤などを添加することにより、画像の耐光性を向上させることが可能となる。さらに、例えば特許文献1では、保護層の転写を容易にするため、熱転写シートの基材と保護層との間に、それらの離型を促進させる非転写性の離型層を設けており、その離型層には、ポリビニルアルコールを主体として形成することが好ましいと明記されている。
しかしながら、上記特許文献に記載される如く、離型層としてポリビニルアルコールを用いた場合、常温常湿下での印画では効果を発揮するが、高温多湿環境下での印画では、保護層の転写が容易でなく、全く転写しなくなったり、部分的に転写しなくなったり、問題を生じる。
特開2003−136644
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、常温常湿下のみならず、高温多湿環境下でも容易に保護層の転写が可能な保護層熱転写シートを提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は基材シートの一方の面の少なくとも一部に、離型層、保護層および必要に応じて感熱接着剤層が積層され、前記離型層が有機・無機ハイブリッド材料からなることを特徴とする、保護層熱転写シートを提供する。
本発明によれば、基材シートの一方の面の少なくとも一部に、離型層、保護層および必要に応じて感熱接着剤層が積層され、前記離型層が硬化された有機・無機ハイブリッド材料からなることを特徴とする保護層熱転写シートを用いることにより、高温多湿下での印画においても、常温常湿下と同様に保護層の転写が容易な保護層熱転写シートを得ることができる。
本発明においては、前記離型層の有機・無機ハイブリッド材料の無機成分が、シリカであることが好ましい。シリカは単位質量あたりの吸水量が極めて少なく、熱膨張係数が0.5ppm/K以下と小さいため、扱いが容易な上に耐湿性及び耐熱性に優れるためである。
本発明の保護層熱転写シートは、高温多湿下での印画においても、常温常湿下と同様に保護層の転写が容易に行なえるという効果を奏する。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本発明の保護層熱転写シート10の基本形態を示す模式的拡大断面図であり、基材シート1の一方の面に、離型層2を介して保護層3が設けられ、基材シート1の他方の面には耐熱滑性層4が設けられている。また、保護層3の転写性を良好にするために上記保護層3の表面に感熱接着剤層5が設けられていることが好ましい。
図2は、本発明の保護層熱転写シート10の他の実施の形態を示す模式的断面図であり、基材シート1の一方の面に、上記と同様に離型層2と転写性保護層3とからなる保護層領域に加えて、該保護層と面順次に昇華性染料層Y、M、CまたはBk、またはY、M、CまたはBkの熱溶融性インキ層から選ばれる少なくとも1層の色材層6が面順次に設けられている。尚、Y、M、Cの各昇華性染料層とBkの熱溶融性インキ層を面順次に設けたような昇華性染料層と熱溶融性インキ層とを面順次に組み合わせて使用することもできる。耐熱滑性層4および感熱接着剤層5は図1の場合と同様である。この実施形態の保護層熱転写シートを用いることにより、1種の保護層熱転写シートと1個の感熱プリンタにより、被転写材に所望の画像を形成するとともに、所望の画像領域に保護層を転写することができる。
図3は、本発明の保護層熱転写シートにより、画像表面に保護層が転写された印画物の断面図を示す。図3において、染料受像シート11の基材7に設けられた染料受容層8上に形成された染料画像9の表面にのみ保護層3が感熱接着剤層5を介して転写されているが、該保護層3は他の画像(例えば、熱溶融性インキ層の転写による文字などの画像)を含む全体に転写されていてもよい。さらに保護される画像は、昇華転写方式による染料画像に限定されず、表面耐久性などが低いインクジェット記録による画像や電子写真記録方式の画像など、特に限定されるものではない。
以下に本発明の保護層熱転写シートを構成する各層の説明を行う。
(基材シート)
本発明の保護層熱転写シートに用いられている基材シート1としては、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材シートをそのまま用いることができるとともに、シートの表面に易接着処理がしてあるものや、その他のものも使用することができ、特に制限はされない。
本発明に用いられる基材シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等のプラスチックフィルムを挙げることができる。本発明に用いられる基材シートの厚みは、基材シートを構成する材料等に応じて所望の強度を備えることができる範囲内であれば特に限定されないが、通常、0.5μm〜50μmの範囲内が好ましく、特に1μm〜10μmの範囲内が好ましい。
(離型層)
基材シート上には、その上に形成する転写性保護層の転写性を良好にする離型層2を設ける。本発明では、離型層を形成する樹脂として、有機・無機ハイブリッド材料を用いていることが特徴である。その中でも無機成分がシリカであることが離型層を形成する樹脂としては望ましい。有機・無機ハイブリッド材料を離型層として使用することにより、高温多湿下でも常温常湿下と同様の保護層転写性能を付与することが可能であるからである。すなわち、本発明の保護層熱転写シートの離型層を構成する材料として、有機・無機ハイブリッド材料を使用したものである。有機成分と無機成分が単なる混合状態ではなく、分子レベルで有機成分と無機成分が結合しており、無機成分で、耐湿性と耐熱性等が向上する機能をもたせ、有機成分で柔軟性、造膜性、離型性等の優れた機能をもたせ、両成分の各々の特性を相乗的に高めることができる材料を用いたものである。
上記のシリカハイブリッド樹脂は、そのシリカ成分の割合については特に限定しないが、ハイブリッド樹脂全体に対して、50重量%以下であることが好ましい。上記範囲以外では膜強度が低下し、保護層としての機能が劣化することがある。
また、離型層には、従来公知の離型性に優れた樹脂を混合することもできる。例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂および熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂などが挙げられる。これらの離型性樹脂は単独でも混合物としても使用できる。
また、離型層を電離放射線により硬化する際には、電離放射線による硬化が可能な従来公知の化合物を混合することができる。例えば不飽和ポリエステル類、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらは、単独でも混合物としても使用できる。また、有機・無機ハイブリッド材料の有機成分として、上記の如き電離放射線により硬化が可能なものを用いることもできる。
上記放射線硬化性樹脂を紫外線によって硬化させる場合には、上記離型層を形成する際に、光増感剤を添加することが必要である。なお、電子線によって上記放射線硬化性樹脂を硬化させる場合には、光増感剤は不要である。本発明に用いられる光増感剤としては、一般的に紫外線硬化型塗料の光増感剤として用いられている各種の光増感剤、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン系化合物;アントラキノン、メチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;ベンジル:ジアセチル;アセトフェノン、ベンゾフェノン等のフェニルケトン化合物;ジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムスルフィド等のスルフィド化合物;α−クロルメチルナフタリン;アントラセン及びヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロブタジエン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。このような光増感剤は上記放射線硬化性樹脂100質量部当たり約0.5〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。
また、離型層を熱により硬化する場合には、従来公知の硬化剤やその反応助剤を混合することが望ましい。例えば、熱硬化剤としては、水酸基の硬化を進行させるイソシアネート系硬化剤や、エポキシ基の硬化を進行させる酸無水物、フェノール系樹脂、イミダゾール系化合物などが挙げられる。これらの硬化剤は単独でも混合物としても使用できる。また、有機・無機ハイブリッド材料の有機成分として、上記の如き熱硬化により硬化が可能なものを用い、硬化剤の添加により反応を進行させることもできる。離型層は、有機・無機ハイブリッド材料として、有機成分が上記の電離放射線硬化型や熱硬化型に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂のものでも使用することができる。
離型層は、必要な材料により離型層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートに、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法などの形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。有機・無機ハイブリッド材料の種類によっては、加熱や電離放射線の照射を行なって、乾燥させる。その離型層の塗布量は、固形分で0.5〜5μm程度である。
(転写性保護層)
転写性保護層3を形成するための樹脂としては、従来公知の各種耐久性および透明性に優れた樹脂はいずれも使用可能である。例えば、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。以上の如き樹脂から転写性保護層を形成するには、上記の如き樹脂を後述する如き適当な比率で、メチルエチルケトン、トルエン、イソプロピルアルコールなどの汎用溶剤に、例えば、固形分約5〜50重量%になるように溶解分散して塗布液を調製し、該塗布液を離型層の表面に、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコートなどの方法で、塗工量(乾燥基準)0.5〜5g/m2程度になるように塗布および乾燥して形成する。
(感熱接着剤層)
本発明では、前記転写性保護層が十分な接着性を有する場合には接着剤層の形成は不要であるが、転写性保護層の表面に感熱接着剤層5を形成し、転写性保護層の転写と、転写後の保護層の画像面に対する密着性を向上させることが好ましい。この感熱接着剤層は、従来公知の感熱接着剤がいずれも使用できるが、加工後に巻き取った際のブロッキングを防止するため、ガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、紫外線吸収性樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などの如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。
(耐熱滑性層)
本発明の保護層熱転写シートは、基材シートの裏面、すなわち、転写性保護層の設けてある面と反対面に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、耐熱滑性層4を設けることが好ましい。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
また、耐熱滑性層の耐熱性や塗膜強度および基材シートとの密着性を向上させるために、樹脂中に反応基を有する熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとの反応硬化物や、不飽和結合を有するモノマー、オリゴマーとの反応生成物を用いることができ、硬化方法は加熱したり、電離放射線を照射したり、その硬化手段は特に限定されない。
これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサンなどのシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物および燐酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
耐熱滑性層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、さらに充填剤を、適当な溶剤により、溶解または分散させて、耐熱滑性層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの裏面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法などの形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。その耐熱滑性層の塗工量は、固形分で0.1〜2g/m2程度である。
本発明の保護層熱転写シートは、上記に記載した転写性保護層を基材シート上に単独で設けてもよいし、図2に示すように、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)またはBk(ブラック)各色の染料層や、Y、M、CまたはBkの熱溶融性インキ層とともに、面順次に設ける構成としてもよい。上記染料層は公知の方法で適当な昇華性染料と適当なバインダー樹脂とから形成され、上記熱溶融性インキ層は公知の方法で適当な顔料と適当なワックスなどの熱溶融性物質から形成される。
上記の如き保護層熱転写シートを使用して、保護層が転写され、かつ画像が形成される被転写体である受像シートは、特に限定されない。例えば、基材として普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルムなど、いずれのシートでもよく、また、形状的には、カード、葉書、パスポート、便箋、レポート用紙、ノート、カタログなどのいずれのものでもよく、その基材上に染料の受容性を有する受容層を設けたものが適用可能である。その受容層の設け方は、コーティング法でも、あるいはサーマルヘッドや熱ロールなどによる熱転写でもよい。なお、基材自体が染料の受容性を有していれば、受容層を設ける必要がない
また、本発明の保護層熱転写シートを用いて、IDカード、身分証明書、免許証などのカード類の作成を行うこともできる。これらのカードは写真などの画像情報の他に、文字情報を含むものである.この場合、例えば、文字情報形成は熱溶融転写方式により行い、写真などの画像形成は昇華転写方式で行うこともできる。さらにカードには、エンボス、サイン、ICメモリー、磁気層、ホログラム、その他の印刷などを設けることもでき、保護層転写後にエンボス、サイン、磁気層などを設けることもできる。
転写に際しては熱転写プリンタを、昇華転写用、熱溶融転写用、保護層転写用というように別々に転写条件を設定した複数のプリンタを用いてもよいし、また、共通のプリンタでそれぞれ印字エネルギーを適切に調整して行ってもよい。なお、本発明の保護層熱転写シートでは、加熱手段として熱転写プリンタに限定されず、その他、熱板、ホットスタンパー、熱ロール、ラインヒーター、アイロンなどでも転写できる。また、保護層は、形成された画像の全面に転写してもよいし、特定の部分のみに転写してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中、「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
(合成例)
反応装置中でビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001 ジャパンエポキシレジン(株)製)20gをメチルエチルケトン30mLに溶解させた。そこにポリ(テトラメトキシシラン)22gと、ジブチル錫ジラウリレート20mgを加え、80℃で10時間還流させた後、メタノール20gを加え、実施例で使用するエポキシ−シリカハイブリッド樹脂を得た。
背面に耐熱滑性層が形成されている厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片方の面に下記の離型層用塗布液1〜3を、固形で0.8g/m2塗布し、l00℃で12時間乾燥して離型層1〜3を各々形成した。この離型層1〜3を形成したシートを実施例1〜3とする。
<離型層用塗布液1>
エポキシ−シリカハイブリッド樹脂 100部
イミダゾール系硬化剤(キュアゾール2E4MZ 四国化成(株)製) 15部
硬化触媒(SCAT―52A 三井武田ケミカル(株)製) 1部
<離型層用塗布液2>
エポキシ−シリカハイブリッド樹脂 100部
酸無水物(リカシッドMH−700 新日本理化(株)製) 10部
硬化触媒(SCAT―52A 三井武田ケミカル(株)製) 1部
<離型層用塗布液3>
エポキシ−シリカハイブリッド樹脂 100部
酸無水物(リカシッドMTA−10 新日本理化(株)製) 10部
硬化触媒(SCAT―52A 三井武田ケミカル(株)製) 1部
背面に耐熱滑性層が形成されている厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片方の面に下記の離型層用塗布液4を、固形で0.8g/m2塗布し、l00℃で5分間乾燥した後、さらに紫外線硬化(UV照射装置 フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源;Hバルブ、200mJ/cm2)を行い、離型層4を得た。この離型層4を形成したシートを実施例4とする。
<離型層用塗布液4>
エポキシ−シリカハイブリッド樹脂 100部
光反応性モノマー(DPCA 日本化薬(株)製) 50部
光重合開始剤
(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イルガキュア184 チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 0.2部
背面に耐熱滑性層が形成されている厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片方の面に下記の離型層用塗布液5を、固形で0.8g/m2塗布し、l00℃で10分間乾燥し、離型層5を得た。この離型層5を形成したシートを比較例1とする。
<離型層用塗布液5>
ポリビニルアルコール 3部
水 97部
さらに上記実施例1〜4および比較例1の離型層表面に、下記の保護層用塗布液を固形分基準で1.0g/m2の塗布量で、ワイヤーバーにて塗布し、110℃のオープンにて1分間乾燥させて保護層を形成した。なお、背面に耐熱滑性層が形成されている厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片方の面に、離型層を塗工せずに保護層を同様に塗工し、比較例2のシートとした。
<保護層用塗布液>
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−87、三菱レイヨン(株)製) 20部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 40部
さらに上記実施例1〜4および比較例1〜2の保護層表面に下記の感熱接着剤層用塗布液を固形分基準で1.0g/m2の塗布量で、ワイヤーコーターバーにて塗布し、110℃のオーブンにて1分間乾燥させて感熱接着剤層を形成して本発明の実施例および比較例の保護層熱転写シートを得た。
<感熱接着剤層用塗布液>
ポリエステル樹脂(バイロン240、東洋紡績(株)製) 20部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 40部
上記の実施例1〜4および比較例1〜2の保護層熱転写シートを用いて、25℃50%RH、35℃80%RHのそれぞれの環境下で、受像紙(P−A4N,CAMEDIA P−400用 オリンパス(株)製)上に、その受像紙とセットで組み合わせて使用される専用の熱転写シートを用いて、熱転写の画像を形成し、形成された昇華転写画像表面およびその周囲の白地部分に、サーマルヘッドによる加熱により保護層を転写し、下記表1の結果を得た。
(保護層転写性)
保護層転写性は、以下の基準で評価した。
○:何の問題もなく転写される。
△:白地の部分で転写されない。
×:全面で転写されない、あるいは画像部分で転写されない部分がある。
(転写条件)
サーマルヘッド平均抵抗値:5285(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印加電圧:27V
転写速度:1.0ms/line
Figure 2007176011
以上のように、本発明の実施例1〜4によれば、離型層として有機・無機ハイブリッド材料を用いることにより、高温多湿下における保護層の転写性を常温常湿下と同様に行うことができた。ポリビニルアルコールから構成された離型層を有する比較例1の保護層熱転写シートを用いたものは、常温常湿下では保護層転写は問題ないが、高温多湿下では、保護層の転写不良が生じた。また、離型層を設けずに、基材シートに直接、保護層を形成した比較例2の保護層熱転写シートでは、常温常湿下と高温多湿下の両方とも、熱転写画像の設けられていない白地の部分で、保護層の転写不良が生じた。
本発明の保護層熱転写シートの一例の模式的断面図である。 本発明の保護層熱転写シートの他の例の模式的断面図である。 本発明の印画物の断面図である。
符号の説明
1 基材シート
2 離型層
3 保護層
4 耐熱滑性層
5 感熱接着剤層
6 昇華性染料層あるいは熱溶融性インキ層の色材層
7 基材
8 染料受容層
9 染料画像
10 保護層熱転写シート
11 染料受像シート

Claims (3)

  1. 基材シートの一方の面の少なくとも一部に、離型層、保護層および必要に応じて感熱接着剤層が積層され、前記離型層が有機・無機ハイブリッド材料からなることを特徴とする保護層熱転写シート。
  2. 前記離型層が硬化された有機・無機ハイブリッド材料からなることを特徴とする請求項1に記載の保護層熱転写シート。
  3. 前記離型層の有機・無機ハイブリッド材料の無機成分が、シリカであることを特徴とする請求項1または2に記載の保護層熱転写シート。
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