JP2007173102A - Nb3Sn超電導線材製造用前駆体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断面が平角形状の超電導線材製造用前駆体を製造するに際して、均一な加工ができると共に、良好な超電導特性を発揮することのできる内部酸化法超電導線材を製造するための前駆体、およびそのための有用な方法を提供する。
【解決手段】中央部のSnまたはSn基合金芯と、その周囲に複数本のNbまたはNb基合金芯が配置されたCuマトリクス部、および該Cuマトリクス部の外周に安定化銅層を有し、断面が略円形状である複合材料を構成し、この複合材料の上下側および左右側の両方向から押圧して、所定の式で示される圧下率Rを−21〜−8%として、断面形状が略楕円形状または扁平形状となるように中間加工して中間加工線材とし、この中間加工線材をダイスによって伸線加工し、線材最終形状が平角形状の前駆体を形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、NbSn超電導線材を内部拡散法によって製造する際に用いる前駆体(超電導線材製造用前駆体)およびこうした前駆体を製造する方法に関するものであり、殊に高磁場発生用超電導マグネットの素材として有用な内部拡散法NbSn超電導線材を製造する為の技術に関するものである。
超電導線材が実用化されている分野のうち、高分解能核磁気共鳴(NMR)分析装置等に用いられる超電導マグネットについては発生磁場が高いほど分解能が高まることから、超電導マグネットは近年ますます高磁場化の傾向にある。
高磁場発生用超電導マグネットに使用される超電導線材としては、NbSn線材が実用化されており、このNbSn超電導線材の製造には主にブロンズ法が採用されている。このブロンズ法は、Cu−Sn基合金(ブロンズ)マトリクス中に複数のNb基芯材を埋設し、伸線加工することによって上記Nb基芯材を細径化してフィラメントとし、このNb基芯材のフィラメント(Nb基フィラメント)とブロンズ複合材を複数束ねて線材群となし、安定化の為の銅(安定化銅)を配置した後伸線加工する。上記線材群を600℃以上800℃以下程度で熱処理(拡散熱処理)することにより、Nb基フィラメントとマトリクスの界面にNbSn化合物層を生成させる。しかしながら、この方法ではブロンズ中に固溶できるSn濃度には限界があり(15.8質量%以下)、生成されるNbSn化合物層の厚さが薄く、また結晶性が劣化してしまい、高磁場特性が良くないという欠点がある。
NbSn超電導線材を製造する方法としては、上記ブロンズ法の他に、内部拡散法も知られている。この方法では、ブロンズ法のような固溶限によるSn濃度に限界がないのでSn量をできるだけ高く設定でき、良質なNbSn層が生成可能であるため、高磁場特性が優れた超電導線材が得られることが示されている。
この内部拡散法では、図1(NbSn超電導線材製造用前駆体の模式図)に示すように、CuまたはCu基合金(以下、「Cu母材」と呼ぶことがある)4の中央部に、SnまたはSn基合金からなる芯(以下、「Sn基金属芯」と呼ぶことがある)3を埋設すると共に、Sn基金属芯3の周囲のCu母材4中に複数のNbまたはNb基合金芯(以下、総括して「Nb基金属芯」と呼ぶことがある)2を相互に接触しないように配置して複合材料とし、これを伸線加工して前駆体1(超電導線材製造用前駆体)とした後、熱処理(拡散熱処理)によってSn基金属芯3中のSnを拡散させ、Nb基金属芯2と反応させることによってNbSnを生成させる方法である(例えば、特許文献1)。
また上記のような前駆体1においては、図2に示すように、前記Nb基金属芯2が配置された部分(以下、「Cuマトリクス部」と呼ぶことがある)とその外周の安定化銅層4aの間に拡散バリヤー層6を配置した構成のものも知られている。この拡散バリヤー層6は、例えばNb層またはTa層、或いはNb層とTa層の2層からなり、拡散熱処理の際にCuマトリクス部内側のSn(Sn基金属芯3)が外部に拡散してしまうことを防止し、Cuマトリスク部内でのSnの純度を高める作用を発揮するものである。
上記のような、超電導線材製造用前駆体を製造するには、下記の手順で行われる。まず、Nb基金属芯(Nb基金属フィラメント)をCuマトリスク管に挿入し、押出し、伸線等によって縮径加工して複合体とし、これを適当な長さに裁断する。そして、Cu製外筒を有し、拡散バリヤー層を設け或いは設けないビレット内に前記複合体を充填し、その中央部にCuマトリクス(Cu製中実ビレット)を配置して押出し加工した後、中央部のCuマトリクスを機械的に穿孔してパイプ状複合体を構成する。或いは、他の方法として、Cu外筒とCu内筒で構成され、拡散バリヤー層6を有しまたは有さない中空ビレット内(外筒と内筒の間)に前記複合体を複数本充填してパイプ押出ししてパイプ状複合体を構成する。
そして、これらの方法に作製されたパイプ状複合体の中央空隙部内に、Sn基金属芯3を挿入して縮径加工して図1、2に示したような前駆体が製造される。
上記のような前駆体を用いて内部拡散法で超電導線材を製造するに当っては、平角の方が丸線よりも充填率高くコイルに巻き線できるため、また線材を巻回し易くするために、断面が平角形状となるように押し出し、伸線加工されるのが一般的である。そして、こうした加工を行うに当っては、図3に示すように、1対のロール10a,10bによって前駆体1[図3(a)]を一方向(図3の上下方向)から押圧して、断面が平角形状となるようにしている[図3(b)]。このように、断面円形の線材を最終の平角形状にするのに、一方向のみのロールで圧延後平角度化しているのが実情である。
しかしながら、こうした加工方法では、Nb基金属芯2やSn基金属芯3が均一にされるとは限らず、複合線材の内部構造が歪(いびつ)となってしまい、最終的に超電導線材としたときに、臨界電流密度Jc、n値、座残留抵抗値RRR等が低下することがある。特に、前述したような拡散バリヤー層6を配置した場合には、他の部分との硬度差によって拡散バリヤー層6が破損するという事態を招くことがある。
拡散バリヤー層を設けた前駆体を良好に平角形状にする技術として、例えば特許文献2のような技術も提案されている。この技術では、平角形状に加工する際に拡散バリヤー層の破損を防止するという観点から、ロール加工前に線材(前駆体)に300〜550℃で20〜100時間の熱処理を施し、Cuマトリクス部をCu−Sn合金化することによって、拡散バリヤー層との硬度差をなくし、加工性を良好にするものである。
しかしながら、こうした技術ではCu−Sn合金化のための熱処理時間が長くなり、生産性が劣るという問題がある。また、500℃を超えるような温度で熱処理した場合には、この熱処理の段階でNbSnが生成してしまい、加工性が劣化し、正常な平角形状加工ができなくなるという問題がある。
特開昭49−114389号公報 特許請求の範囲等 特開昭63−213213号公報 特許請求の範囲等
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、断面が平角形状の超電導線材製造用前駆体を製造するに際して、均一な加工ができると共に、良好な超電導特性を発揮することのできる内部酸化法超電導線材を製造するための前駆体、およびそのための有用な方法を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明の超電導線材製造用前駆体の製造方法とは、
内部拡散法によってNbSn超電導線材を製造する際に用いる超電導線材製造用前駆体を製造するに当り、
中央部のSnまたはSn基合金芯と、その周囲に複数本のNbまたはNb基合金芯が配置されたCuマトリクス部、および該Cuマトリクス部の外周に安定化銅層を有し、断面が略円形状である複合材料を構成し、この複合材料の上下側および左右側の両方向から押圧して、下記(1)式で示される圧下率Rを−21〜−8%として、断面形状が略楕円形状または扁平形状となるように中間加工して中間加工線材とし、
この中間加工線材をダイスによって伸線加工し、線材最終形状が平角形状の前駆体を形成する点に要旨を有するものである。
R=(L−L)/L …(1)
但し、L:加工後の短辺側厚さ
:加工前の短辺側厚さ、または丸線の場合は線径(直径)
上記本発明の製造方法において、前記中間加工線材の短辺側厚さ(上記L)は、平角形状の前駆体の短辺側厚さよりも大きくなるように設定することが好ましい。また本発明の製造方法においては、前記Cuマトリクス部と安定化Cu層の間に、Nbおよび/またはTaからなる拡散バリヤー層を介在させた複合材料を用いる場合にその効果が有効に発揮される。
上記のような本発明方法によって製造された前駆体にあっては、SnまたはSn基合金芯のアスペクト比(断面における長径/短径比)をR、Cuマトリクス部の最外周側に配置されるNbまたはNb基合金芯のアスペクト比(断面における長径/短径比)をRとしたとき、これらの比(R/R)が1.3以下を満足するものであることが好ましいく、このような超電導線材製造用前駆体を熱処理することによって、希望する特性を発揮するNbSn超電導線材を得ることができる。
本発明方法によれば、超電導線材製造用前駆体を断面平角形状に成形するに際して、所定の圧下率の範囲内で、上下側および左右側の両方向から押圧して断面形状が略楕円形状または扁平形状となるように中間加工した後、最終形状の平角形状に成形するようにしたので、断面構造内部に歪(いびつ)な部分を発生させることなく均一に成形加工でき、最終的に良好な超電導線材を得ることのできるNbSn超電導線材製造用前駆体が実現できた。
本発明者らは、上記目的を達成するために様々な角度から検討した。その結果、断面円形の線材(前駆体)を1回の強加工で断面平角形状にするのではなく、所定の圧下率で断面円形の線材(丸線)から最終平角形状になるまでに中間的な断面形状となるように加工を施した後、最終形状となるようにダイスによって整形加工すれば、従来技術におけるような不都合が生じることなく、均一に加工できることを見出し、本発明を完成した。
上記のような中間加工を実施するに際して、一方向に加工するのではなく、上下側および左右側の両方向から押圧する必要がある。このような構成で加工することによって、一方向の加工を実施したときに生じる様なロール間隙間を外方に逃げる様な歪な変形を防止して均一加工が可能となる。特に、硬質の拡散バリヤー層を設けた場合であっても、横方向(図2、3における左右方向)への広がりを抑制し、均一加工が実現できる。また、本発明方法によれば、熱処理を施すことなく、短時間で加工できることから、生産性の点でも有利である。
本発明方法において、上下側および左右側の両方向から押圧する手段については、特に限定されるものではなく、例えば2方向ロールを用いて加工したり、断面形状が楕円形(中間的な形状)となる楕円ダイスを用いて加工することが挙げられる。こうした状態を図面に基づいて説明する。
図4は2方向ロールを用いて中間加工する状態を説明する図であり、図中、15a,15bは上下方向を押圧する1対のロール、16a,16bは左右方向を押圧する1対のロールを夫々示す(他の部分について図1、2に対応する)。こうした状態で、例えば上下方向から圧力を加えつつ圧延し、少なくとも厚み方向(図4の上下方向)の厚みを減少させる様に加工を行う。その際、左右方向のロールは必ずしもロール間距離が短くなるように移動させる必要はなく、一定の位置で固定して前駆体1の左右方向両端部を拘束する状態であっても良く、左右方向への広がりを抑えることによって押圧したのと同様の効果を発揮することになる。尚、2方向ロールによる加工を行うときの温度は常温でもよいが、加工性を良好にするために100〜400℃での加工を実施しても良い。
図4に示した状態は、前駆体1が最終断面形状に近い状態となったとき示しているが、断面形状が丸に近い状態(楕円形)若しくは扁平形状であっても良い。要するに、断面が円形の線材と最終形状の平角形状の中間形状となるように、所定の圧下率(後述する)で加工を行えば良い。この2方向ロールを用いた方法では、そのまま最終形状にするほどの強加工はできないので、上記のような中間加工を行った後、断面形状が平角形状となるダイス[以下、「平角ダイス」と呼ぶ:後記図5(c)参照]を用いて整形加工することによって、最終的な平角形状の線材に成形することになる。
図5は楕円ダイスを用いて中間加工する状態を説明する図である。断面円形の前駆体1[図5(a)]は、まず楕円ダイス12によって、断面楕円状若しくは扁平形状となるように中間加工される[図5(b)]。その後、断面形状が平角形状となるダイス11を用いて整形加工することによって、最終的な平角形状の線材に成形される[図5(c)]。
いずれの手段を用いるに場合においても、上記中間加工時の加工率は前記(1)式で示した圧下率Rで−21〜−8%となるように設定する必要がある。この圧下率が−8%よりも大きい値になると(加工率が小さくなると)、中間加工後において最終形状までの平角ダイスによる伸線での加工率が高くなり過ぎて不均一変形を招くことになる。また圧下率が−21%よりも小さい値になると(加工率が大きくなると)、中間加工での加工率が大きくなるので、中間加工の段階で不均一変形が発生することになる。尚、上記圧下率は中間加工の段階で上記の範囲内となればよく、必ずしも1回の加工で上記の圧下率範囲にしなければならないわけではない。従って、複数回の加工を行って後の圧下率が上記の範囲となるようにしても良いことは勿論である。
本発明で圧下率を規定するときの短辺側厚さとは、前記図4および図5(b)に示した断面形状において、辺の長さが短くなる方側の厚み(LまたはL)を意味し、辺の長さが長くなる側の大きさは「長辺側長さL」と表現する(図5参照)。要するに、中間加工においては、中間加工線材の短辺側厚さ(LまたはL)が最終の平角形状の厚みL[図5(c)参照]よりも大きくなるような加工を行なえば良い。この中間加工の段階では、長辺側長さLは基本的には大きくなるが、殆ど変化がないように設定しても良いし、加工性を損なわない範囲で5〜20%程度短くしてもよい。尚、上記加工前の短辺側厚さLは、丸線の場合は線径(直径)と同じとなる。
上記のような条件で中間加工した後、ダイスによる整形加工によって最終断面形状にした前駆体を用いて拡散熱処理(通常650〜750℃)することによって、良好な特性を発揮する超電導線材が得られるのであるが、中間加工を終了した段階での前駆体の構成としては、SnまたはSn基合金芯のアスペクト比(断面における長径/短径比)をR、Cuマトリクス部の最外周側に配置されるNbまたはNb基合金芯のアスペクト比(断面における長径/短径比)をRとしたとき、これらの比(R/R)が1.1以上、1.3以下を満足するものであることが好ましい。こうした要件を満足することによって、均一加工が実行された結果として、線材中心部と外周部の歪(ひずみ)の差異がなくなるものとなる。但し、上記比(R/R)が1.3以下となっても、夫々のアスペクト比R、Rが適切な範囲内にないと、その部分が極端な変形を受けている可能性があり、最終的に超電導特性の劣化に繋がることになる。こうした観点からして、SnまたはSn基合金芯のアスペクト比Rは、1.05〜1.4の範囲、およびCuマトリクス部の最外周側に配置されるNbまたはNb基合金芯のアスペクト比Rは、1.0〜1.2の範囲となるように制御することが好ましい。
本発明の前駆体は、その基本的な構成として、CuまたはCu基合金中に、Nb基金属芯2(NbまたはNb基合金芯)およびSn基金属芯3(SnまたはSn基合金芯)を相互の間隔をあけて配置するものであるが、こうした構成で用いるCu合金としては、CuにNb,Ni等の元素を含有したものを用いることができる。またSn基金属芯3として用いる素材としては、Ti,Ta,Zr,Hf等の元素を、加工性を阻害しない程度(5質量%程度以下)含有させたものを使用することができる。Nb基合金芯2は、NbにTi,Ta,Hf,Zr等の添加元素を10質量%程度以下含有させたものを使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
外径:57mmのNb−7.5質量%Ta合金芯を、外径:68mm、内径:57mmの無酸素銅からなるビット(管状部材)内に挿入し、押し出し、伸線加工によって対辺長2mmの六角断面形状のCu/Nb複合線を作製した。
一方、Cu製外筒(外径:68mm、内径:60mm)およびその中央部に配置されるCu製円柱部材(外径:30mm)からなるCu中実ビレットの前記Cu製外筒の内面側に、Nbからなるバリヤー層(厚さ:2mm)を貼付けて配置した後、前記Cu製円柱部材の周りに、前記Cu/Nb複合線を410本束ねて挿入して押し出しビレットとした。
このビレットを押出し加工した後、ドリルによって中央の銅部分(Cu製円柱部材)にφ10mmの穴を開け、そこに外径:10mmのSn棒を挿入し、複合材料(前駆体)を作製した。その後、ダイス伸線により線径:2.14mmまで加工した。
次いで、この複合材料を、2方向ロールを用いて一旦中間加工して(加工温度:25℃)、その後平角ダイスを用いて、最終線径に仕上げた。尚これらの加工の際の温度は、常温(25℃)で行った。得られた前駆体を、700℃で150時間熱処理(拡散熱処理)を施して、NbSn超電導線材とした。得られたNbSn超電導線材について、外部磁場18T(テスラ)を印加した状態で、四端子法によって温度4.2Kでの臨界電流(Ic)を測定し、線材断面の非銅部の面積でIcを除して臨界電流密度(Jc)の評価を行った。その結果を、中間加工条件(高さ、圧下率)、最終平角材形状(高さ、幅)、アスペクト比(線材、中央部Rc、外周部R)および比(Rc/R)と共に、下記表1に示す。
尚、各部位のアスペクト比は、下記の方法によって測定した。
[アスペクト比測定方法]
線材:平角線材を、マイクロメータを用いて長辺、短辺を測定し、計算した。
中央部(R):光学顕微鏡による断面写真からコア部の長軸方向と短軸方向の長さを測定し、計算した。
外周部(R):SEM写真から外周部のフィラメントを任意に選び、その長軸方向と短軸方向の長さを測定し、計算した。
Figure 2007173102
この結果から明らかなように、本発明で規定する条件で加工したもの(試験No.3〜6)では、良好な超電導特性が得られていることが分かる。これに対して、中間加工の圧下率が大きいもの(試験No.1、2)では、特に中央部のアスペクト比Rcが大きくなって歪となり、良好な超電導特性が得られないことが分かる。
実施例2
前記表1において中間加工の圧下率が−6.5%の試料(表1のNo.7)のものについて、更に圧延を施し、高さ1.8mmmまで加工した(最終圧下率:15.9)。得られた前駆体を、実施例1と同じ条件で熱処理してNbSn超電導線材とし、同様の方法で超電導特性を測定した。その結果、温度4.2Kでの臨界電流密度(Jc)は、378A/mmと高い臨界電流密度(Jc)が得られていた。
この結果から、明らかなように、1回目の圧下率が小さい場合には、続けて圧下することによって、合計の圧下率が本発明で規定する範囲内となるようにすれば、希望する超電導特性が得られることが分かる。この際、圧延による中間加工後の短辺側厚さLは、最終的な平角形状の厚さよりも大きくすることが有効である。
内部拡散法に適用される超電導線材製造用前駆体の構成例を模式的に示した断面図である。 内部拡散法に適用される超電導線材製造用前駆体の他の構成例を模式的に示した断面図である。 従来の加工方法の一例を説明するための図である。 本発明の加工方法の例を説明するための図である。 本発明の加工方法の他の例を説明するための図である。
符号の説明
1 前駆体
2 Nb基金属芯
3 Sn基金属芯
4 Cu基合金(Cu母材)
4a 安定化銅
6 拡散バリヤー層

Claims (4)

  1. 内部拡散法によってNbSn超電導線材を製造する際に用いる超電導線材製造用前駆体を製造するに当り、
    中央部のSnまたはSn基合金芯と、その周囲に複数本のNbまたはNb基合金芯が配置されたCuマトリクス部、および該Cuマトリクス部の外周に安定化銅層を有し、断面が略円形状である複合材料を構成し、この複合材料の上下側および左右側の両方向から押圧して、下記(1)式で示される圧下率Rを−21〜−8%として、断面形状が略楕円形状または扁平形状となるように中間加工して中間加工線材とし、
    この中間加工線材をダイスによって伸線加工し、線材最終形状が平角形状の前駆体を形成することを特徴とする内部拡散法NbSn超電導線材製造用前駆体の製造方法。
    R=(L−L)/L …(1)
    但し、L:加工後の短辺側厚さ
    :加工前の短辺側厚さ、または丸線の場合は線径(直径)
  2. 前記中間加工線材の短辺側厚さLは、平角形状の前駆体の短辺側厚さよりも大きくなるように設定する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記Cuマトリクス部と安定化Cu層の間に、Nbおよび/またはTaからなる拡散バリヤー層を介在させた複合材料を用いる請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によって製造された前駆体であって、SnまたはSn基合金芯のアスペクト比(断面における長径/短径比)をR、Cuマトリクス部の最外周側に配置されるNbまたはNb基合金芯のアスペクト比(断面における長径/短径比)をRとしたとき、これらの比(R/R)が1.3以下を満足するものであることを特徴とする内部拡散法NbSn超電導線材製造用前駆体。
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