JP2007171761A - 焦点検出装置およびオートフォーカス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 物体面に投影されたAFスリット(照明領域)のエッジを横切るようにパターンが存在しても、物体面の焦点検出を正確に行う。
【解決手段】 物体面の所定の領域を照明し、該領域から発生した光(L5)を瞳近傍で分割して該領域の2つの像を形成し、該2つの像の間隔に基づいて、物体面のフォーカス状態に関わる信号を生成する第1の処理手段(13〜19,40〜49)と、物体面のマーク11Aを照明し、該マークから発生した光(L7)を瞳近傍で分割して該マークの2つの像を形成し、該2つの像の間隔に基づいて、物体面のフォーカス状態に関わる信号を生成する第2の処理手段(13〜19,40,41,50〜46)とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物体面の焦点検出を行う焦点検出装置およびオートフォーカス装置に関する。
瞳分割方式の焦点検出装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。この装置では、物体面にAFスリットを投影し、物体面からの光をAF光学系にリレー結像した後、AF光学系の瞳近傍で分割して、2つのAFスリット像を形成する。2つのAFスリット像の間隔は物体面のフォーカス状態に応じて変化し、物体面が合焦面に一致するときの間隔は既知である。このため、焦点検出装置では、2つのAFスリット像の間隔と既知の間隔との差に応じた信号を生成して、物体面のフォーカス状態を調整する機構(例えばステージ制御部)に出力する。
特開2002−40322号公報
しかし、上記の焦点検出装置では、物体面に投影されたAFスリットのエッジを横切るようにパターンが存在すると、そのパターンがAFスリット像にも写り込む。このため、2つのAFスリット像の間隔を求める際に誤差が生じることがあった。誤差が生じれば、物体面の焦点検出を正確に行うこともできない。
本発明の目的は、物体面に投影されたAFスリット(照明領域)のエッジを横切るようにパターンが存在しても、物体面の焦点検出を正確に行うことができる焦点検出装置およびオートフォーカス装置を提供することにある。
本発明の焦点検出装置は、物体面の所定の領域を照明し、該領域から発生した光を瞳近傍で分割して該領域の2つの像を形成し、該2つの像の間隔に基づいて、前記物体面のフォーカス状態に関わる信号を生成する第1の処理手段と、前記物体面のマークを照明し、該マークから発生した光を瞳近傍で分割して該マークの2つの像を形成し、該2つの像の間隔に基づいて、前記物体面のフォーカス状態に関わる信号を生成する第2の処理手段とを備えたものである。
また、前記第1の処理手段は、矩形状の前記領域を照明すると共に、該領域から発生した光の分割を前記領域のエッジと平行または垂直な方向に行い、前記第2の処理手段は、1つ以上の直線部からなる前記マークを照明すると共に、該マークから発生した光の分割を前記マークの直線部と平行または垂直な方向に行うことが好ましい。
また、前記物体面には、前記マークの直線部と平行または垂直な方向に座標軸が設定され、前記第1の処理手段は、前記座標軸に対し前記エッジを傾斜させた前記領域を照明すると共に、該領域から発生した光の分割とは垂直な方向に前記領域の像を圧縮して前記2つの像を形成し、前記第2の処理手段は、前記マークの像を圧縮せずに前記2つの像を形成することが好ましい。
また、前記第1の処理手段と前記第2の処理手段とは、共通の照明部によって前記領域と前記マークとを同時に照明すると共に、前記領域の中に前記マークを含んだ状態で照明し、前記第2の処理手段は、前記領域から発生した光のうち、前記マークから発生した光を選択した後、該光を瞳近傍で分割して前記2つの像を形成することが好ましい。
本発明のオートフォーカス装置は、前記第1の処理手段によって生成された信号に基づいて前記物体面のフォーカス状態を調整した後、前記第2の処理手段によって生成された信号に基づいて前記フォーカス状態を微調整する調整手段とを備えたものである。
本発明の焦点検出装置およびオートフォーカス装置によれば、物体面に投影されたAFスリット(照明領域)のエッジを横切るようにパターンが存在しても、物体面の焦点検出を正確に行うことができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
ここでは、図1の重ね合わせ測定装置10を例に説明する。
重ね合わせ測定装置10は、半導体素子や液晶表示素子などの製造工程において、基板11のレジストパターンの重ね合わせ検査を行う装置である。基板11は、半導体ウエハや液晶基板などであり、レジスト層に対する露光・現像後で、所定の材料膜に対する加工前の状態にある。基板11には重ね合わせ検査のために多数の測定点が用意される。
基板11の各測定点には、レジストパターンの基準位置を示すレジストマークと、下地パターンの基準位置を示す下地マークとが形成されている。例えば図2に示すバーマークの場合、下地マークは外側に形成され、レジストマークは内側に形成される。重ね合わせ検査では、各マークの位置検出や、下地マークに対するレジストマークの位置ずれ量Lの測定が行われる。
以下の説明では、レジストマークと下地マークとを総じて「重ね合わせマーク11A」という。重ね合わせマーク11Aは、1つ以上の直線部(例えば図2では8つの直線部)からなる。そして、基板11の表面(物体面)には、重ね合わせマーク11Aの直線部と平行または垂直な方向に座標軸(図3のX軸やY軸)が設定される。また、基板11の表面には重ね合わせマーク11Aの他にも様々なパターン(ストリートパターンなど)が形成され、各パターンの直線部は一般に上記の座標軸(X軸,Y軸)に対して平行または垂直である。
重ね合わせ測定装置10には、図1(a)に示す通り、基板11を支持するステージ12と、照明部(13〜19,40)と、測定部(18〜25)と、瞳分割方式の焦点検出部(17〜19,40〜56)と、ステージ制御部27とが設けられる。
ステージ12は、図示省略したが、基板11を水平状態に保って支持するホルダと、このホルダを水平方向(XY方向)に駆動するXY駆動部と、ホルダを鉛直方向(Z方向)に駆動するZ駆動部とで構成されている。そして、XY駆動部とZ駆動部は、ステージ制御部27に接続される。
ステージ制御部27は、ステージ12のXY駆動部を制御し、基板11上の重ね合わせマーク11Aを視野内に位置決めする。また、焦点検出部(17〜19,40〜56)から出力されるフォーカス信号に基づいて、ステージ12のZ駆動部を制御する。このフォーカス調整により、基板11の表面(物体面)の重ね合わせマーク11Aを測定部(13〜19,40)の結像面に対して合焦させることができる(オートフォーカス動作)。
照明部(13〜19,40)は、光源部13と、照明開口絞り14と、コンデンサーレンズ15と、視野絞り16と、ビームスプリッタ40と、照明リレーレンズ17と、ビームスプリッタ18と、第1対物レンズ19とで構成される。このうち、ビームスプリッタ40,照明リレーレンズ17,ビームスプリッタ18,第1対物レンズ19は、焦点検出部(17〜19,40〜56)と共用の光学素子である。ビームスプリッタ18,第1対物レンズ19は、測定部(18〜25)とも共用の光学素子である。ビームスプリッタ18,40は、光の振幅分離を行うハーフプリズムである。
光源部13は、光源3Aと、コレクタレンズ3Bと、リレーレンズ3Cと、ライトガイドファイバ3Dとで構成される。光源3Aは、波長帯域の広い光(例えば白色光)を射出する。光源3Aから射出された光は、コレクタレンズ3Bとリレーレンズ3Cとを介してライトガイドファイバ3Dに入射する。ライトガイドファイバ3Dの光出射端面は、照明開口絞り14の近傍に配置される。
照明開口絞り14は、ライトガイドファイバ3Dから射出された光の径を特定の径に制限する。コンデンサーレンズ15は、照明開口絞り14からの光を集光する。視野絞り16は、基板11の表面の照明領域を制限するための光学素子であり、図1(b)に示す1つの矩形状のAFスリット16aを有する。ビームスプリッタ40は、AFスリット16aからの光を透過する。
照明リレーレンズ17は、ビームスプリッタ40からの光をコリメートする。ビームスプリッタ18は、照明リレーレンズ17からの光を下向きに反射する(照明光L1)。第1対物レンズ19は、ビームスプリッタ18からの照明光L1を入射して集光する。これにより、ステージ12上の基板11は、第1対物レンズ19を透過した照明光L1によって垂直に照明される(落射照明)。
ここで、視野絞り16と基板11の表面とは略共役なため、基板11の表面には、照明リレーレンズ17および第1対物レンズ19の作用により、視野絞り16のAFスリット16aが投影される。そして、基板11の表面のうちAFスリット16a(図1(b))に対応する所定の領域60(図3)が照明光L1によって照明される。以下、所定の領域60を「照明領域60」という。
基板11の表面の照明領域60は、AFスリット16a(図1(b))と同様の矩形状であり、図1(b)のA方向に等価な短手方向のエッジ60Aと、B方向に等価な長手方向のエッジ60Bとが、互いに直交している。また、これらのエッジ60A,60Bは物体面の座標軸(X軸,Y軸)に対して傾けられ、その傾斜角θが例えば45度である。このような角度関係を保つことで、オートフォーカス動作時にパターンの影響による誤差を低減することができる。
また、重ね合わせ検査の際には、基板11上の重ね合わせマーク11Aが照明領域60の中心付近に位置決めされる。このとき、重ね合わせマーク11Aの直線部と照明領域60のエッジ60A,60Bとは、例えば45度の傾斜角を成す。照明領域60の中に重ね合わせマーク11Aが含まれる場合、上記の照明光L1によって、照明領域60に対する照明と同時に、重ね合わせマーク11Aを照明することができる。
そして、照明光L1が照射されると、基板11の照明領域60(重ね合わせマーク11Aを含む)から、0次回折光(つまり反射光)や±1次回折光など(総じて「光L2」)が発生する。照明領域60(重ね合わせマーク11Aを含む)から発生した光L2は、測定部(18〜25)と焦点検出部(17〜19,40〜56)との双方に導かれる。
測定部(18〜25)は、結像光学系(18〜23)と、CCD撮像素子24と、画像処理部25とで構成される。また、結像光学系(18〜23)は、第1対物レンズ19と、ビームスプリッタ18と、第2対物レンズ20と、第1リレーレンズ21と、結像開口絞り22と、第2リレーレンズ23とで構成される。このうち、第1対物レンズ19,ビームスプリッタ18は、焦点検出部(17〜19,40〜56)と共用である。
照明領域60(重ね合わせマーク11Aを含む)から発生した光L2は、測定部(18〜25)と焦点検出部(17〜19,40〜56)とで共用の光路を進み、第1対物レンズ19を介してコリメートされ、ビームスプリッタ18に入射する。ビームスプリッタ18は、第1対物レンズ19からの光L2の一部(L3)を透過すると共に、残りの一部(L4)を反射する。そして、透過した光L3は測定部(18〜25)の後段の光路に導かれ、反射した光L4は焦点検出部(17〜19,40〜56)の後段の光路に導かれる。
測定部(18〜25)の後段の光路では、ビームスプリッタ18を透過した光L3が第2対物レンズ20を介して集光され、1次結像面10aに中間像を形成した後、第1リレーレンズ21に導かれる。第1リレーレンズ21は、1次結像面10aからの光L3をコリメートする。結像開口絞り22は、第1リレーレンズ21からの光の径を特定の径に制限する。第2リレーレンズ23は、結像開口絞り22からの光をCCD撮像素子24の撮像面(2次結像面)上に再結像する。
このため、基板11上の重ね合わせマーク11Aが視野内に位置決めされているとき、CCD撮像素子24の撮像面には、照明領域60(重ね合わせマーク11Aを含む)から発生した光L2の一部(ビームスプリッタ18を透過した光L3)に基づいて、マーク像が形成される。
CCD撮像素子24は、複数の画素が2次元配列されたエリアセンサであり、撮像面に形成された重ね合わせマーク11Aの像を撮像して、画像処理部25に撮像信号を出力する。撮像信号は、CCD撮像素子24の撮像面における各画素ごとの輝度値に関する分布(輝度分布)を表している。
画像処理部25は、CCD撮像素子24からの撮像信号に基づいて、重ね合わせマーク11Aの画像を取り込み、その画像に対して重ね合わせ検査用の画像処理を施す。なお、画像処理部25を介して不図示のテレビモニタよる目視観察も可能である。
重ね合わせ検査用の画像処理では、重ね合わせマーク11A(図2)を構成するレジストマークおよび下地マークの各々の位置検出を行い、下地マークに対するレジストマークの位置ずれ量Lを算出する。この位置ずれ量Lは、各マークの中心位置の相対的なずれ量であり、基板11上の下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせずれ量を表す。この重ね合わせずれ量は、重ね合わせ測定値とも呼ばれる。
次に、焦点検出部(17〜19,40〜56)におけるビームスプリッタ18よりも後段の構成を説明し、ビームスプリッタ18で反射した光L4について説明する。
焦点検出部(17〜19,40〜56)において、ビームスプリッタ18の後段には、照明部(13〜19,40)と共用の照明リレーレンズ17とビームスプリッタ40とが設けられる他、ビームスプリッタ41と、第1検出部(42〜49)と、第2検出部(50〜56)とが設けられる。
ビームスプリッタ18で反射した光L4は、照明リレーレンズ17を介して集光され、ビームスプリッタ40で反射した後、ビームスプリッタ41に入射する。ビームスプリッタ41は、ビームスプリッタ40と同様のハーフプリズムであり、ビームスプリッタ40からの光L4の一部(L5)を透過すると共に、残りの一部(L6)を反射する。そして、透過した光L5は第1検出部(42〜49)に導かれ、反射した光L6は第2検出部(50〜56)に導かれる。
第1検出部(42〜49)に導かれる光L5と第2検出部(50〜56)に導かれる光L6は集光光であり、それぞれ、第1検出部(42〜49)の光路上の1次結像面10b、第2検出部(50〜56)の光路上の1次結像面(遮光板50の配置面)に、基板11の表面の照明領域60(重ね合わせマーク11Aを含む)の中間像を形成する。以下、第1検出部(42〜49)と第2検出部(50〜56)の構成などについて順に説明する。
第1検出部(42〜49)は、光L5に基づいて基板11の表面の焦点検出を行う部分であり、第1リレーレンズ42と、偏向ミラー43と、平行平面板44と、瞳分割ミラー45と、第2リレーレンズ46と、シリンドリカルレンズ47と、AFセンサ48と、信号処理部49とで構成される。瞳分割ミラー45は、瞳近傍に配置され、照明開口絞り14と略共役である。AFセンサ48の撮像面は、1次結像面10bと略共役である。
1次結像面10bには、上記の通り、基板11の表面の照明領域60(重ね合わせマーク11Aを含む)の中間像が形成される。この中間像を図示すると、図4(a)のように、照明領域60(図3)と同様の矩形状である。
1次結像面10bで中間像を形成した後の光L5は、第1リレーレンズ42(図1)によってコリメートされ、偏向ミラー43で反射した後、平行平面板44を透過し、瞳分割ミラー45に入射する。
瞳分割ミラー45の反射面上には、照明開口絞り14の像(図4(b))が形成される。照明開口絞り14の像の位置調整を行うために、平行平面板44が設けられている。平行平面板44はチルト可能に構成され、平行平面板44のチルト調整により、照明開口絞り14の像を瞳分割ミラー45の反射面の中心に位置調整することができる。
瞳分割ミラー45に入射した光L5は、そこで2方向の光に振幅分離(つまり2分割)される。光L5の分割の方向は、図4(b)に示す通り、瞳分割ミラー45の稜線5Aとは垂直な方向であり、基板11の照明領域60(図3)の短手方向のエッジ60Aと平行な方向(長手方向のエッジ60Bと垂直な方向)に相当する。
瞳分割ミラー45で2分割された後の光L5は、一方の光が基板11から発生した0次回折光と+1次回折光とを含み、他方の光が0次回折光と−1次回折光とを含む。このような光L5は、第2リレーレンズ46を介して集光され、シリンドリカルレンズ47を介した後、AFセンサ48の撮像面の近傍に集光される。
AFセンサ48の撮像面には、計測方向(Y軸に対して例えば45度だけ傾いた方向)に沿って離れた位置に、2つのAFスリット像が形成される。具体的に説明すると、仮にシリンドリカルレンズ47が光路中に存在しない場合、図4(c)のように、1次結像面10bにおける中間像(図4(a))と同様の矩形状のAFスリット像61,62が形成される。しかし、実際にはシリンドリカルレンズ47があるため、図4(c)のAFスリット像61,62は、その分割方向とは垂直な方向(非計測方向)に圧縮され、図4(d)のような形状のAFスリット像63,64となる。
つまり、第1検出部(42〜49)では、ビームスプリッタ41からの光L5に基づいて、2つの圧縮されたAFスリット像63,64(図4(d))がAFセンサ48の撮像面に形成される。なお、AFセンサ48は、非計測方向の素子サイズD48が数10μm程度のラインセンサである。
計測方向におけるAFスリット像63,64の間隔は、基板11の表面のフォーカス状態に応じて変化し、基板11の表面が合焦面に一致するときの間隔は既知である。傾向としては、基板11の表面が合焦面より下側(−側)にデフォーカスした前ピン状態ほどAFスリット像63,64が互いに接近し、合焦面より上側(+側)にデフォーカスした後ピン状態ほど互いに離れる。
AFセンサ48は、2つのAFスリット像63,64を撮像すると、AFスリット像63,64の強度プロファイルに関する撮像信号(図4(e))を信号処理部49に出力する。図4(e)の横軸はAFセンサ48上での位置を表し、縦軸はAFスリット像63,64の強度を表している。
信号処理部49は、図4(e)のような強度プロファイルの波形に対して、所定のスライスレベル(例えばSL=50%)を設定し、このスライスレベルにおける4つの交点Q1〜Q4の位置を求め、AFスリット像63,64の間隔ΔQを求める。そして、予め記憶している合焦状態での間隔ΔQoとの差(=|ΔQ−ΔQo|)を求め、基板11の表面のフォーカス状態に関わる信号(以下「フォーカス信号」)を生成する。
このように、第1検出部(42〜49)では、基板11の表面の照明領域60(重ね合わせマーク11Aを含む)から発生した光L2の一部(光L5)を瞳近傍で分割して2つのAFスリット像63,64(図4(d))を形成し、2つのAFスリット像63,64の間隔ΔQ(図4(e))に基づいてフォーカス信号を生成する。
そして、第1検出部(42〜49)によって生成されたフォーカス信号は、基板11の表面を合焦面に一致させるための制御信号(指標)としてステージ制御部27に出力される。ステージ制御部27は、第1検出部(42〜49)からのフォーカス信号に基づいてステージ12のZ駆動部を制御し、基板11の表面を合焦面に一致させる(オートフォーカス動作)。
ところが、図5(a)に示すように、基板11の表面において重ね合わせマーク11Aの周辺にパターン65が存在し、このパターン65が照明領域60のエッジ60A,60Bを横切るように形成されていると、図5(d)に点ハッチングで示すように、AFセンサ48の撮像面においてAFスリット像63,64にパターン65が写り込んでしまう。そして、AFスリット像63,64の強度プロファイルに関する撮像信号は、図5(e)に示すようになる。つまり、パターン65の写り込みの影響で、強度プロファイルの波形が矩形状ではなくなってしまう。
このため、信号処理部49において、図5(e)のような強度プロファイルの波形に対してスライスレベル(SL)を設定したときに、その位置でパターン65の影響が顕著に発生し、交点Q1〜Q4の位置がずれてしまう場合には、AFスリット像63,64の間隔ΔQを求める際に誤差が生じてしまう。そして誤差が生じれば、基板11の表面の焦点検出を正確に行うこともできない。さらに、基板11の表面を合焦面に正確に一致させることもできない(AF誤差)。
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、露光時の重ね合わせ精度を向上させる(つまり下地パターンに対するレジストパターンの位置ずれ量Lを小さくする)ことが望まれるようになってきた。また、重ね合わせ測定装置10の測定精度に対する要求仕様もさらに厳しくなっている。このため、図5(a)に示すようなパターン65が存在しても、基板11の表面の焦点検出を正確に行うことが必要である。
本実施形態では、パターン65(図5(a))が存在しても正確な焦点検出を行うため、焦点検出部(17〜19,40〜56)に、上記の第1検出部(42〜49)と、次に説明する第2検出部(50〜56)とを設けた。そして、基板11の表面のフォーカス状態を調整する際、第1検出部(42〜49)によって生成されたフォーカス信号に基づいて調整した後、第2検出部(50〜56)によって生成されたフォーカス信号に基づいて微調整を行う。
なお、第1検出部(42〜49)を用いたフォーカス調整では、上記の通り、基板11の表面にパターン65(図5(a))が存在すると、基板11の表面が合焦面に正確に一致しないこともある(AF誤差)。ただし、合焦面を含む所定の範囲内に基板11の表面を追い込むことは可能である。このような第1検出部(42〜49)を用いたフォーカス調整後の状態を前提に、第2検出部(50〜56)の説明を行う。
第2検出部(50〜56)は、ビームスプリッタ41で反射した光L6に基づいて基板11の表面の焦点検出を行う部分であり、遮光板50と、第1リレーレンズ51と、平行平面板52と、瞳分割ミラー53と、第2リレーレンズ54と、AFセンサ55と、画像処理部56とで構成される。瞳分割ミラー53は、瞳近傍に配置され、照明開口絞り14と略共役である。AFセンサ55の撮像面は、遮光板50の配置面と略共役である。
遮光板50の配置面には、上記の通り、基板11の表面の照明領域60(重ね合わせマーク11Aを含む)の中間像が形成される。この中間像を図示すると、図6(a)のように、照明領域60(図3)と同様の矩形状である。
また、遮光板50は、1つの矩形状の開口部50aを有する。この開口部50aのサイズは、重ね合わせマーク11Aの中間像より大きく、照明領域60の中間像のエッジより小さくなるように設定されている。このため、開口部50aにより、照明領域60の中間像の周辺部分(エッジ付近)を遮断して、中心部分(重ね合わせマーク11Aの部分)を選択的に通過させることができる。
遮光板50の開口部50aを通過した後の光L7は、第1リレーレンズ51(図1)によってコリメートされ、平行平面板52を透過して、瞳分割ミラー53の反射面に入射する。
瞳分割ミラー53の反射面上には、照明開口絞り14(図6(b))の像が形成される。照明開口絞り14の像の位置調整を行うために、平行平面板52が設けられている。平行平面板52はチルト可能に構成され、平行平面板52のチルト調整により、照明開口絞り14の像を瞳分割ミラー53の反射面の中心に位置調整することができる。
瞳分割ミラー53に入射した光L7は、そこで2方向の光に振幅分離(つまり2分割)される。光L7の分割の方向は、図6(b)に示す通り、瞳分割ミラー53の稜線53Aとは垂直な方向であり、基板11の表面に設定された座標軸のX軸と垂直な方向(Y軸と平行な方向)に相当する。また、重ね合わせマーク11Aの直線部に対して平行または垂直である。
瞳分割ミラー53で2分割された後の光L7は、第2リレーレンズ54を介して集光された後、第1検出部(42〜49)のシリンドリカルレンズ47のような光学素子を介さずに(つまり分割方向とは垂直な方向への圧縮作用を受けずに)、AFセンサ55の撮像面の近傍に集光される。
AFセンサ55の撮像面には、計測方向(Y軸方向)に沿って離れた位置に2つの開口像66,67(図6(c))が形成される。開口像66,67は、遮光板50の配置面における中間像(図6(a))のうち、開口部50aを通過した中心部分(重ね合わせマーク11Aを含む部分)と同様の矩形状である。
この場合、開口像66,67の中には、照明領域60のエッジ60A,60Bに関わる像(図4(c)で説明したAFスリット像61,62のエッジ参照)が現れることはなく、重ね合わせマーク11Aの最終像が圧縮されない状態で現れる。
また、AFセンサ55の撮像面において、開口像66,67のエッジ(遮光板50の開口部50aのエッジ像)は基板11の表面のフォーカス状態に拘わらず同じ位置に形成されるが、重ね合わせマーク11Aの最終像は基板11の表面のフォーカス状態に応じて異なる位置に形成される。このため、以下では、重ね合わせマーク11Aの最終像に注目し、開口像66,67を「マーク像66,67」と言う。
上記の第2検出部(50〜56)では、遮光板50の開口部50aからの光L7に基づいて、2つの圧縮されないマーク像66,67(図6(c))がAFセンサ55の撮像面に形成される。なお、AFセンサ55は、非計測方向の素子サイズD55が1mm程度のエリアセンサである。
計測方向におけるマーク像66,67の間隔は、基板11の表面のフォーカス状態に応じて変化し、基板11の表面が合焦面に一致するときの間隔は既知である。傾向としては、基板11の表面が合焦面より下側(−側)にデフォーカスした前ピン状態ほどマーク像66,67が互いに接近し、合焦面より上側(+側)にデフォーカスした後ピン状態ほど互いに離れる。
AFセンサ55は、撮像面に形成された2つのマーク像66,67(図6(c))を撮像すると、画像処理部56に対して撮像信号を出力する。
画像処理部56は、AFセンサ55からの撮像信号に基づいて、計測方向に2分割された重ね合わせマーク11Aの画像を取り込み、このマーク画像に対して焦点検出用の画像処理を施す。
焦点検出用の画像処理では、まず、マーク画像の各画素の輝度値を非計測方向に積算してS/N比を向上させ、マーク像66,67の強度プロファイルに関する信号(図6(d))を生成する。図6(d)の横軸はAFセンサ55上での計測方向(Y軸方向)の位置を表し、縦軸はマーク像66,67の強度を表している。
図6(d)のような強度プロファイルの波形には、8つのピークP1〜P8が現れる。このうち、ピークP1〜P4は一方のマーク像66に対応し、ピークP5〜P8は他方のマーク像67に対応する。
また、ピークP1,P5は重ね合わせマーク11A(図2)の下地マークの例えば左側のエッジに対応し、ピークP4,P8は下地マークの右側のエッジに対応する。ピークP2,P6はレジストマークの例えば左側のエッジに対応し、ピークP3,P7はレジストマークの右側のエッジに対応する。
さらに、共通のエッジに対応するピークP1,P5の間隔M1、ピークP2,P6の間隔M2、ピークP3,P7の間隔3、および、ピークP4,P8の間隔M4は、互いに等しく、基板11の表面のフォーカス状態に応じて同じように変化する。
焦点検出用の画像処理では、次に、図6(d)のような強度プロファイルの波形において、レジストマークの一方のエッジに対応するピークP2,P6の各位置を例えば相関法により求め、間隔M2を求める。すなわち、ピークP2を含む波形の相関法によってピークP2の位置を、ピークP6を含む波形の相関法によってピークP6の位置を求め、|P2−P6|=M2として、間隔M2を求める。このとき、間隔M2に代えて(または加えて)、レジストマークの他方のエッジに対応するピークP3,P7の各位置を同様の方法で求め、間隔M3を求めてもよい。
さらに、レジストマークに関わる間隔M2,M3に代えて(または加えて)、下地マークに関わる間隔M1,M4を求めてもよい。ただし、下地マークは様々なプロセスごとに反射率の特性が異なるのに対し、レジストマークは屈折率や段差の条件が略同じである。このため、様々なプロセスの影響が小さいレジストマークの間隔M2および/または間隔M3を求めることが好ましい。
そして、上記の間隔M1〜M4のうち少なくとも1つを求めた後、画像処理部56では、予め記憶している合焦状態での間隔M0との差(例えば|M2−M0|)を求め、基板11の表面のフォーカス状態に関わる信号(フォーカス信号)を生成する。間隔M1〜M4のうち2つ以上からフォーカス信号を生成する際には、2つ以上の間隔(例えば間隔M2,M3)の平均値と合焦時の間隔M0との差に基づいてフォーカス信号を生成すればよい。
このように、第2検出部(50〜56)では、基板11の表面の照明領域60(重ね合わせマーク11Aを含む)から発生した光L2の一部(光L7)を瞳近傍で分割して2つのマーク像66,67(図6(c))を形成し、2つのマーク像66,67の間隔(図6(d)に示す間隔M1〜M4のうち少なくとも1つ)に基づいてフォーカス信号を生成する。
そして、第2検出部(50〜56)によって生成されたフォーカス信号は、上記した第1検出部(42〜49)によって生成されたフォーカス信号と同様、基板11の表面を合焦面に一致させるための制御信号(指標)としてステージ制御部27に出力される。ステージ制御部27は、第2検出部(50〜56)からのフォーカス信号に基づいてステージ12のZ駆動部を制御し、基板11の表面を合焦面に一致させる(オートフォーカス動作)。
なお、第2検出部(50〜56)では、2つのマーク像66,67の間隔(図6(d)に示す間隔M1〜M4のうち少なくとも1つ)を求める際に、ピークP1〜P8の位置を例えば相関法により求めた。このとき、各ピーク付近の波形どうしで相関演算を行ってもよいが、複数のピークを含む波形どうしで相関演算を行って平均的な間隔を求めてもよい。また、相関法の他に、図6(d)のような強度プロファイルの波形において、強度が最小値となる位置をピークの位置として求めてもよい。
上記のように、本実施形態の重ね合わせ測定装置10では、2つのAFスリット像63,64(図4(d))の間隔に基づいて焦点検出を行う第1検出部(42〜49)と、2つのマーク像66,67(図6(c))の間隔に基づいて焦点検出を行う第2検出部(50〜56)とを設けたことにより、基板11の表面において照明領域60のエッジ60A,60Bを横切るようにパターンが存在しても(例えば図5(a)のパターン65参照)、基板11の表面の焦点検出を正確に行うことができる。このため、基板11の表面を合焦面に正確に一致させることができる。
第1検出部(42〜49)では、照明領域60の中に何らかのパターン(例えば重ね合わせマーク11Aなど)が含まれていても、エッジ60A,60Bを横切るようなパターンが存在しなければ、基板11の表面の焦点検出を正確に行える。そして、第1検出部(42〜49)を用いたフォーカス調整により、基板11の表面を合焦面に正確に一致させることができる。
しかし、第1検出部(42〜49)では、照明領域60のエッジ60A,60Bを横切るようにパターンが存在すると、場合によっては基板11の表面の焦点検出を正確に行うことができなくなる。そして、第1検出部(42〜49)を用いたフォーカス調整では、合焦面に基板11の表面を正確に一致させることが難しくなる(AF誤差)。ただし、そのような場合でも、合焦面を含む所定の範囲内に基板11の表面を追い込むことは可能である。
これに対し、第2検出部(50〜56)では、照明領域60のエッジ60A,60Bを横切るようにパターンが存在しても、重ね合わせマーク11Aから発生した光(L7)に基づいて2つのマーク像66,67(図6(c))を形成し、その間隔に基づいてフォーカス信号を生成するので、エッジ付近のパターンの影響を受けることなく、基板11の表面の焦点検出を正確に行える。そして、第2検出部(50〜56)を用いたフォーカス調整により、基板11の表面を合焦面に正確に一致させることができる。
したがって、本実施形態の重ね合わせ測定装置10では、照明領域60のエッジ60A,60Bを横切るようなパターンが存在しない場合、第1検出部(42〜49)および/または第2検出部(50〜56)によって焦点検出を行えばよく、エッジ付近にパターンが存在する場合は、第2検出部(50〜56)のみによって焦点検出を行う、または、第2検出部(50〜56)と第1検出部(42〜49)とを組み合わせて順に焦点検出を行うことが考えられる。
エッジ付近にパターンが存在し、第2検出部(50〜56)と第1検出部(42〜49)とを組み合わせて順に焦点検出を行う場合、基板11の表面のフォーカス調整は、次のような2段階[1],[2]で行うことが好ましい。
[1]まず、第1検出部(42〜49)による焦点検出で生成されたフォーカス信号に基づいてフォーカス調整を行う。このとき、照明領域60のエッジ付近のパターンの影響で、基板11の表面を合焦面に正確に一致させることはできないが、合焦面を含む所定の範囲内に基板11の表面を追い込むことはできる。
このようなラフAFには次の利点がある。第1検出部(42〜49)を用いるため、基板11の表面のデフォーカス量(合焦面からの位置ずれ量)が大きくても、AFスリット像63,64(図4(d))の間隔を算出できる限り、合焦面を含む所定の範囲内に基板11の表面を追い込むことができる。さらに、AFスリット像63,64の間隔を求める際の信号処理は1次元の簡単な信号処理で済むため、追い込み処理を高速に行える。
[2]その後、第2検出部(50〜56)による焦点検出で生成されたフォーカス信号に基づいて微調整を行う。ラフAFの後、第2検出部(50〜56)のAFセンサ55の撮像面には、比較的鮮明なマーク像66,67(図6(c))が形成される。そして、このマーク像66,67に基づいて生成した強度プロファイル(図6(d))の波形において、各ピークの明暗差は、マーク像66,67の間隔を求める上で十分なコントラストを有する。
このため、第2検出部(50〜56)を利用した精密なフォーカス調整(微調整)を良好に行うことができ、照明領域60のエッジ付近のパターンの影響を受けることなく、第1検出部(42〜49)によるAF誤差を補って、基板11の表面を合焦面に正確に一致させることができる。
このようなファインAFは計算に時間を要するが、ファインAFの前にラフAFを行うため、ラフAFを省略する場合と比較して、ファインAFにおける調整範囲が狭くなり、基板11の表面のフォーカス調整([1]→[2])における全体的な所要時間を短縮することができる。
上記の2段階[1],[2]で基板11の表面のフォーカス調整を行う場合、第1検出部(42〜49)と第2検出部(50〜56)の各メリットを組み合わせることができ、AF動作を開始した時点での物体面のデフォーカス量が大きくても、照明領域60のエッジ付近のパターンの影響を受けることなく、正確かつ高速に基板11の表面を合焦面に一致させて、AF動作を完了させることができる。
さらに、本実施形態の重ね合わせ測定装置10によれば、照明領域60のエッジ付近にパターンが存在しても、基板11の表面を合焦面に正確に一致させることができるため、正しいフォーカス位置で正確に各マークの位置検出や位置ずれ量Lの算出などを行うことができる。また、基板11の表面の測定点が異なっても(エッジ付近のパターンの状態が異なっても)、常に、正しいフォーカス位置で正確に各マークの位置検出や位置ずれ量Lの算出などを行うことができる。したがって、重ね合わせ測定装置10のAF誤差に起因する測定誤差を低減できる。
また、本実施形態の重ね合わせ測定装置10によれば、第1検出部(42〜49)の瞳分割ミラー45で光L5を分割する際、矩形状の照明領域60のエッジ60Aと平行な方向(エッジ60Bと垂直な方向)に分割するため、AFセンサ48の撮像面における2つのAFスリット像63,64の間隔ΔQを正確に求めることができる。同様に、第2検出部(50〜56)の瞳分割ミラー53で光L7を分割する際、重ね合わせマーク11Aの直線部と平行または垂直な方向(例えばY軸方向)に分割するため、AFセンサ55の撮像面における2つのマーク像66,67の間隔を正確に求めることができる。
さらに、本実施形態の重ね合わせ測定装置10によれば、基板11の表面の座標軸(X軸,Y軸)に対して照明領域60のエッジ60A,60Bを傾斜させると共に、シリンドリカルレンズ47を用いてAFスリット像を一方向に圧縮する(瞳分割ミラー45における分割とは垂直な方向に圧縮する)ため、照明領域60の中に含まれるパターン(重ね合わせマーク11Aなど)の写り込みの影響を低減しつつAFスリット像の光量をかせぐことができる。このため、第1検出部(42〜49)において、AFスリット像63,64の間隔ΔQをより正確に求めることができる。第2検出部(50〜56)では、マーク像66,67を圧縮せずに形成するため、マーク像66,67の間隔をより正確に求めることができる。
基板11の表面の座標軸(X軸,Y軸)に対する照明領域60のエッジ60A,60Bの傾斜角θは、上記の45度に限らない。傾斜角θを30度〜60度の範囲に設定すれば、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の重ね合わせ測定装置10によれば、照明領域60の形状を長方形とし、その長手方向(エッジ60Bの方向)にAFスリット像を圧縮したので、AFスリット像における不要なパターンの写り込みの影響の低減や、AFスリット像の光量増加を、より効果的に行うことができる。ただし、照明領域60の短手方向(エッジ60Aの方向)にAFスリット像を圧縮しても構わない。また、照明領域60の形状は、正方形でも構わない。
さらに、本実施形態の重ね合わせ測定装置10によれば、第1検出部(42〜49)による焦点検出の際にも、第2検出部(50〜56)による焦点検出の際にも、共通の照明部(13〜19,40)を用いて、照明領域60の中に重ね合わせマーク11Aを含んだ状態で、照明領域60と重ね合わせマーク11Aとを同時に照明する。そして、第2検出部(50〜56)による焦点検出の際には、遮光板50によって、照明領域60から発生した光L2のうち、重ね合わせマーク11Aから発生した光L7を選択した後、この光L7を瞳近傍で分割して2つのマーク像66,67を形成する。したがって、AF動作と重ね合わせ検査とを同時に行うことができる。この場合、焦点検出用の照明波長と重ね合わせ検査用の照明波長とが同じになり、ブローバンドの照明光L1で重ね合わせ検査を行いながらAF動作を行うことになる。また、照明部の構成が簡素化する利点もある。
(変形例)
なお、上記した実施形態では、AF動作と重ね合わせ検査とを同時に行うために、第2検出部(50〜56)に遮光板50を設けたが、本発明はこれに限定されない。AF動作の後に重ね合わせ検査を行う構成とする場合には、遮光板50を省略し、これと同様の視野絞り(50)を照明部(13〜19,40)の視野絞り16に代えて配置可能とすればよい。この場合、視野絞り16を配置して第1検出部(42〜49)による焦点検出を行い、視野絞り(50)を配置して第2検出部(50〜56)による焦点検出を行い、視野絞り16を配置して重ね合わせ検査を行うことになる。
また、上記した実施形態では、基板11の表面の座標軸に対して照明領域60のエッジ60A,60Bを傾斜させたが、このエッジ60A,60Bを座標軸に対し平行または垂直としてもよい。
さらに、上記した実施形態では、重ね合わせマーク11Aがバーマークである例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えばボックスマークや十字マークのように1つ以上の直線部を有するマークであれば、第2検出部(50〜56)による焦点検出に用いることができる。
また、上記した実施形態では、照明領域60の中に測定マーク(例えば重ね合わせマーク11A)を含んだ状態で照明したが、本発明はこれに限定されない。第1検出部(42〜49)はスリット投影方式であり、照明領域60の中に測定マークがなくても焦点検出を行うことができる。このため、照明領域60の外に測定マークを位置決めし、照明部(13〜19,40)とは別の照明部(上記の視野絞り(50)を有する構成)によって測定マークを照明しても構わない。
さらに、上記した実施形態では、重ね合わせ測定装置10を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。その他、測定マークの位置を検出する装置や、アライメントマークの位置を検出する装置のAF系にも適用できる。
重ね合わせ測定装置10の全体構成を示す図である。 重ね合わせマーク11Aの構成を説明する図である。 基板11の表面(物体面)における照明領域60を説明する図である。 第1検出部(42〜49)における焦点検出の原理を説明する図である。 重ね合わせマーク11Aの周辺にパターン65が存在する場合の焦点検出を説明する図である。 第2検出部(50〜56)における焦点検出の原理を説明する図である。
符号の説明
10重ね合わせ測定装置 ; 11基板 ; 11A重ね合わせマーク ; 13〜19,40照明部 ; 16視野絞り ; 16a AFスリット ; 60照明領域 ; 60A,60Bエッジ ;
17〜19,40〜56焦点検出部 ; 42〜49第1検出部 ; 50〜56第2検出部 ; 45,53瞳分割ミラー ; 50遮光板 ; 47シリンドリカルレンズ ;
63,64 AFスリット像 ; 12ステージ ; 27ステージ制御部

Claims (5)

  1. 物体面の所定の領域を照明し、該領域から発生した光を瞳近傍で分割して該領域の2つの像を形成し、該2つの像の間隔に基づいて、前記物体面のフォーカス状態に関わる信号を生成する第1の処理手段と、
    前記物体面のマークを照明し、該マークから発生した光を瞳近傍で分割して該マークの2つの像を形成し、該2つの像の間隔に基づいて、前記物体面のフォーカス状態に関わる信号を生成する第2の処理手段とを備えた
    ことを特徴とする焦点検出装置。
  2. 請求項1に記載の焦点検出装置において、
    前記第1の処理手段は、矩形状の前記領域を照明すると共に、該領域から発生した光の分割を前記領域のエッジと平行または垂直な方向に行い、
    前記第2の処理手段は、1つ以上の直線部からなる前記マークを照明すると共に、該マークから発生した光の分割を前記マークの直線部と平行または垂直な方向に行う
    ことを特徴とする焦点検出装置。
  3. 請求項2に記載の焦点検出装置において、
    前記物体面には、前記マークの直線部と平行または垂直な方向に座標軸が設定され、
    前記第1の処理手段は、前記座標軸に対し前記エッジを傾斜させた前記領域を照明すると共に、該領域から発生した光の分割とは垂直な方向に前記領域の像を圧縮して前記2つの像を形成し、
    前記第2の処理手段は、前記マークの像を圧縮せずに前記2つの像を形成する
    ことを特徴とする焦点検出装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の焦点検出装置において、
    前記第1の処理手段と前記第2の処理手段とは、共通の照明部によって前記領域と前記マークとを同時に照明すると共に、前記領域の中に前記マークを含んだ状態で照明し、
    前記第2の処理手段は、前記領域から発生した光のうち、前記マークから発生した光を選択した後、該光を瞳近傍で分割して前記2つの像を形成する
    ことを特徴とする焦点検出装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の焦点検出装置と、
    前記第1の処理手段によって生成された信号に基づいて前記物体面のフォーカス状態を調整した後、前記第2の処理手段によって生成された信号に基づいて前記フォーカス状態を微調整する調整手段とを備えた
    ことを特徴とするオートフォーカス装置。
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