JP2007171059A - センサ装置 - Google Patents

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敏男 福田
Fumito Arai
史人 新井
Kohei Motoo
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Abstract

【課題】
複数の圧電振動体素子を一部分に集積化した場合、1つの圧電振動素子の振動が他の圧電振動素子に伝達されないようにする。
【解決手段】
触覚センサ2の土台10上には、圧電振動素子12が集積化されている。圧電振動素子12は、土台10上に、導電性テープ22と導電性エポキシ接着剤を介して固定されている。導電性エポキシ接着剤24は、圧電振動素子12から土台10に伝達される振動を低減する。
【選択図】
図2

Description

本発明はセンサ装置に関するものであり、特に、振動体素子を利用した触覚センサ装置に関するものである。
近年、ロボットハンドや人工皮膚に用いるための触覚センサの研究が行われている。このような用途に用いられる触覚センサは、数グラムのものから数十キログラムの重さのものの重力(圧力)を測定する必要があるため、広範囲かつ高感度の触覚センサが求められている。従来より、歪ゲージや導電性ゴムをセンサ素子として用いる触覚センサが提案されてきたが、上記のような条件を満たす触覚センサは開発されておらず、最近では圧電振動素子を用いた触覚センサが開発されている(特許文献1から6)。また、本出願の発明者らは、圧電振動素子と被検出部材との間に弾性体からなる緩衝部材を配置し、被検出部材からの力の影響を少なくした状態で、複数の共振周波数で圧電振動素子を振動させることで、広範囲かつ高感度のセンシングを実現させる触覚センサを開発した(特許文献7)。
特開2002−31574号公報 特開平10−239173号公報 特表平8−501899号公報 特開2000−71191号公報 特開2002−236059号公報 特開2003−344149号公報 特願2005−265340号
上述のように、圧電振動素子を用いた触覚センサの開発により、センサの測定範囲、感度の問題は解決されつつあるが、センサを集積化する場合、センサ同士の振動が互いに影響し、正確に力を検出できないという問題が発生する。すなわち、圧電振動型センサは、センサ自身が振動し、被検出部材より力が及ぼされるとセンサの振動状態が変化することで力を検出するものである。このような検出原理をもつセンサを一部分に複数個配置させた場合、ある1のセンサの振動が他のセンサの振動状態に影響を与えてしまい、被検出部材からの力を正確に検出できないのである。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、他の圧電振動素子へ伝達される振動を低減することにより、正確な力を検出することができるセンシング素子を実現することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1に係る発明は、駆動電圧印加部からの駆動電圧によって振動し、外部からの力に応じて振動状態が変化する振動体素子と、前記振動体素子の振動に応じて発生する電圧を検出する検出回路部と、前記振動体素子を支持する支持台を用いて、前記振動体素子を複数個備えてなるセンサ装置であって、前記複数の振動体素子のうちの一の振動体素子から他の振動体素子に伝達される振動を低減する伝達振動低減手段を備えることを特徴とするセンサ装置によって構成される。
上記振動体素子は、駆動振動されて外部からの力を検出するものであり、PZT(チタンジルコン酸鉛)、水晶などの圧電材料を用いた振動体素子とすることができる。この振動体素子を支持台に複数個設置するものがセンサ装置であり、その用途は触覚センサ、ジャイロセンサ、加速度センサなどである。伝達振動低減手段は、振動体素子で発生した振動を吸収することで、伝達される振動を低減するものでも良いし、複数の振動体素子の駆動電圧の位相を互いにずらすことにより、伝達される振動の影響を低減するものでも良い。振動を吸収する場合の伝達振動低減手段は、例えば、ゴム、ウレタン、樹脂などの弾性材料や、ゲルなどの弾力性を備えた材料を用いることができる。
また、請求項2に係る発明は、前記伝達振動低減手段は、前記複数の振動体素子の間に配置され、前記一の振動体素子の振動を吸収する振動吸収部材である請求項1に記載のセンサ装置によって構成される。この構成によれば、一の振動体素子で発生した振動は振動吸収部材によって吸収され、他の振動体素子に及ぼされる振動は低減される。よって、センサ装置は精度良く外部からの力を検出することができる。なお、振動吸収部材が配置される位置は、振動体素子と支持台の間でも良いし、複数の振動体素子の間の支持台の一部に振動吸収部材が配置されたり、支持台自体が振動吸収部材となる構成としても良い。支持台自体が振動吸収部材となる場合は発明の構成を簡素化することができる。なお、支持台が振動吸収部材になる場合、材質としてはアクリルなどが挙げられる。
また、請求項3に係る発明は、前記振動吸収部材は、前記振動体素子を前記支持台に固定するために用いられる固定部材でもあることを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置によって構成される。振動吸収部材が固定部材を兼ねる材料としては、弾性を有する接着剤や樹脂等からなる接着テープなどが挙げられる。また、弾性を有する接着剤は、エポキシ系接着剤やウレタン樹脂を含む接着剤などを用いることができる。この構成によれば、振動吸収部材が、振動体素子を支持台に固定するための固定部材を兼ねることができるため、センサ装置の構造が簡素化され、組付け性が向上するとともに、コストを低減することができる。
また、請求項4に係る発明は、前記振動体素子は、駆動電圧の周波数を変えることにより、振動体素子の測定感度および測定範囲のうちの少なくとも一つを変えることができるものであることを特徴とする請求項1乃至3に記載のセンサ装置によって構成される。振動体素子は、いくつかの共振周波数を持っており、この内の共振周波数を適宜選択することにより、振動体素子の測定感度あるいは測定範囲を変更することができる。上記の構成によれば、振動体素子の位置に応じて測定感度あるいは測定範囲を変えることにより、より詳細に力の検出を行うことができる。
また、請求項5に係る発明は、前記センサ装置は、外部から前記振動体素子に及ぼされる力を緩衝する緩衝部材をさらに有し、前記振動体素子は前記支持台に支持された状態で、前記振動体素子の上面と前記支持台の上面は、上面の高さが略一致した状態で前記緩衝部材と当接することを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置によって構成される。振動体素子の検出精度を向上させるために、緩衝部材を用いることがあり、緩衝部材を支持台で支持する場合は、支持台の上面と振動体素子の上面を略一致させた状態にすれば、複数の振動体素子と緩衝部材の間に一様な隙間を形成させたり、振動体素子と緩衝部材を均等に接触させることができる。従って、上記の構成により、当該センサ装置の検出精度を良好なものとすることができる。なお、振動体素子と緩衝部材の間には、わずかに空間があることが望ましい。
また、請求項6に係る発明は、前記駆動電圧印加部は、前記振動体素子が少なくとも2以上の共振モードで共振するように、2以上の周波数の駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至5に記載のセンサ装置によって構成される。2以上の共振モードで共振するように、2以上の周波数の駆動電圧を印加された振動体素子は、振動体素子の共振周波数に応じて振動し、電圧を出力する。したがって、1つの周波数の駆動電圧を印加する場合に比べて、センサ装置の検出感度および検出範囲を向上させることができる。なお、駆動電圧は、2以上の異なる周波数であれば良く、印加する駆動電圧の周波数が3つであっても、それ以上であっても良い。また、2以上の周波数の駆動電圧によって振動体素子の振動周波数は複数の周波数が重畳したものとなるが、この振動体素子の出力電圧を検出するために、ある周波数でフィルタリングを行って検出しても良いし、出力信号にアナログ回路を組み合わせて検出しても良い。
なお、請求項6に係る発明は、請求項1から5に従属するものであるが、発明の本質に鑑みれば、請求項1から5に従属することなく成立するものであり、この場合は、請求項6を以下のように記載することができる。駆動電圧印加部からの駆動電圧によって振動し、外部からの力に応じて振動状態が変化する振動体素子と、前記振動体素子の振動に応じて発生する電圧を検出する検出回路部と、前記振動体素子を支持する支持台を用いて、前記振動体素子を備えてなるセンサ装置であって、前記駆動電圧印加部は、前記振動体素子が少なくとも2以上の共振モードで共振するように、2以上の周波数の駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至5に記載のセンサ装置。
また、請求項7に係る発明は、前記検出回路部は、前記振動体素子の出力電圧を平滑回路を用いて平滑化して検出することを特徴とする請求項6に記載のセンサ装置によって構成される。振動体素子の信号は交流電圧であり、また、複数の周波数の駆動電圧によって複数の周波数の振動による電圧が重畳した出力となる。このような出力電圧を平滑回路により平滑化することにより、センサ装置の検出精度を向上させることができる。なお、請求項7に係る発明も請求項6と同様に、請求項1から5に従属することなく成立するものである。
上記の構成によれば、駆動電圧により振動する振動体素子に外部から力が及ぼされると、振動体素子の振動状態が変化するが、伝達振動低減手段により、一の振動体素子から他の振動体素子に伝達される振動が低減するため、各振動体素子は他の振動体素子の振動の影響を受けることが少なく、精度良く外部からの力を検出することができる。
本発明を実施するための実施の形態について以下に詳細に説明する。図1は、本発明が適用された第1の実施形態の全体図を示すものである。図1において、触覚センサ2は、被検出部材から及ぼされる力を検出するセンサであり、駆動電圧印加部4より圧電振動体素子を駆動するための駆動電圧が入力される。駆動電圧印加部4は、触覚センサ2の圧電振動体の共振周波数と同じ周波数の電圧を触覚センサ2の入力端子に印加するものであり、駆動電圧の周波数や位相を任意のものに設定することができる。
また、触覚センサ2の出力は検出回路部6に出力される。検出回路部6は、触覚センサ2の圧電振動素子が発生する出力電圧を検出し、さらに所定の演算を行い、触覚センサ2に及ぼされた力を特定する。また、検出回路部6は、触覚センサ2の出力電圧が所定値よりも小さくなった場合は、その旨を共振周波数調整部8に出力する。
共振周波数調整部8は、触覚センサ2の出力電圧が所定値よりも小さくなった場合に、駆動電圧印加部4の駆動電圧の周波数を変更する。通常、共振周波数調整部8は、触覚センサ2の複数の共振周波数を予め記憶しており、検出回路部6で触覚センサ2の出力が所定値よりも小さくなった場合、駆動電圧印加部4の駆動電圧の周波数を、高い側の共振周波数へ変更するものである。この変更された周波数の駆動電圧が駆動電圧印加部4から触覚センサ2に与えられ、検出回路部6で触覚センサ2の測定結果が得られるのである。
次に、図2乃至図3を用いて触覚センサ2の構成について説明する。図2は触覚センサ2の全体構成を示す斜視図であり、図3は触覚センサ2の一部を拡大して示す要部断面図である。図2において、触覚センサ2は、土台10に固定された複数の圧電振動素子12と、圧電振動素子12を覆うように設けられた弾性体14より構成される。なお、図2においては、土台10上の圧電振動素子12の配置状態等を分かり易く説明するために、弾性体14を透明なものと仮定し、点線で図示している。
土台10は、圧電振動素子12を一部分に複数配置するために用いられるものであり、大きさは、例えば、縦20mm、横20mm程度の大きさとされる。また、土台10には、圧電振動素子12を配置するための溝16が設けられている。溝16は、土台10上に図2の縦方向に3本等間隔に形成されており、この溝16内に圧電振動素子12が配置される。なお、本実施形態では、溝16の深さは、土台10に圧電振動素子12を配置した場合に、土台10の上面と圧電振動素子12の上面の高さがほぼ一致する深さとされている。このようにした場合、弾性体14の下面を平面とすることで、弾性体14と圧電振動素子12の間に一様な隙間を形成させたり、弾性体14を圧電振動素子12に均等に接触させることができる。仮に圧電振動素子12が土台10の上面よりも突出している場合、圧電振動素子12で弾性体14を支える必要があるため、弾性体14を均等に圧電振動素子12に当接させることが困難となる。土台10の上面と圧電振動素子12の上面の高さを一致させることで、土台10の上面で弾性体14を支持することができ、触覚センサ2の検出精度を確保することができるのである。なお、弾性体14と圧電振動素子12の間には、空間があることが望ましい。これは、圧電振動素子12の無負荷状態の振動時に弾性体14からの影響を排除するためである。そして、弾性体14を介して被検出部材に圧電振動素子12を接触させたとき、弾性体14が圧電振動素子12に触れることとなる。なお、無負荷状態において、圧電振動素子12と弾性体14を接触状態とすることも可能である。この場合、両者の接触を考慮して、圧電振動素子12に印加する駆動電圧の共振周波数が調整される。なお、弾性体14の弾性係数は、外力の変化に応じて変化するものであることが望ましい。また、弾性体14は、外力が加わることで変形して、圧電振動素子12に加わる外力を緩和することができる材料であることが望ましい。
また、本実施形態では、土台10へ溝16を形成する場合の加工性を考慮し、土台10の材質をアルミニウムとしている。土台10の材質は、溝16の加工性、圧電振動素子12の設置性を良好にするものであれば、他の材料を用いることもできる。
圧電振動素子12は、一方向に長手方向を有する板状の部材であり、大きさは、例えば、図2の縦方向3mm、横方向5mmとされる。この圧電振動素子12は、土台10のそれぞれの溝16に、互いに等間隔に4つ並列に配置され、3つの溝16に合計12個の圧電振動素子12が配置されることになる。土台10に配置する圧電振動素子12の個数は、触覚センサ2の必要な分解能に応じて適宜決定されるものであり、必要な分解用に応じて圧電振動素子12の大きさや、土台10に設けられる溝16の幅、間隔が決定される。また、各圧電振動素子12の上面は出力端子とされており、出力信号線18を介して検出回路部6に出力信号が送られる。なお、図2では右側の4つの圧電振動素子12についてのみ出力信号線18を示すが、実際は、図2のすべての圧電振動素子12の上面から出力信号線18が検出回路部6に延びている。
弾性体14は、土台10および圧電振動素子12の上に配置されている。弾性体14は、図示しない被検出部材から圧電振動素子12に及ぼされる力を緩衝するための緩衝材の役割を果たすものである。弾性体14の緩衝作用により、圧電振動素子12は、被検出部材からの力の影響が低減された状態で、圧電振動素子12の持つ共振周波数で良好に振動することができるのである。なお、弾性体の材料としては、ポリウレタン等の高分子材料からなるゲルやスポンジ材料(高分子材料に限られない)を用いることができる。また、弾性体14は、外力の大きさに伴いそのばね定数が累積的に(直線状ではなく)増加する材料とすることが望ましい。
また、図3にあるように、土台10の表面には、絶縁テープ20が土台10の表面を覆うように設けられている。絶縁テープ20は、土台10の上面右側から土台10を覆っており、溝16内の土台10の表面の大部分は絶縁テープ20で覆われている。絶縁テープ20は、圧電振動素子12に接続される入力信号および出力信号線18が土台10であるアルミニウムに導通することを防止するものである。
土台10の段差部と圧電振動素子12の間には、導電性テープ22および導電性エポキシ接着剤24が用いられている。導電性テープ22は、土台10の段差上の絶縁テープ20上に貼られるものである。図3の右側の導電性テープ22は、圧電振動素子12に駆動電圧を与えるためのものであり、図2にあるように、駆動電圧印加部4と接続されている。また、図3の左側の導電性テープ22は、圧電振動素子12のアース電位を取るためのものである。
また、導電性テープ22と圧電振動素子12の間の導電性エポキシ接着剤24は、圧電振動素子12を土台10上に固定するための接着剤である。この導電性エポキシ接着剤24は、上述のように、導電性テープ22と圧電振動素子12の間の通電を確保するべく導電性を有し、また、圧電振動素子12から土台10に伝達される振動を低減させるべく弾力性を有する接着剤である。
次に、図4を用いて、圧電振動素子12の構成および作製方法について説明する。図4は、圧電振動素子12の作製手順を示すための側面図および正面図である。圧電振動素子12の側面図である図4(a)において、圧電振動素子12は、板状の基板26に圧電セラミックス28を両側から張り合わせることで構成される。本実施形態では、基板26の材料はチタン(Ti)を用いているが、基板26の材料は弾性がありかつ導電性を有するものであれば他の金属を用いても良いし、弾性を有する導電性樹脂を用いることもできる。また、弾性を有する樹脂の表面に金属層を形成したものも基板として用いても良い。また、圧電セラミックス28は、PZT(チタンジルコン酸鉛)やチタン酸バリウムなどの材料を用いることができる。また、圧電セラミックス28は、圧電振動素子12の入力端子、出力端子、アース端子を取り出すことができるように、電極付の圧電セラミックスを用いている。
また、圧電振動素子12の正面図である図4(b)にあるように、上側の圧電セラミックス28は基板26とほぼ同じ大きさとされ、下側の圧電セラミックス28は、基板26よりも1mm程度小さいものとされている。これは、図3で説明したように、土台10の段差上に圧電振動素子12を固定するためである。
基板26に圧電セラミックス28が接着された後、所定の大きさ、例えば3mm幅でダイサー切断され、圧電振動素子12が形成される。その後、図1乃至図3のように、圧電振動素子12は土台10上に固定され、触覚センサ2が構成される。
次に、本実施形態の触覚センサ2のセンサ特性について図5を用いて説明する。図5は、本実施形態の触覚センサ2の特性測定時の構成を説明するための概略図である。図5において、触覚センサ2は、荷重測定装置30の上に置かれている。荷重測定装置30は、触覚センサ2に及ぼされる荷重を測定するための装置であり、広範囲のレンジの荷重の測定が可能なものである。また、触覚センサ2上の弾性体14のさらに上には、荷重付加部材32が弾性体14に接触した状態で配置されている。この荷重付加部材32は、荷重可変装置34に一端を支えられた状態で弾性体14に対して一様に荷重を付加することとされている。荷重可変装置34は、荷重付加部材32が触覚センサ2に付加する荷重の大きさを変化させる装置である。
また、触覚センサ2の特性の測定にあたり、圧電振動素子12には、圧電セラミックス28を振動させるための駆動電圧印加部4が接続されている。また、圧電振動素子12には、出力電圧を検出するための検出回路部6が接続されている。また、共振周波数調整部8は、検出回路部6の出力値に応じ、駆動電圧印加部4の駆動電圧の周波数を調整する。
次に、図6を用いて、触覚センサ2のセンサ特性の測定結果について説明する。図6(a)は、駆動電圧印加部4より入力される電圧の周波数を29kHzとし、荷重可変装置34により触覚センサ2に及ぼされる荷重を0Nから1Nまで変化させた場合の特性図である。また、図6(b)は、入力の駆動電圧の周波数を168kHzとし、荷重を0Nから3.5Nまで変化させた場合の特性図である。
上記の図6(a)および(b)の特性図を用い、触覚センサ2にかかる圧力と出力の関係を、各共振周波数の無負荷時の出力を正規化して比較した特性図を図7に示す。図7によれば、共振周波数が29kHzの場合は、触覚センサ2に及ぼされる圧力が0から2kPaまでが測定範囲であり、共振周波数が168kHzの場合は、0から5kPaまでが測定範囲であることがわかる。また、0から2kPaの領域は、共振周波数が168kHzよりも29kHzの方が出力の変化度合いが大きいため、共振周波数が29kHzの場合の方が触覚センサ2は高感度であるといえる。したがって、図7より、本実施形態の触覚センサ2は、高感度、広範囲の測定が可能であり、土台10に圧電振動素子12を集積化させた場合でも、良好なセンサ特性を示すことがわかる。
次に、本実施形態の触覚センサ2において、圧電振動素子12を土台10上に集積化させた場合の影響について測定した測定結果を図8を用いて説明する。図8(a)は、測定方法を説明するための側面図であり、図8(b)は上面視図である。なお、図8(b)においては、圧電振動素子12に対する測定位置を分かり易くするために、弾性体14を省略している。
図8(a)において、触覚センサ2の土台10上に弾性体14を配置し、弾性体14の上から、先端部が尖った棒36で触覚センサ2を押した。棒36で押す位置は、図8(b)にあるように、土台10の溝16に沿った方向に、2mm間隔とした。押圧した時の各圧電振動素子12の出力電圧を出力信号線18を用いて計測した。なお、測定にあたっては、駆動電圧印加部4、検出回路部6および共振周波数調整部8を適宜用い、押圧力に応じた周波数の駆動電圧を圧電振動素子12に印加した。
この測定結果は以下のようになった。まず、図8(b)の最も左側の×を棒36で押圧した場合は、最も左側の圧電振動素子12の出力電圧が変化した。一方、最も左側の圧電振動素子12を除く他の3つの圧電振動素子12の出力には変化が見られなかった。その後、棒36で別の×を押した場合も、×の直下にある圧電振動素子12のみの出力電圧が変化し、他の圧電振動素子12の出力電圧には影響が無かった。なお、×の位置が2つの圧電振動素子12の間にある場合は、×の両側の圧電振動素子12のみの出力電圧が変化し、他の素子の出力電圧には変化がなかった。
上述の測定結果より、本実施形態の触覚センサ2では、土台10と圧電振動素子12の間に導電性エポキシ接着剤24が介在するため、圧電振動素子12が振動した場合でも、この振動が土台10を伝わって他の圧電振動素子12に伝達されることが低減され、精度良く棒36の押圧力を検出することができる。導電性エポキシ接着剤24は、弾性を有する接着剤であるため、圧電振動素子12の振動を吸収することができるのである。よって、土台10上に圧電振動素子12を複数個集積化させた場合の触覚センサ2の検出精度を確保することができる。
次に、本実施形態の作用について図1乃至図4を用いて説明する。まず、触覚センサ2に荷重が及ぼされる前(無負荷状態)に、圧電振動素子12を駆動させるための駆動電圧が駆動電圧印加部4から導電性テープ22に印加され、この駆動電圧が圧電セラミックス28に及ぼされ、圧電振動素子12は振動する。図2においては、縦1列の圧電振動素子12の入力端子である導電性テープ22は共用される構成のため、縦一列の圧電振動素子12は同じ周波数で振動する。
その後、被検出部材から弾性体14を介して力が触覚センサ2に及ぼされると、各圧電振動素子12の出力電圧が変化し、検出回路部6で検出された出力電圧により、各圧電振動素子12に及ぼされた力が演算される。また、検出回路部6で検出された電圧が所定の電圧値よりも大きい場合は、その旨の信号が検出回路部6から共振周波数調整部8に送られ、駆動電圧印加部4の印加電圧の周波数が、圧電振動素子12の別の共振周波数に変更される。共振周波数が変更された駆動電圧印加部4の印加電圧は圧電振動素子12に印加され、被検出部材からの力の大きさに応じた共振周波数で圧電振動素子6を振動させることが可能となる。
なお、本実施形態では、土台10上に12個の圧電振動素子12が配置されているため、各圧電振動素子12がそれぞれ、及ぼされる力に応じた出力電圧を検出回路部6に出力する。また、本実施形態では、圧電振動素子12が土台10上に導電性エポキシ接着剤24を介して配置されているため、圧電振動素子12の振動が土台10に伝達されにくくなっている。また、絶縁テープ20も弾性を有する部材のため、絶縁テープ20でも圧電振動素子12の振動が吸収される。
また、本実施形態では、各圧電振動素子12は、それぞれの出力電圧を検出回路部6に出力することができるため、例えば、中央の列の圧電振動素子12の出力電圧が中央以外の列の電圧よりも高くなった場合、中央の列の圧電振動素子12の駆動電圧の周波数が共振周波数調整部8で調整される。その後、周波数が変更された駆動電圧が駆動電圧印加部4より中央の列の圧電振動素子6に与えられ、被検出部材より比較的大きな力が及ぼされた場合でも、力の測定が可能となる。
したがって、本実施形態では、圧電振動素子12の振動が他の圧電振動素子12に伝達されにくくなっているため、被検出部材からの力を各圧電振動素子12が精度良く検出することができ、触覚センサ2の検出精度を確保することができる。
また、本実施形態では、圧電振動素子12を土台10に固定する際に用いる接着剤に弾性を持つ導電性エポキシ接着剤24を用いているため、接着剤と弾性部材を別々に用いて圧電振動素子12を土台10に固定する構成に比べ、構成の簡略化、組付け工程の簡略化およびコストの削減を行うことができる。
また、本実施形態では、及ぼされる力の大きさに応じて圧電振動素子12の共振周波数を変更させて振動させるため、触覚センサ2の測定感度および測定範囲を良好なものとすることができる。また、触覚センサ2に弾性体14を用いているため、被検出部材から及ぼされる力の影響を少なくした状態で圧電振動素子12を振動させることができ、荷重検出の精度が向上するという効果もある。
また、本実施形態においては、各圧電振動素子12の出力電圧をそれぞれ検出することができるため、出力電圧が検出された圧電振動素子12の位置の力を検出することができ、触覚センサ2の位置分解能を向上させることができる。また、本実施形態のように、土台10に複数の圧電振動体12を集積化させることで、センサアレイ化を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、土台10上の12個の圧電振動素子12について、縦方向の4つの圧電振動素子12については、駆動電圧を印加する導電性テープ22を共通の入力端子として用い、横方向の3組(4つずつ)の圧電振動素子12については、それぞれ異なる導電性テープ22を用いて駆動電圧を印加しているため、3組の圧電振動素子12の力の測定範囲をそれぞれ異なるものとすることができる。例えば、中央部が突出した被検出部材が触覚センサ2に力を及ぼす場合、触覚センサ2の中央部は周縁部よりも大きな力を受けるため、中央部の測定範囲を周縁部の測定範囲よりも大きなレンジの測定範囲とすることで、精度良く被検出部材の及ぼす力の位置および大きさを測定することが可能となる。
なお、被検出部材の形状が触覚センサ2の表面に一様に力を及ぼすような場合や、被検出部材の及ぼす力が予め分かっている場合には、圧電振動素子12に駆動電圧を印加する導電性テープ22は、12個すべてに共通のものとすることも可能である。この場合は、導電性テープ22がすべての圧電振動素子12で共通となるため、触覚センサ2の構造が簡素化され、作製にかかるコストを少なくすることができる。なお、この場合でも、圧電振動素子12それぞれの出力電圧を測定することで、触覚センサ2の位置分解能の性能は確保することができる。
また、本第1の実施形態では、縦方向4つの振動圧電素子12の導電性テープ22を共通化した構成を示したが、縦方向4つの振動圧電素子12それぞれについて、力の測定範囲を異ならせる場合は、縦方向4つの振動圧電素子12にそれぞれ駆動電圧を印加するように、導電性テープ22をそれぞれの圧電振動素子12に配置させれば良い。このようにすれば、触覚センサ2の図2の縦方向の位置分解能を向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図9を用いて説明する。図9は第1実施形態の図3に対応するものであり、第1実施形態と共通する部分についての説明は省略する。図9において、土台37は弾性高分子材料であるPDMS(ポリジメチルポリキサン)で形成されている。この土台38上に導電性テープ22が貼られ、導電性エポキシ接着剤24により圧電振動素子12が土台38上に固定される。
第2の実施形態においても、圧電振動素子12の振動は、導電性エポキシ接着剤24およびPDMSである土台37に吸収されるため、触覚センサ2の検出精度を良好なものとすることができる。
上述した第1および第2の実施形態においては、1の圧電振動素子12から他の圧電振動素子12に伝達される振動を吸収する部材として、導電性エポキシ接着剤24やPDMSの土台37を用いたが、振動を吸収する部材としては上記のものに限られない。例えば、土台をアルミニウムで形成した場合、隣り合う圧電振動素子の間のアルミニウム土台にスリット(隙間)を形成し、アルミニウム土台の変形を許容することで、圧電振動素子の振動を吸収することもできる。
また、各圧電振動素子に印加する駆動電圧の間に位相差を設けることにより、他の圧電振動素子に伝達される振動の影響を低減することも可能である。この場合、すべての圧電振動素子間で異なる位相差を持つ駆動電圧を入力電圧とすることが理想的であるが、触覚センサの検出精度等を考慮して、適宜位相差を選択することで、触覚センサの検出精度を確保することができる。
なお、上述した第1および第2の実施形態では、図3乃至図4に示す構造の圧電振動素子12が土台10上に配置されるものとすることができるが、以下に示す構造のものとしても良い。図10は、土台10上に複数の圧電振動素子12を配置するための構造および製造工程を説明するための断面図および上面視図である。
図10(a)において、土台10は予め導線が埋め込まれたものであり、アース用導線38と出力信号用の出力信号線18が設けられている。次に、図10(b)のように、圧電振動素子12を土台10に配置し、圧電振動素子12にアース用導線38および出力信号線18をそれぞれ接続する。図10(b)の上面視図より分かるように、圧電振動素子12は、各素子に切断される前の状態の大きさである。
次に、図10(c)に示すように、圧電振動素子12を3つにダイサー切断する。その後、図10(d)のように、切断された圧電振動素子12上に導電性テープ22を配置する。導電性テープ22は、圧電振動素子12に駆動電圧を与えるためのものである。最後に、圧電振動素子12および導電性テープ22上を弾性体14で覆うことにより、触覚センサ2は完成する。
上述した触覚センサ2の構成および製造工程より、土台10上に複数の圧電振動素子12を容易に配置することができる。特に、土台10上に圧電振動素子12を同じ接触状態で配置させる場合には、1つの圧電振動素子12を土台10に固定した後に、圧電振動素子12を複数の素子に切断した方が、各素子の土台10に対する接触状態が一様なものとなり、触覚センサ10の検出精度を向上させることができる。また、アース用導線38と出力信号線18を同じ側から引き出すことができるため、触覚センサ2を他の部位に配置する場合に、信号線のとり回しが簡素化できるという効果もある。なお、上述の構成および製造工程を用いて、後述する第3の実施形態の触覚センサ2を構成することができることは言うまでも無い。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述の第1および第2の実施形態においては、検出回路部6で検出された電圧が所定の電圧値よりも大きい場合に、圧電振動素子12に印加される駆動電圧の周波数は、圧電振動素子12の他の共振周波数に対応する周波数に変更されていた。このような実施形態においては、検出回路部6で所定値以上の電圧値が検出された場合に、駆動電圧印加部4の駆動電圧の周波数を切り替えるための回路構成やソフトウェアが必要となったり、駆動電圧の周波数を切り替える付近では、力の検出精度が低下するという問題点を含んでいた。したがって、本発明の第3の実施形態は、圧電振動素子12の駆動電圧の周波数の切り替えを行うことなく、広範囲かつ高感度に外部からの力を検出するためのものである。
第3の実施形態の概略回路図を図11に示す。図11において、触覚センサ2の圧電振動素子12には、周波数が11.7KHzの低周波数駆動電圧印加部40と周波数が91KHzの高周波数駆動電圧印加部42が接続されている。低周波数駆動電圧印加部40と高周波数駆動電圧印加部42は、圧電振動素子12に対して、それぞれ並列に接続されており、圧電振動素子12に同時に2つの電圧が印加される。なお、低周波数駆動電圧印加部40の入力電圧は20V(peak to peak)、高周波数駆動電圧印加部42の入力電圧は2.8V(peak to peak)である。
また、圧電振動素子12には、圧電振動素子12の振動による発生電圧を検出するための検出回路部6が設けられており、さらに、圧電振動素子12には、圧電振動素子12の発生電圧を平滑化して検出するための平滑回路44と検出回路部46が接続されている。平滑回路44は、圧電振動素子12の出力電圧の平滑化を行うものであり、平滑化された圧電振動素子12の出力電圧を検出回路部46が検出する。
次に、第3の実施形態の触覚センサ2の測定結果について図12を用いて説明する。図12は触覚センサ2の圧電振動素子12の出力電圧である検出回路部6および検出回路部46の出力波形を示したものであり、図12(a)は、触覚センサ2に力を加えていない場合、図12(b)は触覚センサ2に微小な力を加えた場合(10グラム程度の物体を載せた場合)、図12(c)は触覚センサ2に比較的大きな力を加えた場合(1キログラム程度の物体を載せた場合)の出力波形を示すものである。なお、図12においては、複数の周波数の正弦波が合成された出力波形は検出回路部6の出力を示し、一定の電圧を示す波形は検出回路部46の出力を示している。
図12(a)において、触覚センサ2に力がかかっていない場合は、平滑化された圧電振動素子12の出力電圧を検出回路部46により検出することができる。また、図12(b)のように、触覚センサ2に微小な力が加えられた場合は、圧電振動素子12の出力電圧が若干低下していることが検出回路部46により検出されている。また、図12(c)より、触覚センサ2に比較的大きな力が加えられた場合は、圧電振動素子12の出力電圧がさらに低下している。したがって、第3の実施形態においては、低周波数駆動電圧印加部40と高周波数駆動電圧印加部42を同時に圧電振動素子12に印加することにより、微小な力から比較的大きな力まで、感度良く検出することができる。また、本実施形態では、圧電振動素子12の出力電圧を平滑回路44を用いて平滑化するため、出力電圧を精度良く検出することができる。
また、第3の実施形態では、圧電振動素子12に印加する駆動電圧の周波数を切り替えることなく、同時に複数の周波数の駆動電圧を印加することにより、触覚センサ2の検出精度を向上させることができる。これは、以下のように説明できる。第1および第2の実施形態のように、圧電振動素子12の出力電圧の値に応じて駆動電圧印加部4の電圧の周波数を切り替える場合、駆動電圧を切り替える付近の圧電振動素子12の検出感度は、印加している駆動電圧の最も検出感度が良い領域よりも若干外れた領域となる。したがって、駆動電圧の周波数を切り替える直前および直後は、力の検出感度は低下する。これに対し、本実施形態では、複数の周波数の駆動電圧を同時に圧電振動素子12に印加する構成のため、印加する両方の周波数による出力電圧の変化を合計して、圧電振動素子12の出力電圧とすることができる。したがって、本実施形態の検出感度は、第1および第2の実施形態の検出感度よりも良好なものといえる。
ここで、第3の実施形態の圧電振動素子12を用いた触覚センサ2のモデルより理論計算を行った結果と実験結果を比較するための構成について、図13を用いて説明する。図13(a)は圧電振動素子12を用いたセンサの測定原理を説明するための図、図13(b)は圧電振動素子12を用いた実験モデルを説明するための図、図13(c)は圧電振動素子12を用いた解析モデルを説明するための図である。
図13(c)において、圧電振動素子12の弾性体14の弾性と粘性をそれぞれkeとceで表し、逆電圧効果による変位をモーダル解析を用いて導出する。変位zはモード関数Znと時間関数ξnを用いて、
と表される。センサ素子がある振動モードで共振しているとき、その他の振動モードによる変位は非常に小さいので、式(1)を以下のように仮定する。センサ素子がある振動モードで共振しているとき、その他の振動モードによる変位は非常に小さいので、式(1)を以下のように仮定する。
したがって、触覚センサ2の運動方程式は以下のように表される。
ここで、Lはセンサ素子の長さ、ρはセンサ素子の密度、Aはセンサ素子の断面積、cはセンサ素子の粘性減衰係数、ωnはセンサ素子の固有角振動数、Qnは一般化力である。ここで、一般化力は以下のように表わされる。
ここで、Mxは逆圧電効果による曲げモーメント、bはセンサ素子の幅である。
また、圧電基本式は以下のように表わされる。
ここで,Sxは歪み、Ypは圧電材料のヤング率、σxは応力、d31は圧電定数、Ezは電界である.式(5)より、その曲げモーメントは以下のように表わされる。
ここで、tsは基板の半分の厚み、tpは圧電材料の厚み、u(x)は単位ステップ関数、Vは入力電圧である。
次に、時間関数を以下のように仮定する。
ここで、Bは定数である。式(4)に式(2)、(6)および(7)を代入すると、一般化力は以下のように表わされる。
ここで、δ(x)はデルタ関数である。式(3)に式(7)と(8)を代入すると、定数Bは以下のように表わされる。
次に、式(2)に式(7)と(9)を代入すると、逆圧電効果による変位は以下のように表わされる。
ここで、

と表される。
次に、圧電効果による出力電圧を導出する。出力電圧Vsは以下のように表わされる。
ここで、Qは電荷、Cは静電容量、Sは表面積、Dzは電気変位である。また、圧電基本式は以下のように表わされる。
ここで、ε3は圧電材料の誘電率である。上記式(13)より、電気変位は以下のように表わされる。
次に、式(12)に式(10)と(14)を代入すると、圧電効果による出力電圧は以下のように表わされる。
ここで、振動モードと弾性体の配置に対する本触覚センサの特性を調査するために、シミュレーションを行う。振動モードの変化に対する特性の変化を明確にするために、式(15)を以下のように正規化する。
ここで、V0はセンサ素子が弾性体と接触していないのとき(ke = 0,ce = 0)の出力電圧である。
ここで、第3の実施形態のように、圧電振動素子12に複数の共振周波数を入力した場合について考える。触覚センサ2の変位zは、各振動モードの変位znの和で表される。よって、複数の共振振動数を入力したとき、触覚センサ2の特性は式(16)より以下のように表される。
ここで、上述の理論計算式を用いたシミュレーション結果を図14に示す。なお、シミュレーションは、弾性体の配置が全面の場合(x1 = 0 mm,x2 = 7.5 mm)の場合)について行った。また、入力電圧の周波数は、1次モードは3.8KHz、3次モードは66KHzであった。
図14(a)は、入力電圧Vが1次モードの場合の出力電圧を示す図である。また、図14(b)は、入力電圧Vが3次モードの場合の出力電圧を示す図である。1次モードの入力電圧と3次モードの入力電圧を両方入力したときは、式(17)より、図14(c)の出力電圧となり、シミュレーションにおいては、触覚センサ2は、力に対して、広範囲かつ高感度なセンサということができる。
一方、図13(b)に示す回路を用いて実験を行った結果について図15を用いて説明する。図15(a)は、触覚センサ2の圧電振動素子に、11.7KHzの入力電圧(peak to peak 20V)を加えたときの出力電圧である。また、図15(b)は、圧電振動素子に、91KHz(peak to peak 2.8V)を加えたときの出力電圧を示す図である。また、図15(c)は、11.7KHzの入力電圧と91KHzの入力電圧の両方を圧電振動素子に入力したときの出力電圧を示す図である。図15(a)より、入力電圧の周波数が11.7KHzのときは、小さな力に対しては高感度であるが、大きな力に対しては感度が低い。一方、図15(b)より、入力電圧の周波数が91KHzのときは、大きな力に対しては感度が高いが、小さな力に対しては感度が低いことが分かる。これに対し、11.7KHzと91Hzの両方の周波数の電圧を入力したときは、図15(c)に示すように、小さな力から大きな力まで感度良く検出することができ、高感度と広範囲な測定範囲を両立させることができる。この実験結果は、図14のシミュレーション結果とも良く一致しており、第3の実施形態の触覚センサ2は、高感度かつ広範囲にわたり力を検出することができるセンサであるといえる。
なお、上記のように、力を高感度かつ広範囲に検出することができる触覚センサ2を構成するためには、本実施形態で述べたように、異なる周波数の入力電圧を同時に圧電振動素子12に印加することの他に、印加する各入力電圧の電圧値の大きさ(peak to peakの値)についても適切な値とすることが望ましい。一般的には、低周波数の入力電圧の電圧値よりも高周波数の入力電圧の値を大きくすることが望ましい。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
以下、次の事項を開示する。
(1)駆動電圧印加部からの駆動電圧によって振動し、外部からの力に応じて振動状態が変化する振動体素子と、前記振動体素子の振動に応じて発生する電圧を検出する検出回路部と、前記振動体素子を支持する支持台を用いて、前記振動体素子を備えてなるセンサ装置であって、前記駆動電圧印加部は、前記振動体素子が少なくとも2以上の共振モードで共振するように、2以上の周波数の駆動電圧を印加することを特徴とするセンサ装置。
(2)前記振動体素子に加わる外力を緩和する緩衝部材を、前記振動体素子と被検出体との間に介在させた状態で前記振動体素子を共振させる、ことを特徴とする(1)に記載のセンサ装置。
(3)前記緩衝部材は、前記振動体素子において被検体へ接触する部分に配設可能な弾性体であり、該弾性体の弾性係数は外力の変化に応じて変化するものである、ことを特徴とする(1)又は(2)に記載のセンサ装置。
(4)前記緩衝部材は、外力が加わることで変形して、振動体素子に加わる外力を緩和することができる材料からなる、ことを特教とする(1)〜(3)のいずれかに記載のセンサ装置。
(5)前記検出回路部は、前記振動体素子の出力電圧を平滑回路を用いて平滑化して検出することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のセンサ装置。
本発明に係る第1実施形態の全体構成図である。 本発明に係る第1実施形態の触覚センサ2の全体構成を示す斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の触覚センサ2の要部を示す断面図である。 本発明に係る第1実施形態の触覚センサ2の作製工程を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の触覚センサ2の特性を測定するための構成を説明するための図である。 本発明に係る第1実施形態の触覚センサ2の特性の測定結果を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の触覚センサ2の圧力と出力の関係を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の触覚センサ2の特性を測定するための構成を説明するための図である。 本発明に係る第2実施形態の触覚センサ2の要部を示す断面図である。 本発明に係る触覚センサ2の構成および製造工程を説明するための断面図および上面視図である。 本発明に係る第3の実施形態の触覚センサ2の概略構成図である。 本発明に係る第3の実施形態の触覚センサ2の測定結果を示す図である。 本発明に係る第3の実施形態の触覚センサ2の実験方法および理論計算方法を説明するための図である。 本発明に係る第3の実施形態の触覚センサ2のシミュレーション結果を説明するための図である。 本発明に係る第3の実施形態の触覚センサ2の実験結果を示す図である。
符号の説明
2 触覚センサ
4 駆動電圧印加部
6 検出回路部
8 共振周波数調整部
10 土台
12 圧電振動素子
14 弾性体
16 溝
18 出力信号線
20 絶縁テープ
22 導電性テープ
24 導電性エポキシ接着剤
26 基板
28 圧電セラミックス
30 荷重測定装置
32 荷重付加装置
34 荷重可変装置
36 棒
37 土台
38 アース用導線

Claims (7)

  1. 駆動電圧印加部からの駆動電圧によって振動し、外部からの力に応じて振動状態が変化する振動体素子と、
    前記振動体素子の振動に応じて発生する電圧を検出する検出回路部と、
    前記振動体素子を支持する支持台を用いて、前記振動体素子を複数個備えてなるセンサ装置であって、
    前記複数の振動体素子のうちの一の振動体素子から他の振動体素子に伝達される振動を低減する伝達振動低減手段を備えることを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記伝達振動低減手段は、前記複数の振動体素子の間に配置され、前記一の振動体素子の振動を吸収する振動吸収部材である請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記振動吸収部材は、前記振動体素子を前記支持台に固定するために用いられる固定部材でもあることを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。
  4. 前記振動体素子は、駆動電圧の周波数を変えることにより、振動体素子の測定感度および測定範囲のうちの少なくとも一つを変えることができるものであることを特徴とする請求項1乃至3に記載のセンサ装置。
  5. 前記センサ装置は、外部から前記振動体素子に及ぼされる力を緩衝する緩衝部材をさらに有し、
    前記振動体素子は前記支持台に支持された状態で、前記振動体素子の上面と前記支持台の上面は、上面の高さが略一致した状態で前記緩衝部材と当接することを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  6. 前記駆動電圧印加部は、前記振動体素子が少なくとも2以上の共振モードで共振するように、2以上の周波数の駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至5に記載のセンサ装置。
  7. 前記検出回路部は、前記振動体素子の出力電圧を平滑回路を用いて平滑化して検出することを特徴とする請求項6に記載のセンサ装置。
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