JP2001116635A - 人工触覚器およびこの触覚器を用いた人工皮膚ならびにロボット - Google Patents
人工触覚器およびこの触覚器を用いた人工皮膚ならびにロボットInfo
- Publication number
- JP2001116635A JP2001116635A JP29944999A JP29944999A JP2001116635A JP 2001116635 A JP2001116635 A JP 2001116635A JP 29944999 A JP29944999 A JP 29944999A JP 29944999 A JP29944999 A JP 29944999A JP 2001116635 A JP2001116635 A JP 2001116635A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cushion
- sensor
- artificial
- cushion layer
- haptic device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Manipulator (AREA)
- Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 人工皮膚に接触した際の触感を確保し、かつ
その接触の状態を高精度で検知する。 【解決手段】 クッション材2の上面に直接的または間
接的な接触に感応するセンサ1が配置されて成る人工触
覚器である。クッション材2は、ベースとなる第1のク
ッション層3の上に第2のクッション層4を接合して成
るもので、第2のクッション層4には、同じ加圧力に対
する変形度合が第1のクッション層3よりも小さいもの
が用いられる。この人工触覚器に上方より圧力を作用す
ると、第1のクッション層3は加圧力に応じて変形し、
センサ1は変形量の少ない第2のクッション層4上に支
持された状態で下方に変位する。
その接触の状態を高精度で検知する。 【解決手段】 クッション材2の上面に直接的または間
接的な接触に感応するセンサ1が配置されて成る人工触
覚器である。クッション材2は、ベースとなる第1のク
ッション層3の上に第2のクッション層4を接合して成
るもので、第2のクッション層4には、同じ加圧力に対
する変形度合が第1のクッション層3よりも小さいもの
が用いられる。この人工触覚器に上方より圧力を作用す
ると、第1のクッション層3は加圧力に応じて変形し、
センサ1は変形量の少ない第2のクッション層4上に支
持された状態で下方に変位する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、動物の皮膚における
触覚細胞の役割を果たす人工触覚器、ならびにこの人工
触覚器を用いた人工皮膚、ロボットに関する。
触覚細胞の役割を果たす人工触覚器、ならびにこの人工
触覚器を用いた人工皮膚、ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の人工触覚器を生成するには、接
触の有無や接触部位に作用する圧力を検知するためのセ
ンサが必要である。たとえば、センサとしてオン・オフ
スイッチを用いれば、センサに対する直接的な圧力の作
用のある、なしを簡単に検知できる。また圧力の有無と
ともに、センサに加えられた圧力の大きさを検知するも
のとして、圧力センサ,静電容量センサなどのセンサが
存在する。またセンサのみならず、センサの周囲に対す
る圧力をも検知することが可能なものとして、加速度セ
ンサが知られている。さらにこれらのセンサを複数個配
列すれば、接触する物体の大きさや、接触位置の時間的
な変化を認識することも可能である。
触の有無や接触部位に作用する圧力を検知するためのセ
ンサが必要である。たとえば、センサとしてオン・オフ
スイッチを用いれば、センサに対する直接的な圧力の作
用のある、なしを簡単に検知できる。また圧力の有無と
ともに、センサに加えられた圧力の大きさを検知するも
のとして、圧力センサ,静電容量センサなどのセンサが
存在する。またセンサのみならず、センサの周囲に対す
る圧力をも検知することが可能なものとして、加速度セ
ンサが知られている。さらにこれらのセンサを複数個配
列すれば、接触する物体の大きさや、接触位置の時間的
な変化を認識することも可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】出願人は、「たた
く」、「なでる」などの接触行為に対し、生きた動物と
同じような反応を示すペットロボットの開発を進めてい
る。この種のロボットでは、人工毛皮の下に前記した人
工触覚器を構成する複数個のセンサが設置されており、
ロボット内部に組み込まれたマイクロコンピュータが、
各センサからの検知出力を用いて接触部位の面積や接触
により作用した力の程度などを認識し、その認識結果に
応じた動作パターンを判断することになる。
く」、「なでる」などの接触行為に対し、生きた動物と
同じような反応を示すペットロボットの開発を進めてい
る。この種のロボットでは、人工毛皮の下に前記した人
工触覚器を構成する複数個のセンサが設置されており、
ロボット内部に組み込まれたマイクロコンピュータが、
各センサからの検知出力を用いて接触部位の面積や接触
により作用した力の程度などを認識し、その認識結果に
応じた動作パターンを判断することになる。
【0004】このペットロボットにおいて精密な動きを
実現するには、前記センサの検知出力を安定化して接触
の程度を精度良く認識する必要がある。一般にセンサの
検知出力を安定させるには、加圧力に対しても沈み込み
まない堅固な土台の上にセンサを設置する必要がある。
しかしながらこのような状態でセンサを設置すると、ロ
ボットに触れたときに、生きた動物や普通のぬいぐるみ
に触れたときのような弾力感や柔らかさを感じられなく
なったり、センサの存在に気づいて違和感を覚えるとい
った不具合が生じてしまう。
実現するには、前記センサの検知出力を安定化して接触
の程度を精度良く認識する必要がある。一般にセンサの
検知出力を安定させるには、加圧力に対しても沈み込み
まない堅固な土台の上にセンサを設置する必要がある。
しかしながらこのような状態でセンサを設置すると、ロ
ボットに触れたときに、生きた動物や普通のぬいぐるみ
に触れたときのような弾力感や柔らかさを感じられなく
なったり、センサの存在に気づいて違和感を覚えるとい
った不具合が生じてしまう。
【0005】この発明は上記問題点に着目してなされた
もので、ロボットなどの人工皮膚に接触した際の触感を
確保し、かつその接触の状態を高精度で検知する人工触
覚器を提供することを、第1の目的とする。
もので、ロボットなどの人工皮膚に接触した際の触感を
確保し、かつその接触の状態を高精度で検知する人工触
覚器を提供することを、第1の目的とする。
【0006】またこの発明は、上記の人工触覚器を組み
込むことにより、接触した人に対し、生きた動物の皮膚
に匹敵する触感を与えることが可能な人工皮膚を提供す
ることを第2の目的とする。加えてこの発明は、上記の
人工触覚器により、接触した人に生きた動物に触れたの
に匹敵する触感を与え、かつその接触の状態を高精度で
認識するロボットを提供することを、第3の目的とす
る。
込むことにより、接触した人に対し、生きた動物の皮膚
に匹敵する触感を与えることが可能な人工皮膚を提供す
ることを第2の目的とする。加えてこの発明は、上記の
人工触覚器により、接触した人に生きた動物に触れたの
に匹敵する触感を与え、かつその接触の状態を高精度で
認識するロボットを提供することを、第3の目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
人工触覚器は、クッション材の上面に直接的または間接
的な圧力の作用を検知するセンサが保持されて成る。前
記クッション材は、上下に重なる2以上のクッション層
を有し、ベースとなるクッション層上に重ねられる各ク
ッション層は、同じ加圧力に対する変形度合が下側に接
するクッション層より小さく設定される。
人工触覚器は、クッション材の上面に直接的または間接
的な圧力の作用を検知するセンサが保持されて成る。前
記クッション材は、上下に重なる2以上のクッション層
を有し、ベースとなるクッション層上に重ねられる各ク
ッション層は、同じ加圧力に対する変形度合が下側に接
するクッション層より小さく設定される。
【0008】請求項2の発明にかかる人工触覚器は、ク
ッション材の上面に直接的または間接的な圧力の作用を
検知する複数個のセンサが保持されて成る。前記クッシ
ョン材は、ベースとなるクッション層上の複数箇所にそ
れぞれ単一または上下に重なる2以上のクッション層が
重ねられ、前記重ねられる各クッション層は、同じ加圧
力に対する変形度合が下側に接するクッション層より小
さく設定されるとともに、最上層のクッション層の上に
前記センサが保持される。
ッション材の上面に直接的または間接的な圧力の作用を
検知する複数個のセンサが保持されて成る。前記クッシ
ョン材は、ベースとなるクッション層上の複数箇所にそ
れぞれ単一または上下に重なる2以上のクッション層が
重ねられ、前記重ねられる各クッション層は、同じ加圧
力に対する変形度合が下側に接するクッション層より小
さく設定されるとともに、最上層のクッション層の上に
前記センサが保持される。
【0009】請求項3の発明にかかる人工触覚器は、直
接的または間接的な圧力の作用を検知する複数個のセン
サがそれぞれ個別のクッション材上に保持されて成る。
各クッション材は、それぞれ請求項1と同様の構成のも
ので、各クッション材のベースは緩衝材を介して相互に
連結される。
接的または間接的な圧力の作用を検知する複数個のセン
サがそれぞれ個別のクッション材上に保持されて成る。
各クッション材は、それぞれ請求項1と同様の構成のも
ので、各クッション材のベースは緩衝材を介して相互に
連結される。
【0010】請求項4の発明にかかる人工触覚器は、請
求項1〜3のいずれかの構成において、センサの上方
に、センサ全体を被覆し、センサの直下のクッション層
よりも同じ加圧力に対する変形度合が大きい第2のクッ
ション材が配備されて成る。
求項1〜3のいずれかの構成において、センサの上方
に、センサ全体を被覆し、センサの直下のクッション層
よりも同じ加圧力に対する変形度合が大きい第2のクッ
ション材が配備されて成る。
【0011】請求項5の発明にかかる人工触覚器は、請
求項1〜3のいずれかの構成において、センサの上方
に、センサ全体を被覆する第2のクッション材が配備さ
れる。この第2のクッション材は、表層となるクッショ
ン層の下に各センサに対応させてそれぞれ単一または上
下に重なる2以上のクッション層が重ねられ、前記重ね
られる各クッション層は、同じ加圧力に対する変形度合
が上側に接するクッション層より小さく設定される。
求項1〜3のいずれかの構成において、センサの上方
に、センサ全体を被覆する第2のクッション材が配備さ
れる。この第2のクッション材は、表層となるクッショ
ン層の下に各センサに対応させてそれぞれ単一または上
下に重なる2以上のクッション層が重ねられ、前記重ね
られる各クッション層は、同じ加圧力に対する変形度合
が上側に接するクッション層より小さく設定される。
【0012】請求項6の発明にかかる人工皮膚は、請求
項1〜3のいずれかの構成による人工触覚器と、この人
工触覚器を被覆する被覆材とを具備する。この被覆材
は、前記人工触覚器のセンサの直下のクッション層より
も、同じ加圧力に対する変形度合が大きいクッション層
を具備する。
項1〜3のいずれかの構成による人工触覚器と、この人
工触覚器を被覆する被覆材とを具備する。この被覆材
は、前記人工触覚器のセンサの直下のクッション層より
も、同じ加圧力に対する変形度合が大きいクッション層
を具備する。
【0013】請求項7の発明にかかる人工皮膚は、請求
項4または5の構成による人工触覚器と、この人工触覚
器を被覆する被覆材とを具備する。
項4または5の構成による人工触覚器と、この人工触覚
器を被覆する被覆材とを具備する。
【0014】請求項8の発明にかかるロボットは、請求
項1〜3のいずれかの構成による人工触覚器と、この人
工触覚器を被覆し、前記人工触覚器のセンサの直下のク
ッション層よりも同じ加圧力に対する変形度合が大きい
クッション層を具備する被覆材と、前記人工触覚器のセ
ンサの検知出力を認識するコンピュータとを具備する。
項1〜3のいずれかの構成による人工触覚器と、この人
工触覚器を被覆し、前記人工触覚器のセンサの直下のク
ッション層よりも同じ加圧力に対する変形度合が大きい
クッション層を具備する被覆材と、前記人工触覚器のセ
ンサの検知出力を認識するコンピュータとを具備する。
【0015】請求項9の発明にかかるロボットは、請求
項4または5に記載された人工触覚器と、この人工触覚
器を被覆する被覆材と、前記人工触覚器のセンサの検知
出力を認識するコンピュータとを具備して成る。
項4または5に記載された人工触覚器と、この人工触覚
器を被覆する被覆材と、前記人工触覚器のセンサの検知
出力を認識するコンピュータとを具備して成る。
【0016】
【作用】請求項1の発明によれば、センサまたはその周
辺部に圧力が加えられると、センサの直下のクッション
層は、大きく変形せずに下方のクッション層側に変位す
るのに対し、以下の各クッション層は、下の層になるほ
ど大きく変形するようになる。したがってセンサは、直
下に接するクッション層上に支持された状態で、加圧力
に応じた量だけ下方に変位するようになるので、誤検知
がおこりにくい。
辺部に圧力が加えられると、センサの直下のクッション
層は、大きく変形せずに下方のクッション層側に変位す
るのに対し、以下の各クッション層は、下の層になるほ
ど大きく変形するようになる。したがってセンサは、直
下に接するクッション層上に支持された状態で、加圧力
に応じた量だけ下方に変位するようになるので、誤検知
がおこりにくい。
【0017】請求項2、3の発明によれば、請求項1と
同様の状態で支持された複数個のセンサが一体化された
人工触覚器が構成される。特に請求項3の発明では、セ
ンサおよびその下のクッション層の分割状態を維持しつ
つ、各ベース間を緩衝材を介して連結するので、隣接す
るセンサ間における干渉が防止される。また緩衝材の存
在により、圧を加えても、ベース間の間隙に気づかれる
虞がない。
同様の状態で支持された複数個のセンサが一体化された
人工触覚器が構成される。特に請求項3の発明では、セ
ンサおよびその下のクッション層の分割状態を維持しつ
つ、各ベース間を緩衝材を介して連結するので、隣接す
るセンサ間における干渉が防止される。また緩衝材の存
在により、圧を加えても、ベース間の間隙に気づかれる
虞がない。
【0018】請求項4の発明によれば、センサを上方か
ら被覆するクッション材に圧力が加えられると、このク
ッション材が変形し、圧力が下方に伝えられる。またこ
のクッション材を十分な変形度合を有するものにすれ
ば、接触時にセンサの存在が感じとられることがなくな
り、柔らかい触感を確保することが可能である。
ら被覆するクッション材に圧力が加えられると、このク
ッション材が変形し、圧力が下方に伝えられる。またこ
のクッション材を十分な変形度合を有するものにすれ
ば、接触時にセンサの存在が感じとられることがなくな
り、柔らかい触感を確保することが可能である。
【0019】請求項5の発明によれば、センサを上方か
ら被覆するクッション材に圧力が加えられると、表層部
が大きく変形するが、センサ毎に対応するクッション層
では、下のクッション層にいくほど変形度合は小さくな
る。したがってセンサは上下に接するクッション層に支
持された状態で下方に変位するようになり、センサの検
知出力がより一層安定化する。
ら被覆するクッション材に圧力が加えられると、表層部
が大きく変形するが、センサ毎に対応するクッション層
では、下のクッション層にいくほど変形度合は小さくな
る。したがってセンサは上下に接するクッション層に支
持された状態で下方に変位するようになり、センサの検
知出力がより一層安定化する。
【0020】請求項6,8の発明によれば、被覆材とし
て十分な変形度合を有するクッション材を用いることに
より、人工皮膚に触れたり、たたいたりしても、センサ
の存在を意識せずに、違和感のない触感を得ることがで
きる。またセンサは、直下のクッション層上に安定して
支持される。
て十分な変形度合を有するクッション材を用いることに
より、人工皮膚に触れたり、たたいたりしても、センサ
の存在を意識せずに、違和感のない触感を得ることがで
きる。またセンサは、直下のクッション層上に安定して
支持される。
【0021】請求項7,9の発明によれば、人工触覚器
側にセンサを被覆するクッション材が配備されているの
で、被覆材として、薄く、弾力性のない材質のものを用
いても、表面に触れたときに柔らかみを感じさせること
が可能である。
側にセンサを被覆するクッション材が配備されているの
で、被覆材として、薄く、弾力性のない材質のものを用
いても、表面に触れたときに柔らかみを感じさせること
が可能である。
【0022】請求項8,9の発明によれば、人工皮膚へ
の接触により人工触覚器のセンサが感応すると、その検
知出力がコンピュータに入力され、接触部位の位置や広
さ、加えられた圧力の大きさなどが認識される。
の接触により人工触覚器のセンサが感応すると、その検
知出力がコンピュータに入力され、接触部位の位置や広
さ、加えられた圧力の大きさなどが認識される。
【0023】
【実施例】図1は、この発明の一実施例にかかる人工触
覚器を、正面および上方から見た構成を示す。この人工
触覚器は、犬や猫を模したペットロボットの人工毛皮
(合成樹脂などにより人工的に作成されたものを言う)
の下に配置されて、「たたく」「なでる」「さわる」な
どの接触行為を感知するためのもので、クッション材2
の上面にセンサ1が支持された構成のものである。
覚器を、正面および上方から見た構成を示す。この人工
触覚器は、犬や猫を模したペットロボットの人工毛皮
(合成樹脂などにより人工的に作成されたものを言う)
の下に配置されて、「たたく」「なでる」「さわる」な
どの接触行為を感知するためのもので、クッション材2
の上面にセンサ1が支持された構成のものである。
【0024】前記センサ1には、直接的な圧力の作用を
検知するオン・オフスイッチ,圧力センサ,静電容量セ
ンサや、間接的な圧力の作用も検知可能な加速度センサ
が採用される。
検知するオン・オフスイッチ,圧力センサ,静電容量セ
ンサや、間接的な圧力の作用も検知可能な加速度センサ
が採用される。
【0025】クッション材2は、ベースとなる第1のク
ッション層3の上に第2のクッション層4を接着剤によ
り接合して成り、第2のクッション層4の上面に前記セ
ンサ1が設置される。各クッション層3,4とも、樹脂
製のスポンジより成るもので、第1のクッション層3に
は、加圧力に対する変形度合が大きいスポンジが用いら
れる。他方、センサ1が設置される第2のクッション層
4には、同じ加圧力に対する変形度合が、第1のクッシ
ョン層3よりもはるかに小さい材質のスポンジが用いら
れる。
ッション層3の上に第2のクッション層4を接着剤によ
り接合して成り、第2のクッション層4の上面に前記セ
ンサ1が設置される。各クッション層3,4とも、樹脂
製のスポンジより成るもので、第1のクッション層3に
は、加圧力に対する変形度合が大きいスポンジが用いら
れる。他方、センサ1が設置される第2のクッション層
4には、同じ加圧力に対する変形度合が、第1のクッシ
ョン層3よりもはるかに小さい材質のスポンジが用いら
れる。
【0026】この実施例では、前記センサ1は、直径が
0.8mm程度の円形状に形成されており、第2のクッシ
ョン層4の上面、下面も、センサ1に合わせて円形状に
形成されている。なおこの実施例では、ロボットの膝
部、首部などの屈曲部において、屈曲により表面の毛皮
が第2のクッション材4の縁部に触れながら引っ張られ
てセンサ1を圧迫するのを防止するために、第2のクッ
ション材4を、下面に対し上面の径が小さい円錐台状に
形成している。ただし屈曲部以外の部位については、こ
のような形状をとる必要はなく、上下面が同じ大きさの
円筒状に形成したり、第1のクッション層3と同型状の
直方体状に形成してもよい。
0.8mm程度の円形状に形成されており、第2のクッシ
ョン層4の上面、下面も、センサ1に合わせて円形状に
形成されている。なおこの実施例では、ロボットの膝
部、首部などの屈曲部において、屈曲により表面の毛皮
が第2のクッション材4の縁部に触れながら引っ張られ
てセンサ1を圧迫するのを防止するために、第2のクッ
ション材4を、下面に対し上面の径が小さい円錐台状に
形成している。ただし屈曲部以外の部位については、こ
のような形状をとる必要はなく、上下面が同じ大きさの
円筒状に形成したり、第1のクッション層3と同型状の
直方体状に形成してもよい。
【0027】上記構成の人工触覚器に上方から圧力をか
けると、第1,第2の各クッション層3,4とも弾性に
より変形するが、第1のクッション層3が大きく変形す
るのに対し、第2のクッション層4の変形量はわずかで
あり、第2のクッション層4は、上面にセンサ1を支持
した状態で第1のクッション層3に沈み込むことにな
る。
けると、第1,第2の各クッション層3,4とも弾性に
より変形するが、第1のクッション層3が大きく変形す
るのに対し、第2のクッション層4の変形量はわずかで
あり、第2のクッション層4は、上面にセンサ1を支持
した状態で第1のクッション層3に沈み込むことにな
る。
【0028】第1のクッション層3の変形度合は、作用
する圧力が強いほど大きくなるので、人工皮膚に軽く触
れるなど比較的弱い圧力をかける接触行為を行った場合
には、大きな抵抗感はなく、表面の毛皮に対する手触り
のみが感じられる。他方、たたく、押さえるなど、毛皮
に強い圧力をかける接触行為を行った場合は、表面に対
する手触りのほかに、第1のクッション層3の変形や復
元力に伴う弾力感や柔らかみが感じられるようになり、
生きた動物に触れた場合と同様の触感を得ることができ
る。また圧力の強度に関わらず、センサ1は、クッショ
ン材2内に沈み込まずに、第2のクッション材4の上面
に安定して支持されるから、検知出力を安定して、ロボ
ット側のコンピュータに接触の状態を精度良く認識させ
ることができる。
する圧力が強いほど大きくなるので、人工皮膚に軽く触
れるなど比較的弱い圧力をかける接触行為を行った場合
には、大きな抵抗感はなく、表面の毛皮に対する手触り
のみが感じられる。他方、たたく、押さえるなど、毛皮
に強い圧力をかける接触行為を行った場合は、表面に対
する手触りのほかに、第1のクッション層3の変形や復
元力に伴う弾力感や柔らかみが感じられるようになり、
生きた動物に触れた場合と同様の触感を得ることができ
る。また圧力の強度に関わらず、センサ1は、クッショ
ン材2内に沈み込まずに、第2のクッション材4の上面
に安定して支持されるから、検知出力を安定して、ロボ
ット側のコンピュータに接触の状態を精度良く認識させ
ることができる。
【0029】なお上記実施例では、個別に生成された2
つのクッション層3,4を接合して重ね合わせてクッシ
ョン材2を形成しているが、これに限らず、大きな変形
度合を有するクッション材の上部を硬化処理して変形度
合を小さくし、その上にセンサ1を設置するようにして
もよい。また上記実施例のクッション材2は2層構造に
なっているが、3層以上のクッション層を上下に重ね合
わせ、同じ加圧力に対する各クッション層の変形度合
を、下から上に向けてしだいに小さくするようにしても
よい。またクッション材2を構成する各クッション層は
スポンジに限らず、ゴムのような弾性材を用いてもよ
い。
つのクッション層3,4を接合して重ね合わせてクッシ
ョン材2を形成しているが、これに限らず、大きな変形
度合を有するクッション材の上部を硬化処理して変形度
合を小さくし、その上にセンサ1を設置するようにして
もよい。また上記実施例のクッション材2は2層構造に
なっているが、3層以上のクッション層を上下に重ね合
わせ、同じ加圧力に対する各クッション層の変形度合
を、下から上に向けてしだいに小さくするようにしても
よい。またクッション材2を構成する各クッション層は
スポンジに限らず、ゴムのような弾性材を用いてもよ
い。
【0030】図2は、人工触覚器の第2の構成例を示
す。この実施例は、ベースとなる第1のクッション層3
上の複数箇所にそれぞれ第2のクッション層4を接合
し、これらクッション層4の上面にそれぞれセンサ1を
設置した構成をとる。なお図2は、図1よりもスケール
を小さくして図示したもので、センサ1や第2のクッシ
ョン層4の大きさは、図1と同様である。
す。この実施例は、ベースとなる第1のクッション層3
上の複数箇所にそれぞれ第2のクッション層4を接合
し、これらクッション層4の上面にそれぞれセンサ1を
設置した構成をとる。なお図2は、図1よりもスケール
を小さくして図示したもので、センサ1や第2のクッシ
ョン層4の大きさは、図1と同様である。
【0031】この実施例でも、第1,第2のクッション
層3,4は前記第1の実施例と同様に形成されているの
で、第2の各クッション層4が、上方からの圧力に対
し、センサ1を支持した状態で第1のクッション層に沈
み込むことにより、接触行為を行った人に自然な触感を
与えるとともに、センサ1の検知出力を安定させること
が可能となる。
層3,4は前記第1の実施例と同様に形成されているの
で、第2の各クッション層4が、上方からの圧力に対
し、センサ1を支持した状態で第1のクッション層に沈
み込むことにより、接触行為を行った人に自然な触感を
与えるとともに、センサ1の検知出力を安定させること
が可能となる。
【0032】また後記するように、複数個のセンサ1か
らの出力を用いて接触状態を認識する場合は、この実施
例のように複数個のセンサ1が一体化されていれば、取
付けが簡単になるというメリットもある。ただしこの構
成では、加圧力センサのような振動に感応するセンサを
用いた場合に、隣接するセンサ1,1間で第1のクッシ
ョン層3を介して干渉がおこる虞がある。したがって特
にセンサ1の検知精度を重視する場合は、図3に示すよ
うに、各センサ1をそれぞれ個別のクッション材2上に
設置するとともに、各クッション材2を所定の間隔をあ
けて配置するのが望ましい。
らの出力を用いて接触状態を認識する場合は、この実施
例のように複数個のセンサ1が一体化されていれば、取
付けが簡単になるというメリットもある。ただしこの構
成では、加圧力センサのような振動に感応するセンサを
用いた場合に、隣接するセンサ1,1間で第1のクッシ
ョン層3を介して干渉がおこる虞がある。したがって特
にセンサ1の検知精度を重視する場合は、図3に示すよ
うに、各センサ1をそれぞれ個別のクッション材2上に
設置するとともに、各クッション材2を所定の間隔をあ
けて配置するのが望ましい。
【0033】図4は、複数個のセンサ1が一体化された
人工触覚器の他の例を示す。この実施例も、図3の実施
例と同様に、各センサ1はそれぞれ個別のクッション材
2上に設置されるが、隣合うクッション材の第1のクッ
ション層3を、緩衝材5を介して相互に連結することに
より、クッション材2およびセンサ1の一体化を実現し
ている。
人工触覚器の他の例を示す。この実施例も、図3の実施
例と同様に、各センサ1はそれぞれ個別のクッション材
2上に設置されるが、隣合うクッション材の第1のクッ
ション層3を、緩衝材5を介して相互に連結することに
より、クッション材2およびセンサ1の一体化を実現し
ている。
【0034】前記緩衝材5には、各クッション層と同様
の樹脂製のスポンジなど、振動の伝搬を吸収し、かつ加
圧力に対して第1のクッション層と同程度の変形度合を
有する材質のものが用いられる。このような緩衝材5を
設けることにより、センサ1間での干渉が防止できると
ともに、複数のセンサ1を一体化することができ、取付
けが簡単になる。
の樹脂製のスポンジなど、振動の伝搬を吸収し、かつ加
圧力に対して第1のクッション層と同程度の変形度合を
有する材質のものが用いられる。このような緩衝材5を
設けることにより、センサ1間での干渉が防止できると
ともに、複数のセンサ1を一体化することができ、取付
けが簡単になる。
【0035】また図3の実施例のように、クッション材
2をセンサ1毎に分離してしまうと、センサ1間の隙間
位置に圧が加えられた場合、表面の毛皮がセンサ1,1
間の隙間に沈み込んだり、弾力感が得られなくなって、
接触した人が違和感を覚えたり、センサ1の存在に気づ
く虞がある。これに対しこの実施例では、緩衝材5の存
在により、毛皮の沈み込み度合が押さえられ、緩衝材5
の変形による弾力感や柔らかみが得られるので、接触し
た人に違和感を与えずに済む。
2をセンサ1毎に分離してしまうと、センサ1間の隙間
位置に圧が加えられた場合、表面の毛皮がセンサ1,1
間の隙間に沈み込んだり、弾力感が得られなくなって、
接触した人が違和感を覚えたり、センサ1の存在に気づ
く虞がある。これに対しこの実施例では、緩衝材5の存
在により、毛皮の沈み込み度合が押さえられ、緩衝材5
の変形による弾力感や柔らかみが得られるので、接触し
た人に違和感を与えずに済む。
【0036】図5(1)〜(4)は、この発明にかかる
人工触覚器の他の態様を示す。各実施例は、それぞれ前
記図1〜図4の構成に、各センサ1を上方から被覆する
第2のクッション材6を加えたものである。この第2の
クッション材6は、前記第1のクッション材2の第1の
クッション層3と同程度の弾力性を有するもので、この
クッション材2の存在により、接触時にセンサ1の存在
に気づかせることなく、柔らかい触感を確保することが
できる。またこれらの構成によれば、センサ1の真上か
ら若干ずれた位置に圧力が作用しても、第2のクッショ
ン材6の変形により、センサ1にも圧力がかかって感応
するようになるので、接触に対する感度は、図1〜4の
構成に比べて向上する。
人工触覚器の他の態様を示す。各実施例は、それぞれ前
記図1〜図4の構成に、各センサ1を上方から被覆する
第2のクッション材6を加えたものである。この第2の
クッション材6は、前記第1のクッション材2の第1の
クッション層3と同程度の弾力性を有するもので、この
クッション材2の存在により、接触時にセンサ1の存在
に気づかせることなく、柔らかい触感を確保することが
できる。またこれらの構成によれば、センサ1の真上か
ら若干ずれた位置に圧力が作用しても、第2のクッショ
ン材6の変形により、センサ1にも圧力がかかって感応
するようになるので、接触に対する感度は、図1〜4の
構成に比べて向上する。
【0037】図6(1)〜(4)は、触感を確保すると
ともに、センサ1をより安定して支持するようにした人
工触覚器の例を示す。各実施例は、それぞれ前記図1〜
図4の構成に、各センサ1を上方から被覆する第2のク
ッション材6Aを加えたものである。このクッション材
6Aは、表層となる第1のクッション層7の下に各セン
サ1に対応させて円錐台状の第2のクッション層8が接
合されて成る。また第1のクッション層7は、前記第1
のクッション材のベースとなるクッション層3と同程度
の弾力性を有し、第2のクッション層8は、第1のクッ
ション層7に比べ、同じ加圧力に対する変形度合が小さ
くなるように構成されている。
ともに、センサ1をより安定して支持するようにした人
工触覚器の例を示す。各実施例は、それぞれ前記図1〜
図4の構成に、各センサ1を上方から被覆する第2のク
ッション材6Aを加えたものである。このクッション材
6Aは、表層となる第1のクッション層7の下に各セン
サ1に対応させて円錐台状の第2のクッション層8が接
合されて成る。また第1のクッション層7は、前記第1
のクッション材のベースとなるクッション層3と同程度
の弾力性を有し、第2のクッション層8は、第1のクッ
ション層7に比べ、同じ加圧力に対する変形度合が小さ
くなるように構成されている。
【0038】上記の構成によれば、上方からの圧力によ
り第1のクッション層が変形しても、第2のクッション
層8は大きく変形しないので、センサ1は、上下のクッ
ション層4,8に挟まれた状態で支持されつつ、下方に
変位するようになり、検知出力がより安定化する。また
第1のクッション層の存在により、接触時の柔らかい触
感を確保することができる。なお図6(1)〜(4)の
構成においても、センサ1の真上位置から若干ずれた位
置に圧力が作用した場合、その圧力を第1、第2の各ク
ッション層7,8を介してセンサ1に伝えることが可能
であり、接触に対する感度が向上する。
り第1のクッション層が変形しても、第2のクッション
層8は大きく変形しないので、センサ1は、上下のクッ
ション層4,8に挟まれた状態で支持されつつ、下方に
変位するようになり、検知出力がより安定化する。また
第1のクッション層の存在により、接触時の柔らかい触
感を確保することができる。なお図6(1)〜(4)の
構成においても、センサ1の真上位置から若干ずれた位
置に圧力が作用した場合、その圧力を第1、第2の各ク
ッション層7,8を介してセンサ1に伝えることが可能
であり、接触に対する感度が向上する。
【0039】上記図1〜6に示した各構成による人工触
覚器を上方から毛皮で被覆することにより、触覚機能を
具備する人工皮膚を形成することができる。特に、図5
(1)〜(4)および図6(1)〜(4)のいずれかの
構成を用いた場合、人工触覚器の第2のクッション材
6,6Aにより、表面に触れたときの弾力感や柔らかさ
を確保することができるので、毛皮自体は、厚みのない
材質のものを用いることができる。これに対し、前記図
1〜4の構成による人工触覚器を用いる場合は、毛皮の
下面に、前記第2のクッション材6,6Aの機能を具備
するクッション層を設ける必要がある。なお人工皮膚の
表面は必ずしも毛皮である必要はなく、布や合成樹脂な
どによる人工皮により人工触覚器を被うようにしてもよ
い。
覚器を上方から毛皮で被覆することにより、触覚機能を
具備する人工皮膚を形成することができる。特に、図5
(1)〜(4)および図6(1)〜(4)のいずれかの
構成を用いた場合、人工触覚器の第2のクッション材
6,6Aにより、表面に触れたときの弾力感や柔らかさ
を確保することができるので、毛皮自体は、厚みのない
材質のものを用いることができる。これに対し、前記図
1〜4の構成による人工触覚器を用いる場合は、毛皮の
下面に、前記第2のクッション材6,6Aの機能を具備
するクッション層を設ける必要がある。なお人工皮膚の
表面は必ずしも毛皮である必要はなく、布や合成樹脂な
どによる人工皮により人工触覚器を被うようにしてもよ
い。
【0040】上記各実施例による人工触覚器は、通常、
複数個のセンサ1がマトリクス状に配列された状態、ま
たは取付部位に応じた面状に配列された状態で、毛皮や
人工皮の下に設置される。各センサ1のコード線は、前
記クッション材2の各クッション層3,4に形成された
孔(図示せず)を通ってクッション材2の下方に導かれ
た後、ロボット内部の配線基板(図示せず)まで導かれ
る。
複数個のセンサ1がマトリクス状に配列された状態、ま
たは取付部位に応じた面状に配列された状態で、毛皮や
人工皮の下に設置される。各センサ1のコード線は、前
記クッション材2の各クッション層3,4に形成された
孔(図示せず)を通ってクッション材2の下方に導かれ
た後、ロボット内部の配線基板(図示せず)まで導かれ
る。
【0041】図7,8は、上記いずれかの実施例による
人工触覚器を組み込んだペットロボットの電気構成を示
す。図7は、前記センサ1として、オン・オフスイッチ
を用いた場合の構成である。図中、10は前記マイクロ
コンピュータの制御主体であるCPUを、11は各スイ
ッチの入力端子を示す。各入力端子11からの出力信号
は、マイクロコンピュータのデジタルインターフェイス
12に直接入力された後、CPU10に伝送される。
人工触覚器を組み込んだペットロボットの電気構成を示
す。図7は、前記センサ1として、オン・オフスイッチ
を用いた場合の構成である。図中、10は前記マイクロ
コンピュータの制御主体であるCPUを、11は各スイ
ッチの入力端子を示す。各入力端子11からの出力信号
は、マイクロコンピュータのデジタルインターフェイス
12に直接入力された後、CPU10に伝送される。
【0042】図8は、加速度センサ,静電容量センサ,
圧力センサなどのアナログ式のセンサを用いた場合の構
成を示す。この場合、各センサ1からの出力信号は、ノ
イズカット用のローパスフィルタ(LPF)13を介し
てA/D変換回路(ADC)14でディジタル変換さ
れ、しかる後にデジタルインターフェイス(ここでは図
示せず)を介してCPU10に伝送される。
圧力センサなどのアナログ式のセンサを用いた場合の構
成を示す。この場合、各センサ1からの出力信号は、ノ
イズカット用のローパスフィルタ(LPF)13を介し
てA/D変換回路(ADC)14でディジタル変換さ
れ、しかる後にデジタルインターフェイス(ここでは図
示せず)を介してCPU10に伝送される。
【0043】以下、センサ種毎に、前記CPU10によ
る触感認識処理の具体例を説明する。なおオン・オフス
イッチを用いる場合の処理は、各センサ1は、図9に示
すようなm行×l列のマトリクス状に配置されているこ
とを前提とする。他のアナログ式のセンサを用いる場合
は、単独のセンサ1を対象とすることもできるが、複数
のセンサ1を用いる場合は、各センサの検知出力の中か
ら、最大振幅などの信号レベルを表すパラメータが最大
となる検知出力が採用される。なお以下の認識処理例
は、いずれもセンサ1より得た検知出力を用いてファジ
ー推論による認識処理を行っているが、認識処理はファ
ジー推論に限定されるものではない。
る触感認識処理の具体例を説明する。なおオン・オフス
イッチを用いる場合の処理は、各センサ1は、図9に示
すようなm行×l列のマトリクス状に配置されているこ
とを前提とする。他のアナログ式のセンサを用いる場合
は、単独のセンサ1を対象とすることもできるが、複数
のセンサ1を用いる場合は、各センサの検知出力の中か
ら、最大振幅などの信号レベルを表すパラメータが最大
となる検知出力が採用される。なお以下の認識処理例
は、いずれもセンサ1より得た検知出力を用いてファジ
ー推論による認識処理を行っているが、認識処理はファ
ジー推論に限定されるものではない。
【0044】 オン・オフスイッチに対する認識処理
例 前記センサ1として、オン・オフスイッチが用いられた
場合、各センサ1から得る信号は「1」または「0」の
いずれかとなる。この実施例では、各センサ1からの信
号を一定間隔でサンプリングするものとし、t回目のサ
ンプリングにおいてi行j列の位置に配置されたセンサ
1からの信号をsw(t)(i)(j)とおく。そして、このセ
ンサ1がオンのときの信号をsw(t)(i)(j)=1、オフ
のときの信号をsw(t)(i)(j)=0と定義する。
例 前記センサ1として、オン・オフスイッチが用いられた
場合、各センサ1から得る信号は「1」または「0」の
いずれかとなる。この実施例では、各センサ1からの信
号を一定間隔でサンプリングするものとし、t回目のサ
ンプリングにおいてi行j列の位置に配置されたセンサ
1からの信号をsw(t)(i)(j)とおく。そして、このセ
ンサ1がオンのときの信号をsw(t)(i)(j)=1、オフ
のときの信号をsw(t)(i)(j)=0と定義する。
【0045】CPU10は、サンプリング毎に、各セン
サ1からの信号sw(t)(i)(j)から、過去n回のサンプ
リングにおける接触動作の継続量C,および圧力の作用
している領域の重心位置の移動量Mを求め、ファジー推
論を実行する。
サ1からの信号sw(t)(i)(j)から、過去n回のサンプ
リングにおける接触動作の継続量C,および圧力の作用
している領域の重心位置の移動量Mを求め、ファジー推
論を実行する。
【0046】まず継続量Tの算出方法について説明す
る。CPU10は、各センサ1につき、つぎの(1)式
を実行して、過去n回分のサンプリングにおいて、その
センサ1がオン動作した回数SW(i)(j)を算出する。
る。CPU10は、各センサ1につき、つぎの(1)式
を実行して、過去n回分のサンプリングにおいて、その
センサ1がオン動作した回数SW(i)(j)を算出する。
【0047】
【数1】
【0048】上記のオン動作回数SW(i)(j)は、センサ
1に接触している時間長さに相当するものとなる。CP
U10は、各センサ1について得られたオン動作回数S
W(i)(j)の中から最大値となるものを抽出し、これを前
記継続量Cとして特定する。
1に接触している時間長さに相当するものとなる。CP
U10は、各センサ1について得られたオン動作回数S
W(i)(j)の中から最大値となるものを抽出し、これを前
記継続量Cとして特定する。
【0049】なおオン・オフスイッチは、故障や接触不
良により、オン状態が持続する場合があるので、前記継
続量Cを特定するにあたっては、各SW(i)(j)の値を所
定のしきい値と比較し、このしきい値以下のデータの中
で最大となるものを継続量Cとするのが望ましい。
良により、オン状態が持続する場合があるので、前記継
続量Cを特定するにあたっては、各SW(i)(j)の値を所
定のしきい値と比較し、このしきい値以下のデータの中
で最大となるものを継続量Cとするのが望ましい。
【0050】つぎに圧力の作用する領域は、オン状態に
ある各センサ1により表されるので、CPU10はこれ
らセンサ1の座標位置から領域内の重心位置を算出す
る。いまオン状態にあるセンサ1がP個存在し、これら
センサ1の列方向の座標位置を、a1,a2,・・・
aP,行方向の座標位置をb1,b2,・・・bPと表すも
のとすると、これらのセンサ1が分布する領域内の重心
G(t)の位置(ag(t),bg(t))は、つぎの
(2)(3)式により求められる。さらにこの重心G
(t)と1サンプリング前の重心G(t−1)との各座
標を(4)式にあてはめることにより、移動量Mが求め
られる。
ある各センサ1により表されるので、CPU10はこれ
らセンサ1の座標位置から領域内の重心位置を算出す
る。いまオン状態にあるセンサ1がP個存在し、これら
センサ1の列方向の座標位置を、a1,a2,・・・
aP,行方向の座標位置をb1,b2,・・・bPと表すも
のとすると、これらのセンサ1が分布する領域内の重心
G(t)の位置(ag(t),bg(t))は、つぎの
(2)(3)式により求められる。さらにこの重心G
(t)と1サンプリング前の重心G(t−1)との各座
標を(4)式にあてはめることにより、移動量Mが求め
られる。
【0051】
【数2】
【0052】
【数3】
【0053】
【数4】
【0054】この実施例では、継続量C,移動量Mの各
パラメータについて、図10(1)(2)に示すよう
に、それぞれ「大」「中」「小」の各程度を「ラベル」
とするメンバーシップ関数を設定している。また触覚
(ここでは接触状態に対する感じ方をさす)を表すため
に、「たたく」「なでる」「さわる」の3種類の「ラベ
ル」を設定するとともに、前記継続量C,移動量Mの各
ラベルの組合せを前件部とする下記のファジイルール
(A)〜(F)を設定している。
パラメータについて、図10(1)(2)に示すよう
に、それぞれ「大」「中」「小」の各程度を「ラベル」
とするメンバーシップ関数を設定している。また触覚
(ここでは接触状態に対する感じ方をさす)を表すため
に、「たたく」「なでる」「さわる」の3種類の「ラベ
ル」を設定するとともに、前記継続量C,移動量Mの各
ラベルの組合せを前件部とする下記のファジイルール
(A)〜(F)を設定している。
【0055】(A) 継続量=「小」&移動量「小」の
とき、触覚=「たたく」 (B) 継続量=「小」&移動量「大」のとき、触覚=
「なでる」 (C) 継続量=「中」&移動量「小」のとき、触覚=
「たたく」 (D) 継続量=「中」&移動量「大」のとき、触覚=
「なでる」 (E) 継続量=「大」&移動量「小」のとき、触覚=
「さわる」 (F) 継続量=「大」&移動量「大」のとき、触覚=
「なでる」
とき、触覚=「たたく」 (B) 継続量=「小」&移動量「大」のとき、触覚=
「なでる」 (C) 継続量=「中」&移動量「小」のとき、触覚=
「たたく」 (D) 継続量=「中」&移動量「大」のとき、触覚=
「なでる」 (E) 継続量=「大」&移動量「小」のとき、触覚=
「さわる」 (F) 継続量=「大」&移動量「大」のとき、触覚=
「なでる」
【0056】CPU10は、前記(1)〜(4)式によ
り求められた継続量Cと移動量Mとを、前記図10
(1)(2)の各メンバーシップ関数にあてはめて、各
ラベル毎の適合度を抽出する。そしてこれらの適合度
を、前記ファジイルール(A)〜(F)にあてはめて、
ルール毎に後件部におけるラベルの適合度を求めた後、
同じラベルにかかる適合度を、たとえばMIN演算によ
り統合して、最終の認識結果とする。
り求められた継続量Cと移動量Mとを、前記図10
(1)(2)の各メンバーシップ関数にあてはめて、各
ラベル毎の適合度を抽出する。そしてこれらの適合度
を、前記ファジイルール(A)〜(F)にあてはめて、
ルール毎に後件部におけるラベルの適合度を求めた後、
同じラベルにかかる適合度を、たとえばMIN演算によ
り統合して、最終の認識結果とする。
【0057】 加速度センサに対する認識処理 図11は、加速度センサによる検知信号の具体例を、認
識処理にかかる各パラメータとともに示す。この実施例
では、この検知信号にn回のサンプリングを実行し、そ
のサンプリング期間における信号の最大振幅D,信号波
形の重心における電圧レベル値g(以下これを「重心値
g」という),および接触状態の継続時間Tの3つのパ
ラメータを算出し、これらパラメータにつき、それぞれ
「大」「中」「小」のラベル毎に適合度を算出する。
識処理にかかる各パラメータとともに示す。この実施例
では、この検知信号にn回のサンプリングを実行し、そ
のサンプリング期間における信号の最大振幅D,信号波
形の重心における電圧レベル値g(以下これを「重心値
g」という),および接触状態の継続時間Tの3つのパ
ラメータを算出し、これらパラメータにつき、それぞれ
「大」「中」「小」のラベル毎に適合度を算出する。
【0058】前記最大振幅Dは、サンプリング期間内に
おける最大電圧と最小電圧との差である。継続時間T
は、各サンプリング値の中からノイズ範囲外にあるサン
プリング値が得られる合計時間Tに相当する。なおこの
実施例では、ノイズ範囲外のサンプリング値の間にノイ
ズ範囲内に入るサンプリング値がある場合、そのノイズ
も継続期間Tの算出対象として採用している。
おける最大電圧と最小電圧との差である。継続時間T
は、各サンプリング値の中からノイズ範囲外にあるサン
プリング値が得られる合計時間Tに相当する。なおこの
実施例では、ノイズ範囲外のサンプリング値の間にノイ
ズ範囲内に入るサンプリング値がある場合、そのノイズ
も継続期間Tの算出対象として採用している。
【0059】また重心値gは、サンプリング期間内の各
サンプリング値V(t)をつぎの(5)式にあてはめる
ことにより求められる。ただし、前記継続期間Tが0の
場合の重心値gは、「0」に設定される。
サンプリング値V(t)をつぎの(5)式にあてはめる
ことにより求められる。ただし、前記継続期間Tが0の
場合の重心値gは、「0」に設定される。
【0060】
【数5】
【0061】この実施例では、前記最大振幅D,継続時
間T,重心値gの各パラメータについて、それぞれ図1
2(1)(2)(3)に示すようなメンバーシップ関数
を設定している。CPU10は、サンプリング毎に、各
パラメータD,T,gの算出値をこれらメンバーシップ
関数にあてはめて、程度毎の適合度を算出した後、各適
合度をつぎのファジイルール(a)〜(f)にあては
め、以下、の実施例と同様にして、触覚を表すラベル
毎の適合度を特定する。
間T,重心値gの各パラメータについて、それぞれ図1
2(1)(2)(3)に示すようなメンバーシップ関数
を設定している。CPU10は、サンプリング毎に、各
パラメータD,T,gの算出値をこれらメンバーシップ
関数にあてはめて、程度毎の適合度を算出した後、各適
合度をつぎのファジイルール(a)〜(f)にあては
め、以下、の実施例と同様にして、触覚を表すラベル
毎の適合度を特定する。
【0062】(a) 最大振幅=「小」&継続時間=
「小」&重心値=「中」のとき、触覚=「さわる」
(b) 最大振幅=「小」&継続時間=「小」&重心値
=「大」のとき、触覚=「さわる」(c) 最大振幅=
「中」&継続時間=「大」&重心値=「中」のとき、触
覚=「なでる」(d) 最大振幅=「中」&継続時間=
「大」&重心値=「大」のとき、触覚=「なでる」
(e) 最大振幅=「大」&継続時間=「小」&重心値
=「中」のとき、触覚=「たたく」(f) 最大振幅=
「大」&継続時間=「小」&重心値=「大」のとき、触
覚=「たたく」
「小」&重心値=「中」のとき、触覚=「さわる」
(b) 最大振幅=「小」&継続時間=「小」&重心値
=「大」のとき、触覚=「さわる」(c) 最大振幅=
「中」&継続時間=「大」&重心値=「中」のとき、触
覚=「なでる」(d) 最大振幅=「中」&継続時間=
「大」&重心値=「大」のとき、触覚=「なでる」
(e) 最大振幅=「大」&継続時間=「小」&重心値
=「中」のとき、触覚=「たたく」(f) 最大振幅=
「大」&継続時間=「小」&重心値=「大」のとき、触
覚=「たたく」
【0063】 圧力センサに対する認識処理例 図13は、圧力センサによる検知信号の具体例を、認識
処理のためのパラメータとともに示す。この実施例も、
前記加速度センサと同様に、n回のサンプリング期間内
における最大振幅D,継続時間T,重心値gを求め、得
られた値を用いてファジイ推論を行うものである。各パ
ラメータの抽出方法については、加速度センサと同様で
あるが、波形信号の特性を考慮して、継続時間Tについ
ては、ノイズ範囲外にあるデータのみを処理対象として
いる。なおファジイ推論に用いるメンバーシップ関数や
ルールについては、加速度センサの場合と同様であり、
詳細な説明は省略する。
処理のためのパラメータとともに示す。この実施例も、
前記加速度センサと同様に、n回のサンプリング期間内
における最大振幅D,継続時間T,重心値gを求め、得
られた値を用いてファジイ推論を行うものである。各パ
ラメータの抽出方法については、加速度センサと同様で
あるが、波形信号の特性を考慮して、継続時間Tについ
ては、ノイズ範囲外にあるデータのみを処理対象として
いる。なおファジイ推論に用いるメンバーシップ関数や
ルールについては、加速度センサの場合と同様であり、
詳細な説明は省略する。
【0064】 静電容量センサに対する認識処理例 図14は、静電容量センサによる検知信号の具体例を、
認識処理のためのパラメータとともに示す。この実施例
も、前記加速度センサや圧力センサと同様に、n回のサ
ンプリング期間内における最大振幅D,継続時間T,重
心値gを求めてファジイ推論を行う。なお各パラメータ
の算出方法ならびにファジイ推論の方法やルールについ
ては、前記各センサと同様であり、詳細な説明は省略す
る。
認識処理のためのパラメータとともに示す。この実施例
も、前記加速度センサや圧力センサと同様に、n回のサ
ンプリング期間内における最大振幅D,継続時間T,重
心値gを求めてファジイ推論を行う。なお各パラメータ
の算出方法ならびにファジイ推論の方法やルールについ
ては、前記各センサと同様であり、詳細な説明は省略す
る。
【0065】このようにいずれのセンサを用いた場合
も、ファジイ推論により、単なる「触れたか」「触れて
いないか」の2値判定ではなく、複数とおりの感覚につ
いて、その「確からしさ」が求められるので、種々の接
触状態をそれぞれ個別の状態として認識することがで
き、ペットロボットに、接触状態に応じた細かい動作を
実行させることができる。
も、ファジイ推論により、単なる「触れたか」「触れて
いないか」の2値判定ではなく、複数とおりの感覚につ
いて、その「確からしさ」が求められるので、種々の接
触状態をそれぞれ個別の状態として認識することがで
き、ペットロボットに、接触状態に応じた細かい動作を
実行させることができる。
【0066】なお複数のセンサ1による人工触覚器を用
いる場合、センサ1は1種類に限らず、2種類以上のセ
ンサ1を組み合わせてもよい。この場合、CPU10
は、センサ種毎に、そのセンサに応じたパラメータの抽
出処理やファジイ推論処理を行って、触覚を表すラベル
毎の適合度を求めた後、それぞれの結果につき、MIN
演算などによる統合処理を行って、最終的な認識結果を
取得する。
いる場合、センサ1は1種類に限らず、2種類以上のセ
ンサ1を組み合わせてもよい。この場合、CPU10
は、センサ種毎に、そのセンサに応じたパラメータの抽
出処理やファジイ推論処理を行って、触覚を表すラベル
毎の適合度を求めた後、それぞれの結果につき、MIN
演算などによる統合処理を行って、最終的な認識結果を
取得する。
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明では、上下に重なる2以
上のクッション層を有するクッション材の上面にセンサ
を保持するとともに、各クッション層をそれぞれ同じ加
圧力に対する変形度合が下側に接するクッション層より
小さく設定したので、センサが直下のクッション層上に
安定して支持された状態を保つことができ、接触の状態
を認識するための検知信号を確実に得ることができる。
またベースやその近傍の変形度合の大きいクッション層
により、センサは、上からの圧力に対して抵抗なく変位
するので、この人工触覚器を人工毛皮や人工皮の下に配
置した場合、表面に触れた人に、加えた圧力に応じた弾
力感や柔らかみを感じさせることができる。
上のクッション層を有するクッション材の上面にセンサ
を保持するとともに、各クッション層をそれぞれ同じ加
圧力に対する変形度合が下側に接するクッション層より
小さく設定したので、センサが直下のクッション層上に
安定して支持された状態を保つことができ、接触の状態
を認識するための検知信号を確実に得ることができる。
またベースやその近傍の変形度合の大きいクッション層
により、センサは、上からの圧力に対して抵抗なく変位
するので、この人工触覚器を人工毛皮や人工皮の下に配
置した場合、表面に触れた人に、加えた圧力に応じた弾
力感や柔らかみを感じさせることができる。
【0068】請求項2、3の発明によれば、各センサが
一体化された人工触覚器が提供されるので、複数個のセ
ンサを用いて触覚を認識する場合に、センサの取付けが
簡単になる。加えて請求項3の発明では、センサおよび
その下のクッション層の分割状態を維持しつつ、各ベー
ス間を緩衝材を介して連結するので、隣接するセンサ間
における干渉が防止できる。また緩衝材の存在により、
人工毛皮や人工皮に対し、ベース間の間隙に対応する位
置を接触しても、その間隙を意識せずに自然な触感を得
ることができる。
一体化された人工触覚器が提供されるので、複数個のセ
ンサを用いて触覚を認識する場合に、センサの取付けが
簡単になる。加えて請求項3の発明では、センサおよび
その下のクッション層の分割状態を維持しつつ、各ベー
ス間を緩衝材を介して連結するので、隣接するセンサ間
における干渉が防止できる。また緩衝材の存在により、
人工毛皮や人工皮に対し、ベース間の間隙に対応する位
置を接触しても、その間隙を意識せずに自然な触感を得
ることができる。
【0069】請求項4,5の発明によれば、第2のクッ
ション層の存在により、接触時にセンサの存在が感じと
られることがなくなり、柔らかい触感を確保することが
できる。さらに請求項5の発明では、センサは上下に接
するクッション層に支持された状態で下方に変位するの
で、センサの検知出力をより一層安定化することができ
る。
ション層の存在により、接触時にセンサの存在が感じと
られることがなくなり、柔らかい触感を確保することが
できる。さらに請求項5の発明では、センサは上下に接
するクッション層に支持された状態で下方に変位するの
で、センサの検知出力をより一層安定化することができ
る。
【0070】請求項6の発明では、請求項1〜3のいず
れかの構成による人工触覚器を用いることにより、また
請求項7の発明では、請求項4または5の構成による人
工触覚器を用いることにより、生きた動物の皮膚に匹敵
する触感を得られ、かつその接触の状態を感度良く検知
可能な人工皮膚を提供することができる。さらに請求項
7の発明では、請求項4,5の発明によるセンサの上方
にクッション材が配備された人工触覚器が用いられるの
で、人工触覚器を被覆する被覆材に、弾力性のない厚み
の薄いものを用いることが可能となる。
れかの構成による人工触覚器を用いることにより、また
請求項7の発明では、請求項4または5の構成による人
工触覚器を用いることにより、生きた動物の皮膚に匹敵
する触感を得られ、かつその接触の状態を感度良く検知
可能な人工皮膚を提供することができる。さらに請求項
7の発明では、請求項4,5の発明によるセンサの上方
にクッション材が配備された人工触覚器が用いられるの
で、人工触覚器を被覆する被覆材に、弾力性のない厚み
の薄いものを用いることが可能となる。
【0071】請求項8の発明では、請求項1〜3のいず
れかの構成による人工触覚器を用いることにより、また
請求項9の発明では、請求項4または5の構成による人
工触覚器を用いることにより、生きた動物に匹敵する触
感を得られ、かつその接触状態が精度良く認識するロボ
ットを提供することができる。さらにこのロボットにお
いて、認識結果に応じて多彩な行動パターンを用意すれ
ば、接触行為に対し、生きた動物に匹敵する反応を示す
ことが可能になる。
れかの構成による人工触覚器を用いることにより、また
請求項9の発明では、請求項4または5の構成による人
工触覚器を用いることにより、生きた動物に匹敵する触
感を得られ、かつその接触状態が精度良く認識するロボ
ットを提供することができる。さらにこのロボットにお
いて、認識結果に応じて多彩な行動パターンを用意すれ
ば、接触行為に対し、生きた動物に匹敵する反応を示す
ことが可能になる。
【図1】この発明の一実施例にかかる人工触覚器の構成
を示す正面図および上面図である。
を示す正面図および上面図である。
【図2】人工触覚器の他の構成を示す正面図および上面
図である。
図である。
【図3】人工触覚器の他の構成を示す正面図および上面
図である。
図である。
【図4】人工触覚器の他の構成を示す正面図および上面
図である。
図である。
【図5】人工触覚器の他の構成を示す正面図である。
【図6】人工触覚器の他の構成を示す正面図である。
【図7】オン・オフスイッチをセンサとする人工触覚器
が組み込まれたロボットの構成を示すブロック図であ
る。
が組み込まれたロボットの構成を示すブロック図であ
る。
【図8】アナログ式のセンサによる人工触覚器が組み込
まれたロボットの構成を示すブロック図である。
まれたロボットの構成を示すブロック図である。
【図9】センサの配置例を示す説明図である。
【図10】継続量,移動量の各メンバーシップ関数を示
す説明図である。
す説明図である。
【図11】加速度センサの検知信号の一例を、認識処理
用のパラメータとともに示した説明図である。
用のパラメータとともに示した説明図である。
【図12】最大振幅,継続時間,重心値の各メンバーシ
ップ関数を示す説明図である。
ップ関数を示す説明図である。
【図13】圧力センサの検知信号の一例を、認識処理用
のパラメータとともに示した説明図である。
のパラメータとともに示した説明図である。
【図14】静電容量センサの検知信号の一例を、認識処
理用のパラメータとともに示した説明図である。
理用のパラメータとともに示した説明図である。
1 センサ 2 クッション材 3 第1のクッション層 4 第2のクッション層 5 緩衝材 6,6A 第2のクッション材 7 第1のクッション層 8 第2のクッション層 10 CPU
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月27日(2000.10.
27)
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、動物の皮膚における
触覚細胞の役割を果たす人工触覚器と、この人工触覚器
を用いた人工皮膚ならびに、ロボットとに関する。
触覚細胞の役割を果たす人工触覚器と、この人工触覚器
を用いた人工皮膚ならびに、ロボットとに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】このペットロボットにおいて精密な動きを
実現するには、前記センサの検知出力を安定化して接触
の程度を精度良く認識する必要がある。一般にセンサの
検知出力を安定させるには、加圧力に対しても沈み込ま
ない堅固な土台の上にセンサを設置する必要がある。し
かしながらこのような状態でセンサを設置すると、ロボ
ットに触れたときに、生きた動物や普通のぬいぐるみに
触れたときのような弾力感や柔らかさを感じられなくな
ったり、センサの存在に気づいて違和感を覚えるといっ
た不具合が生じてしまう。
実現するには、前記センサの検知出力を安定化して接触
の程度を精度良く認識する必要がある。一般にセンサの
検知出力を安定させるには、加圧力に対しても沈み込ま
ない堅固な土台の上にセンサを設置する必要がある。し
かしながらこのような状態でセンサを設置すると、ロボ
ットに触れたときに、生きた動物や普通のぬいぐるみに
触れたときのような弾力感や柔らかさを感じられなくな
ったり、センサの存在に気づいて違和感を覚えるといっ
た不具合が生じてしまう。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
人工触覚器は、クッション材の上面に直接的または間接
的な圧力の作用を検知するセンサが保持されて成る。前
記クッション材は、上下に重なる2以上のクッション層
を有し、ベースとなるクッション層上に重ねられる各ク
ッション層は、そのクッション層の下側に接するクッシ
ョン層より同じ加圧力に対する変形度合が小さく設定さ
れる。
人工触覚器は、クッション材の上面に直接的または間接
的な圧力の作用を検知するセンサが保持されて成る。前
記クッション材は、上下に重なる2以上のクッション層
を有し、ベースとなるクッション層上に重ねられる各ク
ッション層は、そのクッション層の下側に接するクッシ
ョン層より同じ加圧力に対する変形度合が小さく設定さ
れる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】請求項2の発明にかかる人工触覚器は、ク
ッション材の上面に直接的または間接的な圧力の作用を
検知する複数個のセンサが保持されて成る。前記クッシ
ョン材は、ベースとなるクッション層上の複数箇所にそ
れぞれ単一または上下に重なる2以上のクッション層が
重ねられ、前記重ねられる各クッション層は、そのクッ
ション層の下側に接するクッション層より同じ加圧力に
対する変形度合が小さく設定されるとともに、最上層の
クッション層の上に前記センサが保持される。
ッション材の上面に直接的または間接的な圧力の作用を
検知する複数個のセンサが保持されて成る。前記クッシ
ョン材は、ベースとなるクッション層上の複数箇所にそ
れぞれ単一または上下に重なる2以上のクッション層が
重ねられ、前記重ねられる各クッション層は、そのクッ
ション層の下側に接するクッション層より同じ加圧力に
対する変形度合が小さく設定されるとともに、最上層の
クッション層の上に前記センサが保持される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】請求項3の発明にかかる人工触覚器は、直
接的または間接的な圧力の作用を検知する複数個のセン
サがそれぞれ個別のクッション材上に保持されて成る。
各クッション材は、それぞれ請求項1と同様の構成のも
ので、ベースとなるクッション層は緩衝材を介して相互
に連結される。
接的または間接的な圧力の作用を検知する複数個のセン
サがそれぞれ個別のクッション材上に保持されて成る。
各クッション材は、それぞれ請求項1と同様の構成のも
ので、ベースとなるクッション層は緩衝材を介して相互
に連結される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】請求項5の発明にかかる人工触覚器は、請
求項1〜3のいずれかの構成において、センサの上方
に、センサ全体を被覆する第2のクッション材が配備さ
れる。この第2のクッション材は、表層となるクッショ
ン層の下に各センサに対応させてそれぞれ単一または上
下に重なる2以上のクッション層が重ねられ、前記重ね
られる各クッション層は、そのクッション層の上側に接
するクッション層より同じ加圧力に対する変形度合が小
さく設定される。
求項1〜3のいずれかの構成において、センサの上方
に、センサ全体を被覆する第2のクッション材が配備さ
れる。この第2のクッション材は、表層となるクッショ
ン層の下に各センサに対応させてそれぞれ単一または上
下に重なる2以上のクッション層が重ねられ、前記重ね
られる各クッション層は、そのクッション層の上側に接
するクッション層より同じ加圧力に対する変形度合が小
さく設定される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】請求項2、3の発明によれば、請求項1と
同様の状態で支持された複数個のセンサが一体化された
人工触覚器が構成される。特に請求項3の発明では、セ
ンサおよびその下のクッション層の分割状態を維持しつ
つ、ベースとなるクッション層間を緩衝材を介して連結
するので、隣接するセンサ間における干渉が防止され
る。また緩衝材の存在により、圧を加えても、ベースと
なるクッション層間の間隙が気づかれる虞がない。
同様の状態で支持された複数個のセンサが一体化された
人工触覚器が構成される。特に請求項3の発明では、セ
ンサおよびその下のクッション層の分割状態を維持しつ
つ、ベースとなるクッション層間を緩衝材を介して連結
するので、隣接するセンサ間における干渉が防止され
る。また緩衝材の存在により、圧を加えても、ベースと
なるクッション層間の間隙が気づかれる虞がない。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】この実施例では、前記センサ1は、直径が
0.8mm程度の円形状に形成されており、第2のクッシ
ョン層4の上面、下面も、センサ1に合わせて円形状に
形成されている。なお、この実施例では、ロボットの膝
部、首部などの屈曲部において、屈曲により表面の毛皮
が第2のクッション層4の縁部に触れながら引っ張られ
てセンサ1を圧迫するのを防止するために、第2のクッ
ション層4を、下面に対し上面の径が小さい円錐台状に
形成している。ただし屈曲部以外の部位については、こ
のような形状をとる必要はなく、上下面が同じ大きさの
円柱状に形成したり、第1のクッション層3と同型状の
直方体状に形成してもよい。
0.8mm程度の円形状に形成されており、第2のクッシ
ョン層4の上面、下面も、センサ1に合わせて円形状に
形成されている。なお、この実施例では、ロボットの膝
部、首部などの屈曲部において、屈曲により表面の毛皮
が第2のクッション層4の縁部に触れながら引っ張られ
てセンサ1を圧迫するのを防止するために、第2のクッ
ション層4を、下面に対し上面の径が小さい円錐台状に
形成している。ただし屈曲部以外の部位については、こ
のような形状をとる必要はなく、上下面が同じ大きさの
円柱状に形成したり、第1のクッション層3と同型状の
直方体状に形成してもよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】第1のクッション層3の変形度合は、作用
する圧力が強いほど大きくなるので、人工皮膚に軽く触
れるなど比較的弱い圧力をかける接触行為を行った場合
には、大きな抵抗感はなく、表面の毛皮に対する手触り
のみが感じられる。他方、たたく、押さえるなど、毛皮
に強い圧力をかける接触行為を行った場合は、表面に対
する手触りのほかに、第1のクッション層3の変形や復
元力に伴う弾力感や柔らかみが感じられるようになり、
生きた動物に触れた場合と同様の触感を得ることができ
る。また圧力の強度に関わらず、センサ1は、クッショ
ン材2内に沈み込まずに、第2のクッション層4の上面
に安定して支持されるから、検知出力を安定して、ロボ
ット側のコンピュータに接触の状態を精度良く認識させ
ることができる。
する圧力が強いほど大きくなるので、人工皮膚に軽く触
れるなど比較的弱い圧力をかける接触行為を行った場合
には、大きな抵抗感はなく、表面の毛皮に対する手触り
のみが感じられる。他方、たたく、押さえるなど、毛皮
に強い圧力をかける接触行為を行った場合は、表面に対
する手触りのほかに、第1のクッション層3の変形や復
元力に伴う弾力感や柔らかみが感じられるようになり、
生きた動物に触れた場合と同様の触感を得ることができ
る。また圧力の強度に関わらず、センサ1は、クッショ
ン材2内に沈み込まずに、第2のクッション層4の上面
に安定して支持されるから、検知出力を安定して、ロボ
ット側のコンピュータに接触の状態を精度良く認識させ
ることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】この実施例でも、第1,第2のクッション
層3,4は前記第1の実施例と同様に形成されているの
で、第2の各クッション層4が、上方からの圧力に対
し、センサ1を支持した状態で第1のクッション層3に
沈み込むことにより、接触行為を行った人に自然な触感
を与えるとともに、センサ1の検知出力を安定させるこ
とが可能となる。
層3,4は前記第1の実施例と同様に形成されているの
で、第2の各クッション層4が、上方からの圧力に対
し、センサ1を支持した状態で第1のクッション層3に
沈み込むことにより、接触行為を行った人に自然な触感
を与えるとともに、センサ1の検知出力を安定させるこ
とが可能となる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】前記緩衝材5には、各クッション層3,4
と同様の樹脂製のスポンジなど、振動の伝搬を吸収し、
かつ加圧力に対して第1のクッション層3と同程度の変
形度合を有する材質のものが用いられる。このような緩
衝材5を設けることにより、センサ1間での干渉が防止
できるとともに、複数のセンサ1を一体化することがで
き、取付けが簡単になる。
と同様の樹脂製のスポンジなど、振動の伝搬を吸収し、
かつ加圧力に対して第1のクッション層3と同程度の変
形度合を有する材質のものが用いられる。このような緩
衝材5を設けることにより、センサ1間での干渉が防止
できるとともに、複数のセンサ1を一体化することがで
き、取付けが簡単になる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】図5(1)〜(4)は、この発明にかかる
人工触覚器の他の態様を示す。各実施例は、それぞれ前
記図1〜図4の構成に、各センサ1を上方から被覆する
第2のクッション材6を加えたものである。この第2の
クッション材6は、前記第1のクッション材2の第1の
クッション層3と同程度の弾力性を有するもので、この
第2のクッション材6の存在により、接触時にセンサ1
の存在に気づかせることなく、柔らかい触感を確保する
ことができる。またこれらの構成によれば、センサ1の
真上から若干ずれた位置に圧力が作用しても、第2のク
ッション材6の変形により、センサ1にも圧力がかかっ
て感応するようになるので、接触に対する感度は、図1
〜4の構成に比べて向上する。
人工触覚器の他の態様を示す。各実施例は、それぞれ前
記図1〜図4の構成に、各センサ1を上方から被覆する
第2のクッション材6を加えたものである。この第2の
クッション材6は、前記第1のクッション材2の第1の
クッション層3と同程度の弾力性を有するもので、この
第2のクッション材6の存在により、接触時にセンサ1
の存在に気づかせることなく、柔らかい触感を確保する
ことができる。またこれらの構成によれば、センサ1の
真上から若干ずれた位置に圧力が作用しても、第2のク
ッション材6の変形により、センサ1にも圧力がかかっ
て感応するようになるので、接触に対する感度は、図1
〜4の構成に比べて向上する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】図6(1)〜(4)は、触感を確保すると
ともに、センサ1をより安定して支持するようにした人
工触覚器の例を示す。各実施例は、それぞれ前記図1〜
図4の構成に、各センサ1を上方から被覆する第2のク
ッション材6Aを加えたものである。このクッション材
6Aは、表層となる第1のクッション層7の下に各セン
サ1に対応させて逆円錐台状の第2のクッション層8が
接合されて成る。また第1のクッション層7は、前記第
1のクッション材2のベースとなる第1のクッション層
3と同程度の弾力性を有し、第2のクッション層8は、
第1のクッション層7に比べ、同じ加圧力に対する変形
度合が小さくなるように構成されている。
ともに、センサ1をより安定して支持するようにした人
工触覚器の例を示す。各実施例は、それぞれ前記図1〜
図4の構成に、各センサ1を上方から被覆する第2のク
ッション材6Aを加えたものである。このクッション材
6Aは、表層となる第1のクッション層7の下に各セン
サ1に対応させて逆円錐台状の第2のクッション層8が
接合されて成る。また第1のクッション層7は、前記第
1のクッション材2のベースとなる第1のクッション層
3と同程度の弾力性を有し、第2のクッション層8は、
第1のクッション層7に比べ、同じ加圧力に対する変形
度合が小さくなるように構成されている。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】上記の構成によれば、上方からの圧力によ
り第2のクッション材6Aの第1のクッション層7が変
形しても、第2のクッション層8は大きく変形しないの
で、センサ1は、上下のクッション層4,8に挟まれた
状態で支持されつつ、下方に変位するようになり、検知
出力がより安定化する。また第1のクッション層7の存
在により、接触時の柔らかい触感を確保することができ
る。なお図6(1)〜(4)の構成においても、センサ
1の真上位置から若干ずれた位置に圧力が作用した場
合、その圧力を第1、第2の各クッション層7,8を介
してセンサ1に伝えることが可能であり、接触に対する
感度が向上する。
り第2のクッション材6Aの第1のクッション層7が変
形しても、第2のクッション層8は大きく変形しないの
で、センサ1は、上下のクッション層4,8に挟まれた
状態で支持されつつ、下方に変位するようになり、検知
出力がより安定化する。また第1のクッション層7の存
在により、接触時の柔らかい触感を確保することができ
る。なお図6(1)〜(4)の構成においても、センサ
1の真上位置から若干ずれた位置に圧力が作用した場
合、その圧力を第1、第2の各クッション層7,8を介
してセンサ1に伝えることが可能であり、接触に対する
感度が向上する。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明では、上下に重なる2以
上のクッション層を有するクッション材の上面にセンサ
を保持するとともに、各クッション層はそのクッション
層の下側に接するクッション層より同じ加圧力に対する
変形度合を小さく設定したので、センサが直下のクッシ
ョン層上に安定して支持された状態を保つことができ、
接触の状態を認識するための検知信号を確実に得ること
ができる。また、センサは、ベースとなるクッション層
やその近傍の変形度合の大きいクッション層により、上
からの圧力に対して抵抗なく変位するので、この人工触
覚器を人工毛皮や人工皮の下に配置した場合、表面に触
れた人に、加えた圧力に応じた弾力感や柔らかみを感じ
させることができる。
上のクッション層を有するクッション材の上面にセンサ
を保持するとともに、各クッション層はそのクッション
層の下側に接するクッション層より同じ加圧力に対する
変形度合を小さく設定したので、センサが直下のクッシ
ョン層上に安定して支持された状態を保つことができ、
接触の状態を認識するための検知信号を確実に得ること
ができる。また、センサは、ベースとなるクッション層
やその近傍の変形度合の大きいクッション層により、上
からの圧力に対して抵抗なく変位するので、この人工触
覚器を人工毛皮や人工皮の下に配置した場合、表面に触
れた人に、加えた圧力に応じた弾力感や柔らかみを感じ
させることができる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】請求項2、3の発明によれば、請求項1と
同様の状態で支持された複数個のセンサが一体化された
人工触覚器が構成されるので、複数個のセンサを用いて
触覚を認識する場合に、センサの取付けが簡単になる。
加えて請求項3の発明では、センサおよびその下のクッ
ション層の分割状態を維持しつつ、ベースとなるクッシ
ョン層間を緩衝材を介して連結するので、隣接するセン
サ間における干渉が防止できる。また緩衝材の存在によ
り、人工毛皮や人工皮に対し、ベースとなるクッション
層間の間隙に対応する位置を接触しても、その間隙を意
識せずに自然な触感を得ることができる。
同様の状態で支持された複数個のセンサが一体化された
人工触覚器が構成されるので、複数個のセンサを用いて
触覚を認識する場合に、センサの取付けが簡単になる。
加えて請求項3の発明では、センサおよびその下のクッ
ション層の分割状態を維持しつつ、ベースとなるクッシ
ョン層間を緩衝材を介して連結するので、隣接するセン
サ間における干渉が防止できる。また緩衝材の存在によ
り、人工毛皮や人工皮に対し、ベースとなるクッション
層間の間隙に対応する位置を接触しても、その間隙を意
識せずに自然な触感を得ることができる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】請求項4,5の発明によれば、第2のクッ
ション材の存在により、接触時にセンサの存在が感じと
られることがなくなり、柔らかい触感を確保することが
できる。さらに請求項5の発明では、センサは上下に接
するクッション層に支持された状態で下方に変位するの
で、センサの検知出力をより一層安定化することができ
る。
ション材の存在により、接触時にセンサの存在が感じと
られることがなくなり、柔らかい触感を確保することが
できる。さらに請求項5の発明では、センサは上下に接
するクッション層に支持された状態で下方に変位するの
で、センサの検知出力をより一層安定化することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F051 AA10 AA17 AB06 AB07 AC01 BA07 3F059 AA00 BA00 DA05 DC02 DE08
Claims (9)
- 【請求項1】 クッション材の上面に直接的または間接
的な圧力の作用を検知するセンサが保持され、 前記クッション材は、上下に重なる2以上のクッション
層を有し、ベースとなるクッション層上に重ねられる各
クッション層は、同じ加圧力に対する変形度合が下側に
接するクッション層より小さく設定されて成る人工触覚
器。 - 【請求項2】 クッション材の上面に直接的または間接
的な圧力の作用を検知する複数個のセンサが保持され、 前記クッション材は、ベースとなるクッション層上の複
数箇所にそれぞれ単一または上下に重なる2以上のクッ
ション層が重ねられ、前記重ねられる各クッション層
は、同じ加圧力に対する変形度合が下側に接するクッシ
ョン層より小さく設定されるとともに、最上層のクッシ
ョン層の上に前記センサが保持されて成る人工触覚器。 - 【請求項3】 直接的または間接的な圧力の作用を検知
する複数個のセンサがそれぞれ個別のクッション材上に
保持されており、 各クッション材は、それぞれ上下に重なる2以上のクッ
ション層を有し、ベースとなるクッション層上に重ねら
れる各クッション層は、同じ加圧力に対する変形度合が
下側に接するクッション層より小さく設定されるととも
に、各クッション材のベースは緩衝材を介して相互に連
結されて成る人工触覚器。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載された人
工触覚器であって、 前記センサの上方には、センサ全体を被覆し、センサの
直下のクッション層よりも同じ加圧力に対する変形度合
が大きい第2のクッション材が配備されて成る人工触覚
器。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載された人
工触覚器であって、 前記センサの上方には、センサ全体を被覆する第2のク
ッション材が配備されており、 前記第2のクッション材は、表層となるクッション層の
下に各センサに対応させてそれぞれ単一または上下に重
なる2以上のクッション層が重ねられ、前記重ねられる
各クッション層は、同じ加圧力に対する変形度合が上側
に接するクッション層より小さく設定されて成る人工触
覚器。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載された人
工触覚器と、この人工触覚器を被覆する被覆材とを有
し、 前記被覆材は、前記人工触覚器のセンサの直下のクッシ
ョン層よりも、同じ加圧力に対する変形度合が大きいク
ッション層を具備して成る人工皮膚。 - 【請求項7】 請求項4または5に記載された人工触覚
器と、この人工触覚器を被覆する被覆材とを具備して成
る人工皮膚。 - 【請求項8】 請求項1〜3のいずれかに記載された人
工触覚器と、この人工触覚器を被覆する被覆材と、前記
人工触覚器のセンサの検知出力を認識するコンピュータ
とを具備し、 前記被覆材は、前記人工触覚器のセンサの直下のクッシ
ョン層よりも、同じ加圧力に対する変形度合が大きいク
ッション層を具備して成るロボット。 - 【請求項9】 請求項4または5に記載された人工触覚
器と、この人工触覚器を被覆する被覆材と、前記人工触
覚器のセンサの検知出力を認識するコンピュータとを具
備して成るロボット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29944999A JP3144420B1 (ja) | 1999-10-21 | 1999-10-21 | 人工触覚器およびこの触覚器を用いた人工皮膚ならびにロボット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29944999A JP3144420B1 (ja) | 1999-10-21 | 1999-10-21 | 人工触覚器およびこの触覚器を用いた人工皮膚ならびにロボット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3144420B1 JP3144420B1 (ja) | 2001-03-12 |
JP2001116635A true JP2001116635A (ja) | 2001-04-27 |
Family
ID=17872728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29944999A Expired - Fee Related JP3144420B1 (ja) | 1999-10-21 | 1999-10-21 | 人工触覚器およびこの触覚器を用いた人工皮膚ならびにロボット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3144420B1 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007010383A (ja) * | 2005-06-29 | 2007-01-18 | Institute Of Physical & Chemical Research | 柔軟触覚センサとその製作方法 |
JP2007171059A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Univ Nagoya | センサ装置 |
JP2007196372A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-08-09 | Honda Motor Co Ltd | ロボットの外被 |
JP2008116371A (ja) * | 2006-11-06 | 2008-05-22 | Osaka Prefecture | 触覚センサー及びその製造方法 |
US8033189B2 (en) | 2005-12-28 | 2011-10-11 | Honda Motor Co., Ltd. | Robot skin |
US9205561B2 (en) | 2013-02-26 | 2015-12-08 | Seiko Epson Corporation | Force detector and robot |
JP2020053549A (ja) * | 2018-09-27 | 2020-04-02 | 住友理工株式会社 | 圧電センサ |
EP3747605A4 (en) * | 2018-04-02 | 2021-05-05 | Japan Aviation Electronics Industry, Ltd. | SENSOR MODULE AND ROBOT SYSTEM |
WO2024147329A1 (ja) * | 2023-01-04 | 2024-07-11 | サントリーホールディングス株式会社 | 測定装置及び測定システム |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3548779B2 (ja) * | 2001-10-12 | 2004-07-28 | オムロン株式会社 | 触覚センサの感知範囲拡張構造および該構造を搭載したロボット |
-
1999
- 1999-10-21 JP JP29944999A patent/JP3144420B1/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007010383A (ja) * | 2005-06-29 | 2007-01-18 | Institute Of Physical & Chemical Research | 柔軟触覚センサとその製作方法 |
JP2007171059A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Univ Nagoya | センサ装置 |
JP2007196372A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-08-09 | Honda Motor Co Ltd | ロボットの外被 |
JP4724109B2 (ja) * | 2005-12-28 | 2011-07-13 | 本田技研工業株式会社 | ロボットの外被 |
US8033189B2 (en) | 2005-12-28 | 2011-10-11 | Honda Motor Co., Ltd. | Robot skin |
JP2008116371A (ja) * | 2006-11-06 | 2008-05-22 | Osaka Prefecture | 触覚センサー及びその製造方法 |
US9205561B2 (en) | 2013-02-26 | 2015-12-08 | Seiko Epson Corporation | Force detector and robot |
EP3747605A4 (en) * | 2018-04-02 | 2021-05-05 | Japan Aviation Electronics Industry, Ltd. | SENSOR MODULE AND ROBOT SYSTEM |
JP2020053549A (ja) * | 2018-09-27 | 2020-04-02 | 住友理工株式会社 | 圧電センサ |
JP7079704B2 (ja) | 2018-09-27 | 2022-06-02 | 住友理工株式会社 | 圧電センサ |
WO2024147329A1 (ja) * | 2023-01-04 | 2024-07-11 | サントリーホールディングス株式会社 | 測定装置及び測定システム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3144420B1 (ja) | 2001-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN109313492B (zh) | 人机接口系统 | |
US11460924B2 (en) | System and method for detecting and characterizing inputs on a touch sensor surface | |
US9939901B2 (en) | Haptic feedback assembly | |
JP2019121396A (ja) | ユーザー入力とモバイルデバイス動作とを動的に関連付けるデバイス及び方法 | |
US20100201650A1 (en) | Capacitive proximity tactile sensor | |
JP4319044B2 (ja) | 入力信号を供給するためのシステム、該システムにて使用するための装置、およびコンピュータの入力装置 | |
EP2648081B1 (en) | Processor interface | |
CN112166400B (zh) | 人机接口系统 | |
JP3144420B1 (ja) | 人工触覚器およびこの触覚器を用いた人工皮膚ならびにロボット | |
EP3555733A1 (en) | System for human-computer interfacing | |
JP2009163484A (ja) | 転動型入力装置と指運動検出プログラム | |
KR200442444Y1 (ko) | 그립 타입 마우스 | |
JPH11338629A (ja) | ポインティングデバイス | |
US20240319794A1 (en) | System and method for detecting and characterizing inputs on a touch sensor surface | |
KR102724115B1 (ko) | 인간-컴퓨터 인터페이스 시스템 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |