JP5367925B1 - Mems共振器を用いた圧力センサ - Google Patents

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Abstract

MEMS共振器(500)と、MEMS共振器の振動子(101;101x;501;501x;801)の共振周波数f0を内に含む所定の周波数範囲にわたって所定の掃引方向に沿って励振信号の周波数を掃引しつつ励振信号をMEMS共振器へ出力する掃引部(401)と、当該掃引において、MEMS共振器から、振動子の振動状態を表す特徴量である振動状態情報信号を入力し、励振信号の周波数が互いに異なるときの複数の振動状態情報信号を積算し、当該積算値を出力する積算部(414)と、積算値に基づいてMEMS共振器に作用する圧力を決定する変換部(415)と、を有する、圧力センサ(400)である。

Description

技術分野は、圧力センサに関し、特に、MEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)共振器といったメカニカル共振器を用いた圧力センサに関する。
かねてより微小機械振動子を用いたメカニカル共振器(微小機械共振器、または、MEMS共振器)が知られている(特許文献1)。
図17Aおよび図17Bは、従来のMEMS共振器100の構成例を示す図である。このMEMS共振器100は、所謂、静電容量型MEMS共振器である。図17Aは、MEMS共振器100の斜視図であり、図17Bは、図17Aにおける線分A−A’に沿ったMEMS共振器100の側方断面図である。なお、図17Bでは、BOX(Buried Oxide)層104およびシリコン基板105は省略され、MEMS共振器100に入力される電圧Vi、出力する電流io、振動子101に印加されるバイアス電圧Vp、振動子101の振動の方向等が併せて示されている。
MEMS共振器100は、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて作製可能である。その場合、SOI基板の最上層のSiから、梁型の振動子101と、入力電極102と、出力電極103と、が形成される。また、振動子101の下方にあったBOX(Buried Oxide)層104はエッチングにより除去されており、振動子101は残存するBOX層104上の支持部101sによって振動可能に保持される。振動子101は、電極102および103とともに、残存するBOX層104によってシリコン基板105に繋留される。
振動子101の振動機構について、図17Bを参照しながら説明する。振動子101は、入力電極102および出力電極103それぞれと空隙(ギャップ)giおよびgoを介して対向するように配置され、入力電極102および出力電極103に対し直流電位差が与えられるように、バイアス電圧Vpが印加される。入力電極102に交流入力電圧(AC電圧)Viが印加されると、振動子101と入力電極102との間の電位差が交流入力電圧Viに従って変動し、振動子101に対し静電力に由来した励振力が作用する。交流入力電圧Viの周波数が振動子101の機械的共振周波数と一致する場合には、振動子101は、振動方向106に沿って特に大きく振動する(共振する)。そのとき、空隙goが形成する容量Coから出力電極103へ変位電流ioが流れる。
MEMS共振器100の用途には、ある特定の周波数、すなわち振動子の共振周波数近傍のみで入出力電極間の電気通過特性が向上することを利用したフィルタ回路や、温度によって振動子の共振周波数がシフトすることを利用した温度センサ、振動子にかかる応力によってその共振周波数がシフトすることを利用した圧力センサ、振動子への微量な付着物によって振動子の共振周波数がシフトすることを利用した質量センサなどがある。
非特許文献1は、MEMS共振器を用いた圧力センサの実現可能性を示唆する。同文献によれば、MEMS共振器の振動子の振動運動(例えば、共振運動)は、振動子周囲の雰囲気の圧力に応じてその特性(例えば、振動運動の振幅の大きさやQ値)が変化する。具体的には、MEMS共振器の、共振運動する振動子の運動エネルギあるいは運動量は、振動子を取り囲む雰囲気が示す粘性により散逸し、その散逸の程度は、雰囲気の圧力に応じて異なる。そのため、共振周波数で共振している振動子の振幅は、雰囲気の圧力に依存して変化する。よって、共振周波数近傍で振動するMEMS共振器の振動子の振幅や、そのQ値といった量は、雰囲気の圧力とよく対応する。したがって、雰囲気中で共振するMEMS共振器の振動子の振幅あるいはQ値を検出することにより、雰囲気の圧力を測定することが可能である。例えば、非特許文献1のFig.4には、MEMS共振器のQ値と雰囲気圧力との対応関係が示されている。
また、非特許文献2は、MEMS共振器の振動子が比較的大きな振幅で振動する場合に現れる、MEMS共振器の非線形的なふるまいについて論じている。一般に、MEMS共振器100の振動子101の振動振幅が十分に小さい場合には、非線形効果の影響は無視できる程度に小さく(線形領域)、入力電圧Viの周波数を掃引して得られる共振特性は、図18の共振特性111のように、振動子101の共振周波数f0でのピークを中心に左右対称なプロファイルを描き、掃引の方向の違いによるヒステリシスは見られない。しかしながら、振動子のQ値が増加して、その振動振幅が或る程度以上の大きさになると(非線形領域に入ると)、図19や図20に示されるように、共振特性(たとえば、共振曲線121および131)に非線形性が顕著に現れる。たとえば、静電容量型であるMEMS共振器100の振動子101が非線形領域において振動運動する場合、その共振特性は、周波数掃引方向の違いによりヒステリシス(123および125)を持つようになり、振動振幅は、共振周波数f0において明確なピークを示さなくなる。
非特許文献2によれば、このような非線形現象は、2種類の非線形効果に起因して生じる。1つは、振動子101の振動振幅が大きい場合に、入力電極102および出力電極103が振動子101を過度に引き込もうとする効果(キャパシティブ・バイファケーション、Capacitive Bifurcation)であり、もう1つは、振動子101の振動振幅の増大に伴って振動子101の剛性が増大することによる効果(メカニカル・バイファケーション、Mechanical Bifurcation)である。これら2種類の非線形効果は、MEMS共振器の構造により、いずれか一方のみが生じる場合もあれば、同時に生じる場合もある。
図19は、キャパシティブ・バイファケーションが顕著な場合のMEMS共振器100の共振特性121の例である。この場合、共振特性は、左側に(低周波数側に)倒れ込むように湾曲し、周波数掃引方向の違いによりヒステリシス(矢印123および125)を示すようになり、振動振幅のピークは、共振周波数f0よりも低周波数側へシフトする。
図20は、メカニカル・バイファケーションが顕著に現れた場合のMEMS共振器の共振特性131の例である。この場合、共振特性は、右側に(高周波数側に)倒れ込むように湾曲し、周波数掃引方向の違いによりヒステリシス(矢印133および135)を示すようになり、振動振幅のピークは、共振周波数f0よりも高周波数側へシフトする。
国際公開第2006/075717号パンフレット
O・ポール、O・ブランド、R・レンゲンヘイガー、H・バルテス(O. Paul, O. Brand, R. Lenggenhager, and H. Baltes)、バキューム・ゲージング・ウィズ・コンプリメンタリー・メタル−オキサイド−セミコンダクタ・マイクロセンサ(Vacuum gauging with complementary metal-oxide-semiconductor microsensors)、J.Vac.Sci.Technol.A、American Vacuum Society、1995年May/Jun、13(3)、p.503−508 N・アガルワル、K・パーク、R・キャンドラー、M・ホプクロフト、C・シャ、R・メラムード、B・キム、B・ムルマン、T・W・ケニー(N. Agarwal, K. Park, R. Candler, M. Hopcroft, C. Jha, R. Melamud, B. Kim, B. Murmann, and T. W. Kenny)、ノン−リニアリティ・キャンセレーション・イン・MEMSレゾネータ・フォー・インプルーブド・パワー・ハンドリング(Non-Linearity Cancellation in MEMS Resonators for Improved Power-Handling)、Electron DeVices Meeting 2005 IEDM Technical Digest、IEEE International、p.286−289
例えば、図17Aおよび図17Bに示されるような、交流入力電圧Viに応じて変化する静電力が振動子101に作用することで振動子101を励振するMEMS共振器100(静電容量型MEMS共振器)においては、概して、振動子101の振動振幅が空隙(ギャップ)goおよびgiの大きさの1/3以上になると、キャパシティブ・バイファケーションの効果による非線形性が顕著に現れる。つまり、所謂静電容量型MEMS共振器の振動子101の振動運動では、その振動振幅が空隙(ギャップ)goおよびgiの大きさの1/3を越えるあたりで非線形性が顕著になり、その共振特性は、図19に示すような左右非対称で掃引方向にヒステリシスを持った共振特性121になる。そのため、共振周波数f0近傍における振動子101の振動振幅は、安定せず、MEMS共振器100の出力も不安定になってしまう。
また、振動子101が非線形領域で振動するような場合、振動子101の共振周波数f0近傍における振動子101の振幅は、雰囲気圧力が変化しても殆ど変化しない。
そのため、MEMS共振器100に所定の周波数(例えば、共振周波数f0近傍の周波数)の交流入力電圧を与えてMEMS共振器100からの出力にもとづいて雰囲気の圧力を測定するような従来の圧力センサでは、MEMS共振器100の振動子101が非線形領域で振動するような雰囲気圧力下での圧力測定は極めて困難である。それ故に、従来の圧力センサでは、測定可能な圧力の範囲は、振動子101が線形領域で振動する範囲、たとえば、共振状態にある振動子101の振動振幅が空隙goおよびgiの大きさの1/3を越えない範囲、に限られていた。
この点を鑑み、本実施形態は、線形領域のみならず、振動子の振動振幅が空隙goおよびgiの大きさの1/3を越えるような場合、つまり、MEMS共振器の振動子が非線形領域で動作するような圧力下でも雰囲気圧力を測定できる、MEMS共振器を用いた圧力センサを提供する。
実施の形態は、MEMS共振器を用いた圧力センサである。当該圧力センサは、MEMS共振器と、MEMS共振器の振動子の共振周波数f0を内に含む所定の周波数範囲にわたって所定の掃引方向に沿って励振信号の周波数を掃引しつつ励振信号をMEMS共振器へ出力する掃引部と、当該掃引において、MEMS共振器から、振動子の振動状態を表す特徴量である振動状態情報信号を入力し、励振信号の周波数が互いに異なるときの複数の振動状態情報信号を積算し、当該積算値を出力する積算部と、積算値に基づいてMEMS共振器に作用する圧力を決定する変換部と、を有する、圧力センサである。
実施の形態による圧力センサは、励振信号の周波数が互いに異なるときの複数の振動状態情報信号を積算し、当該積算値に基づいて振動子を取り囲む雰囲気の圧力を決定する。そうすることで、実施の形態による圧力センサは、MEMS共振器の振動子が非線形領域で動作するような圧力下でも雰囲気圧力を測定することができる。
MEMS共振器を用いた圧力センサの構成例 MEMS共振器を用いた圧力センサの構成別例 実施の形態1による圧力センサの構成を示すブロック図 静電容量型MEMS共振器の構成を示す斜視図 静電容量型MEMS共振器の断面図 様々な圧力下におけるMEMS共振器の振動子の共振特性 様々なQ値での振動子の振幅の積算値のプロット 様々な圧力下におけるMEMS共振器の振動子の共振特性 静電容量型MEMS共振器の断面図 静電容量型MEMS共振器の断面図 様々なギャップ間隔でのMEMS共振器の振動子の共振特性 様々なギャップ間隔での振動子の振幅の積算値のプロット 実施の形態1による圧力センサの変形例の構成を示すブロック図 振動状態情報信号(振幅情報信号)の出力例を示す図 振動状態情報信号(振幅情報信号)の出力例を示す図 振動状態情報信号(振動速度情報信号)の出力例を示す図 振動状態情報信号(たわみ角度情報信号)の出力例を示す図 非静電容量型MEMS共振器の構成を示す斜視図 静電容量型MEMS共振器の構成を示す斜視図 静電容量型MEMS共振器の断面図 線形領域における共振特性を示すグラフ 非線形領域において現れる共振特性およびヒステリシスを示す図 非線形領域において現れる共振特性およびヒステリシスを示す図
1.概要
1−1.MEMS共振器を用いた圧力センサの動作原理
本実施形態は、主に、検出したい量がMEMS共振器の振動子の振動状態(例、振幅)に反映されることを利用したセンサに関する。当該センサは、例えば、雰囲気の圧力を測定する圧力センサである。雰囲気中におけるMEMS共振器の振動子の振動は、雰囲気の粘性によりダンピングを受ける。そのため、振動子の振動振幅や速度は、雰囲気の圧力に依存する。より詳細には、MEMS共振器の共振の鋭さを表すQ値は、雰囲気の圧力Pに対しておよそQ∝(1/P)の関係を有する。また、共振時の振動振幅Xは、X∝Qの関係を有する。従って、X∝(1/P)となり、雰囲気の圧力が低下すると、共振の鋭さが増し、振動振幅Xも増大する。振動振幅Xが増大すれば、同様に振動子の振動の速度も増大する。本実施形態によるMEMS共振器を用いた圧力センサは、この原理を利用する。
1−2.MEMS共振器を用いた圧力センサが有する課題
図1は、図17AのMEMS共振器100の入力電極102に周波数f0固定の励振信号(交流電圧)Viを印加し、そのときの振動子101の振動運動に関する情報(例えば、振動振幅の情報)を、電圧Voとして取り出す圧力センサ200の構成を示す図である。
ここでは、励振信号(交流電圧)Viの周波数fは、振動子101の機械共振周波数f0に一致される(f=f0)。また、交流入力電圧(励振信号)Viの最大値(振幅)は一定値に固定される。振動子101は雰囲気中にあるとすれば、構成200の出力電極103からは、雰囲気の圧力Pに応じた大きさの出力交流電圧Voが出力される。よって、予め、出力交流電圧Voの大きさと雰囲気の圧力Pとの関係を求めておくことで、出力交流電圧Voに基づいて雰囲気の圧力Pを決定可能である。
図2は、圧力センサの別例300の構成を示す図である。圧力センサ300においては、図1に示される圧力センサ200の構成に含まれた励振信号源が不要である。本構成では、MEMS共振器100の出力電極103から出力される信号を増幅器G(301)と位相調整器φ(302)を介して入力電極102へ帰還させることにより、MEMS共振器100を周波数f0で発振させる。一定値制御部303は、入力電圧Vi(の最大振幅)を一定に保つために設けられている。一定値制御部303は、励振信号である入力電圧Viを観測し、入力電圧Viの最大振幅が一定に保たれるように、ゲイン指令信号γを出力して増幅器G(301)のゲインを調整する。雰囲気の圧力Pが低下(上昇)するのに伴い、MEMS共振器100の振動子101の振動振幅は増大(低下)するため、出力電極103から出力される信号は、圧力Pの低下(上昇)に伴い増大(低下)する。他方、一定値制御部303は、増幅器G(301)のゲインを調整して、入力電圧Viの最大振幅を一定に保つ。そのため、ゲイン指令信号γの値は、雰囲気の圧力Pに依存する。よって、圧力センサ300においては、ゲイン指令信号γの値から圧力Pを決定することができる。
しかしながら、振動子101の共振時の振幅XとMEMS共振器100のQ値との間に成立するX∝Qなる関係を利用した圧力検出は、以下の理由で、検出可能な圧力範囲が限定される。
図18に示すように、励振信号(電圧Vi)の周波数を掃引し、MEMS共振器100の振動子101を十分に小さな振幅で(線形領域で)励振させた場合、その共振特性111は、振動子101の共振周波数f0を中心に左右対称となり、掃引方向によるヒステリシスは現れない。しかし、例えば、雰囲気圧力Pが低下する等によりMEMS共振器100のQ値が増加し、振動子101の振動振幅がある程度以上に大きくなると(非線形領域に入ると)、図19に示すように、共振特性121に非線形性が顕著になり、入力電圧Viの周波数掃引方向の違いによるヒステリシスが現れる。図19に示すような非線形現象は、恒常的な静電力すなわち直流電位差(バイアス電圧)Vpによる静電力が常に振動子101に与えられた状態において振動子101と電極102または103との距離が近づきすぎることでこの恒常的な静電力が振動子101に過度に作用し、電極102または103が振動子101を引き込もうとする効果(キャパシティブ・バイファケーション)による。
キャパシティブ・バイファケーションによる効果が顕著になると、共振曲線121は、ピーク近傍において低周波数側に傾く。そして、Q値がさらに増大すると(例えば、圧力Pがさらに低下すると)、共振特性121の低周波数側への湾曲はさらに大きくなり、その一方で、共振周波数f0近傍における振幅値は殆ど変化しない。そのため、振動子101の振動運動が非線形領域にはいると、圧力センサ200において励振信号Viの周波数を共振周波数f0に固定して出力を観測する限り、振動子101の振幅の変化が鈍くなり、精度よい圧力測定が困難になる。
また、図2に示される圧力センサ300の構成においては、振動子101の振動運動が非線形領域にはいると、図19の共振特性121に示されるように、1つの周波数に対して複数の振幅条件が存在することから安定した発振ができなくなってしまい、発振信号(Vo)の周波数安定度が劣化し、圧力センシング動作が不能となる。
つまり、振動子101に空隙(ギャップ)goおよびgiを介して電極103および102を配置して静電容量CoおよびCiを形成し、静電力を振動子101に作用させるような所謂静電容量型MEMS共振器100を用いて、図1の圧力センサ200および図2の圧力センサ300のような構成で圧力を検出するには、検出したい圧力範囲において振動子101の振動振幅が空隙goおよびgiに対して十分に小さくなるように、振動子101を線形共振領域で動作させる必要がある。概して、振動子101の振動振幅が空隙goおよびgiの1/3を越える程度に大きくなると、振動子101の振動運動に非線形性が顕著に現れるようになるからである。そのため、図1および図2のようなセンサ構成で圧力を検出する場合、図17Bにおける空隙goおよびgiの電極102および103側から2/3の空間は、振動子101の振動に利用されない。
上記問題点を鑑み、本実施形態は、空隙goおよびgiをより有効に活用し、振動子101の振動の変化に基づいてより広い範囲で圧力を検出できる、MEMS共振器を用いた圧力センサを提供する。
2.実施の形態1
実施の形態1による圧力センサは、MEMS共振器を用いた圧力センサである。当該圧力センサにおいては、MEMS共振器に入力する励振信号の周波数を所定方向に掃引し、当該掃引中、少なくとも2つの周波数(「抽出周波数」)において振動子の振動状態を表す特徴量をMEMS共振器から抽出し、当該特徴量に基づいて振動子周囲の圧力を決定する。
上記の少なくとも2つの抽出周波数には、共振周波数近傍周波数と、掃引方向に関して当該共振周波数近傍周波数よりも後の周波数が含まれる。ここで、共振周波数近傍周波数とは、線形領域で振動運動する振動子の振動振幅が(励振信号の周波数の変化に関して)極大を示す周波数であり、MEMS共振器の機械的共振周波数と実質一致すると考えてよい。また、当該共振周波数近傍周波数は、一般に、図18のf0のように、線形領域における共振特性の左右対称性の対称軸が通る周波数である。なお、機械的共振周波数(共振周波数近傍周波数)は、環境の変化(圧力、温度等の変化)に応じて所定の変動を示す場合があることが知られる。励振信号の周波数掃引の方向は、非線形領域において振動子の共振特性のピークが傾く方向と一致する。例えば、MEMS共振器においてキャパシティブ・バイファケーションによる効果が優勢であって、振動子の共振特性が非線形領域において図19の共振特性121のようにピークが左に(低周波数側に)傾いている(湾曲している)場合、周波数掃引の方向は、高周波数側から低周波数側へ向かう方向である。またこのとき、掃引方向に関して共振周波数近傍周波数よりも後の周波数とは、共振周波数近傍周波数よりも低い周波数を指す。また例えば、MEMS共振器においてメカニカル・バイファケーションによる効果が優勢であって、振動子の共振特性が非線形領域において図20の共振特性131のようにピークが右に(高周波数側に)傾いている(湾曲している)場合、周波数掃引の方向は、低周波数側から高周波数側へ向かう方向である。またこのとき、掃引方向に関して共振周波数近傍周波数よりも後の周波数とは、共振周波数近傍周波数よりも高い周波数を指す。よって、掃引中に振動子の振動状態を表す量の抽出を行う周波数、すなわち抽出周波数、は、MEMS共振器の共振周波数近傍周波数と、周波数掃引の方向に沿って当該共振周波数近傍周波数よりも後にある周波数と、を含んだ少なくとも2つの周波数である。
これらの抽出周波数それぞれにおいて、振動子の振動状態(例えば、振幅、振動子の速度、たわみ、ねじれ)を表す特徴量(振動状態情報信号)がMEMS共振器から抽出され、圧力センサが、当該複数の特徴量に基づいて、例えば抽出された複数の特徴量の総和(積算値)に基づいて、雰囲気圧力を決定する。
このように、上述した所定方向に励振信号を周波数掃引することにより、振動子の共振特性はそのヒステリシスを考慮して一意的に決まる。また、共振周波数近傍周波数および掃引方向に対して共振周波数近傍周波数よりも後の周波数を含んだ、複数の抽出周波数において振動子の振動状態を表す特徴量を抽出するため、非線形効果による共振特性の湾曲の程度が当該複数の特徴量によく反映されるようになる。よって、複数の特徴量の総和(積算値)は、圧力の変化に応じて鋭敏に変化する量になる。したがって、本実施の形態の圧力センサは、振動子が非線形領域で動作するような圧力下においても、雰囲気圧力を精度よく測定できる。
図3は、実施の形態1による圧力センサ400の構成を示すブロック図である。圧力センサ400は、所定の方向で励振信号の周波数掃引を行い、周波数を次第に変化させながら励振信号(交流電圧)Viを共振器500へ出力する掃引部401と、非線形領域においてキャパシティブ・バイファケーションによる効果が顕著に現れる所謂静電容量型MEMS共振器500(共振周波数f0)と、共振器500から振動子の振動状態を表す特徴量(振動状態情報信号)を抽出し、抽出した振動状態情報信号に基づいて雰囲気圧力Pを決定し圧力情報信号として出力する信号処理部411と、掃引部401および信号処理部411を制御するコントローラ416と、を有する。
掃引部401は、コントローラ416によって制御されるPLLシンセサイザ402を備える。掃引部401のPLLシンセサイザ402は、コントローラ416からの掃引制御信号に従って、所定周期をかけて周波数f1(f1:f1>f0)からf2(f2:f2<f0)への周波数掃引を行う。繰り返しの周期は、任意の所定値でありとくに限定されず、また、掃引は、連続的に繰り返してもよいし、間欠的に行われてもよい。
MEMS共振器500は、周波数f1から周波数f2(f1>f0>f2)へ周波数掃引される励振信号Viを入力し、励振信号Viに応じた振動子の雰囲気中での振動により出力電極に流れる電流に応じた電圧を、振動運動を表す特徴量である振動状態情報信号として出力する。よって、ここでの振動状態情報信号は、振動子の振幅に対応した電圧信号(振幅情報信号)である。
信号処理部411は、積算部412と、変換部415と、を備え、積算部412は、検波器413および積算器414を含み、変換部415は、後述するQ値情報信号からMEMS共振器500のQ値を求め、さらに、求めたQ値から雰囲気の圧力を求めるための変換テーブル415Tを備える。
検波器413は、MEMS共振器500から受けた振動状態情報信号の振幅の包絡線検波を行う。積算器414は、コントローラ416からの積算トリガ信号にしたがって動作することにより、検波器413からの出力を積算し、積算値を変換部415へ出力する。積算器414は、所定の微小な時間間隔で(実質連続的に)検波器413の出力を積算することができる。ここでの積算は、掃引部401による周波数掃引の1周期にわたる積算である。よって、積算値は、掃引一周期にわたる、MEMS共振器500の振動状態情報信号(検波器413の出力)の時間積分と実質一致する。積算値は、Q値情報信号として変換部415へ出力される。
なお、積算器414は、各周期内において積算トリガ信号に従って検波器413からの出力を間欠的に(選択的に)積算することで、励振信号Viが所定の周波数(上述の2つ以上の抽出周波数のいずれか)を有するときのMEMS共振器500の振動状態情報信号のみを積算し、積算結果をQ値情報信号として変換部415へ出力することも可能である。
変換部415は、積算部412から受けたQ値情報信号について、変換テーブル415Tを参照し、MEMS共振器500のQ値を求めさらに求めたQ値と対応する雰囲気圧力Pを決定し、雰囲気圧力Pの情報を含んだ信号(圧力情報信号)を出力する。変換テーブル415Tは、Q値情報信号と、MEMS共振器500のQ値および当該Q値に対応する雰囲気圧力Pと、の関係を示すテーブルである。変換テーブル415Tは、予め求めておき、変換部415に格納しておく。
図4Aは、MEMS共振器500の構成を示す斜視図である。図17Aに示すMEMS共振器100との相違点は、図4Bに示すように、振動子支持部501sによって支持される振動子501の断面形状が三角形である点である。振動子501は、三角形断面のほぼ重心を回転中心としたねじり振動を行う。振動子501の長さは、100(μm)であり、共振周波数f0は、所定の温度・圧力等の環境下において、f0=20.7456(MHz)(ねじり共振モード)である。このような静電容量型MEMS共振器の構成(静電力により励振し、振動に伴う容量変化による電流を出力する共振器の構成)は、半導体プロセスで構成しやすく、集積回路への集積化に適しており、センサとセンサ信号処理系の高集積化が実現できる点で有利である。また、電極501と、電極502および503との空隙(ギャップ)は、150(nm)としている。
図5Aは、振動子501へのDC電圧(バイアス電圧)Vpを、Vp=1.8(V)とし、入力電極502への励振信号の電圧Vi(最大値)を、Vi=20(mV)とし、励振信号の周波数を掃引したときの、振動子501の振動振幅のプロット(601〜607)である。ここでの掃引開始周波数f1はf1=20.7460(MHz)とし、掃引終了周波数f2はf2=20.7430(MHz)とした(f1>f0>f2)。プロット601〜607は、振動子501を取り囲んだ雰囲気の圧力Pを除き、同一の条件で測定されたプロットである。各プロット601〜607には、(測定されたときの圧力Pに応じて変化する)MEMS共振器500のQ値が付記されている。
上述のように、MEMS共振器500のQ値と、雰囲気圧力Pと、の間には、Q∝(1/P)の関係がある。よって、あるプロットのQ値が、別のプロットのQ値に較べて高いことは、より低圧の雰囲気圧力Pで計測されたプロットであることを意味する。
プロット601〜603を見れば、振動子501を取り囲む雰囲気の圧力Pが低下するにつれ、MEMS共振器500のQ値が増大し、それに比例して共振周波数f0における振動子501の振幅が増大することがわかる。プロット601〜603は、図18の共振特性111のように左右対称のプロファイルを有する。つまり、プロット601〜603は、振動子501が線形領域で振動運動しているときの共振特性である。プロット601〜603をみればわかるように、線形領域においては、振動子501の共振周波数f0近傍での振幅は、Q値の変化(圧力の変化)に対して比較的鋭敏に反応している。
雰囲気圧力Pをさらに低下させると、MEMS共振器500のQ値がQ=120,000程度にまで増大したあたりでプロットが左側(低周波数側)へ傾き始める(プロット604)。つまり、MEMS共振器500では、そのQ値がQ=120,000程度に達したあたりで、振動子501の振動運動が非線形領域に入る。したがって、プロット604〜607は、振動子501が非線形領域で振動運動するときの共振特性である。プロット605〜607をみればわかるように、非線形領域においては、Q値が低い状態で共振波形が対称とみなせる中心周波数fsym(上述の共振周波数近傍周波数)近傍での振動子501の振幅は、Q値が変化(圧力が変化)しても殆ど変化しない。そして、プロット605〜607では、周波数fsymよりも低周波数側において振幅値が急峻に降下する。図19のヒステリシス曲線123にも見られるように、この降下は、非線形領域に特有のジャンプ現象である。ジャンプ現象が生じる周波数は、Q値によって変化し、Q値が高ければ高いほど(雰囲気圧力Pが低いほど)、ジャンプ現象が生じる周波数は低周波数側にシフトする。
図5Bは、横軸をMEMS共振器500のQ値として、プロット601〜607の振幅値についてf1からf2までの周波数掃引にわたって積算した値(sm601〜sm607)をプロット(白ヌキ点)し、各白ヌキ点を線分で接続したものである。図中の白ヌキ点、積算値sm601〜sm607は、それぞれ、プロット601〜607の振幅値の周波数掃引にわたる積算値である。ここでの積算は、周波数掃引に要した時間と比較して十分に短い時間間隔で行われ、その結果、積算値sm601〜sm607は、図5Aの、励振信号の周波数f2〜f1の範囲におけるプロット601〜607それぞれと横軸とが囲む領域の面積と十分によく対応している。
各点sm601〜sm607を繋いでなる線分は、励振信号Viの周波数をf1からf2へ掃引したときのMEMS共振器500の振動子501の振幅値の積算値が、MEMS共振器500のQ値の変化(雰囲気圧力Pの変化)に応じて、次第に変化する様子を示している。積算値sm604から積算値sm607に至る線分を見ればわかるように、周波数f1から周波数f2(f1>f0>f2)まで掃引したときの振動子501の振動振幅の積算値は、振動子501が非線形領域において動作する場合においても、雰囲気圧力Pの変化に鋭敏に反応する。
信号処理部411においては、先ず、積算部412が、周波数f1から周波数f2(f1>f0>f2)まで掃引したときの振動子501の振動振幅の積算値を算出し、当該積算値をQ値情報信号として変換部415へ出力し、次に、変換部415が、変換テーブル415Tを用いて、積算値(Q値情報信号)からMEMS共振器のQ値を決定し、さらに、決定したQ値から雰囲気圧力Pを決定する。なお、ここでは、変換テーブル415Tは、積算値(Q値情報信号)の値と、Q値および雰囲気圧力Pとの対応関係を示す参照表を想定しているが、変換テーブル415Tの態様は、参照表の形式に限定されない。例えば、変換テーブル415Tは、積算値(Q値情報信号)の値からQ値および雰囲気圧力Pを導出するための計算アルゴリズムであってもよい。
なお、MEMS共振器500のように、振動子501の励振または振動振幅検出の少なくともいずれかに静電方式を導入した場合、励振信号Viの周波数掃引は、例えば、共振周波数よりも高い周波数から共振周波数よりも低い周波数へ掃引することが好都合である。なぜなら、図19の特性121のように、キャパシティブ・バイファケーションによる非線形効果が顕著に現れると、共振特性が、低周波数側に湾曲するからである。これと関連し、参考までに図6を示す。図6は、キャパシティブ・バイファケーションによる非線形効果が顕著に現れる状況において、共振周波数よりも低い周波数から共振周波数よりも高い周波数へ掃引したときの共振特性のプロット705、706である。図19のヒステリシス曲線125にも示されるように、キャパシティブ・バイファケーションによる非線形効果が顕著に現れる状況において共振周波数よりも低い周波数から共振周波数よりも高い周波数へ掃引した場合には、MEMS共振器500のQ値の違いによる共振特性の差違は殆ど現れない。したがって、掃引にわたって積算された振動子501の振幅積算値に雰囲気圧力Pの違いは反映されにくく、そのような積算値から圧力Pを精度よく決定することは極めて困難である。
したがって、非線形領域においてキャパシティブ・バイファケーションによる非線形効果が顕著に現れ、共振特性が左側(低周波数側)に湾曲する場合には、励振信号Viの周波数掃引は、例えば、共振周波数よりも高い周波数から共振周波数よりも低い周波数へ掃引することが好都合である。よって、掃引開始周波数f1は、例えば、共振周波数f0以上であり、かつ、掃引終了周波数f2は、共振周波数f0未満であることが好都合である。
また、逆に図20に示したように非線形領域においてメカニカル・バイファケーションによる非線形効果が顕著に現れ、共振特性が右側(高周波数側)に湾曲する場合には、励振信号Viの周波数掃引は、例えば、共振周波数よりも低い周波数から共振周波数よりも高い周波数へ掃引することが好都合である。よって、掃引開始周波数f1は、例えば、共振周波数f0以下であり、かつ、掃引終了周波数f2は、共振周波数f0よりも高いことが好都合である。
なお、励振信号Viの周波数掃引を、共振周波数よりも高い周波数f1から共振周波数よりも低い周波数f2へ掃引してからさらに共振周波数よりも低い周波数f2から共振周波数よりも高い周波数f1へ掃引し、この往復的な掃引全体での振動子501の振動振幅を積算し、当該積算値をQ値情報信号として用いれば、非線形領域においてキャパシティブ・バイファケーションおよびメカニカル・バイファケーションのいずれが優勢であるかに関わらず、雰囲気圧力Pを精度よく検出することが可能である。
当然のことながら、このとき、励振信号Viの往復的な周波数掃引を、共振周波数よりも低い周波数から開始しても、非線形領域においてキャパシティブ・バイファケーションおよびメカニカル・バイファケーションのいずれが優勢であるかに関わらず、雰囲気圧力Pを精度よく検出することが可能である。
このように本実施形態による圧力センサ400は、MEMS共振器500に入力する励振信号Viの周波数を所定方向に掃引し、当該掃引中に、MEMS共振器500の振動子501の振動状態を表す特徴量(振動状態情報信号)をMEMS共振器から抽出し、当該特徴量に基づいて振動子周囲の圧力を決定する。抽出される特徴量は、少なくとも2つの抽出周波数における振動状態の特徴量を含む。抽出周波数は、上述の振動子共振周波数近傍周波数と、掃引方向に関して共振周波数近傍周波数よりも後の周波数が含まれる。振動子共振周波数近傍周波数は、MEMS共振器500の共振周波数(f=f0)、または、共振周波数に極めて近くかつ掃引方向に関して共振周波数よりも前の周波数(f≒f0かつf>f0(掃引方向が高周波数側から低周波数側へ向かう方向である場合)またはf≒f0かつf<f0(掃引方向が低周波数側から高周波数側へ向かう方向である場合))であればよい。掃引方向に関して共振周波数近傍周波数よりも後の抽出周波数は、例えば、図5Aにおける周波数fsbのように、共振周波数f0から十分に離れ、かつ、共振周波数f0よりも低い周波数(f<f0(掃引方向が高周波数側から低周波数側へ向かう方向である場合)またはf>f0(掃引方向が低周波数側から高周波数側へ向かう方向である場合))であればよい。
例えば、抽出周波数として、図5Aにおける周波数fsymおよび周波数fsbの2つが用いられる場合、2つの抽出周波数において検出された振動振幅の和すなわち積算値は、MEMS共振器500の振動振幅のジャンプ(急激な降下)が生じる周波数が、周波数fsbよりも低周波数側にあるか否かによって、大きく異なる。したがって、抽出周波数を上述の2つの周波数に限定した場合であっても、圧力センサ400は、MEMS共振器500の振動子501が非線形領域で振動するような圧力下において精度よく雰囲気圧力Pを検出することが可能になる。
このように、圧力センサ400は、掃引中に、上述のような少なくとも2つの周波数における振動子501の振動状態を表す複数の特徴量を抽出して当該特徴量の積算値に基づいて圧力を決定することで、MEMS共振器500の振動子501の振動運動が非線形領域にある場合にあっても、雰囲気圧力を精度よく求めることができる。当然のことながら、抽出周波数は、多ければ多いほどに、検出可能な圧力の範囲の拡大および圧力検出精度の向上が期待できる。
また、周波数掃引の速さ(df/dt)に限定はない。df/dtは、周波数掃引の範囲全域において一定であってもよいし、掃引の周波数範囲の所定部分において変化してもよい。例えば、特に精度よく検出したい圧力の範囲においてdf/dtを可変的に制御しつつ周波数掃引にわたり一定の時間間隔で振動子501の振幅を積算しつづけて積算値(Q値情報信号)を生成してもよい。そうすることで、積算値(Q値情報信号)には、特定の圧力範囲におけるMEMS共振器のQ値の変化がより鋭敏に精度よく反映されることが期待できる。
さらに、単一周波数の励振信号ではなく、本実施の形態のように、周波数掃引を行って当該掃引中に複数の周波数の励振信号での振動子の振動状態の特徴量を求め、求めた特徴量を積算することで圧力を決定することで、雰囲気の温度変化にも強い圧力センサを実現することができる。
たとえば、シリコンを素材とした振動子を用いる場合、振動子の弾性係数の温度特性により共振周波数はおよそ−20ppm/度(摂氏)の割合で変化する。例えば、共振周波数が約20MHzの振動子で100度(摂氏)の温度変化を許容するならば、最高温度と最低温度とでは、共振周波数が40kHz程度変動する。そのため、単一の周波数で励振する従来の方法ではこの温度変化に全く対応できない。図5Aに示した周波数掃引の範囲は3kHzであったが、この周波数掃引範囲を40kHz以上に拡大することで、周波数掃引範囲外に共振を逃すことなく、つまり、積算の範囲に共振状態が含まれるようにして積算値を得ることができる。つまり、周波数掃引範囲を、振動子の弾性係数の温度特性と、圧力センサの使用環境において想定される温度変化の範囲との積に基づいて、決定することで、周波数掃引範囲外に共振を逃すことなく、つまり、積算の範囲に共振状態が含まれるようにして積算値を得ることができる。あるいは、周波数掃引範囲を図5Aのように3kHz程度の狭い範囲に固定しても、温度計を併用し、温度情報に基づいて掃引開始周波数f1を適応的に制御することでも、共振状態を周波数掃引範囲外に逃さずに共振曲線の積算を行うことが可能になる。
なお、本圧力センサ400は、図19の共振特性121のような極性特性を示すキャパシティブ・バイファケーションに起因した非線形現象のみならず、図20の共振特性131のような共振特性を示すメカニカル・バイファケーションに起因した非線形現象にも有効である。メカニカル・バイファケーションは、振動子のばね性の非線形性により図20の共振特性131のように共振曲線が周波数の高い方向へ傾く現象である。振動子のばね性の非線形性は、振動振幅を比較的大きくとると発生する現象であり、図17Aや図4Aに示した静電容量型MEMS共振器100および500のように、振動を阻害するように電極を振動子に対向させて配置する構成では、(キャパシティブ・バイファケーションによる非線形効果が、メカニカル・バイファケーションによる非線形効果を上回るため、)概して発生しにくい。
なお、本圧力センサの原理の適用は、実施の形態1で述べた、振動子501をとりかこむ雰囲気ガスの圧力変化を検出する圧力センサ400に限定されない。本原理は、センサ外部の圧力(流体圧や押圧)によって振動子と電極の間のギャップ距離が変化するタイプの圧力センサにも適用できる。そのような圧力センサにおいて用いられるMEMS共振器の概念図を図7に示す。図7は、図17Bの静電容量型MEMS共振器100に、(流体圧や押圧といった)圧力Pを受けてギャップgoおよび/またはgiを変化させる機構を備えたMEMS共振器100xの断面図である。MEMS共振器100xの電極102xおよび103xは、ばね性を有する部材で支持されており、圧力Pといった力を受けて変位することができる。つまり、ここでの圧力Pを受けてギャップgoおよび/またはgiを変化させる機構は、ばね性を有し、電極102xおよび/または電極103xを支持する部材である。センサ外部の圧力P(流体圧や押圧)によって、(バネ107xおよび108xで表される)ばね性が付加された電極102xおよび103xが変位され、その結果、ギャップgoおよびgiが、圧力Pに応じて変化する。つまり、MEMS共振器100xにおいては、圧力Pを受けてギャップgoおよび/またはgiが変化する機構の作用により、振動子101xと電極102xとが形成する静電容量Ciおよび振動子101xと電極103xとが形成する静電容量Coの大きさが、圧力Pにしたがって変化する。振動子101xが線形の共振領域で振動運動しているときに、圧力Pの作用を受けてギャップ間隔が小さくなると、振動子101xの振動運動は、非線形の共振領域にはいる。本実施の形態によれば、この非線形領域においても励振信号の周波数を高い方から低い方へ掃引し、振動状態情報信号を積算することで、圧力Pを検出することができる。
図8に、センサ外部の圧力(流体圧や押圧)によって振動子と電極の間のギャップ距離が変化するタイプのMEMS共振器の、より具体的な構成の例を示す。図8のMEMS共振器500xは、図4のMEMS共振器500と同様、三角形断面を有する梁のねじり共振器である。振動子501x、ならびに、電極502xおよび503xは、隔壁層504xおよびダイアフラム505xによって形成される閉空間507xに包含されている。この閉空間507xの圧力Piは一定に保たれる。閉空間の圧力Piを、特に、真空状態とすることで、振動子501xが気体の粘性抵抗を受けずに高いQ値で共振可能な状態となる。閉空間507xの外からダイアフラム505xに作用する圧力P(流体圧や押圧)が増加すると、ダイアフラム505xがたわみ、そのたわみにより、ピラー506xを介して電極502xおよび503xがたわむ。つまり、ここでの圧力Pを受けてギャップを変化させる機構は、外部の圧力Pを受けるダイアフラム505x、ならびに、ダイアフラム505xと電極502xおよび/または電極503xとの間に介在するピラー506xである。電極503xがたわむことにより、電極503xと、振動子501xと、の間のギャップが狭くなり、振動子501xの共振振動の非線形性の度合いが変化する。電極502xおよび503xのたわみ量は、ダイアフラム505xのたわみ量と一定の対応関係(例えば、比例関係)を示す。なお、電極502xは、電極503xに比べて、振動子501xとの間のギャップを静電力の作用が無視できるほどまで広くとっている。信号の入力と出力の構成は、図13を用いて後述する、電極503xと振動子501xのみで行う構成としている。電極として機能しない電極502xを設けている理由は、圧力Pによるダイアフラム505xのたわみ変位を左右対称とするためである。
図9は、振動子501xへのDC電圧(バイアス電圧)Vpを、Vp=1.8(V)とし、入力電極503xへの励振信号の電圧Vi(最大値)を、Vi=100(mV)とし、励振信号の周波数を高いほうから低い方へ掃引したときの、振動子501xの振動振幅のプロット901、902、および、903を示すグラフである。当該プロット901、902、および、903は、振動子501xと電極503xとの間のギャップ間隔を除き、同一の条件で測定されたプロットである。プロット901は、ギャップ間隔が250(nm)、プロット902は、ギャップ間隔が200(nm)、プロット903は、ギャップ間隔が150(nm)のときの振動子振幅のプロットである。図より明らかなように、ギャップ間隔以外の条件が同一である場合、ギャップが250nm、200nm、150nmと縮まるにつれて、共振特性は非線形性をより強く示すようになる。
例えば、f=20.7454MHz付近の単一周波数で振幅を観測する限り、プロット901(ギャップ間隔=250(nm))と、プロット902(ギャップ間隔=200(nm))の振幅は同等であり、当該観測で得られる振幅値からギャップ間隔の違いを検知することはできない。
だが、励振信号の周波数を掃引し、掃引中に測定した振幅を積算すれば、積算値は、ギャップ間隔の違いにより、明らかな違いを見せる。
図10は、周波数f1=20.7460(MHz)と、f2=20.7430(MHz)と、の間で、励振信号の周波数を掃引したときの、振幅の積算結果を示す図である。積算値sm901は、プロット901(ギャップ間隔=250(nm))において、励振信号の周波数をf1とf2との間で掃引した場合の振幅の積算値を示し、積算値sm902は、プロット902(ギャップ間隔=200(nm))において、同様にして励振信号の周波数を掃引した場合の振幅の積算値を示し、積算値sm903は、プロット903(ギャップ間隔=150(nm))において、同様にして励振信号の周波数を掃引した場合の振幅の積算値を示す。このように、振幅の励振信号周波数掃引にわたる積算値は、振動子501xと、電極503xと、の間のギャップの大きさの変化に従って大きく変化する。したがって、このような積算情報を利用することにより、ギャップ250nm、200nm、150nmの違いを容易に検出することが可能である。
このように、本実施の形態によれば、振動子と電極との間のギャップが測定対象圧力とよく対応するように構成されたMEMS共振器を用いても、当該圧力を幅広く測定可能である。この場合、掃引にわたる振動状態情報(例、振幅)の積算値とギャップ間隔との関係、および、ギャップ間隔と圧力との関係を予め求めておき、当該関係を変換部415の変換テーブル415Tに格納しておけばよい。なお、ここでも、変換テーブル415Tは、積算値の値と、ギャップ間隔および圧力Pとの対応関係を示す参照表に限定されず、例えば、変換テーブル415Tは、積算値の値からギャップ間隔および雰囲気圧力Pを導出するための計算アルゴリズムであってもよい。
3.変形例
3−1.信号処理部変形例
図11は、圧力センサ400の変形例の構成を示すブロック図である。変形例400vは、信号処理部411vの積算部412vの構成が、圧力センサ400のそれと異なる。積算部412vは、同期検波を行うことができる検波器413vを備える。検波器413vには、PLLシンセサイザ402の周波数情報をリファレンス信号として与えられる。これにより、積算部412vがする検波の精度が向上し、よって、積算値(Q値情報信号)の質の向上が期待できるようになる。したがって、圧力測定の精度のさらなる向上が期待できる。
3−2.MEMS共振器変形例
本実施形態の圧力センサが備えるMEMS共振器は、図4Aに示すような、ねじれ振動モードで共振する静電容量型MEMS共振器500に限定されない。
図17Aに示すような、両持ち梁型の振動子101を備え、たわみ振動モードで共振する静電容量型MEMS共振器100も、本実施形態の圧力センサのMEMS共振器として用いてよい。
なお、振動子は、振動子101および501のような両持ち梁に限定されない。片持ち梁型、ディスク型、リング型、スクエア型といった多様な形態の振動子は、いずれも、本実施形態の圧力センサのMEMS共振器の振動子として用いてよい。
励振信号の入力によりMEMS共振器の振動子に励起される振動モードは、たわみ振動モード、ねじり振動モード等、いかなる振動モードであってもよい。
MEMS共振器の製造方法は、SOI基板を用いる方法に限定されない。
3−3.振動状態情報信号の例
信号処理部411は、振動状態情報として、振動子501の振幅情報以外の情報を入力し、入力した情報を積算してQ値情報信号を生成することが可能である。
図12は、図17Aのようなたわみ振動モードで共振するMEMS共振器において、その振動子の振動により出力電極を流れる電流(に応じた電圧(振幅情報信号))を、振動状態情報として出力するための構成例である。本図に示される構成は、振動子の共振振動の振動モードが違う点を除き、図4Aおよび図4Bに示される構成と実質同一である。
また、図13に示すように、高インピーダンス素子を介して、振動子と、バイアス電圧源とを接続し、振動子を出力電極として機能させ、振動子からその振動により流れる電流(に応じた電圧(振幅情報信号))を、振動状態情報として取り出してもよい。
また、振動状態情報信号は、容量変化にともなって流れる変位電流に由来する信号に限定されない。図14は、振動子の振動の速度を光学的に検出し、振動子の振動速度情報の信号を、振動状態情報として出力するための構成を示す図である。本例では、ドップラ干渉計(速度計)をさらに設け、振動子の振動速度を検出している。検出された振動速度の情報は、振動状態情報信号(振動速度情報信号(交流電圧Vo))として信号処理部411へ出力される。
また、振動状態情報信号は、振動子のたわみに関する情報であってもよい。図15は、レーザ光源を備え、レーザ光源からレーザ光を振動子に対して照射し、反射レーザ光を4分割フォトダイオードで受けて、振動子のたわみ角を検出するための構成を示す図である。本例では、振動子のたわみの程度(たわみ角)を4分割フォトダイオードで検出し、検出されたたわみ角の情報は、振動状態情報信号(たわみ角度情報信号)として信号処理部411へ出力される。なお、振動子のたわみ角を検出するためのフォトダイオードの分割数は、4に限定されない。任意の数に分割されたフォトダイオードを、振動子のたわみ角を検出するためのフォトダイオードとして使用することができる。
このように、信号処理部411へ入力するべき振動状態情報信号は、振動子の振幅情報信号に限定されない。振動状態情報信号は、振動子の振動運動の特徴(振動の振幅や速度等)がよく反映された情報を含んでいればよい。
3−4.メカニカル・バイファケーションが顕著に現れるMEMS共振器の例
図16は、静電容量型でないMEMS共振器(非静電容量型MEMS共振器)の一例を示す図である。MEMS共振器800は、シリコンから片持ち梁801と支持部801sとが形成され、支持部801sが図示しない基板部分に固定された構成を有する。片持ち梁801の支持部801s側の端部近傍には、圧電素子802が搭載されており、圧電素子802に、励振信号が印加される。これにより、片持ち梁は、励振信号に応じた振動運動を行う。レーザ光源803から照射され、片持ち梁で反射されたレーザ光は、4分割フォトダイオード804によって受光される。4分割フォトダイオード804は、振動にともなう片持ち梁801のたわみ角を検出し、たわみ角度情報信号として出力する。たわみ角度情報信号は、図示しない信号処理部411へ振動状態情報信号として入力される。なお、片持ち梁801のたわみ角を検出するためのフォトダイオードの分割数は、4に限定されない。任意の数に分割されたフォトダイオードを、片持ち梁801のたわみ角を検出するためのフォトダイオードとして使用することができる。
このような構成を有するMEMS共振器800においては、片持ち梁(振動子)801の振幅が大きくなると、メカニカル・バイファケーションによる非線形効果が現れる。そのため、共振特性は、図20の共振特性131のように、右側に(高周波側に)湾曲する。非線形領域において図20のような特性が表れる場合には、共振周波数(共振周波数近傍周波数)よりも低い周波数から共振周波数(共振周波数近傍周波数)よりも高い周波数に向かって励振信号の周波数を掃引し、掃引中にMEMS共振器800から出力される振動状態情報信号(たとえば、たわみ角度情報信号)を積算してQ値情報信号を求め、当該Q値情報信号から雰囲気圧力Pを決定すればよい。
なお、図16においては、励振信号に従って振動子801にひずみを与える素子として圧電素子802を用いたが、ひずみを与える素子は圧電素子802に限定されない。例えば、ひずみを与える素子は、磁歪素子でもよい。また、振動子801は、片持ち梁型に限定されず、両持ち梁型でもよい。その場合、両持ち梁に交流電流を入力し、梁を貫通するように外部静磁界をかけることで、ローレンツ力によって振動子を励振させることもできる。
また、フォトサーマル効果による光励振を用いることもできる。明滅するレーザ光を集光させて振動子にスポット照射することで、振動子のスポット部分が熱せられてひずみが発生し、振動子を励振させることができる。
また、振動状態情報信号を生成し出力する手法は、4分割フォトダイオードを用いる方法に限定されない。例えば、振動子上に形成したピエゾ抵抗素子や圧電素子を用いれば、振動子の振動にともなうひずみを電気信号の変化として出力することができる。
本実施の形態によるMEMS共振器を用いたセンサは、広範囲にわたり圧力を精度よく測定することができ、圧力センサとして有用である。
100 ・・・ 静電容量型MEMS共振器
100x・・・ 静電容量型MEMS共振器
101 ・・・ 振動子
101x・・・ 振動子
102 ・・・ 入力電極
102x・・・ 入力電極
103 ・・・ 出力電極
103x・・・ 出力電極
107x・・・ ばね性部材
108x・・・ ばね性部材
400 ・・・ 圧力センサ
401 ・・・ 掃引部
402 ・・・ PLLシンセサイザ
411 ・・・ 信号処理部
412 ・・・ 積算部
413 ・・・ 検波器
414 ・・・ 積算器
415 ・・・ 変換部
415T・・・ 変換テーブル
416 ・・・ コントローラ
500 ・・・ 静電容量型MEMS共振器
500x・・・ 静電容量型MEMS共振器
501 ・・・ 振動子
501x・・・ 振動子
501s・・・ 振動子支持部
502 ・・・ 入力電極
502x・・・ 電極
503 ・・・ 出力電極
503x・・・ 入力電極
504x・・・ 隔壁層
505x・・・ ダイアフラム
506x・・・ ピラー
507x・・・ 閉空間
800 ・・・ 非静電容量型MEMS共振器
801 ・・・ 振動子(片持ち梁)
801s・・・ 支持部
802 ・・・ 圧電素子
803 ・・・ レーザ光源
804 ・・・ 4分割フォトダイオード

Claims (10)

  1. MEMS共振器を用いた圧力センサであって、
    MEMS共振器と、
    前記MEMS共振器の振動子の共振周波数f0を内に含む所定の周波数範囲にわたって所定の掃引方向に沿って励振信号の周波数を掃引しつつ前記励振信号を前記MEMS共振器へ出力する掃引部と、
    前記掃引において、前記MEMS共振器から、前記振動子の振動状態を表す特徴量である振動状態情報信号を入力し、前記励振信号の周波数が互いに異なるときの複数の前記振動状態情報信号を積算し、当該積算値を出力する積算部と、
    前記積算値に基づいて前記MEMS共振器に作用する圧力を決定する変換部と、を有する、圧力センサ。
  2. 前記積算部は、前記掃引において、前記励振信号が前記掃引方向に沿って前記共振周波数f0以前の周波数を有するときの振動状態情報信号と、前記励振信号が前記掃引方向に沿って前記共振周波数f0よりも後の周波数を有するときの振動状態情報信号と、を含んだ少なくとも2つの振動状態情報信号を積算することにより前記積算値を求める、請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記MEMS共振器は、静電容量型MEMS共振器であり、
    前記掃引部は、前記共振周波数f0以上の周波数である掃引開始周波数f1から、前記共振周波数f0未満の周波数である掃引終了周波数f2まで、前記励振信号の周波数が次第に低くなる方向に前記掃引を行う、請求項2に記載の圧力センサ。
  4. 前記静電容量型MEMS共振器の振動子は、前記MEMS共振器に作用する圧力に等しい圧力の雰囲気に取り囲まれており、
    前記変換部は、前記積算値に基づいて前記MEMS共振器のQ値を求め、求めたQ値に基づいて前記圧力を決定する、請求項3に記載の圧力センサ。
  5. 前記静電容量型MEMS共振器は、
    振動子と、
    該振動子とギャップを隔てて配される電極と、
    前記静電容量型MEMS共振器に作用する圧力の大きさに応じて前記ギャップの大きさを変化させる機構と、
    を備え、
    前記変換部は、前記積算値に基づいて前記ギャップの大きさを求め、求めたギャップの大きさに基づいて前記圧力を決定する、請求項3に記載の圧力センサ。
  6. 前記振動状態情報信号は、前記振動子の振動振幅に関する情報を含んだ信号である、請求項2乃至5のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  7. 前記振動状態情報信号は、前記振動子の振動速度に関する情報を含んだ信号である、請求項2乃至5のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  8. 前記振動状態情報信号は、前記振動子の振動運動に伴うたわみの角度に関する情報を含んだ信号である、請求項2乃至5のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  9. 前記掃引開始周波数f1と、前記掃引終了周波数f2と、の差の絶対値は、振動子の弾性係数の温度特性と、圧力センサの使用環境において想定される温度変化の範囲との積に基づいて、予め決定される、請求項3乃至5のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  10. 前記MEMS共振器は、非静電容量型MEMS共振器であり、
    前記掃引部は、前記共振周波数f0以下の周波数である掃引開始周波数f1から、前記共振周波数f0より高い周波数である掃引終了周波数f2まで、前記励振信号の周波数が次第に高くなる方向に前記掃引を行う、請求項2に記載の圧力センサ。
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