JP2013535664A - 薄膜の変形の測定のためのトンネル接合を有する赤外線センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】
力を受ける面の変形の測定のための強固でありつつ高い感度を有するセンサ装置を提供すること。
【解決手段】
力によって生じる面の変形を測定するためのセンサ装置において、前記面M上に、同一平面における第1のストリップS1及び第2のストリップS2を、トンネル接合を形成するために配置し、これら第1及び第2のストリップのうち少なくとも前記第1のストリップS1を前記面Mにおいて可動に配置し、これにより、力の作用により生じる前記面の変形時に、前記両ストリップS1,S2の間隔が互いに拡大するよう構成した。

Description

本発明は、センサ装置に関するものである。
特許文献1には、液体を充填された測定チャンバの壁部における変形可能な薄膜を備えたセンサ装置が開示されている。熱輻射によって生じる流体の膨張が薄膜へ伝達され、この薄膜の変形の読み出しは、薄膜における流体の反対側においてコンデンサによって容量式になされる。赤外線センサには、比較的感度が低いという欠点がある。
非特許文献1には、請求項1の前提部分に基づくセンサ装置が開示されている。このセンサ装置は、同様に赤外線センサとして設計されている。信号の読み出しは、トンネル接合によって保障されている。この装置の構造の欠点は複雑であることにある。薄膜の大きなたわみは、トンネル接合の破壊を引き起こしかねず、そのため、熱輻射の測定ができなくなってしまう。
独国特許出願公開第102008018504号明細書 米国特許第5298748号明細書
Kenny, TW、「Micromachined Infrared Sensors Using Tunneling Displacement Transducers」、Rev. Sci. Instrum.、1996年、p. 112-128
本発明の目的とするところは、力を受ける面の変形の測定のための強固でありつつ高い感度を有するセンサ装置を提供することにある。
上記目的は、請求項1記載の発明によって達成される。好ましい実施形態は、これに関連した従属請求項に記載されている。
力によって生じる面の変形を測定するためのセンサ装置において、変形可能な面上で第1のストリップS1及び第2のストリップS2が平面的に、すなわち同一面でトンネル接合を形成するために配置されていることを特徴としている。これら第1及び第2のストリップのうち少なくとも前記第1のストリップが変形可能な面において固定されていない部分を備えている。この部分は、可動であるとともに、指針となっている。力の作用又は圧力の作用による面の変形は、可動の、すなわち第1のストリップにおける面に固定されていない部分へ伝達され、その結果、両ストリップS1,S2のトンネル接合の範囲における間隔d1が幾何形状的な割合に基づいて互いに拡大する。力の作用により生じる間隔及びトンネル電流の変化は、面の変形に対する量として直接測定される(非制御動作)。これに代えて、フィードバック制御を用いることができ、この場合、電子回路により例えば電子アクチュエータである復帰要素を制御するとともに、接点間隔あるいはトンネル電流が一定に維持される。このような形態においては、フィードバック制御の復帰信号が変形に対する量として記録される(制御動作)。
第1のストリップにおける可動の部分の移動は、基本的に両ストリップの平面から離れるようになされる。
好ましくは、センサ装置が、第2のストリップS2よりも長い第1のストリップS1を備えている。これにより、好ましくは、力の作用による面の変形を通常位置から第1のストリップにおける可動の部分のたわみへの高い変換に作用する。そのため、幾何形状的な割合に基づき、面の最小の変形がトンネル接合における第2のストリップに対する第1のストリップの間隔d1の非常に大きな変化を生じさせることになる。これにより、好ましくは、センサ装置が面の変形に対して高い感度をもって反応する。
力の作用及び面の変形の箇所は、両ストリップS1,S2の直下であり得、これに伴い直接トンネル接合の範囲であり得る。両ストリップが面の表面において同一平面に配置されているため、面の変形が力の作用によってこの箇所でトンネル接合における直接両ストリップの間隔d1へ押し出す。そして、第1のストリップは、その可動部分において通常位置から持ち上げられ、面の接線方向へ拡開される。
第1のストリップの可動の固定されていない部分は、好ましくは面のたわみ線の変曲点Wの範囲が起点となっている。これにより、好ましくは、第1のストリップが指針として開放され、変形した平面から接線方向へ拡開する。このとき、指針の水平方向すなわち面における変形していない状態に対する拡開角度αが最大の角度を占める。
円形状で縁部が締め付けられつつ半径Rを有する薄膜の場合には、水平方向に対する最大角度αは、薄膜の中心点周りの半径
Figure 2013535664
を備えた円上に位置する。接点間隔の薄膜の最大のたわみに対する割合としての最大の変換は、中央において約2.9となる。
センサ装置のトンネル接合の下方におけるこのような増幅の種類は、必ずしも必須ではない。力の作用による面の変形がトンネル接合の範囲外で、すなわち両ストリップS1,S2の直下でなされない場合には、第1のストリップS1の可動部分がたわむことが可能である。
特許文献1に記載されているように、本発明によるセンサ装置によれば、感度の高い読み出し方法により、これに比べて本質的により小さな薄膜の変形を検知することが可能で、そのため、高い感度の赤外線センサを構築することが可能である。本発明においては、非特許文献による従来技術(上記参照)に比して更に強固なセンサ装置が提供される。これは、位置平面におけるトンネル接合のためのストリップが変形可能な面の表面上に位置し、そのため面の変形が常にトンネル接合における間隔d1の拡大を生じさせ、これにより接点の衝突が回避されるためである。
センサ装置に基づき、特に好ましくは赤外線センサ及び変形センサがひずみゲージの場合のようにセンサ群として提供される。
ストリップは、従来技術において公知の多層膜技術によって製造することが可能である。このストリップは、それぞれその端部において、変形可能な面の表面上に固定されている。第2のストリップS2は、更に好ましくは、完全に変形可能な面の表面上に固定されることができる。
より長い第1のストリップS1は、変形可能な面に固定されていない可動の自由長さL2を有する部分と、面に固定された長さL1を有する部分とを備えている。円形状かつその縁部で締め付けられた半径Rを有する薄膜においては、長さL2が好ましくは
Figure 2013535664
となり、長さL1が好ましくは
Figure 2013535664
となる。自由長さL2は、絶対的に考察され、できる限り長く形成される。このことは、第2のストリップS2を短くすること、及び/又は第1のストリップにおけるL2:L1の比率を大きくすることでなされる。
第1のストリップにおける可動部分は、好ましくは面のたわみ線の変曲点Wの範囲を起点としている。これにより、好ましくは、第1のストリップが指針として開放され、変形した平面から接線方向へ拡開する。このとき、指針の水平方向すなわちへ面における変形していない状態に対する拡開角度αが最大となる。
これにより、好ましくは、顕著な可動性及び変形に基づき生じるトンネル接合における間隔のd1からd2への変化の特に大きな変換が生じる。このようにして高感度のセンサ装置が提供される。
第1のストリップ又は両ストリップは、できる限り大きな弾性係数を有する材料で構成されている。イリジウムは、例えば528GPaの弾性係数を有している。これにより、弾性係数と第1のストリップの軸方向の断面二次モーメントの積としての高い剛性が生じる。この剛性は、センサ装置の頑強性に直接影響する。
イリジウム、タンタル、パラジウム、タングステンのような硬質で化学的に不活性な材料又はこのような化学的に不活性な材料の合金、例えば様々な混合比率の白金/イリジウムや、シリコン又はシリコンカーバイドのようなセラミック材料が接点範囲において金属化されることが可能であるか、又はドーピングすることで金属的な特性を備え、オーム接触抵抗を形成する場合には、両ストリップは、好ましくは、イリジウム、タンタル、パラジウム、タングステンのような硬質で化学的に不活性な材料又はこのような化学的に不活性な材料の合金、例えば様々な混合比率の白金/イリジウムや、シリコン又はシリコンカーバイドのようなセラミック材料で構成されている。
ストリップの幅がストリップ厚さと同一であれば、第1のストリップの軸方向の断面二次モーメントが最適に選択されている。そうすれば、両主軸方向の剛性は同一である。製造上の理由から、ストリップの幅はストリップの厚さよりも10〜100倍大きくなっている。これは、ストリップの自重がストリップの無視できる程度のたわみを引き起こすこのに対するものである。
高い信号ノイズの原因となる周囲から誘起される振動が第1のストリップS1自身の振動の励起とはならないよう、第1のストリップの共振振動数fは例えば数kHzから数MHzである1kHzより大きい必要がある。
矩形上の断面を有する第1のストリップにおける最小の共振振動数は、
Figure 2013535664
である。ここで、第1のストリップS1の単位長さ当たりの質量がmであり、ストリップ長さがlである。あらかじめ設定された長さl及び所望の高い昇進振動数は、ここでは材料の選択に応じて、第1のストリップの幾何形状の選択に対する設定が生じる。幅b=50μm、高さh=1μm及び長さl=0.355mmのイリジウム製の接触アームにおいては、最も低い共振振動数f=6.2kHzが得られる。
第1のストリップS1の全長は、円形状の薄膜においては、半径Rが
Figure 2013535664
までとなる。
両ストリップS1,S2が、上記式に基づいて採寸される長さ及び材料を有しているのが好ましい。
本発明の一実施形態においては、変改可能な面が流体で充填された測定チャンバの構成部材となっている。これにより、例えば入射する熱輻射の結果流体が膨張することに基づくセンサ装置を容易に提供することが可能である。
測定チャンバの壁部の一部分は、面Mの形成のための柔軟な薄膜として形成されている。流体の膨張は、薄膜の変形をもたらす。薄膜における測定チャンバとは反対側に配置されたストリップは、薄膜の変形を検出するための測定装置を形成している。少なくとも第1のストリップが可動であるため、ストリップS1,S2の間隔d1がトンネル接合の範囲において拡大される。
特に好ましくは、センサ装置が、電磁ビームを透過させるウインドウを測定チャンバの壁部に備えている。これにより、高感度かつ非常に強固な赤外線センサを提供することができる。
また、2つより多くのストリップを同一平面において変形可能な面の表面上に配置することも考えられる。ストリップの数を2倍にすることで、トンネル接合が2倍となる。そして、各2つのストリップがトンネル接合の形成のために互いに割り当てられる。これにより、好ましくは、ストリップ対の位置及び面におけるトンネル接合の形成に応じて、面の変形に対する測定が行われ得る有効範囲が拡大される。
1つ又は複数のトンネル接合を備えたセンサ装置は、基本的に2つの異なる方法によって動作する:制御された動作においては、固定して調整された、フィードバック制御により保証されているか、又はフィードバック制御なしに自由に変化する接点間隔である。
変化する間隔を有する接点:ここでは、第1のストリップとしての接触アームのたわみにより接点間隔が生じる。接点間隔d1に依存して、測定量として変化するトンネル電流が生じる。この動作様式は、従来の破断接合(英語:Break Junctions)の技術により公知である。好ましくは、他の更なる制御が不要である。さらに、製造も簡易である。
一定の間隔を有する接点:ここでは、フィードバック制御が使用され、常に一定のトンネル電流がストリップS1,S2の固定された一定の間隔において保証されている。このような動作様式は、第1の動作様式のように、走査トンネル顕微鏡の従来技術である。
トンネル顕微鏡においても、接点間隔が制御される。原則的には、一定のトンネル電流又はトンネルピークとプローブの間の一定の間隔による動作である。アクチュエータとして、例えば、トンネルピークの復帰を生じさせる圧電素子が使用される。この技術は、従来技術である。
例えば接点が形成されたシリコンウエハの一部をひずみゲージの場合のように測定すべき部材上に接着する場合には、この接点の他の応用は、機械的な部材のわずかな変形の測定であり得る。
第1及び第2のストリップの形状は、必ずしも矩形状である必要はなく、また、全長にわたって一定の断面を有する必要もない。ストリップは、共振振動数を高めるために、例えば三角形として形成されてもよい。
本発明によれば、力を受ける面の変形の測定のための強固でありつつ高い感度を有するセンサ装置を提供することが可能である。
面M及びストリップS1,S2から成るセンサ装置の原理を示す図である。 トンネル接合T1を備えたセンサ装置についての実施例を示す図である。 測定チャンバ1及び透明なウインドウ2を備えた赤外線センサを示す図である。 製作方法、破断接点(F=力)を示す図である。 圧電素子Pによるフィードバック制御を示す図である。 圧電素子積層部PSによるフィードバック制御を示す図である。 静電的アクチュエータによるフィードバック制御を示す図である。 アクチュエータ及び補償チャンバによるフィードバック制御を示す図である。 3つのトンネル接合T1〜T3を備えたセンサ装置の実施例を示す図である。 製作方法を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。これは、本発明の範囲を減縮するものではない。
各図における同様の符号は、1=測定チャンバ;2=透明なウインドウ;W=面あるいは薄膜Mのたわみ線の変曲点を意味する。
図1には断面において非常に簡略化してセンサ装置の原理が示されている。両ストリップS1及びS2は、両者とも同一の平面において面としての変形可能な薄膜Mの表面上に位置している。これらストリップS1,S2の平面的かつ開放した配置により、製造が本質的に簡易化される。さらに、ストリップS1,S2の衝突の欠点が非特許文献1に基づく先行技術のように過負荷において防止される。これは、非特許文献1におけるものとは異なり、トンネル接合における間隔d1の配置により拡大のみが可能であるためである。
図1によれば、薄膜M上には、例えばイリジウムなどの機械的に硬質な材料から成る電気的に接触可能なストリップ接点S1,S2が蒸着及び構築によって薄膜Mに設けられている。この薄膜Mの最大の大きさAのたわみ時には、ストリップS1,S2がその通常位置から持ち上げられ、間隔d1がd2へ拡大する。ストリップS1とストリップS2の衝突が起こらないため、図示された形態において、幾何形状がすでに従来技術よりも良好である。一方、トンネル接合の開口部d2が測定すべきたわみAよりも小さいため(減速)、このセンサ装置は、本発明によるものほど高い応答性とはなっていない。
しかしながら、図2に平面図で示すように、適当な幾何形状によって変換を達成することが可能である。このとき、第1のストリップ接点S1は薄膜縁部まで図中右方へ延長され、他のストリップ接点S2はこれに応じて短縮される。これら両ストリップは、トンネル接合に位置している。長い方の第1のストリップの自由長さL2すなわち薄膜Mに結合されずに可動となっている区間は、できるだけ長く形成されている。
自由長さL2を有するこの可動の部分は、薄膜Mのたわみ線の変曲点Wを起点としている。このような配置により、長いストリップS1は、力の作用によって生じる薄膜Mの変形により接線方向へ拡がる。これにより、測定すべきたわみの3倍の変換が容易に得られる。すなわち、図1に示すように、たわみAが3倍の変換d2/A=3によって測定される。
図3には、図2に基づくセンサ装置の赤外線センサへの統合が断面で示されている。センサ装置を有さない測定チャンバ1は、基本的に特許文献1に示されたものと同様に構成されている。この測定チャンバはこれに記載された様式で製造されるとともに、通常は、同様の材料で構成されている。製造及び材料に関しては、特許文献1の内容が本願においても受容されている。
測定チャンバ1内の流体Fは、熱輻射の入射後ウインドウ2を介して測定チャンバ1内で膨張する。この圧力変化により、薄膜Mが押し出され、この薄膜は、図中上方へ変形する。自由長さL2を有する長い第1のストリップS1が正確にたわみ線の変曲点Wを起点としているため、第1のストリップS1の薄膜Mによる接線方向の拡開が可能であり、この結果、間隔d1(図3a)がd2(図3b)へと拡大する。これにより、好ましくは、指針としての第1のストリップが解放されるとともに変形した面から接線方向へ拡がるという作用が生じ、指針の水平方向(X−Xで示されている)すなわち変形してない面の状態に対する拡開角度αが可能な限り大きくなる。
一方、図2に示すような原理を当然他の配置及びセンサ装置、例えばひずみゲージへ応用される。
トンネル接合の製作:
駆動様式に応じて、トンネル接合の異なる形態が生じる。基本的に提案される全ての実施例は、当業者にとって従来技術から公知である多層膜技術において実施されることができる。
トンネル接合を製作するために、残留している結合箇所をできる限り薄くすることが重要である(図4a参照)。トンネル接合の実際の製作は、上記結合箇所の破断による破断接合の場合のようになされる。力Fを結合箇所へ作用させるために、図3bに示すように、測定チャンバ1が圧力による負荷を受ける。この結果、薄膜が変形し、この薄膜Mのひずみにより、ストリップS1,S2を形成するための接点の結合箇所が引き開けられることになる。これに必要な圧力は、各センサに対して容易に変化するとともに、段階的な圧力の増圧によって、実験的に見出す必要がある。生じた破断についてのコントロールは、圧力負荷時の接点についての抵抗測定によって行うことか可能である。
図4aには破断直前のストリップが平面図で示されており、図4bにはその上側においてストリップS1,S2においてすでに開放されたトンネル接合が間隔d1と共に示されている。また、図4bの下側には、ストリップSへの圧力の負荷時におけるプロセスが概略的に示されている。
一定の間隔をもってフィードバック制御により互いに駆動されるべきストリップS1,S2を有するトンネル接合の製作は、アジャスタとしてのアクチュエータが組み込まれる必要があるため、よりコストがかかるものとなっている。
センサ装置の動作のための1つの可能性が図5に示されている。ここでは、圧電層Pが長いストリップS1上に設けられている。ストリップS1が薄膜M(不図示)への圧力負荷により接線方向へ持ち上げられ、一定間隔d1がd2へ拡大されると、圧電層Pは、応力を受け、延長される。圧電層P及びその制御の形成は、従来技術である。接点上側に対する固定結合により、バイモルフの場合のように、接点が、トンネル間隔の目標値が再度得られるまで下方へ曲げられる。このトンネル間隔の目標値は生じるトンネル電流によって測定され、このトンネル電流は、動作点に対して例えば1.5nAとなり得る。目標値が達成されると、圧電層は、更に延長されることがない。
圧電層についてのフィードバック制御の他の実施例が図6に示されている。ここでは、圧電層あるいは圧電性結晶は、目標値を超えて追加的なストリップのたわみを復帰させるために、ある電圧による制御においてこの圧電層あるいは圧電性結晶の長さ変化が十分であるよう第1のストリップS1上に設けられる。トンネル接合の1nmの間隔を相殺する必要がある場合には、約5・10−10m/Vの圧電ひずみ係数及び2Vの電圧において十分な長さ変化が生じる。圧電層の0.1%の通常の相対長さ変化により、この圧電層の高さが約1μmとなる。圧電層としての実施においては、例えばプラズマCVD(plasma enhanced chemical vopour deposition)、有機金属気相堆積法(Metal-Organic Chemical Vapour Deposition)又はスパッタリングのような様々な蒸着方法が使用される。このような層システムの設計及び製造は従来技術である。
静電式のアクチュエータによる原理図が図7に示されている。長いストリップS1上には絶縁層2が配置されており、この絶縁層2上には金属層3が配置されている。一方、短い接点S2上には同様の層3が配置されている。両層3は、静電式のアクチュエータのプレートを形成している。接点の目標値を超えたたわみ時には、これらプレートのうちいずれかが正に帯電し、他方が負に帯電する。そして、生じる復帰力により、目標値が再び調整される。静電式のアクチュエータの機能は、従来技術である。この機能の形成には、当業者にとって従来技術により公知な多層膜技術が必要である。
破断接合の電極間の間隔を一定の間隔に制御する他の可能性は、圧力補償の設定にある(図8参照)。このために、体積1を有するセンサセル上には体積2を有する補償セルが例えば接着によって設けられている。体積1へ入射する熱輻射(矢印)により、この体積の膨張が生じ、これに伴い体積1を有するチャンバ内の圧力上昇も生じる。この圧力上昇は、ここでも薄膜Mをたわませる力を生じさせるものとなっている。薄膜のたわみは、体積2における相補的な対抗圧力によって相殺される。体積2を有する補償セルは同様に薄膜を備えており、この薄膜は、アクチュエータによって内側範囲へ曲げられることが可能である。薄膜のたわみによって、補償チャンバの体積2が減少し、圧力が上昇する。また、フィードバック制御により、体積1と体積2の間に同様の圧力が生じること、及び破断接合のたわみを一定に維持することが保障される。
図5〜図8に示すように、制御された動作は例えば特許文献2の図5に関連した第7欄37行〜第8欄9行までの記載から理解でき、この特許文献2は、関連付けにより本願に併合されている。
本発明によるセンサ装置の他の実施形態が図9に示されている。変化する間隔を有する制御されていない接点の欠点は、過大なたわみ時にもはやトンネル電流がなく、そのためセンサ機能を果たさなくなることにある。この欠点は、側方の複数のトンネル接合T2,T3によって軽減される(図9参照)。薄膜の中心点周りの接点の間隔を適合させることで、動作範囲が拡大されるようたわみ1,2,3が適合される。W=変曲点。
平面的なトンネル接合を有する赤外線センサを製作するために、以下のプロセスステップを起点とすることができる(図10)。
流体を収容するためのセルの製作(図10a)):厚さ0.7mmのシリコンウエハ100を起点として、その一方側に0.5mmの直径を有するセル101が深堀りRIE(Deep Reactive Etching)及び異方性のエッチング工程においてエッチングされる。セルの深さは、薄膜としての底部が1μmの厚さで残るよう選択される。
平面的なトンネル接合の製作:ウエハにおけるいままで加工されていない他方の側には(図10b))、例えばクロムから成る厚さ200〜300nmの犠牲層Oが物理蒸着によって蒸着されている。この上には、例えばイリジウムからなる厚さ1μmの層が物理蒸着によって分離されている。つづいて、剥離によって平面的なトンネル接合が構築される。できる限りわずかな結合面(層高さ×結合幅)を有すべきストリップの先端部は、電子ビーム描画によって構築されている。50〜100nmの結合幅が好ましい。湿式化学的なエッチングにより、シリコンとトンネル接合の間の犠牲層が離間し、イリジウムから成る自由長さL2を有する第1のストリップS1が指針長さに合わせて製作される。ただし、これまで、接点の両ストリップS1,S2は、結合面によって結合されている。
接点の先端部を力によって互いに破断させるために、薄膜がたわむようセル内のウエハに圧力負荷がかけられる(図10c)参照)。このたわみによって、接点がその結合箇所において力の作用を受け、この力により、その破断力への増大時に接点の破断が引き起こされる。必要な力は、実験的にのみ見出すことができる。
セルは、気体状の流体又は液体によって充填されることが可能である。空気とは異なる気体によって充填する際には、このことは、例えばグローブボックス又は対応する閉鎖された体積Vにおいて、調整可能な圧力によってなされる。液体で充填する場合には、セル内に気泡が残留しないように注意する必要がある。このために、圧力接続部Dが設けられている。
充填後、セルは、赤外線を透過させるウインドウ102の接着によって閉鎖される(図10d)参照)。
1 測定チャンバ
2 透明ウインドウ、絶縁層
3 金属層
100 シリコンウエハ
102 赤外線透過ウインドウ
A たわみ
d1 間隔
D 圧力接続部
F 流体
M 薄膜
L1 自由長さ
L2 自由長さ
O 犠牲層
P 圧電層
S1 ストリップ(接点)
S2 ストリップ(接点)
T2 トンネル接合
T3 トンネル接合
W 変曲点

Claims (7)

  1. 力によって生じる面の変形を測定するためのセンサ装置において、
    前記面(M)上に、同一平面における第1のストリップ(S1)及び第2のストリップ(S2)を、トンネル接合を形成するために配置し、これら第1及び第2のストリップのうち少なくとも前記第1のストリップ(S1)を前記面(M)において可動に配置し、これにより、力の作用により生じる前記面の変形時に、前記両ストリップ(S1,S2)の間隔が互いに拡大するよう構成したことを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記第1のストリップ(S1)を前記第2のストリップ(S2)よりも長くしたことを特徴とする請求項1記載のセンサ装置。
  3. 前記ストリップ(S1)が、前記面に固定されていない可動の自由長さ(L2)を有する部分と、前記面(M)に固定された任意の長さ(L1)を有する部分とを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のセンサ装置。
  4. 前記自由長さ(L2)を前記固定された長さ(L1)よりも長くしたことを特徴とする請求項3記載のセンサ装置。
  5. 前記面(M)を流体(F)で充填された測定チャンバ(1)の構成部材としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサ装置。
  6. 前記測定チャンバの壁部の一部を前記面(M)を形成する柔軟な薄膜として形成したことを特徴とする請求項5記載のセンサ装置。
  7. 電磁ビームを透過させるためのウインドウ(2)を前記測定チャンバの壁部に設けたことを特徴とする請求項6記載のセンサ装置。
JP2013518952A 2010-07-16 2011-07-09 薄膜の変形の測定のためのトンネル接合を有する赤外線センサ Expired - Fee Related JP5786024B2 (ja)

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