JPH06140661A - 物理量検出素子及びその製造方法 - Google Patents

物理量検出素子及びその製造方法

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JPH06140661A
JPH06140661A JP4289040A JP28904092A JPH06140661A JP H06140661 A JPH06140661 A JP H06140661A JP 4289040 A JP4289040 A JP 4289040A JP 28904092 A JP28904092 A JP 28904092A JP H06140661 A JPH06140661 A JP H06140661A
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conductor
groove
forming
semiconductor substrate
etching
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JP4289040A
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English (en)
Inventor
Yasushi Onoe
寧 尾上
Hideaki Yamagishi
秀章 山岸
Hitoshi Hara
仁 原
Takashi Kamimura
敬司 上村
Naoteru Kishi
直輝 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】微小で特性の安定性が高く、寿命が長い物理量
検出素子及びその製造方法を提供すること。 【構成】導電性不純物が高濃度にドープされた面方位を
(111)とする第一面及び第二面と面方位を(10
0)とする第三面を構成面とする三角柱状の梁を第三面
から面方位に従い異方性エッチングして断面をV字状に
除去して形成される第一導電体及び第二導電体と、V字
状の頂点における第一導電体と第二導電体との間に形成
されたトンネル障壁絶縁膜と、からなり、第一導電体と
第二導電体の少なくとも一方で被測定光を受け第一導電
体と第二導電体の間に流れる電流により被測定光を検出
することを特徴とする物理量検出素子及びその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物理量検出素子とその
製造方法に係わり、特に、その動作の安定性、素子サイ
ズの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、赤外領域の光検出素子としては、
量子型の半導体センサと熱型の焦電素子などが使用され
ているが、前者は波長領域により感度が異なり、用途に
より使い分けなくてはならず、熱によるノイズの影響を
抑える為に冷却を必要としていた。また後者は応答速度
が遅く、マイクロマシンに搭載できる微小なものもまだ
得られていないという問題があった。
【0003】一方、応答速度の速い光検出素子として
は、MIM(Metal Insulator Met
al)接合を有する点接触ダイオードが知られている。
以下、従来の点接触ダイオード及びその製造方法を図面
を用いて説明する。図9は、従来の点接触ダイオードの
構成図である。図9において、点接触ダイオードは、ニ
ッケル製の金属ポスト26の接触面25にタングステン
製のアンテナ18の先端19が軽く接触して構成されて
いる。
【0004】接触面25には10オングストローム程度
の極めて薄いニッケルの酸化膜20が形成され、先端1
9の曲率半径は数百オングストロームに研摩されてお
り、金属ポスト26の接触面25の酸化膜20と先端1
9とでMIM接合を形成している。この場合、接触面2
5と先端19との接触面積は先端19の曲率半径で決ま
り、10-11cm2程度となっている。
【0005】次に、図9に示す点接触ダイオードを用い
た光検出の動作を説明する。図10,11は、図9に示
す点接触ダイオードを用いた光検出の動作を説明する図
である。図10において、金属ポスト26とアンテナ1
8との間に電圧源28と電流計27が直列に接続されて
いる。
【0006】点接触ダイオードは、金属ポスト26とア
ンテナ18の間に電圧を加えると図11に示すように非
直線性を持ったトンネルダイオードの電流−電圧特性を
示す。この非直線性は、金属ポスト26とアンテナ18
との間の仕事関数の差に起因すると考えられている。
【0007】ここで、金属ポスト26とアンテナ18と
の間に電圧源28によってバイアス電圧VBを印加した
状態で、アンテナ18に光が照射されると、アンテナ1
8内の電子が光のエネルギーによって励起される。そし
て励起された電子は、アンテナ18と金属ポスト26の
電位差障壁を越えず、接触面25に形成された酸化膜2
0をトンネルして、点接触ダイオードはトンネルダイオ
ードとして動作する。
【0008】この場合、点接触ダイオードは、図11に
示すように、アンテナ18に入射した光による光電場2
9を、バイアス電圧VBにおいて、点接触ダイオードの
非直線性によって検波し、光電場29の振幅hp1に対応
する振幅hp2を持つ検出電流30が電流計27によって
測定される。
【0009】また、このような点接触ダイオードでは、
接触面25と先端19との接触面積が小さいほど、検出
感度は高く、応答速度も速くなるので、接触面積は小さ
いことが望ましい。また、アンテナ18の形状を変える
ことにより点接触ダイオードが検出感度を持つ波長帯域
を変えることができる。
【0010】次に、図9に示す点接触ダイオードの製造
方法を説明する。まず、ニッケル製の金属ポスト26の
接触面25を鏡面研摩して、次にその鏡面研摩された接
触面25を大気中で自然酸化、又は熱酸化させ10オン
グストローム程度の酸化膜20を形成する。
【0011】次に、タングステン製のアンテナ18の先
端19を電解研摩によって、その直径を数百オングスト
ロームに先鋭にする。そして、この先端19を金属ポス
ト26の接触面25に軽く接触させる。この場合、接触
面積は先端19の曲率半径で決まり、10-11cm2程度
となる。
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
にあっては、以下のような問題点があった。 (イ)先端19の接触面25への接触圧によって点接触
ダイオードの特性は変化するが、この接触圧を測定中に
一定に保持することは困難であり、測定中に特性が変化
してしまう。 (ロ)先端19は大気中にさらされている為、酸化され
るなど大気の影響を受けて変質してしまい、点接触ダイ
オードとしての寿命が短かくなる(数日程度)。 (ハ)点接触ダイオードの特性は、先端19を研摩する
条件(電解液の濃度や汚れ具合、研摩時間等)、接触面
25の状態(汚れ、研摩状態等)によって変動し、これ
らの条件や状態を管理することが難しい為、特性の安定
した点接触ダイオードを製造することが困難である。 (ニ)点接触ダイオードのサイズが大きい為マイクロマ
シンには使用できない。本発明は、従来の有するこのよ
うな問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは、微小で特性の安定性が高く、寿命が長い光
検出素子及びその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、請求項1においては、導電性不純物が高
濃度にドープされた面方位を(111)とする第一面及
び第二面と面方位を(100)とする第三面を構成面と
する三角柱状の梁を前記第三面から面方位に従い異方性
エッチングして断面をV字状に除去して形成される第一
導電体及び第二導電体と、前記V字状の頂点における前
記第一導電体と前記第二導電体との間に形成されたトン
ネル障壁絶縁膜と、からなり、前記第一導電体と前記第
二導電体の少なくとも一方で被測定光を受け前記第一導
電体と前記第二導電体の間に流れる電流により前記被測
定光を検出することを特徴とする物理量検出素子として
構成する。
【0013】さらに、請求項2においては、表面の面方
位を(100)とし不純物が高濃度にドープされた半導
体基板の一方の面に第一窓が開口された第一エッチング
マスクを形成して前記半導体基板を面方位に従い異方性
エッチングし面方位を(111)とする第一面を有する
第一溝を形成する第一溝形成工程と、前記半導体基板の
一方の面に前記第一面に隣接する第二窓が開口された第
二エッチングマスクを形成して前記半導体基板を面方位
に従い異方性エッチングし面方位を(111)とし前記
第一面との接合部に稜線を形成する第二面を有する第二
溝を形成する第二溝形成工程と、前記第一溝の表面と前
記第二溝の表面に第三エッチングマスクを形成し前記半
導体基板の一方の面に前記第一溝と前記第二溝とに対向
する支持体を接合する支持体接合工程と、前記半導体基
板の他方の面を前記第一溝と前記第二溝に達するまでエ
ッチングし面方位を(100)とする第三面と前記第一
面と前記第二面とを構成面とする三角柱状の梁を形成す
る梁形成工程と、前記第三面に第三窓が開口された第四
エッチングマスクを形成して前記梁を面方位に従い異方
性エッチングして断面をV字状に除去した後前記第三エ
ッチングマスクを除去して第一導電体および第二導電体
を形成する導電体形成工程と、前記V字状に除去された
部分の頂点で前記第一導電体と前記第二導電体との間に
トンネル障壁絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、を具
備することにより物理量検出素子を製造する。
【0014】また、請求項3においては、表面の面方位
を(100)とし不純物が高濃度にドープされた半導体
基板の一方の面に第一窓が開口された第一エッチングマ
スクを形成して前記半導体基板を面方位に従い異方性エ
ッチングし面方位を(111)とする第一面を有する第
一溝を形成する第一溝形成工程と、前記半導体基板の一
方の面に前記第一面に隣接する第二窓が開口された第二
エッチングマスクを形成して前記半導体基板を面方位に
従い異方性エッチングし面方位を(111)とし前記第
一面との接合部に稜線を形成する第二面を有する第二溝
を形成する第二溝形成工程と、前記第一溝の表面と前記
第二溝の表面に第三エッチングマスクを形成し前記半導
体基板の一方の面に前記第一溝と前記第二溝とに対向す
る支持体を接合する支持体接合工程と、前記半導体基板
の他方の面を前記第一溝と前記第二溝に達するまでエッ
チングし面方位を(100)とする第三面と前記第一面
と前記第二面とを構成面とする三角柱状の梁を形成する
梁形成工程と、前記第三面に第三窓が開口された第四エ
ッチングマスクを形成して前記梁を面方位に従い異方性
エッチングして断面をV字状に除去した後前記第三エッ
チングマスクを除去して第一導電体および第二導電体を
形成する導電体形成工程と、前記V字状に除去された部
分の頂点で前記第一導電体と前記第二導電体との間に隙
間を形成する隙間形成工程と、を具備することにより物
理量検出素子を製造する。
【0015】また、請求項4においては、請求項2また
は請求項3の工程に加えて前記第二溝形成工程を、前記
半導体基板の一方の面に前記第一面に隣接し集束イオン
ビームが照射された第二窓が開口された第二エッチング
マスクを形成して前記半導体基板を面方位に従い異方性
エッチングし面方位を(111)とし前記第一面と接し
て極めて直線に近い稜線を形成する第二面を有する第二
溝を形成するように構成したものである。
【0016】
【作用】このような本発明では、請求項1においては、
第一導電体と第二導電体とトンネル障壁絶縁膜はトンネ
ル接合を形成し、第一導電体及び第二導電体は被測定光
を受信して自由電子を励起させ、自由電子はトンネル障
壁絶縁膜を通過する。請求項2においては、半導体基板
の一方の面を面方位に従い異方性エッチングして形成さ
れる第一溝の第一面と第二溝の第二面は互いに接して稜
線を形成し、絶縁体は第一溝と第二溝とに対向して半導
体基板の一方の面に接合され、三角柱状の梁は半導体基
板の他方の面を第一溝と第二溝に達するまでエッチング
して第三面と第一面と第二面とを構成面として形成さ
れ、第一導電体および第二導電体は梁を面方位に従い異
方性エッチングして断面をV字状に除去されて形成さ
れ、トンネル障壁絶縁膜は第一導電体と第二導電体との
間に形成される。請求項3においては、半導体基板の一
方の面を面方位に従い異方性エッチングして形成される
第一溝の第一面と第二溝の第二面は互いに接して稜線を
形成し、絶縁体は第一溝と第二溝とに対向して半導体基
板の一方の面に接合され、三角柱状の梁は半導体基板の
他方の面を第一溝と第二溝に達するまでエッチングして
第三面と第一面と第二面とを構成面として形成され、第
一導電体および第二導電体は梁を面方位に従い異方性エ
ッチングして断面をV字状に除去されて形成され、隙間
は第一導電体と第二導電体との間に形成される。請求項
4においては、第二窓には集束イオンビームが照射さ
れ、第二溝は半導体基板を面方位に従う異方性エッチン
グにより形成され、第二溝の有する第二面は第一溝の有
する第一面と接して極めて直線に近い稜線を形成する。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。図1は請求項1に記載された発明の一実施例
を示す物理量検出素子の斜視図である。図2は図1に示
す物理量検出素子のA−B断面図である。
【0018】図1において、物理量検出素子は、半導体
の面方位を(111)とする第一面1及び第二面2と、
面方位を(100)とする第三面3と、で構成される三
角柱状の梁4を第三面3から面方位に従い異方性エッチ
ングして断面をV字状に除去して形成される第一導電体
11と第二導電体12と、V字状の頂点における第一導
電体11と第二導電体12との間に形成されたトンネル
障壁絶縁膜6とでトンネル接合を形成して構成されてい
る。
【0019】第一導電体11と第二導電体12はそれぞ
れ導電性不純物が高濃度にドープされた半導体製であ
り、第一導電体11と第二導電体12の少なくとも一方
は、被測定光を受けるアンテナとして機能する。そして
図2に示すように、トンネル障壁絶縁膜6は厚さを数十
オングストロームとし、接触面積を10-11cm2程度と
して第一導電体11と第二導電体12との間に形成され
ている。従って、本実施例による物理量検出素子の検出
感度を高く、また応答速度を速くすることができる。
【0020】このような物理量検出素子は、先に述べた
点接触ダイオードと同様にトンネル接合を持っているの
で、非直線性を持ったトンネルダイオードの電流−電圧
特性を示すこととなる。従って、光検出素子は第一導電
体11と第二導電体12の間に加えられたバイアス電圧
において、第一導電体11と第二導電体12の少なくと
も一方に入射した被測定光による光電場を検波して、光
電場の振幅に対応する検出電流を出力することができ
る。また、同形状の第一導電体11と第二導電体12の
両方で同一の被測定光を受ければ、アンテナの原理によ
ってその検出感度を二倍にすることができる。
【0021】そして、第一導電体11及び第二導電体1
2は常に一定の状態でトンネル障壁絶縁膜6に接触して
いるので光検出素子は測定中に素子の特性が変化するこ
とがなく、常に安定した特性を示す。また、トンネル接
合部は通常の大気中においては安定した状態であって変
質してしまうようなことはないので、物理量検出素子と
しての寿命を大幅に長くすることができる。
【0022】また、このような物理量検出素子の使用に
あっては、被測定光を導く例えば二酸化珪素の導光路を
トンネル接合部に接続してもよい。
【0023】図3は、請求項2に記載された発明の一実
施例を示す物理量検出素子の製造工程概略図である。図
4は、図3に示す製造工程によって製造される物理量検
出素子の完成図である。図3(a)1,(a)2,(a)
3において、表面の面方位を(100)とし不純物が高
濃度にドープされた半導体基板10の溝形成面7に第一
窓41が開口する例えばシリコン窒化膜の第一エッチン
グマスク21をフォトエッチングにより形成する。
【0024】そして半導体基板10を、例えば水酸化カ
リウム溶液で面方位に従い異方性エッチングして、半導
体基板10内に面方位を(111)とする第一面1を有
する第一溝31を形成する。この場合、図3(a)2
図3(a)1をC方向から見た図、図3(a)3は図3
(a)1のC−D断面図となっている。
【0025】次に、図3(b)1,(b)2,(b)3
おいて、第一エッチングマスク21を除去した後、半導
体基板の溝形成面7に第一面1に隣接する第二窓42が
開口する例えばシリコン窒化膜の第二エッチングマスク
22をフォトエッチングにより形成する。そして、半導
体基板10を例えば水酸化カリウム溶液で面方位に従い
異方性エッチングして、面方位を(111)とし第一面
1との接合部に稜線13を形成する第二面2を有する第
二溝32を形成する。この場合稜線13は半導体基板1
0の溝形成面7から切削面8方向に少しずれて位置する
こととなる。この場合、図3(b)2は図3(b)1をD
方向から見た図、図3(b)3は図3(b)1のC−D断
面図となっている(以下の図についても同様とする)。
【0026】次に、図3(c)1,(c)2,(c)3
おいて、第二エッチングマスク22を除去した後、第一
溝31の表面と第二溝32の表面に例えばシリコン窒化
膜の第三エッチングマスク23をフォトエッチングによ
り形成し、半導体基板10の溝形成面7に第一溝31と
第二溝32とに対向させて、例えばパイレックスのよう
な支持体14を陽極接合によって接着する。この場合、
稜線13は支持体14から浮いた状態となっている。
【0027】次に、図3(d)1,(d)2において、半
導体基板10の切削面8を例えばRIE(リアクティブ
イオンエッチング)で垂直方向にエッチングして削り取
り、第一溝31と第二溝32に到達させ、エッチングに
よって表出する面方位を(100)とする第三面3と第
一面1と第二面2とを構成面とする三角柱状の梁4を形
成する。
【0028】次に、図3(e)1,(e)2において、第
三面3に第三窓43を開口させて例えば窒化シリコンの
第四エッチングマスク24をフォトエッチングにより形
成し、梁4を例えば水酸化カリウム溶液で稜線13に達
する直前までエッチング時間を管理して面方位に従い異
方性エッチングし、断面をV字状に除去する。
【0029】次に、図3(f)1,(f)2において、第
三エッチングマスク23を除去して第一導電体11及び
第二導電体12を形成し、第一導電体11と第二導電体
12との接触部15に例えば酸素ラジカルを局所的にあ
てるなどして酸化させてトンネル障壁絶縁膜6を形成す
る。この場合、接触部15の断面積は1011cm-2程度
でトンネル障壁絶縁膜6の膜厚は数十オングストローム
となるように制御する。ここで、図3(f)1は図4に
示す物理量検出素子の上面図、図3(f)2は図4に示
す物理量検出素子のE−F断面図となっている。
【0030】以上説明したように、物理量検出素子は、
図4に示すように支持体14上の二つに分割された半導
体基板10に第一導電体11と第二導電体12とがブリ
ッジ状に形成され、トンネル障壁絶縁膜6は第一導電体
11と第二導電体12との間に形成される。そして、こ
のような物理量検出素子は、第一導電体11と第二導電
体12の少なくとも一方で被測定光を受け第一導電体1
1と第二導電体12の間に流れる電流により被測定光を
検出することができる。
【0031】そして、このような物理量検出素子の製造
方法によれば、第一導電体11及び第二導電体12は常
に一定の状態でトンネル障壁絶縁膜6に接触しているの
で物理量検出素子は測定中に素子の特性が変化すること
がなく、常に安定した特性を示すこととなる。接触部1
5は通常の大気中では安定した状態で変質してしまうよ
うなことはないので物理量検出素子としての寿命を大幅
に長くすることができる。
【0032】また、接合を形成する工程に点接触ダイオ
ードのアンテナの先端を研摩するような管理の難しい工
程がないので特性の安定した物理量検出素子を製造する
ことができ、半導体製造技術を用いているのでマイクロ
マシンに使用できるような微小な素子サイズを実現する
ことができる。
【0033】図5は、請求項3に記載された発明の一実
施例によって製造された物理量検出素子の完成図であ
る。図6は図5に示す物理量検出素子のG−H断面図で
ある。図3に示された製造工程と同一の工程を経た後、
膜厚が10オングストローム程度のトンネル障壁絶縁膜
6を例えばフッ化水素酸溶液を用いて選択的にエッチン
グして第一導電体11と第二導電体12を分離し、第一
導電体11と第二導電体12との間に幅10オングスト
ローム程度の隙間5を形成することにより、図5に示さ
れた物理量検出素子を形成する。
【0034】また、図3(e)1,(e)2において、第
三面3に第三窓43を開口させて例えば窒化シリコンの
第四エッチングマスク24をフォトエッチングにより形
成し、梁4を例えば水酸化カリウム溶液でエッチング時
間を管理して稜線13に達するまで面方位に従い異方性
エッチングした後第三エッチングマスク23を除去し、
梁4を二つに分離して、間隔を10オングストローム程
度とする隙間5と、第一導電体11と第二導電体12と
を同時に形成することもできる。
【0035】このように、物理量検出素子は、図5に示
すように支持体140上の二つに分割された半導体基板
10に第一導電体11と第二導電体12とがブリッジ状
に形成され、隙間5は第一導電体11と第二導電体12
との間に形成される。そして、図5,6において支持体
140に被測定圧力が加えられ、隙間5が微小変化を起
こしたとすると、この場合の第一導電体11と第二導電
体12との間に流れるトンネル電流の変化を測定するこ
とにより被測定圧力を検出することができる。
【0036】このような物理量検出素子の測定感度は、
第一導電体11と第二導電体12との間に流れるトンネ
ル電流の変化率と、第一導電体11と第二導電体12の
長さLに対する隙間5の変化率と、の比で求めることが
でき、第一導電体11と第二導電体12の長さLに対す
る隙間5の変化率を小さくできることからその検出感度
を大きくすることができる。
【0037】また、支持体140の材料を第一導電体1
1と第二導電体12と同じシリコンとすれば、シリコン
の熱膨張係数から温度変化に対するトンネル電流の変化
率を小さくすることができる。従って、温度変化に依存
しない検出特性を持った物理量検出素子を製造すること
ができる。また、支持体140に図7に示すようなダイ
アフラム141を形成して、被測定圧力を物理量検出素
子の隙間5の変化に変換させることができる。
【0038】また、第一導電体11と第二導電体12の
いずれか一方にシリコンと熱膨張係数の異なる材料を接
合し、温度の変化によって隙間5が微小変化を起こすよ
うに構成すれば、温度が変化した場合の第一導電体11
と第二導電体12との間に流れるトンネル電流の変化を
測定することによりその温度を検出する物理量検出素子
を製造することもできる。
【0039】図8は請求項4に記載された発明の一実施
例を説明する図である。図8に示す製造工程は、図3
(a)の後に挿入され、その後図3(c)以降の工程が
継続される。
【0040】図3(a)の第一溝形成工程終了後、図8
(a)において、半導体基板10内に面方位を(11
1)とする第一面1を有する第一溝31を形成した後、
第一面1に隣接する第二窓42が開口された例えばシリ
コン窒化膜の第二エッチングマスク22をフォトエッチ
ングにより形成する。次に、図8(b)において、第二
窓42の縁16に集束イオンビーム17を照射して縁1
6を削り、直線状態に修正する。
【0041】次に、図8(c)において、半導体基板1
0を例えば水酸化カリウム溶液で面方位に従い異方性エ
ッチングして第二溝32を形成する。この場合、第二溝
32の有する面方位を(111)とする第二面2は、第
一面1との接触部分に稜線13を形成する。この後、図
3(c)から図3(f)までの工程を経て図4に示され
た物理量検出素子を製造する。
【0042】このような製造方法によれば、稜線13は
直線状態に近くなるので、梁4をその面方位に従ってエ
ッチングして断面をV字状に除去し、第一導電体11と
第二導電体12を形成する場合、そのエッチングの時間
管理が容易となり、第一導電体11と第二導電体12が
完全に分離してしまったり、その接触面積が大きくなっ
てしまう可能性を低くすることができる。
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた発明においては、第一導電体11及び第二導電体1
2は常に一定の状態でトンネル障壁絶縁膜6に接触し、
接触部15は通常の大気中において安定であるので、特
性の安定性が高く、寿命の長い物理量検出素子を提供す
ることができ、請求項2に記載された発明においては、
半導体の面方位に従う異方性エッチング技術を用いて、
物理量検出素子を製造するように構成されているので、
微小で特性の安定性が高く、寿命が長い物理量検出素子
の製造方法を提供することができ、請求項3に記載され
た発明においては、半導体の面方位に従う異方性エッチ
ング技術を用いて、物理量検出素子を製造するように構
成されているので、微小で特性の安定性が高く、検出感
度が高く温度係数の小さい物理量検出素子の製造方法を
提供することができ、請求項4に記載された発明におい
ては、集束イオンビームを照射し異方性エッチングのマ
スクを修正するように構成されているので、より安定し
た請求項2または請求項3に記載された物理量検出素子
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載された発明の一実施例を示す光
検出素子の斜視図である。
【図2】図1に示す光検出素子のA−B断面図である。
【図3】請求項2に記載された発明の一実施例を示す光
検出素子の製造工程概略図である。
【図4】図3に示す製造工程によって製造される光検出
素子の完成図である。
【図5】請求項3に記載された発明の一実施例によって
製造された物理量検出素子の完成図である。
【図6】図5に示す物理量検出素子のG−H断面図であ
る。
【図7】請求項3に記載された発明の一実施例によって
製造された物理量検出素子を説明する図である。
【図8】請求項4に記載された発明の一実施例を説明す
る図である。
【図9】従来の点接触ダイオードの構成図である。
【図10】図9に示す点接触ダイオードを用いた光検出
の動作を説明する図である。
【図11】図9に示す点接触ダイオードを用いた光検出
の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 第一面 2 第二面 3 第三面 4 梁 5 隙間 6 トンネル障壁絶縁膜 10 半導体基板 11 第一導電体 12 第二導電体 13 稜線 14 支持体 17 集束イオンビーム 21 第一エッチングマスク 22 第二エッチングマスク 23 第三エッチングマスク 24 第四エッチングマスク 31 第一溝 32 第二溝 41 第一窓 42 第二窓 43 第三窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 敬司 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内 (72)発明者 岸 直輝 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性不純物が高濃度にドープされた面方
    位を(111)とする第一面及び第二面と面方位を(1
    00)とする第三面を構成面とする三角柱状の梁を前記
    第三面から面方位に従い異方性エッチングして断面をV
    字状に除去して形成される第一導電体及び第二導電体
    と、 前記V字状の頂点における前記第一導電体と前記第二導
    電体との間に形成されたトンネル障壁絶縁膜と、からな
    り、 前記第一導電体と前記第二導電体の少なくとも一方で被
    測定光を受け前記第一導電体と前記第二導電体の間に流
    れる電流により前記被測定光を検出することを特徴とす
    る物理量検出素子。
  2. 【請求項2】表面の面方位を(100)とし不純物が高
    濃度にドープされた半導体基板の一方の面に第一窓が開
    口された第一エッチングマスクを形成して前記半導体基
    板を面方位に従い異方性エッチングし面方位を(11
    1)とする第一面を有する第一溝を形成する第一溝形成
    工程と、 前記半導体基板の一方の面に前記第一面に隣接する第二
    窓が開口された第二エッチングマスクを形成して前記半
    導体基板を面方位に従い異方性エッチングし面方位を
    (111)とし前記第一面との接合部に稜線を形成する
    第二面を有する第二溝を形成する第二溝形成工程と、 前記第一溝の表面と前記第二溝の表面に第三エッチング
    マスクを形成し前記半導体基板の一方の面に前記第一溝
    と前記第二溝とに対向する支持体を接合する支持体接合
    工程と、 前記半導体基板の他方の面を前記第一溝と前記第二溝に
    達するまでエッチングし面方位を(100)とする第三
    面と前記第一面と前記第二面とを構成面とする三角柱状
    の梁を形成する梁形成工程と、 前記第三面に第三窓が開口された第四エッチングマスク
    を形成して前記梁を面方位に従い異方性エッチングして
    断面をV字状に除去した後前記第三エッチングマスクを
    除去して第一導電体および第二導電体を形成する導電体
    形成工程と、 前記V字状に除去された部分の頂点で前記第一導電体と
    前記第二導電体との間にトンネル障壁絶縁膜を形成する
    絶縁膜形成工程と、 を具備することを特徴とする物理量検出素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】表面の面方位を(100)とし不純物が高
    濃度にドープされた半導体基板の一方の面に第一窓が開
    口された第一エッチングマスクを形成して前記半導体基
    板を面方位に従い異方性エッチングし面方位を(11
    1)とする第一面を有する第一溝を形成する第一溝形成
    工程と、 前記半導体基板の一方の面に前記第一面に隣接する第二
    窓が開口された第二エッチングマスクを形成して前記半
    導体基板を面方位に従い異方性エッチングし面方位を
    (111)とし前記第一面との接合部に稜線を形成する
    第二面を有する第二溝を形成する第二溝形成工程と、 前記第一溝の表面と前記第二溝の表面に第三エッチング
    マスクを形成し前記半導体基板の一方の面に前記第一溝
    と前記第二溝とに対向する支持体を接合する支持体接合
    工程と、 前記半導体基板の他方の面を前記第一溝と前記第二溝に
    達するまでエッチングし面方位を(100)とする第三
    面と前記第一面と前記第二面とを構成面とする三角柱状
    の梁を形成する梁形成工程と、 前記第三面に第三窓が開口された第四エッチングマスク
    を形成して前記梁を面方位に従い異方性エッチングして
    断面をV字状に除去した後前記第三エッチングマスクを
    除去して第一導電体および第二導電体を形成する導電体
    形成工程と、 前記V字状に除去された部分の頂点で前記第一導電体と
    前記第二導電体との間に隙間を形成する隙間形成工程
    と、 を具備することを特徴とする物理量検出素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記第二溝形成工程は、 前記半導体基板の一方の面に前記第一面に隣接し集束イ
    オンビームが照射された第二窓が開口された第二エッチ
    ングマスクを形成して前記半導体基板を面方位に従い異
    方性エッチングし面方位を(111)とし前記第一面と
    接して極めて直線に近い稜線を形成する第二面を有する
    第二溝を形成することを特徴とする請求項2または請求
    項3記載の物理量検出素子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1543974A1 (en) * 2003-12-15 2005-06-22 Canon Kabushiki Kaisha Beam, ink jet recording head having beams, and method for manufacturing ink jet recording head having beams
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