JP2007170451A - 液体封入式ブッシュ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の入力方向の振動に対し液柱共振を発揮する液体封入式ブッシュを提供する。
【解決手段】側壁部5および端壁部6,7を有し、入力軸2を変位可能に挿し込み、出力軸3を連結したケース4と、入力軸2に設けた押圧部8と、入力軸2および側壁部5間であって押圧部8および一方の端壁部6間に配置した第一ゴム状弾性体9と、入力軸2および側壁部5間であって押圧部8および他方の端壁部7間に配置した第二ゴム状弾性体11と、第一ゴム状弾性体9に設けた第一および第二液室13,14と、第二ゴム状弾性体11に設けた第三および第四液室と、第一液室13第三液室、第二液室14と第三液室、第一液室13と第四液室、第二液室14と第四液室を連通させる各オリフィス流路とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等において、防振装置ないし防振支持装置として用いられる液体封入式ブッシュに関する。本発明の液体封入式ブッシュは例えば、自動車等車両におけるステアリング用防振装置として用いられる。
自動車等車両のステアリング系においては一般に、ステアリング用ロッドの端部(ロッド間等)に液体封入式ブッシュを装着して、路面からの振動やステアリング系共振(ステアリング〜ギアボックス間のばね−マス等)による振動等を低減している。
図13は、この種の用途に用いられる液体封入式ブッシュ51の従来例を示しており、この液体封入式ブッシュ51は、主軸金具52の外周側にゴム状弾性体53を介して外筒金具54を接続し、弾性体53および中間リング55により区画した上下の液室56,57をオリフィス流路58を介して互いに連通し、液室56,57に作動液59を封入した構成を有している。
上記従来例によると、上下方向の振動が入力したとき、一方の液室56,57が圧縮されて内部の作動液59がオリフィス流路58を流れることにより液柱共振作用を発揮することから振動を低減することが可能とされているが、この液柱共振により低減可能な振動の入力方向が1方向のみ(上下方向、すなわち径方向における特定の1方向)に限られてしまっている。これに対して、路面からは1方向のみでなく多方向から振動が入力するため、これらに広く対応することが求められる。
特開平8−121528号公報
本発明は以上の点に鑑みて、複数の入力方向の振動に対して液柱共振作用を発揮することが可能であり、もって優れた防振性能を発揮することが可能な液体封入式ブッシュを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による液体封入式ブッシュは、振動の入力により入力軸と出力軸が軸方向または径方向に変位したときに前記振動を減衰させる液体封入式ブッシュであって、筒状内面を有する側壁部の軸方向両端にそれぞれ端壁部を設け、一方の端壁部に設けた開口部に入力軸を軸方向および径方向に変位可能に挿し込むとともに他方の端壁部に出力軸を連結したケースと、前記ケース内にて入力軸に設けられた押圧部と、前記入力軸および側壁部間であって前記押圧部および一方の端壁部間に配置された第一ゴム状弾性体と、前記入力軸および側壁部間であって前記押圧部および他方の端壁部間に配置された第二ゴム状弾性体と、前記第一ゴム状弾性体の内部であって円周上対称位置に設けられるとともに作動液を封入した第一および第二液室と、前記第二ゴム状弾性体の内部であって円周上対称位置に設けられかつ前記第一および第二液室とは円周上直交配置されるとともに作動液を封入した第三および第四液室と、前記第一液室と第三液室を連通させる第一オリフィス流路と、前記第二液室と第三液室を連通させる第二オリフィス流路と、前記第一液室と第四液室を連通させる第三オリフィス流路と、前記第二液室と第四液室を連通させる第四オリフィス流路とを有することを特徴とする。
また、本発明の請求項2による液体封入式ブッシュは、振動の入力により入力軸と出力軸が軸方向または径方向に変位したときに前記振動を減衰させる液体封入式ブッシュであって、筒状内面を有する側壁部の軸方向両端にそれぞれ端壁部を設け、一方の端壁部に設けた開口部に入力軸を軸方向および径方向に変位可能に挿し込むとともに他方の端壁部に出力軸を連結したケースと、前記ケース内にて入力軸に設けられた押圧部と、前記入力軸および側壁部間であって前記押圧部および一方の端壁部間に配置された第一ゴム状弾性体と、前記入力軸および側壁部間であって前記押圧部および他方の端壁部間に配置された第二ゴム状弾性体と、前記第一ゴム状弾性体の内部であって円周上対称位置に設けられるとともに作動液を封入した第一および第二液室と、前記第二ゴム状弾性体の内部であって円周上対称位置に設けられるとともに作動液を封入した第三および第四液室と、前記第一液室と第二液室を連通させる第一オリフィス流路と、前記第三液室と第四液室を連通させる第二オリフィス流路と、前記第一液室と第三液室を連通させる第三オリフィス流路と、前記第二液室と第四液室を連通させる第四オリフィス流路とを有することを特徴とする。
また、本発明の請求項3による液体封入式ブッシュは、上記した請求項2の液体封入式ブッシュにおいて、第一ゴム状弾性体の内部に設けた第一および第二液室と、第二ゴム状弾性体の内部に設けた第三および第四液室とは、円周上直交配置されていることを特徴とする。
上記構成を備えた本発明の請求項1による液体封入式ブッシュは、以下のように「軸方向入力」および「径方向入力」に対して作動する。
(1)軸方向入力時
当該ブッシュに軸方向振動が入力して入力軸が出力軸に近付く方向に変位すると、押圧部と他方の端壁部により第三および第四液室が圧縮されて高圧となるので、第三液室内の作動液が第一オリフィス流路を通過して第一液室へ流動するとともに第二オリフィス流路を通過して第二液室へ流動し、第四液室内の作動液が第三オリフィス流路を通過して第一液室へ流動するとともに第四オリフィス流路を通過して第二液室へ流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
また反対に、当該ブッシュに軸方向振動が入力して入力軸が出力軸から離れる方向に変位すると、押圧部および一方の端壁部により第一および第二液室が圧縮されて高圧となるので、第一液室内の作動液が第一オリフィス流路を通過して第三液室へ流動するとともに第三オリフィス流路を通過して第四液室へ流動し、第二液室内の作動液が第二オリフィス流路を通過して第三液室へ流動するとともに第四オリフィス流路を通過して第四液室へ流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
(2)径方向入力時
当該ブッシュに特定の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して変位すると、入力軸と側壁部により第一液室が圧縮されて高圧となり、またこの第一液室と第三および第四液室との変形の違いにより液室間に圧力差が発生するので、作動液は、高圧側の第一液室から低圧側の第三および第四液室へ、そして引張りを受けて更に低圧となっている第二液室へ各オリフィス流路を通過して流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
また反対に、当該ブッシュに上記特定の径方向とは180度対称の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して相対変位すると、入力軸と側壁部により第二液室が圧縮されて高圧となり、またこの第二液室と第三および第四液室との変形の違いにより液室間に圧力差が発生するので、作動液は、高圧側の第二液室から低圧側の第三および第四液室へ、そして引張りを受けて更に低圧となっている第一液室へ各オリフィス流路を通過して流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
また、当該ブッシュに上記特定の径方向とは直交する一方の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して変位すると、入力軸と側壁部により第三液室が圧縮されて高圧となり、またこの第三液室と第一および第二液室との変形の違いにより液室間に圧力差が発生するので、作動液は、高圧側の第三液室から低圧側の第一および第二液室へ、そして引張りを受けて更に低圧となっている第四液室へ各オリフィス流路を通過して流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
更にまた、当該ブッシュに上記特定の径方向とは直交する他方の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して変位すると、入力軸と側壁部により第四液室が圧縮されて高圧となり、またこの第四液室と第一および第二液室との変形の違いにより液室間に圧力差が発生するので、作動液は、高圧側の第四液室から低圧側の第一および第二液室へ、そして引張りを受けて更に低圧となっている第三液室へ各オリフィス流路を通過して流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
以上のように、本発明の請求項1によるブッシュによれば、3方向(軸方向および径2方向)からの入力に対して振動を低減させることが可能となる。
また、上記構成を備えた本発明の請求項2による液体封入式ブッシュは、以下のように「軸方向入力」および「径方向入力」に対して作動する。
(1)軸方向入力時
当該ブッシュに軸方向振動が入力して入力軸が出力軸に近付く方向に変位すると、押圧部と他方の端壁部により第三および第四液室が圧縮されて高圧となるので、第三液室内の作動液が第三オリフィス流路を通過して第一液室へ流動し、第四液室内の作動液が第四オリフィス流路を通過して第二液室へ流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
また反対に、当該ブッシュに軸方向振動が入力して入力軸が出力軸から離れる方向に変位すると、押圧部および一方の端壁部により第一および第二液室が圧縮されて高圧となるので、第一液室内の作動液が第三オリフィス流路を通過して第三液室へ流動し、第二液室内の作動液が第四オリフィス流路を通過して第四液室へ流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
(2)径方向入力時
当該ブッシュに特定の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して変位すると、入力軸と側壁部により第一および第三液室が圧縮されて高圧となるので、第一液室内の作動液が第一オリフィス流路を通過して第二液室へ流動し、第三液室内の作動液が第二オリフィス流路を通過して第四液室へ流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
また反対に、当該ブッシュに上記特定の径方向とは180度対称の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して変位すると、入力軸と側壁部により第二および第四液室が圧縮されて高圧となるので、第二液室内の作動液が第一オリフィス流路を通過して第一液室へ流動し、第四液室内の作動液が第二オリフィス流路を通過して第三液室へ流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
以上のように、本発明の請求項2によるブッシュによれば、2方向(軸方向および径方向)からの入力に対して振動を低減させることが可能となる。
また、上記構成を備えた本発明の請求項3による液体封入式ブッシュは、以下のように「軸方向入力」および「径方向入力」に対して作動する。
(1)軸方向入力時
当該ブッシュに軸方向振動が入力して入力軸が出力軸に近付く方向に変位すると、押圧部と他方の端壁部により第三および第四液室が圧縮されて高圧となるので、第三液室内の作動液が第三オリフィス流路を通過して第一液室へ流動し、第四液室内の作動液が第四オリフィス流路を通過して第二液室へ流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
また反対に、当該ブッシュに軸方向振動が入力して入力軸が出力軸から離れる方向に変位すると、押圧部と一方の端壁部により第一および第二液室が圧縮されて高圧となるので、第一液室内の作動液が第三オリフィス流路を通過して第三液室へ流動し、第二液室内の作動液が第四オリフィス流路を通過して第四液室へ流動する。したがって、作動液が各オリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
(2)径方向入力時
当該ブッシュに特定の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して変位すると、入力軸と側壁部により第一液室が圧縮されて高圧となるので、第一液室内の作動液が第一オリフィス流路を通過して第二液室へ流動する。したがって、作動液がオリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
また反対に、当該ブッシュに上記特定の径方向とは180度対称の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して変位すると、入力軸と側壁部により第二液室が圧縮されて高圧となるので、第二液室内の作動液が第一オリフィス流路を通過して第一液室へ流動する。したがって、作動液がオリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
また、当該ブッシュに上記特定の径方向とは直交する一方の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して変位すると、入力軸と側壁部により第三液室が圧縮されて高圧となるので、第三液室内の作動液が第二オリフィス流路を通過して第四液室へ流動する。したがって、作動液がオリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
更にまた、当該ブッシュに上記特定の径方向とは直交する他方の径方向から振動が入力して入力軸が出力軸に対して変位すると、入力軸と側壁部により第四液室が圧縮されて高圧となるので、第四液室内の作動液が第二オリフィス流路を通過して第三液室へ流動する。したがって、作動液がオリフィス流路を流れることにより特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を抑制することが可能となる。
以上のように、本発明の請求項3によるブッシュによれば、3方向(軸方向および径2方向)からの入力に対して振動を低減させることが可能となる。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明の請求項1または3による液体封入式ブッシュによれば、上記構成および作動により3方向(軸方向および径2方向)からの入力に対して振動を低減させることが可能とされ、本発明の請求項2による液体封入式ブッシュによれば、上記構成および作動により2方向(軸方向および径方向)からの入力に対して振動を低減させることが可能とされている。したがっていずれの場合も本発明所期の目的どおり、複数の入力方向の振動に対して液柱共振作用を発揮することが可能であり、もって優れた防振性能を発揮することが可能な液体封入式ブッシュを提供することができる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係る液体封入式ブッシュの平面を示しており、そのA−A線断面が図2に示されるとともに、B−B線断面が図3に示されている。また、図4は図3におけるC−C線断面図、図5はD−D線断面図、図6はE−E線断面図である。
当該実施例に係る液体封入式ブッシュは、振動の入力により入力軸2および出力軸3が軸方向または径方向に相対変位したときに振動を減衰させるステアリング用の液体封入式ブッシュ1であって、以下のように構成されている。
すなわち先ず、図2および図3に示すように、筒状内面5aを有する側壁部(外筒)5の軸方向一端に一方の端壁部(一方の蓋)6が固定されるとともに軸方向他端に他方の端壁部(他方の蓋)7が固定されて、これら剛材よりなる三部材5,6,7によって当該ブッシュ1のケース4が構成されている。一方の端壁部6は円板状をなし、その平面中央に開口部6aが設けられ、この開口部6aに入力軸2が軸方向および径方向に変位可能に挿し込まれ、このケース4内に挿し込まれた入力軸2の外周に押圧部(中央プレート)8が端壁部6,7と平行に固定されている。他方の端壁部7はこれも円板状をなし、平面中央に開口部7aが設けられ、開口部7aに出力軸3が圧入固定されている。入力軸2と出力軸3は同軸上に配置されているが、軸方向に相対変位可能となるよう両軸2,3の間には所定の軸方向間隙が設定されている。押圧部8はこれも円板状をなし、平面中央に開口部8aが設けられ、開口部8aに入力軸2の小径部が圧入固定されている。またこの押圧部8は、ケース4に対して径方向に相対変位可能となるよう側壁部5との間に所定の径方向間隙が設定されている。
入力軸2および側壁部5間であって押圧部8および一方の端壁部6間に、環状を呈する断面略矩形状の第一ゴム状弾性体9が入力側プレート10とともに配置されており、入力軸2および側壁部5間であって押圧部8および他方の端壁部7間に、同じく環状を呈する断面略矩形状の第二ゴム状弾性体11が出力側プレート12とともに配置されている。第一ゴム状弾性体9は入力側プレート10に加硫接着され、入力側プレート10は一方の端壁部6に嵌合固定されている。また第一ゴム状弾性体9は押圧部8および入力側プレート10間に予圧縮された状態で介装されているので、押圧部8が入力側プレート10から離れる方向に移動しても押圧部8から離れて隙間を生じることはない。同様に第二ゴム状弾性体11は出力側プレート12に加硫接着され、出力側プレート12は他方の端壁部7に嵌合固定されている。また第二ゴム状弾性体11は押圧部8および出力側プレート12間に予圧縮された状態で介装されているので、押圧部8が出力側プレート12から離れる方向に移動しても押圧部8から離れて隙間を生じることはない。
図4に示すように、第一ゴム状弾性体9および入力側プレート10に、平面円弧形を呈する第一液室13および第二液室14が円周上180度対称位置に設けられており、図5に示すように、第二ゴム状弾性体11および出力側プレート12に、同じく平面円弧形を呈する第三液室15および第四液室16が円周上180度対称位置に設けられている。第一および第二液室13,14と第三および第四液室15,16は、円周上直交配置されている(図4において第一および第二液室13,14が上下に並べられているのに対して、同じ向きから見た図5において第三および第四液室15,16は左右に並べられており、この並び方向が直交している)。
また、図4および図6に示すように、平板状の押圧部8に複数のオリフィス流路が設けられており、すなわち、第一液室13と第三液室15を連通させる第一オリフィス流路17、第二液室14と第三液室15を連通させる第二オリフィス流路17、第一液室13と第四液室16を連通させる第三オリフィス流路19および第二液室14と第四液室16を連通させる第四オリフィス流路20がそれぞれ押圧部8に貫通孔状のものとして設けられている。各オリフィス流路17,18,19,20を介して連通する各液室13,14,15,16は、液密を保持し、内部にシリコーンオイル等の非圧縮性流体よりなる作動液21が封入されている。
上記構成を備えた液体封入式ブッシュ1は、上記したように自動車等のステアリング系に用いられるものであって、比較的小振幅の振動が入力するとゴム状弾性体9,11が弾性変形することにより対応するほか、比較的大振幅の振動が入力すると以下のように作動する。
(1)軸方向振動入力時
当該ブッシュ1に対して軸方向振動が入力して入力軸2が出力軸3に近付く方向に相対変位すると、押圧部8と他方の端壁部7の間隔が狭められて第二ゴム状弾性体11が軸方向に圧縮されるので、第二ゴム状弾性体11内の第三および第四液室15,16は容積が縮小して高圧となる。一方、押圧部8と一方の端壁部6の間隔は拡げられて第一ゴム状弾性体9は軸方向に膨張可能となるので、第一ゴム状弾性体9内の第一および第二液室13,14は容積が拡大して低圧となる。したがって、第三および第四液室15,16と第一および第二液室13,14に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第三液室15内の作動液21が第一オリフィス流路17を通過して第一液室13へ流動するとともに第二オリフィス流路18を通過して第二液室14へ流動し、第四液室16内の作動液21が第三オリフィス流路19を通過して第一液室13へ流動するとともに第四オリフィス流路20を通過して第二液室14へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路17,18,19,20を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
また反対に、当該ブッシュ1に対して軸方向振動が入力して入力軸2が出力軸3から離れる方向に相対変位すると、押圧部8と一方の端壁部6の間隔が狭められて第一ゴム状弾性体9が軸方向に圧縮されるので、第一ゴム状弾性体9内の第一および第二液室13,14は容積が縮小して高圧となる。一方、押圧部8と他方の端壁部7の間隔は拡げられて第二ゴム状弾性体11は軸方向に膨張可能となるので、第二ゴム状弾性体11内の第三および第四15,16は容積が拡大して低圧となる。したがって、第一および第二液室13,14と第三および第四液室15,16に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第一液室13内の作動液21が第一オリフィス流路17を通過して第三液室15へ流動するとともに第三オリフィス流路19を通過して第四液室16へ流動し、第二液室14内の作動液21が第二オリフィス流路18を通過して第三液室15へ流動するとともに第四オリフィス流路20を通過して第四液室16へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路17,18,19,20を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
(2)径方向振動入力時
当該ブッシュ1に対して特定の径方向(図4〜5におけるR方向)から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して相対変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第一ゴム状弾性体9が径方向に圧縮されるので、ここに位置する第一ゴム状弾性体9内の第一液室13は容積が縮小して高圧となる。また同時に、第二ゴム状弾性体11も同方向に圧縮されてその内部の第三および第四液室15,16も変形するが、振動入力方向からして変形はそれほど大きくないことから、第一液室13と第三および第四液室15,16に圧力差が発生する。また、第一ゴム状弾性体9の第二液室14は反対に引張りを受けて容積が拡大し低圧となるので、第三および第四液室15,16と第二液室14にも圧力差が発生する。したがって、これらの圧力差を解消すべく、作動液21が最も高圧の第一液室13から第一オリフィス流路17を通過して第三液室15へ流動するとともに第三オリフィス流路19を通過して第四液室16へ流動し、更に第三液室15から第二オリフィス流路18を通過して第二液室14へ流動するとともに第四液室16から第四オリフィス流路20を通過して第二液室14へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路17,18,19,20を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
また反対に、当該ブッシュ1に対して上記特定の径方向(R方向)とは180度対称の径方向(R方向)から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して相対変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第一ゴム状弾性体9が径方向に圧縮されるので、ここに位置する第一ゴム状弾性体9内の第二液室14は容積が縮小して高圧となる。また同時に、第二ゴム状弾性体11も同方向に圧縮されてその内部の第三および第四液室15,16も変形するが、振動入力方向からして変形はそれほど大きくないことから、第二液室14と第三および第四液室15,16に圧力差が発生する。また、第一ゴム状弾性体9の第一液室13は反対に引張りを受けて容積が拡大し低圧となるので、第三および第四液室15,16と第一液室13にも圧力差が発生する。したがって、これらの圧力差を解消すべく、作動液21が最も高圧の第二液室14から第二オリフィス流路18を通過して第三液室15へ流動するとともに第四オリフィス流路20を通過して第四液室16へ流動し、更に第三液室15から第一オリフィス流路17を通過して第一液室13へ流動するとともに第四液室16から第三オリフィス流路19を通過して第一液室13へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路17,18,19,20を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
また、当該ブッシュ1に対して上記特定の径方向(R方向)とは直交する一方の径方向(R方向)から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して相対変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第二ゴム状弾性体11が径方向に圧縮されるので、ここに位置する第二ゴム状弾性体11内の第三液室15は容積が縮小して高圧となる。また同時に、第一ゴム状弾性体9も同方向に圧縮されてその内部の第一および第二液室13,14も変形するが、振動入力方向からして変形はそれほど大きくないことから、第三液室15と第一および第二液室13,14に圧力差が発生する。また、第二ゴム状弾性体11の第四液室16は反対に引張りを受けて容積が拡大し低圧となるので、第一および第二液室13,14と第四液室16にも圧力差が発生する。したがって、これらの圧力差を解消すべく、作動液21が最も高圧の第三液室15から第一オリフィス流路17を通過して第一液室13へ流動するとともに第二オリフィス流路18を通過して第二液室14へ流動し、更に第一液室13から第三オリフィス流路19を通過して第四液室16へ流動するとともに第二液室14から第四オリフィス流路20を通過して第四液室16へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路17,18,19,20を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
更にまた、当該ブッシュ1に対して上記特定の径方向(R方向)とは直交する他方の径方向(R方向)から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して相対変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第二ゴム状弾性体11が径方向に圧縮されるので、ここに位置する第二ゴム状弾性体11内の第四液室16は容積が縮小して高圧となる。また同時に、第一ゴム状弾性体9も同方向に圧縮されてその内部の第一および第二液室13,14も変形するが、振動入力方向からして変形はそれほど大きくないことから、第四液室16と第一および第二液室13,14に圧力差が発生する。また、第二ゴム状弾性体11の第三液室15は反対に引張りを受けて容積が拡大し低圧となるので、第一および第二液室13,14と第三液室15にも圧力差が発生する。したがって、これらの圧力差を解消すべく、作動液21が最も高圧の第四液室16から第三オリフィス流路19を通過して第一液室13へ流動するとともに第四オリフィス流路20を通過して第二液室14へ流動し、更に第一液室13から第一オリフィス流路17を通過して第三液室15へ流動するとともに第二液室14から第二オリフィス流路18を通過して第三液室15へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路17,18,19,20を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
したがって以上のように、当該ブッシュ1によれば、3方向(軸方向および径2方向)からの入力に対して振動を低減させることができ、またこの3方向の合成よりなる方向からの入力に対しても振動を低減させることができることから、極めて高性能の液体封入式ブッシュを提供することができる。
第二実施例・・・
図7は、本発明の第二実施例に係る液体封入式ブッシュの平面を示しており、そのF−F線断面が図8に示されるとともに、G−G線断面が図9に示されている。また、図10は図8におけるH−H線断面図、図11はI−I線断面図、図12はJ−J線断面図である。
当該実施例に係る液体封入式ブッシュは、振動の入力により入力軸2および出力軸3が軸方向または径方向に相対変位したときに振動を減衰させるステアリング用の液体封入式ブッシュ1であって、以下のように構成されている。
すなわち先ず、図8および図9に示すように、筒状内面5aを有する側壁部(外筒)5の軸方向一端に一方の端壁部(一方の蓋)6が固定されるとともに軸方向他端に他方の端壁部(他方の蓋)7が固定されて、これら剛材よりなる三部材5,6,7によって当該ブッシュ1のケース4が構成されている。一方の端壁部6は円板状をなし、その平面中央に開口部6aが設けられ、この開口部6aに入力軸2が軸方向および径方向に変位可能に挿し込まれ、このケース4内に挿し込まれた入力軸2の外周に押圧部(中央プレート)8が端壁部6,7と平行に固定されている。他方の端壁部7はこれも円板状をなし、平面中央に開口部7aが設けられ、開口部7aに出力軸3が圧入固定されている。入力軸2と出力軸3は同軸上に配置されているが、軸方向に相対変位可能となるよう両軸2,3の間には所定の軸方向間隙が設定されている。押圧部8はこれも円板状をなし、平面中央に開口部8aが設けられ、開口部8aに入力軸2が圧入固定されている。またこの押圧部8は、ケース4に対して径方向に相対変位可能となるよう側壁部5との間に所定の径方向間隙が設定されている。尚、図12に示すように押圧部8の周縁部には、この押圧部8が後記オリフィス部材30,31,35,36と干渉しないよう切欠部8bが円周上二箇所に設けられている。
上記一方の端壁部6に設けられた開口部6aは、入力軸2を挿し込んだ状態においてダストの侵入等を防止すべくゴム膜22により閉塞されている。ゴム膜22は、環状を呈し、その外周に加硫接着した取付環23により開口部6a周縁に固定されるとともに、その内周に加硫接着した取付環24によりカラー25に固定され、このカラー25の内周に入力軸2が摺動可能に挿し込まれている。ゴム膜22は弾性変形するので、入力軸2の径方向変位を妨げることはない。
入力軸2および側壁部5間であって押圧部8および一方の端壁部6間に、環状を呈する断面略円形状の第一ゴム状弾性体9が樹脂スリーブ26とともに配置されており、入力軸2および側壁部5間であって押圧部8および他方の端壁部7間に、同じく環状を呈する断面略円形状の第二ゴム状弾性体11が樹脂スリーブ27とともに配置されている。
図10に示すように、第一ゴム状弾性体9は、略半周分の長さを有するゴムチューブ28,29を二本組み合わせてこの二本のチューブ28,29をジョイント状のオリフィス部材30,31を介して連結して環状としたものであって、図上左側のチューブ28の内空により第一液室13が形成されるとともに、図上右側のチューブ29の内空により第二液室14が形成され、この第一および第二液室13,14を連通させる第一オリフィス流路32が各オリフィス部材30,31に貫通孔状のものとして形成されている。したがって当該実施例では、第一オリフィス流路32が二本設けられている。
また図11に示すように、第二ゴム状弾性体11も同様に、略半周分の長さを有するゴムチューブ33,34を二本組み合わせてこの二本のチューブ33,34をジョイント状のオリフィス部材35,36を介して連結して環状としたものであって、図上左側のチューブ33の内空により第三液室15が形成されるとともに、図上右側のチューブ34の内空により第四液室16が形成され、この第三および第四液室15,16を連通させる第二オリフィス流路37が各オリフィス部材35,36に貫通孔状のものとして形成されている。したがって当該実施例では、第二オリフィス流路37が二本設けられている。
また、図8に示すように、図上上下に並べられた第一および第三液室13,15を連通させる第三オリフィス流路38が小径チューブ状のものとして設けられてチューブ28,33に連結されており、同様に、第二および第四液室14,16を連通させる第四オリフィス流路39が小径チューブ状のものとして設けられてチューブ29,34に連結されている。各オリフィス流路32,37,38,39を介して連通する各液室13,14,15,16は、液密を保持し、その内部にシリコーンオイル等の非圧縮性流体よりなる作動液21が封入されている。
尚、当該第二実施例では、上記第一実施例と違って、第一および第二液室13,14と第三および第四液室15,16は円周上直交配置されておらず、同じ向きに配置されている(図10において第一および第二液室13,14が左右に並べられているのに対して、同じ向きから見た図11において第三および第四液室15,16も左右に並べられており、この並び方向が同じとされている)。
上記構成を備えた液体封入式ブッシュ1は、上記したように自動車等のステアリング系に用いられるものであって、比較的小振幅の振動が入力するとゴム状弾性体9,11が弾性変形することにより対応するほか、比較的大振幅の振動が入力すると以下のように作動する。
(1)軸方向振動入力時
当該ブッシュ1に対して軸方向振動が入力して入力軸2が出力軸3に近付く方向に相対変位すると、押圧部8と他方の端壁部7の間隔が狭められて第二ゴム状弾性体11のチューブ33,34が軸方向に圧縮されるので、チューブ33,34内の第三および第四液室15,16は容積が縮小して高圧となる。一方、押圧部8と一方の端壁部6の間隔は拡げられて第一ゴム状弾性体9のチューブ28,29は軸方向に膨張可能となるので、チューブ28,29内の第一および第二液室13,14は容積が拡大して低圧となる。したがって、第三および第四液室15,16と第一および第二液室13,14に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第三液室15内の作動液21が第三オリフィス流路38を通過して第一液室13へ流動し、第四液室16内の作動液21が第四オリフィス流路39を通過して第一液室13へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路38,39を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
また反対に、当該ブッシュ1に対して軸方向振動が入力して入力軸2が出力軸3から離れる方向に相対変位すると、押圧部8と一方の端壁部6の間隔が狭められて第一ゴム状弾性体9のチューブ28,29が軸方向に圧縮されるので、チューブ28,29内の第一および第二液室13,14は容積が縮小して高圧となる。一方、押圧部8と他方の端壁部7の間隔は拡げられて第二ゴム状弾性体11のチューブ33,34は軸方向に膨張可能となるので、チューブ33,34内の第三および第四液室15,16は容積が拡大して低圧となる。したがって、第一および第二液室13,14と第三および第四液室15,16に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第一液室13内の作動液21が第三オリフィス流路38を通過して第三液室15へ流動し、第二液室14内の作動液21が第四オリフィス流路39を通過して第四液室16へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路38,39を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
(2)径方向振動入力時
当該ブッシュ1に対して特定の径方向(図10〜11におけるR方向)から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して相対変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第一ゴム状弾性体9のチューブ28が径方向に圧縮されるので、その内部の第一液室13は容積が縮小して高圧となる。また同様に、第二ゴム状弾性体11のチューブ33内の第三液室15も容積が縮小して高圧となる。一方、180度反対側では、第一ゴム状弾性体9のチューブ29および第二ゴム状弾性体11のチューブ34がともに膨張可能となるので、チューブ29,34内の第二および第四液室14,16は容積が拡大して低圧となる。したがって、第一および第三液室13,15と第二および第四液室14,16に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第一液室13内の作動液21が第一オリフィス流路32を通過して第二液室14へ流動し、第三液室15内の作動液21が第二オリフィス流路37を通過して第四液室16へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路32,37を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
また反対に、当該ブッシュ1に対して上記特定の径方向(R方向)とは180度対称の径方向(R方向)から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して相対変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第一ゴム状弾性体9のチューブ29が径方向に圧縮されるので、その内部の第二液室14は容積が縮小して高圧となる。また同様に、第二ゴム状弾性体11のチューブ34内の第四液室16も容積が縮小して高圧となる。一方、180度反対側では、第一ゴム状弾性体9のチューブ28および第二ゴム状弾性体11のチューブ33がともに膨張可能となるので、チューブ28,33内の第一および第三液室13,15は容積が拡大して低圧となる。したがって、第二および第四液室14,16と第一および第三液室13,15に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第二液室14内の作動液21が第一オリフィス流路32を通過して第一液室13へ流動し、第四液室16内の作動液21が第二オリフィス流路37を通過して第三液室15へ流動する。したがって、作動液21が各オリフィス流路32,37を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
したがって以上のように、当該ブッシュ1によれば、2方向(軸方向および径方向)からの入力に対して振動を低減させることができ、またこの2方向の合成よりなる方向からの入力に対しても振動を低減させることができることから、極めて高性能の液体封入式ブッシュを提供することができる。
第三実施例・・・
上記第二実施例では、上記第一実施例とは異なり、第一および第二液室13,14と第三および第四液室15,16は円周上直交配置されておらず、同じ向きに配置されているが、上記第一実施例と同様に、円周上直交配置しても良い。この場合は、上記第二実施例における径方向振動入力時の作動が以下のように変更される。
すなわち、当該ブッシュ1に対して特定の径方向(図10〜11におけるR方向)から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して相対変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第一ゴム状弾性体9のチューブ28が径方向に圧縮されるので、その内部の第一液室13は容積が縮小して高圧となる。一方、180度反対側では、チューブ29が膨張可能となるので、チューブ29内の第二液室14は容積が拡大して低圧となる。したがって、第一液室13と第二液室14に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第一液室13内の作動液21が第一オリフィス流路32を通過して第二液室14へ流動する。したがって、作動液21が第一オリフィス流路32を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
また反対に、当該ブッシュ1に対して上記特定の径方向(R方向)とは180度対称の径方向(R方向)から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して相対変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第一ゴム状弾性体9のチューブ29が径方向に圧縮されるので、その内部の第二液室14は容積が縮小して高圧となる。一方、180度反対側では、チューブ28が膨張可能となるので、チューブ28内の第一液室13は容積が拡大して低圧となる。したがって、第二液室14と第一液室13に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第二液室14内の作動液21が第一オリフィス流路32を通過して第一液室13へ流動する。したがって、作動液21が第一オリフィス流路32を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
また、当該ブッシュ1に対して上記特定の径方向(R方向)とは直交する一方の径方向から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第二ゴム状弾性体11のチューブ33が径方向に圧縮されるので、その内部の第三液室15は容積が縮小して高圧となる。一方、180度反対側では、チューブ34が膨張可能となるので、チューブ34内の第四液室16は容積が拡大して低圧となる。したがって、第三液室15と第四液室16に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第三液室15内の作動液21が第二オリフィス流路37を通過して第四液室16へ流動する。したがって、作動液21が第二オリフィス流路37を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
更にまた、当該ブッシュ1に対して上記特定の径方向(R方向)とは直交する他方の径方向から振動が入力して入力軸2が出力軸3に対して変位すると、入力軸2が側壁部5に近付く方向において第二ゴム状弾性体11のチューブ34が径方向に圧縮されるので、その内部の第四液室16は容積が縮小して高圧となる。一方、180度反対側では、チューブ33が膨張可能となるので、チューブ33内の第三液室15は容積が拡大して低圧となる。したがって、第四液室16と第三液室15に圧力差が発生するので、この圧力差を解消すべく、第四液室16内の作動液21が第二オリフィス流路37を通過して第三液室15へ流動する。したがって、作動液21が第二オリフィス流路37を流れることにより、予め設定した特定の周波数で液柱共振作用が発揮され、減衰力が発生するので、この減衰力により入力振動を低減させることができる。
したがって、上記第一実施例と同様、3方向(軸方向および径2方向)からの入力に対して振動を低減させることができ、またこの3方向の合成よりなる方向からの入力に対しても振動を低減させることができることから、極めて高性能の液体封入式ブッシュを提供することができる。
本発明の第一実施例に係る液体封入式ブッシュの平面図 同ブッシュの縦断面図であって図1におけるA−A線断面図 同ブッシュの縦断面図であって図1におけるB−B線断面図 同ブッシュの横断面図であって図3におけるC−C線断面図 同ブッシュの横断面図であって図3におけるD−D線断面図 同ブッシュの横断面図であって図3におけるE−E線断面図 本発明の第二実施例に係る液体封入式ブッシュの平面図 同ブッシュの縦断面図であって図7におけるF−F線断面図 同ブッシュの縦断面図であって図7におけるG−G線断面図 同ブッシュの横断面図であって図8におけるH−H線断面図 同ブッシュの横断面図であって図8におけるI−I線断面図 同ブッシュの横断面図であって図8におけるJ−J線断面図 従来例に係るブッシュの断面図
符号の説明
1 液体封入式ブッシュ
2 入力軸
3 出力軸
4 ケース
5 側壁部
5a 筒状内面
6 一方の端壁部
7 他方の端壁部
6a,7a,8a 開口部
8 押圧部
8b 切欠部
9 第一ゴム状弾性体
10 入力側プレート
11 第二ゴム状弾性体
12 出力側プレート
13 第一液室
14 第二液室
15 第三液室
16 第四液室
17,32 第一オリフィス流路
18,37 第二オリフィス流路
19,38 第三オリフィス流路
20,39 第四オリフィス流路
21 作動液
22 ゴム膜
23,24 取付環
25 カラー
26,27 樹脂スリーブ
28,29,33,34 チューブ
30,31,35,36 オリフィス部材

Claims (3)

  1. 振動の入力により入力軸と出力軸が軸方向または径方向に変位したときに前記振動を減衰させる液体封入式ブッシュであって、
    筒状内面を有する側壁部の軸方向両端にそれぞれ端壁部を設け、一方の端壁部に設けた開口部に入力軸を軸方向および径方向に変位可能に挿し込むとともに他方の端壁部に出力軸を連結したケースと、前記ケース内にて入力軸に設けられた押圧部と、前記入力軸および側壁部間であって前記押圧部および一方の端壁部間に配置された第一ゴム状弾性体と、前記入力軸および側壁部間であって前記押圧部および他方の端壁部間に配置された第二ゴム状弾性体と、前記第一ゴム状弾性体の内部であって円周上対称位置に設けられるとともに作動液を封入した第一および第二液室と、前記第二ゴム状弾性体の内部であって円周上対称位置に設けられかつ前記第一および第二液室とは円周上直交配置されるとともに作動液を封入した第三および第四液室と、前記第一液室と第三液室を連通させる第一オリフィス流路と、前記第二液室と第三液室を連通させる第二オリフィス流路と、前記第一液室と第四液室を連通させる第三オリフィス流路と、前記第二液室と第四液室を連通させる第四オリフィス流路とを有することを特徴とする液体封入式ブッシュ。
  2. 振動の入力により入力軸と出力軸が軸方向または径方向に変位したときに前記振動を減衰させる液体封入式ブッシュであって、
    筒状内面を有する側壁部の軸方向両端にそれぞれ端壁部を設け、一方の端壁部に設けた開口部に入力軸を軸方向および径方向に変位可能に挿し込むとともに他方の端壁部に出力軸を連結したケースと、前記ケース内にて入力軸に設けられた押圧部と、前記入力軸および側壁部間であって前記押圧部および一方の端壁部間に配置された第一ゴム状弾性体と、前記入力軸および側壁部間であって前記押圧部および他方の端壁部間に配置された第二ゴム状弾性体と、前記第一ゴム状弾性体の内部であって円周上対称位置に設けられるとともに作動液を封入した第一および第二液室と、前記第二ゴム状弾性体の内部であって円周上対称位置に設けられるとともに作動液を封入した第三および第四液室と、前記第一液室と第二液室を連通させる第一オリフィス流路と、前記第三液室と第四液室を連通させる第二オリフィス流路と、前記第一液室と第三液室を連通させる第三オリフィス流路と、前記第二液室と第四液室を連通させる第四オリフィス流路とを有することを特徴とする液体封入式ブッシュ。
  3. 請求項2の液体封入式ブッシュにおいて、
    第一ゴム状弾性体の内部に設けた第一および第二液室と、第二ゴム状弾性体の内部に設けた第三および第四液室とは、円周上直交配置されていることを特徴とする液体封入式ブッシュ。
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