JP2007169710A - 真空装置及び真空装置の電力供給方法 - Google Patents

真空装置及び真空装置の電力供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
異常放電防止機能が働く際には、直流電源装置から異常放電防止装置に流れる電流を最小にすること。
【解決手段】
真空装置の異常放電防止装置は、真空負荷における異常放電発生の発生を検出したときに異常放電検出信号を発生、又は異常放電発生の予兆を検出したときに異常放電予知信号を発生、あるいは前記真空負荷における異常放電の発生を予防するために周期的に発生される異常放電予防信号を発生し、インバータと制御回路との間に設けられたゲート回路は、異常放電防止装置が異常放電に関する信号を出力するときに、前記制御回路と前記インバータのスイッチング半導体素子の制御端子との間を予め設定された通過禁止期間だけ遮断して、通過禁止期間中は制御信号を前記インバータに通過させず、通過禁止期間が経過したときに制御信号を前記インバータに通過させることを特徴とする真空装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アーク放電のような異常放電の発生時にはその異常放電を消孤する機能、又は異常放電の発生を未然に予防する機能をもつ異常放電防止装置を備えた真空装置及びその電力供給方法に関する。
従来、1個以上のスイッチング半導体素子を備えるインバータ回路と、その交流出力を直流出力に変換する整流器と、その直流出力を平滑する平滑用インダクタと平滑用コンデンサとからなる平滑回路とを備えた直流電源に接続されるスパッタ装置、あるいはエッチング装置、電子ビーム蒸着装置、又はPVD(Physical Vapor Deposition)装置などのような真空を利用した真空装置において、真空装置における真空負荷の電極のインピーダンスが低下したり、あるいは導電性のごみなどが電極間を短絡することによって、プラズマ状態において一時的に異常放電が発生したり、あるいは電子ビーム蒸着装置では高電位にあるフィラメントとその周囲に位置する電極との間で異常放電が生じる場合がある。
スパッタ装置においては、異常放電が発生すると、スパッタリング中の液晶などの基板材料に欠陥を与え、あるいはコンパクトディスクやDVD(Digital Versatile Disk)における金属膜に欠陥を与えるなど、製品の歩留まりを低下させるという問題があった。また、電子ビーム蒸着装置では放電エネルギーによってフィラメントが断線する原因となる。したがって、極力異常放電の発生を防止しなければならない(特許文献1参照)。従来、これら真空装置における異常放電対策の一つとして、異常放電防止装置における異常放電発生検出機構が異常放電の発生を検出して異常放電検出信号を出力し、半導体スイッチをオンさせて逆電圧電源から真空負荷に逆電圧を印加したり、又は半導体スイッチをオンさせて真空負荷の両端を短絡することによって、異常放電を短時間で消滅させることが行われている。また、他の異常放電対策として、異常放電防止装置における異常放電の予知検出機構が異常放電の発生の予兆を検出して異常放電予知信号を出力し、前述のように真空負荷に逆電圧を印加したり、又は真空負荷の両端を短絡することによって、異常放電の発生を予防している。さらに、別の異常放電対策としては、周期的に異常放電防止信号を出力し、周期的に上述のように逆電圧を真空負荷に印加したり、又は真空負荷の両端を短絡することによって、異常放電の発生を未然に防いでいる(例えば、特許文献2参照)。
また、別の異常放電対策としては、真空負荷に異常放電が発生したときに、真空負荷に流れる電流を安定化させるための電流安定化用インダクタンス素子に流れる電流の上昇を回避し、異常放電防止装置を流れる電流の増大を抑制するために、インバータ装置の制御機能を所定時間だけ停止させ、インバータ装置を構成するすべてのスイッチング半導体素子をオフさせて、インバータ装置を停止させるものもあるが、このようにインバータ装置を停止させると復帰時にトランスが偏励磁して過電流が流れ、インバータ装置が不安定な動作になるという問題がある。さらに、インバータ装置は突入電流防止のためにソフトスタート機能を有するものが多いが、この場合にはインバータ装置の復帰に時間がかかり、真空負荷に悪影響を与えるという問題があることが述べられている(特許文献3参照)。なお、一般的にこのような直流電源装置は出力の安定化のために平滑用インダクタを備えている。また、直流電源装置の平滑用インダクタとは別に異常放電防止装置に数100μH〜数mHという大きなインダクタンスを有する電流安定化用インダクタンス素子を備えている。その理由はそのインダクタンスが大きいほどそのインダクタンスの電流持続作用により電子ビーム又はプラズマ放電が安定し、異常放電に移行しにくいからである。
特開平8−311647号公報 特開2005−318714公報 特開2001−295042公報
しかし、前掲特許文献1に記載されているような異常放電対策にあっては、異常放電を比較的速やかに消失させることができるが、異常放電防止装置が動作したときに流れる電流は、異常放電防止装置が動作する直前までその電流安定化用インダクタンス素子を流れていた電流に、直流電源装置から給電されるエネルギーによる電流、あるいは直流電源装置の出力電圧に逆電圧を加算した電圧によるピーク値の大きな電流が電流安定化用インダクタ素子及び異常放電防止装置における前記半導体スイッチを流れることになる。このような異常放電対策にあっては、異常放電を速やかに消失させるという観点からは逆電圧が大きく、かつ逆電圧印加時間を長くするのが有効であるが、このような条件にすると、前述したように電流安定化用インダクタ素子及び異常放電防止装置における前記半導体スイッチを流れる電流が大きくなるという問題がある。したがって、実際の真空装置にあっては前述条件のバランスを考慮して、逆電圧の大きさとその印加時間、及び電流安定化用インダクタ素子のインダクタンスなどの大きさが決められる。また、前記電流安定化用インダクタ素子及び異常放電防止装置における前記半導体スイッチを流れる電流が大きい状態で、前記半導体スイッチをオフに戻すと、電流安定化用インダクタンス素子を通流していた電流は真空負荷を流れるので、再び異常放電を引き起こすことがあり、したがって、真空負荷と並列に容量の大きなコンデンサスナバ回路を設けなければならないという問題がある。
前掲特許文献2に記載されている方法の場合には、前掲特許文献1の方法による問題点を軽減できる。しかしながら、前述したように、異常放電防止機能が働く際には直流電源装置のインバータ回路を停止させるので、インバータ回路が復帰するときに直流電源装置が定格出力電圧を出力する状態に戻るまでに時間がかかること、インバータ回路が復帰するときにトランスが偏励磁することがあるなどの問題があり、真空負荷に電力を供給する電源装置としてはこのような技術を用い難い。更にまた、従来の直流電源装置は平滑用インダクタを出力側に備えているので、インバータ回路が動作停止しても、平滑用インダクタに蓄えられているエネルギーが放出されるために、直流電源装置からエネルギーが供給され続けるという欠点もある。
したがって、本発明は前述の問題点を解決しながら、異常放電防止機能が働く際には、直流電源装置から異常放電防止装置に流れる電流を最小にすることによって、異常放電防止機能が働くときに安定化用インダクタンスをそれまで流れていた電流をほとんど増大させず、従来に比べて安定化用インダクタを流れる電流のピーク値を低減させることを主目的にしている。
第1の発明は、真空負荷と、その真空負荷に給電する直流電源装置と、その直流電源装置と前記真空負荷との間に備えられて異常放電の発生を防止する異常放電防止装置とを備える真空装置において、前記直流電源装置は、トランスと、そのトランスの1次巻線に接続されていて、前記真空負荷に給電される電力を制御するスイッチング半導体素子を備えるインバータと、前記トランスの2次巻線に接続されている整流回路と、前記スイッチング半導体素子を制御する制御回路と、その制御回路と前記スイッチング半導体素子の制御端子との間に備えられているゲート回路とを備え、前記異常放電防止装置は、前記真空負荷における異常放電の発生を検出したときに異常放電検出信号を出力、又は異常放電発生の予兆を検出したときに異常放電予知信号を出力、あるいは前記真空負荷における異常放電の発生を予防するために周期的に発生される異常放電予防信号を出力し、前記ゲート回路は、前記異常放電防止装置が前記異常放電検出信号又は前記異常放電予知信号、あるいは前記異常放電予防信号を出力するときに、前記制御回路と前記スイッチング半導体素子の制御端子との間を予め設定された通過禁止期間だけ遮断して、その通過禁止期間中は前記制御信号を前記スイッチング半導体素子の制御端子に通過させず、前記通過禁止期間が経過したときに前記制御信号を前記スイッチング半導体素子の制御端子に通過させることを特徴とする真空装置を提供する。
第2の発明は、前記第1の発明において、前記制御回路の前記動作応答時間は100μsよりも長く、前記通過禁止期間は10μsから100μs以下であることを特徴とする真空装置を提供する。
第3の発明は、前記第1の発明又は前記第2の発明において、前記通過禁止期間は、前記異常放電検出信号又は前記異常放電予知信号、あるいは前記異常放電予防信号が発生するときに形成される信号のパルス幅と実質的に等しい期間であることを特徴とする真空装置を提供する。
第4の発明は、前記第1の発明ないし前記第3の発明のいずれかにおいて、前記真空負荷の負荷電力に比例する負荷電力検出信号と比較される基準電力値を有する電力基準源と、前記負荷電力検出信号と前記基準電力値との差に等しい誤差増幅信号を前記制御回路に出力する誤差増幅器とを備え、前記電力基準源は、前記通過禁止期間中は、定常時の前記基準電力値よりも低い値の基準電力値を与えることを特徴とする真空装置を提供する。
第5の発明は、前記第1の発明ないし前記第4の発明のいずれかにおいて、前記整流回路は出力端子間に平滑用コンデンサを備え、かつ実質的に平滑用インダクタを備えないコンデンサインプット型であることを特徴とする真空装置を提供する。
第6の発明は、前記第1の発明ないし前記第5の発明のいずれかにおいて、前記異常放電防止装置は、前記真空負荷における異常放電の発生を検出したとき、又は異常放電発生の予兆を検出したとき、あるいは前記真空負荷における異常放電の発生を予防するために周期的に発生される異常放電予防信号を出力するとき、前記真空負荷に逆極性の電圧を印加、又は前記真空負荷の両端を短絡する半導体スイッチを備えることを特徴とする真空装置を提供する。
第7の発明は、真空負荷と、前記真空負荷に給電される電力を制御するスイッチング半導体素子を備えるインバータとそのインバータを制御する制御回路とを備える直流電源装置と、その直流電源装置と前記真空負荷との間に備えられている異常放電防止装置とからなる真空装置の電力供給方法において、前記異常放電防止装置が、異常放電の発生を示す異常放電検出信号、又は異常放電発生の予兆を示す異常放電予知信号を出力するとき、あるいは異常放電の発生を未然に防止するために周期的に異常放電防止信号を出力するときでも、前記制御回路の制御機能は停止することなく動作を継続して制御信号を発生し、前記異常放電検出信号又は前記異常放電予知信号、あるいは前記異常放電防止信号は、前記制御回路から出力された前記制御信号が予め設定された通過禁止期間だけ前記スイッチング半導体素子の制御端子に通過するのを遮断し、前記スイッチング半導体素子は、前記制御回路の前記制御信号とは無関係に、前記通過禁止期間だけオフし、前記通過禁止期間の経過に伴い、前記制御信号が前記スイッチング半導体素子の制御端子を通過することにより前記インバータが直ぐに定常の動作を行うことを特徴とする真空装置の電力供給方法を提供する。
第8の発明は、前記第7の発明において、前記異常放電防止装置が動作して、前記真空負荷に逆電圧を印加している期間、又は前記真空負荷の両端を短絡している期間は前記直流電源装置が出力せず、前記通過禁止期間の経過に伴い、前記直流電源装置は直ぐに定常の直流出力電力を出力することを特徴とする真空装置の電力供給方法を提供する。
第9の発明は、前記第7の発明又は前記第8の発明において、前記制御機能の前記動作応答時間は100μsよりも長く、前記通過禁止期間は10μsから100μs以下であることを特徴とする真空装置の電力供給方法を提供する。
前述のような問題を解決するため、前記第1の発明は異常放電防止機能が働く際に、直流電源装置から異常放電防止装置の半導体スイッチに流れる電流を最小にすることができ、異常放電防止装置の低コスト化、小型軽量化などを図ることができ、また、異常放電消滅直後に真空負荷を流れる電流を低減するので、負荷への悪影響を小さくできる。また、インバータが停止する通過禁止期間の経過後に直ぐに前記直流電源装置が定常の直流電力を出力することができる。
前記第2、第3の発明によれば、前記第1の発明が奏する効果の他に、異常放電防止作用を行う半導体スイッチがオフする通過禁止期間の経過直後における直流電源装置の出力電圧のオーバーシュートを防ぐことができだけでなく、真空負荷に流れ始める電流のオーバーシュートも防ぐことができる。
前記第4の発明によれば、前記第1の発明ないし前記第3の発明が奏する効果の他に、制御回路が高速の制御応答特性を有するものであっても、異常放電防止作用を行う半導体スイッチがオフする通過禁止期間経過直後における直流電源装置の出力電圧のオーバーシュートを防ぐことができる。
前記第5の発明によれば、前記第1の発明ないし前記第4の発明が奏する効果の他に、インバータが動作を停止するときに、急速に直流電源装置が供給する出力電力を低下させることができる。
前記第6の発明によれば、前記第1の発明ないし前記第5の発明が奏する効果の他に、異常放電の発生を検出するだけではなく、異常放電の発生を予知して、短時間で真空負荷における異常放電を消滅させ、あるいは異常放電に至る前に放電を消滅させることができる。
前記第7の発明によれば、異常放電防止機能が働く際に、直流電源装置から異常放電防止装置の半導体スイッチに流れる電流を最小にすることができ、異常放電防止装置の低コスト化、小型軽量化などを図ることができ、また、異常放電の消滅直後に真空負荷を流れる電流のオーバーシュートを防止するので、負荷への悪影響を小さくできる電力供給方法を提供できる。また、インバータが停止する通過禁止期間の経過後に直ぐに定常の直流電力を出力することができる。
前記第8の発明によれば、前記第7の発明が奏する効果の他に、インバータが停止する通過禁止期間の経過後に直ぐに定常の直流電力を出力することができる電力供給方法を提供する。
前記第9の発明によれば、前記第8の発明が奏する効果の他に、異常放電防止作用を行う半導体スイッチがオフする通過禁止期間経過直後における直流電源装置の出力電圧のオーバーシュートを防ぐことができる電力供給方法を提供する。
[実施形態1]
図1及び図2によって本発明に係る実施形態1の真空装置100について説明する。この真空装置100は、大別して直流電源装置1、異常放電防止装置30及び真空負荷50からなる。直流電源装置1は、商用三相交流入力電源10からの三相交流電力は直流電力に変換する三相全波整流装置11、その直流電力を高周波交流電力に変換するインバータ12、インバータ12に接続された1次巻線13Aと2次巻線13Bとを有するトランス13、2次巻線13Bに接続された出力側整流回路14、出力側整流回路14の出力端子間に接続された平滑用コンデンサ15、インバータ12に制御信号を与える制御回路16、インバータ12と制御回路16との間に接続されているゲート回路17、直流出力端子18と19、これら直流出力端子18と19から真空負荷50に流れる電流を検出する負荷電流検出器20、負荷電圧検出回路21、負荷電流検出器20からの負荷電流検出信号と負荷電圧検出回路21からの負荷電圧検出信号とを乗算して、真空負荷50の負荷電力に比例する負荷電力検出信号を出力する乗算回路22、その負荷電力検出信号と電力基準源23の基準電力値との誤差増幅信号を出力する誤差増幅器24などからなる。なお、交流入力電源10は単相交流電源でも勿論よい。この場合には、整流装置11は単相交流を直流に変換する回路構成のものになる。
インバータ12は、4個のIGBT又はMOSFETのようなスイッチング半導体素子12A、12B、12C、12Dをフルブリッジ構成に接続してなるフルブリッジ型インバータである。スイッチング半導体素子12A、12B、12C、12Dはそれぞれボディダイオード(寄生ダイオード)12a、12b、12c、12dを有する。ここで、インバータ12は2個のコンデンサと2個のスイッチング半導体素子とをフルブリッジ構成に接続してなるハーフブリッジ型インバータなど、他の回路構成のインバータであっても勿論よい。なお、スイッチング半導体素子12A〜12Dがボディダイオード12a〜12dを備えない半導体素子の場合には、これらボディダイオードの動作を行う個別のダイオードを逆並列接続すればよい。制御回路16は、異常放電が発生したときでも、スイッチング半導体素子12A〜12Dをパルス幅制御するパルス幅制御信号を出力し続ける。ゲート回路17は4個のANDゲート17A、17B、17C、17Dからなる。ANDゲート17A、17B、17C、17Dは、制御回路16から正の制御信号を受け、かつ異常放電防止装置30から正の信号を受けるとき、正の制御信号をインバータ12に通過させる。そして、異常放電に関連する負の信号を受けるとき、ANDゲート17A、17B、17C、17Dは制御回路16からの正の制御信号を遮断し、通過させない。この真空装置100では、インバータ12、トランス13、制御回路16、及びゲート回路17がインバータ装置を構成する。スイッチング半導体素子12Aと12B、12Cと12Dは互いに逆位相で交互に動作する。また、図示していないが、実際には制御回路16とスイッチング半導体素子12A、12B、12C、12Dとの間における電気信号の授受は絶縁伝達される。
直流電源装置1の直流出力端子18、19に接続されている異常放電防止装置30は、直流出力端子18、19間に真空負荷50と直列に接続されて、負荷電流を連続させる働きとアーク放電のような異常放電(以下、異常放電という。)の発生時に急激に電流が増大するのを抑制する働きとを行う電流安定化用インダクタンス素子31、真空負荷50の両端に跨って接続され、かつ互いに直列に接続されている半導体スイッチ32と逆極性電源33、低電圧側と高電圧側を電気絶縁しながら信号を伝達する絶縁伝達回路34、真空負荷50の両端に接続されて異常放電の発生を検出又は異常放電発生の予知を行う異常放電検知回路35、異常放電検知回路35から異常放電検出信号又は異常放電予知信号を受けるときにHレベル(1)のパルス信号S1とLレベル(0)のパルス信号S2とを発生するパルス発生回路36を備える。ここで、逆極性電源33の逆極性電圧とは、真空負荷50における定常の電圧の極性(図示)とは反対の極性の電圧を言う。逆極性電源33の逆極性電圧は、直流電源装置1の直流出力電圧の10〜20%程度である。例えば、直流電源装置1の直流出力電圧が−500Vの場合、+100V程度である。なお、逆極性電源33は図示極性で充電される不図示のコンデンサとこれを充電する充電回路とからなるものが知られている。
先ず、真空装置100の動作を説明する前に異常放電検知回路35について説明するが、異常放電検知回路35の詳細な構成は本発明の要件でなく、本件出願人の先願の特願2005−097848号明細書に記載されているので、構成については図示せずに、以下では作用的に説明する。異常放電検知回路35の基本的な第1の例としては、真空負荷50に異常放電が発生すると、負荷電圧は急激に低下して設定電圧以下に降下し、かつ負荷電流は急激に増えて設定値以上に増大するので、この条件が満たされたときに異常放電が発生したものとして異常放電検出信号を発生する。第2の例としては、真空負荷50に異常放電が発生又は異常放電の発生に至る可能性が大きなときには負荷電圧の減少率が大きくなるので、その電圧減少率を検出し、前記電圧減少率が設定値を超えた場合には異常放電発生の直前であるとして異常放電予知信号を出力、あるいは異常放電が発生したものとして異常放電検出信号を発生する。この点についてもう少し詳しく説明すると、真空負荷50がマグネトロンスパッタである場合、プラズマ運転中において、異常放電が発生しにくい安定状態では、真空負荷50の電圧の減少率、つまり降下率は小さく、設定値に達しないので異常放電予知信号又は異常放電検出信号を発生しない。
しかし、真空負荷50の不図示のターゲットが帯電することなどによって異常放電が発生し易い状態になると、異常放電には未だ移行しない微小放電が発生し、この微小放電で電流が増加しようとすると、電流安定化用インダクタンス素子31が存在するために電流の増加は真空負荷50の電圧を短時間で降下させる。このように微小放電によって真空負荷50の電圧降下が生じる状態は、真空負荷50がプラズマ状態から異常放電状態に移行し易い不安定な状態であり、異常放電に移行する可能性がある。したがって、この異常放電状態に移行し易い不安定な状態を、異常放電発生の前兆現象として捉え、この前兆現象として真空負荷50の電圧の降下率を検出し、その電圧降下率を示す検出電圧が基準値、つまり設定値よりも高くなれば、異常放電に移行する危険性が高いものとして異常放電予知信号を発生する。
異常放電検知方法の第3の例として、短い一定時間ごとに小さい時間幅で負荷電圧50の電圧をサンプリングし、そのサンプリングした電圧を一旦記憶し、その記憶したサンプリング電圧値を次にサンプリングした電圧値から差し引いて差電圧を求め、その差電圧が設定値よりも大きければ異常放電に移行する危険性が高いものとして異常放電予知信号を発生するものである。この方法の場合には、出力電流の差を用いて同様に行ってもよく、更に電圧差と電流差とを組み合わせればより確実な異常放電発生の予知を検知できる。また、異常放電検知方法の第4の例として、前記第3の例で求めた電圧差を次の電圧差から差し引く、つまり今求めた電圧差から直ぐ前の電圧差を差し引くことによって2次微分信号が得られ、その2次微分信号が設定値よりも大きなときには異常放電予知信号を発生する方法であってもよい。この場合には、第3の例に比べてより迅速に異常放電発生の予知を検知することが可能である。上記に、異常放電検知回路35の代表的な検知方法を説明したが、その他の検知方法を行うものであっても勿論よい。
次に、真空装置100の動作説明を行う。直流電源装置1が定格の直流出力電力をその直流出力端子18、19間に出力している状態では、電流は直流出力端子18から真空負荷50、負荷電流検出器20及び電流安定化用インダクタンス素子31を通して直流出力端子19に流れ、真空負荷50の電圧は高い状態にある。この状態では、異常放電検知回路35は異常放電検出信号及び異常放電予知信号を発生しておらず、したがって、パルス発生回路36が発生する信号S1はLレベルであり、信号S2はHレベルである。絶縁伝達回路34はLレベルの信号S1を絶縁しながら半導体スイッチ32のゲートに伝達し、半導体スイッチ32はオフ状態である。他方、パルス発生回路36からのHレベルの信号S2はゲート回路17における各ANDゲート17A〜17Dの一方の入力端子に入力される。各ANDゲート17A〜17Dの他方の入力端子には制御回路16からのHレベルのパルス幅制御信号が入力される。したがって、各ANDゲート17A〜17DはHレベルの信号S2を受けているときには、そのまま制御回路16からのHレベルのパルス幅制御信号をそれぞれのスイッチング半導体素子12A〜12Dのゲートに通過させ、インバータ12はパルス幅制御される。なお、制御回路16はよく知られているように、乗算回路22から出力される負荷電力検出信号と電力基準源23の基準電力値との差に等しい誤差増幅信号を誤差増幅器24から受けて、前記負荷電力検出信号と基準電力値とが等しくなるようにインバータ12を制御するパルス幅制御信号を出力する。
次に、異常放電検知回路35が前述したような異常放電検出信号又は異常放電予知信号をパルス発生回路36に出力した場合について説明する。パルス発生回路36は、前記信号を受けて、Hレベルの信号S1を出力すると共に、今までHレベルであった信号S2をLレベルの信号レベルに切り替えてゲート回路17に出力する。このとき、制御回路16は誤差増幅器24からの誤差増幅信号を受けて、乗算回路22から出力される負荷電力検出信号が電力基準源23の基準電力値に等しくなるように、パルス幅制御信号をゲート回路17に出力している。しかし、ゲート回路17における各ANDゲート17A〜17Dの一方の入力端子にはLレベルの信号レベルとなっているので、各ANDゲート17A〜17Dは制御回路16からのHレベルのパルス幅制御信号を通過させない。つまり、異常放電検知回路35が異常放電検出信号及び異常放電予知信号を発生すると、制御回路16が正常に動作してパルス幅制御信号を送出していても、パルス幅制御信号はインバータ2に与えられないので、すべてのスイッチング半導体素子12A〜12Dはオフとなり、直流電源装置1は出力停止となる。
他方、パルス発生回路36からのHレベルの信号S1は、例えば20μs程度のパルス幅のパルス信号であり、絶縁伝達回路34を通して半導体スイッチ32のゲートに印加され、半導体スイッチ32をオンにする。半導体スイッチ32のオンに伴って、逆極性電源33の逆極性電圧が真空負荷50に印加されるので、異常放電は消滅する。このとき、今まで直流電源装置1の一方の直流出力端子18から真空負荷50、電流安定化用インダクタンス素子31を通して他方の直流出力端子19に流れていた電流は、半導体スイッチ32のオンに伴って、半導体スイッチ32を通して流れるようになる。本発明では、前述したように、異常放電検知回路35が異常放電検出信号又は異常放電予知信号を出力すると、直流電源装置1は出力の供給を停止するので、半導体スイッチ32が閉じたときに直流電源装置1から供給される電流は十分に小さい。特に、この真空装置100では直流電源装置1の出力に平滑用インダクタを備えていない、いわゆるコンデンサインプット形の整流回路を用いているので、平滑用インダクタに蓄えられたエネルギーが供給されることがなく、かつトランス13の漏れインダクタンスに蓄えられたエネルギーはインバータ12におけるスイッチング半導体素子12A〜12Dのボディダイオード(寄生ダイオード)12a〜12dを通して電源側に帰還されるので、半導体スイッチ32を流れる電流のピーク値を従来に比べて十分に低減することができる。なお、この実施形態では、コンデンサインプット形の整流回路を負荷とするインバータの電流制限要素として、トランス13の漏れインダクタンス(図示しない)を利用しており、この漏れインダクタンスによって平滑用コンデンサ15の充電電流を制限できる。
この点について図2を用いて更に詳しく説明をする。図2(A)は異常放電検知回路35が異常放電検出信号又は異常放電予知信号を発生するときに、パルス発生回路36が半導体スイッチ32に出力する信号S1を示し、図2(B)はそのときにパルス発生回路36がゲート回路17に出力する信号S2を示す。図2(C)は半導体スイッチ32がオンしたときの真空負荷50の電圧波形Voを示す、図2(D)は電流安定化用インダクタンス素子31の電流波形Iを示す。図2(E)は真空負荷50を流れる負荷電流の波形を示し、図2(F)は半導体スイッチ32を流れる電流波形Iを示す。実線は本発明の場合を示し、破線は従来の場合を示す。
アーク放電のような異常放電が発生する時刻t1以前の定常運転状態では、直流電源装置1から真空負荷50、電流安定化インダクタンス素子31へと、図2(D)に示す安定なプラズマ電流Ioが継続して流れている。時刻t1で、異常放電検知回路35が異常放電検出信号又は異常放電予知信号を出力すると、パルス発生回路36は図2(A)のようなHレベルの信号S1を発生すると共に、図2(B)のようにHレベルからLレベルに変化する信号S2を発生する。信号S1のパルス幅が、例えば異常放電を消滅させるのに必要な時間である20μsであるとすると、信号S1は時刻t1から20μs後の時刻t2まで所定のHレベルの電圧であり、時刻t2の経過後にLレベルになる。また、信号S2は時刻t1から時刻t2までの20μsの期間だけLレベルになり、時刻t2の経過後に元のHレベルに戻る。そして、そのHレベルの信号S1を受けて半導体スイッチ32がオンすることにより、真空負荷50に逆極性電源33から逆極性の電圧が印加され、真空負荷50の電圧は図2(C)に示すように正の電圧Eとなる。したがって、真空負荷50に発生している異常放電、あるいは異常放電の発生に至る可能性の大きな放電状態が20μsの期間に消滅するのが理解される。
時刻t1から時刻t2までの期間における電流安定化インダクタンス素子31を流れる電流は、本発明では図2(D)の実線で示すほぼ一定に近い波形になり、従来の場合には破線で示すように増大する波形となる。本発明では、前述したように、ゲート回路17がパルス発生回路36からの図2(B)のような信号S2を受けることによって、時刻t1から時刻t2までの期間T、つまり通過禁止期間Tだけ、制御回路16からのパル幅制御信号をインバータ12に通過させないので、この通過禁止期間Tだけインバータ12はオフであり、直流電源装置1は出力しない。直流電源装置1はコンデンサインプット形であり、直流電源装置1内に含まれるインダクタンスによる影響が実質的に無く、この通過禁止期間中は、平滑用コンデンサ15の充電電荷が急速に放電されるだけなので、図2(D)の実線で示すように時刻t1直後に僅か増えるだけで元に戻る。この点、インバータ12がオフしない従来装置では、時刻t1から時刻t2の期間Tも直流電源装置1は出力電力を供給するので、図2(D)の破線で示すように電流安定化用インダクタンス素子31の電流はそれまで流れていた電流Iを初期電流として、ΔI=ET/Lだけ増大し、(I+ΔI)の電流となる。ここで、Eは直流電源装置1の出力電圧と逆極性電源33の電圧との和に等しい電圧であり、Lは電流安定化用インダクタンス素子31のインダクタンスである。したがって、通過禁止期間T(t1〜t2)では、電流安定化用インダクタンス素子31を流れる電流は半導体スイッチ32に移行して流れるので、図2(E)に実線で示すように真空負荷50に流れる負荷電流Ioは時刻t1後にほぼゼロになり、図2(F)に破線で示すように半導体スイッチ32に流れる電流Iのピーク値は(I+ΔI)まで増大するが、本発明の場合には実線で示すように実質的に増大しない。

また、従来の電源装置の場合には、直流出力端子18、19の出力側整流回路14と平滑用コンデンサ15との間に不図示の平滑用インダクタを備えており、その平滑用インダクタに蓄えられているエネルギーはインバータ12がオフしても平滑用コンデンサ15に放出され続けるので、平滑用コンデンサ15の電圧は低下せず、電流Iの増加分ΔIをより大きくするという欠点を有している。図2(E)の破線からも分かるように、半導体スイッチ32のオフ直後に真空負荷50に流れる電流はオーバーシュートするので、真空負荷50にプラズマがあるレベルで残存する状態では、再度、異常放電が発生する可能性がある。
実施形態1の真空装置100では、半導体スイッチ32がオンするときには、直流電源装置1からほとんど電力を供給しないので、半導体スイッチ32を流れる電流は今まで電流安定化用インダクタンス素子31を流れていた電流とほぼ同程度であるので、従来に比べて電流容量の小さな半導体スイッチ32を用いることができ、異常放電防止装置30の低コスト化を図れると同時に小型軽量化も実現できる。また、従来装置と同程度の電流容量の半導体スイッチを用いる場合には、逆極性電源33の逆極性電圧を更に高くすることができるので、より高速かつ確実に異常放電を消滅させることができる。また、ここで大切なことは、時刻t1から時刻t2までの期間T、つまり通過禁止期間Tでも制御回路16は誤差増幅器24からの帰還信号を受けて正常に動作していることであり、図2(B)に示すようにパルス発生回路36からの信号S2が時刻t2でLレベルからHレベルに戻ると、ゲート回路17が制御回路16からのパルス幅制御信号をそのまま通過させ、直ぐにインバータ12がパルス幅制御で動作を開始し、定電力制御することである。したがって、直流電源装置1の起動時に大きな突入電流が流れるのを防ぐためにソフトスタート制御機能を備えていたとしても、直流電源装置1は通過禁止期間Tの経過後に直ぐに正常な動作を行い、定電力を出力することができる。
また、実施形態1では制御回路16が前記通過禁止期間Tよりも大きな応答時間を有する、つまり応答速度が遅いということも大切なファクタである。上記では、通過禁止期間Tを例えば20μsとして説明したが、通過禁止期間Tは高々(長くても)10〜100μsの範囲であり、制御回路16の周波数応答を通過禁止期間Tよりも長い時間、好ましくは1ms以上に設定しておけば、制御回路16は10〜100μsの範囲の通過禁止期間Tにおける制御信号の遮断に関してはほとんど応答することがなく、制御回路16は通過禁止期間Tの経過直後にほぼ正常に動作を行う。ここで、制御回路16の応答時間とは、一般に制御回路16は図示しない種々の演算回路やキャパシタなどで構成されており、これらの要素によって決まる制御回路16の入力信号に対する出力信号、ここではパルス幅制御信号の遅れ時間、つまり応答時間である。また、制御回路16に入力される誤差増幅器24及びそれに結合される積分要素などによっても、応答時間が決まる。その応答時間が通過禁止期間Tよりも長い時間、好ましくは1ms以上であれば、通過禁止期間Tの経過直後に制御回路16から出力されるパルス幅制御信号には実質的な悪影響が生じない。
他方、制御回路16の応答速度が高速、例えば応答時間が通過禁止期間Tの数倍以下程度の短い時間である場合には、直流電源装置1の出力が強制的にオフされるのに反応して、通過禁止期間Tの経過直後における直流電源装置1の出力がオーバーシュートするなどの問題が発生することがある。このオーバーシュートの発生を回避するためには、通過禁止期間T中は電力基準源23の定常の基準電力値を低下させることによって、オーバーシュートを最小限にできる。この場合には、パルス発生回路36が通過禁止期間Tと同じパルス幅をもつ第3の信号を信号S1に同期させて電力基準源23に与え、電力基準源23はその第3の信号が入力されている通過禁止期間Tだけ定常の基準電力値を所定の値まで低下させればよい。
真空装置100の変形例については、図示しないが、例えば電流安定化用インダクタンス素子31の両端に真空装置100の異常放電検知回路35とほぼ同一の回路構成を有し、かつ同一の働きを行う不図示の異常放電検知回路を備えている構成でもよい。他は真空装置100の構成とほぼ同じであり、動作も同様であるので、図1を利用して主として真空装置100と異なる点について述べる。真空負荷50に異常放電の発生、又は異常放電の発生に至る可能性が大きい状態では、電流安定化用インダクタンス素子31を流れる電流は増大する。これに伴い、電流安定化用インダクタンス素子31の電圧も増大する。その増大が急激であると、異常放電が発生しやすい。したがって、電流安定化用インダクタンス素子31の両端に接続された不図示の異常放電検知回路は電流の増加率に相当する増加率で上昇する電圧が基準電圧以上になるとき、前述と同様に異常放電検出信号又は異常放電予知信号を出力する。他は真空装置100と同様であるので説明を省略する。
また他の変形例として、図1におけるパルス発生回路36が予め決められた周期で半導体スイッチ32を駆動し、異常放電の発生と無関係に半導体スイッチ32をオンさせて周期的に真空負荷50に逆極性電圧を印加するだけの場合、及びこのように周期的に逆極性電圧を真空負荷50に印加しても、異常放電が発生するケースも考えられるので、周期的に逆極性電圧を真空負荷50に印加すると共に、真空装置100のように異常放電を検知して前記対応を行う場合もある。このような場合にも、半導体スイッチ32がオンする期間は通過禁止期間として、制御回路16が動作して制御信号を発生しているにもかかわらず、ゲート回路17は制御信号を通過させずにインバータ12をオフにする。
更にまた、実施形態1及び変形例では逆極性電源33を用いたが、比較的負荷インピーダンスの大きなものの場合などでは逆極性電源33を用いることなく逆極性電圧を印加せずに、半導体スイッチ32をオンさせて真空負荷50を短絡し、異常放電の発生に至るのを防止する方法、あるいは異常放電を消滅させる方法などもある。本発明はこのような方法の場合にも同様に適用でき、半導体スイッチ32がオンする期間を通過禁止期間として、その通過禁止期間だけ制御回路16からの制御信号をゲート回路17が通過させないようにすれば、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
つまり、本発明は、異常放電発生の検出方法、あるいは異常放電発生の予知方法などの種類にかかわらず、異常放電防止装置30における半導体スイッチ32をオンさせるときには、通常の動作を行っている制御回路から発生される制御信号の通過を遮断することが重要であり、好ましくは出力側に平滑用インダクタを備えないコンデンサインプットタイプの直流電源装置であることが望ましい。また、パルス幅制御信号などの制御信号を発生する制御回路は、異常放電防止装置の半導体スイッチがオンする前記通過禁止期間よりも動作応答時間が長いことが好ましい。更にまた、制御回路が高速応答つまり動作応答時間が短い場合には、前記通過禁止期間だけ負荷電力検出信号と比較される基準電力値を低下させるのが好ましい。なお実施形態1ではゲート回路17を4個のANDゲート17A〜17Dで構成したが、これに限られることは無く、パルス発生回路から信号によって制御回路からの制御信号を遮断、又は吸収してほぼゼロのレベルにする回路構成であっても勿論よい。
本発明の実施形態1に係る真空装置100を示す図である。 本発明の真空回路100における各部及び従来装置の電圧波形又は電流波形を示す図である。
符号の説明
10・・・交流入力電源
12・・・インバータ
12A〜12D・・・スイッチング半導体素子
13・・・トランス
14・・・出力側整流回路
15・・・平滑用コンデンサ
16・・・制御回路
17・・・ゲート回路
17A〜17D・・・AND回路
18、19・・・直流出力端子
20・・・負荷電流検出器
21・・・負荷電圧検出回路
22・・・乗算回路
23・・・電力基準源
24・・・誤差増幅器
30・・・異常放電防止装置
31・・・電流安定化用インダクタンス素子
32・・・半導体スイッチ
33・・・逆極性電源
34・・・絶縁伝達回路
35・・・異常放電検知回路
36・・・パルス発生回路
50・・・真空負荷
100・・・実施形態1の真空装置

Claims (9)

  1. 真空負荷と、該真空負荷に給電する直流電源装置と、該直流電源装置と前記真空負荷との間に備えられて異常放電の発生を防止する異常放電防止装置とを備える真空装置において、
    前記直流電源装置は、トランスと、該トランスの1次巻線に接続されていて、前記真空負荷に給電される電力を制御するスイッチング半導体素子を備えるインバータと、前記トランスの2次巻線に接続されている整流回路と、前記スイッチング半導体素子を制御する制御回路と、該制御回路と前記スイッチング半導体素子の制御端子との間に備えられているゲート回路とを備え、
    前記異常放電防止装置は、前記真空負荷における異常放電の発生を検出したときに異常放電検出信号を出力、又は異常放電発生の予兆を検出したときに異常放電予知信号を出力、あるいは前記真空負荷における異常放電の発生を予防するために周期的に発生される異常放電予防信号を出力し、
    前記ゲート回路は、前記異常放電防止装置が前記異常放電検出信号又は前記異常放電予知信号、あるいは前記異常放電予防信号を出力するときに、前記制御回路と前記スイッチング半導体素子の制御端子との間を予め設定された通過禁止期間だけ遮断して、該通過禁止期間中は前記制御信号を前記スイッチング半導体素子の制御端子に通過させず、前記通過禁止期間が経過したときに前記制御信号を前記スイッチング半導体素子の制御端子に通過させることを特徴とする真空装置。
  2. 請求項1において、
    前記制御回路の前記動作応答時間は100μsよりも長く、前記通過禁止期間は10μsから100μs以下であることを特徴とする真空装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記通過禁止期間は、前記異常放電検出信号又は前記異常放電予知信号、あるいは前記異常放電予防信号が発生するときに形成される信号のパルス幅と実質的に等しい期間であることを特徴とする真空装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、
    前記真空負荷の負荷電力に比例する負荷電力検出信号と比較される基準電力値を有する電力基準源と、前記負荷電力検出信号と前記基準電力値との差に等しい誤差増幅信号を前記制御回路に出力する誤差増幅器とを備え、
    前記電力基準源は、前記通過禁止期間中は、定常時の前記基準電力値よりも低い値の基準電力値を与えることを特徴とする真空装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、
    前記整流回路は出力端子間に平滑用コンデンサを備え、かつ実質的に平滑用インダクタを備えないコンデンサインプット型であることを特徴とする真空装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、
    前記異常放電防止装置は、前記真空負荷における異常放電の発生を検出したとき、又は異常放電発生の予兆を検出したとき、あるいは前記真空負荷における異常放電の発生を予防するために周期的に発生される異常放電予防信号を出力するとき、前記真空負荷に逆極性の電圧を印加、又は前記真空負荷の両端を短絡する半導体スイッチを備えることを特徴とする真空装置。
  7. 真空負荷と、前記真空負荷に給電される電力を制御するスイッチング半導体素子を備えるインバータと該インバータを制御する制御回路とを備える直流電源装置と、該直流電源装置と前記真空負荷との間に備えられている異常放電防止装置とからなる真空装置の電力供給方法において、
    前記異常放電防止装置が、異常放電の発生を示す異常放電検出信号、又は異常放電発生の予兆を示す異常放電予知信号を出力するとき、あるいは異常放電の発生を未然に防止するために周期的に異常放電防止信号を出力するときでも、前記制御回路の制御機能は停止することなく動作を継続して制御信号を発生し、
    前記異常放電検出信号又は前記異常放電予知信号、あるいは前記異常放電防止信号は、前記制御回路から出力された前記制御信号が予め設定された通過禁止期間だけ前記スイッチング半導体素子の制御端子に通過するのを遮断し、
    前記スイッチング半導体素子は、前記制御回路の前記制御信号とは無関係に、前記通過禁止期間だけオフし、
    前記通過禁止期間の経過に伴い、前記制御信号が前記スイッチング半導体素子の制御端子を通過することにより前記インバータが直ぐに定常の動作を行うことを特徴とする真空装置の電力供給方法。
  8. 請求項7において、
    前記異常放電防止装置が動作して、前記真空負荷に逆電圧を印加している期間、又は前記真空負荷の両端を短絡している期間は前記直流電源装置が出力せず、前記通過禁止期間の経過に伴い、前記直流電源装置は直ぐに定常の直流出力電力を出力することを特徴とする真空装置の電力供給方法。
  9. 請求項7又は請求項8において、
    前記制御機能の前記動作応答時間は100μsよりも長く、前記通過禁止期間は10μsから100μs以下であることを特徴とする真空装置の電力供給方法。
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