JP2007169582A - 艶消し粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】艶消し効果に優れ、かつ得られる塗膜の耐候性、耐酸性等の屋外長期耐久性に優れる粉体塗料が得られる粉体塗料用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】溶解性パラメーター(Sp)10.0〜11.2、好ましくは10.0〜11.0で、エポキシ当量(EEW)150〜380g/当量、好ましくは170〜360g/当量のアクリル系樹脂(A)と、溶解性パラメーター(Sp)9.0〜10.0、好ましくは9.2〜10.0、エポキシ当量(EEW)350〜940g/当量のアクリル系樹脂(B)と、硬化剤(C)を含有し、かつ、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の溶解性パラメーターの差(ΔSp)が1.0〜2.2、好ましくは1.0〜1.8で、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)のエポキシ当量の差(ΔEEW)が150〜700g/当量、好ましくは210〜600g/当量である艶消し粉体塗料用樹脂組成物。
【選択図】なし。

Description

本発明は、艶消し効果に優れた粉体塗料を製造する際に使用する粉体塗料用樹脂組成物に関する。
大気汚染などの環境問題の観点より、有機溶剤を含有しない塗料の一形態である粉体塗料の使用量は、その低公害性のため、年々増加している。かかる粉体塗料の用途としては、家電・建材用などのような金属製品の塗装用をはじめ多岐に亘る。
現在、実用に供されている粉体塗料では、ポリエステル樹脂系粉体塗料、エポキシ樹脂系粉体塗料、アクリル樹脂系粉体塗料のものが主に知られている。これらのうち、アクリル系樹脂と硬化剤とを組み合わせたアクリル樹脂系粉体塗料は、耐候性、耐酸性に優れ、耐久力のある塗膜を形成する。
近年、特に屋外用途向けなどに優れた耐候性や意匠性を具備するという市場ニーズの多様化に対応した粉体塗料が望まれてきている。中でも、今後は、溶剤規制に伴う溶剤系塗料からの切り替え需要が見込まれ、艶消し粉体塗料、とりわけ耐候性に優れる艶消し粉体塗料は、最も必要性が高いと考えられてきている。
上掲したような、粉体塗料では、一般的にシリカなどの艶消し顔料を添加し、艶消し塗料を作成しているのが現状であるが、艶消し顔料の艶消し効果は十分ではなく、塗料作成時にシリカによる粉砕機械の摩耗が生じるなど問題点が多い。
他には、ポリエチレンワックス等の艶消し添加剤による方法もあるが、その艶消し効果は十分ではなく、樹脂や硬化剤による艶消しが望まれていた。
樹脂を用いた艶消し手法としては、特定のアクリル系樹脂と特定のポリエステル系樹脂の組み合わせによる艶消し方法等が提案されており、性質が異なる2種類の樹脂を使用している所に技術的特徴がみられる(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術はポリエステル樹脂を含有するため、近年高まっている耐候性や平滑性に対する要求に対して十分と言えなくなってきており、また、耐酸性も不十分であった。
特開平05−070714号公報
無溶剤環境対応型塗料である粉体塗料の適用分野の拡大の為には、耐候性、耐酸性等の屋外長期耐久性に優れる艶消し粉体塗料用樹脂組成物が不可欠であった。
本発明の目的は、艶消し効果に優れ、かつ得られる塗膜の耐候性、耐酸性等の屋外長期耐久性に優れる粉体塗料が得られる粉体塗料用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、エポキシ基含有アクリル樹脂と硬化剤を含有してなる粉体塗料組成物において、エポキシ基含有アクリル樹脂として、溶解性パラメーター(Sp)10.0〜11.2、エポキシ当量(EEW)150〜380g/当量のアクリル系樹脂(A)と、溶解性パラメーター(Sp)9.0〜10.0、エポキシ当量(EEW)350〜940g/当量のアクリル系樹脂(B)を、溶解性パラメーターの差(ΔSp)が1.0〜2.2で、エポキシ当量の差(ΔEEW)が150〜700g/当量で、かつ、重量比(A/B)が20/80〜80/20となる条件で組み合わせて用いてなる粉体塗料用樹脂組成物は、ポリエステル樹脂を併用しない場合であっても艶消し効果に優れる粉体塗料が得られること、および、耐候性、耐酸性等の屋外長期耐久性に優れる粉体塗料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、溶解性パラメーター(Sp)10.0〜11.2、エポキシ当量(EEW)150〜380g/当量のアクリル系樹脂(A)と、溶解性パラメーター(Sp)9.0〜10.0、エポキシ当量(EEW)350〜940g/当量のアクリル系樹脂(B)と、硬化剤(C)を含有し、かつ、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の溶解性パラメーターの差(ΔSp)が1.0〜2.2、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)のエポキシ当量の差(ΔEEW)150〜700g/当量であることを特徴とする艶消し粉体塗料用樹脂組成物を提供するものである。
本発明に係る粉体塗料用樹脂組成物によれば、特に艶消し効果、耐候性、耐酸性などに優れた塗膜を得ることができる。本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、自動車分野、家電分野等の各種分野の塗装に適用可能である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
初めに、本発明の粉体塗料用樹脂組成物で必須成分として用いるアクリル系樹脂(A)は、官能基としてエポキシ基を有することが必須であるが、本発明の効果を損なわない範囲でカルボキシル基、水酸基等の他の官能基を1種または2種以上有してもよい。
また、アクリル系樹脂(A)の溶解性パラメーター(Sp)は、10.0〜11.2であることが必須であり、好ましくは10.0〜11.0である。アクリル系樹脂(A)の溶解性パラメーター(Sp)が10.0未満の場合、得られる粉体塗料の艶消し効果が不十分となるため好ましくない。また、溶解性パラメーター(Sp)が11.2を越えるものは入手が困難である。
さらに、アクリル系樹脂(A)の溶解性パラメーター(Sp)は、後述するアクリル系樹脂(B)との溶解性パラメーターの差(ΔSp)が1.0〜2.2になることが必須であり、好ましくは1.0〜1.8である。アクリル系樹脂(A)と(B)の溶解性パラメーターの差(ΔSp)が1.0未満の場合、得られる粉体塗料の艶消し効果が不十分となるため好ましくない。また、溶解性パラメーターの差(ΔSp)2.2を越えるものは組み合わせが困難である。
ここで、アクリル系樹脂(A)や(B)の溶解性パラメーター(Sp)とは、樹脂の極性を表すパラメーターであり、以下の方法により求められる。
サンプル樹脂0.5gを100mlマイヤーフラスコに秤量し、テトラヒドロフラン(THF)10mlを加えて樹脂を溶解する。溶解した溶液を液温25℃に保持し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、50mlビュレットを用いてヘキサンを滴下していき、溶液に濁りが生じた点(濁点)の滴下量(v)を求める。
次に、ヘキサンの代わりに脱イオン水を使用したときの、濁点における滴下量(v)を求める。
、vより、樹脂の溶解性パラメーター(Sp)δは、SUH,CLARKE[J. Polym. Sci. A-1 , Vol.5 ,1671-1681 (1967)]により示された式を用いて、以下のようにして求めることができる。
δ=〔(Vmh)(1/2)・δmh+(Vmd)(1/2)・δmd〕/〔(Vmh)(1/2)+(Vmd)(1/2)
ここで、
mh=(V・V)/(φ・V+φ・V)
md=(V・V)/(φ・V+φ・V)
δmh=φ・δ+φ・δ
δmd=φ・δ+φ・δ
φ,φ,φ;濁点における、ヘキサン,脱イオン水,THFの体積分率
〔φ=v/(v+10)、φ=v/(v+10)〕
δ,δ,δ;ヘキサン,脱イオン水,THFの溶解性パラメーター(Sp)
,V,V;ヘキサン,脱イオン水,THFの分子容(ml/mol)
また、アクリル系樹脂(A)のエポキシ当量(EEW)は、150〜380g/当量であることが必須であり、好ましくは170〜360g/当量、更に好ましくは170〜250g/当量である。アクリル系樹脂(A)のエポキシ当量(EEW)が150g/当量未満の場合、アクリル系樹脂(A)を合成する際にゲル化しやすくなり、また380g/当量より大きい場合、得られる粉体塗料の艶消し効果が不十分となるため、いずれも好ましくない。
さらに、アクリル系樹脂(A)のエポキシ当量(EEW)は、後述するアクリル系樹脂(B)とのエポキシ当量の差(ΔEEW)が150〜700g/当量になることが必須であり、好ましくは210〜600g/当量になることである。アクリル系樹脂(A)と(B)のエポキシ当量の差(ΔEEW)が150g/当量未満の場合、艶消し効果が不十分であり、また700g/当量より大きい場合、耐衝撃性などの機械物性が発現しにくくなるため、いずれも好ましくない。
ここで、エポキシ当量(EEW)は以下の方法により求められる。
塩酸−ピリジンの混合溶液に樹脂試料を溶解して、130℃で一時間加熱環流し、25℃に冷却した後、水酸化カリウムのアルコール溶液で逆滴定して求めた値をエポキシ当量(EEW)とした。
また、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、塗料の保存安定性(耐ブロッキング性)の良好な粉体塗料が得られることから40℃以上が好ましく、50〜90℃の範囲がより好ましい。
ここで、ガラス転移温度(Tg)は以下の方法により求められる。
下記のFoxの式で計算した絶対温度(K)表示のガラス転移温度(Tg)を摂氏温度(℃)に換算した数値を、本発明におけるガラス転移温度(Tg)とする。
100/Tg=W/Tg+W/Tg+W/Tg+W/Tg・・・
・式中、W、W、W、W・・・は各種成分の質量分率(質量%)を示す。
・式中、Tg、Tg、Tg、Tg・・・は各モノマー成分のホモポリマーの絶対温度(K)表示のガラス転移温度を示す。ここで、上記各モノマー成分のホモポリマーの絶対温度(K)表示のガラス転移温度(Tg、Tg、Tg、Tg・・・)は、Polymer Handbook(Second Edition、J,Brandrup・E,H,Immergut編)に記載の値を使用した。)
また、アクリル系樹脂(A)の軟化点は、特に限定はないが、50℃以上が好ましい。
さらに、アクリル系樹脂(A)の数平均分子量は、十分な艶消し効果が得られ、ハジキ等の塗膜欠陥が発生しにくく、塗料作製時の混練が容易で混練り不良による物性低下がないことから、2,000〜10,000の範囲が好ましく、2,000〜7,000の範囲がより好ましい。
ここで、数平均分子量はテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおける分子量測定による数値を、数平均分子量とした。
次に、本発明の粉体塗料用樹脂組成物で必須成分として用いるアクリル系樹脂(B)は、アクリル系樹脂(A)と同じく、官能基としてエポキシ基を有することが必須であるが、本発明の効果を損なわない範囲でカルボキシル基、水酸基等の他の官能基を1種または2種以上有してもよい。
また、アクリル系樹脂(B)の溶解性パラメーター(Sp)は、9.0〜10.0であることが必須であり、好ましくは9.2〜10.0、より好ましくは9.2〜9.7である。アクリル系樹脂(B)の溶解性パラメーター(Sp)が9.0未満のものは入手が困難であり、10.0を越える場合、得られる粉体塗料の艶消し効果が不十分となるため好ましくない。
また、アクリル系樹脂(B)のエポキシ当量(EEW)は、350〜940g/当量であることが必須である。アクリル系樹脂(B)のエポキシ当量(EEW)が350g/当量未満の場合、得られる粉体塗料の艶消し効果が不十分となり、940g/当量より大きい場合、得られる粉体塗料の塗膜物性や耐久性が低下するため、いずれも好ましくない。
アクリル系樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、塗料の保存安定性(耐ブロッキング性)の良好な粉体塗料が得られることから40℃以上が好ましく、50〜90℃の範囲がより好ましい。
アクリル系樹脂(B)の軟化点は、特に限定はないが、50℃以上が好ましい。
さらに、アクリル系樹脂(B)の数平均分子量は、十分な艶消し効果が得られ、ハジキ等の塗膜欠陥が発生しにくく、塗料作製時の混練が容易で混練り不良による物性低下がないことから、2,000〜10,000の範囲が好ましく、2,000〜7,000の範囲がより好ましい。
以上に記載したように、本発明で使用するアクリル系樹脂(A)としては、なかでも艶消し効果と塗膜物性に優れる粉体塗料が得られることから、溶解性パラメーター(Sp)10.0〜11.0、エポキシ当量170〜360g/当量、ガラス転移温度50〜90℃、数平均分子量2,000〜7、000のエポキシ基含有アクリル系樹脂であることが好ましい。また、アクリル系樹脂(B)としては、なかでも艶消し効果と塗膜物性に優れる粉体塗料が得られることから、溶解性パラメーター(Sp)9.2〜10.0、エポキシ当量350〜940g/当量、ガラス転移温度50〜90℃、数平均分子量2,000〜7、000のエポキシ基含有アクリル系樹脂であることが好ましい。さらに、アクリル系樹脂(A)と(B)は、なかでも艶消し効果に優れる粉体塗料が得られることから、溶解性パラメーターの差(ΔSp)が1.0〜1.8、エポキシ当量の差(ΔEEW)が210〜600g/当量になることが好ましい。なお、アクリル系樹脂(B)の溶解性パラメーター(Sp)は9.2〜9.7であることがより好ましく、アクリル系樹脂(A)と(B)の溶解性パラメーターの差(ΔSp)は1.2〜1.8であることがより好ましい。
アクリル系樹脂(A)、(B)は、いずれも各種の方法で製造することができるが、エポキシ基含有ビニル単量体、および当該単量体と共重合可能な他のビニル単量体類を、溶解性パラメーター(Sp)とエポキシ当量(EEW)がそれぞれ所望の値となるように組み合わせて用いて、これらを有機溶剤中で重合させる方法が、最も簡便であることから好ましい。その際、各種の重合開始剤を使用することが可能である。
ここで、アクリル系樹脂(A)、(B)を製造する際に使用できるビニル単量体としては、エポキシ基含有ビニル単量体と、当該単量体と共重合可能な他のビニル単量体は、それぞれ単独又は2種以上併用して使用することができる。
エポキシ基含有ビニル単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体類;(2−オキソ−1,3−オキソラン)メチル(メタ)アクリレート等の(2−オキソ−1,3−オキソラン)基含有ビニル単量体類;3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有ビニル単量体などが挙げられる。
エポキシ基含有ビニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体としては、例えば、水酸基含有ビニル単量体等のエポキシ基以外の官能基を有するビニル単量体や、これら以外のビニル単量体が挙げられる。
水酸基含有ビニル単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等;前記した水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類を、ε−カプロラクトンで開環反応させた形の、いわゆるラクトン変性の水酸基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これら以外のビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルオクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等;エチルカルビトール(メタ)アクリレート等のアルキルカルビトール(メタ)アクリレート類;イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等;
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等のフッ素含有α−オレフィン類;トリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテル、ペンタフルオロエチルトリフルオロビニルエーテル、ヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル等の、パーフルオロアルキル・パーフルオロビニルエーテルまたは(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(ただし、アルキル基の炭素原子数は1〜18である。)等の含フッ素ビニル系単量体類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の芳香族ビニル単量体類;モノ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]フォスフェート、酸性燐酸(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロイルオキシエチル燐酸フェニル等の燐酸エステル基含有ビニル単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、炭素原子数9の分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニル、炭素原子数10の分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニル、炭素原子数11の分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪族カルボン酸ビニル;
シクロヘキサンカルボン酸ビニル、メチルシクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニル等の環状構造を有するカルボン酸のビニルエステル類;エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシn−ブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン等の、上述したフッ素含有α−オレフィン類以外の各種ハロゲン化オレフィン類;エチレン、プロピレン、ブテン−1等のα−オレフィン類などが挙げられる。
また、ゲル化しない範囲であれば、カルボキシル基含有ビニル単量体、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のカルボキシル基を1個有するビニル単量体;イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸等のカルボキシル基を2個有するビニル単量体;イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸等のカルボキシル基を2個有するビニル単量体と炭素原子数1〜18のモノアルキルアルコールとのモノエステル類;各種水酸基含有ビニル単量体と無水コハク酸等のごとき無水酸の開環付加物などを使用することもできる。
前記した各種ビニル単量体を有機溶剤中で重合させてアクリル系樹脂(A)、(B)を製造する際に使用することのできる重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビス−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸、2,2'−アゾビス−(2−アミジノプロペン)2塩酸塩、2−tert−ブチルアゾ−2−シアノプロパン、2,2'−アゾビス(2−メチル−プロピオンアミド)2水和物、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロペン]、2,2'−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物;
過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、カリウムパーサルフェート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−ラウレート、tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシドまたはジ−tert−ブチルパーオキシド等のケトンパーオキシド類;パーオキシケタール類;ハイドロパーオキシド類;ジアルキルパーオキシド類;ジアシルパーオキシド類;パーオキシエステル類;パーオキシジカーボネート類;過酸化水素などが挙げられる。
前記した各種ビニル単量体を有機溶剤中で重合させてアクリル系樹脂(A)、(B)を製造する際に使用する有機溶剤としては、各種のものを使用することができるが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール等のアルキルアルコール類;
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;エクソンアロマティックナフサNo.2(米国エクソン社製)等の芳香族炭化水素を含有する混合炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;アイソパーC、アイソパーE、エクソールDSP100/140,エクソールD30(いずれも米国エクソン社製)、IPソルベント1016(出光石油化学社製)等の脂肪族炭化水素を含有する混合炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。
また、アクリル系樹脂(A)、(B)を製造する際には、必要に応じて連鎖移動剤を用いることもでき、例えば、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸エステル、メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
次に、本発明で使用する硬化剤(C)について説明する。
硬化剤(C)はアクリル系樹脂(A)と(B)が有するエポキシ基等の官能基と反応し、塗膜形成に寄与する成分である。
硬化剤(C)としては、主として、脂肪族(環状脂肪族も含む。)または芳香族の多価カルボン酸類を使用することができる。その代表的なものを例示すれば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ブラシリン酸、ドデカン2酸、ブラシル酸、テトラデカン2酸、ペンタデカン2酸、ヘキサデカン2酸、オクタデカン2酸、エイコサン2酸、テトラエイコサン2酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸;フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、及びこれらの酸無水物等が挙げられる。
硬化剤(C)としては、そのほかに、各種酸基含有樹脂、例えば、カルボキシル基アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂等を、耐候性等、塗膜性能を損なわない程度に使用することが可能である。
これらの多価カルボン酸等は、単独でも2種以上を併用してもよい。上記のうちでも、塗膜物性、貯蔵安定性に優れることから、脂肪族多価カルボン酸が好ましく、塗膜物性に優れることから、脂肪族2塩基酸が特に好ましい。
アクリル樹脂(A)、(B)のいずれか一方または両方がエポキシ基以外の官能基をも有する場合は、硬化剤(C)としてエポキシ基と反応性を有する硬化剤とエポキシ基以外の官能基と反応性を有する硬化剤を併用することが可能である。
前記エポキシ基以外の官能基が水酸基の場合、水酸基と反応する硬化剤としては、例えば、酸無水物、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート等が挙げられる。
水酸基と反応する硬化剤のうち、酸無水物は前記と同様であり、アミノ樹脂としては、例えば、メラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン等のアミノ基含有化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール等のアルデヒド系化合物とを反応させて得られる縮合物又は各縮合物をアルコール類でエーテル化させて得られるものなどが挙げられる。特に、ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン等の炭素原子数1〜4のアルコール類で部分的に、あるいは完全にエーテル化させたものが好ましい。
また、ブロックイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、等の脂肪族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の環状脂肪族ジイソシアネート類、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、などの有機ジイソシアネート、これら有機ジイソシアネート同士の重合体(イソシアヌレート型ポリイソシアネートも含む。)やイソシアネート・ビウレット体などの各種のポリイソシアネートを、各種のブロック化剤、ラクタム、オキシムなど活性水素含有化合物でブロック化せしめて得られるもの等が挙げられる。
ここで、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)との配合比は、重量比で(A/B)=20/80〜80/20の範囲が好ましい。より好ましくは(A/B)=35/65〜65/35の範囲である。また、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の官能基の合計と硬化剤(C)との当量比が、0.5〜1.5の範囲となる様、調整することが好ましい。
本発明の粉体塗料用樹脂組成物には、さらに、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂などをはじめ、硬化触媒、流動調節剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ベンゾイン、帯電防止剤、酸化防止剤などのような種々の塗料用添加剤類、顔料等を、必要に応じて加えて使用することができる。顔料を用いる場合は、必要に応じ顔料分散剤の使用や顔料分散可能なアクリル系樹脂を用いることができる。
本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、品質安定性、安定した量産性の観点から、いわゆる溶融混練法によって製造することが好ましい。粉体塗料組成物は、例えば、アクリル系樹脂(A)、アクリル系樹脂(B)及び硬化剤(C)の混合物、更には、その他の前述した各種原料を混合し、加熱ロールまたはエクストルーダーなどの溶融混練機を用いて、50〜130℃の温度で充分に溶融混合させた後、冷却し、粉砕・分級することによって、目的とする粉体塗料用樹脂組成物を得ることができる。
本発明の艶消し粉体塗料用樹脂組成物は、塗膜の平滑性、耐候性や耐酸性といった耐久性、意匠性を必要とする自動車、オートバイなどの車両・車両分品分野、家電分野、門扉やアルミサッシのような建材、建築分野、アルミホイールのような非鉄金属、プラスティック、木工など各種塗料用途に使用することができる。
つぎに、本発明の粉体塗料組成物を使用した塗膜の形成方法について説明する。
本発明の粉体塗料組成物を使用した塗膜の形成方法しては、例えば、前記した粉体塗料用樹脂組成物を用いた粉体塗料を静電吹付法または流動浸漬法などの各種の方法で、各種基材に塗装し、次いで、100〜250℃の温度で焼き付ける方法が挙げられる。
以上に述べてきたような方法で、本発明の粉体塗料用樹脂組成物を用いた粉体塗料を種々の基材に塗装し、焼き付け乾燥させることによって、艶消し効果、平滑性、耐候性ならびに耐酸性などに優れた塗膜を有する塗装物を得ることができる。
次に、本発明を参考例、実施例及び比較例により一層具体的に説明する。以下において、特に断りのない限りは、「部」はすべて「重量部」を意味するものとする。
なお、例中の溶解性パラメーター(Sp)、エポキシ当量(EEW)、ガラス転移温度(Tg)および数平均分子量は、いずれも前記アクリル樹脂(A)に関する記載において詳述した方法により求めた値である。なお、酸価と軟化点は以下のようにして求めた。
・酸価:ベンジルアルコールに樹脂試料を溶解して、水酸化カリウムのアルコール溶液で滴定して求めた(単位:mgKOH/g)。
・軟化点:環球式自動軟化点試験器〔明峰社製作所(株)製]を用い、グリセリンの加熱浴で3℃/分の昇温速度で昇温し、樹脂試料が軟化し始め、球が落下した時の温度を測定した(単位:℃)。
参考例1〔アクリル系樹脂(A)の調製例〕
温度計、撹拌機、還流冷却器および窒素導入口を備えた反応容器に、キシレン65部を入れ、135℃まで昇温した。これに、グリシジルメタクリレート80部と、メチルメタクリレート20部と、重合開始剤としてのtert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート5.0部とからなる混合物を、6時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度に、さらに10時間保持して重合反応を続行し反応を完結せしめることによって、アクリル系樹脂(A−1)の溶液を得た。さらに、得られたアクリル系樹脂(A−1)の溶液を、180℃、20Torrの減圧下に保持し、キシレンを除去することによってアクリル系樹脂(A−1)を得た。アクリル系樹脂(A―1)の性状値を第1表に示す。
参考例2〜4(同上)
第1表に示すような、それぞれ、ビニル単量体と重合開始剤とからなる混合物を用いるというように変更した以外は参考例1と同様にして、目的とするアクリル系樹脂(A−2)〜(A−4)の溶液を得た。さらに得られたアクリル系樹脂(A−2)〜(A−4)の溶液を、180℃、20Torrの減圧下に保持し、キシレンを除去することによってアクリル系樹脂(A−2)〜(A−4)を得た。アクリル系樹脂(A−2)〜(A−4)の性状値を第1表に示す。
参考例5(同上)
温度計、撹拌機、還流冷却器および窒素導入口を備えた反応容器に、キシレン32部とn−ブタノール33部を入れ、115℃にまで昇温した。これに、グリシジルメタクリレート41部と、メチルメタクリレート31部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート28部と、重合開始剤としてのtert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート9.0部とからなる混合物を、6時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度に、さらに10時間保持して重合反応を続行し反応を完結せしめることによって、アクリル系樹脂(A−5)の溶液を得た。さらに、得られたアクリル系樹脂(A−5)の溶液を、180℃、20Torrの減圧下に保持し、キシレンとn−ブタノールを除去することによってアクリル系樹脂(A−5)を得た。アクリル系樹脂(A―5)の性状値を第1表に示す。
参考例6〔アクリル系樹脂(B)の調製例〕
温度計、撹拌機、還流冷却器および窒素導入口を備えた反応容器に、キシレン65部を入れ、135℃にまで昇温した。これに、グリシジルメタクリレート20部と、スチレン50部と、イソブチルメタクリレート25部と、n−ブチルアクリレート5部と、重合開始剤としてのtert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート9.0部とからなる混合物を、6時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度に、さらに10時間保持して重合反応を続行し反応を完結せしめることによって、アクリル系樹脂(B−1)の溶液を得た。さらに、得られたアクリル系樹脂(B−1)の溶液を、180℃、20Torrの減圧下に保持し、キシレンを除去することによってアクリル系樹脂(B−1)を得た。アクリル系樹脂(B―1)の性状値を第2表に示す。
参考例7〜10(同上)
第2表に示すような、それぞれ、ビニル単量体と重合開始剤とからなる混合物を用いるというように変更した以外は参考例6と同様にして、目的とするアクリル系樹脂(B−2)〜(B−5)の溶液を得た。さらに得られたアクリル系樹脂(B−2)〜(B−5)の溶液を、180℃、20Torrの減圧下に保持し、キシレンを除去することによってアクリル系樹脂(B−2)〜(B−5)を得た。アクリル系樹脂(B−2)〜(B−5)の性状値を第2表に示す。
参考例11〜13〔比較対照用のアクリル系樹脂(X)の調製例〕
第3表に示すような、それぞれ、ビニル単量体と重合開始剤とからなる混合物を用いるというように変更した以外は、参考例6と同様にして、比較対照用のアクリル系樹脂(X−1)〜(X−3)の溶液を得た。さらに得られたアクリル系樹脂(X−1)〜(X−3)の溶液を、180℃、20Torrの減圧下に保持し、キシレンを除去することによって比較対照用のアクリル系樹脂(X−1)〜(X−3)を得た。アクリル系樹脂(X−1)〜(X−3)の性状値を第3表に示す。
Figure 2007169582
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参考例14〔カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(P−1)の調製〕
攪拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ネオペンチルグリコール430部と、トリメチロールプロパン30部と、テレフタル酸250部と、イソフタル酸370部と、ジブチル錫オキサイド0.5部を仕込んで、窒素雰囲気中で攪拌を行いながら240℃まで5時間を要して昇温した。240℃で脱水縮合反応を続行せしめ、酸価が10mgKOH/g以下になったことを確認した後、180℃まで降温し、イソフタル酸100部を加え、再び240℃まで5時間を要して昇温した。そのまま240℃で脱水縮合反応を続行せしめ、酸価34mgKOH/g、軟化点119℃のポリエステル樹脂を得た。以下、これをポリエステル樹脂(P−1)と略記する。
実施例1〜10および比較例1〜4
第4表〜第6表に示す割合で各成分を配合せしめ、かくして得られた粉体塗料用樹脂組成物のそれぞれを、「ZSK−25WLE」(ウエルナー・アンド・フライデラー社製の2軸混練機)を使用して、80〜120℃のバレル温度で溶融混練せしめたのちに、微粉砕し、さらに140メッシュの金網で分級せしめることによって、粉体塗料(P−1)〜(P−10)と、比較対照用粉体塗料(p−1)〜(p−4)を調製した。
次いで、得られた粉体塗料(P−1)〜(P−10)と、比較対照用粉体塗料(p−1)〜(p−4)の保存安定性を判定すると共に、これらを使用して、下記の塗膜形成方法に従って各種の塗膜を作製した後、それぞれの塗膜について塗膜性能試験(光沢、耐衝撃性、耐候性および耐酸性)を行なった。
被塗物として使用する基材としては、0.8mm(厚さ)×70mm×150mmの燐酸亜鉛処理鋼板を用いた。
粉体塗料(P−1)〜(P−10)と、比較対照用粉体塗料(p−1)〜(p−4)を、それぞれ、基材に焼き付けた後の膜厚が70μmとなるようにして静電粉体塗装せしめた後、170℃で20分間の条件で焼き付けを行ない、粉体塗料からなる塗膜(以下、粉体塗膜と略記する。)を有する被塗物を得た。
かくして得られた被塗物上の粉体塗膜について塗膜性能の評価を行った。それらの結果をまとめて第4表〜第6表に示した。
なお、評価判定の要領は、次の通りである。
・光沢:粉体塗膜の表面の60°鏡面光沢をJIS K5400に準拠して測定した。
・耐衝撃性:粉体塗膜面にデュポン衝撃試験機で、1/2インチ径のポンチに500gの重りを落下させてワレが発生する高さ(cm)で耐衝撃性を判定した。
・保存安定性:粉体塗料を30℃で保管し、2週間後のブロッキング、固形化の有無について、目視判定した。
良好:ブロッキング、固形化していない。
不良:ブロッキング、固形化している。
・耐候性:サンシャイン・ウエザーメーター〔スガ試験機(株)製〕を使用して、600時間の促進耐候性試験を行い、塗膜の光沢保持率(60°G.R%)を測定した。
・耐酸性:pH1の硫酸溶液を0.1ml水滴状に粉体塗膜にのせて、60℃の条件下に30分間保存した後、目視で下記の基準で判定した。
5:全く異状が認められない。
4:僅かながらの光沢の低下が認められる。
3:かなりの光沢の低下が認められる。
2:酸により浸食され塗膜が劣化している。
1:酸により浸食され塗膜が無くなっている。
Figure 2007169582
Figure 2007169582
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《第4表〜第6表の脚註》
*1)エピコート1004:ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂。
*2)OXYMELT A−4:ESTRON CHEMICALS社製表面調整剤。
*3)ベンゾイン:東京化成工業(株)製試薬。
*4)MODAFLOW POWDER 2000:CYTEC SURFACE SPECIALITY社製表面調整剤。
*5)CR−90:石原産業(株)製酸化チタン「タイペーク CR−90」。

Claims (6)

  1. 溶解性パラメーター(Sp)10.0〜11.2、エポキシ当量(EEW)150〜380g/当量のアクリル系樹脂(A)と、溶解性パラメーター(Sp)9.0〜10.0、エポキシ当量(EEW)350〜940g/当量のアクリル系樹脂(B)と、硬化剤(C)を含有し、かつ、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の溶解性パラメーターの差(ΔSp)が1.0〜2.2で、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)のエポキシ当量の差(ΔEEW)が150〜700g/当量であることを特徴とする艶消し粉体塗料用樹脂組成物。
  2. アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の溶解性パラメーターの差(ΔSp)が1.0〜1.8で、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)のエポキシ当量の差(ΔEEW)が210〜600g/当量である請求項1に記載の艶消し粉体塗料用樹脂組成物。
  3. アクリル系樹脂(A)が溶解性パラメーター(Sp)10.0〜11.0、エポキシ当量(EEW)170〜360g/当量のアクリル系樹脂であり、かつ、アクリル系樹脂(B)が溶解性パラメーター(Sp)が9.2〜10.0のアクリル系樹脂である請求項2に記載の艶消し粉体塗料用樹脂組成物。
  4. アクリル系樹脂(A)がガラス転移温度(Tg)50〜90℃、数平均分子量2,000〜10,000のアクリル系樹脂で、アクリル系樹脂(B)がガラス転移温度(Tg)が50〜90℃、数平均分子量2,000〜10,000のアクリル系樹脂で、かつ、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の重量比(A/B)が20/805〜80/20である請求項1、2または3に記載の艶消し粉体塗料用樹脂組成物。
  5. アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の重量比(A/B)が35/65〜65/35である請求項4に記載の艶消し粉体塗料用樹脂組成物。
  6. 硬化剤(C)が脂肪族ポリカルボン酸である請求項1、2または3に記載の艶消し粉体塗料用樹脂組成物。

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