JP2007169125A - プレス成型装置、プレス成型方法及びガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性を損なうことなく冷却工程での成型体の反りを抑制することができるプレス成型装置、プレス成型方法及びガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るプレス成型装置21は、上金型22及び下金型27からなる一対の金型と、上金型22を保持するダイプレート23と、一対の金型22,27を加圧する加圧軸26,31等を備え、上金型22は、ダイプレート23に対して上下方向に一定の距離相対移動可能に取り付けられている。上記構成により、成型後、成型素材(ガラス素材)Mを一対の金型22,27で挟持した状態を保持しまま成型圧力を解除することが可能となる。これにより、成型素材Mの表裏の冷却速度を均一化できるので反りの発生を低減できるとともに、成型素材Mのヒビ割れ等を発生させることなく成型素材Mの急冷工程を実施することが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば光学レンズ等のガラス製光学素子、磁気ディスク等の記録媒体の製造に用いて好適なプレス成型装置、プレス成型方法及びガラス基板の製造方法に関する。
一般に、ガラス基板の成型には、ガラス用の熱プレス成型装置が用いられている(下記特許文献1参照)。図7は従来の熱プレス成型装置の概略構成を示す断面図とガラス基板の成型方法を説明する工程図である。
従来のプレス成型装置1は、上金型2及び下金型7からなる上下一対の金型を有している。上金型2はダイプレート3に一体固定されており、ダイプレート3はダイホルダ4及び上型継手5を介して上加圧軸6に接続されている。下金型7はダイプレート8に一体固定されており、ダイプレート8はダイホルダ9及び下型継手10を介して下加圧軸11に接続されている。上型継手5及び下型継手10には、その軸心部に冷却ガスとして不活性ガスを流すためのガス供給通路5a,10aがそれぞれ設けられている。
従来の成型装置1を用いたガラス基板の成型方法においては、まず、一対の金型2,7の間に成型素材(ガラス素材)Mを配置し、雰囲気調整された成型室の中で金型2,7及び成型素材Mを加熱する(図7A)。次に、成型素材Mがガラス転移温度以上の所定の温度に到達した後、下加圧軸11を上方移動させて金型2,7の間を加圧し型面の形状を成型素材Mに転写する(図7B)。プレス成型の後、金型2,7を閉じたままの状態で成型室内に不活性ガス(例えば窒素ガス)を流して金型2,7及び成型素材Mを冷却し、所定の温度(型開き温度)に到達した後、金型2,7を開く(図7C)。その状態で更に金型2,7及び成型素材Mを冷却し、金型2,7及び成型素材Mが所定の温度(取出し温度)に到達した後、成型室を開放し成型体(ガラス基板)を回収している。
型開き温度はガラスの形状やサイズによって設定され、例えばガラス転移温度近傍もしくはガラス転移温度よりも100℃程度低い温度に設定される。一方、取出し温度は、金型2,7の酸化が問題にならない程度の温度(例えば200℃前後)に設定される。
プレス成型後の金型2,7の冷却は次のような方法で行われている。金型2,7を背面から保持しているダイプレート3,8の接触面に溝状の流路(図示略)を設けて、ダイプレート3,8の中央からこの流路に不活性ガスを流すことにより金型2,7を冷却していた。また、この不活性ガスの流量を調整することによって、冷却速度の調整を行っていた。
成型素材Mの冷却工程は、成型温度からガラス転移温度以下の所定の温度までの徐冷工程と、その温度から型開き温度及び取出し温度までの急冷工程とに分けられる。徐冷工程では、成型精度を確保するために、図7Bに示したように金型2,7間に成型圧力を加えた状態でゆっくりと冷却を行っている。急冷工程では、従来、図7Cに示したように型開き状態で行っていた。
特開2002−187726号公報
上述したように従来のプレス成型方法においては、成型後の急冷工程を成型素材Mから上金型2を離した状態で行っている。従って、成型素材Mに関しては、下金型7が接触する裏面側では下金型7の余熱の影響でゆっくりと徐冷され、上金型2から離れた表面側では、成型素材Mと上金型2との間に流入する不活性ガスによって急冷される。そのため、成型素材Mの表裏の冷却速度差により熱収縮応力が異なってしまい、成型体が反るという問題が発生する。
一般に、成型体の反りは、レンズ等の小型部品や球状形状では大きな問題になることは少ないが、ウェーハ状の大型で薄型の基板ガラスを成型する場合は、僅かな反り量でも後工程に大きな不良を与えるおそれがある。
また、成型したガラス基板にアニール処理を施すことにより反り量を改善することは可能である。しかし、新たなアニール処理炉の導入や処理数及び処理時間の増大によって工程が複雑化するという不具合がある。そして何よりも、アニール処理を行うと、ガラス基板上に金型で転写した形状の寸法精度が損なわれてしまい、歩留まりに大きく影響するという問題がある。
一方、急冷工程においても徐冷工程と同様に、一対の金型間に所定の成型圧力を加えた状態でガラス基板の冷却を行うようにすれば、ガラス基板の冷却速度が表裏で同等となるため、ガラス基板の反りを抑制することができる。しかしながら、この場合、ガラス基板と金型との間の熱収縮差により基板にヒビが発生してしまうことが多く、採用できない。
また、冷却速度を遅くするために不活性ガスの流量を少なくすることも可能であるが、反りの発生を抑えるために冷却速度を現状の10倍〜20倍以上に遅くする必要があり、生産効率を考えた場合には現実的でない。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、生産性を損なうことなく冷却工程での成型体の反りを抑制することができるプレス成型装置、プレス成型方法及びガラス基板の製造方法を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明のプレス成型装置は、上金型及び下金型からなる一対の金型と、上金型を保持する金型保持部と、一対の金型を加圧する加圧軸と、一対の金型を加熱する加熱手段と、一対の金型を冷却する冷却手段とを備え、上金型は、金型保持部に対して上下方向に一定の距離相対移動可能に取り付けられている。
上記構成により、成型後、金型保持部を上金型に対して上記一定距離内において上方へ相対移動させることで、成型素材を一対の金型で挟持した状態を保持しまま成型圧力を解除することが可能となる。従って、成型素材の表裏の冷却速度を均一化できるので反りの発生を低減できるとともに、成型素材のヒビ割れ等を発生させることなく成型素材の急冷工程を実施することが可能となる。
金型保持部に対して上金型が相対移動可能な距離の大きさは特に制限されないが、少なくとも、加圧軸を上下方向に移動する駆動部が制御可能な大きさ以上であればよい。
また、本発明のプレス成型方法は、加圧工程では、一対の金型間に所定の成型圧力を加えて成型素材を加圧成型し、冷却工程は、その少なくとも一部に、上記所定の成型圧力を解除した後、上金型を成型素材に接触させた状態を保持する保持工程を有する。
本発明においては、成型後の冷却工程において、少なくとも一部に上記保持工程を設けるようにしているので、当該保持工程において成型素材にヒビ割れ等を発生させることなく成型素材を急冷することが可能となる。これにより、成型素材の表裏における冷却速度差を低減して成型後に生じる反りを抑えることが可能となる。
また、本発明のガラス基板の製造方法は、上下一対の金型間にガラス素材を配置し、加熱工程、加圧工程及び冷却工程を経てガラス基板を製造するガラス基板の製造方法において、上記冷却工程は、一対の金型間に所定の成型圧力を加えた状態でガラス素材を冷却する徐冷工程と、所定の成型圧力を解除した後、上金型をガラス素材に接触させた状態を保持してガラス素材を冷却する急冷工程とを有する。
本発明においては、上記徐冷工程においてガラス素材の成型精度を確保でき、上記急冷工程においてガラス素材のヒビ割れを生じさせることなく、表裏の冷却速度差を低減してガラス基板成型体の反りを抑えることが可能となる。
上記保持工程又は急冷工程のように、成型圧力を解除して上金型を成型素材(又はガラス素材)に接触させた状態を保持する工程においては、上金型を成型素材の表面に接触させるだけでなく、上金型の自重を当該成型素材に作用させてもよい。この場合、成型素材と上金型との間の熱抵抗を低減して成型素材の表裏における冷却速度の均一化を図ることができ、成型体の反り軽減効果を高めることができる。
成型素材は、ガラス素材に限らず、例えば樹脂素材等でもよい。上記保持工程又は急冷工程は、好適には、成型品の温度がガラス転移温度よりも0〜100℃程度低い温度に到達した時点で開始する。
なお、上金型の自重だけでなく、上金型の自重を加えた一定の付勢力を成型素材に作用させてもよい。この場合、一定の付勢力としては、上金型を成型素材に向けて付勢する付勢力を発生させることができるものであれば特に限定されず、例えばバネ等の付勢力や、上金型と金型保持部との間に装着した錘などでもよい。
以上述べたように、本発明によれば、ガラス素材等の成型素材を高い成型精度と生産性を維持して、冷却工程における成型素材の反りを軽減することができる。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態によるプレス成型装置21の概略構成を示す断面図である。本実施の形態では、このプレス成型装置21は、ウェーハ状態の基板ガラス表面に所定の形状を転写成型するためのガラス基板の成型装置として用いられている。
本実施の形態のプレス成型装置21は、上金型22及び下金型27からなる上下一対の金型を有している。上金型22は、後述するようにダイプレート23に対して一定距離Sだけ上下方向に相対移動可能に取り付けられている。ダイプレート23は、ダイホルダ24及び上型継手25を介して上加圧軸26に接続されている。上金型22の型面には、成型素材(本実施の形態ではガラス素材)Mの表面へ所定形状(例えば格子状)の溝を転写成型するための複数の凸状型22aが形成されている。ダイプレート23(及びダイホルダ24)は、本発明に係る「金型保持部」に対応している。
下金型27はダイプレート28に一体固定されており、ダイプレート28はダイホルダ29及び下型継手30を介して下加圧軸31に接続されている。下金型27の型面には、上金型22の凸状型22aに対応するように複数の凹状型27aが形成されている。
上型継手25及び下型継手30には、その軸心部に冷却ガスとして不活性ガス(例えば窒素ガス)を流すためのガス供給通路25a,30aがそれぞれ設けられている。冷却ガスは、上加圧軸26及び下加圧軸31の軸心部からそれぞれ供給され、ガス供給通路25a,30aを介してダイホルダ24,29に導入される。
ダイホルダ24,29には、その両面の中心部から外周部に向かって放射状に延びる複数本の溝と、各面の中心部に形成されて各面の溝に連絡する貫通孔とからなるガス通路24a,29aがそれぞれ形成されている。これにより、ダイプレート23,28は、ダイホルダ24,29への熱移動によって冷却されることになる。また、別系統で成型室35内に冷却用の不活性ガスを導入するようにしてもよい。以上のようにして本発明の「冷却手段」が構成される。
一対の金型22,27、ダイプレート23,28、ダイホルダ24,29、上型継手25及び下型継手30は、例えば石英製の隔壁32の内部に設置されている。隔壁32の内部は、雰囲気制御が可能な成型室35を構成している。隔壁32の外側には、成型室35を所定温度に加熱する加熱ランプ33が設置されているとともに、加熱ランプ33を囲むように反射板34が設けられている。加熱ランプ33及び反射板34は本発明の「加熱手段」を構成する。加熱源はランプに限らず、抵抗線ヒータ等でもよい。
本実施の形態のプレス成型装置21は、上金型22がダイプレート23に対して上下方向に一定の距離Sだけ相対移動可能に取り付けられている。具体的に、上金型22の上面側には上加圧軸26の軸方向に平行に延びるガイド軸36が取り付けられており、このガイド軸36の軸部は、ダイプレート23に形成されたガイド孔23aに挿通されている。ガイド軸36の上端部には、軸部よりも大径のストッパ36aが設けられており、上金型22の自重でストッパ36aがダイプレート23の上面に係合している。上金型22は、ダイプレート23との間に一定の距離Sだけ隔ててダイプレート23から吊り下げられている。
ガイド軸36は、上金型22を図示する水平状態で上下方向に安定して移動させるために、上金型22の外周部に複数本取り付けられている。例えば、上金型22が平面視四角形状である場合、ガイド軸36は当該上金型22の四隅位置に取り付けられ、上金型22が平面視円形状である場合、ガイド軸36は当該上金型の周縁に等角度間隔で取り付けられる。なお、上金型22を水平状態で上下方向に安定して移動させることができる限り、ガイド軸36は単数でも構わない。この場合、ガイド軸36は上金型22の中心部に取り付けることができる。
また、上金型を水平状態で上下方向に安定して移動させるため、ダイプレート23のガイド孔23aにガイド軸36の軸部を支持するリニア軸受を設置してもよい。更に、ストッパ36aは、ガイド軸36の軸部に対して高さ調整可能に構成することで、上金型22とダイプレート23との間の離間距離Sを任意に調整することができる。
ダイプレート23に対する上金型22の最大相対移動距離すなわち離間距離Sの大きさは特に制限されないが、距離S以下の大きさのストロークで上加圧軸26を上下移動を制御できる範囲であればよく、少なくとも、加圧軸を上下方向に移動させる駆動部(図示略)が制御可能な大きさ以上であればよい。
本実施の形態のプレス成型装置21は以上のように構成される。次に、プレス成型装置21の作用と併せて、本発明に係るガラス基板の製造方法について図2及び図3を参照して説明する。
まず、成型室35を窒素雰囲気に置換し、図2Aに示すように下金型27の上に成型素材(ウェーハ状の基板ガラス)Mを配置する。次に、加熱ランプ33を用いて成型室35内の上金型22、下金型27及び成型素材Mを加熱する。このとき、上金型22は下金型27に近づけていてもよいし、成型素材Mの上に加圧力が作用しない程度に接触していてもよい。
成型素材Mの加熱温度がガラス転移温度以上の所定の成型温度に到達してその温度が安定した後、下加圧軸31の駆動により下金型27を上方移動させ、図2Bに示すように上金型22と下金型27との間で成型素材Mを加熱プレスする。これにより、上金型22及び下金型27の型面に形成された形状22a,27aが成型素材Mに転写成型される。なお、本実施の形態では成型素材Mにホウケイ酸ガラス(ショット社製D263)が用いられ、そのガラス転移温度は529℃である。
プレス成型の後、加熱ランプ33による加熱作用を停止し、図2Bに示したように上金型22と下金型27との間に成型圧力を加えた状態のまま、ガス供給通路25a,30aに不活性ガス(冷却ガス)を導入し上金型22、下金型27及び成型素材Mを徐冷する。これにより、成型素材Mに転写した形状、寸法等の成型精度が確保される。上記徐冷工程は、ガラス転移温度よりも0〜100℃程度低い所定の温度(型開き温度)に到達するまで続けられる。
成型素材Mが上記型開き温度に到達した後、下加圧軸30の駆動により下金型27を、図2Bに示した状態から、上金型22とダイプレート23間の離間距離Sよりも小さい距離S1だけ下方移動させる。これにより、図3Cに示すように、上金型22と成型素材Mとの接触状態を保持しながら、上金型22とダイプレート23との間が離間することで成型素材Mに対する成型圧力が解除される。この上金型22と成型素材Mとの接触状態を保持する保持工程において、成型室35内に不活性ガスを別途導入したり不活性ガスの導入流量を増大させて、成型素材Mの冷却速度を高める急冷工程が行われる。
本実施の形態においては、上記のように成型圧力を解除した後、上金型22と成型素材Mとを接触させた状態で成型素材Mの冷却を急冷を行うようにしているので、成型素材Mの表裏における冷却速度差を低減して成型素材Mのヒビ割れを防止し、かつ成型素材Mの反りを抑制することができる。
特に、下金型27の移動量をS1(<S)に設定することで、成型圧力を解除した後、上金型22の自重を成型素材Mに作用させるようにしているので、成型素材Mの反りを効果的に抑制しながら、成型素材Mと上金型22及び下金型27との間の熱抵抗を小さくして冷却効率の向上を図ることができる。
成型素材Mの温度が所定の取出し温度(例えば200℃〜250℃)にまで冷却された後、不活性ガスの導入を停止し、図3Dに示すように下加圧軸30の駆動により下金型27を更に下方移動させて、上金型22を成型素材Mから離間させる。この後、成型室35を開放して、ガラス基板成型体M1を回収する。
以上のように本実施の形態によれば、上金型22をダイプレート23に対して上下方向へ一定距離(S)相対移動可能に構成したので、成型後、ダイプレート23を上金型22に対して距離S内において上方へ相対移動させることで、成型素材Mを一対の金型22,27で挟持した状態を保持したまま成型圧力を解除することが可能となる。これにより、急冷工程において、成型圧力を解除した後、上金型22を成型素材Mに接触させた状態を保持することができるようになるので、成型素材の表裏の温度差に起因するヒビ割れや反りの発生が抑えられ、成型精度及び平坦性に優れたガラス基板成型体M1を製造することができる。
また、成型体M1の反り量改善のためのアニール処理が不要であり、また、冷却ガスとしての不活性ガスの導入量を制限せずに成型素材Mの冷却工程を実施できるので、低コストで生産性を損なうことなく良質のガラス基板成型体を製造することができる。
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施の形態によるプレス成型装置41の概略構成を示す断面図である。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付しその詳細な説明は省略するものとする。
上述の第1の実施の形態においては、図3Cに示したように、成型素材Mの急冷工程において、成型素材Mに対して上金型22の自重を作用させるようにしていた。このとき、成型素材Mの大きさや厚さ、形状等によっては、上金型22の自重のみでは反りの抑制が図れない場合がある。そこで、本実施の形態では、上金型22の自重に加えて一定の付勢力を成型素材Mに作用させることで、当該成型素材Mの反りの発生を抑制するようにしている。
図4に示すプレス成型装置41は、ダイプレート23に対する上金型22の上下方向への相対移動を案内するガイド軸36の周りに付勢部材としてコイルバネ37が設けられている。コイルバネ37は、上金型22とダイプレート23との間に予負荷状態で取り付けられおり、上金型22をダイプレート23から離間させる方向へ付勢している。
なお、図示の例では、ダイプレート23のガイド孔23aの下面側に、加熱成型時において圧縮されたコイルバネ37を収容するための収容部23bを設けることで、ダイプレート23と上金型22との間の密着性を阻害しないようにしている。
上述のような構成のプレス成型装置41においては、成型素材Mに対する成型後の急冷工程の際に、上金型22の自重に加えてコイルバネ37の設置本数に応じた付勢力を成型素材Mに作用させることが可能となる。付勢力の大きさは、コイルバネ37のバネ力あるいはコイルバネ37の設置数によって適宜調整することができる。なお、コイルバネ37の設置部位は、上述したガイド軸37の周囲に限られない。
また、上金型22の自重に加えられる付勢力は上述したコイルバネ37のバネ力に限られない。例えば図5に示すプレス成型装置42においては、上金型22とダイホルダ23との間に設置した補助プレート38を錘として載置することで、補助プレート38の自重に相当する付勢力を成型素材Mに作用させることができる。付勢力の大きさは、補助プレート38の重量によって適宜調整することができる。なお、この場合も同様に、上金型22と成型素材Mとの接触状態を保持したまま成型圧力を解除できる程度の大きさのクリアランスS1を、補助プレート38とダイプレート23との間に設定するものとする。
以下、本発明の実施例について説明する。
第1の実施の形態で説明したように、成型素材Mに対する成型後の急冷工程において、成型圧力を解除した際に上金型の自重を成型素材に作用させた状態で冷却を行って得られた成型体(ガラス基板)の反り量のデータの一例を図6に示す。なお、比較のため、従来技術で説明したように、成型素材から上金型を離間させた状態で急冷工程を行ったときの成型体の反り量のデータを図6に併せて示す。
実験に用いた成型素材はホウケイ酸ガラス(ショット社製D263)で、ガラス転移温度は529℃、外形寸法は直径150mm、厚み0.55mmの薄板ガラスである。金型の外形寸法は直径155mmである。成型温度や型開き温度、成型圧力条件は同じ設定とした。
図6に示すように、比較例として示す従来のプレス成型法では、反り量が800μm〜900μmもあったのに対し、実施例では反り量を10μm〜50μmにまで低減することができた。なお、転写精度は比較例及び実施例ともに同程度であった。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施の形態では、成型素材にガラス素材を適用したが、これに限らず、例えばプラスチック素材や金属素材等のプレス成型に本発明は適用可能である。また、上記上金型22の自重による急冷工程は、成型後の冷却工程全般について行われても良いし、冷却工程の一部においてのみ行われるようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、プレス成型装置21において、下加圧軸30側を駆動することで一対の金型22,27間の開閉を行うようにしたが、勿論この例に限らず、上加圧軸26側を駆動させて金型の開閉を行うようにしてもよい。
本発明の第1の実施の形態によるプレス成型装置21の概略構成を示す断面図である。 プレス成型装置21を用いたプレス成型方法及びガラス基板の製造方法を説明する工程図である。 プレス成型装置21を用いたプレス成型方法及びガラス基板の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第2の実施の形態によるプレス成型装置41の概略構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態において説明するプレス成型装置42の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施例において説明する一実験結果を示す図表である。 従来のプレス成型装置1の概略構成及びプレス成型方法を説明する概略断面図である。
符号の説明
21,41,42…プレス成型装置、22…上金型、23,28…ダイプレート(金型保持部)、24,29…ダイホルダ、25…上型継手、26…上加圧軸、27…下金型、30…下型継手、31…下加圧軸、32…隔壁、33…加熱ランプ、34…反射板、35…成型室、36…ガイド軸、36a…ストッパ、37…コイルバネ(付勢部材)、38…補助プレート(付勢部材)、M…成型素材(ガラス素材)、M1…成型体(ガラス基板)、S…ダイプレート23に対する上金型22の最大相対移動距離

Claims (9)

  1. 上金型及び下金型からなる一対の金型と、前記上金型を保持する金型保持部と、前記一対の金型を加圧する加圧軸と、前記一対の金型を加熱する加熱手段と、前記一対の金型を冷却する冷却手段とを備えたプレス成型装置において、
    前記上金型は、前記金型保持部に対して上下方向に一定の距離相対移動可能に取り付けられている
    ことを特徴とするプレス成型装置。
  2. 前記上金型は、前記金型保持部に挿通される単数又は複数本のガイド軸と、このガイド軸に形成され前記金型保持部に係合することで前記金型保持部に対する前記上金型の相対移動距離を規定するストッパとを備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成型装置。
  3. 前記上金型と前記金型保持部との間には、前記上金型を前記金型保持部から離間させる方向へ付勢する付勢部材が取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレス成型装置。
  4. 上下一対の金型間に成型素材を配置し、加熱工程、加圧工程及び冷却工程を経て成型体を作製するプレス成型方法において、
    前記加圧工程では、前記一対の金型間に所定の成型圧力を加えて前記成型素材を加圧成型し、
    前記冷却工程は、その少なくとも一部に、前記所定の成型圧力を解除した後、上金型を前記成型素材に接触させた状態を保持する保持工程を有する
    ことを特徴とするプレス成型方法。
  5. 前記保持工程では、前記上金型の自重を前記成型素材に作用させる
    ことを特徴とする請求項4に記載のプレス成型方法。
  6. 前記保持工程では、前記上金型の自重に加えて一定の付勢力を作用させる
    ことを特徴とする請求項4に記載のプレス成型方法。
  7. 上下一対の金型間にガラス素材を配置し、加熱工程、加圧工程及び冷却工程を経てガラス基板を製造するガラス基板の製造方法において、
    前記冷却工程は、
    前記一対の金型間に所定の成型圧力を加えた状態で前記ガラス素材を冷却する徐冷工程と、
    前記所定の成型圧力を解除した後、上金型を前記ガラス素材に接触させた状態を保持して前記ガラス素材を冷却する急冷工程とを有する
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  8. 前記急冷工程では、前記上金型の自重を前記ガラス素材に作用させる
    ことを特徴とする請求項7に記載のガラス基板の製造方法。
  9. 前記急冷工程では、前記上金型の自重に加えて一定の付勢力を作用させる
    ことを特徴とする請求項7に記載のガラス基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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