JP2007168583A - 車両用灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】灯具ユニットの回動角度以上に照射範囲を増加させることができる車両用灯具を提供し、車両旋回時における良好な側方視認性を確保する。
【解決手段】光源と、光源からの光を反射するリフレクタと、リフレクタからの反射光を光軸に沿って前方に投影する投影レンズと、リフレクタからの反射光の一部を遮蔽しカットオフラインを形成するシェード32とを有する灯具ユニット20と、開口を有する容器状のボディ14と、開口を覆うようにボディ14に取り付けられ、ボディ14との間に灯室を構成するカバー12と、を備えた車両用灯具100であって、灯具ユニット20は、車両幅方向に回動可能にボディ14に支持された状態で灯室内に設置されており、投影レンズとカバー12との間には、車両幅方向の少なくとも一方に回動した灯具ユニット20から出射する出射光を拡散する拡散部材15を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ランプボディの内部に灯具ユニットを回動自在に備え、ヘッドライトビームをカーブに沿って旋回可能としたスイブル方式の車両用灯具に関し、特に、旋回方向にビームの照射範囲を増加させることが可能な車両用灯具に関する。
自動車等の車両のヘッドライトから出射されるビームは、基本的には直進方向に沿って車両前方中央部を照射するように構成されている。そのため、カーブ走行、右左折、進路変更等を行う場合、進行方向の前方に十分な照射範囲を確保できないことがある。このようなカーブ走行時等におけるビームの照射範囲を十分に確保し、良好な視界を得ることができるようにした車両用灯具に、灯具ユニットを左右に振る(回動する)機構を備えたスイブル方式の車両用灯具がある(例えば、特許文献1参照)。
このスイブル方式の車両用灯具は、ランプボディにフレーム部材を上下方向に回動可能に支持するとともに、このフレーム部材に灯具ユニットを左右方向に回動可能に支持し、これらフレーム部材および灯具ユニットを、コントロールユニットにより車両走行状況に応じて各々回動制御する構成としている。これにより、灯具ユニットから照射されるビームの向きを、車両走行状況に応じて左右方向に変化させることができるようになされている。この結果、カーブ走行時等においても、ビームの照射範囲が旋回方向の先に十分に確保され、良好な視界を得ることが可能となる。
特開2003−123514号公報
しかしながら、従来のスイブル方式の車両用灯具は、フレーム部材に灯具ユニットを左右方向に回動可能に支持し、フレーム部材に対して灯具ユニットを、車両走行状況に応じて回動させるのみであるため、灯具ユニットを左右に回動する角度分しか照射範囲が増加せず、比較的回転半径が大きく照射範囲がそれほど必要とされない曲路にしか対応させることができなかった。このため、例えば山間部の緩やかな曲路(高速カーブ)など、有効な場面が限定される一方、交差点での右左折時、或いは進路変更時などでは車両旋回方向の先に十分な照射範囲が確保できず、スイブル方式の効果が十分に発揮されない問題があった。また、車両旋回方向の先に十分な照射範囲を確保するために、灯具ユニットの回動角度を大きくすれば、車両旋回方向と反対側の照射範囲が減少し、前方視認性が低下する虞があった。さらに、灯具ユニットの回動角度を大きくすれば、配光パターン(カットオフライン)が大きく変形してしまい、車両走行状況に即応した配光パターンでビーム照射を行うことが困難となった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、灯具ユニットの回動角度以上に照射範囲を増加させることができる車両用灯具を提供し、もって、車両旋回時における良好な側方視認性の確保を図ることにある。また、その第2の目的は、前方視認性を低下させず、カットオフラインを維持しつつ、灯具ユニットの回動角度以上に照射範囲を増加させることができる車両用灯具を提供し、もって、車両旋回時における良好な側方視認性の確保を図ることにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 光源と、前記光源からの光を反射するリフレクタと、前記リフレクタからの反射光を光軸に沿って前方に投影する投影レンズと、前記リフレクタからの反射光の一部を遮蔽しカットオフラインを形成するシェードとを有する灯具ユニットと、
開口を有する容器状のボディと、
前記開口を覆うように前記ボディに取り付けられ、前記ボディとの間に灯室を構成するカバーと、を備えた車両用灯具であって、
前記灯具ユニットは、車両幅方向に回動可能に前記ボディに支持された状態で前記灯室内に設置されており、
前記投影レンズと前記カバーとの間には、前記車両幅方向の少なくとも一方に回動した前記灯具ユニットから出射する出射光を拡散する拡散部材が設けられたことを特徴とする車両用灯具。
(2) 前記拡散部材は、前記光軸の左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方に拡散させることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
(3) 前記拡散部材は、前記光軸の左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方上方に拡散させることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載の車両用灯具。
(4) 前記拡散部材は、前記灯具ユニットから出射し前記光軸の左右何れか一方向に向かう光を同一方向にさらに拡散させるように前記投影レンズから所定距離離れた位置に設けられていることを特徴とする(1)〜(3)項の何れか一項に記載の車両用灯具。
(5) 前記拡散部材は、前記光軸より側方の車両外側と車両内側にそれぞれ配置されており、前記車両外側に配置された拡散部材は、前記車両内側に配置された拡散部材よりも入射光を大きく側方に拡散させることを特徴とする(1)〜(4)項の何れか1項に記載の車両用灯具。
(6) 前記拡散部材は、前記光軸より側方の車両左側と車両右側にそれぞれ配置されており、前記車両右側に配置された拡散部材と前記車両左側に配置された拡散部材は、それぞれ入射光の拡散度合いが異なることを特徴とする(1)〜(4)項の何れか1項に記載の車両用灯具。
本発明に係る車両用灯具によれば、灯具ユニットが車両幅方向に回動可能にボディに支持され、投影レンズとカバーとの間に車両幅方向の少なくとも一方に回動した灯具ユニットから出射する出射光を拡散する拡散部材が設けられたので、灯具ユニットが回動すると同時に、灯具ユニットからの出射光が拡散部材へ入射して、回動の方向に向けて拡散角度が拡がる。したがって、回動角度以上に照射範囲が増加し、照射範囲が車両旋回方向の先に十分に確保され、側方に良好な視界を得ることができる。すなわち、側方視認性を向上させることができる。このことは高速カーブ走行時のみならず、交差点での右左折時、或いは進路変更時においても同様となる。さらに、旋回方向の先に拡大されて照射されるビームが、歩行者の注意力を高めるとともに、新規な見栄えも生じさせる効果も奏する。
そして、本発明によれば、拡散部材が光軸の左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方に拡散させるので、灯具ユニットが回動すると同時に、灯具ユニットからの出射光の一部が拡散部材へ入射して、回動の方向に向けて拡散角度が拡がる。したがって、前方視認性を低下させずに、回動角度以上に照射範囲が増加し、照射範囲が車両旋回方向の先に十分に確保され、カットオフラインを維持しつつ、側方に良好な視界を得ることができる。
また、本発明によれば、拡散部材が光軸の左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方上方に拡散させるので、高車速時には、ロービーム配光パターンを上方へ変位させることができ、車両前方路面の遠方視認性を十分に高め、高車速時における車両走行安全性を高めることができる。
さらに、本発明によれば、拡散部材が、灯具ユニットから出射し、光軸の左右何れか一方向に向かう光を同一方向にさらに拡散させるように投影レンズから所定距離離れた位置に設けられているので、前方に焦点が位置する投影レンズの場合、焦点を通過して最終的に一方向へ向く光のみを拡散部材に入射させることができ、他方向へ出射される光を焦点の手前で拡散部材に入射させて拡散させてしまうことを防止できる。
また、本発明によれば、拡散部材が、光軸より側方の車両外側と車両内側にそれぞれ配置され、車両外側に配置された拡散部材が、車両内側に配置された拡散部材よりも入射光を大きく側方に拡散させるので、車両が旋回する場合、車両外側の拡散部材(すなわち、旋回側の拡散部材)が出射光を大きく拡散させて、旋回方向の照射範囲をより多く増加させることができる。また、このことは、非旋回側の拡散は、旋回側の拡散より少ないことを意味し、これによって、車両左右における車両用灯具のうち非旋回側の車両用灯具は、車両旋回時に、車両内側の拡散部材の旋回方向への拡散が少なく抑止され、旋回時における前方視認性の低下が防止される。
また、本発明によれば、拡散部材が光軸より側方の車両左側と車両右側にそれぞれ配置され、車両右側に配置された拡散部材と車両左側に配置された拡散部材が、それぞれ入射光の拡散度合いが異なるので、対向車線側の拡散を小さく、非対向車線側の拡散を大きくすることができる。
以下図面を参照しながら、本発明に係る車両用灯具の好適な実施形態を説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す全体構成図である。
図1に示すように、車両用灯具100は、灯具本体10と、シェード駆動回路102と、ユニット駆動回路104と、フレーム駆動回路106と、コントロールユニット108とを備えている。
車両用灯具100においては、コントロールユニット108にビーム切換えスイッチ110、舵角センサ112、車速センサ114および車高センサ116からの検出信号が入力され、コントロールユニット108により車両走行状況に応じた灯具本体10のビーム照射制御が行われるようになっている。
ビーム切換えスイッチ110は、ユーザの操作入力に応じてロービーム配光パターンとハイビーム配光パターンとを選択的に切り換えるスイッチである。舵角センサ110は、車両の旋回角度を検出するセンサであり、例えばステアリング操作を検出するステアリングセンサ等を用いることができる。車速センサ114は、車両の速度を検出するセンサである。また、車高センサ116は、前後輪のサスペンション機構に装着された変位センサで構成されている。
灯具本体10は、素通し状の透明カバー12とランプボディ14とで形成される灯室内に灯具ユニット20が収容されて構成されている。
灯具ユニット20は、フレーム部材50を介してランプボディ14に支持されている。その際、灯具ユニット20は、フレーム部材50に対して鉛直軸線Avを中心にして左右方向に回動可能に支持されており、また、フレーム部材50は、ランプボディ14に対して水平軸線Ahを中心にして上下方向に回動可能に支持されている。
また、本実施形態では、灯具ユニット20と透明カバー12との間には、車両幅方向の少なくとも一方に回動した灯具ユニット20から出射する出射光を拡散させるための拡散部材15が設けられている。この拡散部材15については、後ほど詳述する。
図2は、灯具本体10を示す側断面図であり、また、図3、図4および図5は、灯具ユニット20をフレーム部材50と共に示す側断面図、平断面図および正面図である。
これらの図に示すように、灯具本体10のフレーム部材50は、灯具正面視において灯具ユニット20を略矩形状に囲む筒状部50Aと、この筒状部50Aの後端部から外周側へ延びるようにして全周にわたって形成されたフランジ部50Bとを備えている。このフレーム部材50におけるフランジ部50Bの右側部(図5では左側部)には、後方側へ延びる延長側壁部50Baが形成されており、また、このフランジ部50Bの右下端部50Bbは、後方側へ所定量変位するようにして形成されている。
このフレーム部材50の延長側壁部50Baには、灯具ユニット20を左右方向に回動させるためのユニット回動機構70が取り付けられている。
また、このフレーム部材50のフランジ部50Bの左上端部および右上端部には、各々エイミングナット52が取り付けられており、これら各エイミングナット52には、ランプボディ14に各々回転可能に支持されたエイミングスクリュウ54が螺着されている。上記水平軸線Ahは、両螺着点を結ぶようにして水平方向に延びる直線により構成されている。そして、フランジ部50Bの右下端部50Bbには、フレーム部材50を上下方向に回動させるためのフレーム回動機構80が連結されている。
なお、この灯具本体10においては、各エイミングスクリュウ54を適宜回転させることにより、灯具ユニット20の光軸Axの初期調整(光軸Axを車両前後方向と一致させるためのエイミング調整)を行い得るようになっている。
灯具ユニット20は、プロジェクタ型の灯具ユニットであって、光源である放電バルブ22と、リフレクタ24と、ホルダ26と、投影レンズ28と、リテーニングリング30と、シェード32と、シェード駆動機構34とを備えている。
放電バルブ22は、例えばメタルハライドバルブであって、その放電発光部22a(光源)が光軸Ax上に配置されるようにしてリフレクタ24に取り付けられている。
リフレクタ24は、光軸Axを中心軸とする略楕円球面状の反射面24aを有している。この反射面24aは、光軸Axを含む断面形状が楕円で形成されており、その離心率が鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定されている。ただし、これら各断面を形成する楕円の後方側頂点は同一位置に設定されている。光源22aは、この反射面24aの鉛直断面を形成する楕円の第1焦点F1に配置されている。そしてこれにより、反射面24aは、光源22aからの光を前方へ光軸Ax寄りに反射させるようになっており、その際、光軸Axを含む鉛直断面内においては上記楕円の第2焦点F2に略収束させるようになっている。
ホルダ26は、リフレクタ24の前端開口部から前方へ向けて延びるようにして筒状に形成されており、その後端部においてリフレクタ24に固定支持されるとともに、その前端部においてリテーニングリング30を介して投影レンズ28を固定支持している。このホルダ26の下端部には、下方へ膨出する下方膨出部26aが形成されている。
投影レンズ28は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸レンズからなり、その後方側焦点位置がリフレクタ24の反射面24aの第2焦点F2に一致するように配置されている。そしてこれにより、投影レンズ28は、リフレクタ24の反射面24aからの反射光を光軸Ax寄りに集光させるようにして透過させるようになっている。
シェード32は、光軸Axと直交する鉛直面に略沿うようにして延びるシェード本体部32Aと、このシェード本体部32Aの周縁部から前方へ延びる略半円筒状部32Bと、この略半円筒状部32Bの下端部からホルダ26の下方膨出部26a内において下方へ延びるブラケット部32Cとからなり、ホルダ26の内部空間の下部に回動可能に設けられている。すなわち、このシェード32は、その略半円筒状部32Bの左右両側の前端上部において回動ピン36を介してホルダ26に支持されており、これにより両回動ピン36を結ぶ水平軸線回りにロービーム構成位置(図3において実線で示す位置)とハイビーム構成位置(図3において2点鎖線で示す位置)との間において回動し得るようになっている。
そしてこのシェード32は、ロービーム構成位置にあるときには、そのシェード本体部32Aの上端縁32Aaが第2焦点F2を通るように配置され、反射面24aからの反射光の一部を遮蔽して灯具ユニット20から出射される上向き照射光を除去し、これにより光軸Axに対して下向きに照射されるロービーム用照射光(図3において実線で示すビーム)を得るようになっている。そしてこれにより、図7(a)に示すような左右段違いのいわゆるZ型のカットオフラインCLを有する左配光のロービーム配光パターンP(L)を形成するようになっている。
一方、シェード32がハイビーム構成位置にあるときには、該シェード32は反射面24aからの反射光の遮蔽を解除して灯具ユニット20からの上向き照射光の出射も許容し、これによりハイビーム用照射光(図3において実線および2点鎖線で示すビーム)を得るようになっている。そしてこれにより、図7(b)に示すようなハイビーム配光パターンP(H)を形成するようになっている。
なお、これらロービーム配光パターンP(L)およびハイビーム配光パターンP(H)においてHZで示す領域は、これら各配光パターンにおけるホットゾーン(高光度領域)である。また、図7(a)、(b)は、灯具ユニット20からのビーム照射により灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターンを透視的に示す図である。
シェード駆動機構34は、ソレノイド38と引張コイルバネ40とからなり、シェード32をロービーム構成位置およびハイビーム構成位置間において回動させることにより、ロービームとハイビームとのビーム切換えを行うようになっている。ソレノイド38は、そのプランジャ(可動鉄芯)38aが光軸Axと平行に延びるように配置された状態で、リフレクタ24の下部領域に形成されたソレノイド収容部24bに挿着固定されており、そのプランジャ38aの前端球状部においてシェード32のブラケット部32Cに当接するようになっている。引張コイルバネ40は、その一端部がシェード32のブラケット部32Cに係止されるとともに、その他端部がソレノイド収容部24bに係止されており、シェード32をロービーム構成位置へ向けて常に弾性的に付勢するようになっている。このシェード駆動機構34の駆動は、ビーム切換えスイッチ110の操作が行われたとき、コントロールユニット108を介してシェード駆動回路102により行われるようになっている。
灯具ユニット20には、そのホルダ26の下方膨出部26aにおける鉛直軸線Av上の位置に、下方へ突出するピン26bが形成されており、このピン26bがカラー56およびスペーサ58を介してフレーム部材50の筒状部50Aに挿着支持されている。また、ホルダ26の上端部における鉛直軸線Av上の位置には、上方へ突出するボス(図示せず)が形成されており、このボスがカラー60およびスペーサ62を介してフレーム部材50の筒状部50Aに挿着されるとともに該ボスにカラー60を介してネジ64が締付け固定されている。
ユニット回動機構70は、フレーム部材50の延長側壁部50Baに固定されたモータ72と、このモータ72と灯具ユニット20とを連結するリンク機構74とを備えている。このリンク機構74は、モータ72の出力軸72aに固定された回動レバー76と、この回動レバー76に一端部がピン結合されるとともにリフレクタ24のリンク固定用突起部24dに他端部がピン結合されたリンク78とを備えている。そしてこのユニット回動機構70においては、コントロールユニット108からの制御信号に応じてユニット駆動回路104によりモータ72を駆動し、リンク機構74を介してモータ72の駆動力を灯具ユニット20へ伝達することにより、鉛直軸線Avを中心にして初期調整位置(光軸Axが車両前後方向と一致する位置)から左右両方向に灯具ユニット20を所定角度範囲内で回動させ得るように構成されている。
フレーム回動機構80は、ランプボディ14の下部後面壁に固定されたモータ82と、このモータ82の出力軸82aの先端部に取り付けられたフレーム連結ブッシュ84とを備えている。フレーム連結ブッシュ84はフレーム部材50のフランジ部50Bの右下端部50Bbに連結されている。このフレーム回動機構80においては、コントロールユニット108からの制御信号に応じてフレーム駆動回路106によりモータ82を駆動し、フレーム連結ブッシュ84を介してモータ82の駆動力をフレーム部材50へ伝達することにより、該フレーム部材50と共に灯具ユニット20を水平軸線Ahを中心にして上記初期調整位置から上下両方向に所定角度範囲内で回動させ得るように構成されている。
図6は、灯具ユニット20の前方に配設された拡散部材15を示す平面図である。
上述したように、投影レンズ28と透明カバー12との間には、回動した灯具ユニット20から出射する出射光を拡散する拡散部材15が設けられている。この拡散部材15は、車両幅方向の少なくとも一方に設けられていることが好ましい。本実施形態においては、拡散部材15は、一対の平板レンズ15a,15bからなる。平板レンズ15a,15bは、投影レンズ28の前方に、投影レンズ28からの光を干渉させずに通過させる出射開口17を隔てて左右に配設されている。したがって、図6(a)に示すように、灯具ユニット20の非回動時には、灯具ユニット20から出射した光は拡散部材15には入射しない。
一方、図6(b)に示すように、拡散部材15は、灯具ユニット20の回転時、光軸Axの左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方に拡散させる作用を有する。したがって、拡散部材15は、光軸Axの左右何れか一方向に出射する光の一部を、車両側方に拡散させ、灯具ユニット20が回動すると同時に、灯具ユニット20からの出射光の一部を入射させて、回動の方向に向けて拡散角度を拡げる。
また、拡散部材15は、灯具ユニット20から出射し光軸Axの左右何れか一方向に向かう光を、同一方向にさらに拡散させるように、投影レンズ28から所定距離離れた位置に配設されている。
拡散部材15の基本的な作用としては、光軸Axの左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方に拡散させるが、光軸Axの左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方には拡散させず、車両側方上方のみに拡散させることとしてもよい。すなわち、この場合には、光の一部は、斜め上方のみに拡散されることとなる。この他、拡散部材15は、光の一部を車両側方に拡散させ、かつ車両側方上方にも拡散させる作用を有する構成としてもよい。拡散部材15が光軸Axの左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方上方に拡散させる作用を有する場合、高車速時に、ロービーム配光パターンを上方へ変位させることができ、車両前方路面の遠方視認性を十分に高め、高車速時における車両走行安全性を高めることができる。
本実施形態では、拡散部材15は、光軸Axより側方の車両外側と車両内側にそれぞれ配置されており、車両外側に配置された拡散部材(例えば平板レンズ15a)は、車両内側に配置された拡散部材(例えば平板レンズ15b)よりも入射光を大きく側方に拡散させるものであることが好ましい。このような構成とすることで、車両が旋回する場合、車両外側の拡散部材(すなわち、旋回側の平板レンズ15b)が出射光を大きく拡散させて、旋回方向の照射範囲をより多く増加させることができる。また、このことは、非旋回側の拡散は、旋回側の拡散より少ないことを意味し、これによって、車両左右における車両用灯具100、100のうち非旋回側の車両用灯具100は、車両旋回時に、車両内側の拡散部材(例えば平板レンズ15b)の旋回方向への拡散が少なく抑止され、旋回時における前方視認性の低下が防止されることとなる。
さらに、車両用灯具100は、車両前部の左右に設けられている。言い換えれば、拡散部材15は、光軸Axより側方の車両左側と車両右側にそれぞれ配置されている。ここで車両右側に配置された拡散部材15と車両左側に配置された拡散部材15は、それぞれ入射光の拡散度合いが異なるものであることが好ましい。このように、車両右側に配置された拡散部材と車両左側に配置された拡散部材の拡散度合いを異なるものとすることで、対向車線側の拡散を小さく、非対向車線側の拡散を大きくすることができる。
次に、本実施形態に係る車両用灯具100において行われるビーム照射制御の内容について説明する。
図7は車両直進時に上記灯具本体から前方へ照射されるビームのスクリーン配光パターンを透視的に示す図、図8は車両直進時における出射光と配光パターンとの関係を簡略的に示す模式図、図9は車両左スイブル時における出射光と配光パターンとの関係を簡略的に示す模式図、図10は車両右スイブル時における出射光と配光パターンとの関係を簡略的に示す模式図である。
上述したように、本実施形態においては、コントロールユニット108によりユニット回動機構70およびフレーム回動機構80を駆動制御することにより、車両走行状況に応じたビーム照射制御を行うようになっている。
すなわち、車両が直進走行している状況下においては、図7に示すような配光パターンでビーム照射を行うようになっている。このとき、ユニット回動機構70およびフレーム回動機構80は、灯具ユニット20を初期調整位置に固定するようになっている。なお、シェード駆動機構34は、ビーム切換えスイッチ110の操作に応じて、シェード32をロービーム構成位置またはハイビーム構成位置へ移動させ、これにより同図(a)に示すロービーム配光パターンP(L)または同図(b)に示すハイビーム配光パターンP(H)でビーム照射を行うようになっている。このように、灯具ユニットの非回動時には、図8に示すように、灯具ユニット20を出射した光が拡散部材15に入射しないので、車両直進走行時にはカットオフ面周辺の光度分布が変化せず、最適なカットオフラインCLを維持することができるようになっている。
一方、車両走行中にステアリング操作が行われたときには、図9または10に示すような配光パターンでビーム照射を行うようになっている。
すなわち、左方向へのステアリング操作が行われたときには、図9に示すように、灯具ユニット20を左方向へ回動させて配光パターンP(L)を左方向へ変位させ、これにより左曲進時における車両前方路面の視認性を高めるようになっている。この配光パターンP(L)の変位は、舵角センサ112からの検出信号に基づいてコントロールユニット108がユニット駆動回路104を介してユニット回動機構70を駆動することにより行われるようになっている。その際、車両走行路の曲率半径が小さくなったときには配光パターンP(L)をより大きく左方向へ変位させることが左曲進時における車両前方路面の視認性を高める上で好ましいので、灯具ユニット20の左方向回動角度は舵角が大きくなるほど大きくなるように設定されている。
さらに、灯具ユニット20を左方向へ回動させると、光軸Axの左方向に出射する光の一部が拡散部材15(平板レンズ15a)に入射し、この拡散部材15を透過することにより、車両左側方に拡散される。つまり、拡散部材15に入射した光は、回動の方向に向けて拡散角度を拡げる。これにより、前方視認性を低下させずに、回動角度以上に照射範囲P(LL)が増加し、照射範囲が車両旋回方向の先に十分に確保され、カットオフラインを維持しつつ、側方に良好な視界が得られることになる。
一方、右方向へのステアリング操作が行われたときには、図10に示すように、灯具ユニット20を右方向へ回動させて配光パターンP(L)を右方向へ変位させ、これにより右曲進時における車両前方路面の視認性を高めるようになっている。その際、灯具ユニット20の右方向回動角度は、左曲進時と同様、舵角が大きくなるほど大きくなるように設定されている。ただし、ロービーム照射状態で右方向へのステアリング操作が行われたときには、灯具ユニット20を右方向へ回動させるとともに上方向へ約0.5°回動させ、これにより、ロービーム配光パターンP(L)を約0.5°上方へ変位させるようになっている。このロービーム配光パターンP(L)の変位は、舵角センサ112からの検出信号に基づいてコントロールユニット108がフレーム駆動回路106を介してフレーム駆動機構80を駆動することにより行わせることができる。
ロービーム配光パターンP(L)のカットオフラインCLはその右半分が段下がりになっているので、このように右方向へのステアリング操作が行われたときには、ロービーム配光パターンP(L)を上方に変位させてカットオフラインCLを上方移動させることにより、右曲進時における車両前方路面の遠方視認性を高めることができる。なお、このようにカットオフラインCLを上方移動させても、右曲進時にはロービーム配光パターンP(L)のホットゾーンHZが対向車線側には位置していないので、対向車ドライバに大きなグレアを与えてしまうおそれはない。
これに加え、灯具ユニット20を右方向へ回動させると、光軸Axの左方向に出射する光の一部が拡散部材15(平板レンズ15b)に入射し、この拡散部材15を透過することにより、車両右側方に拡散される。つまり、拡散部材15に入射した光は、回動の方向に向けて拡散角度を拡げる。これにより、前方視認性を低下させずに、回動角度以上に照射範囲P(RR)が増加し、照射範囲が車両旋回方向の先に十分に確保され、カットオフラインを維持しつつ、側方に良好な視界が得られることになる。
なお、左方向へのステアリング操作が行われたときにロービーム配光パターンP(L)を上方に変位させないのは、カットオフラインCLの左半分が段上がりになっているので、ロービーム配光パターンP(L)の上方変位によりカットオフラインCLを上方移動させなくても車両左曲進時における車両前方路面の遠方視認性を確保することができ、むしろカットオフラインCLを上方移動させると、ロービーム配光パターンP(L)のホットゾーンHZが対向車線側に大きく入り込んで、対向車ドライバにグレアを与えてしまうおそれがあるからである。
車両がロービーム照射状態で直進走行している状況下において、車速が所定値(例えば60km/h)以下の低中車速時には、通常の照射角度でビーム照射が行われるが、車速が上記所定値を超えたときには、フレーム駆動機構80により灯具ユニット20を上方向へ約0.5°回動させるようになっている。これにより、高車速時には、ロービーム配光パターンP(L)を約0.5°上方へ変位させるようになっている。そしてこれにより車両前方路面の遠方視認性を十分に高め、高車速時における車両走行安全性を高めるようになっている。なお、高車速時には前走車との車間距離は一般に長いので、ロービーム配光パターンP(L)を多少上方へ変位させるようにしても、前走車ドライバ等に大きなグレアを与えてしまうことはない。
車両がロービーム照射状態で高速走行している状況下において、ステアリング操作が行われたときには、フレーム駆動機構80により灯具ユニット20を上方向へ約0.5°回動させた状態で、ユニット回動機構70により灯具ユニット20を左方向へ回動させることにより、ロービーム配光パターンP(L)を約0.5°上方へ変位させたまま左方向へ変位させ、これにより高速左曲進時における車両前方路面の遠方視認性を高めるようになっている。
一方、右方向へのステアリング操作が行われたときには、フレーム駆動機構80により灯具ユニット20を上方向へ約0.5°回動させた状態で、ユニット回動機構70により灯具ユニット20を右方向へ回動させることにより、ロービーム配光パターンP(L)を約0.5°上方へ変位させたまま右方向へ変位させ、これにより高速右曲進時における車両前方路面の遠方視認性を高めるようになっている。
なお、本実施形態に係る車両用灯具100においては、灯具本体10のレベリング制御(すなわち、車体が路面に対してピッチング方向に傾斜した場合においても路面に対するビーム照射角度を一定に維持する制御)も行うようになっている。このレベリング制御は、車高センサ116からの検出信号に基づいてコントロールユニット108によりフレーム回動機構80を駆動制御し、フレーム部材50と共に灯具ユニット20を上下方向に回動させることによって行われる。
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用灯具100は、ランプボディ14にフレーム部材50が上下方向に回動可能に支持されるとともに、このフレーム部材50に灯具ユニット20が左右方向に回動可能に支持されており、これらフレーム部材50および灯具ユニット20が車両走行状況に応じて各々回動制御されるように構成されているので、灯具ユニット20から照射されるビームの向きを、車両走行状況に応じて上下方向および左右方向に変化させることができ、これにより車両走行状況に即応した配光パターンでビーム照射を行うことができる。そしてこれにより、車両前方路面の視認性向上を図ることができる。
これに加え、灯具ユニット20が車両幅方向に回動可能にランプボディ14に支持され、投影レンズ28と透明カバー12との間に車両幅方向の少なくとも一方に回動した灯具ユニット20から出射する出射光を拡散する拡散部材15が設けられたので、灯具ユニット20が回動すると同時に、灯具ユニット20からの出射光が拡散部材15へ入射して、回動の方向に向けて拡散角度が拡がる。したがって、回動角度以上に照射範囲が増加し、照射範囲が車両旋回方向の先に十分に確保され、側方に良好な視界を得ることができる。すなわち、側方視認性を向上させることができる。このことは高速カーブ走行時のみならず、交差点での右左折時、或いは進路変更時においても同様となる。さらに、旋回方向の先に拡大されて照射されるビームが、歩行者の注意力を高めるとともに、新規な見栄えも生じさせる効果も奏する。
なお、本実施形態のように、ランプボディ14にフレーム部材50が上下方向に回動可能に支持されるとともに、このフレーム部材50に灯具ユニット20が左右方向に回動可能に支持された構成を採用する代わりに、ランプボディ14にフレーム部材50が左右方向に回動可能に支持されるとともに、このフレーム部材50に灯具ユニット20が上下方向に回動可能に支持された構成を採用した場合においても、これらフレーム部材50および灯具ユニット20を車両走行状況に応じて各々回動制御することにより、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、灯具ユニット20が、プロジェクタ型の灯具ユニットであり、かつ、シェード駆動機構34によるシェード32の回動によりロービームとハイビームとのビーム切換えが行われる構成(すなわち2灯式前照灯としての構成)である場合について説明したが、これ以外の灯具ユニットの構成を採用することももちろん可能である。例えば、パラボラ型の灯具ユニットを採用することも可能である。
図11は、拡散用の反射面を有するリフレクタの水平断面図である。
図11では、放電バルブ22から出射した光がリフレクタ24に入射し、反射面24aによって反射された光が光軸を含む鉛直断面を横切る以前に投影レンズ28に入射して、投影レンズ28の前方で鉛直断面を横切るように構成されている。図11では、灯具ユニット20Aが、投影レンズ28のみを開口部18aから表出させるエクステンション18によって覆われている。この場合、拡散部材15は、灯具ユニット20Aから出射し光軸Axの左右何れか一方向に向かう光を同一方向にさらに拡散させるように、投影レンズ28から所定距離S離れた位置に設けられていることが好ましい。
このように、拡散部材15が、灯具ユニット20Aから所定距離S離れた位置に設けられているので、前方に焦点F3が位置する投影レンズ28の場合、焦点F3を通過して最終的に一方向へ向く光のみを拡散部材15に入射させることができ、他方向へ出射される光を焦点F3の手前で拡散部材15に入射させて拡散させてしまうことを防止できる。
また、車両用灯具100は、灯具ユニット20の非回動時、拡散部材15に灯具ユニット20を出射した光の一部が入射するように構成してもよい。このような構成とすることで、直進走行時での側方視認性を向上させることができる。また、歩行者の車両に対する注意力も高め、新規な見栄えも生じさせることができる。
また、灯具ユニット20の非回動時、拡散部材15には灯具ユニット20を出射した光が入射しないように構成してもよい。このような構成とすることで、車両直進走行時にはカットオフ面周辺の光度分布が変化せず、最適なカットオフラインを維持することができる。
さらに、拡散部材15は、灯具ユニット20と透明カバー12との間に配設されるエクステンション、アウターレンズの一部として形成するものであってもよい。このような構成とすることで、別部材を増設することなく、安価に上記の効果を得ることができる。
次に、上記実施形態の拡散部材15を備えた車両用灯具と、拡散部材15を備えない車両用灯具とを比較した結果を説明する。
図12はスイブル角度0°を(a)、スイブル角度左15°の拡散部材無しによる配光パターンを(b)、スイブル角度右15°の拡散部材有りの配光パターンを(c)に表した比較説明図である。
図12(a)に示すように、スイブル角度0°では、配光中心が水平スケールの0に位置し、配光パターンの右端が水平スケールの60°に位置している図12(b)に示すように、拡散部材無しの車両用灯具では、スイブル角度左15°で、配光中心が水平スケールの略15°に位置し、配光パターンの右端が水平スケールの略73°に位置している。一方、図12(c)に示すように、拡散部材有りの車両用灯具では、スイブル角度左15°で、配光中心が水平スケールの略15°に位置し、配光パターンの右端が水平スケールの略84°に位置している。
これにより、拡散部材が、カットオフラインCLを維持しつつ、スイブル方向への照射範囲の拡大に有効に作用していることが知見できる。
また、上記の実施形態では、拡散部材15が平板レンズである場合を例に説明したが、拡散部材15は、この他のレンズであってもよい。
図13は拡散部材の無しおよび拡散部材別の配光パターン比較を(a)〜(e)に表した比較説明図、図14は平板状フレネルレンズを備えた車両用灯具の概念図、図15は円筒レンズを備えた車両用灯具の概念図、図16は肉厚レンズを備えた車両用灯具の概念図、図17は肉厚円筒レンズを備えた車両用灯具の概念図である。
図13(a)に示すように、拡散部材無しの車両用灯具では、スイブル角度左15°で、配光中心が水平スケールの略−15°に位置し、配光パターンの右端が水平スケールの略−72°に位置している。
図14(a),(b)に示す拡散部材15Aは、平板状フレネルレンズ15Aa,15Abである。平板状フレネルレンズ15Aa,15Abは、光透過性の部材からなる略平板形状のレンズであり、光の入射面に相当する裏面には光の側方拡散性を増加させるための複数のステップ15Acが形成されている。
図13(b)に示すように、図14に示す平板状フレネルレンズ15Aa,15Abを拡散部材として備えた車両用灯具では、スイブル角度左15°で、配光中心が水平スケールの略−15°に位置し、配光パターンの左端が水平スケールの略−85°に位置している。これより、図13(a)の場合と比較して、配光パターンの左端が左側方に延びていることがわかる。
図15(a),(b)に示す拡散部材15Bは、円筒レンズ15Ba,15Bbである。円筒レンズ15Ba,15Bbは、光透過性の部材からなる略円筒形状のレンズであり、凸側が透明カバー12側(車両前方側)を向くようにして配置されている。この円筒レンズ15Ba,15Bcの裏面(光の入射面に相当)側にも光の側方拡散性を増加させるための複数のステップ15Bcが形成されている。
図13(c)に示すように、図15に示す円筒レンズ15Ba,15Bbを拡散部材として備えた車両用灯具では、スイブル角度左15°で、配光中心が水平スケールの略−15°に位置し、配光パターンの左端が水平スケールの略−85°に位置している。これより、図13(a)の場合と比較して、配光パターンの左端が左側方に延びていることがわかる。
図16(a),(b)に示す拡散部材15Cは、肉厚レンズ15Ca,15Cbである。肉厚レンズ15Ca,15Cbは、光透過性の部材からなり、表面(車両前方側)が平坦面形状を有し、そして裏面(車両後方側)が側方に向かうにつれて厚肉となるような曲面形状を有している。
図13(d)に示すように、図16に示す肉厚レンズ15Ca,15Cbを拡散部材として備えた車両用灯具では、スイブル角度左15°で、配光中心が水平スケールの略−15°に位置し、配光パターンの左端が水平スケールの略−85°に位置している。これより、図13(a)の場合と比較して、配光パターンの左端が左側方に延びていることがわかる。
図17(a),(b)に示す拡散部材15Dは、肉厚円筒レンズ15Da,15Dbである。肉厚円筒レンズ15Da,15Dbは、表面及び裏面の鉛直方向断面形状が湾曲している略円筒形状を有する光透過性のレンズであり、さらに水平断面において裏面は側方に向かうにつれて厚肉となるような曲面形状を有している。
図13(e)に示すように、図17に示す肉厚円筒レンズ15Da,15Dbを拡散部材として備えた車両用灯具では、スイブル角度左15°で、配光中心が水平スケールの略−15°に位置し、配光パターンの左端が水平スケールの略−77°に位置している。これより、図13(a)の場合と比較して、配光パターンの左端が左側方に延びていることがわかる。
このように、拡散部材15としては、平板レンズに限られず、さまざまなものを用いることが可能である。実際には、取付スペースや取付性等を考慮して適宜適切な形状の拡散部材15を選択的に用いることができる。
本発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す全体構成図 上記車両用灯具の灯具本体を示す側断面図 上記灯具本体の灯具ユニットをフレーム部材と共に示す側断面図 上記灯具ユニットを上記フレーム部材と共に示す平断面図 上記灯具ユニットを上記フレーム部材と共に示す正面図 灯具ユニットの前方に配設された拡散部材を示す平面図 車両直進時に上記灯具本体から前方へ照射されるビームのスクリーン配光パターンを透視的に示す図 車両直進時における出射光と配光パターンとの関係を簡略的に示す模式図 車両左スイブル時における出射光と配光パターンとの関係を簡略的に示す模式図 車両右スイブル時における出射光と配光パターンとの関係を簡略的に示す模式図 前方に焦点を有する投影レンズを備えた灯具ユニットの変形例を示す水平断面図 スイブル角度0°を(a)、スイブル角度右15°の拡散部材無しによる配光パターンを(b)、スイブル角度右15°の拡散部材有りの配光パターンを(c)に表した比較説明図 拡散部材の無しおよび拡散部材別の配光パターン比較を(a)〜(e)に表した比較説明図である。 平板状フレネルレンズを備えた車両用灯具の概念図である。 円筒レンズを備えた車両用灯具の概念図である。 肉厚レンズを備えた車両用灯具の概念図である。 肉厚円筒レンズを備えた車両用灯具の概念図である。
符号の説明
12…透明カバー(カバー)
14…ランプボディ(ボディ)
15…拡散部材
20…灯具ユニット
22…放電バルブ(光源)
24…リフレクタ
28…投影レンズ
32…シェード
100…車両用灯具
Ax…光軸
CL…カットオフライン

Claims (6)

  1. 光源と、前記光源からの光を反射するリフレクタと、前記リフレクタからの反射光を光軸に沿って前方に投影する投影レンズと、前記リフレクタからの反射光の一部を遮蔽しカットオフラインを形成するシェードとを有する灯具ユニットと、
    開口を有する容器状のボディと、
    前記開口を覆うように前記ボディに取り付けられ、前記ボディとの間に灯室を構成するカバーと、を備えた車両用灯具であって、
    前記灯具ユニットは、車両幅方向に回動可能に前記ボディに支持された状態で前記灯室内に設置されており、
    前記投影レンズと前記カバーとの間には、前記車両幅方向の少なくとも一方に回動した前記灯具ユニットから出射する出射光を拡散する拡散部材が設けられたことを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記拡散部材は、前記光軸の左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方に拡散させることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記拡散部材は、前記光軸の左右何れか一方向に出射する光の一部を車両側方上方に拡散させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
  4. 前記拡散部材は、前記灯具ユニットから出射し前記光軸の左右何れか一方向に向かう光を同一方向にさらに拡散させるように前記投影レンズから所定距離離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用灯具。
  5. 前記拡散部材は、前記光軸より側方の車両外側と車両内側にそれぞれ配置されており、前記車両外側に配置された拡散部材は、前記車両内側に配置された拡散部材よりも入射光を大きく側方に拡散させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用灯具。
  6. 前記拡散部材は、前記光軸より側方の車両左側と車両右側にそれぞれ配置されており、前記車両右側に配置された拡散部材と前記車両左側に配置された拡散部材は、それぞれ入射光の拡散度合いが異なることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用灯具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014043211A (ja) * 2012-08-28 2014-03-13 Mitsubishi Electric Corp 前照灯装置

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