JP2007168522A - 空気通路開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型簡素な機構で空気通路を開閉できるようにし、かつ、異音の発生を低減する。
【解決手段】空気通路12の開口部を開閉するスライドドア30を、空気流れ方向aに積層された複数枚の薄板部材31〜34で構成し、複数枚の薄板部材31〜34にはそれぞれ開口部と通路遮蔽部分31c〜34cとを設け、通路遮蔽部分31c〜34cが階段状にずれた状態で積層されることにより空気通路12の遮蔽範囲が決定される。複数枚の薄板部材31〜34の風上側領域に、複数枚の薄板部材31〜34を風下側へ押しつけて、複数枚の薄板部材31〜34に弾性反力を発生する風上側防振リブ21を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数枚の薄板部材を空気流れ方向に積層することにより構成された積層式ドア手段によりて空気通路を開閉する空気通路開閉装置に関するもので、車両用空調装置に用いて好適なものである。
従来、車両用空調装置における空気通路開閉装置として、特許文献1には、ドア移動方向の中間部に空気通路を開口する開口部を形成する枠形状部を配置し、この枠形状部の前後両側に空気通路を閉塞する可撓性膜状部材を配置したフレキシブルスライドドアを用いた空気通路開閉装置が記載されている。
この特許文献1によると、一般的な回転式板ドアに比較してドアの回転作動空間が不要となり、空気通路開閉装置の体格を小型化できる。
特開2003−72345号公報
しかし、特許文献1のものでは、枠形状部の前後両側に空気通路の開口を全閉できるだけの大きさを有する可撓性膜状部材を配置するので、この前後両側の可撓性膜状部材を収納する収納空間を空調装置のケース内に設定する必要が生じる。従って、この収納空間の設定に伴う体格の大型化という問題点が残っている。
本発明は上記点に鑑み、可撓性膜状部材の収納空間に相当するスペースが不要となり、体格を小型化できる空気通路開閉装置を提供することを目的とする。
また、本発明は空気通路開閉装置における異音の発生を低減することを他の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、空気通路(11、12)の開口部の風上側に空気流れ方向(a)と直交する方向(b)に移動するドア手段(30)を備え、前記ドア手段(30)により前記空気通路(11、12)を開閉する空気通路開閉装置であって、
前記ドア手段(30)は、前記空気流れ方向(a)に積層された複数枚の薄板部材(31〜34)で構成され、
前記複数枚の薄板部材(31〜34)はそれぞれ開口部(31a〜34a)と通路遮蔽部分(31b〜34c)とを有しており、
前記複数枚の薄板部材(31〜34)の前記開口部(31a〜34a)が前記空気通路(11、12)の開口部と重合することにより前記空気通路(11、12)を開口し、
一方、前記複数枚の薄板部材(31〜34)の前記通路遮蔽部分(31b〜34c)が階段状にずれた状態で積層されることにより前記空気通路(11、12)の遮蔽範囲が決定されるようになっており、
さらに、前記複数枚の薄板部材(31〜34)の風上側領域に、前記複数枚の薄板部材(31〜34)を風下側へ押しつけて、前記複数枚の薄板部材(31〜34)に弾性反力を発生する風上側防振手段(21)を備えることを特徴としている。
これによると、複数枚の薄板部材(31〜34)の開口部(31a〜34a)が空気通路(11、12)の開口部と重合することにより空気通路(11、12)を開口することができ、空気通路(11、12)の全開機能を確保できるとともに、複数枚の薄板部材(31〜34)の通路遮蔽部分(31b〜34c)が階段状にずれた状態(図1(a)参照)で積層されることにより空気通路(11、12)の全閉機能を確保できる。
従って、複数枚の薄板部材(31〜34)の個々の通路遮蔽部分(31b〜34c)の長さXは空気通路(11、12)のドア移動方向(b)の開口長さ(L0)に比較して大幅に小さい長さに設定できる。そして、この小さい長さXを有する通路遮蔽部分(31b〜34c)を積層してドア手段(30)の収納(図7参照)を行うことができるから、空気通路開閉装置全体の体格を効果的に小型化できる。
これに加え、本発明では、複数枚の薄板部材(31〜34)の風上側領域に風上側防振手段(21)を備え、この風上側防振手段(21)により複数枚の薄板部材(31〜34)を風下側へ押しつけて、複数枚の薄板部材(31〜34)に弾性反力を発生するようにしているから、この弾性反力によって複数枚の薄板部材(31〜34)にテンションがかかった状態となる。これにより、薄板部材の振動を抑えることができ、複数枚の薄板部材(31〜34)の振動に起因する異音の発生を抑制できる。
そして、複数枚の薄板部材(31〜34)にテンションを持たせて防振を行うから、薄板部材自体の剛性を防振のために特別に高める必要がない。そのため、複数枚の薄板部材(31〜34)を風圧による変形が可能な適度の剛性に設定できるので、複数枚の薄板部材相互間および空気通路(11、12)の開口部側シール面との間を風圧により密着させてシール作用を得る、いわゆる自己シール作用を良好に発揮できる。
本発明は、具体的には、複数枚の薄板部材(31〜34)の風下側領域に、複数枚の薄板部材(31〜34)の風圧による風下側への変形を所定量以内に規制する風下側防振手段(18)を備えるようにしてもよい。
ところで、雰囲気温度が上昇して薄板部材(31〜34)の剛性が低下したり、あるいは空気通路への風量が上昇して風圧が上昇すると、薄板部材(31〜34)が風圧を受けて風下側へ膨らむように大きく変形する。この風下側への大きな膨出変形が生じると、薄板部材(31〜34)が風上側防振手段(21)から離れる場合が生じる。
この場合には、風上側防振手段(21)の押しつけ力が消滅して薄板部材(31〜34)の弾性反力も消滅するので、薄板部材(31〜34)の振動が発生しやすくなり、その結果、薄板部材(31〜34)から異音が発生しやすくなる。
これに対し、上記風下側防振手段(18)を備えた構成にすれば、複数枚の薄板部材(31〜34)の風圧による風下側への大変形を規制できるので、薄板部材(31〜34)の風下側への大変形に基づく振動、異音の発生を良好に抑制できる。
本発明における風上側防振手段(21)および風下側防振手段(18)は、具体的には、ドア手段(30)の移動方向(b)に沿って延びる板状部材で形成することが好ましい。
このように、両防振手段(21、18)を板状部材で形成すれば、空気通路(11、12)へ向かう空気流れを板状部材の板面と平行に流すことができるので、両防振手段(21、18)による圧損を僅少量に抑制できるとともに、薄板部材(31〜34)を板状部材の延長方向に沿ってスムースに移動させることができる。
また、本発明では、具体的には、空気流れの風圧が低いときには複数枚の薄板部材(31〜34)が風上側防振手段(21)のみに接触し、
空気流れの風圧が所定値以上になると、複数枚の薄板部材(31〜34)が風上側防振手段(21)から離れて風下側防振手段(18)のみに接触するようにしている。
このようにすれば、薄板部材(31〜34)が空気流れ前後の2つの防振手段(21、18)に同時に接触することがないから、防振手段設置に伴うドア操作力の増大を抑制できる。
また、本発明では、具体的には、風上側防振手段(21)と風下側防振手段(18)を、ドア移動方向(b)と直交する方向において互いにオフセット配置している。
このオフセット配置を採用すれば、薄板部材(31〜34)を空気流れ前後の2つの防振手段(21、18)にて同位置にて挟み込むということがなくなるので、ドア操作力の増大を抑制できる。
また、本発明では、具体的には、複数枚の薄板部材(31〜34)のうち、少なくとも1つの薄板部材の隅部に押しつけ力を付与する突起部(32f、33f、34f)を設けている。
薄板部材の積層枚数が増えると、外部から振動が加わった際に複数枚の薄板部材相互間で振動によるバタツキ異音が発生しやすくなるが、上記突起部(32f、33f、34f)の設置により複数枚の薄板部材(31〜34)相互間を密着させて、バタツキ異音の発生を防止できる。
そして、本発明では、具体的には、複数枚の薄板部材(31〜34)のうち、突起部(32f、33f、34f)の突きだし方向に積層される薄板部材(31〜34)の隅部に、この薄板部材(31〜34)と突起部(32f、33f、34f)との接触を回避する切り欠き部(31g〜33g)を形成している。
この切り欠き部(31g〜33g)により薄板部材(31〜34)と突起部(32f、33f、34f)との接触を回避できるから、突起部(32f、33f、34f)を設置しても、通路遮蔽部分(31b〜34c)を積層して収納する機能に妨げが生じない。
なお、本発明において、複数枚の薄板部材(31〜34)のうち、少なくとも1つの薄板部材におけるドア移動方向(b)の端部の中央部付近に押しつけ力を付与する突起部(34g)を設けるようにしてもよい。
また、本発明では、具体的には、空気通路(11、12)の開口部周縁の全周に、複数枚の薄板部材(31〜34)側へ突き出すシールリブ(10c)を形成している。
これによると、薄板部材(31〜34)はシールリブ(10c)の頂部に接触して摺動するから、薄板部材(31〜34)の摺動面積を減少してドア操作力を低減できる。
しかも、シールリブ(10c)の突きだし高さにより薄板部材(31〜34)と空気通路(11、12)側のハウジング壁面との間に隙間S1(後述の図1、12参照)を形成できる。この隙間S1により上記突起部(32f、33f、34f、34g)の突き出し寸法のばらつきを吸収できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
まず最初に、本実施形態による積層スライドドアを用いた空気通路開閉装置の基本構造を図1〜図7に基づいて説明する。図1(a)は本実施形態による積層スライドドアを用いた空気通路開閉装置を示す概略断面図、図1(b)はその平面展開図である。図2は積層スライドドアの連動手段を例示する断面図である。図3は本実施形態による空気通路開閉装置の概略分解斜視図、図4は本実施形態による積層スライドドアのシール機能を説明する概略分解断面図、図5は本実施形態による積層スライドドアの駆動機構部の軸方向断面図、図6は本実施形態による積層スライドドアの作動パターンの説明図、図7は図1(a)の左側通路遮蔽部分の拡大断面図である。
本実施形態による空気通路開閉装置は、図3、図4に示すように、大別して、風下側(空気流れ下流側)に位置する樹脂製の第1ハウジング10と、風上側(空気流れ上流側)に位置する樹脂製の第2ハウジング20と、この第1、第2ハウジング10、20内に収納される積層スライドドア30と、この積層スライドドア30を移動させるための駆動力を積層スライドドア30に与える駆動機構40とにより構成される。
風下側の第1ハウジング10には第1、第2の2つの空気通路11、12が並んで形成されている。本例では、第1、第2空気通路11、12が同一開口面積の矩形状に形成されている。
積層スライドドア30はこの2つの空気通路11、12の並び方向b、換言すると、空気流れ方向aと交差する方向bに移動して空気通路11、12を開閉するもので、以下、積層スライドドア30の具体的構成について詳述する。
積層スライドドア30は図1(a)に示すように複数枚の薄板部材31〜34を空気流れ方向aに積層して構成されるもので、本例では4枚の薄板部材31〜34を重ね合わせた4層の積層構造になっている。また、本例では各薄板部材31〜34をある程度の弾性を有する樹脂材にて板厚:0.8mm程度の薄板形状に構成している。
なお、薄板部材31〜34の具体的材質としては、例えば、ABS樹脂、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン等が好適である。
各薄板部材31〜34の基本形状は同一である。すなわち、各薄板部材31〜34は、それぞれ矩形状の開口部31a、32a、33a、34aと、各開口部31a〜34aのドア移動方向bの両側に位置する通路遮蔽部分31b、31c、32b、32c、33b、33c、34b、34cとを有する矩形状になっている。
なお、図示の例では、各薄板部材31〜34のドア移動方向bの外形寸法La1〜La4の方が幅寸法Y1よりも大きい長方形になっているが、これとは逆に各薄板部材31〜34のドア移動方向bの外形寸法La1〜La4よりも幅寸法Y1の方が大きい長方形であってもよい。
しかし、各薄板部材31〜34の大きさは異なっている。すなわち、各薄板部材31〜34の大きさは空気流れの上流側から下流側へ向かって順番に大きくなっている。つまり、複数枚(4枚)の薄板部材31〜34は、空気流れの上流側から下流側へ向かって小さい方から大きい方へと順番に積層されている。
薄板部材31〜34の大きさに関してより具体的に述べると、各開口部31a〜34aのドア移動方向bの長さLb1〜Lb4は、空気流れの上流側薄板部材31から下流側薄板部材32、33、34へと順番に所定量づつ大きくなっている。一方、通路遮蔽部分31b、31c、32b、32c、33b、33c、34b、34cのドア移動方向bの長さXは基本的には同一寸法に設計する。但し、本例では、後述の理由から、この通路遮蔽部分長さXは連動手段をなす突起部31d〜33eの厚さ相当分だけ微少量づつ異なっている。
上記のごとき寸法関係に設定されているため、各薄板部材31〜34のドア移動方向bの外形寸法La1〜La4は、空気流れの上流側薄板部材31から下流側薄板部材32、33、34へと順番に所定量づつ大きくなっている。
各薄板部材31〜34の幅寸法(ドア移動方向bと直交方向の寸法)Y1は同一であり、この薄板部材幅寸法Y1は、第1ハウジング10のシール面10aの幅寸法Y2とほぼ同一である。従って、各開口部31a〜34aの幅寸法も同一である。
ここで、シール面10aは第1ハウジング10のうち第1、第2空気通路11、12の上流開口端の周縁部に形成される壁面であって、このシール面10aは具体的には後述の図3、図4に示すように風下側へ向かって凸となる円弧状に形成されている。
なお、以下の説明では、各薄板部材31〜34を区分する名称として、空気流れの上流側から下流側へ向かって第1層〜第4層という名称を付す。従って、第1層薄板部材31は最上流部に位置する最小薄板部材であり、第4層薄板部材34は最下流部に位置する最大薄板部材である。
第1層薄板部材31の開口部31a、すなわち、最小の開口部31aの開口面積は、第1空気通路11または第2空気通路12を全開できる大きさに設定されている。このため、第1層薄板部材31の開口部31aのドア移動方向bの長さLb1は、第1空気通路11または第2空気通路12のドア移動方向bの長さL0に両通路11、12間の間隔Wを加えた大きさ(Lb1=L0+W)になっている。
ところで、第1層薄板部材31に駆動機構40から駆動力を加えて、第1層薄板部材31をドア移動方向bに移動させるようになっており、この第1層薄板部材31の移動に連動して、第2層〜第4層薄板部材32、33、34を順次連動して移動させるようになっている。
この第1層〜第4層薄板部材31〜34を連動させる連動手段を図2により説明すると、この連動手段は、第1層〜第3層薄板部材31〜33の開口部31a〜33aのドア移動方向bの前後両端部に設けられた突起部31d、31e、32d、32e、33d、33eにより構成される。この突起部31d〜33eは具体的には射出成形にて第1層〜第3層薄板部材31〜33に一体成形できる。
この突起部31d〜33eは、第1層〜第3層薄板部材31〜33の板面からL字状の曲げ形状にて風下側の薄板部材32〜34の開口部32a〜34aの内側へ突き出すようになっている。
これにより、図2の状態から第1層薄板部材31がドア移動方向bの右側または左側へ移動して、第1層薄板部材31の突起部31dまたは31eが第2層薄板部材32の開口部32aのドア移動方向bの端面に接触すると、第1層薄板部材31と第2層薄板部材32がドア移動方向bの右側または左側へ一緒に移動することができる。
同様に、第2層薄板部材32の突起部32dまたは32eが第3層薄板部材33の開口部33aのドア移動方向bの端面に接触すると、第1〜第3層薄板部材31、32、33がドア移動方向bに一緒に移動することができる。
そして、第3層薄板部材33の突起部33dまたは33eが第4層薄板部材34の開口部34aのドア移動方向bの端面に接触すると、第1〜第4層薄板部材31、32、33、34がドア移動方向bに一緒に移動することができる。
図6の状態(2)は、第1層薄板部材31の右側突起部31eが第2層薄板部材32の開口部32aのドア移動方向bの右側端面に接触して、第1層、第2層薄板部材31、3がドア移動方向bの右側へ一緒に移動を開始する状態である。
この図6の状態(2)では、第1層薄板部材31の一端側(図示左側)の通路遮蔽部分31bが第2層薄板部材32の一端側(図示左側)の通路遮蔽部分32bとの間で所定の重合寸法Aを確保するとともに、第1層薄板部材31の一端側(図示左側)の通路遮蔽部分31bにより第2層薄板部材32の開口部32aの一端側(図示左側)の所定領域(斜線部B)を遮蔽したときに、第1層薄板部材31の他端側(図示右側)の先端部が第2層薄板部材32の他端側(図示右側)の先端部と同一位置となる。
このような位置関係を満足するように、第1層薄板部材31と第2層薄板部材32のドア移動方向bの外形寸法La1、La2の寸法差および開口部31a、32aの長さLb1、Lb2の寸法差が設定されている。
図6の状態(3)は、第1層〜第3層薄板部材31〜33がドア移動方向bの右側へ一緒に移動を開始する状態であり、この状態では、第1層〜第3層薄板部材31〜33の右側端部(図1の他端側端部)が同一位置となるように、第1層〜第3層薄板部材31〜33の外形寸法および開口部長さの寸法差が設定されている。
図6の状態(4)は、第1層〜第4層薄板部材31〜34がドア移動方向bの右側へ一緒に移動を開始する状態であり、この状態では、第1層〜第4層薄板部材31〜34の右側端部(図1の他端側端部)が同一位置となるように、第1層〜第4層薄板部材31の外形寸法および開口部長さの寸法差が設定されている。
なお、図6では、ケース10側および薄板部材31〜34側の通路遮蔽部分をわかりやすくするために細点を付している。
図1および図6の状態(1)は薄板部材31〜34により第1空気通路11を全開して第2空気通路12を全閉している状態を示している。この状態では、第2空気通路12は図1(a)に示す通り、薄板部材31〜34の右側通路遮蔽部分31c、32c、33c、34cが階段状にずれた状態で積層されることにより、全閉される。
ここで、各通路遮蔽部分31c、32c、33c、34c相互間および最下流の通路遮蔽部分34cとハウジング側ケース面10aとの間に所定の重合寸法Aを設定して、第2空気通路12の全閉状態を保証するようにしている。この重合寸法Aは例えば5mm程度である。
上記した第1層〜第4層薄板部材31〜34の外形寸法La1〜La4の寸法差および各開口部31a〜34aの長さLb1〜Lb2の寸法差は、基本的には、各通路遮蔽部分31b、31c〜34b、34cの長さXと重合寸法Aとの差(X−A)である。
但し、本例では、図1および図6(1)に示す第1空気通路11の全開状態において、第1層〜第4層薄板部材31〜34の一端側(左側)先端位置を揃えるため、第1層〜第4層薄板部材31〜34の一端側(左側)通路遮蔽部分31b、32b、33b、34bの長さXを、図1(a)、図7の断面形状部に示すように、突起部31d、32d、33dの板厚t相当分の微小量づつ、第1層通路遮蔽部分31bから第4層通路遮蔽部分34bへと順次小さくしている。
同様に、図6(5)に示す第2空気通路12の全開状態において、第1層〜第4層薄板部材31〜34の他端側(右側)先端位置を揃えるため、第1層〜第4層薄板部材31〜34の他端側(右側)通路遮蔽部分31c、32c、33c、34cの長さXを突起部31e、32e、33eの板厚t相当分の微小量づつ、第1層通路遮蔽部分31cから第4層通路遮蔽部分34cへと順次小さくしている。突起部31d〜33eの板厚tは、駆動力を確実に伝達するため、本例では、薄板部材31〜34の板厚よりも大きい寸法、例えば1.5mm程度に設定している。
このように、第1層〜第4層薄板部材31〜34の通路遮蔽部分長さXが微小量づつ異なっているので、上記寸法差(X−A)も実際には各薄板部材31〜34ごとに微小量づつ異なる。
ところで、第1ハウジング10のシール面10aのうち、第1、第2空気通路11、12の中間部(間隔Wの部分)には、第1〜第4層薄板部材31〜34の各開口部31a〜34aの内側方向へ突き出す突出シール面10b(図1参照)が形成されている。この突出シール面10bは、図1(a)に示すように第1層薄板部材31の突起部31d、31eが接触する位置まで突き出している。
図1(a)の例では、突出シール面10bの先端部が第1層薄板部材31の突起部31d、31eの付け根部に達するように、突出シール面10bの高さを設定している。
次に、図3〜図5により積層スライドドア30の駆動機構40、組付構造、シール構造等を具体的に説明する。なお、図3〜図5は、第1、第2ハウジング10、20の配置を図1と上下逆に配置した状態で図示しているので、空気流れ方向aが上方から下方へ向かう方向になっている。
駆動機構40は、本例では、駆動軸41と、この駆動軸41の軸方向において第1層開口部31aの幅寸法相当の所定間隔を隔てて一体に設けられた2つの駆動側歯車42と、第1層薄板部材31に設けられた従動側歯車43とから構成される。
従動側歯車43は、第1層薄板部材31において開口部31aの幅方向両側の周縁部にドア移動方向bに沿って延びるように形成された直線状の歯車(ラック)であって、従動側歯車43は第1層薄板部材31に樹脂で一体成形されている。駆動側歯車42はこの直線状の従動側歯車43に噛み合う円形歯車(ピニオン)である。駆動軸41は樹脂製であるので、駆動側歯車42も駆動軸41に樹脂で一体成形されている。
風上側の第2ハウジング20には、駆動軸41の軸方向(ドア移動方向bと直交する方向)の中間部に、ドア移動方向bに沿って延びる板状中間壁面からなる防振リブ21が一体に成形されている。この防振リブ21は本発明の風上側防振手段を構成するもので、第1層薄板部材31の通路遮蔽部分31b、31cを第1ハウジング10のシール面10a側に押さえ付け、弾性反力(テンション)を発生させる。
これにより、第1〜第4層薄板部材31〜34の通路遮蔽部分31b、31c〜34b、34cがばたつくことを防止するとともに、通路遮蔽部分31b、31c〜34b、34c相互間の密着性を向上して積層スライドドア30のシール性を高める。また、防振リブ21は第2ハウジング20を補強する補強壁面としての役割も果たす。
図3に示すように第1、第2ハウジング10、20のドア移動方向bに沿って延びる壁面13、14、22、23にそれぞれU形状の溝部15、16、24、25を形成し、そして、図5に示すように第2ハウジング20の壁面22、23を第1ハウジング10の壁面13、14の内側に嵌合する。
これにより、第1ハウジング10のU形状溝部15、16と第2ハウジング20のU形状溝部24、25とを組み合わせて、駆動軸41の軸方向両端部を回転可能に支持する軸受け部44、45(図5)が構成される。また、第2ハウジング20の防振リブ21にも駆動軸41との干渉を回避するU形状溝部26が形成されている。
なお、本例では、第2ハウジング20の壁面22、23の外側面にそれぞれ外側へ突き出す複数の取付爪片27を一体成形し、第1ハウジング10の壁面13、14にはそれぞれ、この取付爪片27を嵌合係止できる複数の取付穴17を開けている。
このため、第2ハウジング20の壁面22、23を第1ハウジング10の壁面13、14の内側へ嵌合し、第2ハウジング20の壁面22、23の複数の取付爪片27を第1ハウジング10の壁面13、14の複数の取付穴17に嵌合係止することにより、第1ハウジング10と第2ハウジング20とを一体に組み付けることができる。
この両ハウジング10、20の組付により、駆動軸41の駆動側歯車42および第2ハウジング20の防振リブ21と、第1ハウジング10の円弧状シール面10aとの間で積層スライドドア30(第1〜第4層薄板部材31〜34)を弾性的に挟み込み支持する。図5はこの挟み込み支持構造を示している。
この挟み込み支持構造をより具体的に説明すると、第1層薄板部材31は開口部31aの両側に直線状の従動側歯車43による厚肉部が形成されるので、第1層薄板部材31の剛性は第2〜第4層薄板部材32、33、34の剛性よりも高くなる。
そして、両ハウジング10、20の間に形成される軸受け部44、45にて駆動軸41を挟み込んだ際に、駆動軸41から駆動側歯車42と従動側歯車43との噛み合い部を経て第1層薄板部材31に第1ハウジング10の円弧状シール面10a側への押し付け力が加わるように駆動軸41の組付位置を設定する。
これにより、剛性の高い第1層薄板部材31から剛性の低い第2〜第4層薄板部材32、33、34側へ押し付け力を効果的に加えることができる。ここで、第2〜第4層薄板部材32、33、34は、図4に2点鎖線で図示するように第1ハウジング10の円弧状シール面10aの曲率半径より大きい曲率半径を有する円弧状あるいは平板状(曲率半径が無限大)に予め成形してある。
そのため、第1層薄板部材31からの押し付け力Faによって第2〜第4層薄板部材32、33、34の両端部分(通路遮蔽部分)にはハウジング側ケース面10aへの押し付け力Fbが作用して、第2〜第4層薄板部材32、33、34がハウジング側ケース面10aの円弧状に沿うように弾性変形するようになっている。
この際に第1薄板部材31から第4層薄板部材31へと順番に大きくし、最大の第4層薄板部材31がハウジング側ケース面10a上に配置されているから、薄板部材両端部分への押し付け力Fbを第1薄板部材31から第2〜第4層薄板部材32、33、34相互の接触部に良好に加えることができる。
第1層薄板部材31は従動側歯車43を有する剛性の高い部材であるので、第1ハウジング10の円弧状シール面10aの曲率半径と近似した曲率半径を有する円弧状に予め成形してある。従って、第1層薄板部材31の曲率半径が第2〜第4層薄板部材32、33、34の曲率半径より小さいという関係になっている。
そして、第2〜第4層薄板部材32、33、34の上記弾性変形に伴って第2〜第4層薄板部材32、33、34の中央部(開口部32a、33a、34aの形成部位)では、逆方向の弾性反力Fcが第1層薄板部材31に作用する。この弾性反力Fcにより歯車42、43の噛み合い部のバックラッシュを低減できる。
駆動軸41の軸方向の一端部41a、本例では、図5の右側端部41aをハウジング10、20の外部へ突き出して、この突出端部41aにサーボモータ等の駆動源(図示せず)を連結用歯車機構、あるいはリンク機構等を介して連結し、この駆動源の回転動力を駆動軸41に伝達するようになっている。なお、サーボモータ等の駆動源の代わりに、手動操作機構を設けて、この手動操作機構の手動操作力によって駆動軸41を回転させるようにしてもよい。
駆動軸41の軸方向の両側に段差部41b(図5)を形成し、この段差部41bを第2ハウジング20の壁面22、23の内側面に当てることにより、駆動軸41の軸方向の組付位置を規定するようになっている。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。図示しない駆動源の回転動力により駆動機構40の駆動軸41が回転すると、駆動軸41の駆動側歯車42と第1層薄板部材31の従動側歯車43との噛み合いによって第1層薄板部材31がドア移動方向b(第1、第2空気通路11、12の並び方向)へ移動する。
図1および図6の状態(1)は、積層スライドドア30を構成する第1〜第4層薄板部材31〜34の全部がドア移動方向bの一端側位置(左側位置)に移動している状態である。この状態(1)では、図1(a)に示す通り各薄板部材31〜34の各開口部31a〜34aの一端側位置(左側位置)が一致することにより、第1空気通路11が全開される。
一方、第2空気通路12側には各薄板部材31〜34の他端側(右側)の通路遮蔽部分31c、32c、33c、34cが所定寸法Aの重合部をもって階段状にずれて配置され、第2空気通路12を全閉する。
このとき、第1〜第3層薄板部材31〜33の一端側の突起部31d、32d、33dは、図1(a)に示す通り第2〜第4層薄板部材32〜34の開口部32a〜34aの一端側(左側)に集中している。これに反し、第1〜第3層薄板部材31〜33の他端側(右側)の突起部31e、32e、33eは、第2層〜第4層薄板部材32〜34の開口部32a〜34aの他端側(右側)に対して所定量(X−A)だけ離れている。
このため、第1層薄板部材31がドア移動方向bの右側へ所定量(X−A)移動するごとに、右側の突起部31e、32e、33eの連動作用が生じて第1層薄板部材31と連動してドア移動方向bの右側へ移動する薄板部材の数が順番に増える。
これにより、図6の状態(1)から状態(2)→状態(3)→状態(4)→状態(5)と第1、第2空気通路11、12の開口範囲が変化し、図6の状態(5)では第1空気通路11が全閉され、第2空気通路12が全開される。
なお、図6の最下段の第1、第2空気通路11、12の開口範囲における斜線部は、第1〜第4層薄板部材31〜34の通路遮蔽部分31b〜34cによる遮蔽領域で、白抜き部は第1層薄板部材31の開口部31aの移動位置により決まる通路開口領域である。
上記説明は、図6の状態(1)から状態(5)へ向かって第1〜第4層薄板部材31〜34がドア移動方向bの右側へ移動する場合であるが、図6の状態(5)から状態(1)へ向かって第1〜第4層薄板部材31〜34がドア移動方向bの左側へ移動する場合は、第1〜第3層薄板部材31〜33の一端側(左側)の突起部31d、32d、33dにより第1〜第4層薄板部材31〜34がドア移動方向bの左側へ向かって順番に連動して移動する。これにより、図6の状態(5)から状態(1)へ向かって第1、第2空気通路11、12の開口範囲が変化する。
本実施形態の積層スライドドア30によると、第1、第2空気通路11、12の開口領域が第1層薄板部材31の開口部31aの移動位置により決まるとともに、第1、第2空気通路11、12の全閉状態は第1〜第4層薄板部材31〜34の通路遮蔽部分31b〜34cが階段状にずれた状態で積層されることにより達成できる。
従って、第1〜第4層薄板部材31〜34の個々の通路遮蔽部分31b〜34cの長さXは第1、第2空気通路11、12のドア移動方向bの開口長さL0に比較して大幅に小さい長さに設定できる。
因みに、特許文献1のものでは、枠形状部の前後両側に配置される可撓性膜状部材を空気通路の開口を全閉できるだけの大きさに設定する必要があるので、この可撓性膜状部材のドア移動方向の長さ(上記長さXに対応する長さ)は空気通路のドア移動方向の開口長さよりも大きくしなければならない。
従って、本実施形態によると、特許文献1に比較して通路遮蔽部分長さXの低減により空気通路開閉装置全体の体格を効果的に小型化できる。
なお、最大の第4層薄板部材34であっても、その外形寸法La4をハウジング10のドア移動方向bの全長寸法(L0×2+W+X’×2)以内に設定できるから、外形寸法La1〜La4の異なる複数枚の薄板部材31〜34を積層する構造を採用しても、装置全体の体格の小型化を阻害することはない。
そして、本実施形態の積層スライドドア30によると、第1、第2空気通路11、12の開口領域が第1層薄板部材31の開口部31aの移動位置により決まるから、風上側のハウジング20から風下側のハウジング10の第1、第2空気通路11、12へ向かう空気流れは必ず第1層薄板部材31の開口部31aを通過する。
このため、図6の状態(2)〜(4)のように第1、第2空気通路11、12を同時に開口する同時開口状態では、両通路11、12の中央部を開口部31aにて開口できる。
因みに、一般的な平板状のスライドドアを用いる空気通路開閉装置では、2つの並んだ空気通路を同時に開口する場合にスライドドアの移動方向の前後両側に2つの空気通路の開口部が離れて形成されるので、冷風と温風の泣き別れ現象が発生して、2つの空気通路からの吹出空気の温度制御が困難となるが、本実施形態では上流側のハウジング20からの冷風と温風がいずれも、両通路11、12の中央部に位置する開口部31aを通過してから、両通路11、12に流入する。
従って、冷風と温風が開口部31aにて互いに接近して流れるから、冷風と温風の泣き別れ現象が発生せず、第1、第2空気通路11、12からの吹出空気の温度制御が容易となる。
更に、本実施形態においては空気通路開閉用ドア手段としての最重要機能であるドアシール性を簡素な構成で良好に確保できるという利点がある。
すなわち、第1〜第4層薄板部材31〜34を空気流れ方向aの上流側から下流側に向かって小さい方から大きい方へと順番に積層しているから、図1(a)の右側部分に例示するように第1、第2空気通路11、12を遮蔽する際に、各薄板部材31〜34の通路遮蔽部分部31b〜34cにそれぞれ空気流れの風圧を作用させて、重合部分Aを密着する方向(換言すると自己シールする側)に各薄板部材31〜34を変形させることができる。
しかも、これに加えて、本実施形態による積層スライドドア30の挟み込み支持構造であると、図4に示すように駆動軸41側からの押し付け力Faによって、各薄板部材31〜34の両端部(通路遮蔽部分部31b〜34c)を第1ハウジング10の円弧状のシール面10aに押し付けることができるから、複数枚の薄板部材31〜34が風圧を受けない場合でも、積層スライドドア30のシール性を確保できる。
なお、本実施形態では、図5に示すように、第2ハウジング20の幅方向両側の壁面22、23の下流側端部に、ハウジング内側へL状に屈曲して突き出す屈曲壁部22a、23aを形成し、この屈曲壁部22a、23aが複数枚の薄板部材31〜34の幅方向両側部を押さえるとともに、第2ハウジング20の防振リブ21の下流側端面21aも複数枚の薄板部材31〜34の幅方向中間部を風下側へ押さえる。このことによっても、積層スライドドア30のシール性を向上できる。
以上により、特別のシール材を付加することなく複数枚の樹脂製薄板部材31〜34を積層するだけの簡素なドア構成であっても、積層スライドドア30のシール性を良好に確保できる。
なお、隣接する2枚の薄板部材が同一樹脂材であると、2枚の薄板部材の接触摺動時に2枚の薄板部材がくっつきやすいので、2枚の薄板部材が一旦、くっついた後、離れる際に異音を発生する。このような現象を一般にはスティックスリップ現象と言う。
従って、第1層および第3層薄板部材31、33を例えば、ABS樹脂で構成し、第2層および第4層薄板部材32、34を例えば、ポリプロピレン樹脂で構成するといったように、隣接する2枚の薄板部材の樹脂材を変更した方が好ましい。これにより、スティックスリップ現象の異音を抑制できる。
また、同一の樹脂材であっても、表面コーティング層の形成、表面に微細な突起を形成するシボ加工等の表面処理を行うことにより、上記スティックスリップ現象を抑制するようにしてもよい。
(第2実施形態)
ところで、本発明者は、第1実施形態による空気通路開閉装置の製品化に際して試作品に基づいて具体的に検討評価したところ、複数枚の薄板部材31〜34の積層構造を持つ積層スライドドア構成では、シール性確保という基本性能の他に異音という課題があることが判明した。
ここで、本発明者の検討によれば、積層スライドドア構成における具体的な異音現象は次の4つに大別される。
1.複数枚の薄板部材31〜34間の風漏れによる風切り異音
2.複数枚の薄板部材31〜34の自励振動に起因する異音
3.外部からの物理的な振動伝達に起因する異音
4.複数枚の薄板部材31〜34間の摺動異音
積層スライドドア構成では、例えば、空気通路11、12の開口部をシールする複数の薄板部材31〜34が自重を受けて安定している状態から風圧を受けて自己シール状態に遷移して負荷バランスが釣り合ったような状態で自励振動が発生して異音が生じやすい。この自励振動による異音を回避するために、薄板部材31〜34の剛性を上げるなどの対応も可能であるが、剛性を上げると風圧による変形がしにくくなるので、風圧による自己シール作用を発揮しにくくなり、風漏れ量が増えるという背反がある。
また、外部から加わる物理的な振動(車両の振動等)に対しても薄板部材31〜34を押さえつける力に頼った構造になっていると、例えば雰囲気温度が高くなるなどの環境条件の変化で薄板部材31〜34の剛性が低下して押え力がなくなり、加振力に対し振動しやすくなる。この現象についても、薄板部材31〜34の剛性を上げることである程度の対応は可能であるが、剛性を上げると上記のごとく風漏れ量が増えるという背反がある。
第1実施形態においては、前述したように、防振リブ21による押さえ付けにてドアのばたつき防止を図ったり、曲率の違う薄板部材31〜34を重ね合わせることで、薄板部材31〜34間の密着度を上げシール性を高めることで風切り異音の抑制に配慮したり、隣り合う薄板部材31〜34相互の材質の組合せを変えることで摺動異音について配慮している。
これに加え、第2本実施形態では以下に述べるように空気流れ前後の2つの防振リブを組み合わせた防振対策を施している。この2つの防振リブを用いた防振構造を図8、図9に基づいて具体的に説明する。図8は、図1(a)の右側半分、すなわち、第2空気通路12に対応する右側部分に相当するものである。
従って、積層スライドドア30を構成する複数の薄板部材31〜34については、図1(a)の開口部31a〜34aよりも右側に位置する連動用突起部31e〜33eおよび通路遮蔽部分31c〜34cの部分のみが図8に図示されている。図9は図8のD−D断面図である。
図8(a)は、風下側の第1ハウジング10に対する薄板部材31〜34の組み付け位置と、風上側の第2ハウジング20に設けられる風上側防振リブ21、および風下側の第1ハウジング10に設けられる風下側防振リブ18の形成位置との関係を示すもので、薄板部材31〜34の組み付け位置は風上側の第2ハウジング20が組み付けられていない状態、すなわち、風上側防振リブ21による押しつけ力が作用していない自由状態における組み付け位置を示している。
これに対し、図8(b)は風上側の第2ハウジング20を組み付けた状態、すなわち、風上側防振リブ21による押しつけ力が作用している状態における薄板部材31〜34の組み付け位置を示している。
風上側防振リブ21は前述した図3、図5に示す防振リブ21と同等のものであって、複数の薄板部材31〜34の風上側領域にてドア移動方向bに沿って延びる板状部材で構成されている。風上側防振リブ21は風上側の第2ハウジング20に樹脂にて一体成形されている。
また、風下側防振リブ18は第2空気通路12の開口部にてドア移動方向bに沿って延びる板状部材であり、風下側の第1ハウジング10に樹脂にて一体成形されている。風下側防振リブ18は複数の薄板部材31〜34の風下側に位置して薄板部材31〜34の風下側への変形を所定量以内に規制するものである。風上側防振リブ21および風下側防振リブ18は複数の薄板部材31〜34に対して実質的に剛体として作用する。
なお、風上側防振リブ21および風下側防振リブ18は図9に示すように薄板状であり、その板面は空気流れ方向aと平行になっているので、この両防振リブ21、18による通風圧損は僅少である。
そして、風上側防振リブ21と風下側防振リブ18の形成位置は図9に示すように複数の薄板部材31〜34の幅方向(図9の左右方向で、ドア移動方向bと直交方向)に対して互いにオフセットした位置に配置されている。具体的には、風上側防振リブ21が複数の薄板部材31〜34の幅方向の中央部に配置され、これに対し、風下側防振リブ18は、風上側防振リブ21の位置から左右両側に所定量ずれた対称位置に配置されている。
なお、図8では、第2空気通路12側に位置する風上側防振リブ21および風下側防振リブ18のみ図示しているが、図8において図示しない第1空気通路11側にも風上側防振リブ21および風下側防振リブ18が同様に形成されることはもちろんである。
図8(a)に示すように、複数の薄板部材31〜34のうち、最上流部に位置する最小の第1層薄板部材31の風上側板面よりも風上側防振リブ21の先端部が所定の押しつけ寸法Eだけ風下側へ突き出すように風上側防振リブ21を配置している。
このため、風下側の第1ハウジング10と風上側の第2ハウジング20とを一体に組み付けた状態では、図8(b)に示すように、風上側防振リブ21の先端部が第1層薄板部材31を上記押しつけ寸法Eだけ風下側へ押しつけるので、この押しつけ力によって、第1層薄板部材31が風下側へ弾性変形し、これに伴って第2層〜第4層薄板部材32、33、34も風下側へ弾性変形する。この弾性変形により、各薄板部材31〜34に弾性反力(テンション)が発生するようになっている。
なお、図8(b)は送風停止状態あるいは小風量状態における組み付け位置関係を示しており、この送風停止状態あるいは小風量状態では、風下側防振リブ18が複数の薄板部材31〜34のいずれにも接触せず、風下側防振リブ18と複数の薄板部材31〜34との間に微小隙間が発生するようになっている。
より具体的には、風下側防振リブ18に最も接近するのは第2層薄板部材32の連動用突起部32eであり、この突起部32eの頂部と風下側防振リブ18との間に微小隙間が発生するように各部寸法関係が設定されている。
また、風下側の第1ハウジング10の内壁面のうち、第2空気通路12の矩形状の開口部の周縁部全周にわたってシールリブ10cが薄板部材31〜34側(風上側)へ突き出すように形成されている。このシールリブ10cは、図1(a)のシール面10a、10bに対応するものであって、複数の薄板部材31〜34はこのシールリブ10c上を摺動するようになっている。
このシールリブ10cの形成によって、風下側第1ハウジング10の内壁面と薄板部材31〜34との摺動面積を減少できる。
風上側第2ハウジング20の下流側端部に、ハウジング内側へL状に屈曲して突き出す屈曲壁部22aを形成している。なお、第1実施形態では、風上側第2ハウジング20の下流側端部のうち、ドア幅方向の両端部のみに屈曲壁部22a、23aを形成しているが、第2実施形態では、風上側第2ハウジング20の下流側端部の全周(ドア幅方向の両端部およびドア移動方向bの両端部の両方)にわたって屈曲壁部22aを形成している。従って、図9に示すドア幅方向の両端部に位置する屈曲壁部22aは、第1実施形態の図5に示す屈曲壁部22a、23aに相当する。
そして、この屈曲壁部22a外側面と風下側第1ハウジング10の内壁面との間に、薄板部材31〜34の周縁部をガイドするガイド空間Sが形成される。このガイド空間Sの高さは、複数の薄板部材31〜34の合計板厚よりも若干量大きくして、複数の薄板部材31〜34の移動をスムースにガイドするようになっている。
また、ガイド空間Sのうち、ドア移動方向bの両端部に位置するガイド空間S(図8参照)の奥行き寸法Mは複数の薄板部材31〜34の通路遮蔽部分31c〜34cの長さX(図1、図7参照)と略同等に設計して、この通路遮蔽部分31c〜34cをガイド空間S内にほぼ収納できるようになっている。
次に、第2実施形態の作用効果を説明する。積層スライドドア30の基本的作動は第1実施形態と同じであり、ドア30(薄板部材31〜34)がドア移動方向bへ移動することにより空気通路12および図示しない空気通路11の開口部を開閉する。この際、空気通路12または空気通路11を全閉する時は薄板部材31〜34相互間に所定の重合寸法A(図8)を設定するとともに風圧を受けて薄板部材31〜34相互間および薄板部材31〜34とシールリブ10cとの間が密着することで自己シール作用を発揮して風洩れを防ぐ。
また、空気通路12または空気通路11を全開する時は、右側の通路遮蔽部分31c〜34cまたは左側の通路遮蔽部分31d〜34dが重なりあって(図1(a)の左側部、図7参照)、風下側第1ハウジング10のドア移動方向bの両端部に位置するガイド空間S内に収納されることで、装置全体の体格の小型化を実現する。
ところで、複数の薄板部材31〜34に対しては、図8(a)に示す押しつけ寸法Eの設定によって風上側防振リブ21による押しつけ力が常に作用するので、複数の薄板部材31〜34には弾性反力が常に発生してテンションがかかった状態になることで、送風時の自励振動を防止できる。これと同時に、車両振動等による外部からの振動入力に対する異音防止についても貢献できる。このように、風上側防振リブ21の押しつけ作用のみでも、所定の防振効果を期待できる。
しかし、その一方で、積層スライドドア30にかかる風圧が大きくなる場合とか、あるいは夏期のように雰囲気温度が上昇して、薄板部材31〜34の剛性が下がるような場合に風圧を受けると、薄板部材31〜34が風下側へ大きく膨出変形し、その結果、風上側防振リブ21から薄板部材31〜34が離れる現象が発生する。
この現象が生じると、ドア30(薄板部材31〜34)が送風条件により再び自励振動を発生する可能性があるため、構造的な配慮が必要となる。
そこで、上記風圧による膨出変形を防ぐために薄板部材31〜34の板厚増加、材質変更等により薄板部材31〜34の剛性を高くすることが考えられるが、これは、逆に風圧による自己シール作用が低下してシール性が悪化するという背反がある。
また、風上側防振リブ21の押しつけ寸法Eを、温度、風圧の影響を加味した最大値で設計すれば、薄板部材31〜34が防振リブ21から離れることはなくなるが、その代わりに、通常時にかかる弾性反力(テンション)が大きくなり過ぎ、ドア操作力が大幅に増大するという背反がある。
そこで、第2実施形態では、薄板部材31〜34の風上側に防振リブ21を配置するととともに、薄板部材31〜34の風下側にも防振リブ18を配置している。この風下側防振リブ18は、薄板部材31〜34の風下側への変形を所定量以内に規制する作用を果たすので、薄板部材31〜34が風圧を受けて風下側へ大きく膨出することを防止できる。
この結果、薄板部材31〜34の剛性を特別に高める上げることなく、ドア30(薄板部材31〜34)の自励振動による異音や、外部からの振動入力による異音の発生を良好に抑制できる。
このように、薄板部材31〜34の剛性を高める必要がないので、異音発生を防止できると同時に、自己シール作用の確保およびドア操作力の増大抑制を達成できる。
さらに、第2実施形態では、送風停止時や風圧の低いときには薄板部材31〜34が風上側防振リブ21のみに接触し、風下側防振リブ18からは離れている。そして、風圧が所定値以上に上昇して薄板部材31〜34が風上側防振リブ21から離れると、風下側防振リブ18のみに薄板部材31〜34が接触する。
つまり、薄板部材31〜34が風上側防振リブ21および風下側防振リブ18のうちいずれか一方のみに接触するから、薄板部材31〜34が両防振リブ21、18に同時に接触する場合に比較して、薄板部材31〜34の摺動摩擦を低減してドア操作力を低減できる。
また、薄板部材31〜34が風圧を受けて風下側へ大きく膨出することを風下側防振リブ18によって防止できるから、薄板部材31〜34の風下側への大変形→薄板部材31〜34の塑性変形が起きることを未然に防止して、安定したシール性を長期間保証することが可能となる。
ところで、風上側防振リブ21および風下側防振リブ18をドア幅方向(図9左右方向)に対して同一位置に配置しても、両防振リブ21、18の併用による上記作用効果は発揮できるが、両防振リブ21、18が同一位置であると、薄板部材31〜34が空気流れの前後から挟み込まれる状態になるので、ドア操作力の増大が生じやすい。
そこで、第2実施形態では、図9に示すようにドア幅方向に対して両防振リブ21、18を同一位置に配置せず、オフセット配置している。これによれば、薄板部材31〜34が両防振リブ21、18によって同一位置にて空気流れの前後から挟み込まれる状態が発生せず、ドア操作力の増大を抑制できる。
(第3実施形態)
上述の第1、第2実施形態では、薄板部材31〜34の積層枚数が4枚であり、このように積層枚数が増えると、外部から加わる振動によって、薄板部材31〜34がばたついて異音(バタツキ異音)が生じることが課題となる。
そこで、第3実施形態においては、このバタツキ異音低減のために、図10に示すように第2層〜第4層薄板部材32〜34の隅部に突起32f、33f、34fを形成するとともに、第4層薄板部材34にはドア移動方向端部の中央部に突起34gを形成している。
これらの突起32f、33f、34f、34gは図11に示すように風上側ハウジング10の屈曲壁部22aに向かって突き出す円柱形状にて各薄板部材32〜34に一体成形される。図11は図9のG−G断面位置に相当する断面図で、第1層〜第4層薄板部材31〜34のハウジング10、20内での積層状態、より具体的には、各薄板部材31〜34の右側通路遮蔽部分31c〜34cを積層した状態(通路遮蔽部分収納状態)を示す。
なお、図10では、第2層〜第4層薄板部材32〜34の右側の2箇所の隅部における突起32f、33f、34fを図示しているが、実際には図示しない左側の2箇所の隅部にも突起32f、33f、34fを形成するので、第2層〜第4層薄板部材32〜34の4隅に突起32f、33f、34fを形成する。同様に、突起34gも第4層薄板部材34のドア移動方向右端部の中央部だけでなく、図示しないドア移動方向左端部の中央部にも形成する。
上記の突起32f、33f、34f、34gの突出高さは第2層〜第4層薄板部材32〜34へと順次高くなるように設定して、各突起32f、33f、34f、34gの先端部がいずれも屈曲壁部22aに圧接して、各薄板部材32〜34の隅部を風下側の第1ハウジング10側へ押しつけて弾性反力(テンション)を発生させる。これにより、第1層〜第4層薄板部材31〜34相互間にガタが生じることを防止できる。そのため、車両の振動等が外部から加わっても、薄板部材31〜34相互間でばたつき異音が生じることを防止できる。
そして、上記突起32f、33f、34fの突きだし方向に位置する第1層〜第3層薄板部材31〜33の隅部(具体的には4隅)に切り欠き部31g〜33gを形成している。この切り欠き部31g〜33gは、上記の突起32f、33f、34fが第1層〜第3層薄板部材31〜33に接触することを回避して、各薄板部材の通路遮蔽部分を図7、図11のように積層して収納する際に、突起32f、33f、34fがその収納動作の妨げとならないようにするものである。この切り欠き部31g〜33gの大きさは、第1層薄板部材31が最も大きく、第2層薄板部材32、第3層薄板部材33と順次小さくなっている。ここで、切り欠き部31g〜33gは全閉時のシール性に影響のない大きさに設定する必要がある。
以上により、シール性およびドア収納サイズを悪化させることなく、薄板部材31〜34相互間のガタおよびそれに基づくばたつき異音を良好に防止することができる。
本実施形態では、最も振動の影響を受けやすい最下流の第4層薄板部材34については、隅部に突起34fを形成するとともに、ドア移動方向端部の中央部にも突起34gを形成している。これにより、第4層薄板部材34における弾性反力発生部位を増やして第4層薄板部材34のガタ防止の効果をより一層向上できる。
なお、突起34gを形成するためのスペース的な余裕がない場合は、突起34gを廃止して、突起34fのみを第4層薄板部材34に形成すればよい。
ところで、突起32f、33f、34f、34gの高さ寸法は低すぎると、薄板部材31〜34相互間にガタが発生し、防振としての効果が半減する。一方、高さ寸法が高すぎると操作力が過大になるという背反がある。
この高さ寸法のバラツキを吸収するため、図11に示すように風下側ハウジング10の空気通路12(11)の開口部周縁の全周にわたってシールリブ10cを薄板部材側へ突出形成している。
これにより、突起32f、33f、34f、34gの高さ寸法が成形上のバラツキの範囲で高くなっても、風下側ハウジング10の内壁摺動部に隙間S1を確保することができる。そのため、ドア操作力の増大を招くことなく、薄板部材相互を確実に接触させることが可能となる。つまり、シールリブ10cの形成は、ドア摺動時における風下側ハウジング10の内壁との接触面積を小さくして、ドア操作力の低減に非常に有用である。
なお、第1層薄板部材31は従動側歯車43が設けられ、剛性が高いので、第1層薄板部材31の隅部に突起を形成していないが、必要に応じて第1層薄板部材31の隅部に突起を形成してもよい。
また、ドア移動方向端部の中央部に位置する突起34gを第4層薄板部材34に形成しているが、第1層〜第3層薄板部材31〜33のいずれかにドア移動方向端部の中央部に位置する突起を形成してもよい。
(第4実施形態)
第3実施形態では、第2層〜第4層薄板部材32〜34のいずれにも突起32f、33f、34f、34gを形成しているが、第4実施形態では、ある特定の薄板部材のみに突起を形成している。
具体的には、図12に示すように、最も振動の影響を受けやすい最下流の第4層薄板部材34のみに突起34fを形成して、第4層薄板部材34の防振効果を高めるようにしている。ここで、第4層薄板部材34の代わりに、例えば、第3層薄板部材33のみに突起33fを形成してもよい。図12は図11と同様に図9のG−G断面位置に相当する断面図である。
なお、第1〜第4実施形態では、空気通路開閉装置の具体的用途について述べていないが、本発明の空気通路開閉装置は小型化への要求が強い車両用空調装置に用いて好適である。具体的には、車両用空調装置における複数の車室内吹出通路を開閉する吹出モード切替ドア、あるいは車両用空調装置における温風の風量と冷風の風量の割合を調整するエアミックスドア等を本発明の空気通路開閉装置により構成すればよい。
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、薄板部材31〜34を樹脂製としているが、薄板部材31〜34を鉄等の金属薄板で構成してもよい。金属製の薄板部材31〜34の場合は連動用の突起部31d〜33eを曲げ加工にて成形できる。
(2)上述の各実施形態では、4枚の薄板部材31〜34を積層する例について説明したが、薄板部材31〜34の積層枚数は必要に応じて増減することができ、薄板部材31〜34の最小積層枚数として2枚を設定してもよい。
(3)本発明の具体的な適用例として車両用空調装置について説明したが、本発明は車両用空調装置に限定されることなく、種々な用途の空気通路開閉装置に広く適用できるものである。
(a)は本発明の第1実施形態による積層スライドドアを用いた空気通路開閉装置の基本構造を示す概略断面図、(b)はその平面展開図である。 第1実施形態による積層スライドドアの連動手段を例示する断面図である。 第1実施形態による空気通路開閉装置の概略分解斜視図である。 第1実施形態による積層スライドドアのシール機能を説明する概略分解断面図である。 第1実施形態による積層スライドドアの駆動機構部の軸方向断面図である。 第1実施形態による積層スライドドアの作動パターンの説明図である。 図1(a)の左側通路遮蔽部分の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態による積層スライドドアを用いた空気通路開閉装置の基本構造を示す概略断面図である。 図8(b)のD−D断面図である。 (a)、(c)、(e)、(g)は、本発明の第3実施形態による積層スライドドアにおける薄板部材の部分平面図、(b)、(d)、(f)、(h)は、同薄板部材の部分正面図、(i)は(g)の側面図である。 図10の薄板部材の積層状態を示す要部断面図である。 本発明の第4実施形態を示す要部断面図である。
符号の説明
10、20…ハウジング、11、12…空気通路、
18…風下側防振リブ(風下側防振手段)、21…風上側防振リブ(風上側防振手段)、
30…積層スライドドア(ドア手段)、31〜34…薄板部材、31a〜34a…開口部、31b〜34c…通路遮蔽部分、31d〜33e…突起部(連動手段)、40…駆動機構。

Claims (9)

  1. 空気通路(11、12)の開口部の風上側に空気流れ方向(a)と直交する方向(b)に移動するドア手段(30)を備え、前記ドア手段(30)により前記空気通路(11、12)を開閉する空気通路開閉装置であって、
    前記ドア手段(30)は、前記空気流れ方向(a)に積層された複数枚の薄板部材(31〜34)で構成され、
    前記複数枚の薄板部材(31〜34)はそれぞれ開口部(31a〜34a)と通路遮蔽部分(31b〜34c)とを有しており、
    前記複数枚の薄板部材(31〜34)の前記開口部(31a〜34a)が前記空気通路(11、12)の開口部と重合することにより前記空気通路(11、12)を開口し、
    一方、前記複数枚の薄板部材(31〜34)の前記通路遮蔽部分(31b〜34c)が階段状にずれた状態で積層されることにより前記空気通路(11、12)の遮蔽範囲が決定されるようになっており、
    さらに、前記複数枚の薄板部材(31〜34)の風上側領域に、前記複数枚の薄板部材(31〜34)を風下側へ押しつけて、前記複数枚の薄板部材(31〜34)に弾性反力を発生する風上側防振手段(21)を備えることを特徴とする空気通路開閉装置。
  2. 前記複数枚の薄板部材(31〜34)の風下側領域に、前記複数枚の薄板部材(31〜34)の風圧による風下側への変形を所定量以内に規制する風下側防振手段(18)を備えることを特徴とする請求項1に記載の空気通路開閉装置。
  3. 前記風上側防振手段(21)および前記風下側防振手段(18)は、前記ドア手段(30)の移動方向(b)に沿って延びる板状部材であることを特徴とする請求項2に記載の空気通路開閉装置。
  4. 前記空気流れの風圧が低いときには前記複数枚の薄板部材(31〜34)が前記風上側防振手段(21)のみに接触し、
    前記空気流れの風圧が所定値以上になると、前記複数枚の薄板部材(31〜34)が前記風上側防振手段(21)から離れて前記風下側防振手段(18)のみに接触することを特徴とする請求項2または3に記載の空気通路開閉装置。
  5. 前記風上側防振手段(21)と前記風下側防振手段(18)は、前記移動方向(b)と直交する方向において互いにオフセット配置されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  6. 前記複数枚の薄板部材(31〜34)のうち、少なくとも1つの薄板部材の隅部に押しつけ力を付与する突起部(32f、33f、34f)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  7. 前記複数枚の薄板部材(31〜34)のうち、前記突起部(32f、33f、34f)の突きだし方向に積層される薄板部材(31〜34)の隅部に、この薄板部材(31〜34)と前記突起部(32f、33f、34f)との接触を回避する切り欠き部(31g〜33g)が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の空気通路開閉装置。
  8. 前記複数枚の薄板部材(31〜34)のうち、少なくとも1つの薄板部材における前記移動方向(b)の端部の中央部付近に押しつけ力を付与する突起部(34g)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
  9. 前記空気通路(11、12)の開口部周縁の全周に、前記複数枚の薄板部材(31〜34)側へ突き出すシールリブ(10c)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の空気通路開閉装置。
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