JP2007168333A - 半導電性シームレスベルトの製造方法 - Google Patents

半導電性シームレスベルトの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複写機やプリンター、ファクシミリ等の電子写真印刷装置の感光ドラムの周囲に配置される転写ベルトとして好適な半導電性シームレスベルトの生産効率に優れ、かつ不良率の少なく製造コストが低い半導電性シームレスベルトを提供する。
【解決手段】ゴム弾性層に加熱加硫を施す工程と、前記ゴム弾性層の内面に熱可塑性樹脂基材層を成型する工程とを具備することを特徴とする半導電性シームレスベルトの製造方法。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複写機やプリンター、ファクシミリ等の電子写真印刷装置の感光ドラム(像担持体)の周囲に配置される転写ベルトあるいは中間転写ベルトとして好適な半導電性シームレスベルトの製造方法に関するものである。
周知の如く、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真印刷装置として、例えば図18に示す構成のものが知られている。
この電子写真印刷装置は、感光ドラム31を備える。帯電ロール32、レーザービーム照射部33、現像部34、1次転写ロール35、及びクリーニングロール36は、それぞれ、感光ドラム31の周りに配置されている。複数の支持ロール37a、37b、37cにより支持された中間転写ベルト38は、感光ドラム31と1次転写ロール35の間に介在されている。中間転写ベルト38は、感光ドラム31から転写されたトナーを後述する2次転写ロールまで搬送する役割をなす。中間転写ベルト38に残存したトナーを掃除するブレード39は、中間転写ベルト38に接近して配置されている。2次転写ロール40は支持ロール37bと対向する位置に配置されて、両者間を用紙41が通過するようになっている。トナーが転写された用紙41は、定着装置42により加熱圧着されて印刷物となる。
この電子写真印刷装置の動作は、次のとおりである。即ち、まず、帯電ロール32にバイアス(電荷)を掛けて感光ドラム31を帯電させ、レーザービーム照射部33で潜像を形成した後、トナーを感光ドラム31に転移させる。次に、1次転写ロール35にバイアスを掛けて感光ドラム31に付着したトナーを中間転写ベルト38に転移させる。
つづいて、中間転写ベルト38に付着したトナーを2次転写ロール40にバイアスを掛けて用紙41に転写させる。この後、前記用紙41を定着装置42で加熱圧着して印刷物とする。
ところで、感光ドラム31の周りに配置される中間転写ベルト38には、電気特性として、半導電性であること、中間転写ベルト38の部位による抵抗値のバラツキが小さいこと、環境依存性が小さいこと及び電圧依存性が小さいこと、更に、中間転写ベルト38には、伸張時の永久伸びが小さいこと、ベルト回転時に伸び縮みが小さいこと等が望まれる。
また、最近では、均一良好な印刷物を得るために樹脂ベルトの様な弾性のない硬度の高い転写ベルトや中間転写ベルトではなく、ベルト表面が弾性のある低硬度ゴムの中間転写ベルトの要望が強く、高分子弾性ゴムを導電化した転写ベルトや中間転写ベルトが使用されるようになってきている。
しかし、ゴム製の中間転写ベルトの場合は、伸長率が大きいために色ズレや画像の寸法変化が大きくなる問題がある。
そしてこれらの問題解決策として、糸巻き法によるゴムの伸び止めやシームレスの織布を補強材としたゴムベルト等が紹介されている(例えば特許文献1〜3)。特許文献1は、糸を巻く手法で弾性ゴムを補強する方法であるが、糸を巻くのに時間がかかり、コストが高くなる欠点がある。
特許文献2〜3は、シームレスの袋織りした織物にゴムを塗布してベルトを作製する方法であるが、製造工程が複雑になりコストアップとなる。又、織物の均一性がなく、印刷品質を落とす。
特許文献4は、以上記述した特許文献1〜3の欠点を解消すべく手法であるが、短繊維の不均一分散が印刷品質を低下させる問題がある。
しかしながら、これらのゴム補強方法にしても性能的にはある程度満足したとしても、製法が複雑で製造コストが高くなり、市場でなかなか受け入れられていない現状である。
そして、すべての要求、所謂ベルト性能とコストを満足したベルト表面に弾性のある転写ベルト及び中間転写ベルトは提供されていないのが現実であり、そのために、1次転写ロールや2次転写ロールの公差を小さくしなければならない状態であり、電子写真印刷装置の性能向上にも悪影響をあたえている。
ところで、本発明者らは、安定した電気特性を有する転写ベルト及び中間転写ベルトを特許文献5において提供している。一方、特許文献6ではゴムをベースにした物性の強い、永久伸びの小さい基材層を作ることを提供して、この基材層に弾性ゴム層を被覆することで日夜研究開発を進めてきたが、転写ベルトまたは中間転写ベルトとしての性能は満足するものの、生産性の問題で高コストとなり市場からはなかなか受け入れられてもらえなく、ベルト表面にゴム弾性を設け、物性的に強い永久伸びの小さい2層構成のベルトの研究をさらに続けた。
今まで本発明者らが進めてきたベルト成型の手法は永久伸びの小さいゴム基材層を成型し、このゴム基材層の上にゴム弾性層をさらにプレス注入成型して作製する手法を推し進めてきたが、180φ×250L位のベルト成型は出来るものの、300φ×400L位の大きいベルト成型になると不良率が高くなることや、ゴム基材層の基材単価が高いことなど市場を満足させる転写ベルト及び中間転写ベルトの成品とはなっていない。
ところで、特許文献7には、円筒形の外側金型と内側の中芯金型との間に、シート状に形成した固形ゴムとフィルム上のシームレス基材をそれぞれ円筒状にして何れかを内側に配置し、前記中芯金型の外側から空気圧をかけて前記固形ゴムとシームレス基材を加硫及び一体成形するベルトの製造方法が開示されている。
しかしながら、固形ゴムの加硫の際に加わる圧力でシームレス基材が変形するため、不良率が増加して市場性に合わないコストとなるという問題点がある。
特開平9−251246号公報 特開平10−232572号公報 特開平11−84901号公報 特開平10−48963号公報 特開2005−173338号公報 特開2004−264774号公報 特開2002−137300号公報
本発明は、生産効率に優れ、不良率が少なく、ベルト厚さ方向には弾性があり、円周方向及び円周と直角な方向への伸びが小さい半導電性シームレスベルトを提供することを目的とする。
本発明に係る半導電性シームレスベルトの製造方法は、
ゴム弾性層に加熱加硫を施す工程と、
前記ゴム弾性層の内面に熱可塑性樹脂基材層を成型する工程と
を具備することを特徴とする。
熱可塑性樹脂基材層の成型には、熱及び圧力を使用することが望ましい。このような成型方法として、例えば、熱可塑性樹脂基材を熱空気で膨張させてゴム弾性層の内面に付着させることにより熱可塑性樹脂基材層を形成する方法(以下、ブロー成型法と称す)や、ゴム弾性層の内面に熱可塑性樹脂基材層を加熱圧着させる方法(以下、加熱圧着法と称す)、ゴム弾性層を回転させながらその内面に溶融した熱可塑性樹脂基材を注入する回転遠心法(以下、回転遠心法と称す)等が挙げられる。
前記ブロー成型法において、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)を使用する場合に熱空気の温度は80℃〜120℃の範囲内にすることが望ましい。また、熱空気の圧力は、0.5kg/cm2〜30kg/cm2の範囲内にすることが望ましい。
前記加熱圧着法は、例えば、ゴム弾性ベルトの内側に熱可塑性樹脂基材ベルトを配置し、熱可塑性樹脂基材ベルトの内側に加熱したマンドレルを挿入することで加圧を行うことによりなされる。
マンドレルの外径はゴム弾性ベルトの内径とほぼ等しいことが望ましい。ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)を使用する場合にマンドレルの温度は80℃〜120℃の範囲内にすることが望ましい。また、マンドレルの挿入速度は5mm/秒〜30mm/秒の範囲内にすることが望ましい。
ゴム弾性層及び熱可塑性樹脂基材層は、半導電性を有する。ゴム弾性層のゴム硬度は10°〜95°(JIS A)の範囲内にすることが望ましい。また、熱可塑性樹脂のヤング率は、100kg/mm2 〜1800kg/mm2 が好ましい。
半導電性シームレスベルトのゴム弾性層の表面には、トナー離型層を設けることができる。
本発明によれば、生産効率に優れ、不良率が少なく、ベルト厚さ方向には弾性があり、円周方向及び円周と直角な方向への伸びが小さい半導電性シームレスベルトを提供することができる。
本発明者らは、基材単価が安く物性が強く、永久伸びの小さい樹脂を基材層に使うことを考えた。
先ず、基材層に使用する樹脂をプレス成型、円芯成型、ブロー成型等であらかじめ成型しておいた樹脂ベルト表面上にゴム弾性材料をプレス注入成型したがプレス圧力とプレス温度の影響で樹脂ベルトが変形してこの手法は失敗に終わった。
次に樹脂ベルト成型品とゴム弾性ベルト成型品をあらかじめ両者共に作製しておいて樹脂ベルト成型品の上に接着剤または粘着剤を塗布しておき、ゴム弾性ベルト成型品をハメ込み法で成型した。
しかし、このハメ込み法も樹脂ベルトとゴム弾性ベルトの間に空気が入り満足な成品を得ることが出来なかった。
中間転写ベルト及び中間転写ベルトの要求特性を以下に挙げる。
(1)電気特性面
A)半導電性であること
B)ベルト面内の抵抗値のバラツキが小さいこと
C)抵抗値の環境依存性が小さいこと
D)抵抗値の電圧依存性が小さいこと
(2)物性面
A)引っ張り応力に対して伸びが小さいこと
B)永久伸びが小さいこと
C)ベルト面の直角方向に対して弾性があること。ゴム弾性を有することにより、電子写真印刷装置の感光ドラムとのフィット性、ニップ幅及び厚紙用紙への対応が良好になる。
D)ベルトが繋ぎ目の無い無端ベルトであること。
(3)コスト面
A)材料費が安価であること
B)生産効率と不良率が小さいこと
(4)ベルト面がトナー離型性があること
A)ベルト面とトナーとの摩擦係数が小さいこと
B)ベルト表面粗さが細かいこと
ゴム弾性層の電気特性を改良する手段として、例えば特許文献5に記載の手法が挙げられる。具体的には、ベルト面内の体積抵抗値のバラツキが0.7logΩ・cm以下、電圧依存性(10V〜250V値)が1.0logΩ・cm以下、環境依存性(LL−HH値)が1.0logΩ・cm以下であることが望ましい。なお、LL環境は、低温低湿環境(10℃×15RH%)を、HH環境は高温高湿環境(28℃×85RH%)を意味する。
物性面及びコスト面での改良手段としては、基材層にヤング率が大きく低価格の樹脂を使用することで、材料費が低減でき、物性面ではベルトの引っ張り応力に対して伸びが小さく、永久伸びを小さくできる。
樹脂としては、大別して熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂が存在するが、2層構成ベルトの製法の選択性、製造工程数から考えていくと、熱可塑性樹脂を使用していくことで2層構成ベルトの選択肢が広く、量産効率の良い、又は、不良率の少ない製法を選択でき、よって製品の安定した低コスト製品を作ることが出来る。
熱硬化性樹脂を使用した場合は、2層構成ベルトの製法の選択肢が限定され、量産効率及び不良率の良好な製法がとりづらくなる。よって製品の安定性と低コスト化が難しくなる。
永久伸びの小さい低コスト材料の熱可塑性樹脂ベルトにゴム弾性層を設ける手法として、弾性ゴムをあらかじめ先に成型しておき、そのゴム弾性ベルトの内側から樹脂を成型して、内側樹脂層、外側弾性ゴム層の2層ベルトを成型することで現在市場で主流になっているポリイミド樹脂のような硬度の高い樹脂単層の転写ベルト及び中間転写ベルトより印刷品質の優れた、また、印刷速度の変速及び厚紙用紙に対しても充分対応でき、製造工程も簡素化され、不良率も少なく、低コストの転写ベルト及び中間転写ベルトを作ることが出来るものである。
電子写真印刷装置に求められる中間転写ベルトの特性中、本発明は、伸長方向(円周方向及び円周と直角な方向)には、伸びが小さく、ベルト縦(厚さ)方向には、弾性があるベルトの製法に研究を傾注した。
非常に難しい品質特性と市場に受け入れられるベルト製品価格を考慮すると、基材層の役割と弾性層の役割を分けた2層構成ベルトが最良と考えた。
そしてその製法として、ゴム弾性ベルトを予め加熱加硫成型した後、このゴム弾性ベルトの内側に熱可塑性樹脂基材層を成型して2層構成ベルトを得ることによって、非常に安定したベルトを成型することができ、そして低コスト化の製法選択肢の幅を広くすることができる。
また、ゴム弾性層を予め加熱加硫しておくことにより、基材層の樹脂を2層成型する時に安定性が増し、不良率を低減させることができるため、予め加硫させたゴム弾性ベルトの内側に熱可塑性樹脂を成型する手法をとった。
たとえば、前述した特許文献7のようにゴム弾性層を未加硫状態で樹脂基材層と一体成型をした場合、製造工程は簡素化できるが、不良率が増大して市場性に合わないコストとなってしまう。例えば、ゴム弾性層の加熱加硫の際にベルトに加わる圧力で捩れや歪み等の不良を生じる。
熱可塑性樹脂を使用する主旨は、材料コストを低減できることと、ゴム弾性ベルト内面に熱と圧力を用いての接着が可能なため、2層構成ベルト成型の手法選択が広がり製品の安定性と低コスト化の製法追求が広がる。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が70℃で融点が258〜267℃のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ガラス転移温度が113℃で融点が269℃のポリエチレンナフタレート(PEN樹脂)、ガラス転移温度が140℃で融点が220〜230℃のポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ガラス転移温度が−128℃で融点が100〜140℃のポリエチレン樹脂(PE樹脂)、ガラス転移温度が−20℃で融点が188℃のポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、ガラス転移温度が100℃で融点が270℃のポリスチレン樹脂(PS樹脂)等が挙げられる。
以上説明したように、本発明は、市場の要求特性中最も難しい伸長方向には、伸びが小さく、ベルト縦(厚さ)方向には弾性のある2層構成ベルトを前提として、ゴム弾性ベルトを予め加熱加硫成型した後、その内部に熱可塑性樹脂を成型することで製法の選択手法を広げ製品の安定化と市場に受け入れられる価格設定が出来た。
ゴム弾性層の内面に熱可塑性樹脂基材層を成型する方法としては、前述のように、ブロー成型法、加熱圧着法、回転遠心法等を挙げることができる。
(第1の実施形態)
ゴム弾性層の内側に熱可塑性樹脂基材層をブロー成型法によって形成する方法を図1〜図6を参照して説明する。このブロー成型法で作製されたベルトをブロー成型ベルトと呼ぶ。ブロー成型ベルトの製造工程を説明する。
(第1工程)ゴム弾性ベルト(ゴム弾性シームレスベルト)の作製
弾性層としてのゴム弾性ベルトを例えば押し出し成型により作製する。得られたゴム弾性ベルトに加熱加硫を施す。
(第2工程)ブロー成型
1)予め金型を用いて作製された試験管形状の熱可塑性樹脂基材プリフォーム1を、図1に示すように回転テーブル2に配置し、回転テーブル2によってプリフォーム1を回転させながら加熱装置3によって加熱保温しておく。加熱温度は熱可塑性樹脂の種類に応じて変化させることが望ましく、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)の場合、80〜100℃に設定することが望ましい。
2)図2に示すように、円筒形状の胴部金型4の内周面4aに第1工程で作製したゴム弾性ベルト5を装着させる。
3)図3に示すように、ネックホルダー6に第2工程のプリフォーム1をセットする。
4)図4に示すように、プリフォーム1の周囲に、図2の胴部金型を配置した後、これらをワリ型7で絞める。次いで、プリフォーム1の下部の空気導入口8から熱空気を拭きつけ、プリフォーム1を膨張させてゴム弾性ベルト5に熱可塑性樹脂基材層9を形成する。
熱空気の温度は使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて変化させることが望ましい。これは、一つには熱空気の温度が熱可塑性樹脂のガラス転移点以下になると、プリフォーム1の膨張が不十分になり、ゴム弾性ベルト5との接着が不十分になる恐れがあるからである。また、二つ目の理由として、熱空気の温度が熱可塑性樹脂の融点に近くなると、熱可塑性樹脂基材が溶融して液だれを生じる恐れがある。PET樹脂の場合には、ガラス転移温度が70℃で、融点が258〜267℃であるため、熱空気の温度を80〜120℃の範囲内にすることが望ましい。熱空気の温度を80℃以上にすることによって、プリフォーム1を十分に膨張させることができ、ゴム弾性ベルト5との接着を十分なものにすることができる。また、熱空気の温度を120℃以下にすることによって、PET樹脂の液ダレを防止することができる。
熱空気の圧力は、0.5kg/cm2〜30kg/cm2の範囲内にすることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。熱空気の圧力を0.5kg/cm2未満にすると、プリフォーム1の膨張が不十分になり、ゴム弾性ベルト5との接着が不十分になる恐れがある。一方、熱空気の圧力が30kg/cm2を超えると、ブロー成型時に樹脂の破裂を生じて均一な樹脂成型ができなくなる可能性がある。
ゴム弾性層と熱可塑性樹脂基材層の接着において、熱可塑性粘着剤を用いることが望ましい。ゴム弾性層に熱可塑性粘着剤を塗布し、乾燥させると、ゴム弾性層表面の熱可塑性粘着剤は、ブロー成型時に粘着性を持たなくなる。このため、ブロー成型時、膨張したプリフォームが部分的にゴム弾性層に粘着するのを避けることが可能である。ブロー成型後に加熱すると、熱可塑性粘着剤が溶融するため、ゴム弾性層と熱可塑性樹脂基材層とをその間にエアーを介在させることなく接着することができる。
5)ブロー後、ワリ型7を外した後、胴部金型4も外し、図5に示すように、ゴム弾性ベルト5の内周面に熱可塑性樹脂基材層9が一体化された成型物を得る。
6)成型物をゴム弾性ベルト5の端部で指定寸法に突切する。
7)研磨機により所望の厚さに研磨して図6に示す半導電性シームレスベルト10を得る。
プリフォームの加熱は、均等に行っても良いが、部位毎に異ならせても良い。例えば、プリフォームの中段付近の温度を上段及び下段に比して高くし、プリフォームの中段付近を先に膨張させることにより、ゴム弾性層との間のエアーを押し出すようにプリフォームを膨張させることができる。それにより、成型品におけるゴム弾性層と熱可塑性樹脂基材層間のエアーを抜くことができる。
この一例を図19に示す。図19の(a)に示すように、加熱装置3の中段付近の温度を例えば120℃とし、そこから上段及び下段に向かって110℃、100℃と温度を低下させる。このように温度分布を持った加熱装置3によりプリフォーム1を加熱する。図19の(b)に示すように、プリフォーム1の周囲に、胴部金型(図示しない)に装着されたゴム弾性ベルト5を配置し、プリフォーム1内に圧搾空気を導入する。その結果、図19の(c)に示すように、プリフォーム1の中段付近1aが先に膨張して、図19の(d)に示すように、ゴム弾性ベルト5に密着する。プリフォーム1内には、圧搾空気が引き続き導入されているため、プリフォーム1がゴム弾性ベルト5との間のエアーを図の矢印に示す方向に押し出すように膨張する。その結果、図19(e)に示すように、ゴム弾性ベルト5に熱可塑性樹脂基材層9をその間のエアーを抜いた状態にして形成することができる。
また、ゴム弾性層の内側に熱可塑性樹脂基材層をブロー成型するに当たり、一度寸法より若干小さ目に成型しておき、再度予定寸法にブロー成型することにより、ゆがみ及びひずみを解消することができ、精度を向上することができる。この一例を図20に示す。一旦、目的寸法より一回り小さい寸法にブロー成型を行い、得られた成型品に再度、加熱温調を施す。加熱温調後の成型品1の周囲に、例えば図20の(a)に示すように、ゴム弾性ベルト5が装着された胴部金型4を配置した後、これらをワリ型7で絞める。次いで、図20の(b)に示すように、成型品1内に圧搾空気を導入し、成型品1を目的寸法まで膨張させてゴム弾性ベルト5に熱可塑性樹脂基材層9を形成する。
(第2の実施の形態)
ゴム弾性層に熱可塑性樹脂基材層を加熱圧着により接合する方法を図7〜図13を参照して説明する。
(第1工程)弾性層としてのゴム弾性ベルトを例えば押し出し成型により作製する。得られたゴム弾性ベルトに加熱加硫を施す。
(第2工程)図7に示すように、ブロー成型用で試験管形状の熱可塑性樹脂製プリフォーム1をネックホルダー11に装着した後、プリフォーム1の周囲にブロー用ワリ型12を配置する。なお、プリフォーム1は予め予熱が済んでいる。プリフォーム1の下方より圧搾空気を送って、プリフォーム1を膨張してワリ型12に密着成型させ、脱型して図8に示すブロー成型品13を作製する。ブロー成型品の両端をカットし、熱可塑性樹脂基材ベルトを準備する。
この時、ブロー成型品の外径をゴムベルトの内径より小さくすることが好ましい。
(第3工程)ゴムベルトと樹脂ベルトの2層構成ベルトの成型
1)ベルトの外径を維持するための円筒形状のワリ型14を準備する。
2)図10に示すように、ワリ型14の内周面14aに第1工程で準備したゴム弾性ベルト15を設置する。
3)第2工程で得た熱可塑性樹脂基材ベルト16の表面にプライマーを塗布する。
4)ワリ型14のゴム弾性ベルト15の内周面に熱可塑性樹脂基材ベルト16をセットする。
5)ワリ型14の熱可塑性樹脂基材ベルト16の内周面に、予熱した金属製マンドレル17を挿入しつつ、ワリ型14の下方より圧搾空気を導入する。図11〜12に示すように、マンドレル17の挿入に伴って弾性ベルト15と熱可塑性樹脂基材ベルト16の間の空気が外部に放出される。これにより、ゴム弾性ベルト15と熱可塑性樹脂基材ベルト16の間に空気が残留するのを回避することができる。また、ワリ型14の下方から圧搾空気が導入されているため、熱可塑性樹脂基材ベルト16とマンドレル17との摩擦抵抗を小さくしてマンドレル17の挿入を容易にすることができる。
マンドレル17の温度は使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて変化させることが望ましい。これは、一つにはマンドレル17の温度が熱可塑性樹脂のガラス転移点以下になると、熱可塑性樹脂基材ベルト16の膨張が不足してゴム弾性ベルト15との接着が不十分になる恐れがあるからである。また、二つ目の理由として、マンドレル17の温度が熱可塑性樹脂の融点に近くなると、熱可塑性樹脂基材が溶融して液だれを生じる恐れがある。これらのことから、PET樹脂の場合には、マンドレル17の温度を80〜120℃の範囲内にすることが望ましい。マンドレル17の温度を80℃以上にすることによって、熱可塑性樹脂基材層16とゴム弾性層15との接着強度を向上することができる。また、マンドレル17の温度を120℃以下にすることによって、PET樹脂の液ダレを防止することができる。
マンドレル17の挿入速度は5mm/秒〜30mm/秒の範囲内にすることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。挿入速度を5mm/秒未満にすると、熱可塑性樹脂基材層16のゴム弾性層15への接着に長時間を要し、生産性が低下する恐れがある。一方、挿入速度が30mm/秒を超えると、マンドレル17挿入時の空気の逃げが不十分となり、熱可塑性樹脂基材層16とゴム弾性層15の間に気泡が残る恐れがある。
6)図13に示すように、マンドレル17を挿入したまま加熱して、ゴム弾性ベルト15と熱可塑性樹脂基材ベルト16とを接着させて2層構成ベルトを得る。
7)6)で作製した2層構成ベルトをマンドレル17から抜き取り、研磨治具に装着させてゴムベルト層を研磨機で研磨し、ベルト両端を所定の寸法にカットする。
(第3の実施の形態)
回転遠心法の一実施形態を説明する。弾性層としてのゴム弾性ベルトを例えば押し出し成型により作製する。得られたゴム弾性ベルトに加熱加硫を施す。このゴム弾性ベルトを回転させながら、溶融した熱可塑性樹脂基材をゴム弾性ベルトの内周面に注入することにより熱可塑性樹脂基材層を形成し、2層構成ベルトを得る。
第1〜第3の実施の形態の方法で製造された半導電性シームレスベルトの弾性層及び樹脂基材層について説明する。
ゴム弾性層のゴム硬度は10°〜95°(JIS A)の範囲で設けることが出来るが好ましくは30°〜75°(JIS A)である。
ゴム弾性層を得るための原料ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、水添化ニトリルゴム(HNBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、フッ素ゴム(FR)、シリコーンゴム(SiR)、ウレタンゴム(UR)、及びそれらのアロイが挙げられる。
ゴム弾性層を得るためのゴム弾性配合剤としては、例えば、加硫剤、加硫促進剤、共架橋剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、補強剤、充填剤等の通常ゴム配合剤として使用している配合剤が使用できる。
ゴム弾性層及び熱可塑性樹脂基材層は、半導電性を有する。ゴム弾性層の体積抵抗値は、7logΩ・cm〜14logΩ・cmが好ましく、熱可塑性樹脂基材層の体積抵抗値は4logΩ・cm〜14logΩ・cmが好ましい。
ゴム弾性層に含まれる導電材料としては、例えば電子導電剤としてのカーボンブラック、金属酸化物、導電処理した金属酸化物、導電化した加硫ゴム粉末、導電化した樹脂粉末などが挙げられる。
導電材料の原料ゴムに対する配合量は、原料ゴム100重量部に対して5〜100重量部が好ましい。
熱可塑性樹脂基材層は、熱可塑性樹脂のみから構成しても良いが、熱可塑性樹脂と併せて導電材料を含有することが望ましい。導電材料にはゴム弾性層に用いられるのと同様な種類のものを使用することができる。
熱可塑性樹脂基材層を形成するための熱可塑性樹脂は、弾性ゴム層の応力より熱可塑性樹脂基材層の応力が大きくなるようなものが好ましい。熱可塑性樹脂のヤング率は、100kg/mm2 〜1800kg/mm2 が好ましいが、更に好ましくは、100kg/mm2 〜800kg/mm2 である。
例えば、ヤング率の違った樹脂で実験してみると、PC樹脂のヤング率は200kg/mm2 、PET樹脂のヤング率は400kg/mm2 、PEN樹脂のヤング率は800kg/mm2 である3種類のベルトを作製して、168時間の回転試験、電子写真印刷装置にセットし、ベルトに張力を掛けた状態で3ヶ月間放置後、印刷テストしても、初期と変わらない印刷物を得ることが出来た。
前述した第1〜第3の実施の形態では二層構造の半導電性シームレスベルトの例を説明したが、これに限らず、トナー離型層を設けて三層構造にすることができる。この例を図14に示す。
図14に示す半導電性シームレスベルトは、ゴム弾性層18と、ゴム弾性層18の内周面に形成された熱可塑性樹脂基材層19と、ゴム弾性層18の外周面に形成されたトナー離型層20とを具備する。
トナー離型層20を設けることにより、ベルト表面へのトナーの付着を回避することができるため、画像形成の際の障害を少なくすることができる。トナー離型層20は、材料を吹き付け法で塗布することにより形成することができるが、これに限定されない。トナー離型層20の材料としては、例えば、FEUA変性フッ素樹脂塗料(旭硝子製)、含フッ素ポリオール変性フッ素樹脂塗料(住友精化製)、PUDF変性フッ素樹脂塗料(関西ペイント製)、ポリウレタン変性フッ素樹脂塗料(日本ミラクトン製、日本ビーケミカル製)、アクリル変性フッ素樹脂塗料(日本アチソン製)、フェノール変性フッ素樹脂塗料(日本アチソン製)、アルキット変性フッ素シリコーン塗料(信越化学製)、アクリル変性シリコーン塗料(信越化学製)、水溶性ナイロン(帝国化学製、日本ビーケミカル製)、Nメチルメトキシ化ナイロン(帝国化学製、日本ビーケミカル製)が挙げられる。
[実施例]
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(実施例1)ブロー成型法
<第1工程>
まず、ゴム弾性ベルトを以下に説明する方法で作製した。
1)硬度65°(JIS)、体積抵抗値10.5logΩ・cmで、電圧依存性(100V−1000V値)0.8logΩ・cm以下、環境依存性(LL−HH値)1.0logΩ・cm以下で、ベルト面内の体積抵抗値のバラツキ0.5logΩ・cm以内となる配合を作製し、各配合を計量して準備した。
2)配合された材料を混合練り機で約30分間混合練りを行い、厚さ15mmで幅30mmの紐状に分出しをし、ゴム材料を得た。
3)150φ×1600mmのマンドレルを準備してマンドレル表面に離型剤を塗布した。
4)クロスヘッド押出機を準備し、通常の押出し方法でマンドレル円周上にゴム材料を厚さが1.5mmになるように押出し成型した。
5)押出し成型されたゴム材料をマンドレルごと加硫缶に入れて、加硫温度150℃、缶内圧力30kg/m2 、加硫時間30分の条件で加硫を行った。
6)加硫缶より取り出した後、冷却した。
7)通常のゴム研磨機に掛けて、ベルト厚さ0.5mmに研磨した。
8)研磨後、突切機で幅350mmに突切りして、厚さ0.5mm、幅350mmのゴム弾性ベルトを作製して準備した。
<第2工程>
以下に説明する方法でブロー成型ベルトを製造した。
1)図1に示すように、金型で試験管形状のPET樹脂基材プリフォーム1を作製し、プリフォーム1を回転テーブル2で回転させながら加熱装置3により95℃に加熱保温した。
この時のPET樹脂の体積抵抗値は9.5logΩ・cmになるようにカーボンブラック量を配合して調整しておいた。
2)図2に示すように、円筒形状の胴部金型4の内周面4aに第1工程で準備したゴム弾性ベルト5を装着させた。
3)図3に示すように、ネックホルダー6にプリフォーム1をセットした。
4)図4に示すように、プリフォーム1の周囲に胴部金型4を配置し、これらブロー型をワリ型7で絞めてプリフォーム1の下部の空気導入口8より80℃の熱空気を30kg/cm2で圧入し、プリフォーム1を膨張させてゴム弾性ベルト5に密着させた。
5)ブロー成型後、ワリ型7を外した。次に胴部金型4より図5に示す成型物を外した。
6)ブロー成型物をゴム弾性ベルト5の端部に長さを揃えて裁断した。
7)研磨機に掛けてベルト厚さtが0.5mm(PET樹脂基材層9の厚さt1が0.15mm)に研磨し、外径R1が150φ、内径R2が149φで、長さLが340mmの図6に示す中間転写ベルトを作製した。
この時のベルトの永久伸びは60分後0%、24時間後0%、168時間後0%であった。体積抵抗値は、10.44logΩ・cm、ベルト面内の体積抵抗値のバラツキ(24ヶ所測定値)0.38logΩ・cmであった。永久伸び試験条件はベルト幅長さLが340mmに対して5kgの荷重をかけて行った。
(実施例2)
熱空気の温度及び圧力を以下の表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製した。この時のベルトの永久伸び、体積抵抗値及びベルト面内の体積抵抗値のバラツキを実施例1で説明したのと同様な条件で測定し、その結果を下記表1に示す。
Figure 2007168333
実施例1〜2の中間転写ベルトを図18に示す電子写真印刷装置に装着して印刷したところ、印刷のムラもなく、印刷速度及び厚紙用紙等による印刷の欠点もなく、良好な印刷が出来た。なお、熱空気の温度を50℃にしたところ、PET樹脂のガラス転移点に到達しなかったため、PET樹脂の膨張が不十分でゴム弾性ベルト内側まで到達せず接合が十分でなかった。また、熱空気の温度を150℃にしたところ、PET樹脂の液ダレを生じたため、ベルト形状を保たれなかった。
(実施例3)
<第1工程>
以下に説明する方法でゴム弾性ベルトを成型した。
1)硬度55°(JIS)、体積抵抗値10.8logΩ・cm、となる配合を設計した。
2)1)の配合剤の計量を行った。
3)2)で計量した配合を混合練りミキサーで約30分間混合練りを行ってコンパウンドを作製した。
4)ベルト作製用の外径170φ、400mmの長さのマンドレルを準備した。
5)4)のマンドレル表面に離型剤を塗布して準備した。
6)3)のコンパウンドを厚さ5mmで幅30mmのリボンシート状にして準備した。
7)クロスヘッド押出機を準備して4)のマンドレル表面に6)のコンパウンドを厚さ3mmに押出成型した。
8)7)の表面にセロファンテープをラッピングした。
9)8)を加硫缶に5kg/cm2 で150℃の熱空気を入れ5時間加熱加硫を行った。
10)9)を冷却後表面を研磨して、ゴム厚さ2mmとした。
11)10)を所定の長さに切断し、マンドレルより抜いて内径170φ、厚さ2mm、長さ270mmのゴム弾性層のベルトを準備した。
<第2工程>
以下に説明する方法により樹脂基材層を成型した。
1)ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)粉末にカーボンブラックを配合して、体積抵抗値9.3logΩ・cmとなる配合を設計した。
2)1)の配合を計量、混合ミキサーで約30分間撹拌した。
3)2)をプリフォーム金型に溶融注入し、ブロー成型用のプリフォームを準備した。
4)図7に示すように、ブロー用ワリ型12を準備し、予熱したプリフォーム1をセットし、下方より圧搾空気を送って、プリフォーム1を膨張させてワリ型12の内面12aに密着成型、脱型して図8に示すブロー成型品13を作製した。このときのブロー成型品は、外径R3が165φ、PET樹脂基材厚さ0.20mm、長さL1は両端をカットして280mmにして樹脂基材層を準備した。
この時、ブロー成型されたPET樹脂ベルトの外径はゴム弾性ベルトの内径より小さくした。
<第3工程>
ゴム弾性ベルトと樹脂基材層の2層構成ベルトの成型
1)図9に示すように、ベルト外径を維持するための内径R4が170φで、長さL2が270mmのワリ型14を準備した。
2)1)で準備したワリ型14の内面に第1工程で準備したゴム弾性層ベルト15を設置した。
3)第2工程で準備したPET樹脂基材ベルト16の表面にプライマーを塗布した。
4)2)で準備したワリ型14の内面にPET樹脂基材ベルト16をセットした。
5)図10に示すように、ワリ型14のPET樹脂基材ベルト16の内面に110℃に予熱した外径R5が170φで、ストレート部の長さL3が300mmで、テーパ部の長さL4が100mmのマンドレル17を挿入、下方より0.3kg/cm2 の圧搾空気を入れながら、10mm/秒の速度でマンドレル17を挿入した。
6)図13に示すように、マンドレル17を挿入したまま、140℃で20分間加熱して、ゴム弾性層ベルト15とPET樹脂基材層16を接着させて2層構成ベルトを成型させた。
7)6)で作製した2層構成ベルトをマンドレルから抜き取り、研磨治具に装着させてゴム弾性ベルト層を0.3mmの厚さになるように研磨機で研磨し、ベルト両端を所定の寸法にセットした。
この時の2層構成ベルトのゴム弾性層の厚さが0.31mm、PET樹脂基材層の厚さが0.15mm、外径が170.5mm、幅が245mm、体積抵抗値が10.86logΩ・cmであった。
(実施例4〜5)
マンドレルの温度及び速度を以下の表2に示すように変更すること以外は、実施例3と同様にして中間転写ベルトを作製した。この時のベルトの体積抵抗値及びベルト面内の体積抵抗値のバラツキを下記表2に示す。なお、マンドレルの温度を50℃にしたところ、PET樹脂のガラス転移点に到達しなかったため、PET樹脂の膨張が不十分でゴム弾性ベルト内側まで到達せず接合が十分でなかった。また、マンドレルの温度を150℃にしたところ、PET樹脂の液ダレを生じたため、ベルト形状を保たれなかった。
Figure 2007168333
実施例3〜5の方法で製造された中間転写ベルトに以下に説明する条件で画像テストを実施した。
実施例3〜5の方法で製造された中間転写ベルトを図18に示す電子写真印刷装置に装着して画像形成テストをした結果、ホロキャラクター、色ズレ等もなく又、紙の厚さの対応も良好であったが、印刷を重ねていくうちにベルト表面にトナーの汚れが発生し画像形成が悪くなった。
次にトナー汚れ解消のために実施例3〜5のベルトにトナー離型層(トナー離型層)を15μm塗布した。
その結果、印刷回数を重ねてもベルト表面のトナー汚染もなく、良好な画像形成を続けることが出来た。
(参照例)
図15に示す嵌め込み法により2層構成ベルトを作製した。
1)まず、シリンダー21の内径より小さい弾性ゴムベルト22を設置した。
2)コック26を開いて真空ポンプでエアーを引いた。
3)弾性ゴムベルト22とシリンダー21の間が真空となり、弾性ゴムベルト22がシリンダー21に密着し、これにより弾性ゴムベルト22の内径が大きくなった。その中にシャフト23にセットしたPET樹脂ベルト24と接着剤25(粘着剤でも良い)を挿入した。その後、真空を解除して弾性ゴムベルト22をシリンダー側に密着させ、2層構成ベルトを得た。
この嵌め込み法によると、ゴム弾性層22とPET樹脂基材層24の間に気泡が混入しやすいという問題点がある。まず、図16に示すように、ゴム弾性層22とPET樹脂基材層24の間に混入した気泡26によりゴム弾性層22の表面の凹凸が大きくなる。また、このベルトに研磨処理を施すと、図17に示すように、気泡26と対応するゴム弾性層22の表面が凹んでしまう。さらに、気泡26が大きい場合には、研磨時にゴム弾性層22がムシれる場合がある。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法におけるプリフォームの加熱工程を示す模式図。 本発明の第1の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法における金型にゴム弾性ベルトを装着した状態を模式的に示した断面図。 本発明の第1の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法におけるプリフォームをネックホルダーにセットした状態を模式的に示した断面図。 本発明の第1の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法におけるブロー成型工程を示す模式的な断面図。 図4のブロー成型工程で得られた成型品を示す模式的な断面図。 本発明の第1の実施形態に係る方法で製造された半導電性シームレスベルトを模式的に示した断面図。 本発明の第2の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法における第2工程を説明するための模式的な断面図。 図7の第2工程で得られた成型品を示す模式的な断面図。 本発明の第2の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法における第3工程で使用するワリ型を模式的に示した断面図。 本発明の第2の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法におけるマンドレル挿入工程を説明するための模式的な断面図。 本発明の第2の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法におけるマンドレル挿入工程を説明するための模式的な断面図。 本発明の第2の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法におけるマンドレル挿入工程を説明するための模式的な断面図。 本発明の第2の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法におけるマンドレル挿入工程を説明するための模式的な断面図。 トナー離型層を備えた半導電性シームレスベルトを模式的に示した断面図。 嵌め込み法を説明するための模式的な断面図。 嵌め込み法で製造された半導電性シームレスベルトの模式的な断面図。 嵌め込み法で製造された半導電性シームレスベルトの模式的な断面図。 半導電性シームレスベルトが使用される電子写真印刷装置の概略構成図。 本発明の第1の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法におけるブロー成型工程の変形例を示す模式図。 本発明の第1の実施形態に係る半導電性シームレスベルトの製造方法におけるブロー成型工程の別な変形例を示す模式図。
符号の説明
1…熱可塑性樹脂基材プリフォーム、2…回転テーブル、3…加熱装置、4…胴部金型、5,15…ゴム弾性ベルト、6,11…ネックホルダー、7,12,14…ワリ型、8…空気導入口、9,19…熱可塑性樹脂基材層、10…中間転写ベルト、13…ブロー成型品、16…熱可塑性樹脂基材ベルト、17…マンドレル、18…ゴム弾性層、20…トナー離型層。

Claims (1)

  1. ゴム弾性層に加熱加硫を施す工程と、
    前記ゴム弾性層の内面に熱可塑性樹脂基材層を成型する工程と
    を具備することを特徴とする半導電性シームレスベルトの製造方法。
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