JP2007165317A - 空気圧式rfmemsスイッチ及びその製造方法 - Google Patents

空気圧式rfmemsスイッチ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧の最小化を図り、作動および製造信頼性の改善された空気圧式RF MEMSスイッチおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つが圧縮する時に残りが膨脹するよう互いに連通する複数の可変エアキャビティを備える空気圧作動部と、それぞれの可変エアキャビティ内で互いに一定の間隔離れた第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子を備える複数のスイッチング線を含む信号線と、それぞれ対応する可変エアキャビティが膨張する時には第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子が接続されていない状態を維持し、可変エアキャビティが圧縮する時には第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子を接続するスイッチング部と、複数の可変エアキャビティを選択的に圧縮させるべく前記空気圧作動部を作動する駆動部とを含む空気圧式RF MEMSスイッチを構成する。
【選択図】図1B

Description

本発明はRF MEMS(Radio Frequency Micro Electro Mechanical System)スィッチに関し、詳細には、空気圧を利用したRF MEMSスイッチ及びその製造方法に関する。
一般に、RF MEMSスイッチは、駆動電極により作動するブリッジまたはカンチレバー形態のスィッチパッドを備える。スィッチパッドは支持スプリングにより基板に弾性的に支持され、駆動電極はスィッチパッドと向かい合うよう基板に形成される。
このようなRF MEMSスイッチにおいて、駆動電極に印加される駆動電圧はスィッチパッドを変位及び復元させる支持スプリングの弾性率(spring constant)に左右される。従って、駆動電極に印加される駆動電圧を低くしスィッチパッドを高速にスイッチングするために、支持スプリングは通常、一定レベル以下の低い弾性率を有するように設計されている。その結果、RF MEMSスイッチは、スィッチパッドと支持スプリングとの結合部分が弱くなって製造欠陥を生じるという問題を引き起こす。さらに、スィッチパッドのスイッチング接点を信号線のスイッチング端子と非接触状態に維持する力が弱くなり、震動環境に弱いという不具合がある。
このような問題点を解決するために、最近、作動時にスィッチパッドが支持スプリングを通じて変形及び復元する動作を繰り返すメカニズムを省略する新しい概念のRF MEMSスイッチが開発されつつある。このようなRF MEMSスイッチは、特許文献1〜3(米国特許第6,294,847号、第6,143,997号、及び第6,489,857号)に開示されている。
米国特許第6,294,847号のRF MEMSスイッチは、移動伝送ラインセグメントに取り付けられた誘電体ビームを駆動する2つのコンデンサ(Capacitors)を使用する。しかし、このようなRF MEMSスイッチは、誘電体ビームの動作時に発生する移動伝送ラインセグメントの摩擦または衝突のような粘着(Sticking) 問題を克服するため、比較的大きい駆動力を要する短所がある。駆動力を高めるため、コンデンサに印加される駆動電圧を高めると、電力消費の増加に繋がるだけでなく、低い駆動電圧で駆動されるRFスィッチを要求するハンドセット、アンテナチューナー、送/受信機、位相アレーアンテナ(Phased array antenna)のようなシステム、またはモジュールに使用され難い問題がある。
米国特許第6,143,997号と第6,489,857号のRF MEMSスイッチは、上端及び下端駆動電極または第1及び第2フィールド板によって作動する導電性パッドまたは移動体及び導電線パッドまたは移動体を上下に移動するようガイドするブラケットあるいはガイドポストを備える。しかし、これらRF MEMSスイッチは伝送ラインに対する電気的接続、すなわち信号の流れがブラケットまたはガイドポストによってガイドされる導電性パッドまたは移動体によって行なわれることから、電気的な接続離脱または接続不良といった問題が発生し得る。また、RF MEMSスイッチは、ブラケットまたはガイドポストと導電性パッドまたは移動体の収容開口との間の製造公差のため、導電性パッドまたは移動体の上下移動の際にジャムが生じるおそれがあり、これにより作動の信頼性が落ちてしまう短所がある。このような問題を防止するため、駆動電極に印加される駆動電圧を高くすると、米国特許第6,294,847号のRF MEMSスイッチと同様に、電力消費の増加のみならず、低い駆動電圧で駆動されるシステムまたはモジュールに使用し難いという問題がある。
したがって、弾性率を一定のレベル以下に低下させる支持スプリングを用いずに、使用するシステムやモジュールの駆動電圧基準を充足でき、低い駆動電圧で駆動できるとともに安定的に駆動できる新しいRFスィッチ開発の必要性が求められている。
米国特許第6,294,847号明細書 米国特許第6,143,997号明細書 米国特許第6,489,857号明細書 特開2004−134399号公報 特開2003−211399号公報
本発明は前述したような問題点を解決するために案出されたもので、本発明の主な目的は、互いに連通する複数の可変エアキャビティを備える空気圧作動部を介して、スイッチング部のスイッチング接点をスイッチング線のスイッチング端子に接触若しくは離間するよう動作することにより駆動電圧を最小化し、作動及び製造信頼性の改善された空気圧式RF MEMSスイッチ及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、スイッチング部のスイッチング接点と信号線のスイッチング端子が別途のパッケージング部材及び/またはパッケージング工程を介して密封されることなく、空気圧作動部のメンブレインによって密封されることにより製造コストの節減された空気圧式RF MEMSスイッチ及びその製造方法を提供することにある。
前述した目的を達成するための一実施形態に係る空気圧式RF MEMSスイッチは、基板と、前記基板上に配置され、少なくとも1つが圧縮される時に残りが膨脹するよう互いに連通する複数の可変エアキャビティを備える空気圧作動部と、前記複数の可変エアキャビティのうち1つを通過するよう配置され、それぞれの前記可変エアキャビティ内で互いに一定の間隔離れた第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子を備える複数のスイッチング線を含む信号線と、前記空気圧作動部と共に移動するよう前記空気圧作動部の前記各可変エアキャビティ内に設置され、それぞれ対応する可変エアキャビティが膨張する時には前記第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子が接続されていない状態を維持し、可変エアキャビティが圧縮する時には前記第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子を接続するスイッチング部と、前記複数の可変エアキャビティを選択的に圧縮させるべく前記空気圧作動部を作動する駆動部とを含むことを特徴とする。
基板は、高抵抗性シリコン及び石英のいずれかで形成することができる。
前記空気圧作動部が、互いに連通すべく前記基板に形成された複数のトレンチを密閉するように形成され、前記複数の可変エアキャビティを形成するメンブレインで構成され得る。このメンブレインが、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、及びパリレンのいずれか1つにより形成されることが好ましい。
前記メンブレインは、製造時に、犠牲層パターンを用いて前記複数の可変エアキャビティを形成する際に、前記犠牲層パターンをエッチングして取除くための複数の第1エッチングホールを含み、前記複数の第1エッチングホールはシールに密封されておりことが好ましい。
複数の第1エッチングホールをシールで完全密封する代わりに、複数の可変エアキャビティのうち少なくとも1つが圧縮する時に残りが膨張するように、メンブレインが動作可能な範囲内で、少なくとも一部あるいは全体が密封されない構成とすることもできる。
前記複数のスイッチング線は、それぞれ電場によって信号を伝達するように、対応するトレンチに形成されたグラウンドと所定間隔をおいて形成された共面導波管路で構成され得る。このとき、前記グラウンドと前記信号線それぞれが金(Au)及び白金(Pt)のいずれかにより形成されていることが好ましい。
前記スイッチング部が、各可変エアキャビティ内に配置される前記スイッチング線の前記第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子と対応するように、前記メンブレイン内面に形成された複数のスイッチング接点を含むように構成できる。このとき、前記複数のスイッチング接点が、それぞれ金(Au)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)のいずれか1つにより形成されることが好ましい。
前記駆動部が、前記可変エアキャビティ内にて前記トレンチに形成されたグラウンドと、前記グラウンドと対応するよう前記メンブレインの外面に形成され、それぞれ電圧が印加される時前記グラウンドとの間に静電気力を発生して、対応する前記メンブレインの前記可変エアキャビティを圧縮する複数の駆動電極とを含むように構成できる。尚、前記複数の駆動電極が、それぞれアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)のいずれか1つにより形成されることが好ましい。
前記複数の駆動電極は、製造時に犠牲層パターンを用いて前記複数の可変エアキャビティを形成する際に、前記犠牲層パターンをエッチングして取除くための複数の第2エッチングホールを含み、前記複数の第2エッチングホールは、シールによって密封されることが好ましい。選択的には、前記複数の第2エッチングホールが、シールで完全密封される代わりに、前記複数の可変エアキャビティのいずれか1つが圧縮する時残りが膨脹するように、前記メンブレインが動作可能な範囲内で、少なくとも一部または全体が密封されないように構成することもできる。
実施の形態において、前記トレンチ、前記可変エアキャビティ、前記スイッチング線、前記スイッチング接点及び前記駆動電極を、それぞれ2つずつ構成することができる。
選択的は、前記トレンチ、前記可変エアキャビティ、前記スイッチング線、前記スイッチング接点及び前記駆動電極を、それぞれ3つ以上形成し、前記複数のトレンチと前記複数の可変エアキャビティが、それぞれ直列に配置され互いに連通するように形成することもできる。
更に、前記トレンチ、前記可変エアキャビティ、前記スイッチング線、前記スイッチング接点及び前記駆動電極をそれぞれ3つ以上形成し、前記複数のトレンチと前記複数の可変エアキャビティは、それぞれ少なくとも1つを中心にして残りが周りに配置され、互い連通するよう形成することもできる。
また、前記トレンチ、前記可変エアキャビティ、前記スイッチング接点及び前記駆動電極は、それぞれ2つずつが1組のユニットを構成する複数のスィッチユニットが形成され、前記複数のスィッチユニットは1つの前記スィッチユニットが他の2つのスィッチユニットを並列に接続した形態で構成することができる。
本発明の目的を達成するための他の実施形態に係る空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法は、基板上に信号線及びグラウンドを形成するステップと、前記信号線と前記グラウンドの形成された前記基板上に互いに連通する複数の可変エアキャビティを備えるメンブレインを形成するための犠牲層パターンを形成するステップと、前記犠牲層パターン上に前記信号線をスイッチングする複数のスイッチング接点を形成するステップと、前記複数のスイッチング接点の形成された前記犠牲層パターン上に前記犠牲層パターンを覆うメンブレインを形成するステップと、前記複数の可変エアキャビティを選択的に圧縮させるように動作する複数の駆動電極をグラウンドに対応すべく前記メンブレインに形成するステップと、前記犠牲層パターンを取除くステップとを含むことを特徴とする。
前記信号線及び前記グラウンドを形成するステップが、前記基板に相互に連通する複数のトレンチを備える溝部を形成するステップと、前記溝部の形成された前記基板上に、それぞれの前記トレンチを横切って配置され、それぞれの前記トレンチに前記第1及び第2スイッチング端子を有する前記複数のスイッチング線を備えた前記信号線及び前記信号線の前記複数のスイッチング線と所定の間隔隔てているグラウンドを形成するステップとを含むように構成できる。
前記溝部を形成するステップが、前記基板に前記溝部を形成するための溝部エッチングマスクパターンを形成するステップと、前記溝部エッチングマスクパターンを使用し前記基板をエッチングするステップと、前記溝部エッチングマスクパターンを取除くステップで行なわれることが好ましい。前記溝部エッチングマスクパターンは、シリコン酸化膜、窒化膜、フォトレジスト、エポキシ樹脂、金属のいずれか1つにより形成されることが好ましい。選択的に、前記溝部エッチングマスクパターンは、前記犠牲層パターンを 取除くためのエッチングホールをメンブレインに形成せず基板に形成する場合、基板に犠牲層パターンをエッチングし取除くための複数のエッチング通路を形成するエッチング通路パターンを更に含むよう形成することができる。
さらに、前記基板は高抵抗性シリコン及び石英のいずれかにより形成することができる。また、基板をエッチングするステップにおいて、前記基板が高抵抗性シリコンで形成された場合乾式エッチングで行うことができ、前記基板が石英で形成された場合は湿式エッチングで行うことができる。
前記溝部の形成された前記基板上に前記信号線と前記グラウンドを形成するステップが、前記溝部の形成された前記基板上に第1金属層を形成するステップと、前記信号線及び前記グラウンドを形成すべく前記第1金属層をパターニングするステップとを含むことができ、ここで、前記第1金属層を、金(Au)及び白金(Pt)のいずれか1つにより形成することが好ましい。
前記犠牲層パターンを形成するステップが、前記信号線と前記グラウンドの形成された基板上に第1犠牲層を形成するステップと、前記第1犠牲層をパターニングして圧縮状態の少なくとも1つの可変エアキャビティを形成するための第1エアキャビティ犠牲層パターンを形成するステップと、前記第1エアキャビティ犠牲層パターンの形成された前記基板を硬化させるステップと、硬化された前記基板上に第2犠牲層を形成するステップと、前記第2犠牲層をパターニングして前記圧縮状態の前記少なくとも1つの前記可変エアキャビティを除いた膨脹状態の残り可変エアキャビティを形成するための第2エアキャビティ犠牲層パターンを形成するステップと、前記第2エアキャビティ犠牲層パターンの形成された前記基板を硬化させるステップとを含むように構成できる。このとき、前記第1及び第2犠牲層が、フォトレジストで形成することが好ましい。
前記複数のスイッチング接点を形成するステップが、前記犠牲層パターンの形成された前記基板上に第2金属層を形成するステップと、それぞれの前記スイッチング線の前記第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子に対応すべく複数の接点を形成するように、前記第2金属層をパターニングするステップとを含むことが好ましく、このとき、前記第2金属層を、金(Au)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)のいずれか1つにより形成することが好ましい。
前記メンブレインを形成するステップが、前記複数のスイッチング接点の形成された前記基板上にメンブレイン層を形成するステップと、前記犠牲層パターンを覆うメンブレインを形成するように前記メンブレイン層をパターニングするステップとを含み、ここで前記メンブレイン層は、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、及びパリレンのいずれか1つにより形成することが好ましい。
前記複数の駆動電極を形成するステップが、前記メンブレインの形成された前記基板上に第3金属層を形成するステップと、前記メンブレイン内のそれぞれの前記可変エアキャビティに対応すべく前記複数の駆動電極を形成するように前記第3金属層をパターニングするステップとを含むように構成できる。ここで、前記第3金属層を、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)及びタンタル(Ta)のいずれか1つにより形成することが好ましい。選択的には、前記第3金属層をパターニングするステップが、前記犠牲層パターンを取除くためのエッチング通路を基板に形成せず、第1および第2駆動電極およびメンブレインに形成する場合、複数の駆動電極が犠牲層パターンをエッチングし取除くための複数の第2エッチングホールを更に含むよう前記第3金属層をパターニングするステップを更に含み、前記複数の駆動電極を形成するステップが、前記メンブレインが前記犠牲層パターンをエッチングし取除くための複数の第1エッチングホールを更に含むよう前記メンブレインをパターニングするステップを更に含むことができる。
前記犠牲層パターンを取除くステップが、前記複数の第1及び第2エッチングホールを通じて前記犠牲層パターンを湿式エッチング及びアッシング工程のいずれかにより取除くステップを含むように構成できる。
この場合、本発明の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法、複数の第1エッチングホール及び第2エッチングホールを密封するステップを更に含むように構成できる。
前記複数の第1エッチングホール及び第2エッチングホールを密封するステップが、前記犠牲層パターンの除去された前記基板上にシール層を形成するステップと、前記複数の第1エッチングホール及び第2エッチングホールを密封するシールを形成するように前記シール層をパターニングするステップとを含み、ここで、前記シール層を、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜及びパリレンのいずれか1つにより形成することが好ましい。
選択的に、前記シール層をパターニングするステップが、前記複数の可変エアキャビティのうち少なくとも1つが圧縮される時残りが膨脹するように、前記メンブレインが動作可能な範囲内で、前記複数の第1エッチングホール及び第2エッチングホールのうち少なくとも一部または全体が前記シールによって密封されずに開放されるように形成することができる。
選択的に、前記犠牲層パターンを取除くステップが、前記複数のエッチング通路を通じて前記犠牲層パターンを湿式エッチング及びアッシング工程のいずれかにより取除くステップを含むように構成できる。
この場合、空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法は、前記複数のエッチング通路を密封するステップを更に含むように構成できる。
前記複数のエッチング通路を密封するステップが、前記犠牲層パターンの除去された前記基板の前記複数のエッチング通路を金属ボールで塞ぐステップと、前記基板を加熱して前記金属ボールを溶解し、前記複数のエッチング通路を密封するステップとを含むように構成できる。ここで、本発明の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法は、前記複数の駆動電極を保護するよう前記複数の駆動電極上に保護層を形成するステップを更に含むように構成できる。
本発明の空気圧式RF MEMSスイッチ及びその製造方法は、小さい力で駆動でき、1つが圧縮される時残りが膨脹するよう相互に連通された複数の可変エアキャビティを備えるメンブレインを介して、スイッチング部のスイッチング接点をスイッチング線のスイッチング端子に接触または離間するように動作する。よって、支持スプリングに支持されたスイッチパッド、誘電体ビーム、導電性パッドまたは移動体を備える従来のRF MEMSスイッチと比べて、低い駆動電圧で駆動できる。さらに、低い弾性率の支持スプリングによって震動環境に弱い問題、誘電体ビームの動作時に移動伝送ラインセグメントの摩擦または衝突といった粘着問題、及びブラケットまたはガイドポストによってガイドされる導電性パッドまたは移動体の電気的な接続離脱および接続不良といった問題を解消することにより、動作の信頼性を著しく改善することができる。また、低い弾性率で設計される支持スプリングのように、製造時に不良が発生するような脆弱部品を具備していないことから、製造時における信頼性が改善できる。
また、本発明の空気圧式RF MEMSスイッチ及びその製造方法は、スイッチング部のスイッチング接点と信号線のスイッチング端子がメンブレインによって密封される構造を有することから、スイッチング接点とスイッチング端子を密封する別のパッケージング部材及び/またはパッケージング工程を要しないことから、製造コストを節減できるという効果がある。
以下、本発明に係る空気圧式RF MEMSスイッチ及びその製造方法について添付の図面に基づいて詳説する。
図1A及び図1Bに、本発明の好適な実施形態に係る空気圧式RF MEMSスイッチ10を例示している。
空気圧式RF MEMSスイッチ10は、基板11、溝部12、信号線9、空気圧作動部26、スイッチング部22及び駆動部28を備える。
基板11は、高抵抗性シリコンまたは石英基板で形成される。
図1B及び図3Aに示したように、溝部12は、基板11の一面、すなわち上面に形成され、連結通路12cを通じて互いに連通された第1トレンチ12a及び第2トレンチ12bを備える。連結通路12cは、第1トレンチ12a及び第2トレンチ12bの深さより浅く形成することが好ましいが、第1トレンチ12a及び第2トレンチ12bの深さと同一深さに形成することもできる。
信号線9は、それぞれのトレンチ12a、12bを横切って基板11に配置された第1スイッチング線15及び第2スイッチング線17を備える。第1スイッチング線15及び第2スイッチング線17は、基板11及び第1トレンチ12a、第2トレンチ12b上に形成されたグラウンド13と所定の間隔を置いて形成され、グラウンド13間に発生する電場によって信号を伝達する共面導波管路(Coplanar waveguide;CPW)によって構成される。第1スイッチング線15及び第2スイッチング線17とグラウンド13は、信号伝逹特性の優れたAuまたはPtで形成することが好ましい。
第1スイッチング線15及び第2スイッチング線17は、それぞれ第1入力接続パッド16b及び第2入力接続パッド18bを通じてメイン線1に接続され、第1出力接続パッド16a及び第2出力接続パッド18aを通じて支線3に接続される。
接続パッド16b、18b、16a、18aは、グラウンド13と同一基板11の上面に形成されるが、図4に図示したように、必要な場合、ビアホール41を通じて基板11の下面に形成することもできる。
また、図3Bに図示したように、第1スイッチング線15及び第2スイッチング線17は、第1トレンチ12a及び第2トレンチ12bにそれぞれ配置された第1スイッチング端子15a、15b及び第2スイッチング端子17a、17bを備える。第1スイッチング端子15a、15b及び第2スイッチング端子17a、17bは、後述するスイッチング部22の第1スイッチング接点23及び第2スイッチング接点25によって、互いにそれぞれ接触または離間され、信号を伝達若しくは遮断する。
空気圧作動部26は、駆動部28によってスイッチング部22の第1スイッチング接点23及び第2スイッチング接点25を、対応する第1スイッチング端子15a、15b及び第2スイッチング端子17a、17bに接続するか、あるいは離間するよう作動するためのもので、メンブレイン27を備える。
メンブレイン27は、溝部12を密閉するようグラウンド13上に形成され、連通キャビティ30cによって相互連通する第1可変エアキャビティ30a及び第2可変エアキャビティ30bを形成する第1伸縮性ドーム部27a及び第2伸縮性ドーム部27bを備える。第1可変エアキャビティ30a及び第2可変エアキャビティ30bは、一方のキャビティにだけ空気が充填している。したがって、図1Bに図示したように、駆動部28の第1駆動電極29または第2駆動電極31のうち一方、例えば第2駆動電極31に電圧が印加される時、第2駆動電極31とグラウンド13との間に発生する静電気力によりメンブレイン27の第2伸縮性ドーム部27bが、グラウンド13の方に圧縮され下降するようになる。これによって第2可変エアキャビティ30b内の空気が、連通キャビティ30cを介して第1可変エアキャビティ30aに移動し、第1可変エアキャビティ30aの体積が増加しながら、メンブレイン27の第1伸縮性ドーム部27aを膨脹させ上方に突出させるようになる。
メンブレイン27は、小さい力で圧縮及び膨脹を可能にするよう伸縮性(flexibility)に優れた誘電体(Dielectric) 物質であるシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、またはパリレン(Parylene)で形成される。
メンブレイン27は、製造の際に図5に示したように、第1可変エアキャビティ30a及び第2可変エアキャビティ30bを形成するために、第1エアキャビティ犠牲層パターン19及び第2エアキャビティ犠牲層パターン21(図3D参照)をエッチングし取除くための複数の第1エッチングホール37を備える。複数の第1エッチングホール37は、駆動部28の第1駆動電極29及び第2駆動電極31がメンブレイン27上に形成された後、第1駆動電極29及び第2駆動電極31に形成された複数の第2エッチングホール37'と共に、メンブレイン27と同一物質であるシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、またはパリレンで形成されたシール33によって密封される。
ここで、第1エッチングホール37及び第2エッチングホール37’は、シール33によって完全密封されると説明したが、駆動部28の第1駆動電極29または第2駆動電極31によって発生する静電気力により、第1伸縮性ドーム部27aまたは第2伸縮性ドーム部27bがグラウンド13の方へ下降する際に、可変エアキャビティ30aまたは30bの空気が他の可変エアキャビティ30aまたは30bに移動して、伸縮性ドーム部27aまたは27bを膨脹させ突出させ得る範囲、例えば約10%の漏れ量を有する範囲内で、一部または全体の第1エッチングホール37及び第2エッチングホール37’が密封されないように施す。
スイッチング部22は、第1スイッチング線15及び第2スイッチング線17の第1スイッチング端子15a、15b及び第2スイッチング端子17a、17bを互いに接続・断絶させるためのものとして、第1スイッチング接点23及び第2スイッチング接点25から構成される。第1スイッチング接点23及び第2スイッチング接点25はそれぞれ、第1可変エアキャビティ30a及び第2可変エアキャビティ30b内に配置された第1スイッチング線15及び第2スイッチング線17の第1スイッチング端子15a、15b及び第2スイッチング線17a、17bと対応するように、メンブレイン27の第1伸縮性ドーム部27a及び第2伸縮性ドーム部27bの内面に配置される。第1スイッチング接点23及び第2スイッチング接点25は、信号伝逹特性の優れたAu、Pt、RhまたはIrで形成することが好ましい。
駆動部28は、メンブレイン27の第1伸縮性ドーム部27a及び第2伸縮性ドーム部27bを選択的に圧縮し下降すべく作動し、グラウンド13、第1駆動電極29及び第2駆動電極31で構成される。
図3Bに図示したように、グラウンド13は、第1可変エアキャビティ30a内の第1トレンチ12a及び第2可変エアキャビティ30b内の第2トレンチ12b、基板11上に形成される。
第1駆動電極29及び第2駆動電極31のそれぞれは、メンブレイン27の第1伸縮性ドーム部27a及び第2伸縮性ドーム部27bの外面で、グラウンド13と対応するよう形成される。第1駆動電極29及び第2駆動電極31は、連結線(図示せず)によって電源供給部(図示せず)に接続されている。第1駆動電極29及び第2駆動電極31は、それぞれ電気伝導性の優れたAl、Mo、またはTaで形成することが好ましい。
第1駆動電極29または第2駆動電極31は、それぞれ電圧が印加される時、第1可変エアキャビティ30aあるいは第2可変エアキャビティ30bに形成されたグラウンド13との間に静電気力を発生して、メンブレイン27の第1伸縮性ドーム部27aまたは第2伸縮性ドーム部27bを、グラウンド13側に圧縮し下降させる。その結果、第1伸縮性ドーム部27a及び第2伸縮性ドーム部27bのうち圧縮されない方のドーム部は、図1Bを参照して説明したように空気圧により上昇して突出する。
このように構成された空気圧RF MEMSスイッチ10の作用につき図1A〜図2に基づいて詳説すると次のとおりである。
まず、メイン線1から支線3のうちいずれかを通じて信号を伝達するため、第1駆動電極29に電圧が供給されると、第1駆動電極29はグラウンド13との静電気力によってメンブレイン27の第1伸縮性ドーム部27aをグラウンド13方へ押して下降させる。
したがって、メンブレイン27の第1伸縮性ドーム部27aは、図1A及び図1Bに図示した位置から図2に示した位置に移動し、第1可変エアキャビティ30a内の空気は連通キャビティ30cを通じて、第2可変エアキャビティ30bに移動する。第2可変エアキャビティ30bは、第1可変エアキャビティ30aから移動してきた空気によって体積が増加し、メンブレイン27の第2伸縮性ドーム部27bが膨脹する。その結果、第1伸縮性ドーム部27a内に形成されたスイッチング部22の第1スイッチング接点23は、第1可変エアキャビティ30a内の第1スイッチング線15の第1スイッチング端子15a及び第2スイッチング端子15bを連結し、信号を通過させる「オン」状態になる。また、第2伸縮性ドーム部27b内に形成されたスイッチング部22の第2スイッチング接点25は、第2可変エアキャビティ30b内の第2スイッチング線17の第1スイッチング端子17a及び第2スイッチング端子17bを短絡し、信号を遮断する「オフ」状態にする。
一方、第2駆動電極31に電圧が供給されると、第2駆動電極31はグラウンド13との静電気力によってメンブレイン27の第2伸縮性ドーム部27bをグラウンド13側に押して下降させる。
従って、メンブレイン27の第2伸縮性ドーム部27bは、図2に図示した位置から図1A及び図1Bに示した位置に移動し、第2可変エアキャビティ30b内の空気は、連通キャビティ30cを通じて第1可変エアキャビティ30aに移動する。第1可変エアキャビティ30aは、第2可変エアキャビティ30bから移動してきた空気によって体積が増加し、メンブレイン27の第1伸縮性ドーム部27aが膨脹する。よって、スイッチング部22の第2スイッチング接点25は、第2スイッチング線17の第1スイッチング端子17a及び第2スイッチング端子17bを連結し、信号を通過させる「オン」状態とする。また、スイッチング部22の第1スイッチング接点23は、第1スイッチング線15の第1スイッチング端子15a及び第2スイッチング端子15bを短絡させ、信号を遮断する「オフ」状態とする。
以上、本発明の空気圧式RF MEMSスイッチ10は、メンブレイン27と第1駆動電極29及び第2駆動電極31の製造時に、第1可変エアキャビティ30a及び第2可変エアキャビティ30bを形成するために、第1エアキャビティ犠牲層パターン19及び第2エアキャビティ犠牲層パターン21をエッチングして取除くための複数の第1エッチングホール37及び第2エッチングホール37’を備えるものとして例示及び説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明の空気圧式RF MEMSスイッチ10は、メンブレイン27と第1駆動電極29及び第2駆動電極31に、第1エッチングホール37及び第2エッチングホール37’を形成する代わり、図6に図示したように、基板11の第1トレンチ12a及び第2トレンチ12bと基板11の外部との間を連通するように形成された複数のエッチング通路51を形成することができる。この時、エッチング通路51は第1可変エアキャビティ30a及び第2可変エアキャビティ30bを形成するために、第1エアキャビティ犠牲層パターン19及び第2エアキャビティ犠牲層パターン21を取り除いた後、Auのような金属ボール52を充填してから基板11を加熱し、金属ボール52を溶解することで密封する。この場合、メンブレイン27に形成された第1駆動電極29及び第2駆動電極31は、メンブレイン27と同一材質で形成された保護層33’によって保護される。
また、本発明の空気圧式RF MEMSスイッチ10は、溝部12、空気圧作動部26、スイッチング部22及び駆動部28が、それぞれ2つのトレンチ12a、12bを相互に連通する2つの可変エアキャビティ30a、30bを形成する伸縮性ドーム部27a、27bを有するメンブレイン27、2つの接点23、25及び2つの駆動電極29、31から構成されている例について説明及び例示したが、本発明はそれに限定されない。
例えば、図7に示したように、本発明の空気圧式RF MEMSスイッチ10’は空気圧作動部26’が直列接続された複数、例えば3つの伸縮性ドーム部、即ち、第1伸縮性ドーム部26a’、第2伸縮性ドーム部26b’、第3伸縮性ドーム部26c’を有するメンブレイン(図示せず)で構成することができる。この場合、メンブレインの第1伸縮性ドーム部26a’、第2伸縮性ドーム部26b’及び第3伸縮性ドーム部26c’の3つの可変エアキャビティは、そのうちの1つの体積が減少する時に、残り2つの体積が増加すべく、2つのエアキャビティにだけ空気が充填される。したがって、第1伸縮性ドーム部26a’、第2伸縮性ドーム部26b’及び第3伸縮性ドーム部26c’に形成されたいずれか1つの駆動電極(図示せず)、例えばメンブレインの第1伸縮性ドーム部26a’の第1駆動電極に電圧が供給される時、メンブレインの第1伸縮性ドーム部26a’はグラウンドとの静電気力によって圧縮され、それにより第1可変エアキャビティの空気が、残りの第2及び第3可変エアキャビティに移動して、メンブレインの第2伸縮性ドーム部26b’及び第3伸縮性ドーム部26c’を膨脹させる。その結果、図7に図示したように、メンブレインの第1伸縮性ドーム部26a’の第1スイッチング接点は、第1可変エアキャビティ内の第1スイッチング線(図示せず)の第1及び第2スイッチング端子(図示せず)を連結して、信号を通過させる「オン」状態になる。また、メンブレインの第2伸縮性ドーム部26b’の第2スイッチング接点及び第3伸縮性ドーム部26c’の第3スイッチング接点は、それぞれ第2可変エアキャビティ内の第2スイッチング線の第1及び第2スイッチング端子(図示せず)及び第3可変エアキャビティ内の第3スイッチング線の第1及び第2スイッチング端子(図示せず)を短絡させ、信号を遮断する「オフ」状態にする。
また、図8に図示したように、本発明の空気圧式RF MEMSスイッチ10”は、空気圧作動部26”が中央に位置した第1伸縮性ドーム部26a”の可変エアキャビティ(図示せず)を中心にして、その周りに位置する第2〜第5伸縮性ドーム部26b”〜26e”の可変エアキャビティ(図示せず)が相互に連通するように連結された複数のドーム部、例えば5つのドーム部26a"、26b"、26c"、26d"、26e"を有するメンブレイン(図示せず)で構成することができる。この場合、メンブレインの第1、〜第5伸縮性ドーム部の5つの可変エアキャビティは、図7に示した直列形態の空気圧式RF MEMSスイッチ10’と同様に、1つの体積が減少する時に、残り4つの体積が増加するように、4つの可変エアキャビティにだけ空気が充填される。従って、空気圧式RF MEMSスイッチ10”の動作は、スイッチングする支線3の数だけ相違し、図1A〜図2に示した空気圧式RF MEMSスイッチ10及び図7に図示した直列形態の空気圧式RF MEMSスイッチ10’とほとんど同一原理により動作する。
また、図9に示したように、本発明の空気圧式RF MEMSスイッチ10’’’は、 空気圧作動部26’’’がそれぞれ図1A〜図2に図示した空気圧式RF MEMSスイッチ10の空気圧作動部26と同一構造を有する複数の小空気圧作動部、例えば 3つの小空気圧作動部26a’’’、26b’’’、26b””を並列に順次連結する形態で構成することもできる。この場合、メイン線1から支線3つのうち1つに信号伝達を行なう場合には、2つの駆動電極、例えば図9に示したように、上位に配置された第1小空気圧作動部26a’’’の第1伸縮性ドーム部26aa'に配置された駆動部(図示せず)の第1駆動電極(図示せず)と、下位に配置された第2小空気圧作動部26b’’’及び第3小空気圧作動部26b””のうちの1つ、即ち、第2小空気圧作動部26b’’’の第1伸縮性ドーム部26ba'に配置された駆動部(図示せず)の第1駆動電極(図示せず)を同時に駆動しなければならないということを除けば、図1A〜図2に図示した空気圧式RF MEMSスイッチ10と同一原理により動作する。
このように構成された本発明の好適な実施形態に係る空気圧式RF MEMSスイッチ10の製造方法につき、図3A〜図6に基づいて詳説すると次のとおりである。
まず、高抵抗性シリコンまたは石英から形成された基板11を準備し、基板11上には図3Aに図示したように、連結通路12cを通じて相互に連通する第1トレンチ12a及び第2トレンチ12bを備える溝部12を形成する。
すなわち、溝部12を形成するために、基板11の上面にはフォトレジスト(図示せず)を厚く塗布する。このフォトレジストは、溝部12のパターンを含むフォトマスク(図示せず)を使って、露光及び現像するフォトリソグラフィ工程によってパターニングされる。その結果、基板11の上面には溝部エッチングマスクパターン(図示せず)が形成される。
この時、溝部エッチングマスクパターンは、フォトレジストをフォトリソグラフィ工程でパターニングを行なう代わりに、シリコン酸化膜、窒化膜、エポキシ樹脂膜、純粋金属フィルムなどを蒸着またはスパッタリングする方法により形成する。
また、選択的に、溝部エッチングマスクパターンは、後に形成される第1及び第2可変エアキャビティ30a、30bを形成するための第1及び第2エアキャビティ犠牲層パターン19、21をエッチングし取除くための第1及び第2エッチングホール37、37’を、メンブレイン27と第1及び第2駆動電極29,31に形成する代わり、それに対応する複数のエッチング通路51(図6A参照)を基板11に形成する場合、基板11に複数のエッチング通路51を形成するようエッチング通路51のパターンを更に含んで形成することもできる。
溝部エッチングマスクパターンが形成された後、基板11の上面は溝部エッチングマスクパターンをエッチングマスクで使用しエッチングされる。この時、基板11は、高抵抗性シリコンで形成された場合、エッチングガスとしてシリコン基板に対しエッチング選択性を有するSF6ガスなどを使う乾式エッチングによりエッチングされる。石英で形成された場合、エッチング液として石英に対しエッチング選択性を有するエッチング液を使う湿式エッチングによりエッチングされることが好ましい。
その結果、図3Aに示したように、基板11の上面には第1及び第2トレンチ12a、12bを備える溝部12が形成される。
また、エッチング時に基板11の上面に流入した有機物及び溝部用エッチングマスクパターンが除去される。
次に、溝部12の形成された基板11上にはAuまたはPtで構成された第1金属層(図示せず)がスパッタリング方法、真空蒸着などのような方法により形成される。
さらに、第1金属層上には、フォトレジスト(図示せず)を塗布して信号線9の第1スイッチング線15及び第2スイッチング線19及びグラウンド13のパターンを持つフォトマスクにより、フォトレジストを露光及び現像するフォトリソグラフィ工程に基づいて、信号線及びグラウンドエッチングマスクパターン(図示せず)が形成される。この時、基板11に第1及び第2エアキャビティ犠牲層パターン19、21をエッチングし取除くための複数のエッチング通路51が形成された場合、信号線及びグラウンドエッチングマスクパターンは、エッチング通路51の形成された部分に信号線9またはグラウンド13が形成されないように、エッチング通路51のパターンを更に含んで形成される。
信号線及びグラウンドエッチングマスクパターンが形成された後、信号線及びグラウンドエッチングマスクパターンをエッチングマスクで使う乾式または湿式エッチングに基づいて第1金属層をパターニングし、信号線及びグラウンドエッチングマスクパターンを除去する。その結果、図3Bに図示したように、基板11上には、信号線9の第1スイッチング線15及び第2スイッチング線19及びグラウンド13が形成される。
ここで、信号線9の第1スイッチング線15及び第2スイッチング線19と、グラウンド13を形成する工程は、フォトリソグラフィ工程を通じて形成された信号線及びグラウンドエッチングマスクパターンを使うとして説明しているが、他の方法、例えばレーザートリミング(laser trimming) 方法に基づいて行うこともできる。
その後、第1エアキャビティ犠牲層パターン19を形成するため、信号線9の第1スイッチング線15及び第2スイッチング線19及びグラウンド13の形成された基板11上には、後のエッチング工程により除去できるように、基板11、第1及び第2スイッチング線15、19、グラウンド13、及びメンブレイン27よりエッチング選択比の高いフォトレジストのような物質で形成された第1犠牲層(図示せず)が形成される。第1犠牲層は、最終的に第2エアキャビティ30b内において、第1エアキャビティ犠牲層パターン19上に形成されるスイッチング部22の第2スイッチング接点25が、第2スイッチング線17の第1スイッチング端子17a及び第2スイッチング端子17bと接合しないように分離する役割をする。
第1犠牲層の形成後、第1犠牲層上にはフォトリソグラフィ工程で溝部12のパターンを有する第1犠牲層エッチングマスクパターン(図示せず)が形成される。この時、基板11に第1及び第2エアキャビティ犠牲層パターン19、21をエッチングし取除くための複数のエッチング通路51が形成された場合、第1犠牲層エッチングマスクパターンはエッチング通路51の形成された部分に塗布された第1犠牲層が除去されないように、エッチング通路51のパターンを更に含む。
また、第1犠牲層は、第1犠牲層エッチングマスクパターンをエッチングマスクで使ってエッチングされ、第1犠牲層エッチングマスクパターンが除去される。その結果、基板11の溝部12には第1エアキャビティ犠牲層パターン19が形成される。第2トレンチ12bに位置した第1エアキャビティ犠牲層パターン19は、圧縮状態のメンブレイン27の第2伸縮性ドーム部27b内面の形態を規定する。
その後、第1エアキャビティ犠牲層パターン19の形成された基板は約200〜300℃で硬化される。
その後、第1エアキャビティ犠牲層パターン19の形成された基板11上には、第1犠牲層と同一フォトレジストのような物質で形成された第2犠牲層(図示せず)が形成される。第1エアキャビティ犠牲層パターン19上に形成される第2犠牲層の厚さは、後で第1可変エアキャビティ30aに充填される空気の体積及び量を決定する。
第2犠牲層の形成後、第2犠牲層上にはフォトリソグラフィ工程で第1可変エアキャビティ30aのパターンを有する第2犠牲層エッチングマスクパターン(図示せず)が形成され、第2犠牲層は第2犠牲層エッチングマスクパターンをエッチングマスクとして使用しエッチングされ、第2犠牲層エッチングマスクパターンが除去される。その結果、図3Cに示したように、第1エアキャビティ犠牲層パターン19上には第2エアキャビティ犠牲層パターン21が形成される。第2エアキャビティ犠牲層パターン21は、膨脹状態のメンブレイン27の第1伸縮性ドーム部27a内面の形態を規定する。
次に、第1及び第2エアキャビティ犠牲層パターン19、21が形成された基板11は約200〜300℃で硬化される。
その後、基板11上には、スイッチング部22の第1及び第2スイッチング接点23、25を形成するAu、Pt、RhまたはIrで形成された第2金属層(図示せず)が蒸着され、第2金属層はフォトリソグラフィ工程で第2金属層上に形成された接点エッチングマスクパターン(図示せず)を使用してエッチングする方法、レーザートリミング方法によりパターニングされる。その結果、図3Dに図示したように、第2トレンチ12b上の第1エアキャビティ犠牲層パターン19と第2エアキャビティ犠牲層パターン21上には第1及び第2スイッチング接点23、25が形成される。
その後、第1及び第2スイッチング接点23、25の形成された基板11上にはメンブレイン層(図示せず)が伸縮性の優れた物質であるシリコン窒化膜、シリコン酸化膜またはパリレンで形成される。
メンブレイン層の形成後、メンブレイン層上にはフォトリソグラフィ工程でメンブレイン27のパターンを有するメンブレインエッチングマスクパターン(図示せず)が形成される。
ここで、メンブレイン層は、メンブレインエッチングマスクパターンをエッチングマスクにエッチングされ、メンブレインエッチングマスクパターンは除去される。その結果、基板11には第1及び第2エアキャビティ犠牲層パターン19、21を覆うメンブレイン27が形成される。
メンブレイン27に形成された後、メンブレイン27の形成された基板11上には駆動部28の第1及び第2駆動電極29、31を形成するAl、MoまたはTaで形成された第3金属層が蒸着される。この第3金属層は、フォトリソグラフィ工程により第3金属層上に形成された第2エッチングホール37'のパターンを含む駆動電極エッチングマスクパターン(図示せず)で使ってエッチングを行なう方法、レーザートリミング方法によりパターニングされる。その結果、図3Eに示したように、メンブレイン27上には第2エッチングホール37'を具備した第1及び第2駆動電極29、31が形成される。
第1駆動電極29及び第2駆動電極31の形成後、メンブレイン27は第1エッチングホール37を形成するために、駆動電極エッチングマスクパターンをエッチングマスクで使ってエッチングを行なう方法及びレーザートリミング方法によりパターニングされ、駆動電極エッチングマスクパターンが除去される。その結果、メンブレイン27には第1エッチングホール37が形成される。
第1エッチングホール37の形成後、第1エアキャビティ犠牲層パターン19及び第2エアキャビティ犠牲層パターン21は、第1エッチングホール37及び第2エッチングホール37’を通じて、第1及び第2犠牲層のフォトレジストに関してエッチング選択性を有する溶媒を使う湿式エッチング、またはO2プラズマを使うアッシング工程により除去される。この時、図6に図示したように、第1エアキャビティ犠牲層パターン19及び第2エアキャビティ犠牲層パターン21をエッチングして取除くために、メンブレイン27と第1駆動電極29及び第2駆動電極31に第1エッチングホール37及び第2エッチングホール37’を形成する代わりに、基板11にエッチング通路51を形成した場合、エッチング通路51を通じて第1エアキャビティ犠牲層パターン19及び第2エアキャビティ犠牲層パターン21を除去する。
第1エアキャビティ犠牲層パターン19及び第2エアキャビティ犠牲層パターン21の除去後、第1エッチングホール37及び第2エッチングホール37’の密封のために、メンブレイン27の形成された基板11上にはシール層(図示せず)が形成される。この時、シール層はメンブレイン層と同様、伸縮性誘電体物質であるシリコン窒化膜、シリコン酸化膜またはパリレンで形成される。
シール層の形成後、シール層上にはフォトリソグラフィ工程でメンブレイン27のパターンを有するシールエッチングマスクパターン(図示せず)を形成し、このシールエッチングマスクパターンをエッチングマスクとして使ってシール層をエッチングし、さらにシールエッチングマスクパターンを除去する。その結果、基板11には、図3F及び図5に示したように、シール33により密封されたメンブレイン27が形成され、空気圧式RF MEMSスイッチ10の製造工程が終了する。
選択的に、第1エアキャビティ犠牲層パターン19及び第2エアキャビティ犠牲層21を、第1エッチングホール37及び第2エッチングホール37’を介さずに、エッチング通路51を介して除去した場合、基板11のエッチング通路51は、図6に示したように、第1エアキャビティ犠牲層パターン19及び第2エアキャビティ犠牲層パターン21の除去後、Auのような金属ボール52で充填した後、基板11を加熱して金属ボール52を溶解することにより密封できる。また、この時、駆動部28の第1駆動電極29及び第2駆動電極31を保護するために、第1駆動電極29及び第2駆動電極31が形成された基板11上には、前述のシール33を形成する方法と同一方法によりシール層と同一材質の保護層33'(図6参照)を形成する。
以上、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を図示および説明してきたが本発明の保護範囲は、前述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
第2スイッチング線が「オン」状態を例示する本発明の良好な実施形態に係る空気圧式RF MEMSスイッチの斜視図である。 第2スイッチング線が「オン」状態を例示する本発明の良好な実施形態に係る空気圧式RF MEMSスイッチの断面図である。 第1スイッチング線が「オン」状態を例示する図1Aに示した空気圧式RF MEMSスイッチの斜視図である。 図1A及び図1Bに示した空気圧式RF MEMSスイッチの製造過程を例示する工程図である。 図1A及び図1Bに示した空気圧式RF MEMSスイッチの製造過程を例示する工程図である。 図1A及び図1Bに示した空気圧式RF MEMSスイッチの製造過程を例示する工程図である。 図1A及び図1Bに示した空気圧式RF MEMSスイッチの製造過程を例示する工程図である。 図1A及び図1Bに示した空気圧式RF MEMSスイッチの製造過程を例示する工程図である。 図1A及び図1Bに示した空気圧式RF MEMSスイッチの製造過程を例示する工程図である。 図1A及び図1Bに示した空気圧式RF MEMSスイッチの第1及び第2スイッチング線の接続パッドの他の例を示した部分断面図である。 図1A及び図1Bに示した空気圧式RF MEMSスイッチのメンブレインの第1エッチングホールと第1及び第2駆動電極の第2エッチングホール密封するシールを例示する拡大断面図である。 図1A及び図1Bに示した空気圧式RF MEMSスイッチのメンブレインと第1及び第2駆動電極に第1及び第2エッチングホールを形成しない時の基板に形成されるエッチング通路を例示する断面図である。 本発明に係る空気圧式RF MEMSスイッチの一変形例を示す斜視図である。 本発明に係る空気圧式RF MEMSスイッチの他の変更例を示す斜視図である。 本発明に係る空気圧式RF MEMSスイッチの更なる変更例を示す斜視図である。
符号の説明
10、10'、10"、10"" スィッチ
9 信号線
11 基板
12 溝部
13 グラウンド
15、17 スイッチング線
22 スイッチング部
23、25 スイッチング接点
26、26'、26"、26’’’ 空気圧作動部
27 メンブレイン
28 駆動部
29、31 駆動電極
30a、30b エアキャビティ
33 シール
37、37' エッチングホール

Claims (44)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置され、少なくとも1つが圧縮する時に残りが膨脹するよう互いに連通する複数の可変エアキャビティを備える空気圧作動部と、
    前記複数の可変エアキャビティのうち1つを通過するよう配置され、それぞれの前記可変エアキャビティ内で互いに一定の間隔離れた第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子を備える複数のスイッチング線を含む信号線と、
    前記空気圧作動部と共に移動するよう前記空気圧作動部の前記各可変エアキャビティ内に設置され、それぞれ対応する可変エアキャビティが膨張する時には前記第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子が接続されていない状態を維持し、可変エアキャビティが圧縮する時には前記第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子を接続するスイッチング部と、
    前記複数の可変エアキャビティを選択的に圧縮させるべく前記空気圧作動部を作動する駆動部と、
    を含むことを特徴とする空気圧式RF MEMSスイッチ。
  2. 前記基板が、高抵抗性シリコン及び石英のいずれかで形成されたことを特徴とする請求項1に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  3. 前記空気圧作動部が、前記基板に互い連通すべく形成された複数のトレンチを密閉するように形成され、前記複数の可変エアキャビティを形成するメンブレインを含むことを特徴とする請求項1に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  4. 前記メンブレインが、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜及びパリレンのいずれか1つにより形成されたことを特徴とする請求項3に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  5. 前記メンブレインは、製造時に犠牲層パターンを用いて前記複数の可変エアキャビティを形成する際に、前記犠牲層パターンをエッチングして取除くための複数の第1エッチングホールを含み、
    前記複数の第1エッチングホールはシールにより密封されることを特徴とする請求項3に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  6. 前記メンブレインは、製造時に犠牲層パターンを用いて前記複数の可変エアキャビティを形成する際に、前記犠牲層パターンをエッチングして取除くための複数の第1エッチングホールを含み、
    前記複数の第1エッチングホールは、前記複数の可変エアキャビティのうち少なくとも1つが圧縮する時に残りが膨脹するように前記メンブレインが動作可能な範囲内で、少なくとも一部または全体がシールによって密封されていないことを特徴とする請求項3に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  7. 前記複数のスイッチング線は、それぞれ電場によって信号を伝達するように、対応するトレンチに形成されたグラウンドに対して所定間隔をおいて形成された共面導波管路を含むことを特徴とする請求項3に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  8. 前記グラウンドと前記信号線それぞれが金(Au)及び白金(Pt)のいずれかにより形成されたことを特徴とする請求項7に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  9. 前記スイッチング部は、各可変エアキャビティ内に配置されたスイッチング線の第1スイッチング端子及び第2スイッチング端子に対応するように、前記メンブレイン内面に形成された複数のスイッチング接点を含むことを特徴とする請求項3に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  10. 前記複数のスイッチング接点が、それぞれ金(Au)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)のいずれか1つにより形成されたことを特徴とする請求項9に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  11. 前記駆動部が、
    前記可変エアキャビティ内にて前記トレンチに形成されたグラウンドと、
    前記グラウンドと対応するよう前記メンブレインの外面に形成され、それぞれ電圧が印加される時前記グラウンドとの間に静電気力を発生して、対応する前記メンブレインの前記可変エアキャビティを圧縮する複数の駆動電極と、
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  12. 前記複数の駆動電極が、それぞれアルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)のいずれか1つにより形成されたことを特徴とする請求項11に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  13. 前記複数の駆動電極は、製造時に犠牲層パターンを用いて前記複数の可変エアキャビティを形成する際に、前記犠牲層パターンをエッチングして取除くための複数の第2エッチングホールを含み、
    前記複数の第2エッチングホールはシールによって密封されていることを特徴とする請求項11に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  14. 前記複数の駆動電極は、製造時に犠牲層パターンを用いて前記複数の可変エアキャビティを形成する際に、前記犠牲層パターンをエッチングして取除くための複数の第2エッチングホールを含み、
    前記複数の第2エッチングホールは、前記複数の可変エアキャビティのいずれか1つが圧縮される時残りが膨脹するように前記メンブレインが動作可能な範囲内で、少なくとも一部または全体がシールによって密封されていないことを特徴とする請求項11に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  15. 前記トレンチ、前記可変エアキャビティ、前記スイッチング線、前記スイッチング接点及び前記駆動電極がそれぞれ2つずつ形成されていることを特徴とする請求項11に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  16. 前記トレンチ、前記可変エアキャビティ、前記スイッチング線、前記スイッチング接点及び前記駆動電極がそれぞれ3つ以上形成されており、前記複数のトレンチと前記複数の可変エアキャビティが、それぞれ直列に配置され互いに連通するように形成されたことを特徴とする請求項11に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  17. 前記トレンチ、前記可変エアキャビティ、前記スイッチング線、前記スイッチング接点及び前記駆動電極がそれぞれ3つ以上形成されており、前記複数のトレンチと前記複数の可変エアキャビティは、それぞれ少なくとも1つを中心にして残りが周りに配置され互い連通するよう形成されたことを特徴とする請求項11に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  18. 前記トレンチ、前記可変エアキャビティ、前記スイッチング接点及び前記駆動電極のそれぞれ2つによって1組のユニットを構成する複数のスィッチユニットを形成し、
    前記複数のスィッチユニットのうち、1つの前記スィッチユニットが他の2つのスィッチユニットと並列に接続された形態で構成されていることを特徴とする請求項11に記載の空気圧式RF MEMSスイッチ。
  19. 基板上に信号線及びグラウンドを形成するステップと、
    前記信号線と前記グラウンドの形成された前記基板上に、互いに連通する複数の可変エアキャビティを備えるメンブレインを形成するための犠牲層パターンを形成するステップと、
    前記犠牲層パターン上に前記信号線をスイッチングする複数のスイッチング接点を形成するステップと、
    前記複数のスイッチング接点の形成された前記犠牲層パターン上に前記犠牲層パターンを覆うメンブレインを形成するステップと、
    前記メンブレインが前記複数の可変エアキャビティを選択的に圧縮するように動作する複数の駆動電極をグラウンドに対応すべく形成するステップと、
    前記犠牲層パターンを取除くステップと、
    を含むことを特徴とする空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  20. 前記信号線及び前記グラウンドを形成するステップが、
    前記基板に相互に連通する複数のトレンチを備える溝部を形成するステップと、
    前記溝部の形成された前記基板上に、それぞれの前記トレンチを横切って配置され、それぞれの前記トレンチに前記第1及び第2スイッチング端子を有する前記複数のスイッチング線を備えた前記信号線及び前記信号線の前記複数のスイッチング線と所定の間隔隔てているグラウンドを形成するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項19に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  21. 前記溝部を形成するステップが、
    前記基板に前記溝部を形成するための溝部エッチングマスクパターンを形成するステップと、
    前記溝部エッチングマスクパターンを使用し前記基板をエッチングするステップと、
    前記溝部エッチングマスクパターンを取除くステップと、
    を含むことを特徴とする請求項20に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  22. 前記溝部エッチングマスクパターンが、シリコン酸化膜、窒化膜、フォトレジスト、エポキシ樹脂、金属のいずれか1つにより形成されたことを特徴とする請求項21に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  23. 前記溝部エッチングマスクパターンが、前記基板に前記犠牲層パターンをエッチングして取除くための複数のエッチング通路を形成するエッチング通路パターンを更に含むことを特徴とする請求項21に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  24. 前記基板は高抵抗性シリコン及び石英のいずれかにより形成され、
    前記基板をエッチングするステップにおいて、前記基板が高抵抗性シリコンで形成された場合乾式エッチングで行なわれ、前記基板が石英で形成された場合は湿式エッチングで行なわれることを特徴とする請求項21に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  25. 前記溝部の形成された前記基板上に前記信号線と前記グラウンドを形成するステップが、
    前記溝部の形成された前記基板上に第1金属層を形成するステップと、
    前記信号線及び前記グラウンドを形成すべく前記第1金属層をパターニングするステップと、
    を含むことを特徴とする請求項20に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  26. 前記第1金属層が、金(Au)及び白金(Pt)のいずれか1つにより形成されたことを特徴とする請求項25に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  27. 前記犠牲層パターンを形成するステップが、
    前記信号線と前記グラウンドの形成された基板上に第1犠牲層を形成するステップと、
    前記第1犠牲層をパターニングして圧縮状態の少なくとも1つの可変エアキャビティを形成するための第1エアキャビティ犠牲層パターンを形成するステップと、
    前記第1エアキャビティ犠牲層パターンの形成された前記基板を硬化させるステップと、
    硬化された前記基板上に第2犠牲層を形成するステップと、
    前記第2犠牲層をパターニングして前記圧縮状態の前記少なくとも1つの前記可変エアキャビティを除いた膨脹状態の残りの可変エアキャビティを形成するための第2エアキャビティ犠牲層パターンを形成するステップと、
    前記第2エアキャビティ犠牲層パターンの形成された前記基板を硬化させるステップと、
    を含むことを特徴とする請求項19に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  28. 前記第1犠牲層及び第2犠牲層が、フォトレジストで形成されたことを特徴とする請求項27に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  29. 前記複数のスイッチング接点を形成するステップが、
    前記犠牲層パターンの形成された前記基板上に第2金属層を形成するステップと、
    それぞれの前記スイッチング線の前記第1及び第2スイッチング端子に対応すべく複数の接点を形成するよう前記第2金属層をパターニングするステップと、
    を含むことを特徴とする請求項20に記載の空気圧式RFMEMSスイッチの製造方法。
  30. 前記第2金属層が、金(Au)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)及びイリジウム(Ir)のいずれか1つにより形成されたことを特徴とする請求項29に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  31. 前記メンブレインを形成するステップが、
    前記複数のスイッチング接点の形成された前記基板上にメンブレイン層を形成するステップと、
    前記犠牲層パターンを覆うメンブレインを形成するよう前記メンブレイン層をパターニングするステップと、
    を含むことを特徴とする請求項19に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  32. 前記メンブレイン層が、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜及びパリレンのいずれか1つにより形成されたことを特徴とする請求項31に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  33. 前記複数の駆動電極を形成するステップが、
    前記メンブレインの形成された前記基板上に第3金属層を形成するステップと、
    前記メンブレイン内の各可変エアキャビティに対応すべく前記複数の駆動電極を形成するように前記第3金属層をパターニングするステップと、
    を含むことを特徴とする請求項19に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  34. 前記第3金属層が、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)及びタンタル(Ta)のいずれか1つにより形成されたことを特徴とする請求項33に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  35. 前記第3金属層をパターニングするステップが、犠牲層パターンをエッチングして取除くための複数の第2エッチングホールが前記複数の駆動電極に形成されるように前記第3金属層をパターニングするステップを更に含み、
    前記複数の駆動電極を形成するステップが、前記犠牲層パターンをエッチングし取除くための複数の第1エッチングホールが前記メンブレインに形成されるように、前記メンブレインをパターニングするステップを更に含むことを特徴とする請求項33に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  36. 前記犠牲層パターンを取除くステップが、前記複数の第1エッチングホール及び第2エッチングホールを通じて前記犠牲層パターンを湿式エッチング及びアッシング工程のいずれかにより取除くステップを含むことを特徴とする請求項35に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  37. 前記複数の第1エッチングホール及び第2エッチングホールを密封するステップを更に含むことを特徴とする請求項36に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  38. 前記複数の第1エッチングホール及び第2エッチングホールを密封するステップが、
    前記犠牲層パターンの除去された前記基板上にシール層を形成するステップと、
    前記複数の第1エッチングホール及び第2エッチングホールを密封するシールを形成するよう前記シール層をパターニングするステップと、
    を含むことを特徴とする請求項37に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  39. 前記シール層が、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜及びパリレンのいずれか1つにより形成されたことを特徴とする請求項38に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  40. 前記シール層をパターニングするステップにおいて、前記複数の可変エアキャビティのうち、少なくとも1つが圧縮する時残りが膨脹するように前記メンブレインが動作可能な範囲内で、前記複数の第1エッチングホール及び第2エッチングホールのうち少なくとも一部または全体が、前記シールによって密封されずに開放するように形成することを特徴とする請求項38に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  41. 前記犠牲層パターンを取除くステップが、前記複数のエッチング通路を通じて前記犠牲層パターンを湿式エッチング及びアッシング工程のいずれかにより取除くステップを含むことを特徴とする請求項23に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  42. 前記複数のエッチング通路を密封するステップを更に含むことを特徴とする請求項41に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  43. 前記複数のエッチング通路を密封するステップが、
    前記犠牲層パターンの除去された前記基板の前記複数のエッチング通路を金属ボールで塞ぐステップと、
    前記基板を加熱して前記金属ボールを溶解し、前記複数のエッチング通路を密封するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項42に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
  44. 前記複数の駆動電極を保護するよう前記複数の駆動電極上に保護層を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項43に記載の空気圧式RF MEMSスイッチの製造方法。
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