JP2007163143A - 振動片の調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動型ジャイロを静止した状態において、面外振動成分による不要検出出力を抑制し、信頼性が高い振動型ジャイロを実現する振動片の調整方法を提供する。
【解決手段】振動片10の調整方法は、圧電材料からなり、Z軸方向に厚みを有し、直交するX軸方向及びY軸方向面内に展開される振動片10の調整方法であって、静止時において、Y軸方向に平行に延在される腕部1a(腕部1bを含む)をX軸方向に屈曲振動させ、振動片10の形成時に腕部1aのX軸方向側面に発生するヒレ111に起因する図心軸の位置がP2に移動することにより発生する不要検出出力を検出する工程と、検出された前記不要検出出力のレベルに対応して腕部1aの稜線部113を除去する調整工程と、を含み、稜線部113を除去することによって、図心軸位置P2を図心軸位置P3に移動させ不要検出出力の発生を抑制する。
【選択図】図7

Description

本発明は、振動片の調整方法に関し、詳しくは、振動型ジャイロセンサに用いる振動片形成時に発生する突起部により出現する不要検出出力または振動のアンバランスを抑制する振動片の調整方法に関する。
従来、振動ジャイロセンサに用いられる振動片において、振動出力ノイズ(不要検出出力)を抑制する各種の調整方法が提案されている。
その調整手段として、負荷抵抗の調整をする方法、位相差を調整する方法があるが、位相差を調整する方法としては、バイモルフ型の振動片において、駆動検出電極の一部を削除することで駆動検出電極と共通電極間の静電容量を変え位相差を調整する方法がある。また、振動体のエッジを切削する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、音叉型振動片において、検出信号と基準信号との位相差による不要検出出力を抑制する方法として、振動片の腕部(アーム部)が連結される上端位置部分の稜線を切削する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、振動片をエッチング等の加工手段により形成したとき、エッチング速度異方性が存在する材料において、振動腕部の断面形状が台形状となり所定の振動方向以外の振動が発生する。この不要検出出力を抑制するために、振動腕の根元部をレーザー光を照射して研削する調整方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、2対の駆動腕と、駆動腕とは離間した位置に1対の検出腕を備える振動片において、駆動腕及び検出腕の先端の幅広部表面に質量調整膜(錘層)を形成し、この質量調整膜をトリミングして質量を減らし、駆動モードの共振周波数を上昇させることで駆動腕間の共振周波数差を減じ、駆動腕から検出腕へ振動が伝搬することによる不要振動信号を減ずるという調整方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2003−121156号公報(第7頁、図8〜図13) 特開平11−351874号公報(第10,11頁、図4) 特開2005−249728号公報(第17,18頁、図41,42) 特開2004−286476号公報(第4頁、図3)
このような特許文献1では、駆動検出信号と基準信号との位相差をなくして不要検出出力を抑制し、特許文献4では、駆動腕間の共振周波数をトリミング調整することで不要検出出力を抑制している。これらは共に、X軸方向及びY軸方向面内の振動の位相差や検出腕への駆動腕からの振動伝播による不要検出出力を抑制することはできるが、X軸方向及びY軸方向面外の振動(以降、単に面外振動と表すことがある)が発生する場合には、面外振動に起因する不要検出出力を抑制することはできないという課題を有している。
また、前述の特許文献3では、振動腕の断面形状が台形になる場合のX軸方向及びY軸方向面外の振動による不要検出出力を抑制することができるが、振動片形成の方法によっては、振動腕の断面形状が異なるため不要検出出力の抑制が適切にできないことが予想される。
また、特許文献2及び特許文献3では、トリミング位置が振動腕の根元部となっており、このような位置は、振動腕の振動に影響を与えやすい位置であるため調整量を多くすることはできるが、微調整は難しく、また、振動腕に衝撃等が加えられた際には、ダメージを受けやすいといわれている。
さらに、静止状態で屈曲振動している複数の振動腕が、振動子全体としては振動のバランスがとれている場合でも、振動腕の個々が面外振動を有している場合には面外振動による他軸感度が発生する。前述した特許文献1〜特許文献4では、この他軸感度(不要な角速度出力)の抑制ができないという課題を有している。
本発明の目的は、前述した課題を解決することを要旨とし、振動型ジャイロを静止した状態において、面外振動成分による不要検出出力を抑制し、信頼性が高い振動型ジャイロを実現する振動片の調整方法を提供することである。
本発明の振動片の調整方法は、圧電材料からなり、Z軸方向に厚みを有し、直交するX軸方向及びY軸方向面内に展開される振動片の調整方法であって、静止時において、前記Y軸方向に平行に延在される複数の腕部をX軸方向に屈曲振動させ、前記振動片の形成時に前記腕部のX軸方向側面に発生する突起部に起因する図心または図心軸の移動による不要検出出力、または+X軸方向と−X軸方向の振動のアンバランスを検出する工程と、検出された前記不要検出出力のレベルに対応して前記複数の腕部の選択された位置の質量を除去する調整工程と、を含み、前記調整工程によって、前記図心または図心軸の移動量を減ずることにより不要検出出力または振動のアンバランスの発生を抑制することを特徴とする。
ここで、X軸は電気軸、Y軸は機械軸、Z軸は光学軸である。また、図心とは腕部のXZ平面における重心を意味し、図心軸とはXZ平面における図心(重心)を通りX軸またはZ軸に平行な軸を意味する。
圧電材料として代表的な水晶は、エッチング速度異方性を有し、振動片をエッチング加工により形成する場合には、+X軸方向に突起部(以降、この突起部をヒレと呼称する)が生成されることが知られている。このようなヒレが生成されると、腕部の断面の図心や図心軸がヒレの方向に移動する。この状態で、腕部をX軸方向に屈曲振動をさせたときに、この振動子全体としての振動バランスがとれていても、腕部個々には、面外振動や+X方向と−X方向との振動(振幅)のアンバランスが発生する。面外振動があると検出部に屈曲振動のみでは発生しない不要検出出力が検出部に発生し、振動型ジャイロをY軸を中心に回転させたときに正確な角速度が出力されないという課題がある。また、振動のアンバランスが生じると検出振動にもアンバランスが生じ、すなわち検出出力にもアンバランスが生じる。
本発明によれば、振動型ジャイロを静止した状態で、検出部からの検出出力(これを不要検出出力と呼ぶ)を検出し、この不要検出出力の検出レベルに対応した位置において必要な質量の除去を行うことにより、図心または図心軸をヒレがない状態(理想状態)まで、あるいは直近まで移動させることで振動のアンバランス、面外振動成分を抑制し正確な角速度を出力することができる。
また、振動のアンバランス(振幅のアンバランス)についても、図心または図心軸をヒレがない状態(理想状態)まで、あるいは直近まで移動させることで振動のバランスをとることができ、検出出力バランスをヒレがない状態に近づけることができる。
また、本発明では、静止時において、前記Y軸方向に平行に延在される複数の腕部をX軸方向に屈曲振動させ、前記図心または前記図心軸の移動よって生ずる不要検出出力を検出する工程と、前記複数の腕部の所定位置における所定量の質量を減ずる予備工程と、この予備工程後に不要検出出力を検出する予備検出工程と、前記予備検出工程によって得られた前記不要検出出力の増減に対応して、質量を除去する位置と量とを判断し、前記複数の腕部の選択された位置の質量を減ずる調整工程と、を含み、前記図心または前記図心軸の移動量を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することが好ましい。
上述した予備工程や予備検出工程をせずに、いきなり調整工程を行う場合では、特に調整場所が定まらないことが予想され、この際、不要検出出力が逆に大きくなったり、所望の規定値以下に不要検出出力を抑制できないことが考えられるが、上述したように予備工程及び予備検出工程を設けることにより、ヒレに対応した質量を除去する位置と量とを予め決定して後続する調整工程により、不要検出出力を効率よく行うことができる。
また、前記予備工程及び前記調整工程が、前記突起部が存在する対角の稜線の一部をトリミング手段により除去する工程であり、前記図心軸の移動量を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することが好ましい。
ここで、図心軸が移動することにより発生する不要検出出力とは、ヒレの存在(特にヒレの頂点位置)によって図心軸が理想の位置(ヒレが存在しない)からずれ、ずれた図心軸で2分される腕部断面の面積比が異なることにより、内部応力分布に差が生じ、この内部応力分布差によって一般にウォークタイプと呼ばれる面外振動が発生し、静止時における面外振動による出力である。
このように、ヒレが存在する対角の稜線の一部の質量を除去することで、図心軸をヒレがない理想状態に近い状態の位置に移動させることができ、結果として図心軸の移動量を減ずることになる。従って、面外振動を抑制することができるので、不要検出出力(以降、不要な面外振動に伴う検出出力を他軸感度と表すことがある)を抑制することができる。
なお、トリミング手段としては、例えば、リューター等による研削、エッチング、レーザー加工等を採用できる。
また、前記予備工程前に、前記複数の腕部の先端部近傍のZ方向の表裏両面に金属膜からなる錘層を形成する工程をさらに含み、前記予備工程及び前記調整工程が、前記錘層の一部をトリミング手段により除去する工程を含み、前記図心の移動量を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することが好ましい。
腕部にヒレが発生することに起因する面外振動としては、ウォークタイプの他に、一般にバタフライタイプと呼ばれる面外振動がある。このような面外振動は、腕部断面の図心位置が移動することにより発生する。
従って、上述した調整方法によれば、腕部に予め設けられた錘層の一部を除去することにより、図心位置をヒレが発生しない理想状態に近い図心位置まで移動させることにより、面外振動を抑制することができるので、不要検出出力や他軸感度を抑制することができる。
また、本発明による振動片の他の調整方法は、前述した腕部の稜線の一部を除去する調整方法を第1調整工程とし、前記第1調整工程の後に、前記複数の腕部の先端部近傍のZ方向の表裏両面に金属膜からなる錘層を形成する工程と、前記錘層の所定位置における所定量の錘層の質量を減ずる予備工程と、この予備工程後に図心の移動によって生ずる不要検出出力を検出する予備検出工程と、前記予備検出工程によって得られた不要検出出力のレベルの増減に対応して、前記錘層を除去する位置と量とを判断し、前記錘層の選択された位置の質量をトリミング手段によって減ずる第2調整工程と、を含み、前記図心軸及び図心の移動を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することを特徴とする。
第1の調整工程は、図心軸の移動に関しての腕部の稜線の一部をトリミングしている。この調整方法ではウォークタイプの面外振動を抑制すると共に、調整量が大きいという特徴を有する。また、第2の調整工程は、図心の移動に関して、腕部の錘層の一部を除去してトリミングしている。この調整方法ではバタフライタイプの面外振動を抑制すると共に、微量調整が可能であるという特徴を有する。従って、上述した第1の調整工程と第2の調整工程とを組み合わせることにより、図心軸移動と図心移動に起因する面外振動の両方を抑制できることから、より一層、不要検出出力を抑制し正確な角速度の検出を行うことができる。
また、本発明の振動片の調整方法は、前記振動片が、エッチング異方性を有する圧電基板をエッチング工程によって形成され、前記エッチング工程によって発生する前記腕部のX軸方向側面の前記突起部の厚さ方向位置を特定するエッチング条件を設定し、前述した振動片の調整方法を用いて図心または図心軸の移動量を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することを特徴とする。
ここで、エッチング異方性を有する圧電基板としては、例えば水晶基板が代表される。
水晶のエッチング異方性は、その結晶異方性によるため、ヒレの発生には規則性がある。すなわち、大略Z基板においては、ヒレは、X軸とY軸に形成される平面では+X方向側面に発生する。また、フォト工程での調整により、ヒレの頂点位置を水晶基板の裏側または表側に偏らせることが可能である。
従って、エッチングの条件をどちらかに設定することにより、稜線または錘層のトリミングする位置を決めることができ、調整工程の短縮化を可能にする。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の実施の形態に係る振動片の概略構成を示し、図6〜図9は実施形態1に係る振動片の調整方法を示す説明図、図10は調整装置の構成を示すブロック図、図11は、実施形態1に係る調整方法を示すフローチャート、図12、図13は実施形態2に係る調整方法を示す説明図、図14は実施形態2に係る調整方法を示すフローチャート、図15は実施形態3に係る振動片の調整方法を示す説明図、図16〜図19は実施形態4に係る振動片の調整方法を示す説明図である。なお、本発明の振動片は、振動ジャイロに用いられる。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る振動片の形状と電極構成及び振動片の動作について説明する。
図1は、本実施形態の振動片の形状を示す斜視図である。図1において、振動片10は、圧電材料である水晶の大略Z板を用い、フォトリソグラフィにより外形形状が形成されている。振動片10には、棒状の2つの腕部1a,1bを有し、腕部1a,1bはY軸方向に沿って所定の長さで延在している。そして、腕部1a,1bは、この腕部1a,1bが延在する方向に対してほぼ垂直(X軸方向)に延在した棒状の梁2と接続されている。また、腕部1a,1bのそれぞれの一端は梁2から突出するように腕下端部1c,1dが形成されている。
梁2は腕部1a,1bの間に位置する検出梁部2aと、腕部1a,1bの外側に延在される接続梁部2b,2cと、から構成されている。梁2の接続梁部2bの端部には第1の接続部3が、接続梁部2cの端部には第2の接続部4が接続されている。また、梁2の検出梁部2aの中央部には第3の接続部8が接続されている。そして、第1の接続部3、第2の接続部4、第3の接続部8は基台5に接続されている。また、以上の振動片10の各部は、Z軸方向(厚さ方向)に同一の厚さを有している。
従って、この振動片10は、直交するX軸方向及びY軸方向面内に展開されている。
図2は振動片10の一方の面(表面)に配置された電極の構成を示す平面図、図3は図2の裏面に配置された電極の構成を示す平面図である。図2、図3において、腕部1aのXY平面の中央部には駆動電極20が形成され、腕部1aのXY平面の端部からYZ平面にかけて、もう一つの駆動電極21が形成されている。
駆動電極20は、腕部1aの腕下端部1cからXZ平面を通り、裏面の駆動電極20に繋がっている。このように、腕部1aのA−A破断線に沿う断面においては、駆動電極20は、腕部1aのXY平面に対向するように形成され、駆動電極21はYZ平面に対向するように形成されている。
また、振動片10の裏面の腕部1aに形成された駆動電極20にはリード電極22が接続され、第1の接続部3を通り基台5の端部に至っている。そして、基台5の端部からXZ平面を通り、基台5の表面に設けられた駆動電極パッド24に繋がっている。さらに、この駆動電極パッド24から、基台5の端部を経てXZ平面を通り裏面へ繋がり、腕部1bのXY平面の端部からYZ平面にかけて形成した、駆動電極20に繋がっている。
腕部1aに設けられたもう一つの駆動電極21は、リード電極23を通り、基台5に設けられた駆動電極パッド25に接続されている。そして、駆動電極パッド25からリード電極23を通り、腕部1bのXY平面の中央部に設けられた駆動電極21に繋がっている。さらに、駆動電極21は、腕部1bの腕下端部1dからXZ平面を通り、裏面の駆動電極21に繋がっている。このように、腕部1bのB−B破断線に沿う断面においては、駆動電極21は、腕部1bのXY平面に対向するように形成され、駆動電極20はYZ平面に対向するように形成されている。
以上のように、駆動電極20と駆動電極21とは異極となり、一対の駆動電極となるように構成されている。
なお、それぞれの腕部1a,1bのXY平面の端部からYZ平面にかけて形成した駆動電極は、少なくともYZ平面にあればよく、後述する駆動モードで腕部1a,1bにX軸方向の屈曲振動を励起することができる。
また、振動片10の一方の面(表面)のXY平面には、一対の検出電極30,31が形成されている。検出電極30は検出梁部2aの稜線に近い部分に設けられ、リード電極32が接続されている。リード電極32は第3の接続部8を通り、基台5に設けられた検出電極パッド34に接続されている。また、検出電極31は検出梁部2aのもう一方の稜線に近い部分に設けられ、リード電極33が接続されている。そして、リード電極33は第3の接続部8を通り、基台5に設けられた検出電極パッド35に接続されている。このように、検出電極30,31が対となり、表面の検出梁部2aに発生する歪を検出することが可能である。
さらに、振動片10の他方の面(裏面)のXY平面には、上記と同様に一対の検出電極40,41が形成されている。検出電極40は検出梁部2aの稜線に近い部分に設けられ、リード電極42が接続されている。リード電極42は第3の接続部8を通り、基台5の端部からXZ平面を経由して、基台5の表面に形成された検出電極パッド44に繋がっている。また、検出電極41は検出梁部2aのもう一方の稜線に近い部分に設けられ、リード電極43が接続されている。そして、リード電極43は第3の接続部8を通り、基台5の端部からXZ平面を経由して、基台5の表面に形成された検出電極パッド45に繋がっている。このように、検出電極40,41が対となり、裏面の検出梁部2aに発生する歪を検出することが可能である。
なお、駆動電極パッド24,25および検出電極パッド34,35,44,45は、図示しない他に設けられた配線に、ワイヤーボンディングや導電性接着剤などの接続手段で接続されるように設けられている。
上述した振動片10に配置された電極は、フォトリソグラフィにより寸法精度良く形成されており、電極の材料としてはAuが用いられている。
次に、以上の構成における振動片10の、駆動モードと検出モードの動作について説明する。
図4は振動片の駆動モードでの動作を示す斜視図である。図4において、振動片10の駆動モードでは、XY平面内で腕部1a,1bがX軸方向に屈曲振動をする。腕部1aの電極構成は、腕部1aのXY平面の中央部に対向する駆動電極20が形成され、腕部1aのXY平面の端部からYZ平面にかけてもう一つの対向する駆動電極21が形成されている。また、もう一方の腕部1bにも駆動電極20と駆動電極21が配置されている。腕部1bでは、屈曲振動が腕部1aとは逆相になるように駆動電極が構成されている(図2,3、参照)。
このように、腕部1aと腕部1bは、相互に逆相に振動するように駆動電極が構成されているため、腕部1a,1bの先端が近づいたり、遠ざかったりするように屈曲振動する。
次に振動片の検出モードについて説明をする。
図5は、振動片10の検出モードでの動作を示す斜視図である。図5において、振動片10が上記の駆動モードで屈曲振動を行っている間に、Y軸を回転軸とする回転が生ずると、腕部1a,1bには図5の実線矢印で示すZ軸方向に、コリオリ力Fおよび点線矢印で示したコリオリ力Fが交互に励起される。そして、腕部1a,1bに励起されたコリオリ力によって付勢力が梁2に伝搬して、捩れによる剪断歪が生ずる。
検出梁部2aに捩れが生ずると、図2のC−C切断線およびD−D切断線に沿う断面には電界が発生する。電界の発生パターンは、例えば検出梁部2aの表面付近で検出電極30から検出電極31へ電界が発生し、検出梁部2aの裏面付近で検出電極41から検出電極40へ電界が発生する。
この検出梁部2aの表面と裏面に発生した歪を、検出電極30,31と検出電極40,41から電圧として取り出し、差動増幅し演算回路で処理することにより角速度の向き及び大きさを検出することができる。
なお、検出電極の配置は本実施形態では検出梁部2aに設けたが、接続梁部2b,2cにも歪が発生しているため、少なくとも接続梁部2b,2cのどちらかに検出電極を設けても、梁2の歪を検出することができ、角速度の検出が可能である。
本発明による振動片は、水晶基板からエッチングにより外形が形成されている。この際、水晶は結晶異方性を有し、このことからエッチング速度異方性を有する。従って、水晶基板の表裏両面エッチングにより、+X方向に突起部(一般にこのような突起部をヒレと表す)が発生する。
実施形態1では、ヒレが存在することによる不要検出出力の出現の1形態と、この不要検出出力を抑制する方法について説明する。
図6は、ヒレ111が発生した状態を模式的に示す説明図である。なお、実際に出現するヒレは微小であり説明を分かりリ易くするため、図6以降のヒレ形状及び図心軸の移動量は拡大して表している。
本来、ヒレ111が発生しないときには、腕部1a,1bの断面形状は、図中、ハッチングで表すように直角四角形であるが、ヒレ111により変形した断面形状となっている。図6(a)では、ヒレの頂部が−Z方向(図では、上方)に偏った状態である。なお、ヒレ111は、腕部1a,1bの長手方向(Y方向)にわたって発生している。また、ヒレは、−X方向側面にも発生するが、発生量がわずかであり、振動に対する影響は非常に小さいため、本実施形態では、+X方向のヒレ111について説明する。
従って、本来の直角四角形のときの理想の図心軸(ここでは、XZ平面における重心を通りX軸に平行な軸を意味する)の位置P1は、図心位置がG1からヒレ111の頂部の偏り方向の図心位置G2に移動することに伴い、P2で示される位置までに移動する。駆動電極20,21に駆動信号を印加すると、ヒレ111がない場合には、腕部1a,1bはX軸方向(図中、実線矢印方向)のみに屈曲振動する。しかしながら、ヒレ111が存在し、図心軸の位置がP1からP2まで移動しているため、腕部1a,1bは、Z軸方向に振動成分が発生し、図中、破線矢印方向に振動する。このような振動をウォークタイプと呼称し、振動片10に回転力が付加されない場合には発生しない検出信号が発生する。この振動は、X軸方向の振動に対しては面外振動であり、面外振動によって検出電極に本来発生しない検出信号が発生する。これが不要検出出力であり、正確な角速度の信号出力を妨げる。
この不要検出出力が発生する要因を図6(b)を参照して説明する。
図6(b)は、屈曲振動により腕部のY軸方向に発生する内部応力の大きさを表すグラフである。図6(b)において、図心軸の位置がP1からP2に微量移動するが、ヒレの頂部が−Z方向寄りにあるため、−Z方向の面積は、+Z方向の面積よりも大きくなり、−Z方向の内部応力が小さくなる。
図6(b)では、図心軸の位置P2より上方(−Z方向)の応力勾配が小さく(−Y方向応力、実線で示す)、下方の応力勾配が大きい(+Y方向応力、破線で示す)。このように同一断面内(XZ平面)において、応力分布が異なること、図心の位置がヒレ111の偏り方向にずれていることから図6(a)で表されるウォークタイプの振動が発生する。
なお、上述した図心軸の移動に伴う面外振動の発生は、腕部断面の形状変化により断面二次モーメントが変化し、すなわち図心軸が移動した後の図心軸を中心に腕部の断面がX軸方向に分割されたと仮定したときの上方向と下方向の応力分布に差異が生じていることに起因する。
次に、上述したウォークタイプの振動を抑制する方法について説明する。
図7(a)は、本実施形態の不要検出出力抑制工程後の腕部1aの断面を視認して模式的に表す説明図である。なお、腕部1a,1bは、同じエッチング工程で形成され、ヒレ111の発生状態は同じため、腕部1aを例示して説明する。ここで、不要検出出力を抑制するためにヒレ111の偏り方向の腕部1aの稜線部をリューター等の加工手段を用いて除去する。除去する稜線部113の面積は、図心軸の位置をP2からP3に移動させる面積とする。除去する部位は腕部1aのY軸方向にわたっていることから、図心軸の位置をP2からP3に移動するために必要な稜線部の質量を除去することを意味する。移動後の図心軸の位置P3は、図6(a)で示す図心軸の位置P1に相当するかP1の直近である。
このように図心軸の位置をヒレ111がない場合の位置にまで移動(戻す)ことにより、同一面内の内部応力は、図7(b)に示すように図心軸の位置P3の上方向と下方向とで同じとなり(応力分布を示す勾配線が直線となる)、面外振動が抑制されてX軸方向の屈曲振動のみの振動が得られる。
なお、除去される稜線部113のY軸方向の領域は、ヒレ111がY軸方向に存在する領域とするが、腕部1a,1bが梁2と接合する根元近傍まで達しない範囲とすることが望ましい。これは、根元部は、腕部の振動に影響を与えやすいことと、衝撃等が加えられた際に破損しやすくなることを防ぐ意味がある。
次に、ヒレ111の頂部が、+Z方向(図では、下方)に偏った状態における不要検出出力を抑制する方法について説明する。
図8(a)は、腕部1aの断面を視認して模式的に表す説明図である。図8(a)において、腕部1aの+X方向の側面にはヒレ111が形成されているが、ヒレ111の頂部は、+Z軸方向(図中、下方側)に偏っている。
このような位置にヒレ111が存在する場合も図8(b)に示すように、同一面内の内部応力は、図心軸の位置がP1がP2まで微量移動しているため、腕部1aは、図8(a)に示すようにZ軸方向に振動成分が発生しウォークタイプの振動をする(図中、破線矢印方向)。そして、図8(b)に示すように、図心軸の位置P2より上側(−Z方向)の応力勾配が大きく(−Y方向応力、実線で示す)、下側(+Z方向)の応力勾配が小さく(+Y方向応力、破線で示す)なる。
従って、図9(a)に示すように、前述したヒレ111の偏り側と同方向(−X、+Z方向)の稜線部113を除去することで図心軸の位置がP2からP3(P3は、ヒレがない場合の図心軸の位置P1に相当、またはP1の直近)に移動させることができる。
続いて、前述した実施形態1に係る振動片の調整方法について図面を参照してさらに詳しく説明する。
図10は、本実施形態の調整装置の概略を示すブロック図、図11は調整工程を示すフローチャートである。図10と図11を参照して説明する。
まず、励振回路71を用いて駆動信号を振動片10に入力する(ST1)。そして駆動電極20,21を通して振動片10に駆動モードの振動を励振させる。このとき、検出電極30,31及び検出電極40,41に現れる不要検出出力の大きさを検出回路72,73によって検出(測定)し、信号を2位相ロックインアンプ76,77で位相検波し、演算装置80に入力する。そして不要検出出力の有り(有りの場合は検出レベルを測定する)無しを判定する(ST2)。この際、2位相ロックインアンプ76,77の基準信号には励振回路の駆動周波数を入力する。また、確認のため、周波数カウンタ75にて駆動周波数をモニタする。振動腕1a,1bにヒレ111がないときには、検出信号は出力しないので調整作業は終了する。
不要検出出力があるときには、駆動信号の入力を停止した後、演算装置80の指示に沿ってXYステージ85を駆動し、且つ、トリミング装置90を操作して腕部の−X側の稜線を削る(ST3)。ここで、ST3の工程では、予め定められた位置、定められた量(微量)の除去を行う(例えば、−X側、−Z側の稜線)。
続いて、再度駆動信号を入力し、腕部1a,1bを励振させる(ST4)。次に検出回路72,73に発生する不要検出出力が工程ST3によって、工程ST2による測定レベルより減少しているかを判定する(ST5)。不要検出出力が減少している場合には、演算装置80の演算式の変数aに0を入力する(ST6)。変数aとは、除去する稜線部の位置を示すものであり、本実施形態では、変数a=0のときには、腕部1a,1bの−X側の上面の稜線を除去することを示唆する(図9に示す)。
続いて、予め規定された不要検出出力に対して前工程で検出した不要検出出力が規定値以下であるか、規定値以上であるかを判定する(ST7)。不要検出出力が規定値以下の場合は、調整作業を終了する。
また、工程ST5において不要検出出力が増加した場合には、演算装置80の変数aに1を入力する(ST11)。変数a=1のときには、腕部1a,1bの−X側の下面の稜線を除去することを示唆する(図7に示す)。ここでも、工程ST7によって不要検出出力のレベルが規定値以下であれば調整作業を終了する。
工程ST7において、不要検出出力が規定値以上の場合には、次の工程に移行するが、工程ST6において変数a=0または変数a=1が入力されていることを判断し(ST20)、変数a=0が入力されている場合には、腕部の−X側の上面の稜線を除去する(ST21)。また、変数a=1が入力されている場合には腕部1a,1bの−X側の下面の稜線を除去する(ST30)。
前述した工程(ST5)で得られた検出レベルに基づき除去すべき位置と量とを演算装置80で演算処理してもとめ、振動片10が載置されたXYステージ85を操作し、トリミング装置90で稜線の除去作業を行う。
トリミング装置90としては、リューターやレーザー装置を採用することが可能で、除去される稜線部113は、リューターの場合には研削により連続した形状、レーザー装置では、連続点の形状となる。
工程ST21または工程ST30後、再度駆動信号を入力し励振させる(ST40)。そして、工程ST7に戻って、不要検出出力が規定値以下となっているか判定し、規定値以下であれば調整作業を終了し、規定値以上であれば、工程ST20以降の工程を規定値以下になるまで繰り返す。
なお、前述した工程ST3から工程ST5までの工程は、稜線部の除去作業を行う準備段階の予備工程であり、ST5以降が不要検出出力抑制のための調整工程と呼ぶ。
エッチング工程によって発生するヒレ111は、水晶基板の表裏のマスクの設計やアライメント調整により腕部1a,1bの厚さ方向(Z方向)の一方側に偏らせることができる。例えば、ヒレ111を−Z方向(図中、上方側)へ偏らせておけば、除去すべき稜線は−X方向の下面側(+Z側)稜線となる。のこのようにすれば、前述した予備工程を省略することが可能である。
従って、前述した実施形態1によれば、振動型ジャイロを静止した状態で、検出電極30,31及び検出電極40,41からの検出出力(不要検出出力)を検出し、この不要検出出力の検出出力のレベルに対応した位置、範囲において必要な質量の除去を行うことにより、図心軸をヒレ111がない状態(理想の位置P1)まで、あるいは直近まで移動させることで、面外振動を抑制し正確な角速度を出力することができる。
このような調整方法は、複数の腕部(振動腕)を有する振動片において、腕部個々の面外振動による不要検出出力(他軸感度)の抑制を可能にするため、より感度が高い振動片(つまり振動型ジャイロ)を実現することができる。
本実施形態では、稜線を除去する位置や範囲及び除去量を予め判定するための予備工程、予備検出工程を有しており、ヒレ111の発生に対応した稜線を除去する位置と量とを予め決定して、後続する調整工程により不要検出出力の抑制を効率よく行うことができる。このことにより、予備工程や予備検出工程をせずに、いきなり調整工程を行う方法では、特に調整場所が定まらないことが予想され、この際、不要検出出力が逆に大きくなったり、所望の規定値以下に不要検出出力を抑制できないことを防止することができる。
さらに、エッチングの条件により、ヒレ111が発生する位置を予め設定しておくことにより、稜線のトリミング(除去調整)をする位置を−Z方向か、+Z方向か一方に決めることができ、調整工程の短縮化を可能にする。
(実施形態2)
続いて、本発明の実施形態2に係る振動片の調整方法について図面を参照して説明する。本実施形態は、前述した実施形態1が腕部のヒレによる図心軸移動に起因する不要検出出力(他軸感度)を抑制する方法であることに対し、予め付加した錘層の一部を除去することにより、ヒレによる図心移動に起因する不要検出出力(他軸感度)を抑制する方法であることに特徴を有し、振動片の構成は実施形態1と同じであるため説明を省略し、同じ部位には同じ符号を付している。また、調整装置の構成も実施形態1と共通化できるため説明を省略する。
図12は、本実施形態に係る振動片10の調整方法を示している。まず、振動片10の腕部1a,1bの先端方向の表裏両面(図面の上面、下面を指す)にAuからなる錘層26を形成する。
図12(a)は腕部1a,1bの一部を示す正面図である。腕部1aの駆動電極21及び腕部1bの駆動電極20の表面には、Auからなる錘層26を形成する。この錘層26は、腕部1aの駆動電極21及び腕部1bの駆動電極20の先端側に同じ厚さ、範囲で形成する。さらに図示しない裏面側にも対向するように同じ厚さ、範囲に錘層26を形成する。錘層26は、駆動電極20,21よりも厚く形成する。
図12(b)は、腕部1a,1bのそれぞれを先端部方向から視認して模式的に表す説明図である。図12(b)において、腕部1a,1bの+X方向の側面にはヒレ111が存在する。なお、ヒレは、−X方向側面にも発生するが、発生量がわずかであり、振動に対する影響は非常に小さいため、本実施形態では、+X方向のヒレ111について説明する。
本来、ヒレ111が発生しないときには、腕部1a,1bの断面形状は、図中、ハッチングで表すように直角四角形であるが、ヒレ111により変形した断面形状となっている。図12(b)では、ヒレ111の頂部が、−Z方向(図では、上方)に偏った状態である。ヒレ111は、腕部1a,1bの長手方向(Y方向)にわたって発生している。
本来の直角四角形のときの図心G1(同一面内では重心と同じ)は、ヒレ111によりG2で示される位置までヒレ111の頂部方向に移動する。駆動電極に駆動信号を印加すると、ヒレ111がない場合には、腕部1a,1bはX軸方向(図中、実線矢印方向)のみに屈曲振動する。しかしながら、ヒレ111が存在し、図心の位置がG1からG2まで移動しているため、腕部1a,1bは、Z軸方向に振動成分が発生し、図中、破線矢印方向に振動する。このような振動をバタフライタイプの振動と呼称する面外振動が発生し、本来、振動片10に回転力が付加されない場合には発生しない検出信号が発生する。この検出信号は不要検出出力であり、正確な角速度の信号出力を妨げる。また、直接、不要検出出力としては現れずとも、他軸感度を増加させる可能性がある。
このようなバタフライタイプの振動は、図心位置の移動に伴うもので、同一面において、図心位置がG1からG2に移動することにより断面一次モーメントのバランスが崩れたことに起因して発生する。従って、この図心位置をヒレ111がない状態の図心位置G1に一致させるか直近まで移動させることにより、抑制することができる。
図12(c)は、図心位置G2を移動させる方法を模式的に図示している。ここで、ヒレ111の偏り方向(頂部の方向)とは対向する側の錘層26のヒレ側領域(26bで示す)をレーザー装置により削除する。つまり、図心G2とは反対側に錘部26aを付加したことになる。この錘部26aにより、図心位置がG2からG3まで移動する。
図心位置G3は、説明しやすくするためにG1とは離間した位置に図示しているが、G1と一致させることが好ましい。また、少なくとも、図心位置G1を通るX軸上でG1に近い位置まで移動させる。このようにすることで、バタフライタイプの振動を抑制し、この振動による不要検出出力を抑制する。
なお、腕部1aと腕部1bとは、同じようにヒレ111が発生するため、腕部1bの説明を省略している。
次に、ヒレ111の頂部が、+Z方向(図では、下方)に偏っている場合の振動片の調整方法について図13を参照して説明する。図13(a)は、図心の位置がG2にあるときの振動形態を模式的に表している。
図13(a)によれば、ヒレ111が+Z方向(図では、下方)に偏って存在しているので、図心の位置がG1からG2まで移動している。図心位置G2は、ヒレ111の重心位置方向にずれた位置にある。このような状態においても、腕部1a,1bは、Z軸方向に振動成分が発生し、図中、破線矢印方向にバタフライタイプの振動が発生する。
従って、この図心位置をヒレ111がない状態の図心位置G1に一致させるか近づくまで移動させることにより、抑制することができる。
図13(b)は、図心位置G2を移動させる方法を模式的に図示している。ここで、ヒレ111の偏り方向とは対向する錘層26のヒレ側領域26dをレーザー装置により削除する。つまり、図心G2とは反対側に錘部26cを付加したことになる。この錘部26cにより、図心位置がG2からG3まで移動する。
図心位置G3は、説明しやすくするためにG1とは離間した位置に図示しているが、G1と一致させることが好ましい。また、少なくとも、図心位置G1を通るX軸上でG1に近い位置まで移動させる。このようにすることで、バタフライタイプの振動を抑制し、この振動による不要検出出力を抑制する。
なお、腕部1aと腕部1bとは、同じようにヒレ111が発生するため、腕部1bの説明を省略している。
続いて、実施形態2による振動片の調整方法について図面を参照してさらに詳しく説明する。
図14は本実施形態の調整工程フローを示すフローチャートである。本実施形態の調整装置は、前述した実施形態1(図10)と同じに表すことができるので、図10、図14を参照して説明する。
まず、腕部1a,1bに錘層26を形成する(ST50)。次に励振回路71を用いて駆動信号を入力する(ST51)。そして駆動電極20,21を通して振動片10に駆動モードの振動を励振させる。このとき、検出電極30,31及び検出電極40,41に現れる不要検出出力の大きさを検出回路72,73によって検出(測定)し、信号を2位相ロックインアンプ76,77で位相検波し、演算装置80に入力する。そして不要検出出力の有り(有りの場合はレベルをカウントする)無しを判定する(ST52)。この際、2位相ロックインアンプ76,77の基準信号は励振回路の駆動周波数を入力する。また、確認のために周波数カウンタ75の信号にて駆動周波数をモニタする。振動腕1a,1bにヒレ111がないときには、検出信号は出力しないので調整作業は終了する。
不要検出出力があるときには、駆動信号の入力を停止した後、演算装置80の指示に沿ってXYステージ85を駆動し、トリミング装置を操作して腕部の+X側の錘層26の一部を除去する(ST53)。ここで、ST2の工程では、予め定められた位置、定められた量(微量)の除去を行う(例えば、+X側上面、上端などにおいて)。
続いて、再度駆動信号を入力し、腕部1a,1bを励振させる(ST54)。次に検出回路72,73に発生する不要検出出力がST52による測定レベルより減少しているかを判定する(ST55)。不要検出出力が減少している場合には、演算装置80の演算式の変数bに0を入力する(ST56)。変数bとは、除去する錘層の位置を示すものであり、本実施形態では、変数b=0のときには、腕部1a,1bの−X側の上面の錘層の一部を除去することを示唆する。
次に、予め規定された不要検出出力に対して前工程で検出した不要検出出力が規定値以下であるか、規定値以上であるかを判定する(ST57)。不要検出出力が規定値以下の場合は、調整作業を終了する。
また、ST55において不要検出出力が増加した場合には、演算装置80の変数bに1を入力する(ST60)。変数b=1のときには、腕部1a,1bの−X側の下面の錘層の一部を除去することを示唆する。ここでも、ST57によって不要検出出力のレベルが規定値以下であれば調整作業を終了する。
ST57において、不要検出出力が規定値以上の場合には、次の工程に移行するが、ST56において変数b=0または変数b=1が入力されていることを判断し(ST70)、変数b=0が入力されている場合には、腕部の−X側の上面の錘層26の一部を除去する(ST71)。また、変数b=1が入力されている場合には腕部1a,1bの−X側の下面の錘層26の一部を除去する(ST80)。
なお、ST71及びST80では、前述したST55で得られた検出値に基づき除去すべき位置と量とを演算装置80で演算処理してもとめ、振動片10が載置されたXYステージ85を操作し、トリミング装置90で稜線の除去作業を行う。
その後、駆動信号を入力し、振動片10に駆動モードの振動を励振させる(ST90)。そしてST57に戻り、不要検出出力が規定値以下であるか、規定値以上であるかを判定する。規定値以上の場合は再度、錘層の除去工程を規定値以下になるまで繰り返す。規定値以下になれば調整作業は終了する。
トリミング装置90としては、レーザー装置を採用することが好適であり、錘層26の除去部26b,26dは、レーザー装置によって点状に除去される。
なお、前述したST53からST55までの工程は、錘層の除去作業を行う準備段階の予備工程であり、ST55以降が不要検出出力抑制のための調整工程と呼ぶ。
さらに、前述した実施形態1でも記載ように、エッチング工程によって発生するヒレ111は、水晶基板の表裏のマスクの設計等により腕部1a,1bの厚さ方向の一方側(例えば、−Z側)に偏らせておけば、除去すべき錘層は−X方向の下面側(+Z方向)となる。このようにすれば、前述した予備工程を省略することが可能である。
従って、上述した実施形態2の振動片の調整方法によれば、予め腕部1a,1bに設けられた錘層26の一部を除去することにより、図心位置をヒレ111が発生しない理想状態に近い図心位置まで移動させることにより、面外振動を抑制することができるので、面外振動に起因する不要検出出力(他軸感度を含む)を抑制することができる。
(実施形態3)
続いて、本発明の実施形態3に係る振動片の調整方法について図面を参照して説明する。実施形態3は、前述した実施形態1を第1調整工程とし、実施形態2を第2調整工程として、第1調整工程と第2調整工程とを連続して行うことを特徴としている。つまり、図心軸の移動に起因するウォークタイプの振動の抑制とバタフライタイプの振動の抑制の両方を行う調整方法である。なお、実施形態1及び実施形態2で説明し、実施形態3と共通となる工程については説明を省略し、共通部位には同じ符号を付している。
図15は、実施形態3による振動片の調整方法の主な工程を示し、腕部1aを先端部方向から視認して模式的に表す説明図である。図15(a)は、第1調整工程を終了したときの状態を表している。ここでは、図心軸P3は、ヒレ111がない状態のP1に相当する位置に調整され、ウォークタイプの振動は抑制されている。しかし、図心位置はG2(図7(a)のG2よりは、G1に近い位置に)にあって、バタフライタイプの面外振動が残っている。
この状態で、腕部1aに錘層26を形成する(図15(b)に示す)。錘層26は、除去された稜線部113の面にまで形成してもよい。その後、実施形態2に相当する第2調整工程により、錘層26の一部が除去部として除去され、錘部26aが残る(図15cに示す)。このようにして、図心の位置がG2からG3まで移動させることにより、バタフライタイプの振動が抑制され、不要検出出力が抑制される。
実施形態3に係る調整工程フローは、図示しないが、図11に示すフローチャートの工程ST7において、第1調整工程の規格値以下になった場合には、図14に示すフローチャートの工程ST50に移行し、錘層26を形成する。そして工程ST54以降の工程を経て、所定位置の錘層26の一部を除去し、ST57の工程において不要検出出力が規定値以下になった時点で調整を終了する。規定値以上の場合は、図14に示す工程ST70以降の工程を繰り返す。
上述した実施形態3における第1調整工程は、第2調整工程よりも不要検出出力の抑制範囲が大きく、第2調整工程は微調整の領域といえる。また、第1調整工程においても、図心の移動を伴うことから、第1調整工程を粗調整、第2調整工程を精密調整と位置付けることができる。
従って、前述した実施形態3によれば、第1調整工程は、図心軸の移動に関しての腕部1a,1bの稜線をトリミングしている。この調整方法ではウォークタイプの面外振動を抑制すると共に、調整量が大きいという特徴を有する。また、第2調整工程は、図心の移動に関して、腕部1a,1bの錘層26の一部を除去してトリミングしている。この調整方法ではバタフライタイプの面外振動を抑制すると共に、微量調整が可能であるという特徴を有する。従って、上述した第1調整工程と第2調整工程とを組み合わせることにより、図心軸移動と図心移動とに起因する面外振動の両方を抑制できることから、より一層、不要検出出力を抑制することができる。
(実施形態4)
続いて、本発明の実施形態4について図面を参照して説明する。実施形態4による調整方法は、Z軸に平行な図心軸の位置がヒレ111が存在する方向(+X方向)に移動したときに発生する−X方向と+X方向の振動(振幅)のアンバランスを抑制する調整方法に特徴を有している。実施形態1〜実施形態3と同じ符号を付して説明する。
図16(a)は、腕部1a,1bのそれぞれの断面を視認して模式的に表す説明図である。図16(a)において、腕部1a,1bの+X方向の側面にはヒレ111が形成される。
本来、ヒレ111が発生しないときには、腕部1a,1bの断面形状は、図中、ハッチングで表すように直角四角形であるが、ヒレ111により変形した断面形状となっている。図16(a)では、ヒレ111の頂部が、−Z方向(図では、上方)に偏った状態である。なお、ヒレ111は、腕部1a,1bの長手方向(Y方向)にわたって発生している。また、ヒレは、−X方向側面にも発生するが、発生量がわずかであり、振動に対する影響は非常に小さいため、本実施形態では、+X方向のヒレ111について説明する。
本来の直角四角形のときの図心軸の位置P1は、ヒレ111によりP2で示される位置までヒレ111がある方向に移動する。駆動電極に駆動信号を印加すると、ヒレ111がない場合には、腕部1a,1bはX軸方向(図中、実線矢印方向)のみに屈曲振動する。しかしながら、ヒレ111が存在し、図心軸の位置がP1からP2まで移動している。この際、腕部1a,1bには、+X方向と−X方向とで振動(振幅)のアンバランスが生じている。
図16(b)は、屈曲振動により腕部1aのY軸方向に発生する内部応力分布を表すグラフである。図16(b)において、図心軸の位置がP2に微量移動する。P2から見て、ヒレがある側(+Z方向)が、ヒレが無い側(−X方向)に比べて端面までの距離が長いため、ヒレ側の方がモーメントが大きくなる。そのため、+X方向の内部応力分布が大きくなる。図16(b)では、図心軸の位置P2より左側の応力勾配が小さく(−Y方向応力、実線で示す)、右側の応力勾配が大きい(+Y方向応力、破線で示す)。このように同一断面内において、左右の応力が異なることから−X方向の振幅の方が+X方向の振幅よりも大きくなり、振動のアンバランスが生じる。
振動のアンバランスは、レーザードップラー91(図10、参照)などによる変位測定によって検出することが可能である。
次に、上述した振動のアンバランスを抑制する方法について説明する。
図17(a)は、本実施形態の振動アンバランスの抑制工程後の腕部1aの断面を視認して模式的に表す説明図である。なお、腕部1a,1bは、同じエッチング工程で形成されるのでヒレ111の発生状態は同じため、腕部1aを例示して説明する。ここで、ヒレ111の対角方向の腕部1aの稜線部をリューター等の加工手段を用いて除去する。除去する稜線部113の量は、図心軸の位置をP2からP3に移動させる量(質量)とする。移動後の図心軸の位置P3は、+X方向端面までの距離と−X方向端面までの距離が等しくなる位置とする。
このように図心軸の位置をX方向の中心とすることで、同一面内の内部応力は、図17(b)に示すように図心軸の位置P3の左右でほぼ同じとなり(応力線が直線で表される)、−X方向の振幅と+X方向の振幅とがほぼ等しくなることで、振動のアンバランスが抑制される。
なお、除去される稜線部113のY軸方向の領域は、ヒレ111がY軸方向に存在する領域とするが、腕部1a,1bが梁2と接合する根元近傍まで達しない範囲とすることが望ましい。これは、根元部は、腕部の振動に影響を与えやすいことと、衝撃等が加えられた際に破損しやすくなることを防ぐ意味がある。
次に、ヒレの頂部が、+Z方向(図では、下方)に偏った状態における不要検出出力を抑制する方法について説明する。図18(a)は、腕部1aの断面を視認して模式的に表す説明図である。図18(a)において、腕部1aの+X方向の側面にはヒレ111が形成されているが、ヒレ111は、+Z軸方向(図中、下方側)に偏っている。
このような位置にヒレ111が存在する場合も図18(a)に示すように、同一面内の内部応力は、図心軸の位置がP1がP2まで移動している。そして、図18(b)に示すように、図心軸の位置P2より左側の応力勾配が小さく(−Y方向応力、実線で示す)、右側の応力勾配が大きく(+Y方向応力、破線で示す)なる。
つまり、ヒレ111の厚さ方向の発生位置に関わらず、内部応力は同様な傾向を示す。
従って、図19(a)に示すように、前述したヒレ111と対角方向(−X、−Z方向)の稜線部113を除去しても、図17(a)と同様に−X、+Z方向の稜線を除去しても、図心軸の位置がP2からP3(図心軸からみて+X方向端面までの距離と−X方向端面までの距離が等しくなる位置)に移動させ、同一面内における左右の内部応力を略等しくすることで、振動(振幅)のアンバランスを抑制することができる。
なお、上述した実施形態4による調整工程は、図示しないが、駆動信号を入力して振動腕を励振して振動のアンバランスを検出してアンバランスが検出された場合、(−X、−Z)方向、または(−X、+Z)方向の稜線をリューター等で研削し、再度アンバランスの有無を検出し、アンバランスが規定値以下になるまで調整する。
従って、上述した実施形態4によれば、音叉型の振動片において、腕部1a、1bのヒレ111の出現に伴う図心軸の移動による振動のアンバランスを、腕部1a、1bの稜線の質量を除去することにより抑制することができる。
本実施形態における工程フローについては図示を省略するが、まず、駆動信号を入力して腕部1a、1bを励振させ、レーザードップラー91を用いて振動のアンバランスを検出し、振動のアンバランスが規定値以上であれば、−X方向の稜線を研削する。そして再度、振動のアンバランスを測定して規定値以下であれば調整作業を終了し、規定値以上であれば、さらに稜線の研削を行い規定値以下になるまで調整作業を繰り返す。本実施形態では、上述したように−X方向であれば、±Z方向どちらの稜線を研削しても同じ効果が得られる。
なお、実施形態4は、前述した実施形態1の不要検出出力を抑制する調整方法と、腕部1a、1bの稜線を除去することは同じであるため、不要検出出力と振動のアンバランスの検出とを行い、演算装置80で、それぞれの検出値から、除去する稜線の位置と除去量とを演算して、同じ工程内で同時に不要検出出力と振動のアンバランスの抑制を行う調整方法を採用することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明しているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲に逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、材質、組み合わせ、その他の詳細な構成、及び調整工程間の方法において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質、調整工程などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものでないから、それら不要出力(他軸感度)を抑制し正確な角速度の検出を行うことができる。形状、材質、組み合わせなどの限定の一部もしくは全部の限定をはずした部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
従って、前述の実施形態1〜実施形態4によれば、振動型ジャイロを静止した状態において、面外振動成分による不要検出出力と、振動のアンバランスを抑制し、信頼性が高い振動型ジャイロを実現する振動片の調整方法を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る振動片の形状を示す斜視図。 本発明の実施形態1に係る振動片の一方の面(表面)に配置された電極の構成を示す平面図。 本発明の実施形態1に係る振動片の他方の面(表面)に配置された電極の構成を示す平面図。 本発明の実施形態1に係る振動片の駆動モードでの動作を示す斜視図。 本発明の実施形態1に係る振動片の検出モードでの動作を示す斜視図。 本発明の実施形態1に係る振動片の振動形態を示し、(a)は腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(b)は屈曲振動により腕部のY軸方向に発生する内部応力の大きさを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る振動片の調整方法を示し、(a)は不要検出出力抑制工程後の腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(b)は調整後の内部応力の大きさを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る他の形状の振動片を示し、(a)は腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(b)は屈曲振動により腕部のY軸方向に発生する内部応力の大きさを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る他の形状の振動片の調整方法を示し、(a)は不要検出出力抑制工程後の腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(b)は調整後の内部応力の大きさを表すグラフ。 本発明の実施形態1に係る調整装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の実施形態1に係る振動片の調整工程フローを示すフローチャート。 本発明の実施形態2に係る振動片の調整方法を示し、(a)は腕部の一部を示す正面図、(b)は腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(c)は図心位置を移動させる方法を示す説明図。 本発明の実施形態2に係る他の振動片の調整方法を示し、(a)は腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(b)は図心位置を移動させる方法を示す説明図。 本発明の実施形態2に係る調整工程フローを示すフローチャート。 本発明の実施形態3に係る振動片の調整方法の主な工程を示し、(a)は第1調整工程を終了したときの状態を表す説明図、(b)は錘層形成後の説明図、(c)は第2調整工程を終了したときの状態を表す説明図。 本発明の実施形態4に係る振動片を示し、(a)は腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(b)は屈曲振動により腕部のY軸方向に発生する内部応力の大きさを表すグラフ。 本発明の実施形態4に係る振動片の調整方法を示し、(a)は不要検出出力抑制工程後の腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(b)は調整後の内部応力の大きさを表すグラフ。 本発明の実施形態4に係る他の形状の振動片を示し、(a)は腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(b)は屈曲振動により腕部のY軸方向に発生する内部応力の大きさを表すグラフ。 本発明の実施形態4に係る他の形状の振動片を示し、(a)は腕部を先端部方向から視認して模式的に表す説明図、(b)は屈曲振動により腕部のY軸方向に発生する内部応力の大きさを表すグラフ。
符号の説明
1a,1b…腕部、10…振動片、P1,P2,P3…図心軸の位置、111…ヒレ。

Claims (6)

  1. 圧電材料からなり、Z軸方向に厚みを有し、直交するX軸方向及びY軸方向面内に展開される振動片の調整方法であって、
    静止時において、前記Y軸方向に平行に延在される複数の腕部をX軸方向に屈曲振動させ、前記振動片の形成時に前記腕部のX軸方向側面に発生する突起部に起因する図心または図心軸の移動による不要検出出力、または+X軸方向と−X軸方向の振動のアンバランスを検出する工程と、
    検出された前記不要検出出力または前記振動のアンバランスのレベルに対応して前記複数の腕部の選択された位置の質量を除去する調整工程と、を含み、
    前記調整工程によって、前記図心または図心軸の移動量を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することを特徴とする振動片の調整方法。
  2. 請求項1に記載の振動片の調整方法において、
    静止時において、前記Y軸方向に平行に延在される複数の腕部をX軸方向に屈曲振動させ、前記図心または前記図心軸の移動よって生ずる不要検出出力を検出する工程と、
    前記複数の腕部の所定位置における所定量の質量を減ずる予備工程と、この予備工程後に不要検出出力を検出する予備検出工程と、
    前記予備検出工程によって得られた前記不要検出出力の増減に対応して、質量を除去する位置と量とを判断し、前記複数の腕部の選択された位置の質量を減ずる調整工程と、を含み、
    前記図心または前記図心軸の移動量を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することを特徴とする振動片の調整方法。
  3. 請求項2に記載の振動片の調整方法において、
    前記予備工程及び前記調整工程が、前記突起部が存在する対角の稜線の一部をトリミング手段により除去する工程であり、前記図心軸の移動量を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することを特徴とする振動片の調整方法。
  4. 請求項2に記載の振動片の調整方法において、
    前記予備工程前に、前記複数の腕部の先端部近傍のZ軸方向の表裏両面に金属膜からなる錘層を形成する工程をさらに含み、
    前記予備工程及び前記調整工程が、前記錘層の一部をトリミング手段により除去する工程を含み、前記図心の移動量を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することを特徴とする振動片の調整方法。
  5. 請求項2に記載の振動片の調整方法を第1調整工程とし、
    前記第1調整工程の後に、前記複数の腕部の先端部近傍のZ軸方向の表裏両面に金属膜からなる錘層を形成する工程と、
    前記錘層の所定位置における所定量の錘層の質量を減ずる予備工程と、この予備工程後に図心の移動によって生ずる不要検出出力を検出する予備検出工程と、
    前記予備検出工程によって得られた不要検出出力のレベルの増減に対応して、前記錘層を除去する位置と量とを判断し、前記錘層の選択された位置の質量をトリミング手段によって減ずる第2調整工程と、を含み、
    前記図心軸及び前記図心の移動を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することを特徴とする振動片の調整方法。
  6. 前記振動片が、エッチング異方性を有する圧電基板をエッチング工程によって形成され、前記エッチング工程によって発生する前記腕部のX軸方向側面の突起部の厚さ方向位置を特定するエッチング条件を設定し、
    請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の振動片の調整方法を用いて図心または図心軸の移動量を減ずることにより不要検出出力の発生を抑制することを特徴とする振動片の調整方法。
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