JP2007162782A - 車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスクロータの変形に拘わらずに安定した摩擦面積を確保して安定した制動特性を維持でき、且つ、小型化が可能な車両用ディスクブレーキ装置を得る。
【解決手段】キャリパ17に装備されたピストン11で摩擦パッド組立体8,9をディスクロータ2に押圧する車両用ディスクブレーキ装置1であって、前記摩擦パッド組立体8,9は複数個のライニング部材6を旋回可能にトルク受けプレート4上に配置しており、各ライニング部材6を旋回可能に支持する二つの継手材49を前記ピストン11に当接させると共に、前記ライニング部材6に作用する制動トルクが、前記ライニング部材6を前記トルク受けプレート4に取り付けるためのライニング連結部材45を介して前記ライニング部材6に連結したトルク伝達リング43からダイレクトに前記トルク受けプレート4に伝達される。
【選択図】図4

Description

本発明は、ディスクロータの変形に拘わらずに安定した摩擦面積を確保して安定した制動特性を維持でき、しかも、使用部品の加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することのできるように改良した新規構成の車両用ディスクブレーキ装置に関する。
ディスクブレーキ装置は、車軸に固定されるディスクロータと、このディスクロータに対向して配置されるトルク受けプレートと、このトルク受けプレートをディスクロータに向かって進退駆動するアクチュエータを内蔵して車体フレームに固定されるキャリパと、トルク受けプレートのディスクロータ側の面に組み付けられるライニング部材等から構成されていて、トルク受けプレートをディスクロータ側に進出させてライニング部材をディスクロータに押圧させた時の摺動摩擦により、制動力を発生する。
鉄道車両用のディスクブレーキ装置では、ディスクロータやブレーキライニングが大型であるため、ディスクロータに押圧させるライニング部材を一体部品で形成すると、摩擦熱等でディスクロータに発生するうねり等のために非接触の領域が多くなり、安定した摩擦面積を確保できず、安定した制動特性が得られない。
そこで、このような問題を解決するために、トルク受けプレート上には多数個の第2リンクプレートを略平面上に敷設し、各第2リンクプレート上には多数個の第1リンクプレートを互いに独立に旋回自在に敷設し、各第1リンクプレート上には多数個のライニング部材を互いに独立に旋回自在に配設して、トルク受けプレートのディスクロータ側への移動により、各第1リンクプレート上の各ライニング部材をディスクロータに接触させる構成のブレーキライニングが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような構成のブレーキライニングでは、小さく分割された各ライニング部材が、それぞれ個別の旋回動作でディスクロータ表面のうねりに追従して、ディスクロータ表面に接触するため、安定した摩擦面積を確保して、安定した制動特性を維持できる。
特表平10−507250号公報
ところで、上記特許文献1に記載のブレーキライニングでは、トルク受けプレート上でのライニング部材の位置規制は、ライニング部材の表面と平行な方向、及びライニング部材の表面と直交する方向のいずれも、球面接触部によりライニング部材を旋回自在に第1リンクプレートに連結している第1のユニバーサルジョイントで行っている。
また、第1リンクプレート上での第2リンクプレートの位置規制も、ライニング部材の表面と平行な方向、及びライニング部材の表面と直交する方向のいずれも、球面接触部により第1リンクプレートを旋回自在に第2リンクプレートに連結している第2のユニバーサルジョイントで行っている。
その結果、制動時にライニング部材に作用する制動トルクは、全て、ユニバーサルジョイントの球面接触部を介して、ライニング部材から第1リンクプレートへ、第1リンクプレートから第2リンクプレートへと順に伝達され、そして最終的に第2リンクプレートが結合されているトルク受けプレートに伝達されることになり、各ユニバーサルジョイントを堅牢に、且つ、各ユニバーサルジョイントの球面接触部を高精度に加工しておかないと、一部のユニバーサルジョイントに過大な負荷が集中して、破損を招く虞がある。
しかし、ユニバーサルジョイントの使用箇所が多いため、全てのユニバーサルジョイントを堅牢な構成とし、且つ、その球面接触部、及び該球面接触部が接触する相手側接触部を高精度に加工しなければならないため、部品の加工コストが嵩み、ブレーキライニングのコストアップや、生産性の低下を招くという問題があった。
また、上記特許文献1に記載のブレーキライニングは、鉄道車両用で、制動時にライニング部材に作用する制動トルクを、ライニング部材から第1リンクプレートへ、第1リンクプレートから第2リンクプレートへと順に伝達する構成のため、構成部品数が多く、装置が大型化するため、乗用車等の小型車両のディスクブレーキへの転用ができなかった。
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、ディスクロータの変形に拘わらずに安定した摩擦面積を確保して安定した制動特性を維持でき、しかも、使用部品の加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができ、また、小型化が可能で、乗用車等の小型車両のブレーキ装置としても好適なディスクブレーキ装置を提供することである。
上記目的は下記構成により達成される。
(1) 車体に固定され、制動トルクを受けるトルク受けプレートをディスクロータの軸方向に移動自在に支持するサポートと、前記サポートに支持されるキャリパとを備え、前記キャリパには前記トルク受けプレートに組み付けた摩擦パッド組立体を前記ディスクロータに押圧するピストンが装備される車両用ディスクブレーキ装置であって、
前記摩擦パッド組立体は、前記トルク受けプレートに貫通形成した複数個のガイド穴に旋回自在に嵌合装着される複数個のトルク伝達リングと、前記ディスクロータに接触させる複数個のライニング部材と、各ライニング部材を対応する前記トルク伝達リングに連結する複数個のライニング連結部材と、各ライニング連結部材端部に設けられた球面部と所定の曲率差を有して係合する継手材とを備え、
前記ピストンの押圧力は、前記継手材及び前記ライニング連結部材を介して、各ライニング部材に伝達され、各ライニング部材に作用する制動トルクは前記ライニング部材が連結された前記トルク伝達リングから前記トルク受けプレートに伝達され、前記トルク受けプレートから前記サポートに伝達されることを特徴とする。
(2) 上記(1)において、前記キャリパが、前記ディスクロータの軸方向に移動自在に前記サポートに支持されると共に、前記ディスクロータを挟んで対向配置される一対の摩擦パッド組立体の内の一方の背面を前記ディスクロータ側に押圧するピストンと、他方の背面を押さえるキャリパ爪とを備えた構成の場合に、
前記キャリパ爪側に配置される摩擦パッド組立体は、前記ピストンによって押圧される摩擦パッド組立体と共通の構成とし、前記ピストンを収容するシリンダ部の加工用に前記キャリパ爪側に形成される開口部を塞ぐように、前記シリンダ部と略同心に前記キャリパ爪側にパッド受けプレートを装備し、前記パッド受けプレートに前記継手材を当接させて、前記キャリパ爪側に配置される前記摩擦パッド組立体を位置規制-することを特徴とする。
(3) 上記(1)又は(2)において、前記トルク受けプレートの背面を覆って前記トルク受けプレートにねじ止めされるカバーを備えると共に、前記カバーには、前記継手材を挿通させて前記継手材の端部を前記ピストン又は前記パッド受けプレートに当接させる継手挿通孔を装備したことを特徴とする。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれか一つにおいて、前記トルク受けプレート上の複数個の前記ライニング部材を、2個以上のライニング部材により構成される二つのグループに分けて設け、各グループの前記ライニング部材を前記トルク伝達リングに連結した前記ライニング連結部材の端部が、各グループ毎に前記トルク受けプレートの背面側に配置される二つのリンクプレートの表面に形成された球面部と所定の曲率差を有した連結部材端部の球面部と係合し、前記ピストン又は前記パッド受けプレートに当接させる前記継手材は、二つの前記リンクプレートの背面の重心位置で係合することを特徴とする。
上記(1)に記載の車両用ディスクブレーキ装置では、ディスクロータに押圧されるライニング部材が、小さく分割された複数個のライニング部材から構成されると共に、それぞれのライニング部材が、例えばライニング連結部材と継手材との球面接触部によって係合されているため、ディスクロータ面の半径方向の変形に対しては、各ライニング部材はトルク伝達リング外形球面部によって旋回自在に追従でき、また、ディスクロータ面の回転方向の変形に対しては、継手材が当接しているピストンと該ピストンを収容しているキャリパのシリンダ部との間の隙間によってピストンが傾斜することで、追従することができる。即ち、ディスクロータ面の全ての方向の変形に対して、各ライニング部材が柔軟に追従して、ディスクロータ表面との接触性を良好に維持するため、ディスクロータの変形に拘わらずに安定した摩擦面積を確保して安定した制動特性を維持することができる。
しかも、トルク受けプレート上でのライニング部材の位置規制は、ライニング部材のディスクロータ面と平行な方向に対しては、ライニング部材に固定されたトルク伝達リングとトルク受けプレートとの嵌合によって行い、また、ディスクロータ面と直交する方向に対しては、ライニング部材をトルク伝達リングに連結しているライニング連結部材とこのライニング連結部材の端部を支持する継手材との接触部によって行う。
従って、制動時にライニング部材に作用する制動トルクは、トルク伝達リングからトルク受けプレートにダイレクトに伝達される。また、ピストンの押圧力は、継手材及びライニング連結部材を介して、各ライニング部材に伝達され、ライニング部材がディスクロータ面に押圧される。
即ち、ライニング部材から制動トルクを受ける部材と、ライニング部材から押圧力を受ける部材とが別個に設定されており、加工の難しいライニング連結部材と継手材との球面接触部には、大きい負荷となる制動トルクが作用しない。
そのため、押圧力を伝達するための係合部となるライニング連結部材と継手材との球面接触部には、加工精度を緩和して加工を容易にしても、制動トルクをしっかりと受け止める堅牢な位置決めが実現でき、球面接触部を持つジョイント用部品の加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
また、キャリパに内蔵されたピストンの押圧力は、ピストンに当接させた継手材から、継手材に球面接触させたライニング連結部材を介して、トルク受けプレートに伝達するので、介在する部品数が少ないため、小型化が可能で、乗用車等の小型車両のディスクブレーキ装置としても好適である。
上記(2)に記載の車両用ディスクブレーキ装置では、キャリパ爪の内面側にシリンダ部と略同心に座ぐり加工をして、パッド受けプレートの装着部を形成することで、パッド受けプレートがピストンと同様の位置で摩擦パッド組立体を位置規制する。
即ち、アウター側とインナー側のそれぞれの摩擦パッド組立体が、同様の条件で支持されることになり、加工誤差等に起因した偏荷重の発生を抑えて、摩擦パッド組立体のディスクロータへの密着性を向上させることができる。
上記(3)に記載の車両用ディスクブレーキ装置では、カバーによってパッド受けプレートの背面が覆われることで、トルク受けプレートとトルク伝達リングとの嵌合部や、トルク伝達リングとライニング連結部材との嵌合部等に外部の異物が浸入することを防止でき、これらの部位への異物の付着等による汚損を防止することができる。
そして、カバーには、継手材を挿通させる継手挿通孔を装備しているため、ライニング部材をディスクロータに押圧させるための荷重がカバーに作用することがない。従って、カバーは、それほど強度が必要とならず、薄肉化による軽量化を図ることができる。
上記(4)に記載の車両用ディスクブレーキ装置では、ライニング部材を二つのグループに分け、それぞれのグループを複数個のライニング部材で構成したことで、より多数のライニング部材を良好にディスクロータに接触させることが可能になり、制動時の発熱等によるディスクロータの変形に対して、各ライニング部材がより柔軟に追従可能になる。
以下、本発明に係る車両用ディスクブレーキ装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図8は本発明に係る車両用ディスクブレーキ装置の一実施の形態を示したもので、図1は本発明の一実施形態の車両用ディスクブレーキ装置の上方から見た斜視図で、図2は図1に示した車両用ディスクブレーキ装置の側面図で図1のA矢視図、図3は図2のC矢視図、図4は図2のB−B線に沿う断面図、図5は図1に示した車両用ディスクブレーキ装置のサポートからキャリパを取り外した状態の分解斜視図、図6は図5に示した車両用ディスクブレーキ装置に装着されている一対の摩擦パッド組立体と、これら一対の摩擦パッド組立体の位置規制を行うピストン及びパッド受けプレートとの位置関係を示す分解斜視図、図7は図6に示した摩擦パッド組立体の分解斜視図、図8は図7に示したトルク受けプレートとライニング部材の分解斜視図である。
この実施の形態の車両用ディスクブレーキ装置1は、所謂、フローティング・キャリパ式の車両用ディスクブレーキ装置で、車軸に固定されたディスクロータ2と、このディスクロータ2を挟んで対向配置される一対のトルク受けプレート4のディスクロータ2側の面に複数個のライニング部材6を組み付けた一対の摩擦パッド組立体8,9と、インナー側の摩擦パッド組立体8をディスクロータ2に押し付けるためのピストン11を収容するシリンダ部13が一方の側に形成されると共にアウター側の摩擦パッド組立体9の背面を規制するキャリパ爪15が他方の側に設けられたキャリパ17と、車体側に固定されると共にキャリパ17をディスクロータ2の軸方向に移動可能にフローティング支持するサポート19とを備えている。
サポート19は、図3に示すように、車体に固定する取付穴21を有した連結部23と、この連結部23の両側にそれぞれ立設された支持椀25とから構成される。各支持椀25の内面には、板金製のパッドクリップ27が装着されている。このパッドクリップ27は、図3及び図4に示すように、金属板で一体形成したもので、トルク受けプレート4の両側部に形成された耳部4aをディスクロータ2の軸方向に摺動自在に保持する溝状のパッドガイド部29を形成している。
キャリパ17は、図1及び図2に示すように、シリンダ部13の外周から張り出すように装備された一対のアーム部17aに装備した連結ねじ31を、サポート19の各支持椀25の上端側に装備されたスライドガイド部33の一端に螺合することで、ディスクロータ2の軸方向にスライド可能に、サポート19に支持されている。
キャリパ17に装備されたピストン11は、ブレーキ操作に応じてシリンダ部13に供給される油圧で作動し、摩擦パッド組立体8をディスクロータ2に押し付ける。
このようなフローティング・キャリパ式の車両用ディスクブレーキ装置では、ピストン11による押圧によってインナー側の摩擦パッド組立体8がディスクロータ2に接触すると、押圧作用の反作用で、キャリパ17がピストン11と逆方向に移動し、このキャリパ17の移動によって、キャリパ爪15により背面が規制されているアウター側の摩擦パッド組立体9もディスクロータ2に押圧され、その結果、一対の摩擦パッド組立体8,9がディスクロータ2を挟圧して、制動力を得る状態となる。
本実施の形態における摩擦パッド組立体8,9は、同一の構成であるので、その詳細の構成については、図7及び図8に示したインナー側の摩擦パッド組立体8を例に、説明する。
各摩擦パッド組立体8,9は、図7及び図8に示すように、サポート19に摺動自在に支持される耳部4aを両端に形成したトルク受けプレート4と、このトルク受けプレート4に貫通形成された6個のガイド孔4bにそれぞれ嵌合装着された6個のトルク伝達リング43と、ディスクロータ2に接触させるライニング本体61の裏面に裏板62が貼付された6個のライニング部材6と、各ライニング部材6を対応するトルク伝達リング43に連結すると同時に各トルク伝達リング43をガイド孔4bから抜け止めする複数個のライニング連結部材45と、各トルク受けプレート4の背面に突出する各ライニング連結部材45の端部を3個ずつの二つのグループに分けて支持する二つのリンクプレート47,47と、各リンクプレート47の重心位置を押圧する二つの継手材49と、これらのリンクプレート47及び継手材49の上からトルク受けプレート4の背面を覆ってトルク受けプレート4にねじ部材51によりねじ止めされるカバー53とから構成されている。
トルク受けプレート4上のガイド孔4bは、ライニング部材6の外径よりも小さく設定されている。
トルク伝達リング43は、外径がガイド孔4bの内径よりも僅かに小さく設定されると共に、その外周面を球面形状とすることで、旋回自在にガイド孔4bに遊嵌する。但し、嵌合したガイド孔4b内での径方向への変位はガタつきによる異音発生が生じない程度に小さく設定されている。また、径方向に接触するトルク受けプレート4に制動トルクを伝達できるように、十分な強度を持つ材料で形成されている。
ライニング部材6の中心、及びトルク伝達リング43の中心には、ライニング連結部材45を構成しているジョイントロッド55を挿通させるためのロッド挿通孔6a,43aが貫通形成されている。
ライニング連結部材45は、積層させたライニング部材6及びトルク伝達リング43の孔6a,43aを挿通する軸部55aとライニング部材6のロッド挿通孔6aよりも大きな外径の頭部55bとを有したジョイントロッド55と、トルク伝達リング43を挿通した軸部55aに嵌合する板ばね57と、軸部55aの端部付近に形成された溝に係合する止め輪59とから構成されている。
なお、ジョイントロッド55の頭部55bがライニング本体61の表面に突出しないように、ライニング本体61の表面には、頭部55bを埋没させるために径を頭部55bよりも大きく設定した座ぐり孔61aが形成されている(図6参照)。
板ばね57は、ばね座がねの如き構造で、外径がトルク受けプレート4のガイド孔4bの径よりも大きく設定されている。
止め輪59は、軸部55aに係合するCリング又はEリングで、その外径は、軸部55aが挿通する板ばね57のロッド挿通孔57aの径よりも大きく設定されている。
以上のライニング連結部材45は、ライニング部材6をその裏面に重なるトルク伝達リング43に連結すると同時に、ライニング部材6と板ばね57とでトルク受けプレート4を挟持させることで、各トルク伝達リング43をガイド孔4bから抜け止めする。
ジョイントロッド55の端面は、例えば、凸球面に形成されている。
リンクプレート47は、トルク受けプレート4上のガイド孔4bの中心位置に合わせて、ジョイントロッド55の端面が球面接触して連結部材支持部となる凹球面47aを有しており、また、凹球面47aが装備される側と逆の面には、継手材49に接触させる凹球面47bが形成されている。
リンクプレート47に装備される凹球面47bは、その反対側の面に装備されている3つの凹球面47aの中心となる重心位置に装備されている。
継手材49は、図4に示すように、リンクプレート47の凹球面47bに当接する面が凸球面に形成されると共に、その反対側の端面が平坦面に形成されていて、当接したリンクプレート47が必要とする自由度を有して保持される。
カバー53には、継手材49を挿通させる継手挿通孔53aが装備されている。この継手挿通孔53aを挿通した2個の継手材49の端部は、図4に示すように、ピストン11の端面又はキャリパ爪15に装着したパッド受けプレート65に当接されて、ディスクロータ2の軸方向への位置規制がなされている。
パッド受けプレート65は、キャリパ17におけるシリンダ部13の加工用としてキャリパ爪15側に形成される開口部15aを塞ぐと共にピストンと同様の位置でアウター側の摩擦パッド組立体9を位置規制するもので、シリンダ部13と略同心の円板状に形成されている。また、パッド受けプレート65は外径が、ピストン11と略同径に設定されて、爪部の内面側に座ぐり加工して形成した装着部15bに嵌め合わされている。
以上の車両用ディスクブレーキ装置1では、インナー側の摩擦パッド組立体8に作用するピストン11からの押圧力は継手材49及びリンクプレート47及びライニング連結部材45を介して各ライニング部材6に伝達され、各ライニング部材6に作用する制動トルクはライニング部材6が連結されたトルク伝達リング43から該リング43が嵌合しているトルク受けプレート4に伝達され、トルク受けプレート4からサポート19に伝達される。
このような車両用ディスクブレーキ装置1では、ディスクロータ2に押圧されるライニング部材6が、小さく分割された6個のライニング部材6から構成されると共に、それぞれのライニング部材6が、例えばライニング連結部材45のジョイントロッド55とリンクプレート47との間の球面接触部、あるいはリンクプレート47と継手材49との間の球面接触部によってトルク伝達リングが旋回可能にされているため、ディスクロータ2の表面の半径方向の変形に対しては、各ライニング部材6が旋回自在により追従でき、また、ディスクロータ2の表面の回転方向の変形に対しては、二つの継手材49が当接しているピストン11と該ピストン11を収容しているシリンダ部13との間の隙間によってピストン11が傾斜することで、追従することができる。
即ち、ディスクロータ2の表面の全ての方向の変形に対して、各ライニング部材6が柔軟に追従して、ディスクロータ2表面との接触性を良好に維持するため、ディスクロータ2の変形に拘わらずに安定した摩擦面積を確保して安定した制動特性を維持することができる。
しかも、トルク受けプレート4上でのライニング部材6の位置規制は、ライニング部材6のディスクロータ2の表面と平行な方向に対しては、ライニング部材6に固定されたトルク伝達リング43とトルク受けプレート4との嵌合によって行い、また、ディスクロータ2の表面と直交する方向に対しては、ライニング部材6をトルク伝達リング43に連結しているライニング連結部材45とリンクプレート47を介してライニング連結部材45の端部を支持する継手材49との接触部によって行う。
従って、制動時にライニング部材6に作用する制動トルクは、トルク伝達リング43からトルク受けプレート4にダイレクトに伝達される。また、ピストン11の押圧力は、継手材49及びリンクプレート47及びライニング連結部材45を介して各ライニング部材6に伝達され、ライニング部材6がディスクロータ2の表面に押圧される。
即ち、ライニング部材6から制動トルクを受ける部材と、ライニング部材6から押圧力を受ける部材とが別個に設定されており、加工の難しいライニング連結部材45や継手材49などの球面接触部には、大きい負荷となる制動トルクが作用しない。
そのため、押圧力を伝達するジョイント部となるライニング連結部材45と継手材49との球面接触部には、加工精度を緩和して、加工を容易にしても、制動トルクをしっかりと受け止める堅牢な位置決めが実現でき、球面接触部を持つジョイント用部品の加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
また、キャリパ17に内蔵されたピストン11からの押圧力は、ピストン11に当接させた二つの継手材49から、これらの継手材49に球面接触させたリンクプレート47及びジョイントロッド55を介して、トルク受けプレート4に伝達するので、介在する部品数が少ないため、小型化が可能で、乗用車等の小型車両のディスクブレーキ装置としても好適である。
また、本実施の形態の車両用ディスクブレーキ装置1では、キャリパ爪15の内面側にシリンダ部13と略同心に座ぐり加工をして、パッド受けプレート65の装着部15bを形成することで、パッド受けプレート65がピストン11と同様の位置で摩擦パッド組立体8,9を位置規制する。
即ち、アウター側とインナー側のそれぞれの摩擦パッド組立体8,9が、同様の条件で支持されることになり、加工誤差等に起因した偏荷重の発生を抑えて、摩擦パッド組立体8,9のディスクロータ2への密着性を向上させることができる。
また、本実施の形態の車両用ディスクブレーキ装置1では、カバー53によってパッド受けプレート65の背面が覆われることで、トルク受けプレート4とトルク伝達リング43との嵌合部や、トルク伝達リング43とライニング連結部材45を構成しているジョイントロッド55との嵌合部等に外部の異物が浸入することを防止でき、これらの部位への異物の付着等による汚損を防止することができる。
そして、カバー53には、継手材49を挿通させる継手挿通孔53aを装備しているため、ライニング部材6をディスクロータ2に押圧させるための荷重がカバー53に作用することがない。従って、カバー53は、それほど強度が必要とならず、薄肉化による軽量化を図ることができる。
更に、本実施の形態の車両用ディスクブレーキ装置1では、ライニング部材6を二つのグループに分け、それぞれのグループを3個のライニング部材6で構成したことで、より多数のライニング部材6を良好にディスクロータ2に接触させることが可能になり、制動時の発熱等によるディスクロータ2の変形に対して、各ライニング部材6がより柔軟に追従可能になる。
なお、各摩擦パッド組立体8,9において、トルク受けプレート4上に装備するライニング部材6の数量は、上記実施の形態に限定するものではない。
上記実施の形態では、トルク受けプレート4上には、二つのグループに分けて、各グループ毎に3個のライニング部材6を装備する構成とした。しかし、各グループを構成するライニング部材の数量は、要求される制動トルクの大きさや、ディスクロータの大きさ等に応じて、2個以上の任意の数量に設定することが可能である。
また、二つのグループに分けずに、図9乃至図11に示すように、単純に2個のライニング部材6をトルク受けプレート4上に旋回可能に装備するようにしても良い。
この実施の形態の場合は、トルク受けプレート4上に装備するライニング部材の数量が減った分、一つのライニング部材の寸法が大きくなるが、ライニング部材のトルク受けプレート4への取り付け構造は、一実施の形態の場合と同様で良く、ライニング部材6をトルク受けプレート4に連結するライニング連結部材45、カバー53などの共通する構成は、同番号を付して説明を省略する。
なお、このように、トルク受けプレート4上に装備するライニング部材6が、二つの場合は、一実施の形態で使用したリンクプレート47が不要になり、その分、構成する部品点数を削減することができる。
また、リンクプレート47を省略した場合には、継手材49が、ライニング連結部材45を構成しているジョイントロッド55の端部に球面接触して押圧力を伝達する構造となる。
このようにしても、第1の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
本発明に係る車両用ディスクブレーキ装置の一実施の形態を斜め上方から見た斜視図である。 図1に示した車両用ディスクブレーキ装置の側面図で、図1のA矢視図である。 図2のC矢視図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 図1に示した車両用ディスクブレーキ装置のキャリパを取り外した状態の分解斜視図である。 図5に示した一対の摩擦パッド組立体と、これら摩擦パッド組立体の位置規制を行うピストン及びパッド受けプレートとの位置関係を示す分解斜視図である。 図6に示した摩擦パッド組立体の分解斜視図である。 図7に示したトルク受けプレートとライニング部材の分解斜視図である。 本発明に係る車両用ディスクブレーキ装置で使用する摩擦パッド組立体の他の実施の形態の斜視図である。 図9に示した摩擦パッド組立体の分解斜視図である。 図10にトルク受けプレートとライニング部材の分解斜視図である。
符号の説明
1 車両用ディスクブレーキ装置
2 ディスクロータ
4 トルク受けプレート
6 ライニング部材
8,9 摩擦パッド組立体
11 ピストン
13 シリンダ部
15 キャリパ爪
17 キャリパ
19 サポート
21 取付穴
23 連結部
25 支持椀
27 パッドクリップ
29 パッドガイド部
31 連結ねじ
43 トルク伝達リング
45 ライニング連結部材
47 リンクプレート
49 継手材(ジョイント)
53 カバー
53a 継手挿通孔
55 ジョイントロッド
57 板ばね
59 止め輪
61 ライニング本体
62 裏板
65 パッド受けプレート

Claims (4)

  1. 車体に固定され、制動トルクを受けるトルク受けプレートをディスクロータの軸方向に移動自在に支持するサポートと、前記サポートに支持されるキャリパとを備え、前記キャリパには前記トルク受けプレートに組み付けた摩擦パッド組立体を前記ディスクロータに押圧するピストンが装備される車両用ディスクブレーキ装置であって、
    前記摩擦パッド組立体は、前記トルク受けプレートに貫通形成した複数個のガイド穴に旋回自在に嵌合装着される複数個のトルク伝達リングと、前記ディスクロータに接触させる複数個のライニング部材と、各ライニング部材を対応する前記トルク伝達リングに連結する複数個のライニング連結部材と、各ライニング連結部材端部に設けられた球面部と所定の曲率差を有して係合する継手材とを備え、
    前記ピストンの押圧力は、前記継手材及び前記ライニング連結部材を介して、各ライニング部材に伝達され、各ライニング部材に作用する制動トルクは前記ライニング部材が連結された前記トルク伝達リングから前記トルク受けプレートに伝達され、前記トルク受けプレートから前記サポートに伝達されることを特徴とする車両用ディスクブレーキ装置。
  2. 前記キャリパが、前記ディスクロータの軸方向に移動自在に前記サポートに支持されると共に、前記ディスクロータを挟んで対向配置される一対の摩擦パッド組立体の内の一方の背面を前記ディスクロータ側に押圧するピストンと、他方の背面を押さえるキャリパ爪とを備えた構成の場合に、
    前記キャリパ爪側に配置される摩擦パッド組立体は、前記ピストンによって押圧される摩擦パッド組立体と共通の構成とし、前記ピストンを収容するシリンダ部の加工用に前記キャリパ爪側に形成される開口部を塞ぐように、前記シリンダ部と略同心に前記キャリパ爪側にパッド受けプレートを装備し、前記パッド受けプレートに前記継手材を当接させて、前記キャリパ爪側に配置される前記摩擦パッド組立体を位置規制-することを特徴とする請求項1に記載の車両用ディスクブレーキ装置。
  3. 前記トルク受けプレートの背面を覆って前記トルク受けプレートにねじ止めされるカバーを備えると共に、前記カバーには、前記継手材を挿通させて前記継手材の端部を前記ピストン又は前記パッド受けプレートに当接させる継手挿通孔を装備したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ディスクブレーキ装置。
  4. 前記トルク受けプレート上の複数個の前記ライニング部材を、2個以上のライニング部材により構成される二つのグループに分けて設け、各グループの前記ライニング部材を前記トルク伝達リングに連結した前記ライニング連結部材の端部が、各グループ毎に前記トルク受けプレートの背面側に配置される二つのリンクプレートの表面に形成された球面部と所定の曲率差を有した連結部材端部の球面部と係合し、前記ピストン又は前記パッド受けプレートに当接させる前記継手材は、二つの前記リンクプレートの背面の重心位置で係合することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用ディスクブレーキ装置。
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