JP2007161394A - 協調搬送方法および協調搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
複数台の移動式クレーンロボット10A(リーダ11およびフォロワ12)により搬送物体1を共吊りしながら目的地まで搬送する。搬送物体1とフォロワ12のワイヤ6との接続点にマーカ13を設置し、マーカ13を上方から撮像する撮像装置8をフォロワ12に設置する。リーダ11に目的地までの動作指令を与え、撮像装置8の画像からフォロワ12の座標系におけるマーカ13の位置を検知して位置情報を生成し、この位置情報に基づいてリーダ11の動作を推定し、推定したリーダ11の動作に基づいてフォロワ12の動作を制御する。
【選択図】図1
Description
これに対し、小型のロボットを複数台投入して人間のように協調して搬送させることで、1台では搬送できなかった物体も搬送することが可能となり、また、様々な大きさの物体に応じてロボットの台数を変更することにより柔軟に対応できることから、このような現場での作業の効率化が期待されている。
例えば、下記非特許文献1では、複数台のロボットからリーダとなる1台のロボットを選択し、フォロワと称する残りのロボットは何らかのセンサによってリーダの動作を推定し、搬送物体を目的地まで協調搬送する方法について一つの提案がなされている。
また、下記特許文献1では、2輪独立駆動方式のロボットの協調搬送において、駆動輪の2車輪の中点から車輪の進行方向に所定距離を隔てた位置で、その垂直軸周り回転自在に搬送物体を支持し、その支持点の移動速度、搬送物体に掛かる内力を制御して協調搬送する方法について一つの提案がなされている。
しかしながら、搬送作業に限定した場合、マニピュレータやフォークリフトによる搬送では、搬送重量あたりの機器コストが高く、重量物の搬送には適していないという問題がある。
すなわち、本発明にかかる協調搬送方法は、搬送物体を吊り下げ可能なクレーンを備え且つ移動可能に構成された移動式クレーンロボットを複数台用い、該複数台の移動式クレーンロボットにより搬送物体を共吊りしながら目的地まで搬送する、ことを特徴とする。
このため、全てのロボットに動作指令(目標軌道)を与える場合に比べて、目的地の変更の際にリーダの動作指令のみを変更すればよく、フォロワの制御に関しては変更が不要という利点がある。また、リーダとなる移動式クレーンロボットを人間の操作(運転又はリモートコントロール)により動作させても、協調搬送が可能である。
図1に示すように、この協調搬送装置10は、搬送物体1を吊り下げ可能なクレーン4を備え且つ移動可能に構成された複数台の移動式クレーンロボット10Aからなる。各移動式クレーンロボット10Aは、前進、後進、左右方向への旋回を行って自在に地上を走行し移動することができ、これら複数台の移動式クレーンロボット10Aにより搬送物体1を共吊りしながら目的地まで協調して搬送する。
本実施形態において移動式クレーンロボット10Aは2台であるが、搬送物体1の重量、大きさ、移動式クレーンロボット10Aの搬送能力などにより、3台以上で協調搬送するようにしてもよい。
ここで、リーダ11とフォロワ12が前後方向に関して同一位置でかつ平行に並んだ状態における、リーダ11とフォロワ12のワイヤ6の上端間の距離を車間距離dとし、この状態を初期状態とする。
本実施形態では、搬送物体1とフォロワ12のクレーン4のワイヤ6との接続点に、撮像装置8によって識別可能なマーカ13が設置されており、マーカ13を位置の検知対象となる特定部位としている。
なお、マーカ13を設置せずに、搬送物体1自体の全体又は一部の形状を特徴点としてパターンマッチングなどの画像処理により、特定部位の位置を検知するようにしてもよい。またマーカ13は、搬送物体1とフォロワ12のクレーン4のワイヤ6との接続点以外の部位に設置されてもよい。
このように、リーダ11が動作し、リーダ11とフォロワ12の相対位置が初期状態から変化することで、搬送物体1とワイヤ6の位置が変位し、マーカ13の位置も変位する。ここで、フォロワ12のワイヤ6の上端の位置を座標系のゼロ点としたときのマーカ13の位置をlv、φvで表現する。
なお、このように撮像装置8によりマーカ13の位置変位を追跡する必要があるので、リーダ11が動作に伴ってマーカ13の位置が移動しても撮像画像上にマーカ13が収まるように、撮像装置8の画角や設置高さが設定される。
図3は、フォロワ12である移動式クレーンロボット10Aの処理部20の構成を示す図である。処理部20は、位置検知部21と、誤差修正部22と、動作推定部23と、動作制御部24と、を有している。
位置検知部21は、撮像装置8から画像信号を受け、フォロワ12の座標系における搬送物体1、ワイヤ6またはこれらの所定部位の位置を検知してその位置情報を生成する。本実施形態では、撮像装置8の画像から検知するのは、上記のマーカ13の位置である。
図4は、リーダ11の動作の一例として右旋回しながら前進した場合の、リーダ11、フォロワ12および搬送物体1を上方から見たときのこれらの位置関係を示す図である。
初期状態からリーダ11にある動作指令を与えて動作させた場合、リーダ11とフォロワ12の相対位置が変化することで、搬送物体1とワイヤ6の位置が変位し、マーカ13の位置も変位する。フォロワ12は、撮像装置8によりマーカ13の動きを撮像しており、位置検知部21によりフォロワ12の座標系におけるマーカ13の位置を検知する。
搬送物体1の振れはリーダ11とフォロワ12の加速度に依存するものであり、誤差修正部22は、フォロワ12の速度から搬送物体1の振れを以下の式(数1)から推定する。
求めた目標位置、向きからフォロワ12の速度を以下の式(数7)から求める。
このように、リーダ11に目的地までの動作指令を与えて動作すると、フォロワ12は、マーカ13の位置の変化からリーダ11の動作を推定し、リーダ11の動作からフォロワ12の目標位置を決定し動作するので、リーダ11とフォロワ12により搬送物体1を目的地まで協調搬送することができる。
図5はリーダ11の軌道を右旋回した場合であり、図6はリーダ11の軌道を左旋回した場合である。リーダ11の速度は時間についての5次関数とし、最高速度を0.5m/sとし、初期状態の車間をd=0.8mとした。図5、図6において左側は、位置情報の修正を行わない場合であり、右側は搬送物体1の振れを推定し、位置情報を修正した場合である。
本発明によれば、搬送物体1を移動型クレーンロボット10Aにより協調搬送するので、従来のマニピュレータなどを用いた協調搬送よりも搬送重量あたりの機器コストが低減できる。したがって、重量物の搬送に対して有利である。
このため、全てのロボットに動作指令(目標軌道)を与える場合に比べて、目的地の変更の際にリーダ11の動作指令のみを変更すればよく、フォロワ12の制御に関しては変更が不要という利点がある。また、リーダ11となる移動式クレーンロボット10Aを人間の操作(運転又はリモートコントロール)により動作させても、協調搬送が可能である。
その他、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
3 移動台車
4 クレーン
5 支柱
6 ワイヤ
8 撮像装置
9 ビーム
10 協調搬送装置
11 リーダ
12 フォロワ
13 マーカ
15 枠
20 処理部
21 位置検知部
22 誤差修正部
23 動作推定部
24 動作制御部
Claims (7)
- 搬送物体を吊り下げ可能なクレーンを備え且つ移動可能に構成された移動式クレーンロボットを複数台用い、該複数台の移動式クレーンロボットにより搬送物体を共吊りしながら目的地まで搬送する、ことを特徴とする協調搬送方法。
- 前記複数の移動式クレーンロボットのうち一台を目的地までの動作指令が与えられるリーダとし、他の残りの移動式クレーンロボットを前記リーダの動作を推定しながら移動するフォロワとし、搬送物体と該搬送物体を吊り下げた状態のクレーンのワイヤのうち少なくともいずれかを上方から撮像する撮像装置を前記フォロワに設置し、
前記リーダに目的地までの動作指令を与え、前記撮像装置の画像からフォロワの座標系における搬送物体、ワイヤまたはこれらの所定部位の位置を検知して位置情報を生成し、該位置情報に基づいて前記リーダの動作を推定し、推定した前記リーダの動作に基づいて前記フォロワの動作を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の協調搬送方法。 - 推定されたリーダの動作に基づいて、前記リーダと前記フォロワの相対位置を初期状態における前記リーダと当該フォロワの相対位置に保持するように、当該フォロワの動作を制御する、ことを特徴とする請求項2に記載の協調搬送方法。
- 前記移動式クレーンロボットの動作による前記搬送物体の振れを推定し、この推定値に基づいて、前記の検知した位置について前記搬送物体の振れによる誤差を修正する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の協調搬送方法。
- 搬送物体を吊り下げ可能なクレーンを備え且つ移動可能に構成された複数台の移動式クレーンロボットからなり、該複数台の移動式クレーンロボットにより搬送物体を共吊りしながら目的地まで搬送する協調搬送装置であって、
該複数台の移動式クレーンロボットのうち一台は、目的地までの動作指令が与えられるリーダであり、
他の残りの移動式クレーンロボットは、前記リーダの動作を推定しながら移動するフォロワであり、
該フォロワは、
前記搬送物体と該搬送物体を吊り下げた状態のクレーンのワイヤのうち少なくともいずれかを上方から撮像する撮像装置と、
該撮像装置の画像から当該フォロワの座標系における搬送物体、ワイヤまたはこれらの所定部位の位置を検知して位置情報を生成する位置検知部と、
前記位置情報に基づいて前記リーダの動作を推定する動作推定部と、
推定されたリーダの動作に基づいて当該フォロワの動作を制御する動作制御部と、を有する、
ことを特徴とする協調搬送装置。 - 前記動作制御部は、推定されたリーダの動作に基づいて、前記リーダと前記フォロワの相対位置を初期状態における前記リーダと当該フォロワの相対位置に保持するように、当該フォロワの動作を制御する、ことを特徴とする請求項5に記載の協調搬送装置。
- 前記フォロワは、前記移動式クレーンロボットの動作による前記搬送物体の振れを推定し、この推定値に基づいて、前記の検知した位置について搬送物体の振れによる誤差を修正する誤差修正部をさらに有する、ことを特徴とする請求項5または6に記載の協調搬送装置。
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