JP2000016757A - 振れ検出装置の校正方法 - Google Patents

振れ検出装置の校正方法

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JP2000016757A JP10182756A JP18275698A JP2000016757A JP 2000016757 A JP2000016757 A JP 2000016757A JP 10182756 A JP10182756 A JP 10182756A JP 18275698 A JP18275698 A JP 18275698A JP 2000016757 A JP2000016757 A JP 2000016757A
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寿 袋井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吊荷の重量が大きい場合でも正確にスプレッ
ダの振れ角を検出できる振れ検出装置の校正方法を提供
する。 【解決手段】 トロリ5に設けたカメラ12で撮影され
たスプレッダ7上のマーカ11を画像処理装置14によ
り検出し、そのスプレッダ7の振れ角を検出する振れ検
出装置において、スプレッダ7にコンテナ等の吊荷6を
吊った状態でトロリ5をブーム4に沿って移動させたと
きの各トロリ5位置におけるスプレッダ7の振れがない
状態でのマーカ11の中心位置Sを求めておき、これを
運用時のスプレッダ7の振れ角検出の校正データとして
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンテナクレーン
等のスプレッダの振れ角を検出する振れ検出装置の校正
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンテナクレーンは、コンテナ
等の吊荷を吊り上げるスプレッダ(吊具)がトロリから
ロープ類で吊り下げられているので、荷役作業時にトロ
リが移動する際にスプレッダが振れてしまう。このスプ
レッダが振れてしまうと荷役位置に吊荷を正確に積み降
ろし搬送ができなくなるため、コンテナクレーンによる
荷役作業の効率化を図るには、この振れ角を正確かつ高
速に検出し、その検出値をもとにスプレッダの振れ止め
を制御することが重要になる。
【0003】従来、スプレッダの振れ角を検出するもの
として、特開平8−12260号公報や特開平9−25
7475号公報に示すような振れ検出装置がある。この
振れ検出装置は、ブームに沿って移動するトロリに固定
されたカメラで、スプレッダに設けられたマーカを撮影
し、その撮影した画像から画像処理装置でマーカ位置を
検出して、スプレッダのカメラに対する振れ量を求めて
スプレッダの振れ角を検出するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コンテナク
レーンのブームには吊荷の重量のため、若干のたわみが
発生するが、特に、コンテナ等の吊荷の重量が大きい場
合には、そのたわみ量が大きくなる。これによって、カ
メラはトロリと共に傾いてしまい、カメラの光軸とマー
カの中心位置とでズレが発生してしまう。そのため、正
確にスプレッダの振れ角が検出できず、スプレッダの十
分な振れ止性能を得ることができなくなるという問題が
あった。
【0005】そこで、本発明の目的は、吊荷の重量が大
きい場合でも正確にスプレッダの振れ角を検出できる振
れ検出装置の校正方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、トロリに設けたカメラで撮影されたスプレ
ッダ上のマーカを画像処理装置により検出し、そのスプ
レッダの振れ角を検出する振れ検出装置において、スプ
レッダにコンテナ等の吊荷を吊った状態でトロリをブー
ムに沿って移動させたときの各トロリ位置におけるスプ
レッダの振れがない状態でのマーカの中心位置を求めて
おき、これを運用時のスプレッダの振れ角検出の校正デ
ータとして用いる方法である。
【0007】これによれば、各トロリ位置における振れ
がない状態でのマーカの中心位置を計測して、その位置
からのコンテナクレーンの運用時のマーカの中心位置を
算出でき、これを振れがない状態でのスプレッダ中心位
置とし、スプレッダの振れ角を、正確に検出することが
できる。
【0008】そして、上記スプレッダにコンテナ等の吊
荷を吊った状態で上記トロリをブームに沿って移動させ
たときの各トロリ位置におけるブームのたわみの影響を
受けた上記カメラのスプレッダの振れがない状態でのマ
ーカの中心位置を画像処理装置により予め計測してお
き、これを上記カメラの振れ検出用の基準位置とした方
法が好ましい。
【0009】また、上記スプレッダの振れがない状態で
のマーカ中心位置を、ブームのたわみデータから求めた
上記カメラの光軸のズレ量から求める方法でもよい。
【0010】さらに、上記カメラのスプレッダの振れが
ない状態でのマーカの中心位置を、上記トロリが位置す
る複数の所定位置において上記スプレッダの上限点と下
限点とで求めておき、これら各点の間におけるカメラの
スプレッダの振れがない状態でのマーカの中心位置を、
上記データから補間計算により求める方法が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適一実施の形態
を添付図面を用いて詳述する。
【0012】図1は本発明が適用されるコンテナクレー
ンを示した概略図、図2はコンテナクレーンを示した全
体図である。
【0013】まず、図2によりコンテナクレーンの概略
から説明する。
【0014】図示するように、このコンテナクレーン1
には、岸壁2に沿って移動する走行体3が設けられ、こ
の走行体3の上部には、海側に向かって延出したブーム
4が設けられている。このブーム4には、これに沿って
移動するトロリ5が設けられている。このトロリ5の下
側には、コンテナ等の吊荷6を吊るすためのスプレッダ
(吊具)7が設けられている。
【0015】スプレッダ7はロープ8を介してトロリ5
に吊り下げられており、トロリ5には、ロープ8を巻い
てスプレッダ7を昇降させるための昇降手段(図示せ
ず)が設けられている。また、ブーム4には、トロリ5
をブーム4に沿った方向(図1中矢印hにて示す)に案
内するためのレール9(図1参照)が配設されている。
【0016】すなわち、コンテナクレーン1は、トロリ
5をレール9に沿って移動して、搬送する吊荷6の上方
にスプレッダ7を搬送した後、ロープ8を巻き下ろして
スプレッダ7と吊荷6とを固定し、ロープ8を巻き上
げ、トロリ5を移動して吊荷6を所望の荷役位置に搬送
するようになっている。
【0017】次に、図1により振れ検出装置の構成につ
いて説明する。
【0018】振れ検出装置は、ターゲットとなるマーカ
11と、そのマーカ11を撮影するCCDカメラ等のカ
メラ12と、このカメラ12と接続された画像処理装置
14とで構成されている。
【0019】マーカ11は、スプレッダ7の上面の中心
部に模様、例えばその中心部から放射状に広がった模様
(図示せず)が描かれて成っている。
【0020】カメラ12は、マーカ11の鉛直方向上方
の位置でトロリ5の下面に固定されており、トロリ5の
水平時にはマーカ11の中心位置がカメラ12のほぼ視
野中央にくるように配置されている。
【0021】画像処理装置14には、カメラ12で撮影
したマーカ11を含む画像が入力され、その画像よりマ
ーカ11を検出すると共に、スプレッダ7の振れがない
状態での位置からの振れ量を求めて、スプレッダ7の振
れ角を算出するようになっている。画像処理装置14に
より求めた振れ角は、振止制御装置15に入力され、こ
の振止制御装置15により、トロリ5の移動速度を制御
して、スプレッダ7の振れ止めを行うようになってい
る。
【0022】この画像処理装置14には、後述の校正デ
ータが入力されており、振れ量検出の際に、カメラ12
のスプレッダ7の振れがない状態でのマーカ11の中心
位置Sを校正してマーカ11の振れ量を検出するように
なっている。
【0023】次に、運用時のスプレッダ7の振れ角を正
確に検出するための校正データの求め方を説明する。
【0024】まず、スプレッダ7に吊荷6を吊った状態
でトロリ5をブーム4に沿って移動させ、所定位置で停
止させる。
【0025】図3(a)は、吊荷6の荷重でブーム4が
たわみ、それに応じてトロリ5が傾斜した状態を示して
いる。この場合、カメラ12の光軸Oは傾斜するが、ロ
ープ8は鉛直に保たれるため、光軸Oとマーカ11の中
心位置Sとはずれた状態となる。そこで、図3(b)に
示すようにその位置でスプレッダ7の振れが無くなった
状態での、マーカ11の中心位置Sを、カメラ12の振
れ検出用の基準位置として計測する。
【0026】このマーカ11の中心位置Sの計測は、ト
ロリ5が同じ位置での、スプレッダの吊り高さの上限点
と下限点とでそれぞれ行う。そして、この上下2点での
計測が終了したなら、トロリ5を次の所定位置に移動さ
せ、順次、計測を行っていく。
【0027】このように計測されたマーカ11の中心位
置Sと、カメラ12とマーカ11との距離LCSとから、
鉛直線に対するカメラ12の各位置のマーカ中心位置を
補間計算によって算出する。
【0028】なお、トロリ5の上記所定位置は、ブーム
4と走行体3との接合点や梁の位置等であるブーム4の
支持点を基準に等間隔で分割して決定される。この間隔
は、構造計算によるブーム4のたわみ曲線において、た
わみ曲線が略直線的に繋がる程度の距離とされる。
【0029】図4は、ブームの根本ピンからブーム先端
まで、40トンのコンテナを吊ってトロリ5を移動させ
たときの、停止した各所定位置A〜Mにおける実際のブ
ーム4の沈み量からカメラ12の傾き角を表したもので
ある。この傾き角から各位置でのスプレッダ7の振れが
無くなった状態でのマーカ11の中心位置Sを求めるよ
うにしてもよい。
【0030】上述のように各所定位置で計測されたカメ
ラ12のマーカ11の中心位置Sは、画像処理装置14
に校正データとして予め入力されており、各位置間の校
正データ(スプレッダ7の振れがない状態でのマーカ1
1の中心位置)は補間計算により求められるようになっ
ている。
【0031】次に、本発明に係る振れ検出装置によるス
プレッダ7の振れ量の検出手順及び校正方法に沿って、
作用を説明する。
【0032】図3において、二点鎖線でスプレッダ7が
振れた例を示す。
【0033】実際のコンテナクレーン1の運用時に、ま
ず、荷役作業をする位置でのトロリ5の位置を画像処理
装置14に入力する。そして、その位置の両側の計測さ
れている校正データから補間計算を行い、その位置のス
プレッダ7の振れがない状態でのマーカ11の中心位置
Sを求める。例えば、トロリ5がF位置とG位置の間に
位置する場合、カメラ12のスプレッダ7の振れがない
状態でのマーカ11の中心位置Sは、F位置でのスプレ
ッダ7の振れがない状態でのマーカ11の中心位置Sと
G位置でのスプレッダ7の振れがない状態でのマーカ1
1の中心位置Sとの間で、F位置とG位置との距離の比
から求められる。
【0034】次に、スプレッダ7の吊り高さ(カメラ1
2とマーカ11との距離LCS)を入力して、その距離L
CSと、スプレッダ7の上限点と下限点との距離との比か
ら補間計算を行い、スプレッダ7の振れがない状態での
マーカ11の中心位置Sを求める。この求めた中心位置
Sが、現在のトロリ位置、カメラ12とマーカ11との
距離LCSでのスプレッダ7の振れがない状態でのマーカ
11の中心位置Sである。
【0035】そして、算出されたスプレッダ7の振れが
ない状態でのマーカ11の中心位置Sと振れが生じたマ
ーカ11の中心位置S´との振れ量L1を計測する。
【0036】このように、画像処理装置14で、その両
側の位置の校正データより補間計算を行い、各位置での
カメラ12のスプレッダ7の振れがない状態でのマーカ
11の中心位置Sを算出することによって、校正データ
を全ての位置で計測しておく必要が無く、校正データの
計測時間を短縮できる。また、トロリ5の位置及びスプ
レッダ7の位置がどの場所であっても、正確な振れ量検
出が可能となる。
【0037】そして、この検出された振れ量から、振れ
角速度を算出し、振止制御装置15によってトロリ5の
移動速度を制御してスプレッダ7の振れをなくすことが
でき、荷役作業の効率化が図られる。
【0038】なお、上記実施の形態においては、カメラ
12の個数は1個であるが、これに限られるものではな
く、カメラ12が複数個ある場合でも、本発明は適用可
能である。
【0039】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、吊荷の重
量が大きい場合でも正確にスプレッダの振れ角を検出で
きるという優れた効果を発揮する。
【0040】また、本発明は、校正データを全ての位置
で計測しておく必要が無く、校正データの計測時間を短
縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振れ検出装置の概略図である。
【図2】コンテナクレーンを示した全体図である。
【図3】カメラのズレ量とスプレッダの振れ量との関係
を示した図である。
【図4】ブームのたわみ量と傾き角を示した図である。
【符号の説明】
4 ブーム 5 トロリ 6 吊荷 7 スプレッダ 11 マーカ 12 カメラ 14 画像処理装置 S (マーカの)中心位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 康雄 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内 Fターム(参考) 2F065 AA09 BB27 CC00 EE00 FF01 FF04 JJ03 JJ26 QQ31 3F004 AG04 EA24 ZZ00 3F204 AA03 BA04 CA07 DA02 DA08 GA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロリに設けたカメラで撮影されたスプ
    レッダ上のマーカを画像処理装置により検出し、そのス
    プレッダの振れ角を検出する振れ検出装置において、ス
    プレッダにコンテナ等の吊荷を吊った状態でトロリをブ
    ームに沿って移動させたときの各トロリ位置におけるス
    プレッダの振れがない状態でのマーカの中心位置を求め
    ておき、これを運用時のスプレッダの振れ角検出の校正
    データとして用いることを特徴とする振れ検出装置の校
    正方法。
  2. 【請求項2】 上記スプレッダにコンテナ等の吊荷を吊
    った状態で上記トロリをブームに沿って移動させたとき
    の各トロリ位置におけるブームのたわみの影響を受けた
    上記カメラのスプレッダの振れがない状態でのマーカの
    中心位置を画像処理装置により予め計測しておき、これ
    を上記カメラの振れ検出用の基準位置とした請求項1記
    載の振れ検出装置の校正方法。
  3. 【請求項3】 上記スプレッダの振れがない状態でのマ
    ーカ中心位置を、ブームのたわみデータから求めた上記
    カメラの光軸のズレ量から求める請求項1記載の振れ検
    出装置の校正方法。
  4. 【請求項4】 上記カメラのスプレッダの振れがない状
    態でのマーカの中心位置を、上記トロリが位置する複数
    の所定位置において上記スプレッダの上限点と下限点と
    で求めておき、これら各点の間におけるカメラのスプレ
    ッダの振れがない状態でのマーカの中心位置を、上記デ
    ータから補間計算により求める請求項1から3いずれか
    に記載の振れ検出装置の校正方法。
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