JP2007160551A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大判インクジェット記録装置の手差し両面印刷において、被記録材のカールに起因するジャム発生を防止する。
【解決手段】 まず、裏面の画像形成時にページ先頭と末端での用紙浮きを防止するために、被記録材を搬送する際に用紙送り部材が作用していない側(キャリッジの反転側)の所定位置までキャリッジを移動させ、被記録材を浮き上がらせないようにキャリッジで押さえ込む。また、裏面の記録スキャンでは低速の走査スピードで画像形成することによってキャリッジの助走距離を短くし被記録材幅からキャリッジがはみ出さないようにすることで、キャリッジの反転走査時に被記録材とキャリッジが衝突してジャム発生してしまうことを防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被記録媒体にインク滴を吐出して画像記録を行うインクジェット記録方式を用いた画像形成方法及びその装置に関し、より詳細には、両面印刷を行うインク記録装置において裏面印刷の際に生じる用紙ジャムの発生を抑制する方法および装置に関する。
近年、オフィスのOA化が急速に進む中で、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置の普及に伴い、その出力装置としてインクジェット方式の記録へッドを用いたプリンタが広く利用されている。
従来のインクジェット記録装置の記録方法において、記録媒体上でインクのにじみのない高発色のカラー画像を得るためには、インク吸収層を有する専用コート紙を使用する必要があったが、近年はインクの改良等によりプリンタや複写機等で大量に使用される普通紙への記録適性を持たせた方法も実用化されている。また、OHPシートや布、プラスチック・シート等のインクの吸収特性が異なる様々な記録媒体への対応が望まれている。こうした要求に応えるため、記録媒体の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発および製品化が進められている。更に、記録媒体の大きさについても、イベント展示用や宣伝広告用のポスタや衣類等の織布への記録に求められるような大サイズの記録媒体への記録を可能とすることも要求されてきている。
このようなインクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い産業分野で需要が高まっており、より一層高品位な画像の提供が求められ、また、更なる高速化への要求も一段と高まっていると言える。
さらに最近では、例えば業務用等において構成されるプリントシステムとしては、A0あるいはB0サイズといった大型の記録用紙に対して記録を行なうことができるような記録システムが構成され、大型のインクジェットプリンタが使用されるようになって来ている。このような業務用のシステムにおいては、A0サイズあるいはB0超サイズのようなさまざまな大きさのさまざまな材質の被記録材に対しても画像形成が行われるようになり、大サイズである被記録材本来の性質から画像形成の際に用紙の浮き上がりや、インクジェット記録装置に特有なインク溶剤の乾燥に伴う被記録材カールなどプラテン上での用紙浮き上がりが新たな問題になってきた。そして、これらの装置では画像形成の際に被記録材をエアー吸引することで被記録材をプラテン上に吸着させ、画像形成の際の用紙安定性を向上させてきた(特許文献1参照)。
特開平1−275351
しかしながら、画像形成に際してエアー吸引を強く実行することによって画像品位に影響が出てしまうというあらたな問題がでてきた。
また、さらに最近では、被記録材の表と裏の両方の面に画像形成を行いたいという需要から大サイズのインクジェット記録装置でも両面印刷を行う記録装置の製品化が急がれているが、両面記録装置においては表面の画像形成が完了したあとの裏面画像形成に際してインクジェット記録装置に特有の被記録材カールという現象のために被記録材と走査キャリッジが衝突してしまうという新たな課題が認識されるようになってきた。
そこで、本発明においては、大判インクジェット記録装置の手差し両面印刷において、裏面の画像形成の際に、表面印字後の被記録材カールに起因するジャム発生を防止することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置によれば、まず、インクを複数の吐出口から吐出可能な記録ヘッドを用いて、記録媒体上の同じ記録領域に対して前記記録ヘッドを複数回走査させることより画像を記録し、被記録材の左右の幅を検出する用紙幅測定回路と、被記録材をプラテン上に吸引固定する手段を備え、被記録材を吸引固定した状態で被記録材の表面と裏面の両方の面に画像形成を行うインクジェット記録装置であって、
被記録材をプラテン上に吸引固定する上記手段を機能させていない場合に裏面に対する画像形成の際に、被記録材上端および下端の所定領域を用紙搬送する際には記録ヘッドが搭載されている走査キャリッジをキャリッジ反転側用紙端の用紙押さえ部材として使用する
ことを特徴とする。
さらに、本発明のインクジェット記録装置は、被記録材裏面に対する画像形成のための記録スキャンでは、記録スキャンを実行する際の速度設定を被記録材の左右端を越えない範囲で記録スキャンできるよう実現すること
を特徴とする。
本発明によれば、両面印刷の裏面の画像形成時に被記録材がプラテンから浮き上がる現象がなくなるので記録走査後で反転時のキャリッジと衝突してしまうという現象が発生しなくなり、ジャム発生が発生しなくなるという効果がある。また、反転側の用紙押さえ部材の代わりに、用紙搬送時にキャリッジを用紙押さえ部材として使用するので、本来ならば反転側に必要になるさまざまな用紙サイズごとの用紙送り部材を必要としなくなり装置の部品点数を削減することができるという効果がある。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図2は、本発明の画像形成装置の概要を説明するための斜視図で、図中符号201は、ホームポジションで、202はキャリッジである。印字開始前にホームポジション201の位置にあるキャリッジ(図ではホームポジションの反対側に位置している)で、このキャリッジ202は、印字開始命令がくると、主走査方向(X方向)に往復運動することによって、マルチへツド206上のn個のマルチノズルを被記録媒体204上において分割された印字領域上で往復されるように構成されている。つまり、キャリッジ202は、往運動による被記録媒体204へのインク吐出が終了してキャリッジ202が反転位置まで達すると、キャリッジ202はホームポジション201へ向かつて復運動を開始し、ホームポジション側のキャリッジ反転位置(図示された位置)に達すると、再び往運動を開始するように構成されている。
207はリニアエンコーダであり、記録スキャンごとに位置合わせをこのカウンタ位置を読み取ることで同期させている。208はホームポジション側に装着された用紙送り部材であり、用紙搬送の際に被記録材の浮きを防止する。
キャリッジ202の往復運動による1回目の走査(スキャン)が終了してから2回目の走査が始まる前までに、搬送ローラ203と排紙ローラ205が回転することによって被記録媒体204が搬送される。この送り量は、分割された記録領域の幅だけ主走査方向(Y方向)に送り出されるように制御される。このようにして、キャリッジ1の1回目の走査毎にマルチへッド206による印字と被記録媒体204の搬送が繰返されることによって画像形成が完成される。
図3は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す構成図である。図3において、符号301はCPUで、CPU301の内部バスには、ROM302とRAM303が接続されている。CPU301はROM302からプログラムを読み出し、RAM303に対するリードライトを繰り返すことでプログラムを実行するものである。
符号304は、画像形成装置と図示しない外部のホスト装置との間のコマンドや画像データ転送を行うインタフェースで、CPU301と後述するバンドメモリ310に接続されている。符号305は、本装置に対する各種キーの入力や本装置の動作状態を表示する操作パネル部であり、CPU301に接続されている。306は、キャリッジ駆動用モータを制御するモータドライバで、CPU301に接続されて制御され、接続されているモータ307にモータ駆動信号が出力される。308は、被記録材搬送系駆動用モータを制御するモータドライバで、CPU301に接続されて制御され、接続されているモータ309にモータ駆動信号が出力される。バンドメモリ310は、インタフェース304から印字のための画像データが転送され、CPU301の制御によって、1バンド分の画像データとして所定の幅に分割された領域の画像形成に必要な量の画像データがここにストアされるものである。符号311はマルチパスデータ処理部で、バンドメモリ310からの信号が入力され、CPU301の制御によって、分割された領域の画像形成を複数回のスキャンで画像形成が完成するようにデータの間引き処理を実行し、1スキャン分の画像データを生成し、へッドコントロ―ラ312に出力するものである。へッドコントローラ312は、その出力をマルチへッド313に供給し、CPU301の制御によって、前記キャリッジ202が1回の印字スキャンの動作を行う間に、所定の幅に分割された領域の画像形成がされるように、マルチへッド313を駆動するものである。マルチへッド313は、へッドコントローラ312から制御されることによって、マルチへッド313上に形成されている複数のインク吐出口からインクを飛翔させて、キャリッジ202の動作と同期を取りながら1スキャン分の画像形成を実行するものである。
符号314は、前記キャリッジ202上に取り付けられたCCDなど光学センサと読み取り回路から成る用紙幅計測部であり、プラテン上でキャリッジ202が走査されることによってキャリッジ位置が紙面上にあるかないかを読み取ることができる。そして、前記被記録材204の左右両端位置での前記リニアエンコーダ207の数値を計測することによって被記録材の幅を検出するものである。
以下、図1を用いて、本発明のインクジェット記録装置の動作について説明する。図1は、CPU301の制御による本発明の画像形成装置の動作を説明するための動作フロー図である。両面印刷設定での裏面印刷時に被記録材の用紙搬送動作時に前記キャリッジ202を反転側移動させて用紙押さえを行う、その動作について説明したものである。ここでは、被記録材上に画像形成するための画像データが図示しないホスト装置からバンドメモリ310まですでに到達しているものとして、それ以降の動作を説明する。
まず、CPU301は、被記録材204を画像形成を行うための所定位置まで用紙搬送する(ステップS101)。これは、CPU301が、搬送すべき所定量をRAM303から読み出しLFモータドライバ308にこれを伝える。そして、LFモータドライバ308は、LFモータ309は前記所定量を搬送するために駆動される。
次に、CPU301は、被記録材の上を測定スキャンすることで用紙サイズの計測を行いメモリに保存する(ステップS102)。この測定は、CPU301が用紙幅計測部314に測定開始を指示し、また、CRモータドライバ306に測定スキャン開始を支持することで実行される。用紙幅計測部314では、プラテン上の被記録材の左右端をキャリッジスキャンに伴うセンサ入力によって検知しそのときのリニアエンコーダ207の数値をRAM303内に保存する。
そして、CPU301は、これからおこなう記録スキャンで画像形成を行うための画像データを、バンドメモリ310からマルチパスデータ処理部311とヘッドコントローラ312とマルチヘッド313までプログラムを実行することでハードウェア設定を行いデータ転送を実行させる。また、マルチパスデータ処理部311に対してはマルチパス記録のための間引きマスクの選択設定、ヘッドコントローラ312に対してはヘッド駆動設定を行い、キャリッジ202がリニアエンコーダ207に沿って被記録材上をスキャンすることで画像形成が行われるように設定しておく。さらに、CPU301は、CRモータドライバ306に駆動設定を行うことでキャリッジ202が記録スキャンをスタートさせ、被記録材204の表面に画像形成が行う。この記録スキャン動作をページ記録に要する所定回数だけ繰り返すことによって、まず、表面に対する画像形成を行う(ステップS103)。
これで、両面印刷の表面に対する画像形成が終了したので、CPU301は、続いて用紙カットと排出動作を行う(ステップS104)。
さらに、裏面の画像形成を続けて行うために、装置のオペレータに対して図6に示すメッセージ表示を操作パネル305に行うことで通知する(ステップS105)。
つぎに、両面印刷の裏面に対する画像形成動作について説明する。裏面に対する画像形成は、まず、ユーザの手差し給紙操作によって開始される。ユーザによって給紙されたことが検知されると、CPU301は、本体に挿入された被記録材を印字給紙のための所定位置まで給紙させる(ステップS106)。
ここで、もしも、図示しないプラテン上での用紙吸着のためのエアー吸引が行われている場合には(ステップS107)、CPU301は、LFモータドライバ308に所定量の用紙搬送を指示することによってLFモータ309が駆動され、所定の印字開始位置まで被記録材が搬送される(ステップS108)。そして、表面に対する画像形成と同様に、記録スキャンを所定回数行うことによって被記録材の裏面に対する画像形成を行い(ステップS109)、そして、最後に用紙排出する(ステップS110)。
また、前記ステップS107において、もしも、被記録材がプラテン上でエアー吸引されていない場合には、CPU301は、用紙搬送を行う前にキャリッジ202を用紙押さえの所定位置までCRモータ307をまず移動させる。つづいて、キャリッジ202を所定位置に残したままLFモータドライバ308に所定量の用紙搬送の実行を指示して印字開始のための所定位置まで用紙搬送を行う(ステップS111)。
つぎに、これから行う裏面に対する画像形成のための各記録スキャンを低速で実行するためのキャリッジ走査スピードをRAM303あるいはROM302から読み出し、これを記録スキャンのためのスピード設定として保持する(ステップS112)。
そして、CPU301は裏面に対する画像形成を行う(ステップS113)。このステップS113はのちに図4を用いて別途詳述する。
そして、最後に、前記ステップS110によって用紙カットと排出動作を行う。
ここで、図4を用いて、前記ステップS113で示した被記録材裏面に対する画像形成の動作について説明する。本発明のインクジェットプリンタは、被記録材の裏面へ画像形成する際の用紙搬送動作において、被記録材上の用紙先端領域と用紙後端領域において搬送の際の用紙押さえ動作を行う。このふたつの領域は図7によって示される用紙先端と後端の二つの領域である。また、このステップS113における、裏面に対する記録スキャンは、前記ステップS112において設定された低速度での記録スキャンを行い、用紙の左右端からキャリッジ202がはみ出さない位置までしかキャリッジをスキャンさせないように制御する事をこの画像形成の特徴とする。
図4は、前記用紙押さえ動作について説明する動作フロー図である。
まず、前記ステップS105で給紙されているので、CPU301は、マルチパスデータ処理部311とヘッドコントローラ312に対しては表面に対する記録設定と同様に記録スキャンを実行するための各種設定を行い、画像形成のための記録スキャンを前記ステップS112において保持した駆動スピードによって行う(ステップS401)。
ここで、CPU301は用紙押さえ領域の判定を行う。これは、被記録材上のページ上端あるいはページ下端で画像形成にともなう用紙搬送の際には、前記ステップS111と同様にキャリッジ202を反転側に移動させたままで用紙搬送を実行するためである。ここで、もしも、前記ステップS401で行った記録スキャンが用紙押さえ領域への記録スキャンではなかった場合には(ステップS402)、マルチパス記録の所定搬送量だけ用紙搬送動作を行う(ステップS403)。
そして、もしも、前記ステップS401の記録スキャンと前記ステップS403の用紙搬送とでこの裏面ページに対する全ての記録スキャンが終了した場合には(ステップS404)、裏面ページへの記録動作を終了し処理を前記ステップS110の用紙排出動作へ進める。
一方、前記ステップS402において、もしも、前記ステップS401が用紙押さえ領域への記録スキャンであった場合には、これから用紙搬送を行う前にキャリッジ202を図5で示す用紙押さえ位置へと移動させる(ステップS405)。ここで、図5は、被記録材204の上でキャリッジ202の反転側用紙押さえの様子を説明する図である。この図では、被記録材の用紙搬送動作がキャリッジ202上に搭載されているマルチヘッド313ではない部分によって用紙押さえされていることを示す。
前記ステップS405によってキャリッジ202を所定位置に残したまま、CPU301は被記録材204を所定量だけ用紙搬送する(ステップS406)。
そして、用紙搬送が終了すると、キャリッジ202を次の記録スキャンを開始させるための所定位置までキャリッジ202を移動させ(ステップS407)、前記ステップ404へと処理を進めてページ記録のための記録スキャンを繰り返して実行し被記録材の裏面に対する画像形成を終了する。
このようにして、被記録材の先端と後端での所定領域ではキャリッジ202を移動させたままで用紙搬送を行い、また、裏面に対する記録スキャンの際にはキャリッジの反転動作の際に被記録材を巻き込まないように記録スキャンスピードとキャリッジ助走距離を制御して画像形成することによって、本発明のインクジェット記録装置は用紙カールに起因するジャム発生を防止しながら被記録材裏面に対する画像形成を実行する。
動作フロー図。 斜視図。 システム構成図。 用紙押さえ動作の動作フロー図。 用紙押さえ説明図。 操作パネル部の表示を示した図。 用紙先端と後端で用紙押さえを行う領域を示した図。
符号の説明
201 ホームポジション
202 キャリッジ
203 排紙ローラ
204 被記録材
205 搬送ローラ
206 マルチヘッド
207 リニアエンコーダ
208 用紙押さえ部材
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 インタフェース
305 操作パネル部
306 CRモータドライバ
307 CRモータ
308 LFモータドライバ
309 LFモータ
310 バンドメモリ
311 マルチパスデータ処理部
312 ヘッドコントローラ
313 マルチヘッド
314 用紙幅計測図
501 光学センサ

Claims (2)

  1. インクを複数の吐出口から吐出可能な記録ヘッドを用いて、記録媒体上の同じ記録領域に対して前記記録ヘッドを複数回走査させることより画像を記録し、
    被記録材の左右の幅を検出する用紙幅測定回路と、
    被記録材をプラテン上に吸引固定する手段を備え、
    被記録材を吸引固定した状態で被記録材の表面と裏面の両方の面に画像形成を行うインクジェット記録装置であって、
    被記録材をプラテン上に吸引固定する上記手段を機能させていない場合に裏面に対する画像形成の際に、
    被記録材上端および下端の領域を用紙搬送する際には記録ヘッドが搭載されている走査キャリッジをキャリッジ反転側用紙端の用紙押さえ部材として使用する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項1に記載の前記インクジェット記録装置において、被記録材裏面に対する画像形成のための記録スキャンでは、記録スキャンを実行する際の速度設定を被記録材の左右端を越えない範囲で記録スキャンできるよう実現すること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
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