JP2007160019A - 薬液収容容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 薬液を収容する容器本体2及び該容器本体2と気密に固着される口部材3を備える構成であると共に、薬液を密封すると共に穿刺針によって刺通可能な薄膜4と、該薄膜の外側に、少なくとも一部が、加熱滅菌時に蒸気の流通を許容する蒸気透過性シート5である外壁を設け、前記薄膜4と前記外壁との間に閉鎖空間33を設ける構成とした。
【選択図】 図1
Description
このようなゴム栓に穿刺針を突き刺す際には、ゴムくずを薬液内に混入する所謂コアリングの発生の虞がある。
そのために、容器本体と脆弱部を介して一体的に成形されたタブを備え、前記タブを捩じ切った後で、穿刺針を突き刺し可能なシートを装着した構成として、空気中の細菌が薬液内に侵入するのを防止すると共に、ゴム栓を使用していないためにコアリングの発生も生じないとする薬液収容容器が既に出願されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ゴム栓となる弾性体を有する注入/排出部と、穿刺針を突き刺し可能な薄膜を有する注入/排出部とを共に備えて、既存の輸液バッグや輸液ボトルに幅広く適用可能とする薬液容器用口部材も既に出願されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、ゴム栓を用いずに穿刺針を装着可能とすると共に高圧蒸気滅菌が可能な注出口を備える薬液収容容器を提供することである。
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、薄膜と外壁との間の閉鎖空間を高圧蒸気滅菌することが可能となるので、穿刺針装着部を確実に滅菌状態としておくことができる。
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、穿刺針装着部が設けられている閉鎖空間を高圧蒸気滅菌可能となると共に、滅菌状態の穿刺針装着部への穿刺針の着脱が容易となり、いったん差し込んだ穿刺針を確実に固定することができる。
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、口部材の成形時に薄膜を一体的に成形可能であり容易に製造することができる。
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、容器本体の成形時に薄膜を一体的に成形可能であり容易に製造することができる。
上記の構成を有する請求項5に係る発明によれば、蒸気は通すが菌は通さない加熱滅菌可能なシートを容易に製造することができる。
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、弱溶着された蒸気透過性シートを剥がすことで、加熱滅菌された穿刺針装着部を剥き出すことができる。
上記の構成を有する請求項7に係る発明によれば、カバー部材を回すなどして取り外すことで、加熱滅菌された穿刺針装着部を剥き出すことができる。
上記の構成を有する請求項8に係る発明によれば、螺子が緩む方向にキャップ部材を回して取り外すことで、加熱滅菌された穿刺針装着部を剥き出すことができる。
上記の構成を有する請求項9に係る発明によれば、蒸気透過性シートを溶着する際の加熱で、穿刺針装着部を変形することがない。
上記の構成を有する請求項10に係る発明によれば、平坦な場所や部材上に載置容易であるので、保管や管理が容易となる。
上記の構成を有する請求項11に係る発明によれば、注出口を下側として自立させた状態でバイアルを連結して、固形製剤と薬液とを混合し溶解することができる。
また、前記穿刺針装着部32の外側に、少なくとも一部が、加熱滅菌時に蒸気の流通を許容する蒸気透過性シート5である外壁を設け、前記薄膜4との間に閉鎖空間33を設ける構成としている。そのために、穿刺針を装着する際には、前記外壁を構成する蒸気透過性シート5を剥がすなり、取り外したりして、前記穿刺針装着部32と前記薄膜4を露出することになる。
上記の例では、蒸気は通すが菌は通さない蒸気透過性シート5を溶着して加熱滅菌することで、穿刺針を挿入する空間33Aと前記穿刺針装着部32と前記底部31の側部間の空間33Bとで形成される閉鎖空間33内を確実に滅菌することができる。さらには、滅菌紙となる前記蒸気透過性シート5を弱溶着しているので、イージーピールシールとなり剥がし易くなり好適である。
また、弱溶着している部位5aを、前記穿刺針装着部32から離れた部位としているので、蒸気透過性シート5を溶着する際の加熱で、穿刺針装着部32を変形することがないため、穿刺針を気密に装着することができる。
この場合でも、前記蒸気透過性シート5を前記カバー部材31Aに溶着する際には、その溶着部を前記穿刺針装着部32から離れた部位とし、蒸気透過性シート5を溶着する際の加熱で、穿刺針装着部32を変形しない構成としている。
また、上記の例では、前記穿刺針装着部32を嵌装するように中央筒部36を設けると共に、前記穿刺針装着部32の先端部にリング状のゴムシール37を介装して、穿刺針を挿入する空間33Aを密封する構成としている。前記空間33Aは通路36Aと該通路36Aの出口部に溶着される蒸気透過性シート5を介して外気に連通している。
そのために、薬液を充填密封後に、この構成の口部を加熱滅菌すると、蒸気は通すが菌は通さない蒸気透過性シート5を介して、前記空間33Aを滅菌状態としておくことができる。
前記穿刺針装着部32は、図2(a)に示すように、その外周に雄ネジ部32Aを設ける構成とすることも、図2(b)に示すように、その内周に雌ネジ部32Bを設ける構成としてもよい。さらに、図2(c)に示すように、雄ネジ部32Aと雌ネジ部32Bを共に備える構成としてもよい。
また、穿刺針を突き刺す薄膜4を、前記容器本体に連なる口部と一体に成形することも、図2(c)に示すように、前記口部材3と一体に成形することも可能である。
そのために、容器本体2の成形時に薄膜4を一体的に成形することも、口部材3の成形時に薄膜4を一体的に成形することも可能であり、製造が容易となる。
また、図2(a)に示すように、前記穿刺針装着部32の外側に、蒸気透過性シート5を設けて、前記薄膜4との間に閉鎖空間33を設ける際に、前記蒸気透過性シート5をその一部に備える外壁50としてもよく、高圧蒸気滅菌時に蒸気の流通を許容する機能を有する外壁部を形成すればよい。
穿刺針装着部32に穿刺針を装着するには、図3(a)に示すように、雄ネジ部を備える穿刺針6Aを、雌ネジ部32Bを備える口部材3Aにそのまま装着することができる。また、雌ネジ部を備える穿刺針であれば、雄ネジ部32Aを備える口部材に装着すればよく、さらに、螺合用部材を介装した穿刺針6Bであっても、図3(b)に示すように、雄ネジ部32Aに締め付け固定用のカプラー8を介装し、前記穿刺針6Bを前記雄ネジ部32Aを備える口部材3Bに固着することもできる。
また、固形薬剤と薬液とが溶解した後で、前記カプセル20が備える吊り具21を用いて、点滴用スタンド等に吊り下げ自在とされている。そのために、本発明に係る薬液収容容器1によれば、固形薬剤を完全に溶解した薬液を、漏らすことなく、患者に投与することができる。
さらに、前記穿刺針装着部に、穿刺針のネジ部と螺合するネジ部を設ける構成としているので、装着した穿刺針を固定しておくことができ、ゴム栓を不要とし、穿刺針装着時にコアリングが発生しないという効果をも有する。
2 容器本体
3 口部材
4 薄膜
5 蒸気透過性シート
6A、6B 穿刺針
10 薬液
30 筒状本体部
31 底部
32 穿刺針装着部
33 閉鎖空間
Claims (11)
- 薬液を収容する容器本体及び該容器本体と気密に固着される口部材を備える薬液収容容器であって、
薬液を密封すると共に穿刺針によって刺通可能な薄膜と、該薄膜の外側に、少なくとも一部が、高圧蒸気滅菌時に蒸気の流通を許容する蒸気透過性シートである外壁を設け、前記薄膜と前記外壁との間に閉鎖空間を設けたことを特徴とする薬液収容容器。 - 前記口部材に、穿刺針のネジ部と螺合するネジ部を備える穿刺針装着部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の薬液収容容器。
- 前記薄膜が、前記口部材と一体に成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の薬液収容容器。
- 前記薄膜が、前記容器本体と一体に成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の薬液収容容器。
- 前記蒸気透過性シートが、紙または不織布であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薬液収容容器。
- 前記口部材を、前記容器本体と気密に固着され前記穿刺針装着部を備える本体部と、該本体部に連なり前記蒸気透過性シートを備える底部とを一体成形した構成とすると共に、前記蒸気透過性シートが、前記底部に弱溶着されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の薬液収容容器。
- 前記口部材を、前記容器本体と気密に固着され前記穿刺針装着部を備える本体部と、該本体部に捩じ切り容易な脆弱部を介して連なり前記蒸気透過性シートを備える底部となるカバー部材とで構成し、前記脆弱部を捩じ切って前記カバー部材を取り外すと、前記薄膜が露出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の薬液収容容器。
- 前記口部材を、前記容器本体と気密に固着され前記穿刺針装着部を備える本体部と、該本体部と螺合して接続され前記蒸気透過性シートを備える底部となるキャップ部材とで構成し、前記キャップ部材を取り外すと、前記薄膜が露出することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の薬液収容容器。
- 前記蒸気透過性シートを、前記穿刺針装着部から離れた部位に溶着する構成としていることを特徴とする請求項2から8のいずれかに記載の薬液収容容器。
- 前記底部を広口の平坦な環状外縁部とし、前記底部を下側として自立可能であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の薬液収容容器。
- 前記底部と反対側の頂部に固形製剤が収容されたバイアルを接続可能としていることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の薬液収容容器。
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