JP2007157918A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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智洋 新田
Yasunobu Saito
泰伸 斉藤
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Abstract

【課題】膜厚が均一な電子供給層を有する半導体装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】チャネル層と、
前記チャネル層の上に設けられ、アルミニウムを含む第1の化合物半導体からなる電子供給層と、前記電子供給層の上に設けられ、前記第1の化合物半導体よりもアルミニウムの含有量が小さい第2の化合物半導体からなる半導体層と、前記半導体層の上に設けられた制御電極と、前記半導体層の上において前記制御電極の両側に設けられたエッチング停止層と、前記エッチング停止層の上に設けられたオーミックコンタクト層と、前記オーミックコンタクト層の上に、前記制御電極を挟むように設けられた第1及び第2主電極と、を備えたことを特徴とする半導体装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、電子供給層を有する電界効果トランジスタ(field effect transistor:FET)型の半導体装置及びその製造方法に関する。
携帯電話、インターネットなどの普及に伴い、伝送すべき情報量が益々増大している。大容量情報を伝送するには、通信システムの高速化が必要となる。このために最大発振周波数の高い低雑音素子及びパワー素子が要求される。化合物半導体装置、例えばガリウムヒ素(GaAs)素子やインジウムリン(InP)素子は、HEMT(High Electron Mobility Transistor)構造を用いることにより、低雑音素子やRF用パワー素子を実現できる。
これらのGaAs素子やInP素子において周波数特性を改善するには、素子構造の微細化が重要である。この場合、微細パターンはエッチング工程により形成される。このエッチング工程にドライプロセスを用いると、プラズマダメージが蓄積されるため品質が低下するという問題がある。これに対して、プラズマダメージの蓄積の無いウエットプロセスを用いることにより、品質を安定させることができる。
ここで、例えばAlGaAs電子供給層上にInGaPエッチングストップ層と、GaAsダミーキャップ層と、を順に積層して、アンモニア系エッチャントによりGaAsダミーキャップ層を除去し、塩酸でInGaPエッチングストップ層を除去してAlGaAs電子供給層上にゲート電極を形成するGaAs素子の製造方法が開示されている(特許文献1)。
しかし、InGaPエッチングストップ層を塩酸で除去した場合、AlGaAs電子供給層が侵されるため良好なHEMT特性が得られにくいという問題がある。
特開平7−263341号公報
本発明は、膜厚の均一な電子供給層を有する半導体装置及び製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、
チャネル層と、
前記チャネル層の上に設けられ、アルミニウムを含む第1の化合物半導体からなる電子供給層と、
前記電子供給層の上に設けられ、前記第1の化合物半導体よりもアルミニウムの含有量が小さい第2の化合物半導体からなる半導体層と、
前記半導体層の上に設けられた制御電極と、
前記半導体層の上において前記制御電極の両側に設けられたエッチング停止層と、
前記エッチング停止層の上に設けられたオーミックコンタクト層と、
前記オーミックコンタクト層の上に、前記制御電極を挟むように設けられた第1及び第2主電極と、
を備えたことを特徴とする半導体装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、
電子供給層の上に、半導体層と、エッチング停止層と、オーミックコンタクト層と、をこの順に形成する工程と、
燐酸及び硫酸の少なくともいずれかを含むエッチャントを用いて前記オーミックコンタクト層を選択的に除去する工程と、
前記オーミックコンタクト層が除去された部分において、塩酸を含むエッチャントを用いて前記エッチング停止層を除去してリセスを形成する工程と、
前記リセスの底部に露出した前記半導体層の上に制御電極を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、膜厚の均一な電子供給層を有する半導体装置及び製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置の実施例を例示する断面図である。
GaAs層101の主面上にGaAsバッファ層102と、InGaAsチャネル層103と、AlGaAsスペーサ層104と、AlGa1-UAs電子供給層(0.30≧U≧0.15)105と、GaAs半導体層106と、InGa1-VPエッチング停止層107(0.6≧V≧0.4)と、GaAsオーミックコンタクト層108と、がこの順に積層されている。GaAs半導体層108の主面上には、ゲート電極110を挟むようにソース電極111とドレイン電極112が設けられ、ゲート電極110は、リセス109においてGaAs半導体層106を介してAlGa1-UAs電子供給層205の上に形成されている。
ここで、ゲート電極110とドレイン電極112の極間の距離Dgdがソース電極111とゲート電極110の間の距離Dsgより長くなるように非対称に形成すると(Dgd>Dsg)、耐圧の高いHEMT素子が得られる。
GaAs層101上に設けられたGaAsバッファ層102の膜厚は、500ナノメータ程度とすることができ、その上に形成されるInGaAsチャネル層103などの結晶性を良好なものとする役割を果たしている。
InGaAsチャネル層103は、キャリア密度がおよそ1×1017cm−3のn型InGaAs層とすることができ、このGaAsバッファ層102とInGaAsチャネル層103との界面には高電子移動度を有する2DEG(two-dimensional electron gas)が形成され、高速高周波動作が可能とされている。
AlGaAsスペーサ層104の膜厚は、3ナノメータ程度とすることができ、AlGa1−UAs電子供給層105から不純物をInGaAsチャネル層103に拡散させないように防止する役割を果たしている。
AlGa1−UAs電子供給層105の膜厚は、12ナノメータ程度とすることができ、2DEGのキャリア密度は高く、且つディープレベルの影響が出ない範囲でAl組成Uが0.30≧U≧0.15であることが好ましく、例えば、U=0.25からなるAl0.25Ga0.75As電子供給層105が好適である。この電子供給層105のキャリア密度は、5×1017cm−3〜3×1018cm−3のn型特性を有する。また、AlGaAs電子供給層105は、少なくとも塩素を含む塩酸系エッチャント、例えば、塩酸と反応し易いため、本実施形態では、この電子供給層105の上に耐塩酸性を有するGaAs半導体層106が積層されている。
GaAs半導体層106の膜厚は、ソース抵抗及びドレイン抵抗を低減させるために1〜10ナノメータが望ましく、例えば3ナノメータとすることができる。仮に、この膜厚が1ナノメータ以下だとAlGa1−UAs電子供給層105とGaAs半導体層106の成長の切換えが終了しない場合があり、GaAs半導体層106表面に過剰なAl(アルミニウム)が存在する。また、GaAs半導体層106の膜厚が10ナノメータ以上であると閾値電圧が深くなり、また膜厚が厚くなる分キャパシタンスが小さくなり、相互コンダクタンスが低下するという問題が生じる。
この半導体層106は、例えば、Alからなるゲート電極110との間でショットキー接合を形成し、キャリア密度が7×1017cm−3以下のn型アンドープ層とすることができる。また、この半導体層106は、耐塩酸性を有しており、AlGa1−UAs電子供給層105が塩酸によりエッチングされるのを防止する役割を果たす。
InGa1−VPエッチング停止層107の膜厚は、ソース抵抗及びドレイン抵抗を低減させるために10ナノメータ以下とすることが望ましく、例えば、7ナノメータとすることができる。また、GaAs層101との格子整合を維持するため、In組成Vを0.6≧V≧0.4にすることが望ましく、例えばV=0.48からなるIn0.48Ga0.52Pエッチング停止層107が好適である。このエッチング停止層107は、少なくとも燐元素を含むエッチャント、例えば燐酸に対して、耐燐酸性を有しており、GaAs半導体層106がエッチングされるのを防止する役割を有している。このキャリア密度は1×1018cm−3〜5×1018cm−3とすることができ、n型の半導体特性を有する。
GaAsオーミックコンタクト層108の膜厚は、100ナノメータ程度とすることができ、ソース電極111とドレイン電極112とそれぞれオーミックコンタクトを形成する。そのキャリア密度は、1×1018cm−3〜7×1018cm−3の範囲とするとよい。
制御電極(ゲート電極)110は、エッチングにより形成されたリセス109の底部に露出したGaAs半導体層106上にショットキー接続されている。ゲート電極110は、例えばアルミニウム(Al)により形成することができ、その他にも、チタン(Ti)や、Tiと白金(Pt)と金(Au)とをこの順に積層して形成することができる。このように、ゲート電極110をリセス109に形成することにより、低ソース抵抗化及び高ゲート耐圧化が得られる。
また、ソース電極111及びドレイン電極112は、GaAsオーミックコンタクト層108の上に、例えば金(Au)とゲルマニウム(Ge)とニッケル(Ni)とからなる合金層と、Au層と、をこの順に設けて形成された構造を有する。
本実施形態によれば、GaAs半導体層106を設けることにより、塩酸を用いてもエッチングされずに膜厚が均一なAlGa1-UAs電子供給層105が形成でき、良好なHEMT特性が得られる。
図2は、比較例の半導体装置を例示する断面図である。
この比較例は、図1に表した半導体装置において、GaAs半導体層106を設けない構造を有する。すなわち、本比較例の製造工程においては、GaAsオーミックコンタクト層208をリン酸により除去した後、漏れ電流の発生によりショットキー特性が劣化しないように塩酸を用いてInGa1-VPエッチング停止層207を完全に除去し、露出したAlGa1-UAs電子供給層205の上にゲート電極を形成する。
このような比較例によれば、塩酸でInGa1-VPエッチング停止層207を除去する際に、AlGa1-UAs電子供給層205が塩酸によりエッチングされるため、選択比が十分でなく、エッチング深さのバラツキによりHEMT特性がばらついてしまうという問題が生ずる。特に、AlGaAs電子供給層205のAl組成が高くなるほど、塩酸に対してエッチングされやすくなるため、この問題が深刻となる。
また、本発明者の検討によれば、InGaPエッチング停止層207をエッチングする際には、エッチングに伴うInGaPエッチング停止層207の変性層が形成されやすい。しかし、このようなInGaPエッチング停止層207の変性層が残留すると、ゲートリーク電流が増加し、ピンチオフ電圧もばらつくという問題が生ずる。この問題を防ぐためには、InGaPエッチング停止層207の変性層が残留しないように、塩酸によるエッチングを十分に行う必要がある。後述するように、本発明者の検討によれば、InGaPエッチング停止層205を塩酸でエッチングする際に、1000パーセント程度のオーバーエッチングを実施することが望ましいことが分かった。すなわち、InGaPエッチング停止層205の膜厚とエッチング速度から算出される理論的なエッチング時間の10倍程度を実際のエッチング時間とすることが望ましい。しかし、このようなオーバーエッチングを実施すると、下地のAlGaAs電子供給層205がエッチングされてしまい、電子濃度が低下してウェーハのシート抵抗が増加するとともに、HEMT特性もばらついてしまう。
これに対して、本実施例によれば、塩酸に対して電子供給層よりもエッチング速度が遅いGaAs半導体層106を設けることにより、InGa1-vPエッチング停止層107とのエッチング選択比が高まり、AlGa1-UAs電子供給層105のエッチングによるHEMT特性のばらつきを防止できる。
図3は、半導体装置のエッチング処理時間とシート抵抗との関係を例示するグラフ図である。ここで、横軸はエッチング処理時間であり、縦軸は半導体装置を形成するウェーハのシート抵抗である。本実施例を実線で表し、比較例として図2のGaAs半導体層106のない半導体装置を破線で表した。
本実施例のエッチャントには、塩酸を用いた。また、半導体装置のシート抵抗は、実施例の場合は、GaAs半導体層106、比較例の場合はAlGa1-UAs電子供給層205に端子を接触させてホール測定により評価した。
GaAs半導体層106を用いない比較例においては、エッチング処理時間の増加に伴い、シート抵抗は顕著に増加することが分かる。これは、AlGa1-UAs電子供給層105中のAlが塩酸系エッチャントによりエッチングされ、電子濃度が低下するために抵抗成分が増加するためであると考えられる。
これに対して、本実施例によれば、エッチング時間によらずシート抵抗は一定であることが分かる。これは、AlGa1-UAs電子供給層105が、耐塩酸性を有するGaAs半導体層106でカバーされているため、エッチングが抑制されるからである。
次に、本発明に係る半導体装置の製造方法の詳細を説明する。
図4は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。
また、図5(a)〜図5(d)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する工程断面図である。
まず、図5(a)に表したように、GaAs層101の主面上にGaAsバッファ層102と、InGaAsチャネル層103と、AlGaAsスペーサ層104と、AlGa1-UAs電子供給層105と、GaAs半導体層106と、InGa1−VPエッチング停止層107と、GaAsオーミックコンタクト層108と、をこの順番に有機金属気相成長法(MOPVE)を用いて例えば650℃でエピタキシャル成長により積層する(S100)。次に、ソース電極111及びドレイン電極112をGaAsオーミックコンタクト層108上に形成する。例えば、蒸着法を用いてAuとGeとNiとからなる合金層と、Au層とをこの順に形成する(ステップS110)。
次に、図5(b)に表したように、レジストなどを用いて任意のマスクパターンをGaAs半導体層108とソース電極111とドレイン電極112の上に形成する。そして、リン酸系エッチャントを用いて例えば25℃でエッチングし、GaAsオーミックコンタクト層108を除去する(ステップS120)。ここで使用するリン酸系エッチャントは、例えばリン酸(HPO)3容積パーセントと、過酸化水素(H)1容積パーセントと、水50容積パーセントと、の組成を有する混合溶液からなる。
図6は、リン酸系エッチャントに対する半導体層のエッチング速度の関係を例示するグラフ図である。縦軸は、エッチング速度(nm/分)を表す。ここでは、AがInGaPエッチング停止層107、BがGaAs半導体層106、CがInGaAsチャネル層103、DがAlGaAsスペーサ層104をそれぞれ表す。エッチング速度が低いということは、耐食性が高いことを意味する。
InGaPエッチング停止層107は、リン酸系エッチャントに対してエッチング速度が、例えば、2.5nm/分と他層よりも耐食性が高く、エッチング停止層として有効に機能することが分かる。
図5(c)に戻って説明を続けると、次に、InGa1−VPエッチング停止層107を塩酸系エッチャントを用いて25℃で完全に除去して、リセス109を形成する(ステップS130)。塩酸系エッチャントには、例えば、濃塩酸(HCl)と水(HO)とからなる混合溶液を用いることができる。
図7は、塩酸系エッチャントに対する半導体層のエッチングレートの関係を例示するグラフ図である。
縦軸はエッチング速度(nm/分)を表す。AはInGaPエッチング停止層107、BはGaAs半導体層106、CはInGaAsチャネル層103をそれぞれ表す。エッチングレートが低い方が、耐食性を有するといえる。
図7から、塩酸系エッチャントに対して、InGaPエッチング停止層107のエッチング速度が、7200nm/分と最も高いことが分かる。ここで、InGaPエッチング停止層107以外の層は、30分間エッチングしてAFM(atomic force microscopy)観察を用いて表面観察を行っても、0.5nm以上の段差が検出できない(検出限界以下)ことから、塩酸系エッチャントに対して高い耐食性を有することが分かる。したがって、GaAs半導体層106は、塩酸系エッチャントに対して優れた耐食性を有することが分かる。
また、塩酸に対する耐食性が確保される範囲であれば、半導体層106に多少のアルミニウム(Al)を含有させてもよい。すなわち、塩酸系エッチャントに対して、InGaPエッチング停止層107をエッチングする工程において、下地の電子供給層105のエッチングを防止できる範囲であれば、半導体層106が多少エッチングされてもよい。この観点から、半導体層106は、電子供給層105よりもアルミニウムの含有量が低い半導体を用いることが可能である。また、半導体層106にアルミニウムを含有させた場合、ゲート電極110のショットキー接合を形成しやすい点で有利となる。
一方、前述したようにInGa1−VPエッチング停止層107の変性層や残渣などが残ると、ゲートリーク電流すなわち漏れ電流が発生しやすくなる。これを防止するため、InGa1−VPエッチング停止層107の膜厚に対して、例えば、約1000%のオーバーエッチングを施し、残渣のない表面を形成することが望ましい。
しかる後に、図5(d)に表したように、マスクパターンをアッシングで除去し、リセス109の底部に露出しているGaAs半導体層106の上に、フォトレジストを用いてリフトオフ法によりゲート電極110を形成してHEMT型の半導体装置の要部が完成する(ステップS140)。
ここで、仮にInGa1−VPエッチング停止層107上にゲート電極を形成した場合には、ゲートリーク電流が例えば1マイクロアンペア/ミリメータ程度にまで増加するのに対して、AlGa1-UAs電子供給層105の上にゲート電極を形成することより、ゲートリーク電流は、0.02マイクロアンペア/ミリメータ程度にまで抑制される。このように本実施例によれば、塩酸系エッチャントを用いてもエッチングされずに膜厚が均一なAlGa1-UAs電子供給層105が形成でき、ゲートリーク電流を抑制しつつ良好なHEMT特性が安定して得られる。
次に、本発明に係る半導体装置の他の実施例について説明する。
図8は、本実施形態に係る半導体装置の他の実施例を例示する断面図である。
本具体例においては、InP層301の主面上に、膜厚が500ナノメータのInPバッファ層302と、膜厚が14ナノメータのInGaAsチャネル層303と、膜厚が3ナノメータのInGaAlAsスペーサ層304と、膜厚が12ナノメータのIn(GaAl1-Y1-YAs電子供給層305(0.55≧X≧0.30、0.4≧Y≧0)が積層されている。そして、この電子供給層305の上に、1〜10ナノメータ、好ましくは3ナノメータの厚みのInGa1−ZAs半導体層306と、1〜10ナノメータ、好ましくは約7ナノメータの厚みのInGa1-VPエッチング停止層307(1.0≧V≧0.5)が積層され、その上に、膜厚が50ナノメータのInGaAsオーミックコンタクト層308が積層されている。
この場合、InGaAsチャネル層303、InAlGaAs電子供給層305、InGaAlAs半導体層306などは、格子整合の容易なInP層301上に結晶成長することにより良好な結晶性が得られる。GaAs半導体層108の主面上には、ゲート電極310を挟むようにソース電極311とドレイン電極312が設けられ、ゲート電極310は、図1に関して前述した具体例と同様に、リセス309の底部に露出したInGaAs半導体層306を介してAlGa1-UAs電子供給層205の上に形成されている。
ここで、In(GaAl1-Y1-YAs電子供給層305は、2DEGのキャリア密度が高く、且つディープレベルの影響を受けない範囲でXは、0.3より大きく0.55より小さく(0.55≧X≧0.30)、また、Yが0.4未満(0.4≧Y≧0)であることが好ましく、例えば、X=0.35、Y=0からなるIn0.35Al0.65As電子供給層305が好適である。
InGa1−ZAs半導体層306は、In組成ZがInP層301と格子整合しやすく、且つショットキー接合を得るためには、Zが0.3未満(0.3≧V≧0)であることが好ましく、例えばZ=0.1のIn0.1Ga0.9As半導体層306が好適である。
InGa1-VPエッチング停止層307は、In組成VがInP層301と合致する格子を維持するため、0.5より大きく1.0より小さい(1.0≧V≧0.5)とすることが好ましく、例えばV=1からなるInPエッチング停止層307が好適である。
本実施例によれば、図1に関して前述した具体例よりもチャネル層303における移動度を高くすることが可能であり、より高速動作が可能となる。
このような構造においても、In0.35Al0.65As電子供給層305の上にIn0.1Ga0.9As半導体層306を設けることで、図1に関して前述した実施例と同様に膜厚が均一なIn0.35Al0.65As電子供給層305が得られ、良好な高速動作特性が安定して得られる。すなわち、InGaPエッチング停止層307を塩酸系のエッチャントでエッチングする際に、InGaAs半導体層306がエッチング停止層として作用し、InAlAs電子供給層のエッチングを防止できる。
また、本具体例においても、塩酸に対する耐食性が確保される範囲であれば、半導体層306に多少のアルミニウム(Al)を含有させてもよい。すなわち、塩酸系エッチャントに対して、InGaPエッチング停止層307をエッチングする工程において、下地の電子供給層305のエッチングを防止できる範囲であれば、半導体層306が多少エッチングされてもよい。この観点から、半導体層306は、電子供給層305よりもアルミニウムの含有量が低い半導体を用いることが可能である。また、半導体層306にアルミニウムを含有させた場合、ゲート電極310のショットキー接合を形成しやすい点で有利となる。
図9は、本実施形態に係る半導体装置のさらに他の実施例を例示する断面図である。この図面については、図1乃至図8に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例の半導体装置の基本構造は図1と同様であるが、InGa1−VPエッチング停止層407及びGaAsオーミックコンタクト層408の端部に段差を形成し、InGa1−VPエッチング停止層407上にステップ407Sが形成されている。このようなダブルリセス構造とすることにより、電界強度を緩和し耐圧を上げることが可能となる。このような構造においても、AlGa1-UAs電子供給層405上にGaAs半導体層406を設けることで、図1に関して前述したものと同様にHEMT特性を安定化させることができる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
例えば、燐酸系のエッチャントの代わりに、硫酸あるいは硫酸を含む硫酸系エッチャントを用いることも可能である。硫酸系エッチャントとしては、例えば、硫酸と過酸化水素と水との混合液を用いることができる。
また、上述した本実施例においては、GaAsやInGa1−ZAs(0.3≧Z≧0)を用いたが、例えば、AlAsや、InPや、InAlAsを用いても同様の効果が得られる。
また、本実施例のエッチングストッパ層には、InGa1−VP(1.0≧Z≧0.4)を用いたが、例えば、AlGa1−TAs(0.3≧T≧0)を用いても同様の効果が得られる。
また、本実施例のチャネル層103をInGaAsとしているが、Si等の不純物をドープしてドープドチャンネルFETとすることもできる。また、チャネル層と電子供給層との間に、ノンドープのスペーサ層を介在させてもよい。
本発明の半導体装置を構成する各要素の材質、組成、形状、パターン、製造工程などについては、当業者が適宜変更を加えたものであっても、本発明の要旨を包含する限りのいて本発明の範囲に包含される。
また、各具体例の構造は、技術的に可能な限りにおいてお互いに適宜組み合わせることが可能であり、そのように組み合わせて得られた半導体装置も本発明の範囲に包含される。
本実施形態に係る半導体装置の実施例を例示する断面図である。 比較例の半導体装置を例示する断面図である。 半導体装置のエッチング処理時間とシート抵抗との関係を例示するグラフ図である。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャートである。 本実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する工程断面図である。 リン酸系エッチャントに対する半導体層のエッチングレートの関係を例示するグラフ図である。 塩酸系エッチャントに対する半導体層のエッチングレートの関係を例示するグラフ図である。 本実施形態に係る半導体装置の他の実施例を例示する断面図である。 本実施形態に係る半導体装置のさらに他の実施例を例示する断面図である。
符号の説明
101 GaAs層、102 GaAsバッファ層、103 InGaAsチャネル層、104 AlGaAsスペーサ層、105 AlGa1-UAs電子供給層、106 GaAs半導体層、107 InGa1-VPエッチング停止層、108 GaAsオーミックコンタクト層、109 リセス、110 ゲート電極、205 AlGa1-UAs電子供給層、207 InGa1-VPエッチング停止層、208 GaAsオーミックコンタクト層、209 リセス、301 InP層、305 In(GaAl1-Y1-YAs電子供給層
306 InGa1−ZAs半導体層、307 InGa1-vPエッチング停止層
308 InGaAsオーミックコンタクト層、309 リセス、310 ゲート電極
401 GaAs層、409 ダブルリセス、407S ステップ

Claims (5)

  1. チャネル層と、
    前記チャネル層の上に設けられ、アルミニウムを含む第1の化合物半導体からなる電子供給層と、
    前記電子供給層の上に設けられ、前記第1の化合物半導体よりもアルミニウムの含有量が小さい第2の化合物半導体からなる半導体層と、
    前記半導体層の上に設けられた制御電極と、
    前記半導体層の上において前記制御電極の両側に設けられたエッチング停止層と、
    前記エッチング停止層の上に設けられたオーミックコンタクト層と、
    前記オーミックコンタクト層の上に、前記制御電極を挟むように設けられた第1及び第2主電極と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記エッチング停止層は、リン酸及び硫酸の少なくともいずれかを含むエッチャントに対して前記オーミックコンタクト層よりもエッチング速度が遅く、
    前記半導体層は、塩酸を含むエッチャントに対して前記エッチング停止層よりもエッチング速度が遅いことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第1の化合物半導体は、AlGaAsであり、
    前記第2の化合物半導体は、GaAsであり、
    前記エッチング停止層は、InGaPであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1の化合物半導体は、InAlGaAsであり、
    前記第2の化合物半導体は、InGaAsであり、
    前記エッチング停止層は、InGaPであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  5. 電子供給層の上に、半導体層と、エッチング停止層と、オーミックコンタクト層と、をこの順に形成する工程と、
    燐酸及び硫酸の少なくともいずれかを含むエッチャントを用いて前記オーミックコンタクト層を選択的に除去する工程と、
    前記オーミックコンタクト層が除去された部分において、塩酸を含むエッチャントを用いて前記エッチング停止層を除去してリセスを形成する工程と、
    前記リセスの底部に露出した前記半導体層の上に制御電極を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。

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