JP2007157595A - セパレータの製造方法、セパレータ、燃料電池 - Google Patents

セパレータの製造方法、セパレータ、燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2007157595A
JP2007157595A JP2005353899A JP2005353899A JP2007157595A JP 2007157595 A JP2007157595 A JP 2007157595A JP 2005353899 A JP2005353899 A JP 2005353899A JP 2005353899 A JP2005353899 A JP 2005353899A JP 2007157595 A JP2007157595 A JP 2007157595A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
convex
separator
manufacturing
frame member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005353899A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromichi Sato
博道 佐藤
Seiji Sano
誠治 佐野
Takashi Kajiwara
▲隆▼ 梶原
Hideo Einaga
秀男 永長
Yuichiro Ichikawa
雄一郎 市川
Daiyu Yoshikawa
大雄 吉川
Yutaka Hotta
裕 堀田
Fumihiko Inui
文彦 乾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005353899A priority Critical patent/JP2007157595A/ja
Publication of JP2007157595A publication Critical patent/JP2007157595A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料電池のセパレータにおいて、両プレートと、導電性部材とが剥離することを抑制する技術を提供すること。
【解決手段】冷却媒体流路形成部材35の凸部35bの頂部が、カソード側プレート31において対応した位置にある凸部31aの頂部より外側方向寄りの位置で凸部31aと接触し、凸部35aの頂部が、アノード側プレート32において対応した位置にある凸部32aの頂部より外側方向寄りの位置で凸部32aと接触するように配置して、プレート積層体を形成する。そのプレート積層体を高温状態において、冷却媒体流路形成部材35を熱膨張させ、カソード側プレート31およびアノード側プレート32に、加重を掛けつつ、カソード側プレート31およびアノード側プレート32とフレーム部材37とを接着することで、冷却媒体流路を形成する。その接着後、プレート積層体を常温に戻す。
【選択図】図6

Description

この発明は、2枚のプレートで中間部材を挟み込み、それらを高温下で接着して、燃料電池を冷却するための冷却媒体を流す冷却媒体流路を形成するセパレータに関する。
近年、水素と酸素の電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。このような燃料電池としては、セパレータ、および、膜電極接合体(以下では、MEAと呼ぶ。MEA:Membrane Electrode Assembly)を積層させて締結する、いわゆるスタック構造が有名である(下記特許文献1参照)。MEAは、電解質層と、電解質層を間に挟んでその表面に形成された触媒電極(酸素極および水素極。酸素極を以下では、カソードと呼び、水素極を以下では、アノードと呼ぶ。)等を備えている。
上述のセパレータとしては、燃料ガス流路の形成を担うアノード側プレートと、酸化ガス流路の形成を担うカソード側プレートと、これらの間に挟まれる枠状の部材(以下では、フレーム部材と呼ぶ。)とから構成されるセパレータが知られている。以下では、アノード側プレートとカソード側プレートとをまとめて、両プレートとも呼ぶ。このセパレータは、例えば、フレーム部材を両プレートで挟み込み、それらを高温下で接着することにより形成される。また、この場合、フレーム部材の内枠(内側)であって両プレートとの間には、燃料電池を冷却するための冷却媒体(水、エチレングリコール等)を流す流路である冷却媒体流路が形成され、さらに、この冷却媒体流路には、両プレートと接触し、両プレートを通電させるための導電性部材が設けられる。なお、燃料ガス流路は、アノードに燃料ガス(アノードガス)を供給するための流路であり、酸化ガス流路は、カソードに酸化ガス(カソードガス)を供給するための流路である。
ここで、上述したセパレータにおいて、アノード側プレートおよびカソード側プレートは、導電性材料の金属やカーボンが用いられるが、フレーム部材は、軽量化等のため、例えば、比較的軽い樹脂などが用いられる場合がある。
特開2005−32502号公報
ところで、樹脂は、一般的に金属やカーボンより熱膨張率(または熱収縮率)が高い。従って、上述のように、フレーム部材に樹脂を用いてセパレータを形成する場合において、フレーム部材の枠部分と両プレートを高温下で接着した後、常温下に戻すと、樹脂を用いたフレーム部材は、金属やカーボンを用いた両プレートよりも大きく収縮する。そうすると、両プレートにおいて、フレーム部材との接着部分より内側のプレート部分は、フレーム部材の収縮力により変形する。その結果、両プレートと冷却媒体流路における導電性部材とが剥離し、それらの間の接触抵抗が上昇するおそれがあった。
なお、上記問題は、フレーム部材に、樹脂材料を用いた場合に限らず、フレーム部材に両プレートより熱膨張率が高い素材を用いた場合にも、同様に生じる問題である。
本発明は、上述した従来の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、燃料電池のセパレータにおいて、両プレートと、導電性部材とが剥離することを抑制する技術を提供することを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明のセパレータの製造方法は、
燃料電池に用いられるセパレータの製造方法であって、
(a)導電性であって、一面が、第1の電極で電気化学反応に供される第1の反応ガスが流れる流路を形成し、該一面の反対面に複数の第1の凸状突起を有する第1プレートを用意する工程と、
(b)導電性であって、一面が、第2の電極で電気化学反応に供される第2の反応ガスが流れる流路を形成し、該一面の反対面に複数の第2の凸状突起を有する第2プレートを用意する工程と、
(c)熱膨張率が、前記第1プレートおよび前記第2プレートの熱膨張率より高く、枠状に形成されるフレーム部材と、熱膨張率が、前記第1プレートおよび前記第2プレートより高い導電性のプレートであって、一面に、前記第1プレートの前記第1の凸状突起に略対応して配置される複数の第3の凸状突起を有し、該一面の反対面に、前記第2プレートの前記第2の凸状突起に略対応して配置される複数の第4の凸状突起を有する第3プレートとを用意し、前記フレーム部材の内枠部分に、前記第3プレートを前記フレーム部材と同一平面に配置することにより中間部材を形成する工程と、
(d)前記中間部材における前記第3プレートの前記第3の凸状突起と前記第1プレートの前記第1の凸状突起とが、また、前記第3プレートの前記第4の凸状突起と前記第2プレートの前記第2の凸状突起とが、それぞれ向かい合うように配置した状態で、前記中間部材を前記第1プレートおよび前記第2プレートで挟み込んで、プレート積層体を形成する工程と、
(e)前記プレート積層体を高温状態として、前記第3プレートを熱膨張させる工程と、
(f)前記第3プレートを熱膨張させた後、前記高温状態において、前記プレート積層体における前記第1プレートおよび前記第2プレートに、前記中間部材を挟み込むように所定の加重を掛けつつ、前記フレーム部材の一面と前記第1プレートの前記反対面、および、前記フレーム部材の前記一面の反対面と前記第2プレートの前記反対面、をそれぞれ接着し、前記フレーム部材の内枠部分であって、前記第1プレートおよび前記第2プレートとの間に、前記燃料電池を冷却するための冷却媒体を流す冷却媒体流路を形成する工程と、
(g)前記接着後、前記プレート積層体を常温に戻す工程と、
を備えることを要旨とする。
ところで、高温状態で、フレーム部材と第1および第2プレートとを接着後、常温に戻すと、フレーム部材による熱収縮で、第1および第2プレートが、第1および第2プレートの積層方向に反ってしまうおそれがある。
一方、上記セパレータの製造方法によれば、プレート積層体において、第3プレートを熱膨張させた後、高温状態で、第1および第2プレートに所定の加重を掛けて、フレーム部材と第1および第2プレートとを接着し、その後、常温に戻している。これにより、第3プレートの第3および第4の凸状突起は、熱膨張によりに移動した後、熱収縮により、再度熱膨張前の位置に戻ろうとする。しかし、第1および第2プレートに加重を加えて接着するので、第3プレートと第1および第2プレートとは、接着前の状態より近接した状態となる。そのため、プレート積層体を常温に戻した際に、第3プレートの第3および第4の凸状突起は、熱膨張前の位置の手前の位置(熱膨張前の位置に対して第3プレートの熱膨張方向寄りの位置)で、それぞれ、第1および第2の凸状突起と接触する。このため、第3プレートは、熱収縮による収縮幅は、熱膨張による膨張幅より小さくなり、言い換えれば、接着後の状態では、第3プレートの第3の凸状突起および第4の凸状突起には、収縮応力が、熱膨張方向とは反対の向きに働いていることになる。その結果、フレーム部材の収縮力によって、第1および第2プレートが積層方向に反ったとしても、第3の凸状突起、第4の凸状突起は、収縮応力により、熱膨張方向とは反対方向に移動して、それぞれ、第1の凸状突起、第2の凸状突起と接触を保つことが可能となる。これにより、第1および第2プレートと、第3プレートとが剥離することを抑制することができ、第1および第2プレートと、第3プレートとの間の接触抵抗の増加を抑制することが可能となる。
上記セパレータの製造方法において、
前記工程(f)において、
前記中間部材における前記第3プレートの前記第3の凸状突起と前記第1プレートの前記第1の凸状突起とが、また、前記第3プレートの前記第4の凸状突起と前記第2プレートの前記第2の凸状突起とが、それぞれ向かい合うように配置する場合において、
前記第3の凸状突起の頂部が、前記第1の凸状突起の頂部と向かい合う位置または前記第1の凸状突起の頂部よりも、前記第3プレートが熱膨張した場合に前記第3の凸状突起が熱膨張に伴い移動する第1の方向側に位置し、さらに、第3の凸状突起と第1の凸状突起とが接触するように配置し、
前記第4の凸状突起の頂部が、前記第2の凸状突起の頂部と向かい合う位置または前記第2の凸状突起の頂部よりも、前記第3プレートが熱膨張した場合に前記第4の凸状突起が熱膨張に伴い移動する第2の方向側に位置し、さらに、第4の凸状突起と第2の凸状突起とが接触するように配置するようにしてもよい。
このようにすれば、第3の凸状突起および第4の凸状突起は、それぞれ、第1の凸状突起、第2の凸状突起と接触しているので、第3プレートの位置ずれを抑制することができる。また、第3プレートが熱膨張した場合であっても、第3の凸状突起および第4の凸状突起が、それぞれ、1の凸状突起、第2の凸状突起に引っかかることなく、熱膨張することができる。
上記セパレータの製造方法において、
前記フレーム部材は、樹脂で形成するようにしてもよい。
このようにすれば、セパレータを軽量化することができる。
上記セパレータの製造方法において、
前記フレーム部材は、ラミネート樹脂で形成され、
前記工程(h)において、
前記フレーム部材と、前記第1プレートおよび前記第2プレートとを接着する場合には、ラミネート接着するようにしてもよい。
このようにすれば、セパレータを軽量化することができると共に、別途接着剤を設けずに、フレーム部材と第1および第2プレートとを接着することができる。
上記セパレータの製造方法において、
前記第1プレートにおいて、
前記第1の凸状突起は、第1の基準点を中心として、点対称にそれぞれ設けられ、
前記第3プレートにおいて、
前記第3の凸状突起は、前記第1の基準点と対応する点を中心として、点対称であって、前記第1プレートの前記第1の凸状突起に対応する位置にそれぞれ設けるようにしてもよい。
このようにすれば、プレート積層体を常温に戻した場合において、第3プレートが変形するのを抑制することができる。
上記セパレータの製造方法において、
前記第2プレートにおいて、
前記第2の凸状突起は、第2の基準点を中心として、点対称にそれぞれ設けられ、
前記第3プレートにおいて、
前記第4の凸状突起は、前記第2の基準点と対応する点を中心として、点対称であって、前記第2プレートの前記第2の凸状突起に対応する位置にそれぞれ設けるようにしてもよい。
このようにすれば、プレート積層体を常温に戻した場合において、第3プレートが変形するのを抑制することができる。
上記セパレータの製造方法において、
前記第1プレートの前記第1の凸状突起は、前記第1プレートの面方向であって、前記第3プレートが熱膨張した場合に、対応する前記第3の凸状突起が熱膨張に伴い移動する第3の方向に対して略直交する方向に伸長した形状としてもよい。
このようにすれば、プレート積層体を常温に戻して、第3プレートが収縮した場合において、第3プレートの第3の凸状突起と第1プレートの第1の凸状突起との接触確度を向上させることができる。
上記セパレータの製造方法において、
前記第3プレートの前記第3の凸状突起、または、前記第4の凸状突起は、半球状の突起としてもよい。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明のセパレータは、
上記製造方法で製造されたセパレータであることを要旨とする。
上記構成のセパレータによれば、第1および第2プレートが変形しても、第1および第2プレートと、第3プレートとが剥離することを抑制することが可能となる。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の燃料電池は、
上記製造方法で製造されたセパレータを用いたことを要旨とする。
上記構成の燃料電池によれば、セパレータにおいて、第1および第2プレートが変形しても、第1および第2プレートと、第3プレートとが剥離することを抑制することが可能となる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、本発明のセパレータの製造方法で、製造されたセパレータが用いられた燃料電池を備える燃料電池システムなどの形態で実現することが可能である。
以下では、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の手順で説明する。
A.実施例:
A1.燃料電池100の構成:
A2.セパレータ30の説明:
A3.セパレータ30の製造方法:
B.変形例:
A.実施例:
A1.燃料電池100の構成:
本発明の本実施例におけるセパレータ30の製造方法について説明する前に、本実施例の製造方法で製造されたセパレータ30を用いた燃料電池100の概要について説明する。
図1は、本実施例の製造方法で製造されたセパレータ30を用いた燃料電池100の概略構成を表わす断面図である。x方向、y方向、および、z方向を、図1に示すように定める。この燃料電池100は、固体高分子型燃料電池であり、単セルをx方向に複数積層したスタック構造を有している。すなわち、この燃料電池100は、図1に示すように、複数の単セル10を備えると共に、各々の単セル10間にセパレータ30を介在させつつ単セル10を積層させた構造を有している。また、セパレータ30は、後述するように、カソード側プレート31、アノード側プレート32、フレーム部材の3つ部材から形成され、いわゆる、三層積層セパレータとなっている。以下では、まず、本実施例のセパレータ30を用いた燃料電池100について説明する。
単セル10は、電解質膜を含む膜−電極接合体(以下では、MEAと呼ぶ。MEA:Membrane Electrode Assembly)と、MEAの外側に配設された第2ガス拡散層14,15を備える。ここで、MEAは、電解質膜20と、電解質膜20を間に挟んでその表面に形成された触媒電極であるカソード22およびアノード24と、上記触媒電極のさらに外側に配設された第1ガス拡散層26,28とを備えている。
電解質膜20は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。カソード22およびアノード24は、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金、あるいは白金と他の金属から成る合金を備えている。第1ガス拡散層26,28は、例えばカーボン製の多孔質部材である。
第2ガス拡散層14,15は、例えば、チタン(Ti)などから成る発泡金属や金属メッシュなどの金属製多孔質体によって形成される。第2ガス拡散層14,15は、MEAとセパレータ30との間に形成される空間全体を占めるように配設されており、内部に形成される多数の細孔から成る空間は、電気化学反応に供されるガス(反応ガス、すなわち、燃料ガスまたは酸化ガス)が通過する単セル内ガス流路として機能する。
シール部16は、隣り合うセパレータ30間であって、MEAの外周部に設けられている。このシール部16は、例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなどの絶縁性ゴム材料によって形成されると共に、MEAと一体で形成されている。
図2は、MEAと一体形成されたシール部16の概略構成を表わす平面図である。図2に示すように、シール部16は、略四角形状の薄板状部材であり、外周部に設けられた6つの穴部と、中央部に設けられてMEAが組み込まれている略四角形の穴部とを有している。なお、図2の平面図には表わしていないが、シール部16は実際には図1に示すように所定の凹凸形状を有しており、燃料電池内では、上記6つの穴部および略四角形の穴部を取り囲む位置に設けられた凸部で、隣接するセパレータ30と接触する。シール部16とセパレータ30との接触位置(図1において一点鎖線でシール位置と示す)を、図2の平面図においてシールラインSLとして示している。シール部16は、弾性を有する樹脂材料から成るため、燃料電池100内で積層方向に平行な方向に押圧力が加えられることにより、上記シールラインSLの位置において、シールラインSLから流体(反応ガスや生成水等)が漏れるのを防止している。
また、図2では、シール部16と一体化されたMEAにおける外部に露出している部分を、ハッチを付して示している。以下の説明では、上記MEAにおける外部に露出している部分に対応する領域を、集電領域と呼ぶ。さらに図2では、シール部16内部に埋め込まれているMEAの外周線を、点線で示している。第2ガス拡散層14,15は、上記集電領域と略同一形状に形成されており、集電領域においてシール部16に嵌め込まれ、触媒電極および第1ガス拡散層26,28の面上に重なり接触するように配置されている。また、この場合、第2ガス拡散層14,15において、後述するように、第1ガス拡散層26,28との接触面に対する反対面は、セパレータ30と接触する。
A2.セパレータ30の詳細:
図3は、フレーム部材37および冷却媒体流路形成部材35の平面形状を示す説明図である。図4は、カソード側プレート31の平面形状を示す説明図である。図5は、アノード側プレート32の平面形状を示す説明図である。以下では、これらの図および図1を用いて、セパレータ30を説明する。なお、カソード側プレート31およびアノード側プレート32を両プレートとも呼ぶ。また、これらの図3〜図5に示すA−A断面をz方向から見た断面図は、上述の図1と対応している。
セパレータ30は、図1に示すように、第2ガス拡散層14と接するカソード側プレート31と、第2ガス拡散層15と接するアノード側プレート32と、両プレートに挟持されるフレーム部材37とを備えている。セパレータ30は、両プレートの間にフレーム部材37を挟み、両プレートとフレーム部材37とを接着することにより形成される。このようなセパレータ30の製造方法についての詳細は、後述する。また、フレーム部材37が、カソード側プレート31とアノード側プレート32に挟持されることにより形成される層を、以下では、中間層と呼ぶ(図1参照)。さらに、セパレータ30の面に平行な方向を面方向とも呼び、両プレートおよびフレーム部材37を積層する方向を積層方向とも呼ぶ。
フレーム部材37は、両プレートより熱膨張率が高いラミネート樹脂から形成される。この場合、フレーム部材37の両面の表面(図3の斜線部)は、高温下(例えば、120℃〜150℃)で接着する接着フィルムで形成される。フレーム部材37は、凹凸のない平坦な表面を有すると共に、図3に示すように、所定の位置に所定形状の穴部を有している。この穴部の詳細については後述する。なお、図3に示すように、フレーム部材37と、フレーム部材37の内側部分(内枠部分)との境界を、内枠ラインLと呼ぶ。この内枠ラインLは、長方形状となっている。
中間層には、図3に示すように、フレーム部材37の他、冷却媒体流路形成部材35が配置される。この冷却媒体流路形成部材35は、導電性であり、内枠ラインLと同じ長方形状であってやや内枠ラインLより小さい薄板状部材(プレート)から構成される。さらに、この冷却媒体流路形成部材35は、熱膨張率が両プレートより高い材料であり、例えば、銅(Cu)やアルミ(Al)などの金属や導電性プラスチックなどから形成される。また、この冷却媒体流路形成部材35は、フレーム部材37の内枠ラインLの内側部分(以下では、内枠部分とも呼ぶ。)に嵌めるように配置される。この場合、冷却媒体流路形成部材35は、フレーム部材37に保持されるのではなく、後述するように両プレートに挟持されることにより、保持される。従って、図3に示すように、冷却媒体流路形成部材35とフレーム部材37とは、接続されていない。なお、この冷却媒体流路形成部材35は、フレーム部材37の内枠部分の略中央に位置するように配置される。この冷却媒体流路形成部材35が配置されるフレーム部材37の内枠部分は、後述するように、燃料電池100を冷却するための冷却媒体(水、エチレングリコール等)が流れる冷却媒体流路として機能する。なお、冷却媒体流路形成部材35の中心点を中心点Gと呼ぶ。この中心点Gは、冷却媒体流路形成部材35において対角線が交わる点(重心点)である。
また、冷却媒体流路形成部材35は、図1に示すように、一面に凸状の突起である凸部35aを、他面に凸部35bを備える。この場合、これら凸部35a、凸部35bは、冷却媒体流路形成部材35をプレスすることにより形成される。また、凸部35aは、図3に示すように、それぞれ複数形成され、それらの配置は、中心点Gに対して同心円上の位置であって、中心点Gに対して点対称となるように配置される。なお、凸部35bに関しても同様である。さらに、これら凸部35aおよび凸部35bは、冷却媒体流路形成部材35において、図1および図3に示すように、中心点Gから内枠ラインLに向かって、交互に配置される。以下では、フレーム部材37の内枠に冷却媒体流路形成部材35を配置したものを、総称して中間部材とも呼ぶ。また、以下では、冷却媒体流路形成部材35において、中心点Gから内枠ラインLに向かう方向を外側方向(図3白抜き矢印参照)と呼ぶ。なお、中心点G1,G2は、カソードプレート内側領域U1、アノードプレート内側領域U2において、それぞれ、対角線が交わる点(重心点)である。
カソード側プレート31(図4)およびアノード側プレート32(図5)は、熱膨張率が冷却媒体流路形成部材35より低い導電性材料、例えば、ステンレス鋼(SUS)あるいはチタン(Ti)やチタン合金といった金属、または、カーボン等によって形成される薄板状部材である。これら両プレートは、各々、所定の位置に所定形状の穴部を有している。この穴部の詳細については、後述する。
ここで、カソード側プレート31(図4)において、アノード側プレート32(図5)と共に中間部材(フレーム部材37および冷却媒体流路形成部材35)を挟持した場合に、フレーム部材37の内枠ラインLに対応するラインより内側の領域を、以下では、カソードプレート内側領域U1とも呼ぶ。また、同様に、アノード側プレート32(図5)において、カソード側プレート31と共に中間部材を挟持した場合に、フレーム部材37の内枠ラインLに対応するラインより内側の領域を、以下では、アノードプレート内側領域U2とも呼ぶ。
カソード側プレート31は、カソードプレート内側領域U1に、凸状の突起である凸部31aを複数備える。この凸部31aは、冷却媒体流路形成部材35に設けられる凸部35bと同数備えられる。アノード側プレート32は、アノードプレート内側領域U2に、凸状の突起である凸部32aを複数備える。この凸部32aは、冷却媒体流路形成部材35に設けられる凸部35aと同数備えられる。また、両プレートで中間部材を挟持する場合には、冷却媒体流路形成部材35の中心点Gと、カソードプレート内側領域U1の中心点G1およびアノードプレート内側領域U2の中心点G2とは、同位置に対応して向かい合うように重ねられる。
カソード側プレート31において、凸部31aは、それぞれ、中心点G1を中心とした同心円状であって、冷却媒体流路形成部材35の凸部35bと対応する位置よりも少し中心点G1寄りに配置される(図4拡大部分参照)。また、この凸部31aは、図4に示すように、中心点G1を中心とした同心円の接線方向に伸長した形状となっている。このカソード側プレート31において、カソードプレート内側領域U1の外周部分(穴部分等除く)は、フレーム部材37と接着する接着領域となる(図4、斜線部参照)。
アノード側プレート32において、凸部32aは、それぞれ、中心点G2を中心とした同心円状であって、冷却媒体流路形成部材35の凸部35aと対応する位置よりも少し中心点G2寄りに配置される(図5拡大部分参照)。また、この凸部32aは、図5に示すように、中心点G2を中心とした同心円の接線方向に伸長した形状となっている。このアノード側プレート32において、アノードプレート内側領域U2の外周部分(穴部分等除く)は、フレーム部材37と接着する接着領域となる(図5、斜線部参照)。
また、カソード側プレート31(図4)およびアノード側プレート32(図5)は、同様の位置に、6つの穴部を備えている。これらの6つの穴部は、スタック構造を形成するために両プレートおよびフレーム部材37が積層された際に互いに重なり合って、燃料電池100内部において積層方向に平行に流体を導くマニホールドを形成する。穴部40は、燃料電池100に対して供給された酸化ガスを各単セル10に分配する酸化ガス供給マニホールドを形成し(図中、O2 inと表わす)、穴部41は、各単セル10から排出されて集合した酸化排ガスを外部へと導く酸化ガス排出マニホールドを形成する(図中、O2 outと表わす)。また、穴部42は、燃料電池100に対して供給された燃料ガスを各単セル10に分配する燃料ガス供給マニホールドを形成し(図中、H2 inと表わす)、穴部43は、各単セル10から排出されて集合した燃料排ガスを外部へと導く燃料ガス排出マニホールドを形成する(図中、H2 outと表わす)。さらに、穴部44は、燃料電池100に供給された冷却媒体を各セパレータ30内に分配する冷媒供給マニホールドを形成し(図中、水 inと表わす)、穴部45は、各セパレータ30から排出されて集合した冷媒を外部へと導く冷媒排出マニホールドを形成する(図中、水 outと表わす)。なお、フレーム部材37は、上記した穴部のうち、穴部40,41,42,43を備えており、また、後述する複数の冷媒孔58が、穴部44,45に対応する位置に重なるように設けられている。
さらに、カソード側プレート31は、図4に示すように、穴部40の近傍に穴部40に平行に配列する複数の穴部である連通孔50を、穴部41の近傍に穴部41に平行に配列する複数の連通孔51を、それぞれ備えている。アノード側プレート32は、図5に示すように、穴部42の近傍に穴部42に平行に配列する複数の穴部である連通孔52を、穴部43の近傍に穴部43に平行に配列する複数の連通孔53を、それぞれ備えている。
フレーム部材37においては、図3に示すように、穴部40の形状が他のプレートとは異なっており、内枠ラインL側の辺が、内枠ラインL方向へと突出する複数の突出部(以下では、連通部54と呼ぶ。)を備える形状となっている。この連通部54は、フレーム部材37とカソード側プレート31とが積層されたときに連通孔50と重なり合って、酸化ガス供給マニホールドと連通孔50とが連通するように、各連通孔50に対応して設けられている。フレーム部材37では、他の穴部41,42,43においても同様に、連通孔51,52,53に対応して、複数の連通部55,56,57がそれぞれ設けられている。また、フレーム部材37は、図3に示すように、互いに平行に形成された細長い複数の冷媒孔58a、58bを備えている。これらの冷媒孔58a、冷媒孔58bは、両プレートの間にフレーム部材37を挟んで積層したときに、それぞれ穴部44、穴部45と重なり合う。これにより、燃料電池100の内部において、穴部44が形成する冷媒供給マニホールドを流れる冷却媒体は、上記冷媒孔58aを介して、冷却媒体流路形成部材35が配置されるフレーム部材37の内枠部分を流れ、そして、冷媒孔58bを介して、穴部45が形成する冷媒排出マニホールドに排出される。従って、フレーム部材37の内枠部分は、冷却媒体を流す冷却媒体流路として機能する。
A3.セパレータ30の製造方法:
図6は、本実施例のセパレータ30の製造方法を示す説明図である。この図6を用いて、本実施例のセパレータ30の製造方法を説明する。このセパレータ30は、上述したように、中間部材を両プレートで挟持し、フレーム部材37と両プレートとを接着することにより形成する。なお、この図6に示されるフレーム部材37および両プレートは、図3〜図5のA−A断面をz方向から見た状態を表わしている。
まず、図6(a)に示すように、両プレートとの間に、中間部材(フレーム部材37および冷却媒体流路形成部材35)を挟持する(接着前の状態:ステップS10)。この場合、冷却媒体流路形成部材35の中心点Gと、カソードプレート内側領域U1の中心点G1およびアノードプレート内側領域U2の中心点G2とが、重なるようにし、さらに、冷却媒体流路形成部材35において凸部35bを有する面がカソード側プレート31に向くように、そして、凸部35aを有する面がアノード側プレート32に向くように重ねる。また、上述したように、両プレートの凸部31a、凸部32aは、冷却媒体流路形成部材35の凸部35bと対応する位置よりも少し中心点G1寄りの位置、冷却媒体流路形成部材35の凸部35aと対応する位置よりも少し中心点G2寄りの位置、にそれぞれ配置されている。従って、この場合、図6(a)に示すように、冷却媒体流路形成部材35において、凸部35bの頂部は、カソード側プレート31において対応した位置にある凸部31aの頂部より外側方向寄りの位置で凸部31aと接触し、凸部35aの頂部は、アノード側プレート32において対応した位置にある凸部32aの頂部より外側方向寄りの位置で凸部32aで接触している。なお、この場合は、常温状態である。また、両プレートとの間に中間部材を挟持した物体を、以下では、プレート積層体とも呼ぶ。
次に、プレート積層体を常温状態から高温状態(例えば、120℃〜150℃)に置く(ステップS20)。このようにすると、図6(b)に示すように、冷却媒体流路形成部材35は、両プレートより熱膨張率が高いので、外側方向に向かって、両プレートよりも大きく熱膨張する。また、この場合、フレーム部材37のラミネート樹脂の表面は、接着可能な状態となり、さらに、フレーム部材37も、両プレートより熱膨張率が高いので、外側方向に向かって、両プレートより大きく熱膨張する。
そして、プレート積層体を高温下に置き、図6(c)に示すように、その状態で、プレート積層体に対して、中間部材を挟み込む方向に所定の加重を掛ける(ステップS30)。このようにすれば、フレーム部材37と両プレートとが接着される。この場合、フレーム部材37は、両プレートより大きく熱膨張した状態で接着される。
その後、図6(d)に示すように、接着後のプレート積層体を高温下から常温下に戻す(ステップS40)。これにより、このプレート積層体が、本実施例のセパレータ30となる。また、この場合、冷却媒体流路形成部材35は、上述のステップ20の工程で熱膨張した外側方向とは反対の方向に向かって、両プレートより大きく熱収縮する。さらに、フレーム部材37も、外側方向とは反対方向に向かって、両プレートより大きく熱収縮する。
図7は、セパレータ30の製造工程におけるプレート積層体の変化を示す説明図である。詳しくは、図7(a)に、図6(a)のO領域の拡大図(拡大図O)を、図7(b)に、プレート積層体を常温に戻す途中において、拡大図Oに対応する位置の拡大図を、図7(c)に、図6(d)のP領域の拡大図を示している。
ところで、上記セパレータ30の製造方法では、ステップS30工程で、高温状態、すなわち、フレーム部材37が両プレートより大きく熱膨張した状態で、両プレートと接着している。そして、この状態で、このプレート積層体を、常温下に戻すと、フレーム部材37は、両プレートより大きな熱収縮を生じる。そうすると、フレーム部材37の収縮力によって、両プレートにおいて、フレーム部材37との接着部分(図4、図5斜線部分参照)より内側部分のプレートが、積層方向に反るように変形することがある。
一方、本実施例のセパレータ30の製造方法(図6)では、冷却媒体流路形成部材35の凸部35a、凸部35bの頂部が、凸部32a、凸部31aの頂部付近で接触した状態(接着前状態:ステップS10工程)となっている。そして、その後、冷却媒体流路形成部材35を熱膨張させ(ステップS20工程)、さらに、両プレートに加重を加えて接着し(ステップS30工程)、常温に戻している(ステップS40工程)。これにより、冷却媒体流路形成部材35の凸部35a、凸部35bは、熱膨張により外側方向に移動した後、熱収縮により、再度熱膨張前の位置に戻ろうとする。しかし、両プレートに加重を加えて接着するので、冷却媒体流路形成部材35と両プレートとは、接着前の状態より近接した状態となる。そのため、凸部35aと凸部32aとの接触点、および、凸部35bと凸部31aとの接触点は、接着前に対して、接着途中では、外側方向に移動し、すなわち、図7(a)、(b)に示すように、凸部35a、凸部35bは、接着前に比べ、接着途中では、凸部32a、凸部31aと熱膨張前の位置に対して外側方向寄りの位置で接触する。それにより、図6に示すように、冷却媒体流路形成部材35は、熱収縮による収縮幅は、熱膨張による膨張幅より小さくなり、言い換えれば、接着途中状態(図7(b))では、冷却媒体流路形成部材35には、収縮応力が、外側方向とは反対の向き働いていることになる。その結果、図7(c)に示すように、フレーム部材37の収縮力によって、両プレートが積層方向に反ったとしても、凸部35a、凸部35bは、収縮応力により、外側方向とは反対方向に移動し、それぞれ、凸部32a、凸部31aと接触を保つことが可能となる。これにより、両プレートと、冷却媒体流路形成部材35とが剥離することを抑制することができ、両プレートと冷却媒体流路形成部材35との間の接触抵抗の増加を抑制することが可能となる。
本実施例のセパレータ30の製造方法(図6)では、接着前の状態(ステップS10工程)において、冷却媒体流路形成部材35の凸部35bの頂部は、カソード側プレート31において対応した位置にある凸部31aの頂部より外側方向寄りの位置で凸部31aと接触し、冷却媒体流路形成部材35の凸部35aの頂部は、アノード側プレート32において対応した位置にある凸部32aの頂部より外側方向寄りの位置で凸部32aで接触するようにしている。このようにすれば、凸部35a、凸部35bは、それぞれ凸部32a、凸部31aと接触しているので、冷却媒体流路形成部材35の位置ずれを抑制することができ、さらに、冷却媒体流路形成部材35が熱膨張した場合であっても、凸部35a、凸部35bが、それぞれ、凸部32a、凸部31aに引っかかることなく、熱膨張することができる。
また、上記セパレータ30において、フレーム部材37にラミネート樹脂を用いている。このようにすれば、セパレータ30を軽量化することができる共に、別途接着剤を設けずに、フレーム部材37と両プレートとを接着することができる。
上記セパレータ30では、冷却媒体流路形成部材35において、凸部35a、凸部35bは、中心点Gを中心として、同心円状であって、中心点Gに対して点対称に配置されている。また、カソード側プレート31、および、アノード側プレート32も、同様に、凸部31a、凸部32aは、それぞれ中心点G1,G2を中心として、同心円状であって、中心点G1,G2に対して点対称に配置されている。そして、上述したように、冷却媒体流路形成部材35の中心点Gと、カソードプレート内側領域U1の中心点G1と、アノードプレート内側領域U2の中心点G2とは、向かい合うようにして重ね(図6:ステップS10)、その後、上述のごとくセパレータ30を製造している。このようにすれば、セパレータ30の製造時のステップS40の工程で、プレート積層体を常温に戻した場合において、冷却媒体流路形成部材35には、中心点Gに向けて収縮応力が働くので、冷却媒体流路形成部材35が変形するのを抑制することができる。
上記セパレータ30では、両プレートの凸部31a、凸部32aは、図4、5に示すように、中心点G1,G2を中心とした同心円の接線方向に伸長した形状となっている。このようにすれば、セパレータ30の製造時のステップS40の工程で、プレート積層体を常温に戻して、冷却媒体流路形成部材35が収縮した場合において、それぞれ、凸部35aと凸部32a、凸部35bと凸部31aとの接触確度を向上させることができる。
上記のようにして製造したセパレータ30では、冷却媒体流路形成部材35の凸部35b、凸部35aは、収縮応力により、それぞれ、両プレートの凸部31a、凸部32aを外側方向とは反対方向に押すようにして、接触している。従って、このセパレータ30において、冷却媒体流路形成部材35が、位置ずれを起こすのを抑制することができる。
上記セパレータ30では、冷却媒体流路中に、凸部35a、凸部35bを備えた冷却媒体流路形成部材35が配置される。従って、このようにすれば、凸部35a、凸部35bにより、冷却水が乱流となり、攪拌され、冷却効率を向上させることができる。
なお、上述のようにして製造したセパレータ30を用いた燃料電池100の内部において、図1に示すように、各プレートの穴部40が形成する酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、フレーム部材37の連通部54が形成する空間と、カソード側プレート31の連通孔50とを介して、第2ガス拡散層14内に形成される単セル内ガス流路(酸化ガス流路)へと流入し、面方向に流れると共に、面方向に垂直な方向(積層方向)へとさらに拡散する。積層方向に拡散した酸化ガスは、第2ガス拡散層14から第1ガス拡散層26を介してカソード22に至り、電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつ単セル内酸化ガス流路を通過した酸化ガスは、第2ガス拡散層14から、カソード側プレート31の連通孔51およびフレーム部材37の連通部55が形成する空間を介して、穴部41が形成する酸化ガス排出マニホールドへと排出される。同様に、燃料電池の内部において、穴部42が形成する燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、フレーム部材37の連通部56が形成する空間と、アノード側プレート32の連通孔52とを介して、第2ガス拡散層15内に形成される単セル内燃料ガス流路へと流入し、面方向に流れると共に、積層方向へとさらに拡散する。積層方向に拡散した燃料ガスは、第2ガス拡散層15から第1ガス拡散層28を介してアノード24に至り、電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつ単セル内燃料ガス流路を通過した燃料ガスは、第2ガス拡散層15から、アノード側プレート32の連通孔53およびフレーム部材37の連通部57が形成する空間を介して、穴部43が形成する燃料ガス排出マニホールドへと排出される。
また、カソード側プレート31またはアノード側プレート32は、請求項における第1プレートまたは第2プレートのいずれかに該当する。冷却媒体流路形成部材35は、請求項における第3プレートに該当する。フレーム部材37は、請求項におけるフレーム部材に該当する。中心点G1または中心点G2は、請求項における第1の基準点または第2の基準点のいずれかに該当する。
B.変形例:
なお、本発明では、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
B1.変形例1:
上記セパレータ30の製造方法において、そのステップS10工程(接着前状態)では、冷却媒体流路形成部材35の凸部35a、凸部35bの頂部は、両プレートにおいて、それぞれ、対応する凸部32a、凸部31aの頂部より、外側方向寄りに位置するようにしているが、本発明は、これに限られるものではない。ステップS20工程で、冷却媒体流路形成部材35を高温状態においた場合に、凸部35a、凸部35bの頂部が、両プレートにおいて、それぞれ、対応する凸部32a、凸部31aの頂部より外側方向に位置していればよく、例え、ステップS10工程(接着前状態)において、凸部35a、凸部35bの頂部は、両プレートにおいて、それぞれ、対応する凸部32a、凸部31aの頂部に対応する位置、または、対応する凸部32a、凸部31aの頂部よりも外側方向とは反対寄りの位置にあってもよい。このようにしても、上記実施例の効果を奏することができる。
B2.変形例2:
上記カソード側プレート31およびアノード側プレート32は、Tiだが、ステンレス鋼(SUS)チタン合金といった金属、または、カーボンでもよい。なお、この場合、冷却媒体流路形成部材35は、両プレートより熱膨張率が高い金属を用いる。例えば、両プレートが、ステンレス鋼を用いている場合には、冷却媒体流路形成部材35を銅やアルミ等で形成するようにしてもよい。
B3.変形例3:
上記実施例のセパレータ30において、フレーム部材37は、ラミネート樹脂で形成されることとしているが、本発明は、これに限られるものではない。フレーム部材37は、両プレートより熱膨張率が高い素材であればよく、所定の金属(銅やアルミ等)であってもよい。この場合、上記セパレータ30の製造方法(図6)で、フレーム部材37と両プレートとを接着する際には(ステップS30)、高温下で、フレーム部材37と両プレートとをロウ付けや拡散接着により接着するようにしてもよい。このようにしても、上記実施例と同様の効果を奏することができる。
B4.変形例4:
上記実施例のセパレータ30において、カソード側プレート31とアノード側プレート32は、同材料で構成されているが、本発明は、これに限られるものではなく、フレーム部材37および冷却媒体流路形成部材35より熱膨張率が低い異なる材料で構成されていてもよい。このようにしても、上記実施例と同様の効果を奏することができる。
本実施例の製造方法で製造されたセパレータ30を用いた燃料電池100の概略構成を表わす断面図である。 MEAと一体形成されたシール部16の概略構成を表わす平面図である。 フレーム部材37および冷却媒体流路形成部材35の平面形状を示す説明図である。 カソード側プレート31の平面形状を示す説明図である。 アノード側プレート32の平面形状を示す説明図である。 本実施例のセパレータ30の製造方法を示す説明図である。 セパレータ30の製造工程におけるプレート積層体の変化を示す説明図である。
符号の説明
10…単セル
14,15…第2ガス拡散層
16…シール部
20…電解質膜
22…カソード
24…アノード
26,28…第1ガス拡散層
30…セパレータ
31…カソード側プレート
31a…凸部
32…アノード側プレート
32a…凸部
35…冷却媒体流路形成部材
35a…凸部
35b…凸部
37…フレーム部材
100…燃料電池

Claims (10)

  1. 燃料電池に用いられるセパレータの製造方法であって、
    (a)導電性であって、一面が、第1の電極で電気化学反応に供される第1の反応ガスが流れる流路を形成し、該一面の反対面に複数の第1の凸状突起を有する第1プレートを用意する工程と、
    (b)導電性であって、一面が、第2の電極で電気化学反応に供される第2の反応ガスが流れる流路を形成し、該一面の反対面に複数の第2の凸状突起を有する第2プレートを用意する工程と、
    (c)熱膨張率が、前記第1プレートおよび前記第2プレートの熱膨張率より高く、枠状に形成されるフレーム部材と、熱膨張率が、前記第1プレートおよび前記第2プレートより高い導電性のプレートであって、一面に、前記第1プレートの前記第1の凸状突起に略対応して配置される複数の第3の凸状突起を有し、該一面の反対面に、前記第2プレートの前記第2の凸状突起に略対応して配置される複数の第4の凸状突起を有する第3プレートとを用意し、前記フレーム部材の内枠部分に、前記第3プレートを前記フレーム部材と同一平面に配置することにより中間部材を形成する工程と、
    (d)前記中間部材における前記第3プレートの前記第3の凸状突起と前記第1プレートの前記第1の凸状突起とが、また、前記第3プレートの前記第4の凸状突起と前記第2プレートの前記第2の凸状突起とが、それぞれ向かい合うように配置した状態で、前記中間部材を前記第1プレートおよび前記第2プレートで挟み込んで、プレート積層体を形成する工程と、
    (e)前記プレート積層体を高温状態として、前記第3プレートを熱膨張させる工程と、
    (f)前記第3プレートを熱膨張させた後、前記高温状態において、前記プレート積層体における前記第1プレートおよび前記第2プレートに、前記中間部材を挟み込むように所定の加重を掛けつつ、前記フレーム部材の一面と前記第1プレートの前記反対面、および、前記フレーム部材の前記一面の反対面と前記第2プレートの前記反対面、をそれぞれ接着し、前記フレーム部材の内枠部分であって、前記第1プレートおよび前記第2プレートとの間に、前記燃料電池を冷却するための冷却媒体を流す冷却媒体流路を形成する工程と、
    (g)前記接着後、前記プレート積層体を常温に戻す工程と、
    を備えることを特徴とするセパレータの製造方法。
  2. 請求項1に記載のセパレータの製造方法において、
    前記工程(f)において、
    前記中間部材における前記第3プレートの前記第3の凸状突起と前記第1プレートの前記第1の凸状突起とが、また、前記第3プレートの前記第4の凸状突起と前記第2プレートの前記第2の凸状突起とが、それぞれ向かい合うように配置する場合において、
    前記第3の凸状突起の頂部が、前記第1の凸状突起の頂部と向かい合う位置または前記第1の凸状突起の頂部よりも、前記第3プレートが熱膨張した場合に前記第3の凸状突起が熱膨張に伴い移動する第1の方向側に位置し、さらに、第3の凸状突起と第1の凸状突起とが接触するように配置し、
    前記第4の凸状突起の頂部が、前記第2の凸状突起の頂部と向かい合う位置または前記第2の凸状突起の頂部よりも、前記第3プレートが熱膨張した場合に前記第4の凸状突起が熱膨張に伴い移動する第2の方向側に位置し、さらに、第4の凸状突起と第2の凸状突起とが接触するように配置することを特徴とするセパレータの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセパレータの製造方法において、
    前記フレーム部材は、樹脂で形成されることを特徴とするセパレータの製造方法。
  4. 請求項3に記載のセパレータの製造方法において、
    前記フレーム部材は、ラミネート樹脂で形成され、
    前記工程(h)において、
    前記フレーム部材と、前記第1プレートおよび前記第2プレートとを接着する場合には、ラミネート接着することを特徴とするセパレータの製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のセパレータの製造方法において、
    前記第1プレートにおいて、
    前記第1の凸状突起は、第1の基準点を中心として、点対称にそれぞれ設けられ、
    前記第3プレートにおいて、
    前記第3の凸状突起は、前記第1の基準点と対応する点を中心として、点対称であって、前記第1プレートの前記第1の凸状突起に対応する位置にそれぞれ設けられることを特徴とするセパレータの製造方法。
  6. 請求項5に記載のセパレータの製造方法において、
    前記第2プレートにおいて、
    前記第2の凸状突起は、第2の基準点を中心として、点対称にそれぞれ設けられ、
    前記第3プレートにおいて、
    前記第4の凸状突起は、前記第2の基準点と対応する点を中心として、点対称であって、前記第2プレートの前記第2の凸状突起に対応する位置にそれぞれ設けられることを特徴とするセパレータの製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のセパレータの製造方法において、
    前記第1プレートの前記第1の凸状突起は、前記第1プレートの面方向であって、前記第3プレートが熱膨張した場合に、対応する前記第3の凸状突起が熱膨張に伴い移動する第3の方向に対して略直交する方向に伸長した形状であることを特徴とするセパレータの製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のセパレータの製造方法において、
    前記第3プレートの前記第3の凸状突起、または、前記第4の凸状突起は、半球状の突起であることを特徴とするセパレータの製造方法。
  9. 燃料電池に用いられるセパレータであって、
    請求項1ないし請求項8のいずれかの製造方法で製造されたセパレータ。
  10. 燃料電池であって、
    請求項9に記載のセパレータを用いた燃料電池。
JP2005353899A 2005-12-07 2005-12-07 セパレータの製造方法、セパレータ、燃料電池 Pending JP2007157595A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005353899A JP2007157595A (ja) 2005-12-07 2005-12-07 セパレータの製造方法、セパレータ、燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005353899A JP2007157595A (ja) 2005-12-07 2005-12-07 セパレータの製造方法、セパレータ、燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007157595A true JP2007157595A (ja) 2007-06-21

Family

ID=38241682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005353899A Pending JP2007157595A (ja) 2005-12-07 2005-12-07 セパレータの製造方法、セパレータ、燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007157595A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010135113A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Toyota Motor Corp 燃料電池のセパレータの製造装置、その制御方法、および燃料電池のセパレータの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010135113A (ja) * 2008-12-02 2010-06-17 Toyota Motor Corp 燃料電池のセパレータの製造装置、その制御方法、および燃料電池のセパレータの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4315219B2 (ja) 燃料電池
JP5227543B2 (ja) 燃料電池
EP2916376B1 (en) Cell module and fuel cell stack
JP2007250297A (ja) 燃料電池
JP5130623B2 (ja) 燃料電池およびガスケット
JP5130692B2 (ja) 電気化学デバイスおよびその製造方法
JP2008034274A (ja) 燃料電池用セパレータ及び燃料電池用セパレータ構成用プレート及び燃料電池用セパレータの製造方法
JP5181678B2 (ja) 燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法
JP2007193970A (ja) 燃料電池
JP2007157595A (ja) セパレータの製造方法、セパレータ、燃料電池
JP7302532B2 (ja) 燃料電池セル
JP2007328935A (ja) 燃料電池に用いられる膜電極接合体、燃料電池、および、膜電極接合体の製造方法
JP2007250432A (ja) 燃料電池
WO2007043368A1 (ja) 燃料電池およびその製造方法
JP4543909B2 (ja) 燃料電池
JP2008293808A (ja) セパレータおよび燃料電池
JP2007149427A (ja) セパレータ、それを備える燃料電池、および、セパレータの製造方法
JP2008047319A (ja) 燃料電池
JP4935062B2 (ja) 燃料電池
JP5884713B2 (ja) 燃料電池および燃料電池スタック
JP2008091078A (ja) 燃料電池
JP5003989B2 (ja) 単電池、単電池の製造方法、燃料電池
JP2024065633A (ja) 燃料電池
JP5920669B2 (ja) 燃料電池の製造方法
JP5920594B2 (ja) 燃料電池