図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置である写真処理装置1の全体構成の概要を説明するための図である。この写真処理装置1は、大略的に、印画紙ロールR1,R2から長尺の記録材としての印画紙を画像形成に必要な長さだけ引出して裁断し、焼付けを行う焼付け(露光)装置として構成され、焼付けが行われた印画紙は、後段の図示しない現像装置に搬送されて、現像・漂白および定着・洗浄の各処理が行われる。
焼付け対象の画像データは、現像済みの写真フィルムを図示しないフィルムスキャナーによってスキャニングすることで取得され、或いは不図示の読取り装置によって、デジタルカメラ用の記憶メディアや、その他の記録媒体から取得され、さらに不図示のパーソナルコンピュータなどからネットワークを経由して取得されたりする。
この写真処理装置1は、通常のサービスサイズの印画紙への焼付けから、カメラ撮影画像に限らず、前記記録媒体やネットワーク経由で取得可能なコンピュータ合成画像などから、長尺の等身大写真、垂れ幕、横断幕等の作成が可能である。このため、たとえば焼付け可能な印画紙の最大サイズは、100インチであり、印画紙ロールR1,R2の幅は、最大で24.5インチであり、図1では、印画紙ロールR1(Aマガジン)を前記24.5インチ、印画紙ロールR2(Bマガジン)を12インチとしている。
前記印画紙ロールR1,R2は、収納部材であるマガジンH1,H2内に収容されており、マガジンH1,H2は該写真処理装置1の本体2に対して着脱自在である。この図1の例では、前記マガジンH1,H2は、2台を本体2に収容可能となっているがさらに多くのマガジンが収容され、多種類の印画紙が使用可能となっていてもよく、或いは1台だけが収容可能で、コンパクト化が図られていてもよい。
前記印画紙ロールR1,R2は、その一方が選択されてマガジンH1,H2から印画紙が引出され、所定の搬送経路に沿って搬送される。前記搬送経路において、前記印画紙は、アドバンスローラユニットU1,U2によって引出され、かつ方向変換されて搬送経路が合流され、画像形成に必要な長さだけ引出された時点で、カッター5によって裁断された後、下流側に配置される露光エンジン7へと搬送される。前記アドバンスローラユニットU1,U2およびカッター5ならびにその経路に介在される各種のローラおよびその駆動手段によって引出し手段が構成され、前記露光エンジン7は画像形成手段を構成する。
前記露光エンジン7は、公知の構成を備えており、レーザ光源(レーザーダイオード等)8から出力されるレーザ光を画像データに基づいて変調し、この変調されたレーザ光を印画紙に照射することで画像露光を行う。この露光エンジン7では、駆動ローラが閉ループに形成される上流側露光搬送ローラ9と下流側露光搬送ローラ10との間に、前記レーザ光の露光位置が設定されている。露光にあたって、印画紙は、前記露光搬送ローラ9,10に挟持された状態で、予め定める一定の速度で搬送されてゆく。前記レーザ光は、印画紙が搬送される方向(副走査方向)と直交する主走査方向に繰返し走査されることで、1ラインごとに画像(潜像)が焼付露光される。
こうして画像露光が行われながら、印画紙は、下流側の露光搬送ローラ10によって、後段の収容手段である収容装置3へ送り出されてゆく。前記収容装置3内には、大略的に、第1搬送ユニット11、第2搬送ユニット12、巻き取りドラム20および移動機構13が配置されている。
詳しくは後述するが、第1搬送ユニット11は、所定の水平軸芯回りに回転可能に設けられており、前記下流側の露光搬送ローラ10から受け渡された印画紙を、該収容装置3内に一旦貯留するか、第2搬送ユニット12を介して前述のように後段の現像装置に受け渡すかを切換える機能を実現する。この収容装置3は、後述するように、搬送方向における長さが所定長さ以上の印画紙を、その全長に亘って露光工程が終了するまで、巻き取りドラム20に巻き取って一時的に収容し、終了すると、前後を反転して前記第2搬送ユニット12から現像装置へ排出する。
したがって、前記巻き取りドラム20の外周面には圧着ローラ21が配置されており、巻き取りドラム20が、該圧着ローラ21とによって印画紙の先端を挟み込み、該圧着ローラ21を伴って軸20a回りに回転することで、印画紙を巻き取ってゆく。巻き取りドラム20の前記軸20aは、支持部材15によって支持されており、その支持部材15は、移動機構13によって昇降変位が可能となっており、該収容装置3へ送り込まれてくる印画紙が長くなる程、下方に移動され、印画紙後端側の取込みを可能にする。移動機構13は、前記支持部材15を摺動自在に支持する案内部材13aと、支持部材15を前記案内部材13aに沿って昇降変位させるタイミングベルト13bとを備えて構成される。
収容装置3内の下部には、たるみ検出センサS19が設けられている。このたるみ検出センサS19は、一対の発光素子22aと受光素子22bとを備えて構成され、発光素子22aから照射された光が印画紙によって遮断されると、たるみ量が所定量よりも大きな状態と判断され、前記巻き取りドラム20が回転され、印画紙が収容装置3内の底面と接触して傷が付かないように構成されている。前記発光素子22aと受光素子22bとを結ぶ光路は、水平線に対し傾斜した状態に設定されている。
図2は、上述のように構成される写真処理装置1における印画紙の搬送経路を模式的に示す図である。この図2において、参照符号Sはセンサを表し、Mはモータを表す。印画紙ロールR1,R2からの印画紙は、アドバンスローラユニットU1,U2を駆動するモータM1およびマガジンH1,H2内のリールを駆動するモータM2,M3によって選択的に繰出され、印画紙のマガジンH1,H2からの取出しは、センサS1,S2によって検出される。
前記センサS1,S2は、印画紙に感光しない赤外線を用いる一対の受発光素子などから成り、印画紙の未通過、先端通過、通過中、後端通過等の各態様を検出することができ、これらのセンサS1,S2は、前記受発光素子間の光路のON→OFFによる後端通過を検出するペーパーエンドセンサとして機能する。
また、マガジンH1,H2には、印画紙ロールR1,R2の種別およびシリアルナンバーを表す識別部材が付されており、その識別部材は、識別手段であるセンサS3,S4によって読取られる。前記識別部材は、穿孔部材、バーコード、ICチップなどのように前記印画紙ロールR1,R2の種別およびシリアルナンバーを個別に認識可能な任意の部材が用いられればよく、前記センサS3,S4としては、前記穿孔部材の場合にはフォトインタラプタ、バーコードの場合にはリーダー、ICチップの場合にはその読取り手段などで実現することができる。
こうして、本体2に複数の印画紙ロールR1,R2が装填されたり、使用途中で印画紙ロールR1,R2が交換されたりしても、どの印画紙ロールR1,R2が装填されており、後述するように、その概算の残量がどれだけあるのかを識別することができるようになっている。また、前記識別部材に前記ICチップなどの記録部材を使用し、識別手段側から、新品装着時に乱数などを書込むようにしてもよい。この場合、前記印画紙ロールR1,R2の種別およびシリアルナンバーなどの識別コードをメーカ側で管理するのではなく、ユーザ側で管理するので、ユーザ側で識別可能な少ないビット数に抑えることができる。すなわち、メーカ側で管理する場合には、所定期間に出荷した総ての印画紙ロールで重複しないように識別コードを付与する必要があるのに対して、ユーザ側で管理する場合には、残量が0となった印画紙ロールに付与していた識別コードを再利用することができ、たとえば2種類の印画紙ロールR1,R2を使用する場合に、たとえば最小で2ビット程度でも識別が可能となる。
アドバンスローラユニットU1,U2からの印画紙は、モータM4によって駆動される一対の搬送ローラ31によって前記カッター5に送り込まれ、そのことは前記センサS1,S2と同様に構成されるローディングセンサS5によって検出される。ローディングセンサS5は、前記光路のOFF→ONによる先端通過を検出するペーパー先端センサとして機能する。前記カッター5はモータM21によって駆動され、そのカッター5での通過はセンサS6で検出され、カッター5の開閉はセンサS7で検出される。
また、印画紙の搬送経路が合流する前記搬送ローラ31からこのカッター5の間に設けれる前記ローディングセンサS5は、不具合箇所であり、印画紙を継ぎ足して長尺にするための継ぎ目や、この継ぎ目に形成されるスプライス孔を検出する継ぎ目検出手段としても機能する。前記スプライス孔は、図13で示すように、印画紙Pの継ぎ目J1に対して画像形成を行わないように、印画紙Pの搬送方向下流側に形成され、該搬送方向に延びる長孔J2から成り、前記ローディングセンサS5でこのスプライス孔J2が検出されると、後述する制御部52(図10参照)は、その先端から予め定める範囲J3を使用不可領域として、カッター5に裁断させて破棄する。
前記カッター5を通過した印画紙は、モータM5によって駆動される一対の搬送ローラ32によってチャッカー33に送り込まれる。チャッカー33は、搬送ローラ34aと、その搬送ローラ34aを駆動するモータM6と、前記搬送ローラ34aに従動回転する加圧ローラ34bと、前記加圧ローラ34bを搬送ローラ34aに対して近接・離反変位することで印画紙の先端を挟持して搬送することができるようにするモータM22と、該チャッカー33を露光位置側へ変位駆動する左右一対のモータM7,M8と、このチャッカー33での印画紙のチャッキング状態を検出するセンサS8と、このチャッカー33の左右端付近において、チャックした印画紙の先端および通過を検出するセンサS22,S23と、チャッカー33の左右端の位置をそれぞれ検出するセンサS9,S10とを備えて構成される。このチャッカー33は、後述するように印画紙の斜行調整を行い、またカッター5の裁断による影響をレーザ光源8による画像露光に与えないように設けられている。
前記チャッカー33によって印画紙が送り込まれる露光位置では、それぞれ対を成す露光搬送ローラ9,10の内、一方の露光搬送ローラ9a,10aが閉ループに形成されてモータM9によって駆動され、他方の露光搬送ローラ9b,10bは従動回転する。露光位置への印画紙の到達は、センサS11によって検出される。露光された印画紙は、前記下流側露光搬送ローラ10に挟持された状態で、予め定める一定の速度で搬送されてゆく。前記レーザ光は、印画紙が搬送される方向(副走査方向)と直交する主走査方向に繰返し走査されることで、1ラインごとに画像(潜像)が焼付露光される。
こうして画像露光が行われた印画紙は、モータM12によって駆動される一対のローラ35によって収容装置3に取り込まれ、長尺紙の場合は、モータM14によって変位駆動される圧着ローラ21によって巻き取りドラム20の外周面に圧着され、モータM15によって駆動される巻き取りドラム20によって巻き取られてゆく。圧着ローラ21の圧着はセンサS16によって検知され、巻き取りドラム20の回転はセンサS17によって検知される。巻き取りドラム20の昇降変位は、前記移動機構13のモータM16によって行われ、その昇降位置はセンサS18によって検知される。巻き取りドラム20に巻付けられた印画紙のたるみは、前記たるみ検出センサS19によって検知される。
一方、前記第1搬送ユニット11の角度切換えはモータM13によって行われ、第2搬送ユニット12と巻き取りドラム20とのどちらに切換わっているかは、センサS15によって検知される。
前記第2搬送ユニット12は、搬送経路に沿って配置された複数対の搬送ローラ36〜40と、搬送経路を形成するためのガイド板41とを備えており、前記搬送ローラ36〜40はモータM17によって駆動され、該第2搬送ユニット12への印画紙の取込みはセンサS21によって検知され、写真処理装置1からの印画紙の排出はセンサS20によって検知される。
以下に、前述のように構成されるチャッカー33の動作を詳述する。画像形成に使用される印画紙の長さが予め定める第1の長さ以下であるときには、印画紙は、カッター5の位置を基準として、前記第1の長さだけ搬送ローラ31,32によって引出され、カッター5で裁断された後、加圧ローラ34bが搬送ローラ34aから離反した状態で、受取り位置で待機しているチャッカー33に、搬送ローラ32によって送り込まれ、モータM22によって加圧ローラ34bが搬送ローラ34aに圧着されることでチャッカー33に挟持される。チャッカー33は、印画紙の先端を挟持したまま、モータM7,M8によって、上流側露光搬送ローラ9への受渡し位置へ変位し、到達すると、モータM6によって搬送ローラ34aが回転するとともに、モータM9によって前記露光搬送ローラ9aも回転し、前記印画紙の先端は上流側露光搬送ローラ9に挟み込まれる。チャッカー33の変位に伴い、モータM5によって前記搬送ローラ32が駆動され、印画紙後端が該搬送ローラ32を通過すると、モータM5は停止する。
またこのチャッカー33の受渡し位置への変位にあたって、受取り位置で搬送ローラ32によって印画紙が搬送されてくる際、その先端の通過がセンサS22,S23によって検出され、検出時間差から、搬送されてきた印画紙が斜行していないか、また斜行していると、その量が検出されている。そして、モータM7,M8によってチャッカー33が変位され、センサS9,S10によって、チャッカー33の左右端の内、印画紙が突出している側が前記受渡し位置に到達したことが検出されると、その側のモータは停止され、突出していない側のモータが引続き駆動され、突出量に対応した量だけ変位されたことが前記センサS9,S10によって検出されると、該チャッカー33の変位は停止される。その後、上述のようにモータM6,M9が駆動され、搬送ローラ34a,9aが回転し、斜行が調整された印画紙の先端は、上流側露光搬送ローラ9に挟み込まれる。露光位置へ印画紙が到達したことがセンサS11によって検出されると、モータM22によって加圧ローラ34bが搬送ローラ34aから離反され、露光エンジン7による露光が行われる。
また、画像形成に使用される印画紙の長さが前記第1の長さより長く、予め定める第2の長さ以下であるときには、印画紙の先端は、搬送ローラ31,32によって、受取り位置で待機しているチャッカー33に送り込まれ、加圧ローラ34bが搬送ローラ34aに圧着され、チャッカー33に挟持されると、チャッカー33が変位を開始するとともに、搬送ローラ32が駆動される。こうして、印画紙が画像形成に必要な長さだけ引出されると、チャッカー33の変位が停止されるとともに、搬送ローラ32も停止され、カッター5で裁断される。裁断後は、チャッカー33が変位を再開するとともに、搬送ローラ32が駆動され、印画紙後端が該搬送ローラ32を通過すると、該搬送ローラ32は停止する。これによって、上述の場合と同様に、印画紙は後端が開放されたままチャッカー33によって搬送され、受渡し位置へ到達すると、搬送ローラ34a,9aが回転し、該印画紙の先端は上流側露光搬送ローラ9に挟み込まれる。露光位置へ印画紙が到達すると、チャッカー33のチャッキングは解除される。
さらにまた、画像形成に使用される印画紙の長さが前記第2の長さより長く、予め定める第3の長さ以下であるときには、印画紙の先端は、搬送ローラ31,32によって、受取り位置で待機しているチャッカー33に送り込まれ、加圧ローラ34bが搬送ローラ34aに圧着され、チャッカー33に挟持されると、チャッカー33が変位を開始するとともに、搬送ローラ32が駆動される。チャッカー33が前記受渡し位置の上流側の予め定める位置まで到達すると、チャッカー33の変位は停止されるが、搬送ローラ32は駆動され、印画紙はチャッカー33と搬送ローラ32との間で下方に弛んでゆく。こうして、印画紙が画像形成に必要な長さだけ引出されると、搬送ローラ32は停止され、カッター5で裁断される。裁断後は、搬送ローラ32が駆動され、印画紙後端が該搬送ローラ32を通過すると、該搬送ローラ32は停止する。これによって、上述の場合と同様に、印画紙は後端が開放されたままチャッカー33によって挟持される。印画紙後端が搬送ローラ32を通過すると、チャッカー33は変位を再開し、受渡し位置へ到達すると、搬送ローラ34a,9aが回転し、該印画紙の先端は上流側露光搬送ローラ9に挟み込まれる。露光位置へ印画紙が到達すると、チャッカー33のチャッキングは解除される。
これに対して、画像形成に使用される印画紙の長さが前記第3の長さより長い場合には、印画紙の先端は、搬送ローラ31,32によって、受取り位置で待機しているチャッカー33に送り込まれ、加圧ローラ34bが搬送ローラ34aに圧着され、チャッカー33に挟持されると、チャッカー33が変位を開始するとともに、搬送ローラ32が駆動される。チャッカー33が前記受渡し位置の上流側の予め定める位置まで到達すると、チャッカー33の変位は停止されるが、搬送ローラ32は駆動され、印画紙はチャッカー33と搬送ローラ32との間で下方に弛んでゆく。こうして、予め定める長さだけ弛んだ状態で、チャッカー33は変位を再開し、受渡し位置へ到達すると、搬送ローラ34a,9aが回転し、該印画紙の先端は上流側露光搬送ローラ9に挟み込まれる。露光位置へ印画紙が到達すると、搬送ローラ34a,9aは停止し、チャッカー33のチャッキングは一旦解除される。
そして、チャッカー33は受取り位置まで復帰され、復帰すると、再びチャッキングを行い、搬送ローラ34a,32が駆動され、上流側露光搬送ローラ9とチャッカー33との間に弛みが形成される。所定量の弛みが形成されると、露光搬送ローラ9,10が駆動され、露光が行われてゆく。露光が行われつつ、印画紙が画像形成に必要な長さだけ引出されると、搬送ローラ34a,32は停止され、カッター5で裁断される。裁断にあたって、前記弛みによって、画像形成に影響を与えることはない。裁断後は、搬送ローラ34a,32が駆動され、印画紙後端が該搬送ローラ34a,32を通過すると、該搬送ローラ34a,32は停止する。
図3〜図9は、前記収容装置3の動作を説明するための図である。第1搬送ユニット11は、前記下流側露光搬送ローラ10のさらに下流側に配置されており、前記一対の搬送ローラ35と、ガイド板42とを備えて構成される。ガイド板42の上流側端部は、相互に離反してゆくことで開口部43が形成され、印画紙を受け入れ易くなっている。この第1搬送ユニット11は、本体2の前後方向で、かつ水平方向に延びる回転軸芯周りに90゜回転可能であり、図3〜図8で示す状態から前記モータM13によって90゜回転されると、図9で示す状態となり、第2搬送ユニット12へと印画紙を受け渡すことができる。
初期状態では、巻き取りドラム20の軸20aの真上に圧着ローラ21の軸21aが位置しており、かつ前記モータM14によって圧着ローラ21は巻き取りドラム20の外周面から離反している。この状態で、それらの間隙に前記下流側露光搬送ローラ10から搬送ローラ35によって搬送されてきた印画紙Pの先端が到達すると、前記モータM14によって圧着ローラ21は巻き取りドラム20の外周面に圧接され、これによって印画紙Pがそれらの巻き取りドラム20および圧着ローラ21間に挟持される。圧着ローラ21が巻き取りドラム20に圧着したことは、センサS16によって検知される。
その後、印画紙Pの搬入によって、巻き取りドラム20がモータM15によって回転駆動され、図3から図4で示すように、巻き取られてゆく。巻き取りドラム20の回転はセンサS17によって検知される。センサS17によって所定量だけ巻き取りドラム20が回転したことが検知されると、一旦モータM15の回転は停止され、モータM16が回転される。これによって、移動機構13のタイミングベルト13bが回転し、それに固定されている支持部材15は、図4から図5および図6で示すように、移動機構13の案内部材13aに案内されて下降してゆく。前記支持部材15は、前記モータM14,M15およびセンサS16,S17を搭載するとともに、巻き取りドラム20および圧着ローラ21を回転自在に支持する。この支持部材15の昇降位置は、センサS18によって検知される。
移動機構13は、前記支持部材15を、下方側へ変位する程、現像装置側の壁面14aから遠去けるように、斜め下方に案内する。これによって、収容装置3の内部空間をむやみに大きくすることなく、長尺の印画紙においても、前記壁面14aとのこすれを生じないようにしている。
図6で示すように、支持部材15が最下方位置に降下した状態で、図7で示すように引続き印画紙Pが搬入され、図7で示すように、前記たるみ検出センサS19によって検知されると、再び巻き取りドラム20が駆動され、搬入された印画紙Pが、図8で示すように巻き取られる。これによって、巻き取りドラム20の巻き取りによる印画紙P同士のこすれが生じないような最小限の巻き取りで、印画紙Pが収容装置3の壁面14aや底面14bとのこすれが生じないようになっている。
こうして、印画紙Pの後端まで第1搬送ユニット11に取込まれると、モータM13によって、図9で示すように該第1搬送ユニット11は90゜回転され、その後端から印画紙Pを第2搬送ユニット12へと受け渡すことができるようになる。第2搬送ユニット12への印画紙Pの送り込みには、巻き取りドラム20および搬送ローラ35が逆転するとともに、支持部材15が初期位置まで上昇され、最終的に圧着ローラ21も巻き取りドラム20から離反する。この収容装置3における印画紙Pの先端および後端の検出は、前記露光位置での印画紙の通過を検知するセンサ11の検出タイミングからタイマを起動し、搬送経路の距離およびローラ10,35の回転速度に対応した時間が経過した時点で検出することができる。
この収容装置3は、次のような理由により設けられる。すなわち、露光位置では露光搬送ローラ9,10によって印画紙Pを予め定める搬送速度で搬送しているが、長尺紙の場合、後端側がこの露光位置を通過している状態で、処理の終了した先端側が現像装置に搬入されることになる。その搬入の際に印画紙Pに加わるテンションによって、搬送ローラ35〜40で吸収できない振動が生じると、この露光画像に副走査方向に揺らぎが生じ、解像度が低下するためである。また、上述のように露光を行いつつ現像装置へ印画紙Pを順次送り込んでゆくと、処理速度は向上するけれども、何れかの工程で印画紙Pの搬送に障害が生じ、露光から現像への工程に亘って印画紙Pが滞留してしまうと、印画紙Pを取り除き難くなるためである。
したがって、上述のように長尺の印画紙Pの露光済みの部分を、全長に亘る露光が終了するまで順次取込んでゆき、露光が終了すると現像装置へと順次排出する収容装置3を設けることで、2つの工程を切り離し、一方の工程での障害を他方の工程に与えないようにすることができる。また、巻き取りドラム20によって印画紙Pを巻き取って収容することで、該収容装置3の大型化を抑制することができるとともに、印画紙Pにたるみが生じた状態で巻き取りドラム20に巻き取ることで、この巻き取りによって上述のような露光への影響が生じないようにしている。印画紙Pの長さが前記搬送ローラ35から搬送ローラ40までの長さ以下であれば、巻き取りドラム20に一旦巻き取ることなく、直接現像装置へ排出しても、上述のような問題は生じることはない。
図10は、上述のように構成される写真処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。ROMなどの不揮発性のメモリ51には、該写真処理装置1の動作プログラムが記憶されており、搬送処理動作の記憶部51cおよび露光処理動作の記憶部51dが設けられる。
マイクロコンピュータなどで実現される制御部52は、前記記憶部51の動作プログラムに従って、前述の搬送系のモータM1〜M5,M9を、センサS1,S2,S5,S6,S11の検知結果に対応して制御するとともに、モータM21およびセンサS6,S7を備えるカッター5、モータM7,M8,M22,M6およびセンサS8,S22,S23,S9,S10を備えるチャッカー33、露光エンジン7、ならびにモータM12〜M17およびセンサS15〜S21を備える収容装置3を制御する。
本実施の形態では、画像形成に使用される印画紙の長さが前記第3の長さより長い場合で、印画紙ロールR1,R2から印画紙を引出しつつ、露光を行っている際に、前記センサS1,S2によって印画紙ロールR1,R2の末端が検出されたとき、または前記ローディングセンサS5によって前記スプライス孔J2が検出されたときには、それらの検出結果が不良信号として前記制御部52に入力され、制御部52は、画像入力部56から入力される通常の画像信号から、ダミー信号発生部57で発生されたストライプのダミー信号に、スイッチ58を切換え、露光エンジン7へ出力する。
また、前記センサS3,S4によって印画紙ロールR1,R2の交換が検出され、ローディングセンサS5によって印画紙Pの先端が検出されると、それらの検出結果も前記不良信号として前記制御部52に入力され、制御部52は、その先端の予め定める部分には前記ダミー信号発生部57で発生されたストライプのダミー信号を露光し、裁断した後、破棄する。同様に、クリーニングのために印画紙ロールR1,R2の先端を切り出した場合にも、制御部52は、その先端の予め定める部分には前記ダミー信号発生部57で発生されたストライプのダミー信号を露光し、裁断した後、破棄する。したがって、前記ダミー信号発生部57は信号発生手段を構成し、前記制御部52およびスイッチ58は信号経路切換え手段を構成する。
また、前記制御部52は、スイッチ58の切換えに伴い、報知部59から作業者に、そのような印画紙ロールR1,R2の不具合を作業者に報知する。前記報知部59は、ランプ、表示画面、ブザーなどの画像や音声などで報知を行う任意の手段が用いられればよい。
上述のような印画紙ロールR1,R2から画像形成に必要な長さの印画紙Pを引出したか否かの判定は、たとえばマガジンH1,H2の図示しない引出し口付近のローラの回転、或いはモータM1によって駆動される前記アドバンスローラユニットU1,U2のローラr1,r2の回転、またはモータM2,M3によって駆動される前記印画紙ロールR1,R2のハブB1,B2(図1参照)の回転を、エンコーダE1,E2によってそれぞれ検出し、カウンタ53によってカウントすることで実現することができる。前記ハブB1,B2の回転量から引出した印画紙Pの長さを算出するには、印画紙ロールR1,R2の径の減少に伴う補正が必要になるが、その場合、既に引出した長さを積算しておき、その積算値に対応して、単位長さとカウントすべきエンコーダのパルス数を、逐次ROMなどから読出して修正すればよい。また、印画紙ロールR1,R2において、前回使用時とは異なる方を使用する際には、前回使用時に引出されている印画紙Pの先端を、カッター5の位置からアドバンスローラユニットU1,U2付近まで後退させる必要があるが、その場合、前記カウンタ53のカウント値は逆算(残量が加算)される。
図14は、前述のような不具合の各態様に対するストライプの形成例を示す図である。図14(a)は、印画紙ロールR1,R2の末端が検出された場合を示し、前記センサS1,S2によって末端が検出されると、制御部52はスイッチ58を切換え、その時点で露光位置(露光エンジン7)を通過している部分から下流側はストライプとなっている。また、図14(b)は、前記スプライス孔J2が検出された場合を示し、前記ローディングセンサS5によってスプライス孔J2が検出されると、制御部52はスイッチ58を切換え、その時点で露光位置(露光エンジン7)を通過している部分から下流側はストライプとなっている。
一方、かぶりやクリーニングのために印画紙ロールR1,R2の先端が切り出される場合には、制御部52は認識しており、図14(c)で示すように、全長に亘ってストライプが形成されつつ、予め定める長さW1が引出され、裁断される。
また、図14の例では、不具合の各態様に対応して、制御部52は、ダミー信号発生部57から出力されるダミー信号の種類を切換えている。これによって、作業者は、どのような種類の不具合であるかを認識することができる。
図11および図12は、前記制御部52による動作を説明するためのフローチャートである。マガジンH1,H2がセットされると処理を開始し、ステップS1からステップS2では、前記アドバンスローラユニットU1,U2によって印画紙ロールR1,R2の先端が引出され、前記ローディングセンサS5によってその先端が検知されるまで空送りが続けられ、先端が検知されるとステップS3に移る。
ステップS3では、前記スイッチ58がダミー信号発生部57側に切換えられ、ステップS4で、ダミー信号発生部57からは、図14(c)で示すような第3の態様のストライプを形成するダミー信号が出力される。ステップS5では、報知部59から作業者に不具合の報知が行われる。この図11および図12の例では、前記不具合の報知は、所定時間のブザーの鳴動などで、報知の終了は特に示していない。
ステップS6では、前記ステップS2での先端検知から、エンコーダE1,E2によって予め定める長さW1が検出されるまで繰り出しが継続され、ステップS7で繰り出しが終了すると、ステップS8でカッター5によって裁断が行われ、ステップS9で前記第3の態様のストライプが露光される。これによって、印画紙ロールR1,R2の装填時に生じたかぶりや作業者の指紋等の付着による汚れが生じた部分を除去することができる。また、ステップS10では、クリーニングを行うか否かが判断され、クリーニングを行う場合には前記ステップS3に戻って同様の先端の切り出し処理が行われ、クリーニングが行われない場合はステップS11に移る。
ステップS11からは、スイッチ58が画像入力部56側に切換えられ、通常の露光動作に移る。画像形成すべき信号が入力されると、ステップS12では、画像形成に使用される印画紙の長さが前記第3の長さより長いか否かが判断され、短い場合にはステップS13に移り、ローラ31,32;34a,34b;9などによって印画紙ロールR1,R2から印画紙の引出しが開始され、ステップS14でスプライス孔J2が検出されていないか否かが判断され、検出されていないときには、ステップS15で画像形成に必要な長さだけ引出されたか否かが判断され、引出されていないときには前記ステップS13に戻り、引出されているときにはステップS16で引出しが停止され、ステップS17で裁断が行われ、ステップS18で露光エンジン7によって露光が行われた後、前記ステップS10に戻る。
一方、前記ステップS14でスプライス孔J2が検出されたときにはステップS31に移り、前記スイッチ58がダミー信号発生部57側に切換えられ、ステップS32で、ダミー信号発生部57からは、図14(b)で示すような第2の態様のストライプを形成するダミー信号が出力される。ステップS33では、報知部59から作業者に不具合の報知が行われる。ステップS34では、前記範囲J3に対応した長さだけスプライス孔J2の部分が引出されるまで待機し、引出されると前記ステップS16からステップS18で裁断され、前記第2の態様のストライプが露光された後、前記ステップS10に戻る。
これに対して、前記ステップS12で画像形成に使用される印画紙の長さが前記第3の長さより長い場合はステップS41に移り、ローラ31,32;34a,34b;9,10などによって印画紙ロールR1,R2から印画紙の引出しが開始されるとともに、ステップS42で露光が開始される。ステップS43ではスプライス孔J2が検出されていないか否かが判断され、検出されると前記ステップS31に移り、検出されていないときにはステップS44に移る。ステップS44では、前記センサS1,S2によって印画紙ロールR1,R2の末端が検出されていないか否かが判断され、検出されていないときには、さらにステップS45で画像形成に必要な長さだけ引出されたか否かが判断され、引出されていないときには前記ステップS41に戻り、引出されているときにはステップS46で引出しが停止され、ステップS47で裁断が行われた後、前記ステップS10に戻る。
また、前記ステップS44で印画紙ロールR1,R2の末端が検出されたときにはステップS21に移り、前記スイッチ58がダミー信号発生部57側に切換えられ、ステップS22で、ダミー信号発生部57からは、図14(a)で示すような第1の態様のストライプを形成するダミー信号が出力される。ステップS23では、報知部59から作業者に不具合の報知が行われ、ステップS24からステップS25では、その印画紙ロールR1,R2の末端が該写真処理装置1から排出されるまで前記搬送ローラ31,32,9,10,35〜40などの回転が継続されて、処理を終了する。
このように構成することで、画像形成中に印画紙Pが無くなってしまったり、スプライス孔J2があったり、印画紙Pの先端であったりして、正規の画像形成が行えていない場合には、制御部52は、ダミー信号によって、それらの不具合の検出時点から後端側にストライプを形成するので、作業者は、印画紙Pの長さ不足(寸足らず)などの不具合による不完全な画像形成に気付く可能性が高くなり、画像形成の品質を向上することができる。また、印画紙Pの記録面に、通常の画像とは異なる画像が形成されることで、作業者に不具合品であることを報知するので、作業者は、通常の画質の検品作業で不具合品に気付くことができ、検品作業の作業性を向上することができる。さらにまた、不具合品であることを印画紙Pに記す手段を別途設けなくても、露光エンジン7による既存の構成を用いることができる。
また、前記ストライプの形成に連動して、制御部52は、報知部59から作業者に報知を行うので、作業者を確実に不具合品に気付かせることができる。
さらにまた、本発明では、不具合が検出された時点から、露光エンジン7に通常の画像とは異なる画像を形成させればよく、たとえば画像入力部56から入力される画像信号に、外乱を加えるなどしてもよい。しかしながら、スイッチ58で信号経路を切換えて、全く別のダミー信号を露光エンジン7に与えることで、本来の画像信号による画像とは大きく異なる画像が描画される可能性が高く、作業者に不具合品であることを一層認識し易くすることができる。また、そのダミー信号を、不具合の態様に対応して異ならせることで、作業者に不具合の種類も認識させることができる。前記ダミー信号の態様は、ストライプの形状または色の少なくとも一方が異なるものが、認識し易いために好ましい。
本発明の画像形成装置としては、上述のような印画紙Pに露光を行う写真処理装置1に限らず、長尺の記録材を適宜裁断して使用するものであれば、インクジェットのプリンタなどにも適用することができる。しかしながら、印画紙Pに露光を行うものと、インクジェットとのいずれであっても、写真を処理する装置には、オーダーによって様々なサイズの印画紙Pが混合して処理され、積層状態では印画紙Pの長さ不足が分り難かったり、印画紙ロールR1,R2に前記スプライス部J2が設けられている場合もあり、本発明が特に好適である。