JP2007155802A - 薄膜及び光学部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)パーフルオロアルキル基を有する撥水剤、(b)シランカップリング剤、側鎖及び/又は両末端に有機基を導入した変性シリコーンオイル及びパーフルオロエーテル化合物との混合物、及び(c)フラーレン類、カーボンナノチューブ類及び黒鉛化合物から選ばれる少なくとも1種類の導電性物質とを混合してなる撥水剤溶液を用い、真空蒸着法にて薄膜を形成する薄膜の製造方法、並びに、光学基板上に多層反射防止膜を形成する光学部材の製造方法において、該多層反射防止膜上に、前述の本発明の薄膜製造方法により薄膜をさらに形成する光学部材の製造方法。
【選択図】なし
Description
また、本発明の光学部材の製造方法では、光学基板上に形成された多層反射防止膜上に、前述の本発明の薄膜の製造方法により薄膜をさらに形成する。
このパーフルオロアルキル基を有する撥水剤の具体例としては、下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物等が挙げられる。
(ただし、qは1以上、好ましくは2〜20の整数である)。
一般式(II)で表される化合物としては、n−トリフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)プロピルシラザン(n−CF3CH2CH2Si(NH2)3)、n−ヘプタフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ペンチルシラザン(n−C3F7CH2CH2Si(NH2)3)、n−ノナフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ヘキシルシラザン(n−C4F9CH2CH2Si(NH2)3)、n−トリデカフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)オクチルシラザン(n−C6F13CH2CH2Si(NH2)3)、n−ヘプタデカフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)デシルシラザン(n−C8F17CH2CH2Si(NH2)3)等を例示することができる。
(ただし、q'は1以上、好ましくは1〜20の整数である)
一般式(III)で表される化合物としては、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン(n−C8F17CH2CH2Si(OCH3)3)等を例示することができる。
本発明で用いる撥水剤溶液に含まれる(a)成分の量は、(a)〜(c)成分の合計の30〜90重量%が好ましく、35〜80重量%がより好ましい。
R1 nSi(OR2)4-n (V)
(式中、R1は官能基を有する若しくは有しない炭素数1〜20の一価の炭化水素基、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数2〜10のアシル基、nは0、1または2を示し、R1が複数ある場合、複数のR1はたがいに同一でも異なっていてもよいし、複数のR2Oはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
その中でアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノプロピルトリアルコキシシランが好ましく用いられる。
式(VI):ポリシロキサンの側鎖の一部に有機基を導入した側鎖変性シリコーンオイル
上記変性シリコーンオイルのうち、エポキシ変性シリコーンオイルが好ましく用いられる。
CnF2n+1OCn'H2n'+1 (VIII)
(式中、nおよびn’は独立して1以上の整数を表す)。
好ましいパーフルオロエーテル化合物としては、パーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、ブチルパーフルオロメチルエーテル、プロピルパーフルオロエチルエーテルなどが挙げられる。
シランカップリング剤と変性シリコーンオイルとの割合は重量比で1:3〜3:1の範囲が好ましい。また、パーフルオロエーテル化合物の使用割合は、シランカップリング剤と変性シリコーンオイルとの合計量1重量部に対して、0.1〜0.8重量部が好ましい。
X=CHBr:3’−ブロモ−3’H−シクロプロパ[1,9](C60−Ih)[5,6]フラーレン;
X=O:オキシレノ[1,9](C60−Ih)[5,6]フラーレン;
X=NH:1’H−アジレノ[1,9](C60−Ih)[5,6]フラーレン、
X=O:1a−オキサ−1(2)a−ホモ(C60−Ih)[5,6]フラーレン;
X=NH:1aH−1a−アザ−1(2)a−ホモ(C60−Ih)[5,6]フラーレン
以上の例におけるC60はC70であっても良い。なお、以上の具体例は、IUPAC 2002縮合命名法 によって命名している。
−(R’O)− (XII)
(式中、R’は炭素数1〜3のパーフルオロアルキレン基である。)
で表される単位を含むポリエーテルが挙げられる。重量平均分子量は好ましくは1000〜10000、より好ましくは2000〜10000である。R’は具体的には、CF2,CF2CF2,CF2CF2CF2,CF(CF3)CF2等の基が挙げられる。これらのPFPEは常温で液状であり、いわゆるフッ素オイルと称されるものである。
PFPEの市販品としては、例えば、ダイキン工業(株)製の商品名デムナムシリーズ(S−20(平均分子量2700)、S−65(平均分子量4500)、S−100(平均分子量5600)、S−200(平均分子量8400))、NOKクリューバー社製の商品名バリエルタシリーズ、旭硝子(株)製の商品名フォンブリンシリーズ、デュポン社製の商品名KRYTOXシリーズ、ダウコ−ニング社製の商品名モリコ−トHF−30オイルなどが挙げられる。
成膜時の加熱源としては、電子銃、ハロゲンヒータ、抵抗加熱、セラミックヒータ等の何れかを用いることが可能であるが、電子銃が好ましい。
本発明における撥水剤溶液は、はそのまま容器に入れて加熱しても良いが、均一な蒸着膜が多く得られるとの観点から、多孔性材料に含浸させることがより好ましい。多孔性材料としては、銅やステンレスなどの熱伝導性の高い金属粉末を焼結した焼結フィルターを用いることが好ましい。すなわち、前記撥水剤溶液を、多孔性材料からなる焼結フィルターに含浸させ、真空中で該焼結フィルターを加熱して薄膜を形成することが好ましい。また、多孔性材料のメッシュは、適度な蒸着速度が得られるという観点から、40〜200μmが好ましく、80〜120μmがより好ましい。
第1層:常温常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
第2層:酸化タンタルを少なくとも50重量%含有している層
第3層:常温常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
第4層:酸化タンタルを少なくとも50重量%含有している層
第5層:常温常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
第6層:酸化タンタルを少なくとも50重量%含有している層
第7層:常温常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
CX9X10=CX11X12 (g)
前記R9及びX9〜X12の示す炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、等が挙げられる。
前記R10の示す二価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、等が挙げられる。
前記X9〜X12の示す有機基としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、ポリエーテル基、等が挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる光学部材はプラスチックレンズであると好ましい。
なお、実施例及び比較例において得られた光学部材の物性評価は以下のようにして行った。
プラスチックレンズの視感透過率Yは、両面に反射防止膜を有するプラスチックレンズをサンプルとして、日立分光光度計U−4100、U−3410を用い測定した。
プラスチックレンズの視感反射率Zは、両面に反射防止膜を有するプラスチックレンズをサンプルとして、日立分光光度計U−4100、U−3410を用い測定した。
レンズ中心部厚さが1.0mm又は2.0mm(CTと記載する)で、レンズ度数パワ−が0.00D(ディオプタ−)のレンズを作製してFDA(Food and Drug Administration)で定められているドロップボールテストを行い、以下の基準で評価した。
○:合格 ×:不合格
なお、ボ−ルの重さは16gであった。合格の基準は、ドロップボールテスト後、レンズの皹または割れが生じたものを不合格、ドロップボールテスト前とレンズの外観が変わらないものを合格とした。
プラスチックレンズの表面に剃刀にて1mm×1mmの升目を100個作成し、升目上にセロハンテープ(ニチバン社製造販売)を貼り、一気にテープをはがし、升目の残存率(残った升目の数/100)で評価した。
プラスチックレンズの表面にスチールウール(規格#0000,日本スチ−ルウ−ル社製)にて1kgf/cm2(0.1Mpa)の荷重をかけ、10ストローク擦り、表面状態により以下の基準で評価した。
UA:殆ど傷なし
A:細い傷数本あり
B:細い傷多数、太い傷数本あり
C:細い傷多数、太い傷多数あり
D:殆ど膜はげ状態
プラスチックレンズをドライオーブンで60℃から、5℃ずつ上昇させて1時間加熱し、クラックの発生温度を測定した。
プラスチックレンズをNaOH10重量%水溶液に20℃、1時間浸漬し、表面状態により以下の基準で評価した。
UA:殆ど変化なし
A:点状の膜はげ数個あり
B:点状の膜はげが全面にあり
C:点状の膜はげが全面、面状の膜はげ数個あり
D:殆ど全面膜はげ
摩耗試験機 BTE Abrasion Tester(商品名、米COLTS社製)及び、ヘイズ値測定装置(村上色彩技術研究所社製)を使用し、基準レンズとのヘイズ値変化の差によりBayer値を測定した。
(サンプル数、測定方法)
(a) 基準レンズ(CR39基材)3枚、サンプルレンズ3枚を用意。
(b) 摩耗テスト前ヘイズ(haze)値の測定。
(c) BTE Abrasion Testerにて、摩耗性テスト。(砂による表面摩耗600往復)
(d) 摩耗テスト後ヘイズ値の測定。
(e) Bayer値算出 (3枚分の平均値とする)
(Bayer値=基準レンズの透過率変化/サンプルレンズの透過率変化)
ティッシュペーパーを用いて、プラスチックレンズの凸面を100回手で擦り、その時の帯電電圧を静電メータFMX−002(シムコジャパン社製(商品名))を用いて測定した。帯電電圧は経時変化するため、100回擦った後、5、10、20、40、80、160、320秒後の帯電電圧を測定し、結果をV1=V0exp(−at)でフィッティングした。ここでV1、V0、1/a、tはそれぞれ、帯電電圧(V)、推定初期帯電電圧(V)、1/a減期(秒)、経過時間(秒)である。
この結果より、以下の基準で帯電防止効果のありなしを判断した。
V0≦300V、かつ1/a≦50秒:帯電防止効果あり
V0>300V、又は1/a>50秒:帯電防止効果なし
ガラス上に滴下した処理液(撥水剤溶液)の抵抗値をテスターで測定し、処理液の導電性を測定した。処理液0.2ccをスライドガラス上に滴下し、直径10mmの円形に広げ、乾燥前にテスター測定子間隔約5mmで抵抗値を測定した。
以下の基準で処理液の帯電防止効果を判断した。
測定値 10MΩ以下:帯電防止効果が十分得られる。
測定値 10MΩ超:帯電防止効果が不十分となる。
協和界面科学接触角計で水の接触角を測定した。
(a)成分:パーフルオロアルキル基を有する撥水剤
KY130:信越化学工業(株)製 撥水剤
(b)成分:シランカップリング剤、変性シリコーンオイル、パーフルオロエーテル化合物
KBE903:信越化学工業(株)製 シランカップリング剤(アミノ基含有)
KF101:信越化学工業(株)製 変性シリコーンオイル(側鎖エポキシ変性)
KF105:信越化学工業(株)製 変性シリコーンオイル(両末端エポキシ変性)
HFE7100:住友スリーエム(株)パーフルオロエーテル化合物
HFE7200:住友スリーエム(株)パーフルオロエーテル化合物
KBE903:(C2H5O)3SiC3H6NH2
KF101:
HFE7200:C3F7OC2H5
CNT:本荘ケミカル製 カーボンナノチューブ(初期粒径;2〜20nm)
C60及びC70:関東科学 カーボンクラスター(初期粒径;5nm)
CBG:東海カーボン製 導電性カーボンブラック #3855(初期粒径;24nm)
これらの導電性物質を自動乳鉢を用いて粒径20〜50μmにした。
1.撹拌子を挿入したガラス容器に、粉砕したCNT(CBG又はC60/C70)を1.0g投入した。ここで、“CNT(CBG又はC60/C70)”との表記は、CNTの代わりに、CBG、又は、C60及び/又はC70を用いても良く、同様の効果が得られることを示している。
2.次に4gのKBE903を前記ガラス容器に注入し、120秒撹拌した。撹拌子回転数は500rpmとした。
3.次に、4gのKF105を前記容器に注入し24時間撹拌した。
前記1から3の混合物をフィラーAと呼称する。
4.120分攪拌後、別容器に準備した7.0gの撥水剤KY130中にフィラーAを3.5g 注入し120秒撹拌した。
5.次いで、パーフルオロエーテル化合物としてHFE7200を3g前記ガラス容器に注入し、24時間攪拌し、処理液(撥水剤溶液)を作成した。固形分中のカーボン率(CNT(CBG又はC60/C70)の含量)は7.91重量%であった。
以上の手順を第1表に示す。
第2表−1/5〜5/5及び第3表−1/4〜4/4に記載したように、プラスチックレンズ基材A〜D上に硬化膜A〜Bを形成し(工程1)、前処理イオン照射を行った後(工程2)、第1〜7層からなる反射防止膜を設け(工程3)、前処理イオン照射を行った後(工程4)、薄膜(撥水+帯電防止層)を形成し(工程5)、撥水及び帯電防止層を有するプラスチックレンズを得た。
プラスチックレンズ基板
基材A:ジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ−ト、屈折率1.50、中心厚2.0mm、レンズ度数0.00
基材B:EYRY基材(商品名、HOYA(株)製、エピチオ基を有する化合物を用いた重合体)屈折率1.70、中心厚1.0mm、レンズ度数0.00
基材C:EYNOA基材(商品名、HOYA(株)製造、ポリチオウレタン樹脂)屈折率1.67、中心厚1.0mm、レンズ度数0.00
ポリエステルタイプのポリオール(住友バイエルウレタン社、デスモフェンA−670(商品名)使用)6.65重量部、ブロック型ポリイソシアネート(住友バイエルウレタン社の商品名、BL−3175(商品名)使用)6.08重量部、硬化触媒としてジブチル錫ジラウレート0.17重量部、レベリング剤としてフッ素系レベリング剤(住友スリーエム社、フロラードFC−430(商品名)使用)0.17重量部、及び溶媒としてジアセトンアルコール95.71重量部からなる混合物を均一な状態になるまで充分攪拌した。かくして得られた液状プライマーを、アルカリ前処理したプラスチックレンズ基板上に浸漬法(引き上げ速度:24cm/分)にて塗布し、100℃で40分加熱硬化し、厚さ2〜3μmのプライマー層を形成した。
(1−1)コ−ティング組成物Aの作製
5℃雰囲気下、変性酸化第二スズ−酸化ジルコニウム−酸化タングステン−酸化珪素複合体メタノールゾル45重量部とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15重量部及びテトラエトキシシラン3重量部とを混合し、1時間攪拌した。その後、0.001モル/L濃度の塩酸4.5重量部を添加し、50時間攪拌した。その後、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル25重量部、ダイアセトンアルコール9重量部及びアルミニウムトリスアセチルアセトネート1.8重量部、過塩素酸アルミニウム0.05重量部を順次添加し、150時間攪拌した。得られた溶液を0.5μmフィルターでろ過してコ−ティング組成物Aを得た。
前記基材Aを60℃、10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に300秒間浸漬し、その後、超音波28kHz印加の下、イオン交換水を用いて300秒間洗浄した。最後に、70℃雰囲気下、乾燥させる一連の工程を基材前処理とした。
前処理を施した基材Aを、ディッピング法にてコーティング組成物Aに30秒間浸漬し、30cm/分にて引き上げた後、コーティング組成物Aを120℃、60分間の条件にて硬化させ硬化膜Aを作製した。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100重量部を攪拌しながら0.01モル/L濃度塩酸1.4重量部、水23重量部を添加し、24時間攪拌してγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解物を得た。次に、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素を主体とする複合体微粒子ゾル200重量部とエチルセロソルブ100重量部、シリコーン系界面活性剤0.5重量部及びアルミニウムアセチルアセトネート3.0重量部とを混合し、前記γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解物に加え、十分攪拌した後に、ろ過してコ−ティング組成物Bを得た。
アルカリ水溶液で前処理した基材B又は基材Cを、ディッピング法にてコーティング組成物Bに30秒間浸漬し、20cm/分にて引き上げた後、コーティング組成物Bを120℃、120分間の条件にて硬化させ硬化膜Bを作製した。
硬化膜上に、表に記載したイオン加速電圧、照射時間、ガス雰囲気下の条件で、前処理としてイオン銃にてイオン照射を行った。
前処理イオン照射を行った後、第1〜7層からなる反射防止膜を形成した。
なお、ハイブリッド層は、無機物質の蒸着と有機物質との蒸着との二元蒸着として、ほぼ同時に蒸着するように条件を設定した。有機物質の蒸着の際は、外部加熱タンクにて気化し、気化した有機物を、ガスバルブ、マスフローコントローラを使用して、蒸着装置内に導入した。ハイブリッド層を形成する際には、アルゴンガス、酸素ガスとの混合ガスの雰囲気下にてイオンアシスト法を用いた。
エポライト70P(プロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、分子量約188、共栄社化学社製)
デナコールEX920(ポリプロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、分子量約300、ナガセケムテックス社製)
エピオ−ルP200(ポリプロピレングリコ−ルグリシジルエ−テル、平均分子量約304、日本油脂(株)製)
反射防止膜上に、表に記載したイオン加速電圧、照射時間、ガス雰囲気下の条件で、前処理としてイオン銃にてイオン照射を行った。
まず、製造例1で作製した処理液を使用し成膜用のチップを作製した。チップの作成はSUS製バイオカラムに分注器を使用して上記処理液を注入量0.3ccで注入し、80℃、約2時間で室温乾燥(又はドライオーブン)にて乾燥させ成膜用チップを得た。
得られたチップを用いEB(電子銃)を使用し、真空蒸着により反射防止膜上に薄膜を成膜した。成膜条件は以下のようである。
使用蒸着装置:BMC−1050−HP((株)シンクロン製)
成膜条件:開始真空度 2×10-3Pa
成膜時EB出力:20mA
なお、比較例で使用した、DOTITE D−550(藤倉化成社製(商品名))は銀系導電性ペーストであり、DOTITE XC−12(藤倉化成社製(商品名))はカーボン系導電性ペーストであり、KP801Pは信越化学工業(株)製の撥水剤である。
第4表に示したように、実施例1〜5のプラスチックレンズの処理液の導電性は10MΩ以下、初期帯電電圧300V以下と優れた帯電防止性能を有しており、撥水性能は水の接触角において107℃以上を有していた。
Claims (14)
- (a)パーフルオロアルキル基を有する撥水剤、(b)シランカップリング剤、側鎖及び/又は両末端に有機基を導入した変性シリコーンオイル及びパーフルオロエーテル化合物との混合物、及び(c)フラーレン類、カーボンナノチューブ類及び黒鉛化合物から選ばれる少なくとも1種類の導電性物質とを混合してなる撥水剤溶液を用い、真空蒸着法にて薄膜を形成する薄膜の製造方法。
- 前記パーフルオロエーテル化合物が下記一般式(VIII)で表される請求項1記載の薄膜の製造方法。
CnF2n+1OCn'H2n'+1 (VIII)
(式中、nおよびn’は独立して1以上の整数を表す)。 - 前記シランカップリング剤が下記一般式(V)で表される請求項1又は2記載の薄膜の製造方法。
R1nSi(OR2)4-n (V)
(式中、R1は官能基を有する若しくは有しない炭素数1〜20の一価の炭化水素基、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数2〜10のアシル基、nは0、1または2を示し、R1が複数ある場合、複数のR1はたがいに同一でも異なっていてもよいし、複数のR2Oはたがいに同一でも異なっていてもよい)。 - 前記シランカップリング剤は、アミノプロピルトリアルコキシシランである請求項3記載の薄膜の製造方法。
- 前記アミノプロピルトリアルコキシシランは、アミノプロピルトリメトキシシランまたはアミノプロピルトリエトキシシランである請求項4記載の薄膜の製造方法。
- 前記フラーレン類が、Cz(zは40〜120の整数)の球状構造を有する化合物から選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜7のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
- 前記フラーレン類が、C60及びC72の球状構造を有する化合物から選ばれる少なくとも1種類である請求項7記載の薄膜の製造方法。
- 前記カーボンナノチューブ類が、多層カーボンナノチューブ(MWNT)及び単層カーボンナノチューブ(SWNT)から選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜8のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
- 前記黒鉛化合物が、カーボングラファイト、弗化黒鉛及び膨張黒鉛から選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜8のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
- 前記フラーレン類、カーボンナノチューブ類及び黒鉛化合物の粒径が、それぞれ80μm以下である請求項1〜10のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
- 前記撥水剤溶液を、多孔性材料からなる焼結フィルターに含浸させ、真空中で該焼結フィルターを加熱して薄膜を形成する請求項1〜11のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
- 光学基板上形成された多層反射防止膜上に、(a)パーフルオロアルキル基を有する撥水剤、(b)シランカップリング剤、側鎖及び/又は両末端に有機基を導入した変性シリコーンオイル及びパーフルオロエーテル化合物との混合物、及び(c)フラーレン類、カーボンナノチューブ類及び黒鉛化合物から選ばれる少なくとも1種類の導電性物質とを混合してなる撥水剤溶液を用い、真空蒸着法にて薄膜を形成する光学部材の製造方法。
- 前記光学部材が、プラスチックレンズである請求項13に記載の光学部材の製造方法。
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