JP2007154470A - 小口径推進機 - Google Patents

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Eigo Bando
栄吾 坂東
Tetsuyuki Kasuya
哲之 糟谷
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KOMATSU UNDERGROUND MACHINERY
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Abstract

【課題】カッタヘッド内に掘削土砂を取り込むための土砂取込空間を広く確保することができ、これによって掘削効率の向上を図ることのできる小口径推進機を提供する。
【解決手段】カッタヘッド15とカッタヘッド支持体29との間に、カッタヘッド15に対するカッタヘッド支持体29の相対回転運動をその相対角度変位が所定値に達する直前まで許容し、相対角度変位が所定値に達すると、カッタヘッド15とカッタヘッド支持体29とを係止する係止機構40を設けるとともに、外周ディスクカッタ19を埋設管2の外径と略同一径位置からその埋設管2の内径より小さい小径位置までの間で揺動可能に支持するアーム20とカッタヘッド支持体29との間に、前記相対回転運動の際に、カッタヘッド支持体29の回転力をアーム20を揺動させる回転力に変換して、カッタヘッド15の外径を拡縮させる拡縮機構45を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、先導管による掘削径を埋設管の外径と略同一として地山に埋設管を敷設しその埋設管内を通して先導管を発進立坑側に回収することが可能な小口径推進機に関するものである。
従来、先導管による掘削径を埋設管の外径と略同一として推進抵抗の低減を図ることができるとともに、敷設された埋設管内を通して先導管を発進立坑側に回収することができるように構成された推進機が、例えば特許文献1にて提案されている。
特許第3332918号公報
前記特許文献1に係る推進機(掘進機)において、先導管201は、図12(a)に示されるように、埋設管(推進管)202に内挿可能な胴部203と、この胴部203を埋設管202に分離可能に固定するとともにその胴部203を埋設管202の前後方向に移動させる自走機構部(図示省略)と、前記胴部203の先端側にその胴部203に対して回転可能に設けられ、その外径を拡縮可能なカッタヘッド204とを備えて構成されている。
前記カッタヘッド204は、前記胴部203内に配された回転駆動部(図示省略)の回転軸205に回転自在に支持されており、このカッタヘッド204には、前記回転駆動部からの回転力を伝達する回転力伝達部206と、切羽外周部を掘削する外周カッタ207をカッタヘッド204の径方向にスライド移動自在に支持する外周カッタ支持部208と、前記外周カッタ207を埋設管202の外径と略同一径位置までスライド移動させてカッタヘッド204の外径を拡大させると共にその外周カッタ207を埋設管202の内径より小さい小径位置までスライド移動させてカッタヘッド204の外径を縮小させる拡縮機構209とが設けられている。
ここで、前記回転力伝達部206は、図12(a)(b)に示されるように、前記回転軸205に固設されたドライブプレート210と、このドライブプレート210の外周にドライブピン211によって外方に突出するように固設されたドライバ212とを備え、前記カッタヘッド204の外周部に所定の間隔を存して設けられた一対のストッパ213に前記ドライバ212を当接させることにより、前記カッタヘッド204を左右方向に回転させることができるように構成されている。また、前記拡縮機構209は、前記外周カッタ支持部208の背面側に設けられた傾斜溝214に前記ドライブピン211の先端部が嵌合・挿入されて構成されるものであって、前記ドライブプレート210の右回転により、傾斜溝214に対するドライブピン211の位置関係が図12(c)に示されるような状態とされたときには、外周カッタ207が埋設管202の外径と略同一径位置にまで移動されてカッタヘッド204が拡径状態となり、前記ドライブプレート210の左回転により、傾斜溝214に対するドライブピン211の位置関係が同図(c′)に示されるような状態とされたときには、外周カッタ207が埋設管202の内径より小さい小径位置まで移動されてカッタヘッド204が縮径状態となるようにされている。
しかしながら、前記特許文献1に係る推進機では、前記回転軸205がカッタヘッド204の中心部に配され、またその回転軸205に固設されるドライブプレート210がカッタヘッド204の内部空間を前後方向に仕切るように配され、さらに外周カッタ207をカッタヘッド204の径方向にスライド移動自在に支持する外周カッタ支持部208がカッタヘッド204の中心部から外周部に亘って延設されているために、カッタヘッド204の内部に掘削土砂を取り込むための土砂取込空間を広く確保することができず、掘削効率の向上を思うように図ることができないという問題点がある。なお、かかる推進機の構成では、内部空間に余裕のある大口径の推進機に対しては適用可能であるものの、内部空間に余裕のない小口径の推進機に対しては適用することができない。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、カッタヘッド内に掘削土砂を取り込むための土砂取込空間を広く確保することができ、これによって掘削効率の向上を図ることのできる小口径推進機を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明による小口径推進機は、
後方側から押圧されて地山に貫入される埋設管の先端側に配され、その埋設管に内挿可能な胴部を有する先導管を備える小口径推進機であって、
(a)切羽を掘削するカッタを前記埋設管の外径を掘削可能な掘削位置からその埋設管の内径より小さい小径位置までの間で揺動可能に支持するアームを外周部に有し、前記先導管の前端部に前記胴部に対して回転可能に設けられるカッタヘッド、
(b)前記胴部の前端部に前記カッタヘッドの軸心と一致する軸心回りに回転可能に設けられ、軸受装置を介して前記カッタヘッドの後部を外嵌・支持するカッタヘッド支持体、
(c)前記カッタヘッド支持体を回転駆動する回転駆動装置、
(d)前記カッタヘッドと前記カッタヘッド支持体との間に設けられ、前記カッタヘッドに対する前記カッタヘッド支持体の相対回転運動を、前記カッタヘッドに対する前記カッタヘッド支持体の相対角度変位が所定値に達する直前まで許容し、前記相対角度変位が所定値に達すると、前記カッタヘッド支持体の回転力が前記カッタヘッドに伝達されるように、前記カッタヘッドと前記カッタヘッド支持体とを係止する係止機構、
(e)前記アームと前記カッタヘッド支持体との間に設けられ、前記カッタヘッドに対する前記カッタヘッド支持体の相対回転運動の際に、前記カッタヘッド支持体の回転力を前記アームを揺動させる回転力に変換して、前記カッタヘッドの外径を拡縮させる拡縮機構および
(f)前記胴部を前記埋設管に分離可能に固定する固定手段
を備えることを特徴とするものである(第1発明)。
本発明において、前記カッタが前記埋設管の外径を掘削可能な掘削位置まで揺動されて前記カッタヘッドが拡径状態にあるか、前記カッタが前記埋設管の内径より小さい小径位置まで揺動されて前記カッタヘッドが縮径状態にあるかを検知する拡縮状態検知手段が設けられるのが好ましい(第2発明)。
本発明においては、カッタヘッドに対するカッタヘッド支持体の相対角度変位が所定値に達する直前までそのカッタヘッドに対するカッタヘッド支持体の相対回転運動が行われる。この相対回転運動の際には、カッタヘッド支持体の回転力が拡縮機構によってアームを揺動させる回転力に変換され、切羽を掘削するカッタが埋設管の外径を掘削可能な掘削位置からその埋設管の内径より小さい小径位置までの間で揺動される。これにより、カッタヘッドの外径が埋設管の外径と略同一となるように拡大されるとともに、カッタヘッドの外径が埋設管の内径より小さくなるように縮小される。一方、カッタヘッドに対するカッタヘッド支持体の相対角度変位が所定値に達すると、カッタヘッドとカッタヘッド支持体とが係止機構によって係止され、カッタヘッド支持体の回転力がカッタヘッドに伝達される。これにより、カッタヘッドが回転駆動され、地山の掘削動作が行われる。
前記埋設管の敷設作業を行う場合には、先導管の胴部が固定手段によって埋設管に固定されるとともに、前記拡縮機構によってカッタヘッドの外径が埋設管の外径と略同一となるように拡大される。そして、埋設管を後方側から押圧して先導管に推進力を付与するとともに、先行する埋設管の後方に新たな埋設管を順次継ぎ足すことにより、埋設管の敷設作業が行われる。一方、この埋設管の敷設作業の終了後もしくは埋設管の敷設作業を中断して先導管を引き戻す場合には、前記固定手段による先導管胴部の埋設管への固定が解除されるとともに、前記拡縮機構によってカッタヘッドの外径が埋設管の内径より小さくなるように縮小される。そして、先導管に引き戻し力が付与されると、この先導管が埋設管に干渉することなくその埋設管内を通って後方に引き戻される。
本発明によれば、回転駆動装置からの回転力をカッタヘッドに伝達する役目をする回転力伝達部が、軸受装置を介してカッタヘッドの後部を外嵌・支持するカッタヘッド支持体と、このカッタヘッド支持体とカッタヘッドとの間に設けられる係止機構とより構成されるとともに、カッタヘッドの外径を拡縮させる拡縮機構が、カッタヘッドの外周部に配されるアームと前記カッタヘッド支持体との間に設けられるので、カッタヘッドの内部に掘削土砂を取り込むための土砂取込空間を先導管の口径の大小にかかわらず広く確保することができ、掘削効率の向上を図ることができる。
また、カッタヘッドが拡径状態にあるか縮径状態にあるかを検知する拡縮状態検知手段を設ける構成を採用することにより、埋設管の外径と略同一径の掘削を確実に行うことができるとともに、先導管を引き戻す際の埋設管との干渉を確実に防止することができるという効果を奏する。
次に、本発明による小口径推進機の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る小口径推進機における先導管の全体縦断面図が示されている。また、図2には、先導管の前半部分の内部構造を説明する縦断面図が示されている。また、図3には、先導管の正面図(a)および(a)のA−A矢視図(b)がそれぞれ示されている。
本実施形態に係る小口径推進機1は、後方側から押圧されて地山に貫入される埋設管2の先端側に配され、その埋設管2の内径より小さい外径の胴部3を有する先導管4と、図示されない発進立坑内に設置され、埋設管2の後端面を押圧して前記先導管4に推進力を付与する推進装置(図示省略)とを備えて構成されている。
前記胴部3は、前胴5と後胴6とに分割されており、これら前胴5と後胴6とは揺動ジャッキ7により揺動部8にて揺動自在に連結されており、推進方向を修正可能な構造とされている。なお、本実施形態においては、前記後胴6が埋設管2に固定・分離可能に内挿される。
前記胴部3内には、泥水式の排土装置9がその胴部3の中心軸線に略沿うように延設されている。この排土装置9は、後述する土砂取込空間22に連通する送泥管路10aおよび排泥管路10bがそれぞれ内部に形成されてなる送排泥管ブロック体10と、前記後胴6の前部に内設され、泥水の流路を切り換える送排泥切換バルブ11と、前記後胴6の後方に配され、泥水を吸引・送出するポンプ装置(図示省略)とを備えて構成されている。ここで、前記送泥管ブロック体10は、後述するカッタヘッド支持体29の内部に配され、その後端部が前胴5の本体部分を構成する円筒ケーシング5aを前後に仕切る隔壁12に固着されている。この送泥管ブロック体10と前記送排泥切換バルブ11とは、送泥管13および排泥管14によってそれぞれ接続されている。また、前記送排泥切換バルブ11と前記ポンプ装置も同様に、送泥管13′および排泥管14′によってそれぞれ接続されている。こうして、後述する土砂取込空間22において、加圧した泥水を循環させることによって、切羽の安定を図りつつ、掘削土砂を排泥水として流体輸送することができるようにされている。
前記先導管4の前端部には、掘削機構部としてのカッタヘッド15が前記胴部3に対して回転可能に設けられている。このカッタヘッド15において、その後部には、図2に示されるように、中空軸状の軸頸部材16と、この軸頸部材16の前端面にカッタヘッド15の軸心を挟んで対向配置で固設される一対のブラケット17とが設けられ、その前端部には面板18(図3(a)参照)が設けられ、その外周部には、切羽の外周部を掘削する外周ディスクカッタ19を前記埋設管2の外径を掘削可能な掘削位置から、言い換えれば、外周ディスクカッタ19を前記埋設管2の外径と略同一径位置(実際には埋設管2の外径よりもやや大きめの径位置)からその埋設管2の内径より小さい小径位置までの間で揺動可能に支持する一対のアーム20がカッタヘッド15の軸心を挟んで互いに対向するように設けられ、その前部中央には、切羽の中央部を掘削する一対の中央ディスクカッタ21(図3(a)(b)参照)が設けられ、その中心部には、前記外周ディスクカッタ19と中央ディスクカッタ21とによって掘削された掘削土砂を取り込むための土砂取込空間22が設けられている。ここで、前記アーム20において、その基端部はピン23によって前記ブラケット17に連結され、その先端部には支持軸24を介して前記外周ディスクカッタ19が回転可能に取着されている。また、前記軸頸部材16と前記面板18とは、図3(b)に示されるように、前記外周ディスクカッタ19とアーム20とを受け入れ可能な開口部を有する略円筒状部材25によって接続されている。また、前記中央ディスクカッタ21は、前記面板18に締着されるサポート部材26によって基端部を固定される支持軸に回転可能に取着されている。
前記前胴5の前部には、図2に示されるように、すべり軸受装置28を介して前記カッタヘッド15の後部を外嵌・支持するカッタヘッド支持体29がそのカッタヘッド15の軸心と一致する軸心回りに回転可能に装着されている。このカッタヘッド支持体29は、カッタヘッド15における軸頸部材16およびアーム20の基端部を覆う前部円筒部材30と、中空円盤状のギヤ取付プレート31に内歯歯車32が固着されてなるリングギヤ部33と、前記前部円筒部材30と前記リングギヤ部33とを繋ぐ中間部円筒部材34とよりなり、この中間部円筒部材34と前胴5の本体部分を構成する円筒ケーシング5aとの間に介設されるベアリング35によって支承されている。
前記円筒ケーシング5aの後部には、前記カッタヘッド支持体29を回転駆動する回転駆動装置36が内設されている。この回転駆動装置36は、油圧モータ37と、この油圧モータ37の出力軸に接続される入力軸部を有するとともに、カッタヘッド支持体29におけるリングギヤ部33に噛合するピニオン部を有してなるドライブシャフト38と、円筒ケーシング5a内を仕切る隔壁12に装着され、前記ドライブシャフト38を回転可能に支持する転がり軸受装置39とを備えて構成されている。
前記カッタヘッド15における軸頸部材16と前記カッタヘッド支持体29における前部円筒部材30との間には、カッタヘッド15に対するカッタヘッド支持体29の相対回転運動を、カッタヘッド15に対するカッタヘッド支持体29の相対角度変位が所定値θに達する直前まで許容し、前記相対角度変位が所定値θに達すると、カッタヘッド支持体29の回転力がカッタヘッド15に伝達されるように、カッタヘッド15とカッタヘッド支持体29とを係止する係止機構40が設けられている。すなわち、この係止機構40は、図4(b)に示されるように、前記軸頸部材16の周面から突出するようにその軸頸部材16に固設され、カッタヘッド15の軸心に関して対称位置に配される一対のトルク伝達プレート41と、この一対のトルク伝達プレート41に係合する一対の係合切欠き部42を有し、前記前部円筒部材30の内周面に固着されるリング状プレート43とを備えている。この係止機構40においては、トルク伝達プレート41の一側面に係合切欠き部42の一端面を接触させた図4(b)に示される状態から、カッタヘッド15を停止状態としてその停止状態にあるカッタヘッド15に対してカッタヘッド支持体29を左方向に所定角度θだけ回転させると、トルク伝達プレート41の他側面に係合切欠き部42の他端面が接触された図5(b)に示されるような状態となるように、係合切欠き部42の周方向長さ寸法Lが設定されている。
ここで、トルク伝達プレート41の一側面に係合切欠き部42の一端面を接触させた図4(b)に示される状態から、カッタヘッド支持体29を右方向に回転させると、カッタヘッド15とカッタヘッド支持体29とが係止機構40によって係止されて、カッタヘッド15が右方向に回転駆動されることになる。また、トルク伝達プレート41の他側面に係合切欠き部42の他端面を接触させた図5(b)に示される状態から、カッタヘッド支持体29を左方向に回転させると、カッタヘッド15とカッタヘッド支持体29とが係止機構40によって係止されて、カッタヘッド15が左方向に回転駆動されることになる。また、トルク伝達プレート41の一側面に係合切欠き部42の一端面を接触させた図4(b)に示される状態でカッタヘッド支持体29を左方向に回転させた場合には、停止状態にあるカッタヘッド15に対するカッタヘッド支持体29の角度変位が所定値θに達する直前まで、カッタヘッド支持体29のみが左方向に回転されることになる。一方、トルク伝達プレート41の他側面に係合切欠き部42の他端面を接触させた図5(b)に示される状態でカッタヘッド支持体29を右方向に回転させた場合には、停止状態にあるカッタヘッド15に対するカッタヘッド支持体29の角度変位が所定値θに達する直前まで、カッタヘッド支持体29のみが右方向に回転されることになる。
さらに、図2に示されるように、前記カッタヘッド15におけるアーム20の基端部と前記カッタヘッド支持体29における前部円筒部材30との間には、カッタヘッド15に対するカッタヘッド支持体29の相対回転運動の際に、そのカッタヘッド支持体29の回転力をアーム20を揺動させる回転力に変換して、カッタヘッド15の外径を拡縮させる拡縮機構45が設けられている。
前記拡縮機構45は、前記前部円筒部材30の内周面に形成された半球状の窪みにその略半分を支持されるボール46と、前記アーム20の基端部の外側面に形成され、前記窪みに嵌設されるボール46と係合する係合溝47とを備えている。ここで、前記係合溝47は、図7に示されるように、カッタヘッド15の回転方向に対して平行な二面48,49を有する平行溝部47aと、この平行溝47aの右側に連設され、カッタヘッド15の回転方向に対して前方に傾斜する二面50,51を有する右側傾斜溝部47bと、この右側傾斜溝部47bの右側に連設され、略1/4球面状の閉鎖端面52を有する右側端部溝部47cと、前記平行溝部47aの左側に連設され、その平行溝部47aの左右方向の中心位置を示す中心線Oに関して前記右側傾斜溝部47bと対称関係を成す左側傾斜溝部47dと、この左側傾斜溝部47dの左側に連設され、前記中心線Oに関して前記右側端部溝部47cと対称関係を成す左側端部溝部47eとより構成されている。
前記拡縮機構45においては、トルク伝達プレート41の一側面に係合切欠き部42の一端面を接触させた図4(b)に示されるような状態のときには、同図(c)に示されるように、前記ボール46が前記右側端部溝部47cに係合して、同図(a)に示されるように、外周ディスクカッタ19が埋設管2の外径と略同一径位置に配されるようにアーム20の位置決めが成されるようになっている。また、係合切欠き部42の周方向中間部にトルク伝達プレート41が位置する図6(b)に示されるような状態のときには、同図(c)に示されるように、前記ボール46が前記平行溝部47aに係合して、同図(a)に示されるように、外周ディスクカッタ19が埋設管2の内径より小さい小径位置に配されるようにアーム20の位置決めが成されるようになっている。また、トルク伝達プレート41の他側面に係合切欠き部42の他端面を接触させた図5(b)に示されるような状態のときには、同図(c)に示されるように、前記ボール46が前記左側端部溝部47eに係合して、同図(a)に示されるように、外周ディスクカッタ19が埋設管2の外径と略同一径位置に配されるようにアーム20の位置決めが成されるようになっている。
前記拡縮機構45において、トルク伝達プレート41の一側面に係合切欠き部42の一端面を接触させた図4(b)に示される状態で、カッタヘッド支持体29を左方向にθ/2回転させることにより、トルク伝達プレート41が係合切欠き部42の周方向中間部に位置する図6(b)に示されるような状態に移行される際には、前記ボール46が右側端部溝部47cから右側傾斜溝部47bを通って平行溝部47aにまで移動されることになる(図7参照)。この場合において、ボール46が右側傾斜溝部47bを移動する際には、その右側傾斜溝部47bの二面50,51のうち前側の傾斜面50がボール46によって押されることになる。この傾斜面50がボール46によって押されると、アーム20を支持するピン23の回りにそのアーム20をカッタヘッド15の内側に向けて回動させるような回転力が発生される。これにより、外周ディスクカッタ19が埋設管2の外径と略同一径位置からその埋設管2の内径より小さい小径位置まで揺動され、カッタヘッド15の外径が埋設管2の内径より小さくなるように縮小される。これとは逆に、トルク伝達プレート41が係合切欠き部42の周方向中間部に位置する図6(b)に示されるような状態で、カッタヘッド支持体29を右方向にθ/2回転させることにより、トルク伝達プレート41の一側面に係合切欠き部42の一端面を接触させた図4(b)に示される状態に移行される際には、前記ボール46が平行溝部47aから右側傾斜溝部47bを通って右側端部溝部47cにまで移動されることになる。この場合において、ボール46が右側傾斜溝部47bを移動する際には、その右側傾斜溝部47bの二面50,51のうち後側の傾斜面51がボール46によって押されることになる。この傾斜面51がボール46によって押されると、アーム20を支持するピン23の回りにそのアーム20をカッタヘッド15の外側に向けて回動させるような回転力が発生される。これにより、外周ディスクカッタ19が埋設管2の内径より小さい小径位置からその埋設管2の外径と略同一径位置まで揺動され、カッタヘッド15の外径が埋設管2の外径と略同一となるように拡大される。
また、前記拡縮機構45において、トルク伝達プレート41の他側面に係合切欠き部42の他端面を接触させた図5(b)に示される状態で、カッタヘッド支持体29を右方向にθ/2回転させることにより、トルク伝達プレート41が係合切欠き部42の周方向中間部に位置する図6(b)に示されるような状態に移行される際には、前記ボール46が左側端部溝部47eから左側傾斜溝部47dを通って平行溝部47aにまで移動されることになる(図7参照)。この場合において、ボール46が左側傾斜溝部47dを移動する際には、その左側傾斜溝部47dの二面50′,51′のうち前側の傾斜面50′がボール46によって押されることになる。この傾斜面50′がボール46によって押されると、アーム20を支持するピン23の回りにそのアーム20をカッタヘッド15の内側に向けて回動させるような回転力が発生される。これにより、外周ディスクカッタ19が埋設管2の外径と略同一径位置からその埋設管2の内径より小さい小径位置まで揺動され、カッタヘッド15の外径が埋設管2の内径より小さくなるように縮小される。これとは逆に、トルク伝達プレート41が係合切欠き部42の周方向中間部に位置する図6(b)に示されるような状態で、カッタヘッド支持体29を左方向にθ/2回転させることにより、トルク伝達プレート41の他側面に係合切欠き部42の他端面を接触させた図5(b)に示される状態に移行される際には、前記ボール46が平行溝部47aから左側傾斜溝部47dを通って左側端部溝部47eにまで移動されることになる。この場合において、ボール46が左側傾斜溝部47dを移動する際には、その左側傾斜溝部47dの二面50′,51′のうち後側の傾斜面51′がボール46によって押されることになる。この傾斜面51′がボール46によって押されると、アーム20を支持するピン23の回りにそのアーム20をカッタヘッド15の外側に向けて回動させるような回転力が発生される。これにより、外周ディスクカッタ19が埋設管2の内径より小さい小径位置からその埋設管2の外径と略同一径位置まで揺動され、カッタヘッド15の外径が埋設管2の外径と略同一となるように拡大される。
なお、本実施形態の先導管4の前半部分においては、図2に示されるように、止水シール53が、軸頸部材16とカッタヘッド支持体29との間、軸頸部材16と後述するカバー部材60との間、カッタヘッド支持体29と後述する中間プレート59との間、カッタヘッド支持体29と円筒ケーシング5aとの間に、それぞれ介設されている。また、フローティングシール54が、カッタヘッド支持体29と円筒ケーシング5aとの間、カッタヘッド支持体29と送排泥管ブロック体10との間に、それぞれ介設されている。
本実施形態の小口径推進機1においては、外周ディスクカッタ19が埋設管2の外径と略同一径位置まで揺動されてカッタヘッド15が拡径状態にあるか、外周ディスクカッタ19が埋設管2の内径より小さい小径位置まで揺動されてカッタヘッド15が縮径状態にあるかを検知する拡縮状態検知手段55が設けられている。
前記拡縮状態検知手段55は、図2および図8(a)(b)に示されるように、前記軸頸部材16の後端部にその一端面を後方に臨ませて略同一円周上で比較的短い所定の間隔を存して埋設される2つの棒状のマグネット56と、このマグネット56が接近した際にON信号を出力する磁気近接スイッチ57と、前記リングギヤ部33におけるギヤ取付プレート31の背面に設けられた突起部31aと、この突起部31aが接近した際にON信号を出力する近接スイッチ58とを備えて構成されている。前記磁気近接スイッチ57は、前記軸頸部材16と前記送排泥管ブロック体10との間に配され、中間プレート59を介してその送排泥管ブロック体10の前面に固定されるカバー部材60に、そのセンサヘッド部を前方に臨ませて前記マグネット56と接近可能に埋設されている。一方、前記近接スイッチ58は、そのセンサヘッド部が前記リングギヤ部33の内部に突入されて前記突起部31aと接近可能となるように前記隔壁12に装着されている。なお、前記中間プレート59およびカバー部材60には、送排泥管ブロック体10における送泥管路10aおよび排泥管路10bに対応する孔がそれぞれ穿設されている。また、前記カバー部材60の材質としては、磁気近接スイッチ57を適正に動作させるために、非磁性金属(例えば、SUS304)が採用される。
ここで、カッタヘッド15を一定速度で一方向に回転させた場合、前記磁気近接スイッチ57においては、比較的短い時間間隔でON信号を2回出力する動作と、比較的長い時間のOFF状態とが繰り返されることになる。比較的長い時間のOFF状態の後に、磁気近接スイッチ57からON信号が1回だけ出力された瞬間に、カッタヘッド15の回転を停止させる制動操作を行い、その後磁気近接スイッチ57からON信号が出力されなかった場合には、磁気近接スイッチ57と2つのマグネット56との位置関係を後方よりの投影にて模式的に表わした図8(a)に示されるように、2つのマグネット56の間に磁気近接スイッチ57が位置することになる。このときのカッタヘッド15の状態位置を、以下において「カッタヘッド基準位置」と称することとする。
前記拡縮状態検知手段55においては、カッタヘッド15がカッタヘッド基準位置で停止している状態(図8(a)参照)で、かつトルク伝達プレート41が係合切欠き部42の周方向中間部に位置する状態(図6(b)参照)、つまり前記ボール46が前記平行溝部47aに係合(図6(c)参照)してカッタヘッド15が縮径状態(図6(a)参照)にある場合に、前記ギヤ取付プレート31における突起部31aと前記近接スイッチ58とが後方より見て図8(b)に示されるように重なり合い、近接スイッチ58からON信号が出力されるようになっている。また、カッタヘッド15がカッタヘッド基準位置で停止している状態(図8(a)参照)で、かつトルク伝達プレート41の一側面に係合切欠き部42の一端面を接触させた状態(図4(b)参照)、つまり前記ボール46が前記右側端部溝部47cに係合(図4(c)参照)してカッタヘッド15が拡径状態(図4(a)参照)にある場合には、前記ギヤ取付プレート31における突起部31aの一側に隣接する一側の窪み領域31bと前記近接スイッチ58とが後方より見て図8(c)に示されるように重なり合い、近接スイッチ58がOFF状態となるようにされている。また、カッタヘッド15がカッタヘッド基準位置で停止している状態(図8(a)参照)で、かつトルク伝達プレート41の他側面に係合切欠き部42の他端面を接触させた状態(図5(b)参照)、つまり前記ボール46が前記左側端部溝部47eに係合(図5(c)参照)してカッタヘッド15が拡径状態(図5(a)参照)にある場合には、前記ギヤ取付プレート31における突起部31aの他側に隣接する他側の窪み領域31cと前記近接スイッチ58とが後方より見て図8(d)に示されるように重なり合い、近接スイッチ58がOFF状態となるようにされている。したがって、磁気近接スイッチ57からの信号に基づいてカッタヘッド15が図8(a)に示されるようなカッタヘッド基準位置にあることが検知され、かつ近接スイッチ58からON信号が出力された場合には、カッタヘッド15が縮径状態にあると判定することができる。また、磁気近接スイッチ57からの信号に基づいてカッタヘッド15が図8(a)に示されるようなカッタヘッド基準位置にあることが検知され、かつ近接スイッチ58がOFF状態にある場合には、カッタヘッド15が拡径状態にあると判定することができる。
前記後胴6の前部には、図1に示されるように、後胴6と埋設管2との間を止水する止水シール装置65が設けられている。この止水シール装置65は、図9に示されるように、後胴6の外径よりも小さい外径でその軸心を後胴6の軸心に一致させた状態で後胴6に一体的に設けられる円筒体66と、この円筒体66の外周面に装着されるリング状のゴム等よりなる弾性体67と、前記円筒体66の外側にその円筒体66の軸心に沿って往復動可能に装着され、前記弾性体67を圧縮する円筒状のピストン68と、前記円筒体66と前記ピストンとの間に介設される所要のパッキン69とを備え、ピストン68にて弾性体67を圧縮することにより、弾性体67が径方向に膨張拡径されて埋設管2の内面に止水状態で密着されるように構成されている。
前記円筒体66の前端部には、後胴6の前端部を構成する円筒ケーシング6aに固着される外向フランジ66aが設けられ、前記円筒体66の後端部には、後胴6の中間部を構成する円筒ケーシング6bに固着される外向フランジ66bが設けられ、これら外向フランジ66a,66bのうち前側の外向フランジ66aの後面に前記弾性体67の前面が接当されている。また、前記弾性体67の後面と前記ピストン68の前面とは加硫接合されている。
この止水シール装置65においては、前記弾性体67を圧縮する加圧力をピストン68に作用させるために、円筒体66に設けられたAポート66cを介して圧油が導入される第1の油室70と、その加圧力の加圧方向とは逆方向の引戻し力をピストン68に作用させるために、円筒体66に設けられたBポート66dを介して圧油が導入される第2の油室71とがそれぞれ区画形成されている。ここで、前記Aポート66cおよびBポート66dは、それぞれ制御弁72を介して油圧ポンプ73およびタンク74に接続されており、制御弁72が中立位置からA位置に切り換えられたときには、油圧ポンプ73からの圧油が制御弁72およびAポート66cを介して第1の油室70に供給されると同時に、第2の油室71からの戻り油がBポート66dおよび制御弁72を介してタンク74に還流されるようになっている。一方、前記制御弁72が中立位置からB位置に切り換えられたときには、油圧ポンプ73からの圧油が制御弁72およびBポート66dを介して第2の油室71に供給されると同時に、第1の油室70からの戻り油がAポート66cおよび制御弁72を介してタンク74に還流されるようになっている。こうして、制御弁72をA位置に切り換えてピストン68に加圧力を作用させることにより、弾性体67が径方向に膨張拡径されて埋設管2の内面に止水状態で密着されるとともに、制御弁72をB位置に切り換えてピストン68に引戻し力を作用させることにより、弾性体67が径方向に縮小されて埋設管2の内面から離間されるようになっている。なお、従来の技術(特許文献1参照)に係る推進機では、弾性体を圧縮するジャッキが先導管胴部の外周部に等角度間隔で4個配置される構成であるために、その胴部内の空間が相当狭くなり、かかる構成を大口径の推進機にしか適用することができない。これに対し、本実施形態に係る小口径推進機1にて採用されている止水シール装置65では、胴部3(後胴6)に一体的に設けられる円筒体66に往復動可能に外嵌される円筒状のピストン68にて弾性体67を圧縮する構成であるため、胴部内の空間を広く確保することができ、かかる構成を推進機の口径の大小に関わらず適用することができるという利点がある。
前記後胴6の後部には、図1に示されるように、後胴6を埋設管2に分離可能に固定する固定手段としてグリッパ装置75が設けられている。このグリッパ装置75は、図10に示されるように、後胴6の中間部を構成する円筒ケーシング6b(図1参照)の上部と後胴6の後端部を構成する円筒ケーシング6c(図1参照)の上部を繋ぐ上側曲面板76に対向配置されてそれら円筒ケーシング6b,6cの下部を繋ぐ下側曲面板77の上面に固設されたブラケット78に基端部を枢支され、図10において左右方向に拡大・縮小可能な一対の三日月形状のシュー79,79と、これらシュー79,79の間に配設されるジャッキ80と、各シュー79,79の表面に貼着またはボルト止めされるライニング81,81とを備え、前記ジャッキ80の伸長作動により前記一対のシュー79,79が外側に押し広げられてライニング81,81が埋設管2の内面に押しつけられ、前記ジャッキ80の収縮作動により前記一対のシュー79,79が内側に引き込まれてライニング81,81が埋設管2の内面から離間されるように構成されている。なお、ここで、前記ライニング81,81としては、短繊維入りゴムライナや、レジン系のアラミド繊維(ノンアスベスト)を含有してなる摩擦材(静摩擦係数:0.73〜0.74)などが好適に用いられる。
以上に述べたように構成される小口径推進機1の作動について、図1を主に用い、図4〜図6および図8〜図10を適宜参照しつつ以下に説明する。
(埋設管の敷設作業)
埋設管2の敷設作業を行う場合には、図1に示されるように、先導管4の後胴6を埋設管2内に挿入し、その後、グリッパ装置75におけるジャッキ80(図10参照)の伸長作動にて一対のシュー79,79を外側に押し広げてライニング81,81を埋設管2の内面に押しつけるとともに、止水シール装置65における制御弁72(図9参照)をA位置に切り換えてピストン68に加圧力を作用させることにより、弾性体67を径方向に膨張拡径して埋設管2の内面に止水状態で密着させる。次いで、カッタヘッド15を右方向または左方向に回転駆動するとともに、図示されない発進立坑内に設置された推進装置(図示省略)にて埋設管2を後方側から押圧して先導管4に推進力を付与する動作と、先行する埋設管2の後方に新たな埋設管2を順次継ぎ足す動作とを繰り返す。こうして、先導管4による掘削径を埋設管2の外径と略同一として地山に埋設管2が敷設される。なお、カッタヘッド15により掘削された掘削土砂は、そのカッタヘッド15の内部に設けられた土砂取込空間22に一旦取り込まれ、その後排土装置9により後流側に排出される。
前記敷設作業において、カッタヘッド15が右方向(または左方向)に回転駆動されているときには、トルク伝達プレート41の一側面(または他側面)に係合切欠き部42の一端面(または他端面)が接触されて係止され(図4(b)、図5(b)参照)、油圧モータ37からの回転力がカッタヘッド支持体29および係止機構40を介してカッタヘッド15に伝達される。このカッタヘッドの右回転駆動時(または左回転駆動時)においては、ボール46が右側端部溝部47c(または左側端部溝部47e)に係合しているため(図4(c)、図5(c)参照)、外周ディスクカッタ19が埋設管2の外径と略同一径位置に配されて、カッタヘッド15の外径が埋設管2の外径と略同一となるように拡大された状態にある(図4(a)、図5(a)参照)。なお、本実施形態においては、前記敷設作業中に、先導管4のローリングを防止するために、カッタヘッド15の回転駆動方向が適宜に切り換えられる。ここで、カッタヘッド15の回転駆動方向が切り換えられた際に、後述する制動操作にてカッタヘッド15をカッタヘッド基準位置で停止させ、その停止状態にあるときに、近接スイッチ58がOFF状態であれば、カッタヘッド15が拡径状態にあると判定することができる。
(先導管の回収作業)
前述した埋設管2の敷設作業の終了後もしくは埋設管2の敷設作業を中断して先導管4を引き戻す場合には、磁気近接スイッチ57が比較的長い時間のOFF状態の後にON信号を1回だけ出力した瞬間にそのカッタヘッド15の回転を停止させる制動操作を行う。この制動操作の後に磁気近接スイッチ57からON信号が出力されなかった場合には、図8(a)に示されるように、2つのマグネット56の間に磁気近接スイッチ57が位置していることになり、カッタヘッド15がカッタヘッド基準位置で停止していることになる。一方、前記制動操作の後に磁気近接スイッチ57からON信号出力された場合には、カッタヘッド15がカッタヘッド基準位置を越えた位置で停止していることになる。このような場合には、カッタヘッドの回転速度を落として、あるいはカッタヘッドの回転をインチング操作により調整して、再度、磁気近接スイッチ57が比較的長い時間のOFF状態の後にON信号を1回だけ出力した瞬間にカッタヘッド15の回転を停止させる制動操作を行う。こうして、カッタヘッド15をカッタヘッド基準位置で停止させる。そして、カッタヘッド15が右方向に回転されていた後に前記制動操作にてカッタヘッド基準位置に停止された場合には、カッタヘッド支持体29を左方向に回転させ、これとは逆に、カッタヘッド15が左方向に回転されていた後に前記制動操作にてカッタヘッド基準位置に停止された場合には、カッタヘッド支持体29を右方向に回転させ、近接スイッチ58からON信号が出力された瞬間にそのカッタヘッド支持体29の回転を停止させる。このとき、近接スイッチ58と突起部31aとは後方視で重なり合っており(図8(b)参照)、ボール46が平行溝部47aに係合しているため(図6(c)参照)、外周ディスクカッタ19が埋設管2の内径より小さい小径位置に配されて、カッタヘッド15の外径が埋設管2の内径より小さくなるように縮小された状態にある。こうして、カッタヘッド15を埋設管2の内径よりも小さい径にまで確実に縮小させる。
さらに、先導管の回収作業を行うにあたり、止水シール装置65における制御弁72(図9参照)をB位置に切り換えてピストン68に引戻し力を作用させることにより、弾性体67を径方向に縮小させて埋設管2の内面から離間させるとともに、グリッパ装置75におけるジャッキ80(図10参照)の収縮作動にて一対のシュー79,79を内側に引き込んでライニング81,81を埋設管2の内面から離間させる。そして、先導管4に引き戻し力が付与されると、この先導管4が埋設管2に干渉することなくその埋設管2内を通って後方に引き戻される。
本実施形態の小口径推進機1によれば、先導管4による掘削径を埋設管2の外径と略同一として推進抵抗の低減を図ることができるとともに、敷設された埋設管2内を通して先導管4を発進立坑側に回収することができる。また、回転駆動装置36からの回転力をカッタヘッド15に伝達する役目をする回転力伝達部が、すべり軸受装置28を介してカッタヘッド15の後部を外嵌・支持するカッタヘッド支持体29と、このカッタヘッド支持体29とカッタヘッド15との間に設けられる係止機構40とより構成されるとともに、カッタヘッド15の外径を拡縮させる拡縮機構45が、カッタヘッド15の外周部に配されるアーム20とカッタヘッド支持体29との間に設けられるので、カッタヘッド15の内部に掘削土砂を取り込むための土砂取込空間22を先導管4の口径の大小にかかわらず広く確保することができ、掘削効率の向上を図ることができる。
また、カッタヘッド15が拡径状態にあるか縮径状態にあるかを検知する拡縮状態検知手段55が設けられているので、埋設管2の外径と略同一径の掘削を確実に行うことができるとともに、先導管4を引き戻す際の埋設管2との干渉を確実に防止することができる。また、この拡縮状態検知手段55において、マグネット56は軸頸部材16の後端部に埋設されるとともに、磁気近接スイッチ57はカバー部材60に埋設され、それら部材16,60が近接配置されて磁気近接スイッチ57が掘削土砂等から保護される構造が採用されているので、カッタヘッド基準位置を安定的に検知することができる。しかも、カバー部材60の材質として非磁性金属(例えば、SUS304)が使用されているので、近接スイッチ57が誤作動するようなことはない。
本実施形態において、装置構成の簡素化を図るために、前記止水シール装置65およびグリッパ装置75に代えて、それら装置の機能を兼備する止水シール兼グリッパ装置85を採用してもよい。この止水シール兼グリッパ装置85は、図11に示されるように、後胴6の外径よりも小さい外径でその軸心を後胴6の軸心に一致させた状態で後胴6に一体的に設けられる円筒体86と、この円筒体86の前部外周面に装着されるリング状のゴム等よりなる第1の弾性体87と、前記円筒体86の後部外周面に装着されるゴム等よりなるリング状の第2の弾性体88と、前記円筒体86の外側にその円筒体の軸心に沿って往復動可能に装着され、前記第1の弾性体87を圧縮する円筒状の第1のピストン89と、前記円筒体86の外側にその円筒体86の軸心に沿って往復動可能に装着され、前記第2の弾性体88を圧縮する円筒状の第2のピストン90とを備え、第1のピストン89および第2のピストン90にて第1の弾性体87および第2の弾性体88をそれぞれ圧縮することにより、第1の弾性体87および第2の弾性体88がそれぞれ径方向に膨張拡径されて埋設管2の内面に止水状態で密着され、これによって後胴6が埋設管2に安定的に固定されるように構成されている。
前記円筒体86の前端部には、後胴6の前部を構成する円筒ケーシング6aに固着される外向フランジ86aが設けられ、前記円筒体86の後端部には、後胴6の中間部を構成する円筒ケーシング6bに固着される外向フランジ86bが設けられ、これら外向フランジ86a,86bのうち前側の外向フランジ86aの後面に前記第1の弾性体87の前面が接当され、それら外向フランジ86a,86bのうち後側の外向フランジ86bの前面に前記第2の弾性体88の後面が接当されている。また、前記第1の弾性体87の後面と前記第1のピストン89の前面とは加硫接合され、前記第2の弾性体88の前面と前記第2のピストン90の後面も同様に加硫接合されている。
この止水シール兼グリッパ装置85においては、前記第1の弾性体87を圧縮する加圧力を第1のピストン89に作用させるために、円筒体86に設けられたAポート86cを介して圧油が導入される第1の油室91と、その加圧力の加圧方向とは逆方向の引戻し力を第1のピストン89に作用させるために、円筒体86に設けられたBポート86dを介して圧油が導入される第2の油室92と、前記第2の弾性体88を圧縮する加圧力を第2のピストン90に作用させるために、前記Aポート86cを介して圧油が導入される第3の油室93と、その加圧力の加圧方向とは逆方向の引戻し力を第2ピストン90に作用させるために、円筒体86に設けられたCポート86eを介して圧油が導入される第4の油室94とがそれぞれ区画形成されている。なお、図11中符号95にて示されるのはパッキンである。
ここで、前記Aポート86c、Bポート86dおよびCポート86eは、制御弁96を介して油圧ポンプ97およびタンク98に接続されており、この制御弁96が中立位置からA位置に切り換えられたときには、油圧ポンプ97からの圧油が制御弁96およびAポート86cを介して第1の油室91および第3の油室93に供給されると同時に、第2の油室92からの戻り油がBポート86dおよび制御弁96を介してタンク98に、第4の油室94からの戻り油がCポート86eおよび制御弁96を介してタンク98にそれぞれ還流されるようになっている。一方、前記制御弁96が中立位置からB位置に切り換えられたときには、油圧ポンプ97からの圧油が制御弁96およびBポート86dを介して第2の油室92に供給されるとともに、同圧油が制御弁96およびCポート86eを介して第4の油室94に供給され、これと同時に、第1の油室91および第3の油室93からの戻り油がAポート86cおよび制御弁96を介してタンク98に還流されるようになっている。こうして、制御弁96をA位置に切り換えて第1のピストン89および第2のピストン90にそれぞれ加圧力を作用させることにより、第1の弾性体87および第2の弾性体88がそれぞれ径方向に膨張拡径されて埋設管2の内面に止水状態で密着されるとともに、制御弁96をB位置に切り換えて第1のピストン89および第2のピストン90にそれぞれ引戻し力を作用させることにより、第1の弾性体87および第2の弾性体88がそれぞれ径方向に縮小されて埋設管2の内面から離間されるようになっている。
なお、本実施形態は、小口径の推進機に本発明が適用された例であるが、推進機の口径の大小に関わらず本発明を適用することができるのは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る小口径推進機における先導管の全体縦断面図 先導管の前半部分の内部構造を説明する縦断面図 先導管の正面図(a)および(a)のA−A矢視図(b) カッタヘッドの拡縮機構および係止機構の構造・動作説明図(1)で、先導管前端部の縦断面図(a)、(a)のA−A矢視図(b)および(a)のB矢視図(c) カッタヘッドの拡縮機構および係止機構の構造・動作説明図(2)で、先導管前端部の縦断面図(a)、(a)のA−A矢視図(b)および(a)のB矢視図(c) カッタヘッドの拡縮機構および係止機構の構造・動作説明図(3)で、先導管前端部の縦断面図(a)、(a)のA−A矢視図(b)および(a)のB矢視図(c) アームに設けられた係合溝の形状説明図 カッタヘッドの拡縮状態検知手段の説明図 止水シール装置の構造説明図 図1のA−A矢視図で、グリッパ装置の構造説明図 止水シール兼グリッパ装置の構造説明図 従来技術の説明図
符号の説明
1 小口径推進機
2 埋設管
3 胴部
4 先導管
15 カッタヘッド
19 外周ディスクカッタ
20 アーム
28 すべり軸受装置
29 カッタヘッド支持体
36 回転駆動装置
40 係止機構
45 拡縮機構
55 拡縮状態検知手段
65 止水シール装置
75 グリッパ装置

Claims (2)

  1. 後方側から押圧されて地山に貫入される埋設管の先端側に配され、その埋設管に内挿可能な胴部を有する先導管を備える小口径推進機であって、
    (a)切羽を掘削するカッタを前記埋設管の外径を掘削可能な掘削位置からその埋設管の内径より小さい小径位置までの間で揺動可能に支持するアームを外周部に有し、前記先導管の前端部に前記胴部に対して回転可能に設けられるカッタヘッド、
    (b)前記胴部の前端部に前記カッタヘッドの軸心と一致する軸心回りに回転可能に設けられ、軸受装置を介して前記カッタヘッドの後部を外嵌・支持するカッタヘッド支持体、
    (c)前記カッタヘッド支持体を回転駆動する回転駆動装置、
    (d)前記カッタヘッドと前記カッタヘッド支持体との間に設けられ、前記カッタヘッドに対する前記カッタヘッド支持体の相対回転運動を、前記カッタヘッドに対する前記カッタヘッド支持体の相対角度変位が所定値に達する直前まで許容し、前記相対角度変位が所定値に達すると、前記カッタヘッド支持体の回転力が前記カッタヘッドに伝達されるように、前記カッタヘッドと前記カッタヘッド支持体とを係止する係止機構、
    (e)前記アームと前記カッタヘッド支持体との間に設けられ、前記カッタヘッドに対する前記カッタヘッド支持体の相対回転運動の際に、前記カッタヘッド支持体の回転力を前記アームを揺動させる回転力に変換して、前記カッタヘッドの外径を拡縮させる拡縮機構および
    (f)前記胴部を前記埋設管に分離可能に固定する固定手段
    を備えることを特徴とする小口径推進機。
  2. 前記カッタが前記埋設管の外径を掘削可能な掘削位置まで揺動されて前記カッタヘッドが拡径状態にあるか、前記カッタが前記埋設管の内径より小さい小径位置まで揺動されて前記カッタヘッドが縮径状態にあるかを検知する拡縮状態検知手段が設けられる請求項1に記載の小口径推進機。
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