JP2007153946A - 摩擦低減剤および潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた摩擦低減効果を有し、加水分解(劣化)しにくくかつ金属分を含まない摩擦低減剤及びそれを含有した潤滑剤組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】下記の一般式(1)
Figure 2007153946

(Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表し、AはCOまたはCH(OH)−CHを表す)で表される摩擦低減剤および該摩擦低減剤を含有する潤滑油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、従来の潤滑油に比べ、摩擦係数を大幅に低減することができる摩擦低減剤及びそれを含有する潤滑油組成物、エンジン油組成物および燃料油に関する。
潤滑油は、エンジン油や加工油、ギヤー油等、様々な用途で使用されている。こうした潤滑油の使用時に摩擦係数が上がると、発熱や機械の破損等が発生する場合があり、摩擦の低減は共通の課題である。例えば自動車等は、近年の地球温暖化や大気汚染等の環境問題と、石油資源の枯渇に対する懸念から、低燃費を実現させることが大きな課題となっており、エンジン油等の潤滑油による摩擦の低減が求められていた。また、前記潤滑油は高温・高圧の条件下で使用されることが多く、その使用頻度が上がるにつれて、潤滑油に含まれる成分が化学変化を起こして劣化し、潤滑油としての性能を低下してしまうことがある。
従来、エンジン油などでは摩擦低減剤を使用している。例えば有機モリブデン(例えば特許文献1)、特定のエステル化合物やアミド化合物(例えば、特許文献2および3)などが知られている。有機モリブデンのような金属を含む摩擦低減剤をエンジン油等の潤滑油組成物に使用した場合、その廃液処理に負担がかかる。また、排ガス中にはその金属が含まれるため、大気への金属分の放出が問題になる。上述のエステル化合物やアミド化合物といった金属を含まない摩擦低減剤も存在するが、その摩擦低減効果は十分とはいえない。更にエステル結合物は加水分解するという問題があり、摩擦低減効果が長続きせず、分解物によってスラッジが発生する等の問題があった。
特開平7−331269号公報 特開2005−082709号公報 特開2004−067812号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、優れた摩擦低減効果を有し、加水分解(劣化)しにくくかつ金属分を含まない摩擦低減剤およびそれを含有した潤滑剤組成物を提供することにある。
そこで本発明者等は鋭意検討し、特定の構造を持つジオール化合物を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、下記の一般式(1)
Figure 2007153946
(Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表わし、AはCOまたはCH(OH)−CH2を表わす)
で表わされる摩擦低減剤である。
上記構造を有する摩擦低減剤は、潤滑油組成物や燃料油に含有された場合、優れた摩擦低減効果を示し、かつ加水分解されにくい。さらに、金属分を含まないため環境問題にも寄与することができる。
一般式(1)において、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表わす。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ターシャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基、ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、2級トリデシル基、テトラデシル基、2級テトラデシル基、ヘキサデシル基、2級ヘキサデシル基、ステアリル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、トリアコンチル基、2−ブチルオクチル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−オクチルドデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、モノメチル分枝−イソステアリル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オレイル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
こうした炭化水素基の中でも、Rとしては、アルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数としては6〜20が好ましく、8〜18がより好ましい。Rの炭素数が30を超えると、摩擦係数を下げる効果が小さくなり、さらに融点および溶解性等の点から取り扱いにくくなり好ましくない。
又、一般式(1)において、AはCOまたはCH(OH)−CH2で表わされる。AがCOで表わされる一般式(1)の化合物の製造方法としては、3−アミノ−1,2−プロパンジオール1モルに、RCOOHで表わされるカルボン酸を1モル反応させる方法や、3−アミノ−1,2−プロパンジオール1モルに、RCOOR'(R'は炭素数1〜4のアルキル基)を1モル反応する方法、3−アミノ−1,2−プロパンジオール1モルに、RCOX(Xはハロゲン原子)を1モル反応させる方法等が知られている。また、AがCH(OH)−CH2で表わされる一般式(1)の化合物の製造方法としては、3−アミノ−1,2−プロパンジオール1モルに、下記一般式(2)で表わされるアルキレンオキシドを1モル反応させる方法や、3−アミノ−1,2−プロパンジオール1モルに、R−CH(OH)−CH2Xを1モル反応させる方法、3−アミノ−1,2−プロパンジオール1モルに、R−CH(OH)−CH2OHを1モル脱水反応させる方法等が知られている。
Figure 2007153946
これらの方法の中でも反応が容易であることから、3−アミノ−1,2−プロパンジオール1モルに、RCOOHで表わされるカルボン酸を1モル反応させる方法や、3−アミノ−1,2−プロパンジオール1モルに、一般式(2)で表わされるアルキレンオキシドを1モル反応させる方法が好ましい。
3−アミノ−1,2−プロパンジオールと、RCOOHで表わされるカルボン酸との具体的な反応方法としては、例えば、両化合物を混合した後、減圧にて80℃〜250℃に加熱してやればよい。但し、あまり温度が高いと、副生成物であるエステル化合物が生成する場合があり、あまり温度が低いと反応が進まない場合があるので、目的物であるアミド化合物を高収率で得るためには、100℃〜200℃で反応することが好ましく、100℃〜160℃で反応することがより好ましい。
また、触媒は使用してもしなくてもよく、使用できる触媒としては、例えば、硫酸やトルエンスルフォン酸などの強酸;四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素等の金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、ソヂウムメチラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物やアルコラート物または炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド等の有機金属化合物が挙げられるが、反応後の触媒除去等により収率が低下したり、精製の時間がかかったりするため、触媒は使用しないほうが好ましい。
3−アミノ−1,2−プロパンジオールと、アルキレンオキシドとの具体的な反応方法としては、例えば、3−アミノ−1,2−プロパンジオールと触媒を混合した系に、アルキレンオキシドを40℃〜160℃の反応温度でフィードしてやればよい。触媒としては、上に記載したものを使用することができる。また、触媒の添加量は、3−アミノ−1,2−プロパンジオールと、アルキレンオキシドの合計量に対して、0.02〜2質量%であることが好ましい。
潤滑油組成物全量に対する一般式(1)で表わされる本発明の摩擦低減剤の含量は、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、更に好ましくは0.01〜3質量%添加して使用される。一般式(1)で表わされる摩擦低減剤の添加量が0.001質量%より少ないと、期待する効果が得られない場合があり、10質量%より多いと、添加量に見合う効果が得られない場合や、配合した潤滑油の高温安定性が悪くなる場合がある。
本発明の潤滑油組成物は、本発明の摩擦低減剤を含有したものである。本発明の潤滑油組成物に用いられる潤滑基油に特に制約はなく、一般的な潤滑油、例えば鉱油、炭化水素系合成油及びこれらの混合物が挙げられる。より具体的には、ポリ-α-オレフィン、エチレン-α-オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル、亜リン酸エステル、炭酸エステル、シリコーン油、フッ素化油等の合成油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油あるいはこれらを精製した精製鉱油類等を用いることができる。
また、グリースとして使用する場合には、これらの潤滑基油に増ちょう剤を添加すればよい。増ちょう剤としては、アルミニウム、バリウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム等の石鹸増ちょう剤、複合リチウム、複合カルシウム、複合アルミニウム等のコンプレックス石鹸増ちょう剤、ウレア、ジウレア、トリウレア、テトラウレア、アリールウレア、テレフタラメート等の有機非石鹸増ちょう剤、ベントナイト、シリカエアロゲル等の無機非石鹸増ちょう剤等が用いられるが、これらの増ちょう剤は単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせても良い。増ちょう剤の量は特に限定されるものではないが、基油と増ちょう剤からなる基グリースに対して通常3〜40質量%、好ましくは5〜20質量%である。
本発明の潤滑油組成物は、公知の潤滑油添加剤の添加を拒むものではなく、使用目的に応じて、酸化防止剤、有機モリブデン系添加剤、極圧剤、油性向上剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、消泡剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6―ジ―ターシャリブチルフェノール(以下、ターシャリブチルをt−ブチルと略記する。)、2,6―ジ―t−ブチル−p―クレゾール、2,6―ジ―t―ブチル―4―メチルフェノール、2,6―ジ―t―ブチル―4―エチルフェノール、2,4―ジメチル―6―t−ブチルフェノール等が挙げられ、アミン系酸化防止剤としては、例えば、1―ナフチルアミン、フェニル―1―ナフチルアミン、p―オクチルフェニル―1―ナフチルアミン、p―ノニルフェニル―1―ナフチルアミン、p―ドデシルフェニル―1―ナフチルアミン、フェニル―2―ナフチルアミン等が挙げられる。これらの酸化防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。
有機モリブデン系添加剤としては、例えば、脂肪酸モリブデン塩、硫化オキシモリブデンキサンテート、三酸化モリブデンと酸性燐酸エステルとの反応物、三酸化モリブデンと脂肪酸ジエタノールアミドとの反応物、三酸化モリブデンとグリセリンモノ脂肪酸エステルとの反応物、スクシンイミド、カルボン酸アミド又はマンニッヒ塩基若しくはこれらのホウ素化物と三酸化モリブデンとの反応物、硫化オキシモリブデンジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジチオホスフェート、又はアミンと5価又は6価のモリブデン原子を有するモリブデン化合物との反応物等が挙げられる。これらの有機モリブデン系添加剤の配合量は、基油に対して0.001〜5質量%、より好ましくは0.002〜3質量%であるが、金属を含有する添加剤の使用量はできる限り少ない方がよい。
極圧剤としては、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、ジベンジルスルフィド等の硫黄系添加剤;亜鉛ジチオホスフェート、モノオクチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリフェニルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、チオリン酸エステル等のリン系化合物;チオリン酸金属塩、チオカルバミン酸金属塩、酸性リン酸エステル金属塩等の有機金属化合物などが挙げられる。これら極圧剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜10質量%、より好ましくは0.1〜8質量%であるが、金属を含有する添加剤の使用量はできる限り少ない方がよい。
油性向上剤としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類;オレイルグリセリンエステル、ステリルグリセリンエステル、ラウリルグリセリンエステル等のエステル類;ラウリルアミド、オレイルアミド、ステアリルアミド等のアミド類;ラウリルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等のアミン類;ラウリルグリセリンエーテル、オレイルグリセリンエーテル等のエーテル類が挙げられる。これら油性向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜5質量%、より好ましくは0.03〜3質量%である。
分散剤としては、例えば、分子量約700〜3000のアルキル基またはアルケニル基が付加されたコハク酸イミド、コハク酸エステル、ベンジルアミン又はこれらのホウ素変性物等が挙げられる。これらの分散剤の好ましい配合量は、基油に対して0.3〜10質量%、より好ましくは0.5〜8質量%である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ(C1〜18)アルキルメタクリレート、(C1〜18)アルキルアクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ジエチルアミノエチルメタクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体等が挙げられる。あるいは、分散性能を付与した分散型もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。平均分子量は10,000〜1,500,000程度である。これらの粘度指数向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜20質量%、より好ましくは0.3〜15質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート等が挙げられ、平均分子量は1,000〜100,000である。これらの流動点降下剤の好ましい配合量は、基油に対して0.005〜3質量%、より好ましくは0.01〜2質量%である。
防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミン塩、アルケニルコハク酸又はアルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100〜300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、ラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜3質量%であるが、金属を含有する添加剤の使用量はできる限り少ない方がよい。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾミダゾール、ベンゾチアゾール、テトラアルキルチウラムジサルファイド等が挙げられる。これら腐食防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート、ソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤の好ましい配合量は、基油に対して0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.05質量%であるが、金属を含有する添加剤の使用量はできる限り少ない方がよい。
本発明の潤滑油組成物の用途としては、エンジン油、ギヤー油、タービン油、作動油、難燃性作動液、冷凍機油、コンプレッサー油、真空ポンプ油、軸受油、絶縁油、しゅう動面油、ロックドリル油、金属加工油、塑性加工油、熱処理油、グリース等が挙げられる。
また、一般式(1)で表わされる化合物を燃料油に添加することにより、エンジン内で燃え残った燃料がピストンの潤滑を補い、シリンダー内の摩擦係数を下げる働きをして燃費を改善する効果をもたらす。燃料油としては、例えば、ガソリン、軽油等が挙げられ、一般式(1)で表わされる化合物の添加量は、燃料油に対して0.001〜0.1%が好ましい。
本発明のエンジン油組成物は、一般式(1)で表わされる化合物を含有する本発明の潤滑油組成物からなるものであり、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、航空用エンジン、船舶用エンジン等のエンジン油に使用することができる。中でも、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の自動車用エンジン油として好適に使用することができる。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において%及びppmは特に記載が無い限り質量基準である。まず、基油として下記性状の鉱物油を使用し、各種添加剤を添加した基準油を作り、この基準油を使用して試験を行った。基油の性状及び基油に添加した各成分及び配合量は以下のとおりである。ただし、以下は例であり、これらのみに限定されるわけではない。
<基油>
鉱油系高度VI油。動粘度4.1mm/s(100℃)、18.3mm/s(40℃)、粘度指数(VI)=126。
<基準油配合表>
基油 100質量部
メタクリレート系粘度指数向上剤 3質量部
(ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量30万))
カルシウムサリシレート系清浄剤 2.8質量部
(カルシウムサリシレート(塩基価:300mgKOH/g))
コハク酸イミド系分散剤 5.0質量部
(ポリブテニルコハク酸イミド(重量平均分子量1000))
ジチオリン酸亜鉛 0.05質量部(リン含量で)
(n−C6ジチオリン酸亜鉛)
フェノール系酸化防止剤 0.25質量部
(3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル)
アミン系酸化防止剤 0.25質量部
(ジオクチルフェニルアミン)
試験に使用した添加剤(摩擦低減剤) 0.5質量部(下記(A−1)〜(C−2))
試験に使用した添加剤を以下に示す。
(本発明の添加剤として)
(A−1)2,3−ジヒドロキシルプロピルオレイルアミド
(A−2)2,3−ジヒドロキシルプロピルステアリルアミド
(A−3)2,3−ジヒドロキシルプロピルラウリルアミド
(A−4)2,3−ジヒドロキシルプロピルオクチルアミド
(B−1)N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−ヒドロキシオレイルアミン
(B−2)N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−ヒドロキシステアリルアミン
(B−3)N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−ヒドロキシラウリルアミン
(B−4)N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−ヒドロキシオクチルアミン
(B−5)N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−ヒドロキシドコシルアミン
(比較品として)
(C−1)グリセリンモノオレイルエステル
(C−2)オレイルアミド
実施例1:摩擦特性試験 バウデンレーベン試験機を用いて摩擦特性試験を行った。SUJ2製試験球とSUJ2製試験板をバウデンレーベン試験機の所定の位置にセットし、各種添加剤を配合した基準油を2つの試験片の間に50μl流し込んだ。その後荷重1000g、摺動速度10mm/sで試験を開始し、摺動距離40m時の摩擦係数を測定した。更に安定性試験として、基準油100mlにそれぞれ水を5ml添加し、攪拌器のついた300mlフラスコに入れ、空気中で100℃にて5時間攪拌して基準油を強制的に加水分解させた。この劣化油について上記と同様の試験を行って摩擦係数を測定した。摩擦係数が小さいものほど、潤滑性が高いことを示している。試験結果については表1に示した。
Figure 2007153946
表1から、明らかなように本発明の添加剤を使用することにより摩擦低減性向上を達成することができる。さらに本発明品は加水分解しにくいため、油を劣化させた後も殆ど摩擦係数の変化がなく、摩擦低減性を保ったままである。
実施例2:耐磨耗試験 高速4球試験機を用いて耐磨耗試験を行った。表2に示した配合の試験油を使用し、回転数1500rmp、室温、15分間の条件で、ボールにかかる荷重を種々変化させて耐荷重試験を行い、各荷重におけるボールの磨耗痕径(mm)を測定した。磨耗痕径が小さいほど耐磨耗性が高いことを示す。なお「焼付き」は、磨耗が激しくなってボール同士が融着してしまい、それ以上試験ができなくなったことを示す。
Figure 2007153946
表2から、明らかなように本発明の添加剤を使用することにより耐磨耗性向上を達成することができた。
実施例3:軽油の潤滑性試験
HFRR試験機(PCSインスツルメンツ社製)を用いて軽油の潤滑性をみるため、磨耗痕径を測定した。試験条件は以下の通りであり、試験に使用した軽油は硫黄含量30ppmのJIS2号相当の軽油である。なお、軽油への添加剤の配合量は表3に示したとおり、軽油に対して0.03質量%である。
試験温度:30℃
荷重:400g
ストローク周波数:20Hz
ストローク長さ:1mm
Figure 2007153946
表3から、明らかなように本発明の添加剤を使用することにより潤滑性向上を達成することができた。

Claims (5)

  1. 下記の一般式(1)
    Figure 2007153946
    (Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表わし、AはCOまたはCH(OH)−CH2を表わす)で表わされる摩擦低減剤。
  2. 一般式(1)のRが、炭素数8〜20の脂肪族炭化水素基であることを特徴とする、請求項1に記載の摩擦低減剤。
  3. 請求項1又は2に記載の摩擦低減剤を含有することを特徴とする潤滑油組成物。
  4. 請求項1又は2に記載の摩擦低減剤を含有することを特徴とするエンジン油組成物。
  5. 請求項1又は2に記載の摩擦低減剤を含有することを特徴とする燃料油。
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