JP2007152960A - 安全支持体の膨張方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤにおいて、エラストマー材料で作られたドーナツ形リングから成る少なくとも1つのブランクを断面同一に膨張させる方法を提供する。
【解決手段】本発明の膨張方法は、部分架橋段階を有する。ドーナツ形リング(2)は、完全に架橋されて膨張すると、少なくとも一部が独立気泡胞状構造体を備えた安全支持体を構成するよう設計され、安全支持体は、タイヤ内のホイールリムに装着されるよう設計されており、部分架橋段階の終了時に、ドーナツ形リング(2)がオーブン(1)内に配置されてオーブン内で膨張段階を受けるようになった方法において、膨張段階中、ドーナツ形リング(2)を水平回転スピンドル(3)によって垂直平面内で回転させ、水平回転スピンドルは、ドーナツ形リングをその内周部(Ci)に沿って支持する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車に装着できるよう設計されたランフラット(Run-flat)システムに関する。これらシステムは、弁を備えたホイールリム及びタイヤを有し、フォームを基に作られたほぼドーナツ形の安全支持体(以下、フォーム支持体という)を包囲している。この種の安全支持体は、例えば、ラフな地面の上を走行するよう設計された車両又は機械に装着できるよう使用でき、これらの目的は、タイヤの圧力抜けの効果を補償し、車両が所与の距離にわたり運転を続けることができるようにすることにある。
本発明は、独立気泡を備えた胞状構造体を有するフォーム支持体に関する。例えば、かかるフォーム支持体は、ブチルゴムを主成分とするジエンエラストマーで作られるのがよい。或る場合には、胞状体は、ガスを圧力下で収容することができる。
これら支持体の製作段階は、一般に、ゴムを熱機械的に加工する第1の段階を含み、この第1の段階中、ゴム配合物を混練して補強フィルタ、例えばカーボンブラックと混ぜ合わせ、架橋を生じさせるよう設計された製品と混ぜ合わせ、最後に、独立気泡胞状構造体を次に得ることができるようにする発泡剤と混ぜ合わせる。
第2の形成段階では、先の段階で得たゴム配合物をブランクの押出し成形又は金型内への直接注入によりシェーピングする。
ブランクが金型内の定位置に一端配置されると、ブランクを通常130℃〜160℃の温度で硬化させる第3の段階中少なくとも部分的に架橋する。
最後に、オーブン内で行われる第4段階では、ブランク金型から取り出されたブランクを膨張させる。オーブンは、大気圧状態にあり、このオーブン内の温度は、硬化温度、即ち、130℃〜150℃に近い。
この段階中、膨張剤が分解して材料の構造体中に胞状系を形成する。
膨張段階は又、ドーナツ形リングの体積の増大と共に行われ、ドーナツ形リングの断面と直径は両方共、この段階中、2倍又は3倍になる。
これら条件下において、ドーナツ形リングの寸法形状を制御することが絶対に必要不可欠である。というのは、幾何学的形状のばらつきは、支持体がタイヤ内で用いられるとき、支持体の性能に相当な悪影響を及ぼすことになるからである。
第1の解決策は、例えば仏国特許第2,095,535号明細書に記載されているように、上述の膨張段階を金型内で又はフォームロールを受け入れるようになったタイヤのキャビティ内部で直接実施することである。この手順は、これにより金型により課される寸法上の制約のためにフォームの一部における気泡の密度及び寸法について一様な分布を可能にしないという欠点を有する。
別の解決策は、欧州特許第1,155,801号明細書に記載されているように、膨張剤の活性化段階を制御された温度及び圧力条件下で行うことである。この目的のため、フォームロールは、プレートの表面上に配置され、このプレート上で、フォームロールは、その容積を自由に変えることができる。
仏国特許第2,095,535号明細書 欧州特許第1,155,801号明細書
しかしながら、この方法は、自由状態では断面がその周囲全体にわたり完全に同一であるドーナツ形リングをもたらさないことが判明した。さらに、或る1つのフォームロールから次のフォームロールへの寸法的特性の再現性が、自動車の大量生産業界により要求されるレベルを依然として遙かに下回っている。
本発明の方法及び装置の目的は、膨張段階中におけるフォームロールの寸法上の変化の制御具合を向上させることにある。
事実、非常に良好な結果は、上述したような硬化段階の直後に得られたドーナツ形リングをオーブン内に配置し、このオーブンを通って、キャビティが空気流を循環させ、この空気流により、温度を所望レベルに調節することができ、かかるオーブン内で、ドーナツ形リングを水平回転スピンドルにより垂直平面内で回転移動させ、この水平回転スピンドルが、かかるドーナツ形リングをその内周部に沿って支持することにより得ることができる。
事実、オーブン内での膨張段階中におけるフォームロールのこの特定の配置により、幾何学的及び構造的な非対称を回避できるということが判明した。
事実、上述の膨張段階中に生じる発泡剤の化学的反応の速度は、温度変動が極めて僅かであってもこれに対する感受性が極めて高いということが観察された。したがって、ドーナツ形リングと空気流との間の熱交換流の僅かな摂動を導入しがちな要素であればどんなものであっても、反応を妨害し、形状の不規則性をもたらし、かかる不規則性は、次に除去するのは困難である。
したがって、ドーナツ形リングの所与の部分中の材料の各要素が可能な限り最も一定であって対称な分布に従って或る量の熱エネルギーを受け取ることが重要である。
ドーナツ形リングを膨張中、垂直に位置決めすることにより、水平支持体要素、例えば、プレートであって、熱流を妨害してリングのフェースがこのプレートと接触状態にある状態で熱伝導現象に関連した不均一性を導入する可能性が多分にあるプレートの影響が回避される。各回転中に1度しかリングの所与の半径方向部分と接触しない回転スピンドルにより、重力及び摩擦の作用に関連した機械的応力及び熱交換の不規則性の影響を無くすことができる。
本発明の具体化例は、図1〜図3に示されている。
図1は、フォームロール型の安全支持体を形成するよう設計されたドーナツ形リング2を、膨張段階の開始時で、即ち、リング2を加硫金型から取り出した直後で示している。ドーナツ形リングは、水平に配置された回転スピンドル3によって支持されている。ドーナツ形リング2と水平スピンドル3の接触は、ドーナツ形リング2の内周部Ciに沿って生じる。
ドーナツ形リングを回転スピンドル3と同一の方向Rに回転させる。熱交換の適正な効率を得るために、ドーナツ形リングの回転速度は、このドーナツ形リングの回転速度が回転スピンドルの一定の駆動速度において直径の増大の関数としても変化することを念頭において、0.1ラジアン/秒〜2ラジアン/秒である。好ましくは、この回転速度は、0.5ラジアン/秒のオーダのものである。
図2は、ドーナツ形リングを膨張段階の終わりにおいて示している。しかる後、ドーナツ形リングは、その直径の増大により、オーブンのより小さな容積部を占める。光セルを、ドーナツ形リングが所望の直径に達したこと、及びリングをオーブンから取り出さなければならないことを指示するよう配置されるのがよい。
図3は、モータ5により駆動される回転スピンドル3を有するオーブン1の概略断面図である。ドーナツ形リング2を支持した回転スピンドルの部分31は、ローラ上でのリングの自動調心効果を生じさせるよう樽の形状を有している。駆動作用を向上させるため、樽形表面に刻み目を付け又は条線を付けるのがよい。
側方フランジ6,6′も又、リングがその膨張中に落下する恐れを回避するよう配置されるのがよい。フランジは好ましくは、回転スピンドル3に対して自由に回転するよう取り付けられる。
光セル4が、反射器4′と対向して位置決めされ、この反射器により、放出された信号を反射して戻すことができる。この構成の代替例は、多数のセルを一方が他方の下に垂直に位置決めして矢印Eにより指示された垂直方向における膨張の変化に時間的に追随し、特定の法則に従って、膨張段階の第2の部分のパラメータを膨張段階の第1の部分中に測定された膨張速度の関数として是正することである。
オーブン内の温度は、上述したように、一般に120℃〜160℃、好ましくは140℃〜150℃の温度を維持するよう熱風の循環流(図示せず)によって調節される。熱風のこの循環の結果として、熱交換の不規則性が最小限に抑えられるようにするために、オーブン内の空気流は、回転スピンドル3に垂直な平面に関して対称であるべきである。次に、ドーナツ形リング2を支持した部分31をこの対称面周りに心出しする。
オーブン内の圧力は、大気圧に等しいが、膨張段階中のドーナツ形リングのこの配置は、特に膨張段階が圧力下で実施される場合、任意他の具体化方法に適合させることができることは明らかである。
膨張段階の開始時におけるドーナツ形リングの概略正面図である。 膨張段階の終わりにおけるドーナツ形リングの概略正面図である。 本発明のオーブンの概略断面図である。
符号の説明
1 オーブン
2 ドーナツ形リング
3 スピンドル
4,4′ 光セル
5 モータ
6,6′ 側方フランジ

Claims (11)

  1. エラストマー材料で作られたドーナツ形リング(2)から成る少なくとも1つのブランクを膨張させる方法であって、部分架橋段階を有し、前記ドーナツ形リングは、完全に架橋されて膨張すると、少なくとも一部が独立気泡胞状構造体を備えた安全支持体を構成するよう設計され、前記安全支持体は、タイヤ内のホイールリムに装着されるよう設計されており、前記部分架橋段階の終了時に、ドーナツ形リング(2)がオーブン(1)内に配置されて前記オーブン内で前記膨張段階を受けるようになった方法において、前記膨張段階中、前記ドーナツ形リング(2)を水平回転スピンドル(3)によって垂直平面内で回転させ、前記水平回転スピンドルは、前記ドーナツ形リングをその内周部(Ci)に沿って支持する方法。
  2. 前記オーブン(1)内の温度は、130℃〜160℃である請求項1記載の方法。
  3. 前記オーブン(1)内の温度は、140℃〜150℃である請求項1記載の方法。
  4. 前記オーブン(1)は、大気圧状態にある請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記膨張段階中における前記ドーナツ形リング(2)の回転速度は、0.1〜2ラジアン/秒である請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
  6. 完全に架橋されて膨張した状態では、少なくとも一部が独立気泡胞状構造体を有する安全支持体を構成するよう設計された部分的に架橋された材料で作られているドーナツ形リング(2)を膨張させるよう設計された膨張用オーブン(1)において、前記オーブンは、前記ドーナツ形リング(2)をその内周部(Ci)のところで支持するよう設計された水平回転スピンドル(3)と、前記回転スピンドルを回転駆動する手段とを有するオーブン。
  7. 前記オーブン内の温度を130℃〜160℃の値に調節することができる熱風循環システムを備えている請求項6記載のオーブン。
  8. 前記水平回転スピンドル(3)は、前記ドーナツ形リング(2)が、前記オーブン(1)の熱流束の対称面内に位置決めされるよう配置されている請求項7記載のオーブン。
  9. 前記ドーナツ形リング(2)を支持した前記回転スピンドル(3)の部分(31)は、樽形状を有する請求項6乃至8の何れか1項に記載のオーブン。
  10. 前記回転スピンドル(3)は、前記膨張段階中前記ドーナツ形リングを支持するよう設計された前記部分(31)の各側で前記回転スピンドル回りに自由に回転するよう取り付けられた側方フランジ(6,6′)を備えている請求項6乃至9の何れか1項に記載のオーブン。
  11. 少なくとも1つの光セル(4,4′)が、前記ドーナツ形リングの膨張レベルの変化に追随することができる請求項6乃至10の何れか1項に記載のオーブン。
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