JP2007152751A - ジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジエン系ゴムとの接着性と力学物性に優れるジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体を提供する。
【解決手段】共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(i)を1個以上およびビニル芳香族化合物単位からなる重合体ブロック(ii)を2個以上有し、重合体ブロック(i)に含まれる炭素−炭素不飽和二重結合の90モル%以上が水素添加されているブロック共重合体(A)からなる水添スチレン系エラストマー層と;
重合体主鎖の一部に共役ジエン系重合体ブロックを有するブロック共重合体(B)および重合体主鎖の実質的に全部が共役ジエン系重合体であるグラフト共重合体(C)から選ばれる共役ジエン系共重合体からなる接着層;
とを有するジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ジエン系ゴムとの接着性に優れる水添スチレン系エラストマー積層体に関する。
近年、高分子材料に対する要求品質が高くなるに伴い、複数の特性(例えば、引張強さ、引張弾性、硬さ、耐磨耗性、耐熱性、耐寒性、耐油性、耐薬品性、耐候性、成型加工性など)を有する材料が期待されている。例えばゴムの特性と、そのゴムの特性と異なる特性(例えば、樹脂の特性である高弾性など)とを有する材料が要求されている。そこで、樹脂成形部材とゴム成形部材とを接合し一体化することにより、樹脂とゴムとの特性を有する複合体として利用されることがある。
芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックと、水素添加(以下、「水添」と記載することがある)された共役ジエン化合物からなる重合体ブロックを有するブロック共重合体は、水添スチレン系エラストマーとして一般に知られている。一般的にジエン系ゴムよりも耐候性に優れるほか、化学的な架橋構造を有していないため種々の成形法により成形することが可能であり、所謂一般的なゴムとは異なる特性を有することが知られている。
しかしながら、水添スチレン系エラストマーとゴム、例えばジエン系ゴムとを複合体として用いる場合、水添スチレン系熱可塑性エラストマーとジエン系ゴムとの間には接着性が乏しく、実用的に十分な接着強度を有しているとは言い難い。
上記の接着性を改善したものとしては、例えば、ラジカル発生剤などの加硫剤を含有する未加硫ゴム層を介して、未加硫ゴム組成物、半加硫ゴム部材、加硫ゴム部材から選択されたゴムエレメントと、未成形樹脂組成物、半成形樹脂部材、成形樹脂部材から選択された樹脂エレメントとを接着する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)が、本発明者らによる当該発明の追試の結果、接着性は依然不十分であり、実用上問題の無いレベルの接着強度であるとは言い難い。
特開2004−42486号公報
本発明の目的は、ジエン系ゴムとの接着性に優れる水添スチレン系エラストマー積層体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の要件を満たす水添スチレン系エラストマー積層体が、ジエン系ゴムとの接着性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(i)を1個以上およびビニル芳香族化合物単位からなる重合体ブロック(ii)を2個以上有し、重合体ブロック(i)に含まれる炭素−炭素不飽和二重結合の90モル%以上が水素添加されているブロック共重合体(A)からなる水添スチレン系エラストマー層と;
主鎖の少なくとも一部に共役ジエン系重合体を有する、ブロック共重合体(B)又はグラフト共重合体(C)から選ばれる共役ジエン系共重合体からなる接着層;
とを有するジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体
に関する。
本発明によれば、ジエン系ゴムとの接着性に優れる水添スチレン系エラストマー積層体が提供される。
本発明のジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体は、ブロック共重合体(A)からなる水添スチレン系エラストマー層と、主鎖の少なくとも一部に共役ジエン系重合体を有する、ブロック共重合体(B)又はグラフト共重合体(C)から選ばれる共役ジエン系共重合体からなる接着層とを有する積層体である。
本発明において、水添スチレン系エラストマー層は、共役ジエン化合物からなる重合体ブロック(i)を1個以上、およびビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック(ii)を2個以上有し、重合体ブロック(i)に含まれる炭素−炭素不飽和二重結合の90モル%以上が水素添加されているブロック共重合体(A)で構成されている。ブロック共重合体(A)のブロック連鎖構造については上記条件を満たしていれば特に制限されず、例えば(ii)−(i)−(ii)型のトリブロック連鎖、(ii)−(i)−(ii)−(i)型のテトラブロック連鎖、(ii)−(i)−(ii)−(i)−(ii)型および(i)−(ii)−(i)−(ii)−(i)型のペンタブロック型連鎖などを挙げることができる。これらの中でも製造容易性、および水添スチレン系エラストマー積層体の力学物性の観点から(ii)−(i)−(ii)型のトリブロック連鎖であることが好ましい。
ブロック共重合体(A)において、重合体ブロック(i)の形成に用いる共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられる。中でも入手容易性、工業的経済性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。また本発明の効果を損なわない範囲であれば、例えばスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族化合物が共重合されていてもよい。
ブロック共重合体(A)において、重合体ブロック(ii)の形成に用いるビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の芳香環に置換基を有していてもよいスチレン系化合物、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等のα−置換スチレン系化合物、4,α−ジメチルスチレンなどのα位と芳香環が置換基を有するスチレン系化合物等が挙げられる。中でも工業的経済性、および重合の容易性の観点から、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレンが好ましく、α−メチルスチレンであるのが、得られるブロック共重合体(A)の高温下での力学物性の観点でより好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ブロック共重合体(A)において、重合体ブロック(ii)の質量分率に特に制限はないが、熱可塑性エラストマーとしての性能の観点から、60質量%未満、さらには50質量%未満であることが好ましい。重合体ブロック(ii)の質量分率が60質量%を超える場合には、樹脂的性質が強くなるためエラストマーとしての性能に劣るため好ましくない。
ブロック共重合体(A)の分子量に特に制限はないが、好ましくは10,000〜2,000,000、より好ましくは30,000〜1,000,000の範囲である。分子量が10,000以下の場合には、水添スチレン系エラストマー積層体の力学物性が不十分となり好ましくなく、一方、2,000,000以上の場合には成形性に劣るため好ましくない。なお、ここで言う分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される数平均分子量(Mn)を指す。
上記の接着層を構成する共役ジエン系共重合体は、重合体主鎖の一部に共役ジエン系重合体ブロックを有するブロック共重合体(B)および重合体主鎖の実質的に全部が共役ジエン系重合体であるグラフト共重合体(C)から選ばれるいずれか一方または両方である。
主鎖の一部に共役ジエン系重合体ブロックを有するブロック共重合体(B)とは、共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(iii)を有しているブロック共重合体であれば、他の重合体ブロックに特に制限はないが、本発明の水添スチレン系エラストマー積層体とジエン系ゴムとの接着性の観点から、他の重合体ブロックは、ビニル芳香族化合物単位または(メタ)アクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(iv)であることが好ましく、製造容易性の観点からビニル芳香族化合物単位からなることがより好ましい。
重合体ブロック(iii)を構成する共役ジエン化合物単位としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等からなる単位が挙げられる。中でも入手容易性、工業的経済性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンからなる単位が好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。また本発明の効果を損なわない範囲であれば、例えばスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族化合物が共重合されていてもよい。
重合体ブロック(iii)に含まれる炭素−炭素不飽和二重結合は、その耐候性等を改善する目的でその一部分が水添されていてもよいが、水添率は20モル%以下であることが水添スチレン系エラストマー積層体のジエン系ゴムとの接着性の観点から好ましい。
重合体ブロック(iv)を構成することのできるビニル芳香族化合物単位としては、例えば、スチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の芳香環に置換基を有していてもよいスチレン系化合物、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等のα−置換スチレン系化合物、4,α−ジメチルスチレンなどのα位と芳香環が置換基を有するスチレン系化合物等からなる単位が挙げられる。
重合体ブロック(iv)を構成することのできる(メタ)アクリル酸エステル単位としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−s−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;等からなる単位が挙げられる。
これらのなかでも、水添スチレン系エラストマー積層体のジエン系ゴムとの接着性の観点から、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチルからなる単位であることが好ましく、重合容易性の観点から、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレンからなる単位であることがより好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記した好ましいブロック共重合体(B)のブロック連鎖は、重合体ブロック(iii)を1個以上、および重合体ブロック(iv)を1個以上有していれば特に制限はなく、例えば、(iii)−(iv)のジブロック共重合体、(iii)−(iv)−(iii)、(iv)−(iii)−(iv)のトリブロック共重合体、(iii)−(iv)−(iii)−(iv)のテトラブロック共重合体などが挙げられる。これらの中でも、製造容易性、の観点から(iii)−(iv)のジブロック共重合体、(iv)−(iii)−(iv)のトリブロック共重合体が好ましく、水添スチレン系エラストマー積層体(iv)−(iii)−(iv)のトリブロック共重合体がより好ましい。
上記ブロック共重合体(B)において、重合体ブロック(iii)がブロック共重合体に占める質量分率に特に制限はないが、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%である。重合体ブロック(iii)の質量分率がこの範囲内である場合には水添スチレン系エラストマー積層体とジエン系ゴムとの接着性が向上する。
上記ブロック共重合体(B)の分子量に特に制限は無いが、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜500,000である。分子量が5,000以下の場合には水添スチレン系エラストマー積層体とジエン系ゴムの接着力が低下し好ましくなく、分子量が1,000,000以上の場合には成形時等の取り扱い性が低下するため好ましくない。尚、ここで言う分子量とはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される数平均分子量(Mn)を指す。
上記の重合体主鎖の実質的に全部が共役ジエン系重合体であるグラフト共重合体(C)とは、幹として共役ジエン系重合体を構成成分とする重合体鎖と、枝として他の成分からなる重合体鎖を有するグラフト共重合体を指す。
上記したグラフト共重合体(C)において、共役ジエン系重合体鎖としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴムから選ばれるジエン系ゴムを用いることができる。中でも入手容易性、工業的経済性の観点から天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムであることが好ましく、中でも天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムがより好ましい。
上記したグラフト共重合体(C)において、他の成分からなる重合体鎖を構成する成分に特に制限はないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等のビニルエステル化合物などのビニル化合物等からなる単位が挙げられる。これらのなかでも水添スチレン系エラストマー積層体とジエン系ゴムの接着性の観点から、ビニル芳香族化合物または(メタ)アクリル酸エステルからなる単位が好ましく、入手容易性の観点からメタクリル酸メチル単位がより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
グラフト共重合体における他の成分からなる重合体鎖の質量分率に特に制限は無いが、水添スチレン系エラストマー積層体とジエン系ゴムとの接着力の観点から、3質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。他の成分からなる重合体鎖の質量分率が3質量%未満である場合には、水添スチレン系エラストマー積層体とジエン系ゴムの接着力が低下し好ましくない。
本発明における水添スチレン系エラストマー層を構成するブロック共重合体(A)および接着層を構成することのできるブロック共重合体(B)の製造方法については特に制限はなく、例えば、リビングアニオン重合法を用いて製造することができる。この場合、アルキルリチウム化合物等のアニオン重合開始剤の存在下、n−ヘキサンやシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の不活性有機溶媒中で、ビニル芳香族化合物、共役ジエン化合物を逐次重合させて得ることができる。
リビングアニオン重合によりブロック共重合体を製造するにあたり、反応を円滑に進行させるために分子内にアニオン種と反応する官能基(水酸基、カルボニル基等)を持たず、酸素原子、窒素原子などの複素原子を有する極性化合物を、不活性有機溶媒に共存させて用いてもよい。その際の極性化合物としては、通常のリビングアニオン重合で採用されている手法に準じて適当なものを選択することができ、ジエチルエーテル、モノグライム、ジグライム、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
またリビングアニオン重合によりブロック共重合体を製造するにあたり、必要に応じて多官能性カップリング剤を用いてもよい。多官能性カップリング剤としては、通常のリビングアニオン重合で採用されている手法に準じて適当なものを選択することができ、安息香酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸エチル、酢酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸フェニル、ピバリン酸エチル、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、ビス(クロロメチル)エーテル、ジブロモメタン、ジヨードメタン、フタル酸ジメチル、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
またリビングアニオン重合によりブロック共重合体を製造するにあたり、必要に応じて官能性キャッピング剤を用いてブロック共重合体末端に官能基を導入してもよい。官能性キャッピング剤としては、通常のリビングアニオン重合で採用される手法に準じて適当なものを選択することができ、水酸基を導入できるキャッピング剤(エチレンオキシド等のアルキレンオキシド類等)、カルボキシル基を導入できるキャッピング剤(二酸化炭素等)、アミノ基を導入できるキャッピング剤(エチレンイミン等のイミン化合物等)、メルカプト基を導入できるキャッピング剤(二硫化炭素、硫黄原子、およびエチレンスルフィド等のアルキレンスルフィド類等)等を挙げることができる。
ブロック共重合体の共役ジエン系化合物に由来する炭素−炭素二重結合の水素添加の方法としては特に限定されないが、例えばNi/Al系チーグラー触媒の存在下にブロック共重合体と水素とを反応させる方法等が挙げられる。
本発明に用いることのできるグラフト共重合体(C)の製造方法については特に制限はなく、例えばジエン系ゴムと重合性単量体、ラジカル発生剤と必要に応じて溶剤、分散媒等を用いて加熱してラジカルグラフト重合を行う方法などにより製造することができ、例えば、天然ゴムラテックスを基材としてメタクリル酸メチルをグラフト重合したゴムラテックス等が一般に知られている。これらは例えばレヂテックス社よりレヂテックスMGシリーズとして市販されており、これらを用いてもよい。
本発明の水添スチレン系エラストマー積層体を構成する接着層、および/又は水添スチレン系エラストマー層に、ジエン系ゴムとの接着性を向上する目的で、上記成分に加え、必要に応じて硫黄や有機過酸化物などの加硫剤を配合してもよい。有機過酸化物の例としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルオキサイド、p−メンタンヒドロペルオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。有機過酸化物の配合量は、本発明の効果を実質的に損なわない範囲であれば特に制限は無く、一般には接着層、および/又は水添スチレン系エラストマー層100質量部に対し、0.01〜10質量部であることが好ましい。
本発明の水添スチレン系エラストマー積層体を構成する接着層、および/又は水添スチレン系エラストマー層には、一般のスチレン系エラストマーで行われるように、他の熱可塑性樹脂、軟化剤、無機充填剤、染顔料、添加剤等を混合してもよい。
本発明の水添スチレン系エラストマー積層体に用いることのできる熱可塑性樹脂としては、本発明の効果を実質的に損なわないものであれば特に制限は無く、例えばポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド6・10、ポリアミド11、ポリアミド12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、スチレン単独重合体、α−メチルスチレン単独重合体、スチレン・α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体等の(メタ)アクリレート系樹脂、天然ゴム、合成イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
本発明のスチレン系エラストマー積層体に用いることのできる軟化剤としては、例えば、パラフィンオイル、ナフテンオイル、アロマオイル等の炭化水素系オイル等が挙げられる。
本発明のスチレン系エラストマー積層体に用いることのできる無機充填剤や染顔料としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化チタン等を挙げることができる。
本発明のスチレン系エラストマー積層体に用いることのできる添加剤としては、滑剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、シリコンオイル、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、発泡剤、香料等が挙げられる。
本発明の水添スチレン系エラストマー積層体の製造方法には特に制限は無いが、各々作製した接着層と水添スチレン系エラストマー層とを重ね合わせる方法、貼り合わせる方法、熱ラミネートする方法、複層押出成形、二色成形等の一括で作製する方法、溶剤あるいは分散媒に溶解、分散した接着層成分のラテックスを塗布する方法や、これらの操作を行った後に熱処理を行う方法などを採用することができる。
本発明の水添スチレン系エラストマー積層体の引張破断強度について特に制限はないが、実用的強度の観点から15MPa以上であることが好ましい。引張破断強度が15MPa以下である場合には、エラストマーとしての強度が劣り好ましくない。
また本発明の水添スチレン系エラストマー積層体の引張破断伸びについて特に制限はないが、エラストマーとしての機能の観点から100%以上であることが好ましく、より好ましくは200%以上である。引張破断伸びが100%以下である場合には、エラストマーとしての性能に劣ることから好ましくない。
本発明の水添スチレン系エラストマー積層体のジエン系ゴムへの接着力は、例えば、JIS K6256に従い剥離強さを測定することにより求めることができる。水添スチレン系エラストマー積層体と加硫ジエン系ゴムの複合体が十分な実用的強度を有するとの観点から、水添スチレン系エラストマー積層体と加硫ジエン系ゴムの剥離強さは、好ましくは2.5N/mm以上、より好ましくは3N/mm以上である。剥離強さが2.5N/mm未満である場合には、複合体の実用的強度が劣るため好ましくない。上記の剥離強さとは、接着層の界面剥離に加えて、どちらか片方の層の材料破壊、接着層の凝集破壊をも含むものとする。
上記したジエン系ゴムとは、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム、ニトリルブタジエンゴムから選ばれる1種類以上のジエン系ゴムと加硫剤を少なくとも含有してなるジエン系ゴム組成物を指す。ジエン系ゴム組成物には、上記したジエン系ゴムと加硫剤に加え、カーボンブラック、シリカ等の無機充填剤、ナフテンオイル等の軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、加硫促進助剤、ステアリン酸、亜鉛華、シランカップリング剤等が目的に応じ適宜配合されていてもよい。
本発明の水添スチレン系エラストマー積層体とジエン系ゴムの接着方法はとしては、例えば未加硫ジエン系ゴム組成物を用い、積層体の接着層面が、加硫剤を含有する未加硫または半加硫のジエン系ゴム組成物と接触するように配置し、加硫接着する方法、加硫ジエン系ゴム組成物を用い、積層体の加硫剤を含有させた接着層面が加硫ジエン系ゴムと接触するように配置し加硫接着する方法等が挙げられる。これらのうちでも、工程の容易性から加硫剤を含有する未加硫のジエン系ゴム組成物を用い加硫接着を行う方法を採用することが好ましい。
以下、本発明を実施例等により具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されるものではない。また、以下の実施例、比較例において用いた測定機器および測定方法、使用材料を示す。
(1)核磁気共鳴スペクトル(1H−NMRスペクトル)によるブロック共重合体の分子構造の解析
機器 : 日本電子社製核磁気共鳴装置(JNM−LA)
溶媒 : 重クロロホルム
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)の測定
機器 : 東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフ(HLC−8020)
カラム : 東ソー社製TSKgel GMHXL、G4000HXLおよびG5000HXLを直列に連結
溶離液 : テトラヒドロフラン、流量1.0ml/分
カラム温度 : 40℃
検量線 : 標準ポリスチレンを用いて作成
検出方法 : 示差屈折率(RI)
(3)引張破断強度、引張破断伸びの測定
圧縮成形により作製した厚さ2mmのシートからダンベル状3号形試験片を打ち抜いて作製し、JIS K6251に準拠して、万能材料試験機(インストロンジャパン社製「TM−MS−134」)を用い、500mm/分の条件下で測定した。
(4)ジエン系ゴムとの接着性試験
表1に示した割合で各種材料を配合して作製した厚さ2mmの未加硫ゴムシートと、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の厚さ2mmのシートを重ね、170℃で15分間加硫接着を行った。接着したサンプルを25mm幅の短冊状に切り出し、JIS K6256に準拠して、万能材料試験機(インストロンジャパン社製「TM−MS−134」)を用い、90°、500mm/分の条件下で剥離強さを測定した。また、試験後の試験片の剥離状態を観察し、以下のように分類した。
A : 加硫ジエン系ゴムが材料破壊
B : 水添スチレン系エラストマー層が材料破壊
C : 接着層が凝集破壊
D : 水添スチレン系エラストマー層と加硫ジエン系ゴムが界面剥離
Figure 2007152751
《参考製造例1》 水添スチレン系エラストマー(A−1)の製造
(1)窒素置換を十分に行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン152g、シクロヘキサン221g、ヘキサン38.5gおよびテトラヒドロフラン9.6gを投入した。
(2)続いてsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液10mL(sec−ブチルリチウムとして10ミリモル)を投入し、−10℃で3時間重合反応を行った。重合開始5時間後のポリα−メチルスチレン(重合体ブロック(i)に相当)のMn、Mw/MnをGPCにより測定したところ、Mn=10500、Mw/Mn=1.05であり、α−メチルスチレンの重合転化率は90%であった。
(3)次に、1,3−ブタジエン10gを加え30分間攪拌した後、10℃まで昇温しシクロヘキサン109gを加えて重合溶液を希釈した。続いて重合溶液317gを抜き取り、さらにシクロヘキサン524gを加えた。
(4)次に、1,3−ブタジエン128gを加え、50℃で2時間重合を行った。この時点のサンプリングで得られたポリマーのMn、Mw/MnをGPCにより測定したところ、Mn=59700、Mw/Mn=1.05、H−NMR測定から求めたポリブタジエン部の1,4−結合量は60モル%であった。
(5)続いて、安息香酸フェニルのシクロヘキサン溶液10mL(安息香酸フェニルとして2.64ミリモル)をゆっくりと加え50℃にて1時間攪拌した。攪拌終了後、少量の脱気したメタノールを加えて重合を完結させた。得られたポリマーの数平均分子量をGPCにより測定したところ、Mn=119600、Mw/Mn=1.06であった。H−NMR測定から求めたα−メチルスチレン重合体ブロックの質量分率は30質量%、1,3−ブタジエン重合体ブロックの1,4−結合量は60モル%であった。
(6)オクチル酸ニッケルとトリイソブチルアルミニウムの反応生成物を水添触媒として上記(5)で得られた溶液に添加し、水素をオートクレーブ内に導入することで水添反応を行った。水添反応は水添触媒導入後、1時間かけて50℃まで昇温した後、7時間行った。得られた溶液をクエン酸と過酸化水素の水溶液、水で十分に洗浄して水添触媒を除去した後、有機層をアセトン/メタノール混合溶媒に注いでブロック共重合体を沈殿させた。得られたブロック共重合体をメタノールにて十分に洗浄し、0.1質量部の酸化防止剤(チバ・スペシャリティーズ・ケミカル社製「Irganox1010」)を添加し、60℃で真空乾燥して水添スチレン系エラストマー(A−1)を得た。
《参考製造例2》 水添スチレン系エラストマー(A−2)の製造
上記参考製造例1において、工程(6)における水添反応の時間を4時間に変更すること以外は同様の操作を行い水添スチレン系エラストマー(A−2)を得た。水添スチレン系エラストマー(A−2)の分子構造を表2に示す。
《参考製造例3》 水添スチレン系エラストマー(A−3)の製造
上記参考製造例1において、工程(5)において安息香酸フェニルを用いなかったこと以外は同様の操作を行い水添スチレン系エラストマー(A−3)を得た。水添スチレン系エラストマー(A−3)の分子構造を表2に示す。
Figure 2007152751
《参考製造例4》 ブロック共重合体(B−1)の製造
(1)十分に窒素置換を行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン118g、シクロヘキサン179g、ヘキサン20gおよびテトラヒドロフラン8gを投入した。
(2)続いてsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液16.5mL(sec−ブチルリチウムとして21.4ミリモル)を投入し、−10℃で3時間重合を行った。重合開始3時間後のポリα−メチルスチレンのMn、Mw/MnをGPCにより測定したところ、Mn=5100、Mw/Mn=1.05であり、α−メチルスチレンの重合添加率は89%であった。
(3)次にブタジエン20gを加え30分間攪拌したのち、10℃まで昇温しシクロヘキサン150gを加えて重合溶液を希釈した。続いて重合溶液193gを抜き取り、さらにシクロヘキサン640gを加えた。
(4)次に、ブタジエン283gを加え、50℃で2時間重合を行った。この時点のサンプリングで得られたポリマーのMn、Mw/MnをGPCにより測定したところ、Mn=49000、Mw/Mn=1.05であった。H−NMR測定から求めたα−メチルスチレン重合体ブロックの質量分率は18質量%、ポリブタジエン部の1,4−結合量は66%であった。
(5)続いて、安息香酸フェニルのシクロヘキサン溶液30mL(安息香酸フェニルとして6.55ミリモル)をゆっくりと加え50℃にて1時間攪拌した。攪拌終了後、少量の脱気したメタノールを加えて重合を完結させた。得られたポリマーの数平均分子量をGPCにより測定したところ、Mn=98000、Mw/Mn=1.04であった。H−NMRから求めたα−メチルスチレン重合体ブロックの質量分率は18質量%、ブタジエン重合体ブロックの1,4−結合量は66%であった。
(6)得られた重合溶液を水で十分に洗浄したのち、有機層をアセトン/メタノール混合溶媒に注いでブロック共重合体を沈殿させた。得られたブロック共重合体をメタノールで十分に洗浄し、0.1質量部の酸化防止剤(チバ・スペシャリティーズ・ケミカル社製「Irganox1010」)を添加し、60℃で真空乾燥してブロック共重合体(B−1)を得た。
《参考製造例5》 ブロック共重合体(B−2)〜(B−3)の製造
上記参考製造例4の工程(5)までは参考製造例4と同様にしてブロック共重合体の溶液を得た。この溶液に、水添触媒としてオクチル酸ニッケルとトリイソブチルアルミニウムの反応生成物を添加し、水素をオートクレーブ内に導入することで水添反応を行った。水添反応は室温で行い、反応時間により得られるブロック共重合体の水添率を制御した。得られた溶液をクエン酸と過酸化水素の水溶液、水で十分に洗浄して水添触媒を除去した後、有機層をアセトン/メタノール混合溶媒に注いでブロック共重合体を沈殿させた。得られたブロック共重合体をメタノールにて十分に洗浄し、0.1質量部の酸化防止剤(チバ・スペシャリティーズ・ケミカル社製「Irganox1010」)を添加し、60℃で真空乾燥してブロック共重合体(B−2)、および(B−3)を得た。(B−2)および(B−3)の分子構造を表3に示す。
《参考製造例6》 ブロック共重合体(B−4)の製造
(1)十分に窒素置換を行ったオートクレーブ中に、α−メチルスチレン118g、シクロヘキサン179g、ヘキサン20gおよびテトラヒドロフラン4gを投入した。
(2)続いてsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液7.6mL(sec−ブチルリチウムとして9.9ミリモル)を投入し、−10℃で3時間重合を行った。重合開始3時間後のポリα−メチルスチレンのMn、Mw/MnをGPCにより測定したところ、Mn=11000、Mw/Mn=1.04であり、α−メチルスチレンの重合転化率は90%であった。
(3)次にイソプレン9.9gを加え30分間攪拌したのち、10℃まで昇温しシクロヘキサン300gを加えて重合溶液を希釈した。続いて重合溶液450.2gを抜き取り、さらにシクロヘキサン800gを加えた。
(4)次に、イソプレン348gを加え、50℃で2時間重合を行った後、少量の脱気したメタノールを加えて重合を完結させた。得られた重合溶液を水で十分に洗浄したのち、有機層をアセトン/メタノール混合溶媒に注いでブロック共重合体を沈殿させた。得られたブロック共重合体をメタノールで十分に洗浄し、0.1質量部の酸化防止剤(チバ・スペシャリティーズ・ケミカル社製「Irganox1010」)を添加し、60℃で真空乾燥してブロック共重合体(B−4)を得た。得られたブロック共重合体(B−4)のMn、Mw/MnをGPCにより測定したところ、Mn=448000、Mw/Mn=1.08であった。
ブロック共重合体(B−5)として、以下の商品を用いた。
ブロック共重合体(B−5) : ポリスチレン−ビニルイソプレン−スチレンブロック共重合体(クラレ社製 ハイブラー5125 スチレン含量20%)
Figure 2007152751
グラフト共重合体(C−1)、(C−2)、(C−3)として、以下の商品を用いた。
グラフト共重合体(C−1) : 天然ゴムにメタクリル酸メチルを25質量%グラフト重合したラテックス、固形分濃度51質量% (レヂテックス社製 「レジテックスMG−25」)
グラフト共重合体(C−2) : 天然ゴムにメタクリル酸メチルを40質量%グラフト重合したラテックス、固形分濃度53質量% (レヂテックス社製 「レジテックスMG−40S」)
グラフト共重合体(C−3) : 天然ゴムにメタクリル酸メチルを67質量%グラフト重合したラテックス、固形分濃度51質量% (レヂテックス社製 「レジテックスMG−67」)
Figure 2007152751
《実施例1〜5》 ジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体の製造
水添スチレン系エラストマー(A−1)の圧縮成形シート(厚さ 2mm)と、ブロック共重合体(B−1)〜(B−5)の圧縮成形フィルム(厚さ 0.2mm)を重ね合わせ、180℃で5分間熱処理してジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体を作製した。作製したジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体について引張破断強度、引張破断伸び、ジエン系ゴムとの接着性を評価したところ表5に示す通りであった。
《実施例6〜8》 ジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体の製造
水添スチレン系エラストマー(A−1)の圧縮成形シート(厚さ2mm)に、グラフト共重合体(C−1)〜(C−3)のラテックスを塗布した後に自然乾燥し、水添スチレン系エラストマー(A−1)シート上に厚さ0.2mmのグラフト共重合体層を有するジエン系ゴム接着用水添スチレン系積層体を製造した。作製したジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体について、引張破断強度、引張破断伸び、ジエン系ゴムとの接着性を評価したところ表5に示す通りであった。
Figure 2007152751
《比較参考例1》 接着層として未加硫ジエン系ゴムと加硫剤を含有する組成物を有する水添スチレン系エラストマー積層体の製造
水添スチレン系エラストマー(A−1)の圧縮成形シート(厚さ2mm)に、未加硫ジエン系ゴムとしてポリイソプレン(クラレ社製 「LIR−50」)10g、および加硫剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(日本油脂社製 「パーヘキシン25B」)1.43g(5ミリモル)、n−ヘキサンを10gからなる溶液を塗布して乾燥し、水添スチレン系エラストマー(A−1)のシート上に厚さ0.2mmのポリイソプレン/加硫剤層を有するジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体を製造した。作製したジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体について引張破断強度、引張破断伸び、ジエン系ゴムとの接着性を評価したところ表6に示す通りであった。
《比較例1》 水添スチレン系エラストマー
水添スチレン系エラストマー(A−1)の圧縮成形シート(厚さ 2mm)について、引張破断強度、引張破断伸び、ジエン系ゴムとの接着性を評価したところ表6に示す通りであった。
《比較例2》 ジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体の製造
参考製造例1において、加硫剤を用いなかった以外は同様の操作を行い、ジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体を製造した。作製したジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体について引張破断強度、引張破断伸び、ジエン系ゴムとの接着性を評価したところ表6に示す通りであった。
《比較例3および4》 ジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体の製造
水添スチレン系エラストマー(A−2)、(A−3)の圧縮成形シート(厚さ 2mm)と、ブロック共重合体(B−1)の圧縮成形フィルム(厚さ 0.2mm)を重ね合わせ、180℃で5分間熱処理してジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体を作製した。作製したジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体について引張破断強度、引張破断伸び、ジエン系ゴムとの接着性を評価したところ表6に示す通りであった。
Figure 2007152751
表5より、特許文献1に開示されている方法に基づき、未加硫ゴムおよび加硫剤からなる接着層を有するジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体を用いた比較参考例1では、接着性が不十分である。
表5および表6より、水添スチレン系エラストマーが何ら接着層を有していない比較例1においては、本発明の構成要件を満たす接着層を有する実施例1〜8に比較し接着性が不十分である。
表5および表6より、接着層が本発明の構成要件を満たしていない比較例2においては、本発明の構成要件を満たす接着層を有する実施例6〜8に比べ接着性に劣り、十分であるとは言い難い。
表5および表6より、水添スチレン系エラストマーが本発明の構成要件を満たしていない比較例3においては、水添スチレン系エラストマーが本発明の構成要件を満たしている実施例1に比べ、積層体の引張破断強度が不十分であり好ましくない。
さらに表5および表6より、水添スチレン系エラストマーが本発明の構成要件を満たしていない比較例4においては、水添スチレン系エラストマーが本発明の構成要件を満たしている実施例1に力学強度、接着性ともに低下しており、該積層体が十分な実用的強度を有しているとは言い難い。
表5より、接着層に用いたブロック共重合体の重合体ブロック(i)の水添率が20モル%以上である実施例3に比べ、水添率が20モル%未満である実施例1、2、4、5では更に高い接着性が得られており、より好ましい事がわかる。
本発明により、ジエン系ゴムとの接着性と力学物性に優れるジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体が提供される。

Claims (4)

  1. 共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(i)を1個以上およびビニル芳香族化合物単位からなる重合体ブロック(ii)を2個以上有し、重合体ブロック(i)に含まれる炭素−炭素不飽和二重結合の90モル%以上が水素添加されているブロック共重合体(A)からなる水添スチレン系エラストマー層と;
    主鎖の少なくとも一部に共役ジエン系重合体を有する、ブロック共重合体(B)又はグラフト共重合体(C)から選ばれる共役ジエン系共重合体からなる接着層;
    とを有するジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体。
  2. ブロック共重合体(A)の重合体ブロック(ii)を構成するビニル芳香族化合物単位がα−メチルスチレン単位である、請求項1に記載のジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体。
  3. 共役ジエン系共重合体がブロック共重合体(B)からなり、ブロック共重合体(B)が、共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(iii)を1個以上およびビニル芳香族化合物単位または(メタ)アクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(iv)を1個以上有し、重合体ブロック(iii)に含まれる炭素−炭素不飽和二重結合の20モル%以下が水素添加されていてもよいブロック共重合体である請求項1又は2に記載のジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体。
  4. 共役ジエン系共重合体がグラフト共重合体(C)からなり、グラフト共重合体(C)が、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴムから選ばれる1種類以上のジエン系ゴムからなる主鎖に、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合して得られる(メタ)アクリル酸エステルグラフトジエン系ゴムである請求項1又は2に記載のジエン系ゴム接着用水添スチレン系エラストマー積層体。
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