JP2007150916A - コミュニケーションシステム、端末装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベストエフォート型のネットワークに接続された2つの端末装置間で動画像データを送受信し、リアルタイムによる双方向のコミュニケーションを実現するコミュニケーションシステムにおいて、端末装置のそれぞれに、(a)相手先の端末装置より受信した動画像データに関する再生画質を判定し、再生画質情報として相手先に通知する再生画質判定部と、(b)自装置側での確認用に表示する送信画像の画質を、再生画質情報で通知された再生画質に制御する再生画質制御部とを搭載する。
【選択図】図9
Description
なお、発明者らが提案する発明は、コミュニケーションシステム、端末装置及びコンピュータプログラムとしての側面を有する。
しかし近年、帯域幅の狭いISDNに代わって、通信回線としてIP(internet protocol )ベースのインターネット網の利用が急激に増加している。
このため、輻輳やビットエラーによるパケット損失が発生する可能性がある。
この他、インターネット網では、上り回線の回線品質と下り回線の回線品質が一般に一致しない。
このため、従来のTV会議システムやTV電話システムでは、一方の画像は損失無く受信できていても、他方ではまったく受信できないという状況が発生することがある。
そこで、伝送路上での通信異常の発生を検出して受信状況が良好な使用者Aに通知する仕組みが提案されている。
(a)相手先の端末装置より受信した動画像データに関する再生画質を判定し、再生画質情報として相手先に通知する再生画質判定部
(b)自装置側での確認用に表示する送信画像の画質を、前記再生画質情報で通知された再生画質に制御する再生画質制御部
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
(a)システム構成
図1に、テレビ会議システムの構成例を示す。
図1は、ベストエフォート型のネットワークに接続される2台の端末装置A及びBで構成されるテレビ会議システムを示す。実際には、3台以上の端末装置がネットワークに接続されることも可能であるが、発明者が提案する処理機能は、図1に示す1対1の接続形態として実現される。なお、以下の説明では、ベストエフォート型のネットワークとして、パケット通信網104を使用する場合について説明する。
端末装置Bは、同じくテレビ会議の参加者を撮像する撮像装置106と、ネットワーク端末105と、受信画像を表示する表示デバイス107で構成される。
ここでは、端末装置が、撮像装置と、ネットワーク端末と、表示デバイスの複合システムとして構成されるものとして説明するが、これらの全て又は一部を1つの装置内に搭載することも可能である。
処理機能の1つは、撮像装置101から受け取った動画像データを圧縮符号化する処理機能である。この処理機能は、伝送効率の向上や記憶領域を有効活用のために搭載される。
処理機能の1つは、撮像装置101から受け取った動画像データ(送信画像)を表示デバイス102に表示する処理機能である。この処理機能は、送信画像の内容を送信元で確認することができるように搭載される。また、この処理機能は、相手先での送信画像の画質を確認するのにも使用される。
処理機能の1つは、復号結果としての受信画像の再生画質に関する情報(再生画質情報)を、通信相手であるネットワーク端末105に送信する処理機能である。
なお、表示デバイスは、ブラウン管、フラットパネルディスプレイ、プロジェクタのいずれでも良い。また、表示デバイスの台数は、1台に限る必要はなく、複数台とすることもできる。
また、このシステム例では、動画像(映像)をネットワーク端末に供給する送信装置として撮像装置101を例示するが、画像再生装置でも良い。
図2に、ネットワーク端末の内部構成例を説明する。なお、図2には図1との対応部分に同一符号を付して示す。もっとも、ネットワーク端末の内部構成はいずれも同じであるので、端末装置A側か端末装置B側かに関わらず、ネットワーク端末を構成する処理機能部には同一符号を付して示す。
ローカルバッファ205は、エンコーダ201で圧縮符号化された動画像データ(送信画像)を自装置側での確認用に保持する記憶領域である。
RTP(Realtime Transport Protocol )パケット作成部207は、送信バッファ203に保持されている動画像データをRTPパケットに変換する処理デバイスである。
再送要求処理部211は、RTPパケットの送信先(相手先)であるネットワーク端末105より再送要求が受信された場合に、再送すべきRTPパケットに対応する動画像データを送信バッファ203より探し、再びRTPパケット化してパケット通信網104に送信させる一連の処理を制御する処理デバイスである。
RTPパケット解析部215は、RTPパケット受信部213から転送されたRTPパケットを解析し、損失があった場合には再送要求送信部217に通知する処理デバイスである。
受信バッファ219は、受信したRTPパケットを保持する記憶領域である。
再生画質判定部221は、1フレームの画像を再生する際に、再生画質を判定する処理デバイスである。判定結果は、パケット通信網104を通じて、送信側のネットワーク端末に通知される。
再生画質制御部225は、相手先から通知された再生画質情報に基づいて、ローカルバッファ205からデコーダ223に転送するデータの階調を制御する処理デバイスである。
ここでは、JPEG2000の階層符号化について補足する。
図3に、JPEG2000の階層構造を示す。図中、「J2Kパケット」は、JPEG2000で階層符号化されたパケットを意味する。図3は、SNRプログレッシブ順序でJ2Kパケット化された例である。
一方、パケット番号の5番までのパケットが届けば、レイヤ1までに対応する受信画像を再生することができる。
このようにJPEG2000においては全てのパケットが届かなくとも、再生可能なレイヤまでの画像を再生することができる。
図4に、端末装置が相手先の端末装置に動画像データを送信する際の処理手順を説明する。
まず、ネットワーク端末103は、撮像装置101で撮像された動画像データを1フレーム分キャプチャし、エンコーダ201で圧縮符号化する(処理401)。
ネットワーク端末103は、圧縮符号化された動画像データを送信バッファ203に転送し、読み出しまで保持する(処理402)。
前述したように、JPEG2000等のコーデックを利用する場合において、送信画像の確認用(子画面表示用)に解像度の低い画像を残す場合には、全てのデータを保存せず、子画面に必要な解像度分のデータだけが保存される。
図5に、端末装置が相手先の端末装置から動画像データを受信する際に実行される一連の処理手順を説明する。
まず、ネットワーク端末105は、RTPパケット受信部213においてパケットを受信し、RTPパケット解析部215においてRTPパケットのヘッダを解析する(処理501、処理502)。
RTPパケットの再送を要求する場合は、再送動作が完了するまで受信画像の再生タイミングを待つ必要がある。このため、ネットワーク端末105は、画像再生タイミングまでこのループ処理を繰り返す(処理505)。
RTPパケットに損失があった場合、ネットワーク端末105は再生画像の品質を判定し、再生画質情報を送信元のネットワーク端末103に送信すると共に、再生した動画像データをデコーダ223に転送する(処理507)。
図6に示すように、最上位のレイヤ2まで再生できる場合には、再生画質情報の送信はない。これに対し、レイヤ1又はレイヤ0まで、又は全く再生できない場合には、再生可能であったレイヤ数に関する情報が再生画質情報パケットとして画像の送信元に送信される。
なお、「再生画質」とは、この例に示すようなレイヤ情報の他、カラーコンポーネント情報であったり、解像度情報でも良い。
再生画質情報を受信している場合、ネットワーク端末105は、送信画像の確認に使用する画像データを整形し、デコーダ223に出力する(処理509)。一方、再生画質情報を受信していない場合、ネットワーク端末105は、ローカルバッファ205に保持している確認用の画像データをそのままデコーダ223に出力する(処理510)。
ローカルバッファ205にレイヤ0、レイヤ1、レイヤ2の3つのレイヤからなるフレームデータが保存されている場合において、再生画質情報が受信されなかったとき、再生画質制御部225は、レイヤ2までの解像度で送信画像の再生を指示する。
図8に、再生画質情報のフォーマット例を示す。なお、図8は、送信単位がフレームの場合である。
このフォーマットでは、画像フレームを特定する識別子(すなわちフレームID)と、再生できたレイヤ数のフィールドのみを持つ。画像を特定する識別子が存在しない場合には、このフィールドを“0”とする。また、ある画像について再生できたレイヤがない場合には、レイヤのフィールドに“0”を入れる。
なお、レイヤフィールドに“0”が入った再生画質情報を受け取った場合、再生画質制御部225は、前回デコードした画像データを再度デコード対象に選択することで送信画像確認用の画像を静止(フリーズ)させる。
図9に、テレビ会議中の表示画面例を示す。図9(A)は、端末装置Aの表示デバイスに表示される画面例であり、図9(B)は、端末装置Bの表示デバイスに表示される画面例である。
図9(A)に示す表示画面901は、主画面902と小画面903で構成される。主画面902には、端末装置Bからパケット通信網経由で受信された受信画像が表示される。また、小画面903には、端末装置Bにパケット通信網経由で送信した送信画像が表示される。
通常、小画面に表示される送信画像は、自装置内での処理であるためパケット通信網上での通信状態の影響を受けない。しかし、この具体例のように再生画質制御部225を搭載したことで、端末装置B側での受信画像(図9(B))の画質低下の程度と同じ画質の低下が端末装置A側の子画面(図9(A))にて確認できる。
なお、小画面に表示する送信画像の表示タイミングを制御すれば、画面の乱れ又は欠落の生じた画像フレームを一致させることができる。もっとも、画面の乱れの発生を双方が認識できれば良いという限りにおいては、相手先で画質の低下等が発生した画像フレームと、自装置側の小画面で画質が低下する画像フレームとの間には時間的なズレが発生しても良い。
以上のように、通信相手側での表示画像の画質の低下等に連動して、自装置側でも小画面に表示している送信画像の画質を低下させる機能を搭載することにより、ベストエフォート型のネットワーク経由でテレビ会議を開催する場合にも、より正確なコミュニケーションを実現することができる。
すなわち、従来システムのように、自装置側での小画面には常に同一画質の送信画像が表示されることで、相手方の受信状態を認識できない不都合を解決することができる。
また例えば、会話を再開する場合にも、送信側ではどの時点から会話を再開すれば良いかを容易に認識できるため、お互いが共通の認識の下に会話を再開することができる。
この結果、非常に使い勝手の良いテレビ会議システムを実現することができる。
(a)前述したシステム例の動作説明では、主にJPEG2000方式でフレーム内符号化した動画像データを相手先に送信する場合を例に説明したが、MPEG等でフレーム間符号化した動画像データを相手先に送信する場合にも適用できる。
図10にこの場合の例を示す。MPEG等のフレーム間符号化方式は、1フレームの損失が他の複数フレームに影響する可能性がある。
図10は、上段が送信側の画像表示例であり、下段が受信側の画面表示例である。図10に示すように、再生画質情報のフィードバックにより送信側で確認用に表示される送信画像の画質は、受信側での画質低下に連動していることが分かる。
ただし、再生画質情報には、欠落フレーム(フレーム内符号化されたフレームやフレーム間符号化されたフレームを含む。)を特定する情報、欠落パケットを特定する情報その他を用いることもできる。これらの情報を用いても、前述したシステム例と同様の効果を実現することができる。
(d)前述のシステム例を構成する端末装置は、据え置き型の装置でも携帯型の装置でも良い。また、ベストエフォート型のネットワークとの接続は、有線ケーブルを用いても良いし、無線波を用いても良い。
また、これらの処理機能の全てをハードウェア又はソフトウェアで実現するだけでなく、その一部はハードウェア又はソフトウェアを用いて実現しても良い。すなわち、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ構成としても良い。
(f)前述の形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
217 再送要求送信部
221 再生画質判定部
225 再生画質制御部
902 主画面(受信画像)
903 小画面(送信画像)
905 主画面(受信画像)
906 小画面(送信画像)
Claims (13)
- ベストエフォート型のネットワークに接続された2つの端末装置間で動画像データを送受信し、リアルタイムによる双方向のコミュニケーションを実現するコミュニケーションシステムにおいて、
端末装置のそれぞれに、
相手先の端末装置より受信した動画像データに関する再生画質を判定し、再生画質情報として相手先に通知する再生画質判定部と、
自装置側での確認用に表示する送信画像の画質を、前記再生画質情報で通知された再生画質に制御する再生画質制御部と
を搭載したことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記再生画質情報は、最終的に復号化できた画像データの階層情報として与えられる
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記再生画質情報は、欠落したフレームを特定する情報として与えられる
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記再生画質情報は、欠落したパケットを特定する情報として与えられる
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記再生画質情報は、最終的に復号化できたフレーム間符号化フレームの欠落情報である
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記再生画質情報は、最終的に復号化できたフレーム内符号化フレームの欠落情報である
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記生成画質制御部は、画質の制御対象である画像フレームが画質再生情報で指定された画像フレームに一致するように、自装置内部における送信画像の読み出しを制御する
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記生成画質制御部は、画質再生情報の受信時点に自装置側で表示されている任意の画像フレームの画質を制御する
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記端末装置は、無線通信機能を搭載する
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記端末装置は、テレビ会議サービス用の端末装置である
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - 請求項1に記載のコミュニケーションシステムにおいて、
前記端末装置は、テレビ電話サービス用の端末装置である
ことを特徴とするコミュニケーションシステム。 - ベストエフォート型のネットワークに接続された相手方の端末装置との間で動画像データを送受信し、リアルタイムによる双方向のコミュニケーションを実現する端末装置において、
相手先の端末装置より受信した動画像データに関する再生画質を判定し、再生画質情報として相手先に通知する再生画質判定部と、
自装置側での確認用に表示する送信画像の画質を、前記再生画質情報で通知された再生画質に制御する再生画質制御部と
を搭載したことを特徴とする端末装置。 - ベストエフォート型のネットワークに接続された相手方の端末装置との間で動画像データを送受信し、リアルタイムによる双方向のコミュニケーションを実現する端末装置に搭載されるコンピュータに、
相手先の端末装置より受信した動画像データに関する再生画質を判定し、再生画質情報として相手先に通知する処理と、
自装置側での確認用に表示する送信画像の画質を、前記再生画質情報で通知された再生画質に制御する処理と
を実行させるコンピュータプログラム。
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