JP2007150109A - 金属膜作製方法及び金属膜作製装置 - Google Patents

金属膜作製方法及び金属膜作製装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007150109A
JP2007150109A JP2005344542A JP2005344542A JP2007150109A JP 2007150109 A JP2007150109 A JP 2007150109A JP 2005344542 A JP2005344542 A JP 2005344542A JP 2005344542 A JP2005344542 A JP 2005344542A JP 2007150109 A JP2007150109 A JP 2007150109A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
metal film
metal
pattern
precursor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005344542A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Oyama
直樹 大山
Hitoshi Sakamoto
仁志 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Phyzchemix Corp
Original Assignee
Phyzchemix Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Phyzchemix Corp filed Critical Phyzchemix Corp
Priority to JP2005344542A priority Critical patent/JP2007150109A/ja
Publication of JP2007150109A publication Critical patent/JP2007150109A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

【課題】基板上に形成され開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンを有するレジスト膜のパターン内への金属膜の埋め込み成膜を短時間で良好に行うことができる金属膜作製方法及び金属膜作製装置を提供する。
【解決手段】開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンを基板3上にパターニングしたレジスト膜30のパターンの底部から順に前駆体24を吸着させてこの前駆体24の金属成分のみを析出させて金属膜を形成する成膜反応と、金属膜を塩素ラジカルでエッチングするエッチング反応とを共存させながら貫通部内に金属膜を形成し、レジスト膜30のパターンの中で開口面積が最小の貫通部を金属膜によって完全に埋めた時点で金属膜の表面に金属酸化膜を形成した後、金属膜で完全に埋められていない残りの貫通部内への金属膜の埋め込みを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は金属膜作製方法及び金属膜作製装置に関し、特に基板上に形成され開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンを有するレジスト膜のパターン内への金属膜の埋め込み成膜に好適に用いられるものである。
従来から、半導体基板上への金属パターンの形成方法として、例えば、半導体基板上に金属膜を形成し、この金属膜上に所定形状のフォトレジストパターンを形成した後、フォトレジストパターンを介して金属膜を乾式でエッチングし、最後にフォトレジストパターンだけを除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような金属パターンの形成方法では、工程数が比較的多く、金属パターンの作製に要する時間がかかるという問題がある。また、金属膜を乾式でエッチングする際には、半導体基板の表面がダメージを受け易いという問題がある。
ところで、最近になって、本発明者等は、旧来のCVD装置とは全く異なる新方式のCVD装置を開発し、この新方式のCVD装置を用いて、基板の凹部に対する新方式の金属膜の埋め込み成膜を開発した。具体的には、新方式のCVD装置では、基板を収容する真空のチャンバ内にClガスを供給し、このClガスをプラズマ化して塩素ラジカルを生成する一方、チャンバ内に設置されたCu板を塩素ラジカルでエッチングすることにより、Cu成分と塩素との前駆体であるCuClを形成し、この前駆体を基板に吸着させ、その後Cu成分を析出させることによりCuの薄膜を形成する成膜反応と、塩素ラジカルでエッチングするエッチング反応とを共存させること共に、成膜反応の速度がエッチング反応の速度よりも大きくなるように制御することにより基板の凹部にその底部から順にCu膜を積層して埋め込んでいる(例えば、特許文献2参照)。
このような新方式のCVD装置では、開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンを有する基板のパターンにCu膜を埋め込む場合、開口面積が小さい貫通部から先にCu膜の埋め込みが完了するため、全てのパターンにCu膜を埋め込むのが非常に困難であった。
特開平11−97429号公報 特開2003−264158号公報
本発明は上述した事情に鑑み、基板上に形成され開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンを有するレジスト膜のパターン内への金属膜の埋め込み成膜を短時間で良好に行うことができる金属膜作製方法及び金属膜作製装置を提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明の第1の態様に係る埋め込み成膜方法は、
ハロゲンラジカルにより高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属を含む材料で形成した被エッチング部材をエッチングして前記金属とハロゲンとからなる前駆体を形成する一方、開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンを基板上にパターニングしたレジスト膜の前記パターンの底部から順に前記前駆体を吸着させその後前記前駆体を前記ハロゲンラジカルで還元して金属成分を析出させることにより前記金属の金属膜を形成する成膜反応と、この成膜反応により形成された前記金属膜を前記ハロゲンラジカルでエッチングするエッチング反応とを共存させながら前記貫通部内に前記金属膜を積層して形成する金属膜作製方法であって、
前記レジスト膜の前記パターンの中で開口面積が最小の貫通部を前記金属膜によって完全に埋めた時点で、前記基板上の空間に酸素を含有するガスを一時的に導入して前記金属膜の表面に金属酸化膜を形成し、その後前記金属膜で完全に埋められていない残りの貫通部内で前記金属酸化膜上に前記金属膜を積層して前記残りの貫通部への前記金属膜の埋め込みを行うことを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る金属膜作製方法は、
上記第1の態様に記載の金属膜作製方法において、
前記金属膜は、所定幅で形成される高周波信号伝送線路と、前記高周波伝送線路に電気的に接続されると共に前記高周波伝送線路の幅よりも幅広のアンテナ部とを有するものであることを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る金属膜作製方法は、
上記第1の態様に記載の金属膜作製方法において、
前記金属膜は、円形状の磁性体パターンと、前記磁性体パターンの外周に沿って形成されるセンサコイルパターンとを有するものであることを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る金属膜作製方法は、
上記第1〜3の何れかに記載の金属膜作製方法において、
前記レジスト膜は前記貫通部と前記金属膜の埋め込み速度が同程度の速度となるダミー孔をさらに有し、前記最小の貫通部内に前記金属膜を形成する際に前記ダミー孔内にも前記金属膜を形成すると共に、前記ダミー孔に光照射してその反射光の状態を検出することにより前記最小の貫通部内を前記金属膜によって完全に埋めた時点を特定するとことを特徴とする。
本発明の第5の態様に係る金属膜作製装置は、
開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンと、このパターンの中で開口面積が最小の開口部に対する金属膜の埋め込みが完了する時点と同時に前記金属膜の埋め込みが完了するように構成されて前記金属膜の埋め込み状態をモニタするダミー孔とをパターニングしたレジスト膜を有する基板の前記パターンに金属膜を埋め込み成膜する金属膜作製装置であって、
前記基板を内部に収容するチャンバと、
このチャンバ内に配設した高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属を含む材料で形成した被エッチング部材と、
前記ダミー孔に対して光照射する光照射手段と、
この光照射手段から光照射され前記ダミー孔で反射した反射光を検出することで前記ダミー孔に対する金属膜の埋め込み完了時点を検出するための光検出手段と、
ハロゲンラジカルにより前記被エッチング部材をエッチングして前記金属とハロゲンとの前駆体を形成し、前記レジスト膜の前記パターン及びダミー孔の底部から順に前記前駆体を吸着させ、その後前記前駆体を前記ハロゲンラジカルで還元して金属成分を析出させることにより前記金属の金属膜を形成する成膜反応と、この成膜反応により形成された前記金属膜を前記ハロゲンラジカルでエッチングするエッチング反応とを共存させながら前記パターン及びダミー孔内に前記金属膜を積層するように制御する制御手段とを有すると共に、
前記制御手段は、前記光検出手段がダミー孔の埋め込み完了時点である前記最小の開口部に対する金属膜の埋め込み完了時点を検出した時点で前記チャンバ内に酸素を含有するガスを一時的に導入して前記金属膜の表面に金属酸化膜を形成し、その後前記金属膜で完全に埋められていない残りの貫通部内で前記金属酸化膜上に前記金属膜を積層して前記残りの貫通部への前記金属膜の埋め込み成膜を行うように制御するものであることを特徴とする。
上記本発明は、成膜反応の速度とエッチング反応の速度とを相対的に制御して基板上のレジスト膜のパターン内への金属膜の埋め込みを行う成膜処理と、この成膜処理中に所定のタイミングで酸素を含有するガスを一時的に導入して金属膜に金属酸化膜を形成する酸化処理とを行うことにより、開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンへの金属膜の埋め込み成膜を短時間で良好に行うことができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る金属膜作製装置を示す概略側断面図である。図1に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台(サセプタ)2が設けられ、支持台2上には基板3が載置されている。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度制御手段6が設けられ、支持台2は温度制御手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。
図1では、基板3の表面上に開口面積が異なる複数の貫通部(図示なし)を有するレジスト膜30が設けられた状態を図示している。これら複数の貫通部にCu膜の埋め込み成膜をするためである。尚、レジスト膜30の説明は後に詳述する。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。
また、プラズマアンテナ8には整合器9及び高周波電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ8、整合器9及び高周波電源10により誘導プラズマを発生させるプラズマ発生手段が構成されている。
チャンバ1には、高蒸気圧ハロゲン化物を形成し得る金属を含む材料、本実施形態では銅(Cu)製の被エッチング部材11が保持され、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れに対して基板3と天井板7の間に不連続状態で配置されている。
この被エッチング部材11は、ハロゲンプラズマによるエッチング作用により当該装置で作製する金属薄膜(本実施形態では銅薄膜)の前駆体を形成するためのものである。また、被エッチング部材を形成する材料は、銅に限らず、例えば、Ta,Ti,W等の高蒸気圧ハロゲン化物を形成し得る金属を含む材料であれば同様に用いることができる。この場合、前駆体はTa,Ti,W等の塩化物(ハロゲン化物)となり、基板3の表面に生成される薄膜はTa,Ti,W等となる。
また、ハロゲンプラズマは、チャンバ1内に供給するハロゲン(本実施形態では塩素)を含有する作用ガスを前記プラズマアンテナ8が供給する高周波の電磁エネルギーを利用してプラズマ化することにより得られる。
さらに、被エッチング部材11は、例えば、リング状の枠の内側に格子部が形成された構成になっている。これにより、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れ方向である周方向に対して構造的に不連続な状態とされている。
詳細には、被エッチング部材11は、本実施形態では、棒状の突起部12とリング部13とからなり、各突起部12はその先端部が隣接する突起部12の先端部と接触することなくチャンバ1の中心に向かって延びるように、その各基端部をリング部13に固着してある。
これにより、各突起部12は電気的に独立した構造となっており、プラズマアンテナ8で形成し、チャンバ1内に導入される電磁界を遮蔽することがないように工夫してある。
尚、プラズマアンテナ8の電気の流れに対して不連続状態にする構成としては、被エッチング部材11を放射状の棒部材を設けたり網目状に構成したりする等とすることも可能である。
図1に示すように、被エッチング部材11の上方におけるチャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する作用ガス(Clガス:Heで塩素濃度が≦50%、好ましくは10%程度に希釈された作用ガス)21を供給する作用ガス供給手段としてのノズル14が周方向に等間隔で複数(例えば8箇所:図には2箇所を示してある)接続されている。
また、ノズル14には流量及び圧力が制御される流量制御器15を介してClガス21が送られる。また、ノズル14には、詳細は後述するが、成膜処理中に金属酸化膜を形成するため、酸化膜形成用のガスとして酸素(O)が送られるようになっている。
尚、作用ガス21に含有されるハロゲンとしては、フッ素、臭素及びヨウ素等を適用することが可能である。ハロゲンとして塩素を用いたことにより、安価な塩素ガスを用いて薄膜を作製することができる。
成膜に関与しないガス等は排気口18から排気され、天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空ポンプ19によって所定の真空圧に維持される。また、この排気口18は、真空ポンプ19とゲート弁22を介して接続されている。これにより、ゲート弁22を制御することによっても、また真空ポンプ19の回転数を制御することによってもチャンバ1内の圧力を制御し得るようになっている。
ここで、図2を参照して、上述した金属膜作製装置の支持台上に載置される基板について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るレジスト膜を有する基板を示す概略斜視図である。
図2に示すように、基板3上には、所定形状にパターニングされたレジスト膜30が設けられている。具体的には、このレジスト膜30には、開口面積が異なる複数の貫通部31、及び貫通部31の中で開口面積が最小の貫通部31と金属膜の埋め込み速度が同程度の速度となるダミー孔32が設けられている。
例えば、本実施形態のレジスト膜30は、所定幅の高周波信号伝送線路を形成するためのスリット部31aと、この高周波伝送線路に電気的に接続されると共に高周波伝送線路の幅よりも幅広のアンテナ部を形成するための幅広部31bとを有するパターン形状とした。
一方、レジスト膜30に設けられたダミー孔32については、スリット部(最小の貫通部)31aに対応しており、スリット部31aが金属膜で完全に埋め込まれるまでの時間と同程度の時間で金属膜の埋め込みが完了するような形状となっている。
また、上述した金属膜作製装置には、図1に示すように、上記ダミー孔32に対して光照射する光照射手段40と、ダミー孔32からの反射光の状態を検出する光検出手段50とが組み込まれている。
そして、本実施形態では、図1に示すように、光照射手段40によってダミー孔32に光照射すると共に光検出手段50によってダミー孔32からの反射光の状態を検出することにより、図3に示すように、スリット部(最小の貫通部)31a内を金属膜によって完全に埋めた時点を、ダミー孔32を金属膜で埋めた時点として特定できるようになっている。
以下、上述した金属膜作製装置による埋め込み成膜処理について説明する。具体的には、まず、チャンバ1の内部にノズル14からClガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Clガス21をイオン化してClガスプラズマを発生させ、Clラジカルを生成する。
このClガスプラズマは、チャンバ1内のプラズマアンテナ8に隣接する空間、すなわちチャンバ1の被エッチング部材11側(上部)の空間に形成される。この空間が成膜環境となる。このとき、Clも発生する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl→2Cl ・・・・(1)
ここで、Clは塩素ラジカルを表す。
ガスプラズマがCu製の被エッチング部材11に作用することにより、被エッチング部材11が加熱されると共に、Cuにエッチング反応が生じる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
Cu(s)+Cl →CuCl(g) ・・・・(2)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表す。式(2)は、Cuがガスプラズマ(塩素ラジカルCl)によりエッチングされ、前駆体とされた状態である。
ガスプラズマを発生させることにより被エッチング部材11を加熱し(例えば、300℃〜700℃)、更に、温度制御手段により基板3の温度を被エッチング部材11の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定する。この結果、前駆体は基板3に吸着(堆積)される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)→CuCl(ad) ・・・・(3)
基板3に吸着したCuClは、塩素ラジカルClにより還元されてCu成分となる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(ad)+Cl→Cu(s)+Cl↑・・・(4)
更に、上式(2)において発生したガス化したCuCl(g)の一部は、基板3に吸着する(上式(3)参照)前に、塩素ラジカルClにより還元されてガス状態のCuとなる場合もある。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)+Cl→Cu(g)+Cl↑ ・・・・(5)
この後、ガス状態のCu成分は、基板3に吸着される。
以上がCu膜の埋め込み成膜処理の態様であり、本実施形態では、上述した成膜処理により図2に示すパターン形状のレジスト膜30を有する基板3に対し、Cu膜(金属膜)の埋め込み成膜を行うようにした。なお、図3及び図4には、本発明の一実施形態に係る金属膜作製装置及び方法による埋め込み成膜の状況説明図を示す。
詳細には、基板3上に形成されたレジスト膜30上の空間(成膜空間)で、上記反応式(1)〜(3)が優先的に生じるように成膜条件を制御し、貫通部であるスリット部31a及び幅広部31bの内部でその底部から順に前駆体(CuCl)を吸着させながら、この前駆体をハロゲンラジカル(Cl)で還元して金属成分(Cu)を析出させることにより、スリット部31a及び幅広部31b内へのCu膜の埋め込みを行う成膜処理を実行する。
このような成膜処理では、基板3のレジスト膜30上でのエッチング反応の速度が成膜反応の速度よりも大きくなるように制御することにより、レジスト膜30のスリット部31a及び幅広部31b内でその底部から順に金属膜(ここではCu膜100)を積層する。これにより、最初にスリット部31aへのCu膜100の埋め込みが完了する。
一方、このスリット部31aへのCu膜100の埋め込み完了時点では、このスリット部31aよりも開口面積が大きい幅広部31bへのCu膜100の埋め込みはまだ完了していない(図3(a)参照)。
そして、本実施形態では、幅広部31bをCu膜100で埋め込むため、まず、スリット部31aへのCu膜100の埋め込みが完了した時点、すなわち、ダミー孔32内をCu膜100で埋め込んだ時点で、チャンバ1内の成膜空間にノズル14から酸素を含有するガス(ここでは酸素ガス:O)を一時的に導入し、スリット部31a及び幅広部31b内のCu膜100表面を酸化することにより導電性の金属酸化膜として酸化銅(CuO)膜110を形成する(図3(b)参照)。ここで、ダミー孔32内をCu膜100で埋め込んだ時点は、上述したように、光照射手段40によってダミー孔32に光照射すると共に光検出手段50によってダミー孔32からの反射光の状態を検出することで特定される。
次に、チャンバ1内への酸素ガスの導入を停止し、幅広部31b内での成膜反応の速度がエッチング反応の速度よりも大きくなるように制御することにより、幅広部31b内での酸化銅膜110上から順にCu膜100の積層を再び開始し、幅広部31b内へのCu膜100の埋め込みを行う(図4(a)参照)。
ここで、成膜反応の速度とエッチング反応の速度との相対的な制御については、チャンバ1内の成膜空間での前駆体(CuCl)の量と、ハロゲンラジカル(Cl)の量とを制御することにより行われる。具体的には、チャンバ1内の圧力、被エッチング部材11と基板3との温度差、ハロゲンガスの流量等を適宜調整することにより、前駆体の量とハロゲンラジカルの量とを制御し、成膜反応の速度とエッチング反応の速度とを相対的に制御することができる。尚、酸素の導入については、例えば、塩素ガスの導入を停止して行ってもよいし、塩素ガスと酸素ガスとの混合ガスの導入としてもよい。
この結果、ボイド等を含むことなくCu膜100をレジスト膜30のスリット部31a及び幅広部31bに順次堆積させて良好に充填していくことができる。すなわち、開口面積が異なる複数の貫通部31を組み合わせた形状のパターン有するレジスト膜30のパターン(貫通部31)への良好な埋め込み成膜を短時間で行うことができる。
なお、実際には、上述した成膜処理終了後は、レジスト膜30を除去することで、図4(b)に示すような金属パターン200を有する基板3が得られる。このような金属パターン200は、マイクロストリップライン(MSL)を有するアンテナパターンとして好適に用いられる。
上述した本実施形態に係る金属膜作製装置及び金属膜作製方法は、上述した金属パターンの埋め込み成膜処理に限定されるものではなく、他の例としては、磁性センサ用の金属パターンの埋め込み成膜処理にも適用することができる。図5は、本発明の一実施形態に係る他のレジスト膜を有する基板を示す概略斜視図である。また、図6及び図7には、本発明の一実施形態に係る金属膜作製装置及び方法による他のパターン形状の埋め込み成膜の状況説明図を示す。
図5に示すように、基板3上のレジスト膜300には、センサコイルパターンを形成するための円形スリット部301aと、この円形スリット部301aの内側に円形状の磁性体パターンを形成するための円形部301bが貫通部301として設けられている。
一方、レジスト膜300に設けられたダミー孔302については、円形スリット部(最小の貫通部)301aに対応しており、円形スリット部301aが金属膜で完全に埋め込まれる時間と同程度の時間で金属膜の埋め込みが完了するような形状となっている。
このような成膜処理においても、上述した成膜処理と同様に、基板3のレジスト膜300上でのエッチング反応の速度が成膜反応の速度よりも大きくなるように制御することにより、レジスト膜300の円形スリット部301a及び円形部301b内でその底部から順に金属膜(ここではNi膜100A)を積層する。これにより、最初に円形スリット部301aへのNi膜100Aの埋め込みが完了する。この円形スリット部301aへのNi膜100Aの埋め込み完了時点では、この円形スリット部301aよりも開口面積が大きい円形部301bへのNi膜100Aの埋め込みはまだ完了していない(図6(a)参照)。
そして、本実施形態においても、円形部301bをNi膜100Aで埋め込むため、まず、円形スリット部301aへのNi膜100Aの埋め込みが完了した時点、すなわち、ダミー孔302をNi膜100Aで埋め込んだ時点で、チャンバ1内の成膜空間に酸素を含有するガス(ここでは酸素ガス:O)を一時的に導入し、円形スリット部301a及び円形部301b内のNi膜100A表面を酸化することにより導電性の金属酸化膜として酸化ニッケル(NiO)膜110Aを形成する(図6(b)参照)。
次に、チャンバ1内への酸素ガスの導入を停止し、円形部301b内での成膜反応の速度がエッチング反応の速度よりも大きくなるように制御することにより、円形部301b内での酸化ニッケル膜110A上から順にNi膜100Aの積層を再び開始し、円形部301b内をNi膜100Aの埋め込みを行う(図7(a)参照)。
そして、最終的には、レジスト膜300を除去することで、図7(b)に示すような金属パターン200Aを有する基板3が得られる。このような金属パターン200Aは、円形状の磁性体パターンと、磁性体パターンの外周に沿って形成されるセンサコイルパターンとを有する磁性センサ用の金属パターンとして好適に用いられる。
なお、上記実施形態においては、作用ガスとして、Heで希釈されたClガスを例に挙げて説明したが、Clガスを単独で用いたり、HClガスを適用したりすることも可能である。HClガスを適用した場合、作用ガスプラズマはHClガスプラズマが生成されるが、銅製の被エッチング部材のエッチングにより生成される前駆体はCuClである。したがって、作用ガスは塩素を含有するガスであればよく、HClガスとClガスとの混合ガスを用いることも可能である。さらに、一般的には塩素に限らず、ハロゲンガスであれば、本発明の作用ガスとして利用することができる。
本発明は、開口形状が異なる複数の凹部、或いはアスペクト比が異なる複数の凹部等を有する基板の凹部への金属膜の埋め込み成膜に適用することができる。また、MEMS等の微細な埋め込み成膜を必要とする産業分野で有効に利用し得る。尚、成膜対象としては基板に限定されず、例えば、埋め込み成膜を必要とする部材を成膜対象としてもよい。
本発明の一実施形態に係る金属膜作製装置の概略側断面図である。 本発明の一実施形態に係るレジスト膜を有する基板を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る金属膜作製装置及び方法による埋め込み成膜の状況説明図である。 本発明の一実施形態に係る金属膜作製装置及び方法による埋め込み成膜の状況説明図である。 本発明の一実施形態に係る他のレジスト膜を有する基板を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る金属膜作製装置及び方法による他のパターン形状の埋め込み成膜の状況説明図である。 本発明の一実施形態に係る金属膜作製装置及び方法による他のパターン形状の埋め込み成膜の状況説明図である。
符号の説明
1 チャンバ
2 支持台
3 基板
8 プラズマアンテナ
11 被エッチング部材
12 突起部
13 リング部
14 ノズル
15 流量制御器
16 Cu膜
19 真空ポンプ
21 作用ガス
22 ゲート弁
24 前駆体
25 Clガスプラズマ
30 レジスト膜
31 貫通部
32 ダミー孔

Claims (5)

  1. ハロゲンラジカルにより高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属を含む材料で形成した被エッチング部材をエッチングして前記金属とハロゲンとからなる前駆体を形成する一方、開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンを基板上にパターニングしたレジスト膜の前記パターンの底部から順に前記前駆体を吸着させその後前記前駆体を前記ハロゲンラジカルで還元して金属成分を析出させることにより前記金属の金属膜を形成する成膜反応と、この成膜反応により形成された前記金属膜を前記ハロゲンラジカルでエッチングするエッチング反応とを共存させながら前記貫通部内に前記金属膜を積層して形成する金属膜作製方法であって、
    前記レジスト膜の前記パターンの中で開口面積が最小の貫通部を前記金属膜によって完全に埋めた時点で、前記基板上の空間に酸素を含有するガスを一時的に導入して前記金属膜の表面に金属酸化膜を形成し、その後前記金属膜で完全に埋められていない残りの貫通部内で前記金属酸化膜上に前記金属膜を積層して前記残りの貫通部への前記金属膜の埋め込みを行うことを特徴とする金属膜作製方法。
  2. 請求項1に記載の金属膜作製方法おいて、
    前記金属膜は、所定幅で形成される高周波信号伝送線路と、前記高周波伝送線路に電気的に接続されると共に前記高周波伝送線路の幅よりも幅広のアンテナ部とを有するものであることを特徴とする金属膜作製方法。
  3. 請求項1に記載の金属膜作製方法において、
    前記金属膜は、円形状の磁性体パターンと、前記磁性体パターンの外周に沿って形成されるセンサコイルパターンとを有するものであることを特徴とする金属膜作製方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の金属膜作製方法において、
    前記レジスト膜は前記貫通部と前記金属膜の埋め込み速度が同程度の速度となるダミー孔をさらに有し、前記最小の貫通部内に前記金属膜を形成する際に前記ダミー孔内にも前記金属膜を形成すると共に、前記ダミー孔に光照射してその反射光の状態を検出することにより前記最小の貫通部内を前記金属膜によって完全に埋めた時点を特定するとことを特徴とする金属膜作製方法。
  5. 開口面積が異なる複数の貫通部を組み合わせた形状のパターンと、このパターンの中で開口面積が最小の開口部に対する金属膜の埋め込みが完了する時点と同時に前記金属膜の埋め込みが完了するように構成されて前記金属膜の埋め込み状態をモニタするダミー孔とをパターニングしたレジスト膜を有する基板の前記パターンに金属膜を埋め込み成膜する金属膜作製装置であって、
    前記基板を内部に収容するチャンバと、
    このチャンバ内に配設した高蒸気圧ハロゲン化物を生成し得る金属を含む材料で形成した被エッチング部材と、
    前記ダミー孔に対して光照射する光照射手段と、
    この光照射手段から光照射され前記ダミー孔で反射した反射光を検出することで前記ダミー孔に対する金属膜の埋め込み完了時点を検出するための光検出手段と、
    ハロゲンラジカルにより前記被エッチング部材をエッチングして前記金属とハロゲンとの前駆体を形成し、前記レジスト膜の前記パターン及びダミー孔の底部から順に前記前駆体を吸着させ、その後前記前駆体を前記ハロゲンラジカルで還元して金属成分を析出させることにより前記金属の金属膜を形成する成膜反応と、この成膜反応により形成された前記金属膜を前記ハロゲンラジカルでエッチングするエッチング反応とを共存させながら前記パターン及びダミー孔内に前記金属膜を積層するように制御する制御手段とを有すると共に、
    前記制御手段は、前記光検出手段がダミー孔の埋め込み完了時点である前記最小の開口部に対する金属膜の埋め込み完了時点を検出した時点で前記チャンバ内に酸素を含有するガスを一時的に導入して前記金属膜の表面に金属酸化膜を形成し、その後前記金属膜で完全に埋められていない残りの貫通部内で前記金属酸化膜上に前記金属膜を積層して前記残りの貫通部への前記金属膜の埋め込み成膜を行うように制御するものであることを特徴とする金属膜作製装置。



JP2005344542A 2005-11-29 2005-11-29 金属膜作製方法及び金属膜作製装置 Withdrawn JP2007150109A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005344542A JP2007150109A (ja) 2005-11-29 2005-11-29 金属膜作製方法及び金属膜作製装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005344542A JP2007150109A (ja) 2005-11-29 2005-11-29 金属膜作製方法及び金属膜作製装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007150109A true JP2007150109A (ja) 2007-06-14

Family

ID=38211120

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005344542A Withdrawn JP2007150109A (ja) 2005-11-29 2005-11-29 金属膜作製方法及び金属膜作製装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007150109A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104282522B (zh) 具有离子加速器的双室等离子体蚀刻器
JP4550113B2 (ja) エッチング方法、低誘電率誘電体膜の製造方法、多孔性部材の製造方法並びにエッチング装置及び薄膜作製装置
JP7022651B2 (ja) 膜をエッチングする方法及びプラズマ処理装置
TWI625416B (zh) 基板處理裝置及基板處理方法
WO2009057838A1 (en) Apparatus for surface-treating wafer using high-frequency inductively-coupled plasma
JP4512529B2 (ja) エッチング方法及びエッチング装置
JP2007227375A (ja) 遠距離プラズマ発生装置
TW201322332A (zh) 透過介穩氫終止之矽的選擇性蝕刻
JP2021077865A (ja) エッチング方法及びプラズマ処理装置
CN107924839A (zh) 可调的远程分解
KR20010050907A (ko) 시료의 처리방법과 처리장치 및 자기헤드의 제작방법
JP2007150109A (ja) 金属膜作製方法及び金属膜作製装置
TW202314829A (zh) 金屬氧化物定向移除
KR102638422B1 (ko) 유황 및/또는 탄소계 화학물을 사용하는 유기막의 주기적 플라즈마 에칭 방법
JP2009052093A (ja) 埋め込み成膜方法及び装置
JP2006114933A (ja) 反応性イオンエッチング装置
JP2008186991A (ja) エッチング方法及びエッチング装置
JP3975207B2 (ja) 金属膜作製装置及び金属膜作製方法
TW202247283A (zh) 含釕材料的選擇性移除法
CN109479375B (zh) 布线基板的加工方法
JP4401952B2 (ja) 薄膜作製装置及び薄膜作製方法
JP4397329B2 (ja) 薄膜作製装置及び薄膜作製方法
JP5140568B2 (ja) 多層膜のエッチング方法
JP4317156B2 (ja) 金属膜作製装置
JP2024035044A (ja) プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070307

A625 Written request for application examination (by other person)

Effective date: 20081022

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20081125

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Effective date: 20081125

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100416

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20100806