JP2007147821A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像不良の顕著な発生を抑制しながら、放電生成物を除去するための像担持体表面のリフレッシュ工程を遂行することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置であるプリンタ1は、イエロートナーを含む複数の異なる色のトナーを用いて画像形成動作を実行する。プリンタ1の制御手段70は、用紙Pへの非転写期間内で、現像手段23から感光体ドラム21表面にトナーを供給し、そのトナーを用いてクリーニング手段30によって感光体ドラム21表面をクリーニングすることで感光体ドラム21表面をリフレッシュするリフレッシュ工程を実行し、このリフレッシュ工程に対してはイエロートナーを用いるように現像手段23を制御する。これにより、カブリといった画像不良の顕著な発生を抑制しながら、感光体ドラム21表面の放電生成物を短時間で十分に研磨して除去することが可能なプリンタ1を得ることができる。
【選択図】図2
【解決手段】画像形成装置であるプリンタ1は、イエロートナーを含む複数の異なる色のトナーを用いて画像形成動作を実行する。プリンタ1の制御手段70は、用紙Pへの非転写期間内で、現像手段23から感光体ドラム21表面にトナーを供給し、そのトナーを用いてクリーニング手段30によって感光体ドラム21表面をクリーニングすることで感光体ドラム21表面をリフレッシュするリフレッシュ工程を実行し、このリフレッシュ工程に対してはイエロートナーを用いるように現像手段23を制御する。これにより、カブリといった画像不良の顕著な発生を抑制しながら、感光体ドラム21表面の放電生成物を短時間で十分に研磨して除去することが可能なプリンタ1を得ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、複写機やプリンタに代表される電子写真方式の画像形成装置に関する。
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体として感光体ドラムが広く用いられている。感光体ドラムを用いた一般的な画像形成動作は以下のようである。感光体ドラムの表面は帯電手段により所定電位で一様に帯電せしめられ、そこに露光手段のLED光等を照射することにより部分的に電位が光減衰して原稿画像の静電潜像が形成される。この静電潜像を現像手段で現像することにより、感光体ドラム表面にトナー像が形成される。そして、このトナー像は、感光体ドラムと転写部材とを接触、或いは近接させて構成した転写領域に用紙を挿通する時に、用紙に転写される。
このような画像形成装置においては、トナー像を用紙に転写させた後、微量のトナーが用紙に転写されずに感光体ドラム表面に付着したまま残留してしまうことがある。この感光体ドラム表面に付着した残留トナーは、次の新たな画像形成の障害となるので、そのクリーニングが必要となる。このような目的で用いられるクリーニング方法としては、感光体ドラム表面に回転部材であるクリーニングローラや回転ブラシ等を押し付けることにより、回転部材に残留トナーを移動させて回収する方法や、感光体ドラム表面にクリーニングブレードを接触させて残留トナーを掻き取る方法、或いはこれらの方法を組み合わせたクリーニング方法が広く知られている。
一方、感光体としてアモルファスシリコン感光体を用いた場合には、その感光体表面に、帯電手段の放電によって放電生成物が付着し易いことが知られている。この放電生成物が水分を吸収すると、感光体表面の電気抵抗が低下して、静電潜像を乱す像流れという不具合が発生することがある。このため、トナーに微量の研磨剤を混入し、回転部材である研磨ローラとクリーニングブレードとを併用して感光体表面に付着した残留トナーを除去するとともに、トナーを研磨ローラ表面に担持させ、このトナーによって感光体表面に付着した放電生成物を研磨するようにしてクリーニングする方法が知られている。
上記のように、研磨ローラを用いて感光体ドラム表面に付着した放電生成物の除去を行うクリーニング方法の一例を、特許文献1に見ることができる。
特開平11−3014号公報(第3頁、図1)
特許文献1に記載の画像形成装置は、通常の印刷動作モードとは別に、用紙への非転写期間に、現像手段から感光体ドラムにトナーを供給、研磨して感光体表面をリフレッシュするリフレッシュモードを備えている。しかしながら、このリフレッシュモードのように一度に大量のトナーを現像手段から感光体表面に供給すると、十分な帯電能力を有する新しいトナーと帯電能力が低下した古いトナーとが混在して感光体表面に供給されることとなり、帯電能力が低下した古いトナーがキャリアから遊離し易くなる。そして、このような帯電不良により遊離したトナーが、感光体表面に飛散し、本来画像データが存在しない真っ白であるべき領域にトナーが付着してしまう「カブリ」という問題が発生する恐れがある。感光体表面の放電生成物を短時間で十分に研磨して除去するためには、一度に大量のトナーを感光体表面に供給しなければならないが、それにより上記のようなカブリといった画像不良が発生し易くなる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、複数の異なる色のトナーを用いて画像形成動作を実行する画像形成装置において、画像不良の顕著な発生を抑制できるよう工夫しながら、放電生成物を除去するための像担持体表面のリフレッシュ工程を遂行することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、像担持体と、この像担持体表面に形成した静電潜像にトナーを供給して現像する現像手段と、用紙へのトナー像転写後、像担持体表面に残留する付着物をクリーニングするクリーニング手段と、前記各手段を制御する制御手段とを備えるとともに、イエロートナーを含む複数の異なる色のトナーを用いて画像形成動作を実行する画像形成装置において、前記制御手段は、用紙への非転写期間内で、前記現像手段から前記像担持体にトナーを供給し、そのトナーを用いて前記クリーニング手段によって像担持体表面をクリーニングすることで像担持体表面をリフレッシュするリフレッシュ工程を実行し、このリフレッシュ工程に対しては前記イエロートナーを用いるように現像手段を制御することとした。
また、上記構成の画像形成装置において、前記複数の異なる色のトナーとして、前記イエロートナーの他にシアントナー及びマゼンタトナーを備え、イエロートナーの平均円形度が、シアントナー及びマゼンタトナーの平均円形度より小さいこととした。
ここで、トナーの「平均円形度」とは、シスメックス(株)製フロー式粒子像分析装置FPIAにより測定したトナーの平均円形度を意味する。
また、上記構成の画像形成装置において、前記イエロートナーは、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74のいずれか一方、またはこれら両方の顔料で構成されていることとした。
本発明の構成によれば、イエロートナーを含む複数の異なる色のトナーを用いて画像形成動作を実行する画像形成装置において、制御手段は、用紙への非転写期間内で、現像手段から像担持体にトナーを供給し、そのトナーを用いてクリーニング手段によって像担持体表面をクリーニングすることで像担持体表面をリフレッシュするリフレッシュ工程を実行し、このリフレッシュ工程に対してはイエロートナーを用いるように現像手段を制御することとしたので、像担持体表面の放電生成物を除去するために一度に大量のトナーを像担持体表面に供給し、トナーが飛散してしまった場合であっても、そのトナーを目立たないようにすることができる。これにより、カブリといった画像不良の顕著な発生を抑制することが可能である。したがって、その後用紙に形成される画像に悪影響を及ぼすことなく、用紙への非転写期間内で、像担持体表面の放電生成物を短時間で十分に研磨して除去することが可能な画像形成装置を得ることができる。
また、複数の異なる色のトナーとして、イエロートナーの他にシアントナー及びマゼンタトナーを備え、イエロートナーの平均円形度が、シアントナー及びマゼンタトナーの平均円形度より小さいこととしたので、イエロートナーを研磨部材に付着し易くすることができる。また、シアントナー及びマゼンタトナーと比較して、イエロートナーを優先的に研磨部材に付着させることができる。したがって、像担持体表面のリフレッシュ工程において、イエロートナーをより多く研磨部材に付着させることができ、イエロートナーでもって像担持体表面を研磨する作用を高めることが可能となる。
また、イエロートナーは、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74のいずれか一方、またはこれら両方の顔料で構成されていることとしたので、帯電安定性に優れたイエロートナーを、像担持体表面のリフレッシュ工程に使用することができる。これにより、像担持体表面の放電生成物を短時間で十分に除去するために、一度に大量のトナーが像担持体表面に供給されたとしても、カブリの発生を一層抑制することが可能である。したがって、画像不良の発生を抑制しつつ像担持体表面のリフレッシュを遂行する作用が向上する。
以下、本発明の実施形態を図1〜図3に基づき説明する。
最初に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図1を用いてその構造の概略を説明する。図1は、画像形成装置の一例であるカラープリンタの概略構造を示す模型的垂直断面左側面図である。このカラープリンタは、中間転写ベルトを用いたタイプである。図1において右方がプリンタの前面側、左方が背面側である。
図1に示すように、プリンタ1の本体2の内部下方には、用紙カセット3が配置されている。用紙カセット3の内部には、用紙Pが積まれて収容されている。そして、この用紙Pは、図1において用紙カセット3の右上方に向けて送り出される。用紙カセット3は、本体2の前面側、すなわち図1において右方から水平に引き出すことが可能である。
用紙カセット3の用紙搬送方向下流には、給紙用用紙搬送路4、給紙用搬送ローラ5、レジストローラ6、及び画像形成部20が配置されている。画像形成部20には、その中心に、回転体の像担持体である感光体ドラム21が備えられている。感光体ドラム21は、図1において反時計方向に回転する。感光体ドラム21の周囲には、その回転方向に沿って順に帯電手段22、現像手段23、及びドラム用のクリーニング手段30が配置されている。
現像手段23は、その主たるところが図1において時計方向に回転する回転体であるロータリーラック23aで構成され、このロータリーラック23aに計4台の現像器が周方向に等間隔に配置されている。4台の現像器とは、ブラック用の現像器23B、シアン用の現像器23C、マゼンタ用の現像器23M、及びイエロー用の現像器23Yである。ロータリーラック23aは、図示しない駆動手段により回転せしめられ、4台の現像器を順次感光体ドラム21と対向する位置に移動させて、感光体ドラム21表面に各色のトナー像を形成させるものである。
感光体ドラム21のすぐ下方には、中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト40が配置されている。中間転写ベルト40は、感光体ドラム21に下方から圧接し、一次転写ニップ部を形成している。中間転写ベルト40は、複数のローラに巻き掛けられて支持され、図1において時計方向に回転する。
中間転写ベルト40が用紙搬送路に懸かる箇所には、二次転写部50が配置されている。二次転写部50は、二次転写ローラ51を備えている。これら中間転写ベルト40と二次転写ローラ51とが圧接して形成される二次転写ニップ部に用紙Pが挿通される。なお、二次転写ローラ51は、図1において上下方向に移動可能であって、必要に応じて中間転写ベルト40に対して圧接したり、離間したりする。二次転写部50の用紙搬送方向下流には、ベルト用のクリーニング装置60が備えられている。このベルト用クリーニング装置60のクリーニングローラ61も、必要に応じて中間転写ベルト40に対して圧接したり、離間したりする。
画像形成部20の上方には光学部7が備えられ、ここからレーザ光Lが感光体ドラム21に向かって照射される。図中の一点鎖線がレーザ光Lを示す。
画像形成部20、及び二次転写部50の用紙搬送方向下流には、定着部8、排出用用紙搬送路9、及び用紙排出部10が配置されている。用紙排出部10は、本体2の上面に、印刷済みの用紙Pを外部から取り出し可能な位置に設けられている。
定着部8、及び二次転写部50の下方であって、用紙カセット3との間には、両面印刷用用紙搬送路11が配置されている。両面印刷用用紙搬送路11は、排出用用紙搬送路9の途中から分岐し、レジストローラ6のすぐ上流で給紙用用紙搬送路4に合流している。
上記構成のプリンタ1は、次のように印刷動作を行う。
印刷前の用紙Pは、用紙カセット3に積み重ね状態で収容され、ここから1枚ずつ分離して送り出される。送り出された用紙Pは、給紙用用紙搬送路4に進入し、給紙用搬送ローラ5により搬送されて、レジストローラ6に到達する。レジストローラ6は、用紙Pの斜め送りを矯正しつつ、画像形成部20で中間転写ベルト40表面に形成されるカラートナー像、またはブラックトナー像とのタイミングを計り、用紙Pを二次転写部50へと送り出す。
一方、外部コンピュータ(図示せず)からの文字や図形、模様等の画像データ信号がプリンタ1に送信され、この画像データに基づき、光学部7にて制御されるレーザ光Lが照射される。これにより、画像形成部20において、感光体ドラム21表面に原稿画像の静電潜像が形成される。なお、この静電潜像については、各色に対応した静電潜像が、各色の画像形成プロセス毎に順番に形成される。
次に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のうち、まず第1色目であるブラックのトナー像を感光体ドラム21表面に形成するため、ブラック用現像器23Bが感光体ドラム21と対向するように、ロータリーラック23aが回転する。ブラック用現像器23Bは、感光体ドラム21表面の静電潜像を現像してブラックのトナー像を形成する。その後、トナー像は、感光体ドラム21と中間転写ベルト40とが圧接して形成される一次転写ニップ部にて、中間転写ベルト40表面に一次転写される。
一次転写後、感光体ドラム21表面に残留したブラックのトナーは、ドラム用クリーニング装置30よって除去される。そして、中間転写ベルト40は、次の色の一次転写を行うため、感光体ドラム21に対する所定の一次転写位置と一致するように一回転する。形成するトナー像がブラックトナー像である場合、ここで一次転写の工程は終了する。形成するトナー像がカラートナー像である場合、引き続き、第1色目と同様の現像、転写、クリーニングの画像形成プロセスが、第2色目から第4色目まで各色毎に繰り返され、中間転写ベルト40表面には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。なお、各色のトナー像が順次中間転写ベルト40に一次転写される間、二次転写部50の二次転写ローラ51及びベルト用クリーニング装置60のクリーニングローラ61は中間転写ベルト40から離間している。
そして、4色のカラートナー像、またはブラックトナー像が中間転写ベルト40表面に形成されると、二次転写ローラ51は中間転写ベルト40に圧接する。トナー像は、レジストローラ6によって同期をとって送られてきた用紙Pに、中間転写ベルト40と二次転写ローラ51とが圧接して形成される二次転写ニップ部にて転写される。この時、二次転写ローラ51には、トナーを用紙Pに移動させるための二次転写バイアスが印加される。二次転写後、中間転写ベルト40表面に残留したトナーは、中間転写ベルト40に圧接したベルト用クリーニング装置60よって除去される。
その後、未定着のカラートナー像、またはブラックトナー像を担持した用紙Pは、定着部8へと送られ、熱ローラ及び加圧ローラによりトナー像が定着される。定着部8から排出された用紙Pは、排出用用紙搬送路9を通って上方へ送られ、本体2の上面に設けられた用紙排出部10に排出される。
両面印刷を行う場合、定着部8から排出された用紙Pは、排出用用紙搬送路9を通って用紙排出部10に排出される直前に、その搬送方向が逆方向に切り替えられる。そして、用紙Pは、両面印刷用用紙搬送路11に送られ、レジストローラ6のすぐ上流で給紙用用紙搬送路4に合流せしめられて、再度二次転写部50へと送られる。
次に、上記プリンタ1の画像形成部20周辺の詳細な構成を、図1に加えて、図2を用いて説明する。図2は、プリンタの画像形成部周辺を示す垂直断面部分拡大図である。
図1、及び図2に示すように、画像形成部20には、その中心に像担持体である感光体ドラム21が備えられている。そして、感光体ドラム21のすぐ下方には、中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト40が配置されている。感光体ドラム21と中間転写ベルト40とが圧接する一次転写ニップ部に対して、ドラム回転方向上流側には先に説明した現像手段23が、下流側にはドラム用のクリーニング手段30が備えられている。
感光体ドラム21は、プリンタ1内の用紙搬送方向と直角をなす用紙幅方向、すなわち図1、及び図2の紙面奥行き方向に延び、その軸線方向を水平にして配置されている。感光体ドラム21は、アルミニウム等により構成される導電性ローラ状基体の外側に、真空蒸着等によって無機光導電性材料であるアモルファスシリコンの感光層を設けた無機感光体のドラムで、直径が30mmである。感光体ドラム21は、図示しない駆動装置によって、その周速度が用紙搬送速度(150mm/s)とほぼ同じになるように回転せしめられている。
中間転写ベルト40は、図1、及び図2に示すように、一次転写ローラ41、テンションローラ42、駆動ローラ43、及びガイドローラ44に巻き掛けられている。中間転写ベルト40は、ポリイミド等の合成樹脂のみで形成した単層の樹脂ベルト、またはそのような合成樹脂表面にゴム層を積層した弾性ベルトで構成される。一次転写ローラ41は、中間転写ベルト40を介して感光体ドラム21に下方から接触する形で、一次転写ニップ部に設けられている。一次転写ローラ41には、必要に応じて一次転写バイアスが印加される。
感光体ドラム21のクリーニング装置30は、図2に示すように、そのハウジング31の内側に、クリーニングブレード32、研磨部材である研磨ローラ33、及び排出部材である排出スクリュー34を備えている。
クリーニングブレード32は、硬度77°(JIS規格A準拠)のウレタンゴムで板状に構成され、感光体ドラム21とほぼ同じ軸線方向長さ、厚さ2.2mmであり、感光体ドラム21に接触している。クリーニングブレード32は、感光体ドラム21に対して、接触箇所の線圧が48N/mになるように設けられている。クリーニングブレード32は、中間転写ベルト40へのトナー像一次転写後、感光体ドラム21表面に残留したトナー等の付着物を掻き取るようにクリーニングする。
研磨部材である研磨ローラ33は、クリーニングブレード32のドラム回転方向上流側に、感光体ドラム21に接触させて設けられている。研磨ローラ33は、直径8mmの芯金の周りに、硬度55°(JIS規格A準拠)の発泡エチレンプロピレンゴム(発泡EPDM)を設けた形で構成され、ローラ部の直径が12mmである。研磨ローラ33は、その軸部の両端に備えられた図示しない付勢手段により、感光体ドラム21に対して1,000gf(片側500gf)の力で押し付けられて設けられている。研磨ローラ33は、感光体ドラム21表面やクリーニングブレード32周辺のトナーを回収し、研磨ローラ33表面に付着したトナーによって感光体ドラム21表面をクリーニング(研磨)したり、そのトナーを排出スクリュー34の方に送り出したりする役目を果たす。
研磨ローラ33は、モータ等で構成される図示しない駆動手段により回転せしめられる。この研磨ローラ33の駆動手段は、研磨ローラ33の周速度を変えたり、回転方向を切り替えたり、研磨ローラ33を感光体ドラム21の回転に従って回転させたりすることができる。
感光体ドラム21表面を効率良くクリーニングするためには、研磨ローラ33を所定の表面速度で回転させる必要がある。したがって、研磨ローラ33を、感光体ドラム21との接触箇所における表面が感光体ドラム21表面と同じ方向に移動する向きに回転させる場合、研磨ローラ33の表面速度は感光体ドラム21のそれの0.8倍が望ましい。研磨ローラ33を、感光体ドラム21との接触箇所における表面が感光体ドラム21表面と異なる方向に移動する向きに回転させる場合、研磨ローラ33の表面速度は感光体ドラム21のそれの1.2倍が望ましい。
排出スクリュー34は、図2に示すように、ハウジング31内において、研磨ローラ33を隔ててさらに感光体ドラム21から離れた位置に設けられている。排出スクリュー34は、感光体ドラム21表面から除去され、クリーニング(研磨)に使用されたハウジング31内のトナーを、ハウジング31の外へ排出する役目を果たす。
また、画像形成装置1には、制御手段70が設けられている。制御手段70は、画像形成部20に設けられた上記感光体ドラム21、現像手段23、クリーニング手段30等を制御して、感光体ドラム21表面へのトナー像の形成、中間転写ベルト40へのトナー像の一次転写、及び感光体ドラム21表面に残留するトナー等付着物のクリーニングといった画像形成動作を実行させる。
ここで、画像形成に使用する現像剤であるトナーのうち、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーの3色のカラートナーについて説明する。
ブラック以外の、イエロートナー、シアントナー、及びマゼンタトナーの3色のカラートナーは次のような方法で製造した。まず、スチレン80重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート20重量部、着色剤5重量部、低分子量ポリプロピレン3重量部、電荷制御剤(4級アンモニウム塩)2重量部、及びジビニルベンゼン(架橋剤)1重量部の混合溶液に、重合開始剤2重量部、及び2−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)2重量部を加えた。これを精製水400重量部に加え、さらに懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム5重量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部を加えた。そして、これを特殊機化工業(株)製乳化・分散機を用いて回転数7000rpmで20分間攪拌し、窒素雰囲気下において70°C、100rpmで10時間重合反応させることにより、体積平均粒径6.4μmのトナーを得た。
こうして製造されたカラートナーの平均円形度は、シスメックス(株)製フロー式粒子像分析装置FPIAによって計測した結果、イエロートナーが0.960、シアントナー及びマゼンタトナーが0.980であった。すなわち、イエロートナーの平均円形度が、シアントナー及びマゼンタトナーの平均円形度より小さい。
シスメックス(株)製フロー式粒子像分析装置FPIAによる円形度は、具体的には次のようにして測定した。予め不純固形物などを除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜0.5ml加えた。そして、これに測定試料であるトナーを0.1〜0.5g加えた。さらに、測定試料を分散した懸濁液は超音波分散器で1〜3分間分散処理を行い、分散濃度を3000〜10000個/μlとして、前記分析装置により円形度を測定した。
なお、上記イエロートナーは、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74のいずれか一方、またはこれら両方の顔料で構成されている。また、イエロートナーには、研磨剤として酸化チタン(TiO2)を混入している。
上記のような、イエロートナーを含む複数の異なる色のトナーを用いて画像形成動作を実行するプリンタ1において、制御手段70は、用紙Pへの非転写期間内で、現像手段23から感光体ドラム21にトナーを供給し、そのトナーを用いてクリーニング手段30によって感光体ドラム21表面をクリーニングすることで、感光体ドラム21表面をリフレッシュするリフレッシュ工程を実行する。そして、このリフレッシュ工程に対して、制御手段70は、イエロートナーを用いるように現像手段23を制御する。
続いて、この感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程の動作について、図3を参照しつつ説明する。図3は、感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程の動作を示すフローチャートである。
リフレッシュ工程を実行するに先立って、感光体ドラム21表面に放電生成物が付着し易い環境、すなわち連続1000枚の印刷を行った後、室温30°C、湿度80%の環境にプリンタ1を放置した。また、感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程を、プリンタ1の運転中頻繁に実行するのを抑制し、電源ONの直後一回のみ実行するようにするために、プリンタ1が置かれた環境が、予め定めた所定湿度H0以上あって、所定温度T0以下である時、実行するように設定した。ここでは、湿度H0を70%、温度T0を60°Cとし、温度は定着部8周辺の温度である。なお、プリンタ1は、図示しない湿度検知手段、及び温度検知手段を備えている。
上記のような条件に基づいて、図3に示すように、プリンタ1の電源をONにする。ステップS101に進むと、制御手段70は、湿度検知手段にプリンタ1周辺の湿度を検知させる。その後、ステップS102へ進み、ステップS101で検知した湿度H1が、予め設定した所定湿度H0よりも高いかどうか判断される。この場合、H0=70%、H1=80%であるので、プリンタ1が置かれている環境の湿度が比較的高い、すなわち放電生成物が付着し易いと判断され、ステップS103へと進む。
ステップS103に進むと、制御手段70は、温度検知手段に定着部8周辺の温度を検知させる。その後、ステップS104へ進み、ステップS103で検知した温度T1が、予め設定した所定温度T0よりも低いかどうか判断される。この場合、T0=60°C、T1=30°Cであるので、プリンタ1が置かれている環境の温度が比較的低いと判断され、ステップS105へと進む。
ステップS105に至ると、感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程が開始される。制御手段70は、ステップS106において、リフレッシュ用の静電潜像を形成する。そして、ステップS107へ進み、制御手段70は、ステップS106で形成した静電潜像に対して、イエロートナーを用いて現像するように現像手段23を制御する。その後、ステップS108へ進み、クリーニング手段30により、イエロートナーを用いた感光体ドラム21表面のクリーニング(研磨)が実行される。感光体ドラム21表面の研磨を終えると、ステップS109に進んでリフレッシュ工程の終了となる。
リフレッシュ工程が終了すると、プリンタ1は通常の運転状態に入る。
一方、ステップS102において、ステップS101で検知した湿度H1が予め設定した所定湿度H0よりも低い場合、制御手段70は感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程を遂行せず、プリンタ1はそのまま通常の運転状態に入る。同様に、ステップS104において、ステップS103で検知した温度T1が予め設定した所定温度T0よりも高い場合、制御手段70は感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程を遂行せず、プリンタ1はそのまま通常の運転状態に入る。
上記のような実験を行った結果、リフレッシュ工程後の感光体ドラム21表面には、像流れが発生することはなく、さらにカブリの発生も確認されず、良好な印刷画像を得ることができた。
また、上記実施例に対する比較例として、感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程に使用するトナーを、イエロートナーからマゼンタトナーに変更したところ、像流れは発生しなかったが、マゼンタトナーのカブリの発生が確認された。これにより、感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程にイエロートナーを用いることが、放電生成物の除去、及び画像不良発生の抑制に一層効果的であることが分かった。
一方、上記実施例に対する実施例2として、イエロートナーの平均円形度を0.970、シアントナー及びマゼンタトナーの平均円形度を0.960としたところ、像流れの発生の抑制に関して効果はあったが、完全に抑制することはできなかった。これにより、イエロートナーの平均円形度を、シアントナー及びマゼンタトナーの平均円形度より大きくすることは、若干効果があるものの、それが小さいことが分かった。
このようにして、イエロートナーを含む複数の異なる色のトナーを用いて画像形成動作を実行する画像形成装置であるプリンタ1において、制御手段70は、用紙Pへの非転写期間内で、現像手段23から像担持体である感光体ドラム21にトナーを供給し、そのトナーを用いてクリーニング手段30によって感光体ドラム21表面をクリーニングすることで感光体ドラム21表面をリフレッシュするリフレッシュ工程を実行し、このリフレッシュ工程に対してはイエロートナーを用いるように現像手段23を制御するので、感光体ドラム21表面の放電生成物を除去するために一度に大量のトナーを感光体ドラム21表面に供給し、トナーが飛散してしまった場合であっても、そのトナーを目立たないようにすることができる。これにより、カブリといった画像不良の顕著な発生を抑制することが可能である。したがって、その後用紙Pに形成される画像に悪影響を及ぼすことなく、用紙Pへの非転写期間内で、感光体ドラム21表面の放電生成物を短時間で十分に研磨して除去することが可能なプリンタ1を得ることができる。
また、複数の異なる色のトナーとして、イエロートナーの他にシアントナー及びマゼンタトナーを備え、イエロートナーの平均円形度が、シアントナー及びマゼンタトナーの平均円形度より小さいので、イエロートナーを研磨部材である研磨ローラ33に付着し易くすることができる。また、シアントナー及びマゼンタトナーと比較して、イエロートナーを優先的に研磨ローラ33に付着させることができる。したがって、感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程において、イエロートナーをより多く研磨ローラ33に付着させることができ、イエロートナーでもって感光体ドラム21表面を研磨する作用を高めることが可能となる。
そして、イエロートナーは、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74のいずれか一方、またはこれら両方の顔料で構成されているので、帯電安定性に優れたイエロートナーを、感光体ドラム21表面のリフレッシュ工程に使用することができる。これにより、感光体ドラム21表面の放電生成物を短時間で十分に除去するために、一度に大量のトナーが感光体ドラム21表面に供給されたとしても、カブリの発生を一層抑制することが可能である。したがって、画像不良の発生を抑制しつつ感光体ドラム21表面のリフレッシュを遂行する作用が向上する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、イエロートナーを含む複数の異なる色のトナーを用いて画像形成動作を実行する画像形成装置において利用可能である。
1 プリンタ(画像形成装置)
20 画像形成部
21 感光体ドラム(像担持体)
23 現像手段
30 クリーニング手段
32 クリーニングブレード
33 研磨ローラ(研磨部材)
40 中間転写ベルト
70 制御手段
20 画像形成部
21 感光体ドラム(像担持体)
23 現像手段
30 クリーニング手段
32 クリーニングブレード
33 研磨ローラ(研磨部材)
40 中間転写ベルト
70 制御手段
Claims (3)
- 像担持体と、この像担持体表面に形成した静電潜像にトナーを供給して現像する現像手段と、用紙へのトナー像転写後、像担持体表面に残留する付着物をクリーニングするクリーニング手段と、前記各手段を制御する制御手段とを備えるとともに、イエロートナーを含む複数の異なる色のトナーを用いて画像形成動作を実行する画像形成装置において、
前記制御手段は、用紙への非転写期間内で、前記現像手段から前記像担持体にトナーを供給し、そのトナーを用いて前記クリーニング手段によって像担持体表面をクリーニングすることで像担持体表面をリフレッシュするリフレッシュ工程を実行し、このリフレッシュ工程に対しては前記イエロートナーを用いるように現像手段を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記複数の異なる色のトナーとして、前記イエロートナーの他にシアントナー及びマゼンタトナーを備え、イエロートナーの平均円形度が、シアントナー及びマゼンタトナーの平均円形度より小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記イエロートナーは、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74のいずれか一方、またはこれら両方の顔料で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005339849A JP2007147821A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | 画像形成装置 |
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CN103995446A (zh) * | 2013-02-15 | 2014-08-20 | 京瓷办公信息系统株式会社 | 图像形成装置及图像流动抑制方法 |
JP2017090734A (ja) * | 2015-11-12 | 2017-05-25 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
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2005
- 2005-11-25 JP JP2005339849A patent/JP2007147821A/ja active Pending
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