JP2007147562A - 超音波式メータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、測定流路を上流側と下流側との間で斜めに横断する超音波伝搬路の両端部に配置されて相互に当該超音波伝搬路に沿って超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器により、超音波伝搬路における超音波の伝搬状態を計測し、測定流路を流通する測定対象流体の流速関連値を導出する超音波式メータ装置に関し、その目的は、測定流路を傾斜して横断する超音波伝搬路に沿った領域において、測定対象流体の流速分布を良好に均一なものとして、高精度で且つ広い測定範囲を達成する超音波式メータ装置を実現する点にある。
【解決手段】測定流路2に、測定対象流体gが通過する複数の通過路21を超音波伝搬路5に沿って配置してなる整流部20を備えると共に、測定流路2における超音波伝搬路5の幅D5が、整流部20の幅D20よりも大きく形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】測定流路2に、測定対象流体gが通過する複数の通過路21を超音波伝搬路5に沿って配置してなる整流部20を備えると共に、測定流路2における超音波伝搬路5の幅D5が、整流部20の幅D20よりも大きく形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、測定対象流体が流通する測定流路と、前記測定流路を上流側と下流側との間で斜めに横断する超音波伝搬路の両端部に配置されて相互に当該超音波伝搬路に沿って超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器と、前記一対の超音波送受信器により計測した前記超音波伝搬路における超音波の伝搬状態により前記測定流路を流通する測定対象流体の流速関連値を導出する演算手段とを備えた超音波式メータ装置に関する。
従来、測定対象流体としてのガスの流量を計測するガスメーターに利用可能なメータ装置として、超音波を利用して、測定対象流体の流速や、その流速と測定対象流路の流路断面積から求められる測定対象流体の流量等を、当該流速に関連する流速関連値として導出する超音波式メータ装置が知られている。
かかる超音波式メータ装置は、測定対象流体が流通する測定流路と、その測定流路を上流側と下流側との間で斜めに横断する超音波伝搬路の両端部に配置され相互に当該超音波伝搬路に沿って超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器と、その一対の超音波送受信器により計測した超音波伝搬路における超音波の伝搬状態により測定流路における測定対象流体の流速関連値を導出する演算手段とを備えて構成されている。
具体的には、上記演算手段は、超音波が上記超音波伝搬路を下流側に向かう順方向に伝播する順方向伝播時間と、超音波が上記超音波伝搬路を上流側に向かう逆方向に伝搬する逆方向伝播時間とを計測し、上記順方向伝搬時間から認識される測定流路における順方向の音速と上記逆方向伝播時間から認識される測定流路における逆方向の音速との差から、上記測定流路における測定対象流体の流速を導出し、更には、その流速に測定流路の流路断面積を乗じて流量を導出するように構成されている。
具体的には、上記演算手段は、超音波が上記超音波伝搬路を下流側に向かう順方向に伝播する順方向伝播時間と、超音波が上記超音波伝搬路を上流側に向かう逆方向に伝搬する逆方向伝播時間とを計測し、上記順方向伝搬時間から認識される測定流路における順方向の音速と上記逆方向伝播時間から認識される測定流路における逆方向の音速との差から、上記測定流路における測定対象流体の流速を導出し、更には、その流速に測定流路の流路断面積を乗じて流量を導出するように構成されている。
このような測定流路における測定対象流体の流れ状態は、比較的高流量で測定対象流体が流通している高流量域においては、測定対象流体の流れの均一化が促進されることで、超音波伝搬路に沿った領域における流速分布が比較的均一なものとなる。しかし、比較的低流量で測定対象流体が流通している低流量域においては、測定対象流体の流れの均一化があまり促進されないことで、超音波伝搬路に沿った領域における流速分布が明確に形成され、境界層流に影響された比較的不均一なものとなる。
そして、超音波式メータ装置において、上記のような高流量域から低流量域に渡る測定対象流体の流れ状態の変化は、測定範囲の縮小や測定精度の低下等の原因となる。
そして、超音波式メータ装置において、上記のような高流量域から低流量域に渡る測定対象流体の流れ状態の変化は、測定範囲の縮小や測定精度の低下等の原因となる。
そこで、このような問題を解決するための従来の超音波式メータ装置としては、測定流路における超音波伝搬路の上流側や下流側に、測定対象流体が通過する多数の通過路を超音波伝搬路に沿って配置してなるハニカム状体等の整流部を備えた超音波式メータ装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
そして、この特許文献1に記載の超音波式メータ装置は、上記整流部を備え、超音波伝搬路に沿って配置された多数の通過路を通過することで、測定対象流体の流れが規制されて均一化が促進され、超音波伝搬路に沿った領域における流速分布の均一化が図られ、測定精度を高めるとされている。
そして、この特許文献1に記載の超音波式メータ装置は、上記整流部を備え、超音波伝搬路に沿って配置された多数の通過路を通過することで、測定対象流体の流れが規制されて均一化が促進され、超音波伝搬路に沿った領域における流速分布の均一化が図られ、測定精度を高めるとされている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の超音波式メータ装置では、例えば測定範囲の拡大を図るべく測定対象流体の流量を極めて低くした場合に、整流部を備えたとしても、測定対象流体の流れの均一化を充分に促進することができない。よって、測定流路を傾斜して横断する超音波伝搬路に沿った領域において、測定対象流体の流速分布が不均一となって、測定精度が低下する場合があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、測定流路を傾斜して横断する超音波伝搬路に沿った領域において、測定対象流体の流速分布を良好に均一なものとして、高精度で且つ広い測定範囲を達成する超音波式メータ装置を実現する点にある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、測定流路を傾斜して横断する超音波伝搬路に沿った領域において、測定対象流体の流速分布を良好に均一なものとして、高精度で且つ広い測定範囲を達成する超音波式メータ装置を実現する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る超音波式メータ装置は、測定対象流体が流通する測定流路と、前記測定流路を上流側と下流側との間で斜めに横断する超音波伝搬路の両端部に配置されて相互に当該超音波伝搬路に沿って超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器と、前記一対の超音波送受信器により計測した前記超音波伝搬路における超音波の伝搬状態により前記測定流路を流通する測定対象流体の流速関連値を導出する演算手段とを備えた超音波式メータ装置であって、その第1特徴構成は、前記測定流路に、前記測定対象流体が通過する複数の通過路を前記超音波伝搬路に沿って配置してなる整流部を備えると共に、
前記測定流路における前記超音波伝搬路の幅が、前記整流部の幅よりも大きく形成されている点にある。
前記測定流路における前記超音波伝搬路の幅が、前記整流部の幅よりも大きく形成されている点にある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、測定対象流体が通過する複数の通過路を、測定流路を上流側と下流側との間で斜めに横断する超音波伝搬路に沿って略平行に配置してなる整流部を測定流路に備えた超音波式メータ装置の測定流路の構成をモデル化した測定対象流体の流れについての種々のシミュレーションを鋭意重ねて行った。結果、特に測定対象流体の流量を極めて低くした場合における測定対象流体の流れの均一化が不十分となる主な要因は、測定流路の中心軸と超音波伝搬路の中心軸とを通る平面の法線方向における超音波伝搬路の幅を規定する測定流路の側壁の影響により形成される境界層流によるものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記第1特徴構成によれば、上記のような超音波式メータ装置において、上記超音波伝搬路の幅を、整流部の同方向視における幅よりも大きく形成することで、上記超音波伝搬路の幅を規定する側壁近傍における測定対象流体の流れは、上記幅の拡大により形成される段部により死水領域が形成されて乱流域が幅方向に拡張され、その超音波伝搬路の側壁の影響により形成される境界層流が実質的に無に等しい程度に薄いものとなる。更には、その境界層流の影響が、超音波が伝搬する超音波伝搬路の略中心部まで及ぶことが良好に抑制される。
よって、本発明により、測定流路を傾斜して横断する超音波伝搬路に沿った領域において、測定対象流体の流速分布を良好に均一なものとすることができるので、高流量域から低流量域に渡る広い測定範囲において、その超音波伝搬路における測定対象流体の流れ状態が変化を抑制することができ、結果、高精度で且つ広い測定範囲を達成する超音波式メータ装置を実現することができる。
即ち、上記第1特徴構成によれば、上記のような超音波式メータ装置において、上記超音波伝搬路の幅を、整流部の同方向視における幅よりも大きく形成することで、上記超音波伝搬路の幅を規定する側壁近傍における測定対象流体の流れは、上記幅の拡大により形成される段部により死水領域が形成されて乱流域が幅方向に拡張され、その超音波伝搬路の側壁の影響により形成される境界層流が実質的に無に等しい程度に薄いものとなる。更には、その境界層流の影響が、超音波が伝搬する超音波伝搬路の略中心部まで及ぶことが良好に抑制される。
よって、本発明により、測定流路を傾斜して横断する超音波伝搬路に沿った領域において、測定対象流体の流速分布を良好に均一なものとすることができるので、高流量域から低流量域に渡る広い測定範囲において、その超音波伝搬路における測定対象流体の流れ状態が変化を抑制することができ、結果、高精度で且つ広い測定範囲を達成する超音波式メータ装置を実現することができる。
本発明に係る超音波式メータ装置の第2特徴構成は、前記整流部が、前記測定流路の中心軸方向に延びる複数の貫通孔が上記通過路としてハニカム状に形成されてなるハニカム構造体で構成されている点にある。
上記第2特徴構成によれば、上記整流部は、複数の貫通孔上記通過路として互いに平行に平面配置してなるハニカム構造体で構成することができ、かかるハニカム構造体では、上記通過路の断面形状が扁平形状ではなく円形に近い形状となっており、更に、複数の通過路の断面形状が略均等なものとなっているので、測定対象流体にかかる圧力損失を抑制しながら、超音波伝搬路に沿って均等に測定対象流体の流れの均一化を促進することができる。
本発明に係る超音波式メータ装置の第3特徴構成は、前記整流部が、前記測定流路における前記超音波伝搬路の上流側及び下流側との夫々に配置されている点にある。
上記第3特徴構成によれば、上記超音波伝搬路の上流側に上記整流部を配置することで、当該上流側の整流部の通過路から超音波伝搬路に流入する測定対象流体の均一化を促進して、超音波伝搬路に沿った領域における流速分布の均一化を図ると共に、上記超音波伝搬路の下流側に上記整流部を配置することで、超音波伝搬路における測定対象流体の流れに背圧を加えて、その超音波伝搬路における測定対象流体の流れをより一層均一化及び安定化することができる。
本発明に係る超音波式メータ装置の第4特徴構成は、前記整流部が、前記測定流路の端部に連通し前記測定流路よりも大きい流路断面を有する整圧流路に面する形態で配置されている点にある。
上記第4特徴構成によれば、上記整流部が上記整圧流路に面する形態で配置されているので、整圧流路の壁面の影響が緩和され、上記整圧流路に対する上記整流部に設けられた複数の通過路の夫々における測定対象流体の流れが略均等なものとなり、超音波伝搬路における測定対象流体の流れをより一層均一化することができる。
本発明に係る超音波式メータ装置の第5特徴構成は、前記整圧流路として、前記測定流路の上流側に配置された上流側整圧流路と前記測定流路の下流側に配置された下流側整圧流路とが、互いに平行に配置され、
前記測定流路が、前記上流側整圧流路の側部と前記下流側整圧流路の側部とを連通する流路として形成されている点にある。
前記測定流路が、前記上流側整圧流路の側部と前記下流側整圧流路の側部とを連通する流路として形成されている点にある。
上記第5特徴構成によれば、上流側整圧流路と下流側整圧流路とが互いに平行に配置されているので、上流側整圧流路への測定対象流体の流入口と、下流側整圧流路からの測定対象流体の流出口とを、ガスメーターのように上向き等の同方向に開口する形態で並設することができる。更に、測定流路を、上流側整圧流路と下流側整圧流路とにおいて、測定対象流体の圧力分布が略均一となる夫々の側部を連通する流路として形成して、測定流路の入口及び出口における測定対象流体の流れをより一層均一化することができる。
本発明に係る超音波式メータ装置の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の超音波式メータ装置(以下、「本装置」と略称する。)1により測定流路2を流れるガスg(測定対象流体の一例)の流量測定を実施している状態における本装置1の側断面図であり、図2は、本装置1の測定流路2の中心軸Xにおける平断面図である。
また、入口部(図示せず)から流入したガスgは、上流側整圧流路3を流通して整圧された後に、その上流側整圧流路3の側部から測定流路2に流入し、その測定流路2を通過した後のガスgは、下流側整圧流路4の側部から当該下流側整圧室4を流通して整圧された後に、出口部(図示せず)から排出される。尚、図1において、測定流路2でのガスgの中心軸Xに沿った流れ方向は、左から右に向かう方向とされている。
図1は、本実施形態の超音波式メータ装置(以下、「本装置」と略称する。)1により測定流路2を流れるガスg(測定対象流体の一例)の流量測定を実施している状態における本装置1の側断面図であり、図2は、本装置1の測定流路2の中心軸Xにおける平断面図である。
また、入口部(図示せず)から流入したガスgは、上流側整圧流路3を流通して整圧された後に、その上流側整圧流路3の側部から測定流路2に流入し、その測定流路2を通過した後のガスgは、下流側整圧流路4の側部から当該下流側整圧室4を流通して整圧された後に、出口部(図示せず)から排出される。尚、図1において、測定流路2でのガスgの中心軸Xに沿った流れ方向は、左から右に向かう方向とされている。
先ず、本装置1の基本構成について説明する。
本装置1は、図1及び図2に示すように、上記測定流路2を上流側と下流側との間で斜めに横断する超音波伝搬路5の両端部に配置されて相互に当該超音波伝搬路5に沿って超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器6と、その一対の超音波送受信器6により計測した超音波伝搬路5における超音波の伝搬状態により測定流路2を流通するガスgの流速関連値を導出するように構成された制御装置10(演算手段の一例)を備える。
本装置1は、図1及び図2に示すように、上記測定流路2を上流側と下流側との間で斜めに横断する超音波伝搬路5の両端部に配置されて相互に当該超音波伝搬路5に沿って超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器6と、その一対の超音波送受信器6により計測した超音波伝搬路5における超音波の伝搬状態により測定流路2を流通するガスgの流速関連値を導出するように構成された制御装置10(演算手段の一例)を備える。
測定流路2の上流側に設置された超音波送受信器6aと、測定流路2の下流側に設置された超音波送受信器6bとは、距離Lを隔てた位置に互いに対向して設置され、その対向方向(超音波伝搬路5の中心軸Yに沿った方向)と測定流路2を流通するガスgの流れ方向(測定流路2の中心軸Xに沿った方向)とが角度θをなす。
また、この超音波送受信器6は、制御装置10から電気信号である入力信号が入力されると音響信号である超音波を他方の超音波送受信器6側に向けて送信し、更に、他方の超音波送受信器6側から送信された超音波を受信すると、電気信号である出力信号を制御装置10に出力するように構成されている。
制御装置10は、タイマ17、メモリ又はハードディスク等からなる記憶部18、液晶表示部等からなる出力部19等を備えたマイクロコンピュータで構成され、そのコンピュータが所定のプログラムを実行することにより、後述の伝播時間計測手段11、流速関連値導出手段12等の様々な手段として機能する。
制御装置10が機能する伝播時間計測手段11は、上流側と下流側とに配置された一対の超音波送受信器6を作動させて、測定流路2を流れるガスgの流れ方向に沿った順方向で超音波が超音波伝搬路5を伝播する順方向伝播時間T1と、当該順方向とは逆の逆方向で超音波が超音波伝搬路5を伝播する逆方向伝播時間T2とを計測するように構成されている。
即ち、上記順方向伝播時間T1は、上流側の超音波送受信器6aに入力信号を入力してから下流側の超音波送受信器6bで出力信号が出力されるまでの時間から順方向の遅延時間を差し引いた時間として計測される。
一方、上記逆方向伝搬時間T2は、下流側の超音波送受信器6bに入力信号を入力してから上流側の超音波送受信器6aで出力信号が出力されるまでの時間から逆方向の遅延時間を差し引いた時間として計測される。
尚、上記順方向及び逆方向の遅延時間とは、順方向及び逆方向の夫々において、一方の超音波送受信器6における入力信号を入力してから実際に音響信号である超音波を送信するまでの送信遅延時間と、他方の超音波送受信器における音響信号である超音波を受信してから出力信号を出力するまでの受信遅延時間との和であり、これら遅延時間は、本装置1の製造時に計測されたものである。
また、伝播時間計測手段11は、タイマ17を用いて、このような順方向伝播時間T1と逆方向伝播時間T2との計測を実行する。
即ち、上記順方向伝播時間T1は、上流側の超音波送受信器6aに入力信号を入力してから下流側の超音波送受信器6bで出力信号が出力されるまでの時間から順方向の遅延時間を差し引いた時間として計測される。
一方、上記逆方向伝搬時間T2は、下流側の超音波送受信器6bに入力信号を入力してから上流側の超音波送受信器6aで出力信号が出力されるまでの時間から逆方向の遅延時間を差し引いた時間として計測される。
尚、上記順方向及び逆方向の遅延時間とは、順方向及び逆方向の夫々において、一方の超音波送受信器6における入力信号を入力してから実際に音響信号である超音波を送信するまでの送信遅延時間と、他方の超音波送受信器における音響信号である超音波を受信してから出力信号を出力するまでの受信遅延時間との和であり、これら遅延時間は、本装置1の製造時に計測されたものである。
また、伝播時間計測手段11は、タイマ17を用いて、このような順方向伝播時間T1と逆方向伝播時間T2との計測を実行する。
上記のように計測した順方向伝播時間T1と逆方向伝播時間T2とは、超音波伝搬路5の横断方向、即ち一対の超音波送受信器6の夫々の中心を結ぶ超音波伝搬路5の中心軸Yに沿ったガスgの瞬時流速をV’とし、測定流路2の中心軸Xに沿ったガスgの瞬時流速をVとし、中心軸Xと中心軸Yとのなす角度をθとし、一対の超音波送受信器6間の距離(即ち、超音波伝搬路5の長さ)をL、ガスg内の音速をCとすると、上記瞬時流速Vは、以下の数1に示す式にて算出される。
[数1]
T1=L/(C+V’)=L/(C+V・cosθ)
T2=L/(C−V’)=L/(C−V・cosθ)
T1=L/(C+V’)=L/(C+V・cosθ)
T2=L/(C−V’)=L/(C−V・cosθ)
そして、これらの式から、瞬時流速Vは、下記の数2に示す式のように、順方向伝播時間T1、逆方向伝播時間T2、距離Lのみで求められる関数となる。
[数2]
V=(L/2・cosθ)×{(1/T1)−(1/T2)}
V=(L/2・cosθ)×{(1/T1)−(1/T2)}
よって、制御装置10が機能する流速関連値導出手段12は、伝播時間計測手段11により計測され記憶部18に格納された順方向伝播時間T1と逆方向伝播時間T2とから、上記数2の式を用いて、測定流路2を流れるガスgの瞬時流速Vを求め、その瞬時流速V自身、その瞬時流速Vに測定流路2の断面積を乗じて求めた瞬時流量、又は、単位時間における瞬時流量を時間積分して求めた単位時間あたりの流量等を、流速関連値Qとして導出する。
そして、上記伝播時間計測手段11で計測された順方向伝播時間T1及び方向伝播時間T2、上記流速関連値導出手段12で導出された流速関連値Qは、所定間隔で記憶部18に格納される。
そして、上記伝播時間計測手段11で計測された順方向伝播時間T1及び方向伝播時間T2、上記流速関連値導出手段12で導出された流速関連値Qは、所定間隔で記憶部18に格納される。
次に、本装置1の特徴構成について説明する。
本装置1は、図1及び図2に示すように、測定流路2に、ガスgが通過する複数の通過路21を超音波伝搬路5に沿って配置してなる整流部20を備えると共に、測定流路2の中心軸Xと超音波伝搬路5の中心軸Yとを通る平面の法線方向Z(図1では紙面表裏方向、図2では上下方向で示される)における超音波伝搬路5の幅D5が、整流部20の同方向での幅D20よりも大きく形成されている。尚、図1では、ガスgの測定流路2への流入方向(即ち、上流側整圧流路3でのガスgの流通方向)を、上記中心軸Xと上記法線方向Zとに垂直な紙面下向きの方向としたが、この流入方向については、例えば上記法線方向Zに沿った方向等の別の方向としても構わない。
本装置1は、図1及び図2に示すように、測定流路2に、ガスgが通過する複数の通過路21を超音波伝搬路5に沿って配置してなる整流部20を備えると共に、測定流路2の中心軸Xと超音波伝搬路5の中心軸Yとを通る平面の法線方向Z(図1では紙面表裏方向、図2では上下方向で示される)における超音波伝搬路5の幅D5が、整流部20の同方向での幅D20よりも大きく形成されている。尚、図1では、ガスgの測定流路2への流入方向(即ち、上流側整圧流路3でのガスgの流通方向)を、上記中心軸Xと上記法線方向Zとに垂直な紙面下向きの方向としたが、この流入方向については、例えば上記法線方向Zに沿った方向等の別の方向としても構わない。
上記整流部20は、複数の通過路21として、中心軸Xに延びる多数の貫通孔が比較的薄い隔壁を介してハニカム状に形成されてなるハニカム構造体で構成されている。
このような整流部20は、柱状の本体内にその柱状の軸心に沿って平行な多数の貫通孔を形成してなるハニカム構造体を、上記超音波伝搬路5の測定流路2に対する横断角度で、斜めにスライスして簡単に製造することができる。
尚、本実施形態では、整流部20をハニカム構造体で構成するが、別に、整流部20を網状構造体、繊維状構造体、多孔質構造体等のように、複数の通過路21を有する別の構造体で構成しても構わない。
このような整流部20は、柱状の本体内にその柱状の軸心に沿って平行な多数の貫通孔を形成してなるハニカム構造体を、上記超音波伝搬路5の測定流路2に対する横断角度で、斜めにスライスして簡単に製造することができる。
尚、本実施形態では、整流部20をハニカム構造体で構成するが、別に、整流部20を網状構造体、繊維状構造体、多孔質構造体等のように、複数の通過路21を有する別の構造体で構成しても構わない。
更に、整流部20としては、測定流路2における超音波伝搬路5の上流側に配置された上流側整流部20aと、測定流路2における超音波伝搬路5の下流側に配置された下流側整流部20bとが設けられている。よって、超音波伝搬路5は、これら上流側整流部20aと下流側整流部20bとに挟まれた空間として形成されている。
従って、測定流路2における超音波伝搬路5の幅D5が、整流部20の幅D20よりも大きいことから、上流側整流部20aの通過路21を通過した後に超音波伝搬路5に流入するガスgの流れ状態は、流路断面の拡大により乱流域が幅方向に拡張されて速度分布が均一化され、側壁付近に形成される境界層流が薄いものとなる。
更に、超音波伝搬路5の幅D5が整流部20の幅D20よりも大きく形成されているので、その超音波伝搬路5の側壁の影響付近に形成される境界層流は、超音波伝搬路5の超音波が伝搬する略中心部までは殆ど影響しなくなる。
更に、超音波伝搬路5の幅D5が整流部20の幅D20よりも大きく形成されているので、その超音波伝搬路5の側壁の影響付近に形成される境界層流は、超音波伝搬路5の超音波が伝搬する略中心部までは殆ど影響しなくなる。
更に、下流側整流部20bが超音波伝搬路5の下流側に配置されているので、超音波伝搬路5におけるガスgの流れに背圧が加えられて、その超音波伝搬路5におけるガスgの流れがより一層均一且つ安定したものとなる。
また、上流側整流部20a及び下流側整流部20bは、測定流路2の端部に連通し測定流路2よりも大きい流路断面を有する上流側整圧流路3及び下流側整圧流路3に面する形態で配置されている。
詳しくは、上流側整圧流路3と下流側整圧流路4との夫々が、下方に延びる形態で、互いに並行に配置されており、更に、測定流路2が、上流側整圧流路3の下端側部と下流側整圧流路4の下端側部とを連通する直線流路として形成されている。
よって、夫々の整圧流路3,4の側部では、ガスgの圧力分布が略均一となるので、その側部に面する整流部20に設けられた複数の通過路21の夫々におけるガスgの流れが略均等なものとなって、超音波伝搬路5におけるガスgの流れが一層均一なものとなる。
詳しくは、上流側整圧流路3と下流側整圧流路4との夫々が、下方に延びる形態で、互いに並行に配置されており、更に、測定流路2が、上流側整圧流路3の下端側部と下流側整圧流路4の下端側部とを連通する直線流路として形成されている。
よって、夫々の整圧流路3,4の側部では、ガスgの圧力分布が略均一となるので、その側部に面する整流部20に設けられた複数の通過路21の夫々におけるガスgの流れが略均等なものとなって、超音波伝搬路5におけるガスgの流れが一層均一なものとなる。
以下、図3に示すように、測定流路2にガスgが通過する複数の通過路21を超音波伝搬路5に沿って斜めに配置してなる整流部20を、超音波伝搬路5の上流側と下流側とに設けた超音波式メータ装置の測定流路2の構成をモデル化し、ガスgの流れについて実行したシミュレーション結果について、図面に基づいて説明する。
尚、本シミュレーションでは、測定流路2の高さを29mm、幅(整流部20における幅D20)を20mmとし、測定流路2の中心軸Xに沿った整流部2の厚さを14mmとし、超音波伝搬路5の同中心軸Xに沿った間隔を18mmとしており、このように形成された測定流路2にガスgを低流量域の100L/hの流量で流通するものとしている。
尚、本シミュレーションでは、測定流路2の高さを29mm、幅(整流部20における幅D20)を20mmとし、測定流路2の中心軸Xに沿った整流部2の厚さを14mmとし、超音波伝搬路5の同中心軸Xに沿った間隔を18mmとしており、このように形成された測定流路2にガスgを低流量域の100L/hの流量で流通するものとしている。
尚、図4に示すシミュレーション結果は、本発明の超音波式メータ装置についての実施例であり、具体的には、モデルとなる測定流路2において、これまで説明してきた本装置1と同様に、超音波伝搬路5の幅D5が、整流部20の幅D20よりも大きく形成してある。ここで、超音波伝搬路5の幅D5は、整流部20の幅D20が12mmであるのに対して、それよりも大きい16mmとしている。
一方、図5に示すシミュレーション結果は、従来の超音波式メータ装置についての比較例であり、具体的には、モデルとなる測定流路2において、上記実施例とは異なり、超音波伝搬路5の幅D5が、整流部20の幅D20と同じ12mmとしてある。
尚、図4及び図5において、(a)は、測定流路2の側断面(測定流路2の中心軸Xと超音波伝搬路5の中心軸Yとを通る断面)におけるガスgの流速分布を示したシミュレーション結果であり、(b)は、測定流路2の平断面(測定流路2の中心軸Xを通り上記側断面の法線方向Zに平行な断面)におけるガスgの流速分布を示したシミュレーション結果であり、(c)は、超音波伝搬路5の中心軸Yを通る幅方向に延びる断面(超音波伝搬路5の中心軸Yを通り上記側断面の法線方向Zと平行な断面)におけるガスgの流速分布を示したシミュレーション結果であり、また、これら図示において、流速が高いほど濃く示される形態で、流速が濃淡で表現されている。
図4の実施例のシミュレーション結果において、超音波伝搬路5の幅D5を整流部20の幅D20とよりも大きくしている場合には、図4(a),(c)に示されるように、超音波伝搬路5に沿った領域における流速分布が均一となり、更に、図4(b)に示されるように、超音波伝搬路5において超音波が伝搬する略中心部において、その超音波伝搬路5の幅D5を規定する側壁付近に形成される境界層流が殆ど影響せずに、速度分布が均一になっていることが確認できる。
一方、図5の比較例のシミュレーション結果において、上記実施例とは異なって、超音波伝搬路5の幅D5を整流部20の幅D20と同じにしている場合には、図5(a),(c)に示されるように、超音波伝搬路5に沿った領域における流速分布が上記実施例よりも不均一となり、更に、図5(b)に示されるように、超音波伝搬路5において超音波が伝搬する略中央部において、その超音波伝搬路5の幅D5を規定する側壁付近に形成される境界層流が影響して、速度分布が不均一になっていることが確認できる。
上記の結果から、本発明の如く、超音波伝搬路5の幅D5を整流部20の幅D20とよりも大きくすれば、超音波伝搬路5の幅D5を整流部20の幅D20と同じにするよりも、超音波伝搬路5に沿った領域における流速分布を良好に均一なものとすることができることが証明される。
一方、図5の比較例のシミュレーション結果において、上記実施例とは異なって、超音波伝搬路5の幅D5を整流部20の幅D20と同じにしている場合には、図5(a),(c)に示されるように、超音波伝搬路5に沿った領域における流速分布が上記実施例よりも不均一となり、更に、図5(b)に示されるように、超音波伝搬路5において超音波が伝搬する略中央部において、その超音波伝搬路5の幅D5を規定する側壁付近に形成される境界層流が影響して、速度分布が不均一になっていることが確認できる。
上記の結果から、本発明の如く、超音波伝搬路5の幅D5を整流部20の幅D20とよりも大きくすれば、超音波伝搬路5の幅D5を整流部20の幅D20と同じにするよりも、超音波伝搬路5に沿った領域における流速分布を良好に均一なものとすることができることが証明される。
また、整流部20の幅D20が12mmであるのに対して、上記実施例の超音波伝搬路5の幅D5を16mmから14mmに若干小さくすると、超音波先般路5において超音波が通る中心軸Y付近における流速が若干速い側に推移し、逆に、上記実施例の超音波伝搬路5の幅D5を16mmから18mmに若干大きくすると、超音波先般路5において超音波が通る中心軸Y付近における流速が若干遅い側に推移することが上記シミュレーションにより確認できた。即ち、整流部20の幅D20に対して大きくなるように設定される超音波伝搬路5の幅D5については、超音波伝搬路5に沿った領域における流速分布をより均一なものとするべく、適切な範囲内に設定することが望ましい。
本発明は、測定流路を傾斜して横断する超音波伝搬路に沿った領域において、測定対象流体の流速分布を良好に均一なものとして、高精度で且つ広い測定範囲を達成する超音波式メータ装置として、例えば測定対象流体としてのガスの流量を計測するガスメーターに利用可能なメータ装置として好適に利用可能である。
1:超音波式メータ装置(本装置)
2:測定流路
3,4:整圧室
5:超音波伝搬路
6:超音波送受信器
20:整流部
21:通過路
g:ガス(測定対象流体)
2:測定流路
3,4:整圧室
5:超音波伝搬路
6:超音波送受信器
20:整流部
21:通過路
g:ガス(測定対象流体)
Claims (5)
- 測定対象流体が流通する測定流路と、前記測定流路を上流側と下流側との間で斜めに横断する超音波伝搬路の両端部に配置されて相互に当該超音波伝搬路に沿って超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器と、前記一対の超音波送受信器により計測した前記超音波伝搬路における超音波の伝搬状態により前記測定流路を流通する測定対象流体の流速関連値を導出する演算手段とを備えた超音波式メータ装置であって、
前記測定流路に、前記測定対象流体が通過する複数の通過路を前記超音波伝搬路に沿って配置してなる整流部を備えると共に、
前記測定流路における前記超音波伝搬路の幅が、前記整流部の幅よりも大きく形成されている超音波式メータ装置。 - 前記整流部が、前記測定流路の中心軸方向に延びる複数の貫通孔が上記通過路としてハニカム状に形成されてなるハニカム構造体で構成されている請求項1に記載の超音波式メータ装置。
- 前記整流部が、前記測定流路における前記超音波伝搬路の上流側及び下流側との夫々に配置されている請求項1又は2に記載の超音波式メータ装置。
- 前記整流部が、前記測定流路の端部に連通し前記測定流路よりも大きい流路断面を有する整圧流路に面する形態で配置されている請求項1〜3の何れか一項に記載の超音波式メータ装置。
- 前記整圧流路として、前記測定流路の上流側に配置された上流側整圧流路と前記測定流路の下流側に配置された下流側整圧流路とが、互いに平行に配置され、
前記測定流路が、前記上流側整圧流路の側部と前記下流側整圧流路の側部とを連通する流路として形成されている請求項4に記載の超音波式メータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005345968A JP2007147562A (ja) | 2005-11-30 | 2005-11-30 | 超音波式メータ装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010066177A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Yamatake Corp | 流量計及び流量制御装置 |
WO2023157664A1 (ja) * | 2022-02-21 | 2023-08-24 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 超音波流量計 |
-
2005
- 2005-11-30 JP JP2005345968A patent/JP2007147562A/ja active Pending
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