JP2004251700A - 流体計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】順方向及び逆方向の脈動が起きている場合にも精度の高い計測を行うことができる流体計測装置を提供する。
【解決手段】本発明の流体計測装置は、計測流路5と、前記計測流路5の断面形状を上流側と下流側で異ならせ順方向及び逆方向の流れの流速分布を対称にするために前記計測流路5の少なくとも下流側に設けられた流速制御手段と、前記計測流路5に設けられた少なくとも一対の流速検出手段7と、前記流速検出手段7により計測された情報に応じて流体の流量を演算する計測制御手段11とを具備する。この構成により、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布を対称にすることができ、精度の高い計測を行うことが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の流体計測装置は、計測流路5と、前記計測流路5の断面形状を上流側と下流側で異ならせ順方向及び逆方向の流れの流速分布を対称にするために前記計測流路5の少なくとも下流側に設けられた流速制御手段と、前記計測流路5に設けられた少なくとも一対の流速検出手段7と、前記流速検出手段7により計測された情報に応じて流体の流量を演算する計測制御手段11とを具備する。この構成により、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布を対称にすることができ、精度の高い計測を行うことが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体や液体の流速や流量などを計測する流体計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の流体計測装置は図11に示すような構造であった。すなわち、流体の流れる配管1には対向するように超音波送受信器2aおよび2bが設けられている。また、前記配管1の吸入口2には整流体4が設けられ、前記整流体4は平行に配列された複数の細管4aにより構成されている。
【0003】
この整流体4を設けることにより流体が吸入口2において様々な角度を持って吸い込まれたとしても細管4aを通過する過程で整流され安定した流れになる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−189591号公報(第2−2頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
通常、ガスなどの流体は上流側から下流側へと順方向に流れるが、ガスエンジンヒートポンプをはじめとする流体計測装置に接続される流体消費機器の影響を受け時々刻々変化する脈動と呼ばれる順方向及び逆方向の流れが生じることがある。
【0006】
脈動の順方向及び逆方向の流れは全体的にみると±0になるため、常に流速を計測し続けると脈動による誤差を相殺することができるが、省電力化が求められる超音波流量計においては所定の時間毎に流速を計測するのが主であり、脈動による誤差が計測精度を低下させるという課題が出てきた。
【0007】
この脈動が発生している状態においても精度の高い計測を行うためには順方向の脈動が発生している場合の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流速分布を対称にする必要がある。
【0008】
しかしながら、従来の流体計測装置では、上流側と下流側とで同じ流路断面形状を有し、順方向の流れに対しても逆方向の流れに対してもその同じ流路断面形状を用いて計測するため、変化する脈動の影響を強く受け、順方向の脈動が発生している場合の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流速分布に非対称性が生まれ計測精度が低下する。
【0009】
図12は脈動発生時において、従来の流体計測装置の矩形断面の流路における流速分布を測定したものである。流路の高さHは10mm、幅Wは20mm、流量が25L/h、脈動周波数10Hz、圧力変動幅±180Paの場合に1周期(100ms)の間測定したものである。
【0010】
この図により脈動の流れが時間とともに変化することが分かるが、順方向の流れと逆方向の流れについて比較するため、各々の流速0.05m/s付近での流速分布を特に図13に表わす。図において、流体が流れている状態において流体の流れと同じ方向に脈動が発生している場合を順方向時(流速増加時)、流体の流れと逆の方向に脈動が発生している場合を逆方向時(流速減少時)とする。
【0011】
図において、順方向時の脈動が起きている場合の流速分布はほぼ平坦化されているのに対し、逆方向時の脈動が起きている場合の流速分布は凸状に近い形をしている。このように、脈動の流速分布の非対称性が流体の流速分布に影響をもたらし、計測の精度を低下させている。また、特に流量が少ない場合には脈動の影響が大きくなり計測精度を一層低下させる。
【0012】
本発明は上記課題に鑑み、順方向または逆方向の脈動が発生した場合にも、特に逆方向の脈動を平坦化することで流速分布を対称化し、また新たに脈動に応じた計測時間を設定することで脈動による誤差を相殺して精度の高い計測を行うことができる流体計測装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の流体計測装置は、流体の流れる計測流路と、前記計測流路の断面形状を上流側と下流側で異ならせ順方向及び逆方向の流れの流速分布を対称にするために前記計測流路の少なくとも下流側に設けられた流速制御手段と、前記計測流路に設けられた少なくとも一対の流速検出手段と、前記流速検出手段により計測された情報に応じて流体の流量を演算する計測制御手段とを具備する。
【0014】
この構成により、上流側と下流側とで異なる流路断面形状を有し、順方向の流れに対する流路断面形状と逆方向の流れに対する流路断面形状を異ならせて計測するため、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布を対称にすることができ、精度の高い計測を行うことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、流体の流れる計測流路と、前記計測流路の断面形状を上流側と下流側で異ならせ順方向及び逆方向の流れの流速分布を対称にするために前記計測流路の少なくとも下流側に設けられた流速制御手段と、前記計測流路に設けられた少なくとも一対の流速検出手段と、前記流速検出手段により計測された情報に応じて流体の流量を演算する計測制御手段とを具備する流体計測装置である。
【0016】
また、流速制御手段として計測流路を複数の分割流路に分割する流路分割手段を設け、上流側に設けられた前記分割流路の数よりも下流側に設けられた前記分割流路の数を増やすように構成している。
【0017】
なお、流路分割手段を上流側と下流側で別々に設けてもよく、さらには流路分割手段を下流側のみに設けてもよい。
【0018】
また、流速制御手段の他の形態として計測流路の下流側の側面に突起部を設けてもよい。
【0019】
以上のような構成により、上流側と下流側とで異なる流路断面形状を有し、順方向の流れに対する流路断面形状と逆方向の流れに対する流路断面形状を異ならせて計測するため、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布を対称にすることができ、精度の高い計測を行うことが可能となる。
【0020】
また、本発明の流体計測装置は、流速検出手段を前記流速検出手段から送受信される信号の信号伝播路が流路分割手段により妨げられない位置に対向して設けたものである。さらには、前記流速検出手段を複数設けたものである。
【0021】
以上のような構成により、流路分割手段により信号が減衰するのを防ぐとともに流速検出手段を用いてより広範囲の流速域での計測ができるため、計測精度の向上が可能となる。
【0022】
また、本発明の流体計測装置は、計測流路の入口側または出口側の少なくとも一方に整流手段を設けたものであり、流れの方向を規制することができるため、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布をより均一化することができ、計測精度の向上が可能となる。
【0023】
また、本発明の流体計測装置は、脈動の発生が検知されると脈動周期に応じた計測時間を設定し、その計測時間中は流速検出手段による計測時間の間隔を短くするように設定したものである。この構成により、脈動による誤差を相殺することができ精度の高い計測を行うことができる。
【0024】
また、本発明の流体計測装置は、計測流路の断面が矩形状に構成されている。この構成により、分割した各断面における流速分布を均等化することができ精度の高い計測を行うことができる。
【0025】
また、本発明の流体計測装置は、流速検出手段として超音波を送受信する超音波送受信器を用いたものであり、上流側と下流側とで異なる流路断面形状を有し、順方向の流れに対する流路断面形状と逆方向の流れに対する流路断面形状を異ならせて計測するため、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布を対称にすることができ、超音波を用いた精度の高い計測を行うことが可能となる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例について図1〜8を用いて説明する。なお、本実施例においては、流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置を例に挙げて説明する。
【0027】
なお、図1は超音波流量計の幅Wに垂直な面で切断した時の、図2は超音波流量計の高さHに垂直な面で切断した時の断面をそれぞれ示す。
【0028】
5は流路壁6により囲まれた計測流路であり、その途中には熱フローセンサや超音波振動子などの流速検出手段7が配置されている。
【0029】
また、流路分割手段8として前記計測流路5の上流側には2つの流路分割手段8a、下流側には2つの流路分割手段8bが設けられている。
【0030】
なお、流路分割手段8は、上流側の流路分割手段8aと下流側の流路分割手段8bとで数を異ならせている。また、計測流路5の断面は矩形状に構成されており、この構成により、分割した各断面における流速分布を均等化することができ精度の高い計測を行うことができる。
【0031】
9は計測流路5の上流側に位置する導入部であり、10は前記計測流路5の下流側に位置する導出部である。なお、流体は導入部9から導出部10の方向に流れ、それを順方向の流れといい、逆に導出部10から導入部9への流れを逆方向の流れという。
【0032】
また、11は前記流速検出手段7に接続された計測制御手段である。前記計測制御手段11は、計測制御部12、流量演算部13、流量補正部14、脈動判定部15、計測時間設定部16を具備する。
【0033】
以上のように構成された流体計測装置においてその動作を説明する。導入部9から計測流路5に流入した流体は上流側に設けられた流路分割手段8aにより3つの流れに分割される。その後、流速検出手段7の設けられた付近で1つに合流し、再度下流側に設けられた流路分割手段8bにより4つの流れに分割され導出部10から流出する。
【0034】
次に、上記のように流体の流れる計測流路5において計測制御手段11の動作を説明する。計測制御部12は所定の時間毎に計測動作を開始させる信号を流速検出手段7に送る。その後、流速検出手段7が計測した情報を前記計測制御部12で受け取り流量演算部12に送る。前記流量演算部12において流体の流速が求められ、流量補正部14において補正係数を加味して流量が算出される。
【0035】
また、脈動判定部15では流速検出手段7で計測された流速情報に基づいて脈動の有無を判定し、脈動が検知された場合には、流速検出手段7の計測動作開始時間の間隔を脈動のない状態の時間間隔より短く設定する。
【0036】
それとともに、計測時間設定部16において脈動の周期を求め、その周期の整数倍またはほぼ整数倍というように脈動周期に応じた計測時間を設定し、その計測時間中には脈動判定部15で設定された計測動作開始時間の間隔で計測が行われる。この構成により、脈動の周期に応じた計測が可能となるため、脈動による誤差が相殺され、精度の高い計測を行うことができる。
【0037】
このような流体計測装置について流量の算出方法について説明する。
【0038】
流速検出手段7として計測流路5の流路壁6の上流側及び下流側に設けられた開口穴17に超音波送受信器7a及び7bが幅W方向に計測流路5の中心軸に対して角度θ、距離Lをもって配置されている。超音波送受信器7a及び7bはいずれも超音波の送信及び受信の動作を行うように構成されており、どちらの超音波送受信器から超音波を送信するかは任意である。
【0039】
なお、19は超音波の信号伝搬路を表わしている。また、開口穴17と計測流路5の間には流入抑制体20が設けられ、流体の流れが流入し渦などが発生するのを防いでいる。
【0040】
このように構成された超音波流量計についてその動作を説明する。計測制御部12により信号を受けた超音波送受信器7aは超音波を送信し、計測流路5の幅方向Wを斜めに横切って超音波送受信器7bに受信される。この時の伝搬時間t1は以下の式で表わされる。なお、Cは無風状態における流体の音速を表わし、Vは計測流路5を流れる流体の流速を表わす。
【0041】
t1=L/(C+Vcosθ)
次に、超音波送受信器7bから超音波を送信し、計測流路5の幅方向Wを斜めに横切って超音波送受信器7aに受信される。この時の伝搬時間t2は以下の式で表わされる。
【0042】
t2=L/(C−Vcosθ)
流体の音速Cは温度などの測定環境により変化するため、以上の式より流体の音速Cを消去し流速Vを求めると以下の式になる。
【0043】
V=L/{2cosθ(1/t1−1/t2)}
この式により、Lとθが既知のものとなれば流速Vが求められる。しかし、計測流路5における流速分布による誤差が生じるため、流量補正部14において補正係数Kを加味して流量Qを求める必要がある。従って、流量Qは以下の式で表わされる。なお、Sは計測流路5の断面積を表わす。
【0044】
Q=KVS
以上のような動作により流体の流量を求めることができる。なお、図3に示すように外寸Dの大きさとなる超音波送受信面21から送信した超音波は幅W方向のみならず高さH方向にも幅をもって伝搬し、またある位置を超えると外寸Dより広範囲に計測することができる。従って、広い領域の流速を計測することができるため精度の高い計測が可能となる。
【0045】
図4は超音波流量計について、圧力脈動を加えた場合の計測流路5における流速分布を示している。なお、流路の高さHは10mm、幅Wは20mm、流量が25L/h、脈動周波数10Hz、圧力変動幅±180Paの場合に1周期(100ms)の間測定したものである。
【0046】
この計測結果によると、上流側と下流側との流路分割手段8の数を異ならせ、計測流路5における流路の分割状態を変えることにより、順方向及び逆方向の脈動が生じている場合にも均一な流速分布を得ることができることが分かる。
【0047】
以上のように、上流側の流路分割手段8aよりも下流側の流路分割手段8bの数を多くすることで、逆方向の脈動が起きている場合には、より抵抗が大きくなるとともに流れをより多くの流路に分割することができるため、流速分布をより平坦化することができる。
【0048】
また、上流にも流路分割手段8を設けることで、順方向の脈動が起きている場合にも平坦化を促進することができるため順方向の脈動が起きた場合の流速分布と逆方向の脈動が起きた場合の流速分布を対称化でき計測精度が向上する。
【0049】
本実施例においては、上流側の流路分割手段8aを2つ、下流側の流路分割手段8bを2つ設けて計測流路5の分割状態を変えたが、図5のように下流側のみに流路分割手段8を設けても同様の効果が得られる。すなわち、少なくとも下流側のみに流路分割手段8を設ければ、上流側と下流側の流路の分割状態を異ならせることができ、特に下流側の流速分布を平坦化することができるため好ましい。
【0050】
また、本実施例においては流路分割手段8を上流側と下流側で別々に構成したが、図6に示すように一体に形成してもよい。図において、流路分割手段8aは計測流路5の中心に設けられた流路分割手段であり、8bは計測流路5の外周側に設けられた流路分割手段である。
【0051】
8aと8bは下流側の方が流路の分割数が多くなるように長さを変えて形成されている。なお、下流側の方が上流側よりも分割数が多くなるように形成すれば流速分割手段8の長さ及び設ける位置に関しては任意に変更できる。この構成により、上流側と下流側の計測流路5の分割状態が異なるため逆方向の脈動が発生した場合にもその流速分布を平坦化することができる。
【0052】
また、上流にも流路分割手段8を設けることで、順方向の脈動が起きている場合にも平坦化を促進することができるため順方向及び逆方向の脈動が発生していても流体の流速分布を対称化することができ精度の高い計測が可能となる。
【0053】
なお、流速検出手段7及び流入抑制体20は必ずしも計測流路5の中心に配置する必要はなく、計測流路5の外周面からの距離Lhは任意に決定できる。この構成により、計測流路5の流速分布に応じて流速検出手段7の位置を変更できるためより精度の高い計測が可能となり好ましい。
【0054】
また、本実施例においては流速検出手段7を1つ設けるようにしたが、図7に示すように複数設けても構わない。この構成により、流速検出手段7を1つ設けた場合より広範囲に超音波が伝搬するため様々な流域における流速分布を計測することができ精度の高い計測を行うことができる。なお、複数の流速検出手段7を設ける際には、流路分割手段8に対し略直角の位置に配置すると好ましい。
【0055】
なお、図8は流路分割手段8について他の実施例を示したものである。図において、8cは流路分割手段8の流速検出手段7側の端部を示し、8dは流路分割手段8の他の端部を示す。
【0056】
流路分割手段8はその端部8cが流速検出手段7の信号伝搬路19に沿うように配置され、また他の端部8dが計測流路5の幅Wと同じ幅になるように配置されている。このように、信号伝搬路19を分割することなく流路分割手段8を配置したことにより、流速検出手段7から送信された信号が妨げられることなく計測流路5の幅Wを横切ることになり計測精度がより一層向上する。
【0057】
また、このように流路分割手段8の端部8dを計測流路5の幅Wと同じ幅になるように配置したことにより、流体が計測流路5を流れる際に発生する渦を抑えることができるため計測精度がより一層向上する。
【0058】
なお、図8の構成に限らず、流路分割手段8は流速検出手段7の信号を減衰させることがない位置であれば他の構成にしても同様の効果が得られる。
【0059】
また、本実施例においては計測流路5の断面を矩形状としたが、円形状など他の形状でも構わない。
【0060】
本実施例においては流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置について説明したが、レーザ光やマイクロ波などを用いた流体計測装置に関しても同様の効果が得られる。
【0061】
(実施例2)
本発明の他の実施例に関して図9を用いて説明する。図において実施例1と同一部材については同一の符号とし、説明を省く。また、本実施例においても流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置を例に挙げ説明する。なお、超音波流量計の動作については実施例1と同様であるため説明を省く。
【0062】
図において、流速制御手段7として計測流路5の下流側の側面に突起部17を設けている。この構成により、下流側において流体に対する抵抗が上流側より大きくなるため、逆方向の脈動が発生した場合に流速分布を平坦化することができる。従って、順方向及び逆方向の脈動が生じている計測流路5においても対称化された流速分布を得ることができ、精度の高い計測が可能となる。
【0063】
本実施例においては、突起部17を計測流路5の下流側の側面に沿って導出部10まで設けたが、突起部17の大きさや長さ、数は任意であり、計測流路5における流体の流速分布に合わせて突起部17を設けることができ好ましい。
【0064】
また、突起部17は下流側のみに設けるようにしたが、上流側より下流側の方が抵抗が大きくなるようにするなら上流側にも突起部17を設けても同様の効果が得られる。
【0065】
本実施例においては流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置について説明したが、レーザ光やマイクロ波などを用いた流体計測装置に関しても同様の効果が得られる。
【0066】
(実施例3)
本発明の他の実施例に関して図10を用いて説明する。図において実施例1と同一部材については同一の符号とし、説明を省く。また、本実施例においても流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置を例に挙げ説明する。なお、超音波流量計の動作については実施例1と同様であるため説明を省く。
【0067】
図において、流速制御手段7として流路分割手段8を設けるとともに、導入部9及び導出部10における流体の流れを規制するため整流手段22を設けている。整流手段22としては方向規制部22aと変動規制部22bを設けている。方向規制部22aは格子状に形成されており流体の流れの方向を規制し、変動規制部22bはメッシュ状に形成されており流体の流速分布を平均化している。
【0068】
この構成により流体の流速分布をより一層対称化することができる。なお、本実施例においては整流手段22を導入部9及び導出部10に1つずつ配置したが、上流側または下流側に1つだけ設けてもよく、さらには複数設けてもよい。
【0069】
本実施例においては流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置について説明したが、レーザ光やマイクロ波などを用いた流体計測装置に関しても同様の効果が得られる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明の流体計測装置によれば、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流速分布を対称にすることができ、超音波を用いた精度の高い計測を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図2】本発明の実施例1の流体計測装置の縦断面図
【図3】本発明の実施例1の流体計測装置の超音波送受信器の超音波伝搬状態図
【図4】本発明の実施例1の流体計測装置の流速分布図
【図5】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図6】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図7】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図8】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図9】本発明の実施例2の流体計測装置の横断面図
【図10】本発明の実施例3の流体計測装置の縦断面図
【図11】従来の流体計測装置の構成図
【図12】従来の流体計測装置の脈動の流速分布図
【図13】従来の流体計測装置の脈動の流速分布図
【符号の説明】
5 計測流路
6 流路壁
7 流量検出手段
8 流路分割手段
9 導入部
10 導出部
11 計測制御手段
12 計測制御部
13 流量演算部
14 流量補正部
15 脈動判定部
16 計測時間設定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体や液体の流速や流量などを計測する流体計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の流体計測装置は図11に示すような構造であった。すなわち、流体の流れる配管1には対向するように超音波送受信器2aおよび2bが設けられている。また、前記配管1の吸入口2には整流体4が設けられ、前記整流体4は平行に配列された複数の細管4aにより構成されている。
【0003】
この整流体4を設けることにより流体が吸入口2において様々な角度を持って吸い込まれたとしても細管4aを通過する過程で整流され安定した流れになる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−189591号公報(第2−2頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
通常、ガスなどの流体は上流側から下流側へと順方向に流れるが、ガスエンジンヒートポンプをはじめとする流体計測装置に接続される流体消費機器の影響を受け時々刻々変化する脈動と呼ばれる順方向及び逆方向の流れが生じることがある。
【0006】
脈動の順方向及び逆方向の流れは全体的にみると±0になるため、常に流速を計測し続けると脈動による誤差を相殺することができるが、省電力化が求められる超音波流量計においては所定の時間毎に流速を計測するのが主であり、脈動による誤差が計測精度を低下させるという課題が出てきた。
【0007】
この脈動が発生している状態においても精度の高い計測を行うためには順方向の脈動が発生している場合の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流速分布を対称にする必要がある。
【0008】
しかしながら、従来の流体計測装置では、上流側と下流側とで同じ流路断面形状を有し、順方向の流れに対しても逆方向の流れに対してもその同じ流路断面形状を用いて計測するため、変化する脈動の影響を強く受け、順方向の脈動が発生している場合の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流速分布に非対称性が生まれ計測精度が低下する。
【0009】
図12は脈動発生時において、従来の流体計測装置の矩形断面の流路における流速分布を測定したものである。流路の高さHは10mm、幅Wは20mm、流量が25L/h、脈動周波数10Hz、圧力変動幅±180Paの場合に1周期(100ms)の間測定したものである。
【0010】
この図により脈動の流れが時間とともに変化することが分かるが、順方向の流れと逆方向の流れについて比較するため、各々の流速0.05m/s付近での流速分布を特に図13に表わす。図において、流体が流れている状態において流体の流れと同じ方向に脈動が発生している場合を順方向時(流速増加時)、流体の流れと逆の方向に脈動が発生している場合を逆方向時(流速減少時)とする。
【0011】
図において、順方向時の脈動が起きている場合の流速分布はほぼ平坦化されているのに対し、逆方向時の脈動が起きている場合の流速分布は凸状に近い形をしている。このように、脈動の流速分布の非対称性が流体の流速分布に影響をもたらし、計測の精度を低下させている。また、特に流量が少ない場合には脈動の影響が大きくなり計測精度を一層低下させる。
【0012】
本発明は上記課題に鑑み、順方向または逆方向の脈動が発生した場合にも、特に逆方向の脈動を平坦化することで流速分布を対称化し、また新たに脈動に応じた計測時間を設定することで脈動による誤差を相殺して精度の高い計測を行うことができる流体計測装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の流体計測装置は、流体の流れる計測流路と、前記計測流路の断面形状を上流側と下流側で異ならせ順方向及び逆方向の流れの流速分布を対称にするために前記計測流路の少なくとも下流側に設けられた流速制御手段と、前記計測流路に設けられた少なくとも一対の流速検出手段と、前記流速検出手段により計測された情報に応じて流体の流量を演算する計測制御手段とを具備する。
【0014】
この構成により、上流側と下流側とで異なる流路断面形状を有し、順方向の流れに対する流路断面形状と逆方向の流れに対する流路断面形状を異ならせて計測するため、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布を対称にすることができ、精度の高い計測を行うことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、流体の流れる計測流路と、前記計測流路の断面形状を上流側と下流側で異ならせ順方向及び逆方向の流れの流速分布を対称にするために前記計測流路の少なくとも下流側に設けられた流速制御手段と、前記計測流路に設けられた少なくとも一対の流速検出手段と、前記流速検出手段により計測された情報に応じて流体の流量を演算する計測制御手段とを具備する流体計測装置である。
【0016】
また、流速制御手段として計測流路を複数の分割流路に分割する流路分割手段を設け、上流側に設けられた前記分割流路の数よりも下流側に設けられた前記分割流路の数を増やすように構成している。
【0017】
なお、流路分割手段を上流側と下流側で別々に設けてもよく、さらには流路分割手段を下流側のみに設けてもよい。
【0018】
また、流速制御手段の他の形態として計測流路の下流側の側面に突起部を設けてもよい。
【0019】
以上のような構成により、上流側と下流側とで異なる流路断面形状を有し、順方向の流れに対する流路断面形状と逆方向の流れに対する流路断面形状を異ならせて計測するため、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布を対称にすることができ、精度の高い計測を行うことが可能となる。
【0020】
また、本発明の流体計測装置は、流速検出手段を前記流速検出手段から送受信される信号の信号伝播路が流路分割手段により妨げられない位置に対向して設けたものである。さらには、前記流速検出手段を複数設けたものである。
【0021】
以上のような構成により、流路分割手段により信号が減衰するのを防ぐとともに流速検出手段を用いてより広範囲の流速域での計測ができるため、計測精度の向上が可能となる。
【0022】
また、本発明の流体計測装置は、計測流路の入口側または出口側の少なくとも一方に整流手段を設けたものであり、流れの方向を規制することができるため、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布をより均一化することができ、計測精度の向上が可能となる。
【0023】
また、本発明の流体計測装置は、脈動の発生が検知されると脈動周期に応じた計測時間を設定し、その計測時間中は流速検出手段による計測時間の間隔を短くするように設定したものである。この構成により、脈動による誤差を相殺することができ精度の高い計測を行うことができる。
【0024】
また、本発明の流体計測装置は、計測流路の断面が矩形状に構成されている。この構成により、分割した各断面における流速分布を均等化することができ精度の高い計測を行うことができる。
【0025】
また、本発明の流体計測装置は、流速検出手段として超音波を送受信する超音波送受信器を用いたものであり、上流側と下流側とで異なる流路断面形状を有し、順方向の流れに対する流路断面形状と逆方向の流れに対する流路断面形状を異ならせて計測するため、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布を対称にすることができ、超音波を用いた精度の高い計測を行うことが可能となる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例について図1〜8を用いて説明する。なお、本実施例においては、流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置を例に挙げて説明する。
【0027】
なお、図1は超音波流量計の幅Wに垂直な面で切断した時の、図2は超音波流量計の高さHに垂直な面で切断した時の断面をそれぞれ示す。
【0028】
5は流路壁6により囲まれた計測流路であり、その途中には熱フローセンサや超音波振動子などの流速検出手段7が配置されている。
【0029】
また、流路分割手段8として前記計測流路5の上流側には2つの流路分割手段8a、下流側には2つの流路分割手段8bが設けられている。
【0030】
なお、流路分割手段8は、上流側の流路分割手段8aと下流側の流路分割手段8bとで数を異ならせている。また、計測流路5の断面は矩形状に構成されており、この構成により、分割した各断面における流速分布を均等化することができ精度の高い計測を行うことができる。
【0031】
9は計測流路5の上流側に位置する導入部であり、10は前記計測流路5の下流側に位置する導出部である。なお、流体は導入部9から導出部10の方向に流れ、それを順方向の流れといい、逆に導出部10から導入部9への流れを逆方向の流れという。
【0032】
また、11は前記流速検出手段7に接続された計測制御手段である。前記計測制御手段11は、計測制御部12、流量演算部13、流量補正部14、脈動判定部15、計測時間設定部16を具備する。
【0033】
以上のように構成された流体計測装置においてその動作を説明する。導入部9から計測流路5に流入した流体は上流側に設けられた流路分割手段8aにより3つの流れに分割される。その後、流速検出手段7の設けられた付近で1つに合流し、再度下流側に設けられた流路分割手段8bにより4つの流れに分割され導出部10から流出する。
【0034】
次に、上記のように流体の流れる計測流路5において計測制御手段11の動作を説明する。計測制御部12は所定の時間毎に計測動作を開始させる信号を流速検出手段7に送る。その後、流速検出手段7が計測した情報を前記計測制御部12で受け取り流量演算部12に送る。前記流量演算部12において流体の流速が求められ、流量補正部14において補正係数を加味して流量が算出される。
【0035】
また、脈動判定部15では流速検出手段7で計測された流速情報に基づいて脈動の有無を判定し、脈動が検知された場合には、流速検出手段7の計測動作開始時間の間隔を脈動のない状態の時間間隔より短く設定する。
【0036】
それとともに、計測時間設定部16において脈動の周期を求め、その周期の整数倍またはほぼ整数倍というように脈動周期に応じた計測時間を設定し、その計測時間中には脈動判定部15で設定された計測動作開始時間の間隔で計測が行われる。この構成により、脈動の周期に応じた計測が可能となるため、脈動による誤差が相殺され、精度の高い計測を行うことができる。
【0037】
このような流体計測装置について流量の算出方法について説明する。
【0038】
流速検出手段7として計測流路5の流路壁6の上流側及び下流側に設けられた開口穴17に超音波送受信器7a及び7bが幅W方向に計測流路5の中心軸に対して角度θ、距離Lをもって配置されている。超音波送受信器7a及び7bはいずれも超音波の送信及び受信の動作を行うように構成されており、どちらの超音波送受信器から超音波を送信するかは任意である。
【0039】
なお、19は超音波の信号伝搬路を表わしている。また、開口穴17と計測流路5の間には流入抑制体20が設けられ、流体の流れが流入し渦などが発生するのを防いでいる。
【0040】
このように構成された超音波流量計についてその動作を説明する。計測制御部12により信号を受けた超音波送受信器7aは超音波を送信し、計測流路5の幅方向Wを斜めに横切って超音波送受信器7bに受信される。この時の伝搬時間t1は以下の式で表わされる。なお、Cは無風状態における流体の音速を表わし、Vは計測流路5を流れる流体の流速を表わす。
【0041】
t1=L/(C+Vcosθ)
次に、超音波送受信器7bから超音波を送信し、計測流路5の幅方向Wを斜めに横切って超音波送受信器7aに受信される。この時の伝搬時間t2は以下の式で表わされる。
【0042】
t2=L/(C−Vcosθ)
流体の音速Cは温度などの測定環境により変化するため、以上の式より流体の音速Cを消去し流速Vを求めると以下の式になる。
【0043】
V=L/{2cosθ(1/t1−1/t2)}
この式により、Lとθが既知のものとなれば流速Vが求められる。しかし、計測流路5における流速分布による誤差が生じるため、流量補正部14において補正係数Kを加味して流量Qを求める必要がある。従って、流量Qは以下の式で表わされる。なお、Sは計測流路5の断面積を表わす。
【0044】
Q=KVS
以上のような動作により流体の流量を求めることができる。なお、図3に示すように外寸Dの大きさとなる超音波送受信面21から送信した超音波は幅W方向のみならず高さH方向にも幅をもって伝搬し、またある位置を超えると外寸Dより広範囲に計測することができる。従って、広い領域の流速を計測することができるため精度の高い計測が可能となる。
【0045】
図4は超音波流量計について、圧力脈動を加えた場合の計測流路5における流速分布を示している。なお、流路の高さHは10mm、幅Wは20mm、流量が25L/h、脈動周波数10Hz、圧力変動幅±180Paの場合に1周期(100ms)の間測定したものである。
【0046】
この計測結果によると、上流側と下流側との流路分割手段8の数を異ならせ、計測流路5における流路の分割状態を変えることにより、順方向及び逆方向の脈動が生じている場合にも均一な流速分布を得ることができることが分かる。
【0047】
以上のように、上流側の流路分割手段8aよりも下流側の流路分割手段8bの数を多くすることで、逆方向の脈動が起きている場合には、より抵抗が大きくなるとともに流れをより多くの流路に分割することができるため、流速分布をより平坦化することができる。
【0048】
また、上流にも流路分割手段8を設けることで、順方向の脈動が起きている場合にも平坦化を促進することができるため順方向の脈動が起きた場合の流速分布と逆方向の脈動が起きた場合の流速分布を対称化でき計測精度が向上する。
【0049】
本実施例においては、上流側の流路分割手段8aを2つ、下流側の流路分割手段8bを2つ設けて計測流路5の分割状態を変えたが、図5のように下流側のみに流路分割手段8を設けても同様の効果が得られる。すなわち、少なくとも下流側のみに流路分割手段8を設ければ、上流側と下流側の流路の分割状態を異ならせることができ、特に下流側の流速分布を平坦化することができるため好ましい。
【0050】
また、本実施例においては流路分割手段8を上流側と下流側で別々に構成したが、図6に示すように一体に形成してもよい。図において、流路分割手段8aは計測流路5の中心に設けられた流路分割手段であり、8bは計測流路5の外周側に設けられた流路分割手段である。
【0051】
8aと8bは下流側の方が流路の分割数が多くなるように長さを変えて形成されている。なお、下流側の方が上流側よりも分割数が多くなるように形成すれば流速分割手段8の長さ及び設ける位置に関しては任意に変更できる。この構成により、上流側と下流側の計測流路5の分割状態が異なるため逆方向の脈動が発生した場合にもその流速分布を平坦化することができる。
【0052】
また、上流にも流路分割手段8を設けることで、順方向の脈動が起きている場合にも平坦化を促進することができるため順方向及び逆方向の脈動が発生していても流体の流速分布を対称化することができ精度の高い計測が可能となる。
【0053】
なお、流速検出手段7及び流入抑制体20は必ずしも計測流路5の中心に配置する必要はなく、計測流路5の外周面からの距離Lhは任意に決定できる。この構成により、計測流路5の流速分布に応じて流速検出手段7の位置を変更できるためより精度の高い計測が可能となり好ましい。
【0054】
また、本実施例においては流速検出手段7を1つ設けるようにしたが、図7に示すように複数設けても構わない。この構成により、流速検出手段7を1つ設けた場合より広範囲に超音波が伝搬するため様々な流域における流速分布を計測することができ精度の高い計測を行うことができる。なお、複数の流速検出手段7を設ける際には、流路分割手段8に対し略直角の位置に配置すると好ましい。
【0055】
なお、図8は流路分割手段8について他の実施例を示したものである。図において、8cは流路分割手段8の流速検出手段7側の端部を示し、8dは流路分割手段8の他の端部を示す。
【0056】
流路分割手段8はその端部8cが流速検出手段7の信号伝搬路19に沿うように配置され、また他の端部8dが計測流路5の幅Wと同じ幅になるように配置されている。このように、信号伝搬路19を分割することなく流路分割手段8を配置したことにより、流速検出手段7から送信された信号が妨げられることなく計測流路5の幅Wを横切ることになり計測精度がより一層向上する。
【0057】
また、このように流路分割手段8の端部8dを計測流路5の幅Wと同じ幅になるように配置したことにより、流体が計測流路5を流れる際に発生する渦を抑えることができるため計測精度がより一層向上する。
【0058】
なお、図8の構成に限らず、流路分割手段8は流速検出手段7の信号を減衰させることがない位置であれば他の構成にしても同様の効果が得られる。
【0059】
また、本実施例においては計測流路5の断面を矩形状としたが、円形状など他の形状でも構わない。
【0060】
本実施例においては流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置について説明したが、レーザ光やマイクロ波などを用いた流体計測装置に関しても同様の効果が得られる。
【0061】
(実施例2)
本発明の他の実施例に関して図9を用いて説明する。図において実施例1と同一部材については同一の符号とし、説明を省く。また、本実施例においても流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置を例に挙げ説明する。なお、超音波流量計の動作については実施例1と同様であるため説明を省く。
【0062】
図において、流速制御手段7として計測流路5の下流側の側面に突起部17を設けている。この構成により、下流側において流体に対する抵抗が上流側より大きくなるため、逆方向の脈動が発生した場合に流速分布を平坦化することができる。従って、順方向及び逆方向の脈動が生じている計測流路5においても対称化された流速分布を得ることができ、精度の高い計測が可能となる。
【0063】
本実施例においては、突起部17を計測流路5の下流側の側面に沿って導出部10まで設けたが、突起部17の大きさや長さ、数は任意であり、計測流路5における流体の流速分布に合わせて突起部17を設けることができ好ましい。
【0064】
また、突起部17は下流側のみに設けるようにしたが、上流側より下流側の方が抵抗が大きくなるようにするなら上流側にも突起部17を設けても同様の効果が得られる。
【0065】
本実施例においては流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置について説明したが、レーザ光やマイクロ波などを用いた流体計測装置に関しても同様の効果が得られる。
【0066】
(実施例3)
本発明の他の実施例に関して図10を用いて説明する。図において実施例1と同一部材については同一の符号とし、説明を省く。また、本実施例においても流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置を例に挙げ説明する。なお、超音波流量計の動作については実施例1と同様であるため説明を省く。
【0067】
図において、流速制御手段7として流路分割手段8を設けるとともに、導入部9及び導出部10における流体の流れを規制するため整流手段22を設けている。整流手段22としては方向規制部22aと変動規制部22bを設けている。方向規制部22aは格子状に形成されており流体の流れの方向を規制し、変動規制部22bはメッシュ状に形成されており流体の流速分布を平均化している。
【0068】
この構成により流体の流速分布をより一層対称化することができる。なお、本実施例においては整流手段22を導入部9及び導出部10に1つずつ配置したが、上流側または下流側に1つだけ設けてもよく、さらには複数設けてもよい。
【0069】
本実施例においては流速検出手段に超音波送受信器を用いた流体計測装置について説明したが、レーザ光やマイクロ波などを用いた流体計測装置に関しても同様の効果が得られる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明の流体計測装置によれば、順方向の脈動が発生している場合の流体の流速分布と逆方向の脈動が発生している場合の流速分布を対称にすることができ、超音波を用いた精度の高い計測を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図2】本発明の実施例1の流体計測装置の縦断面図
【図3】本発明の実施例1の流体計測装置の超音波送受信器の超音波伝搬状態図
【図4】本発明の実施例1の流体計測装置の流速分布図
【図5】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図6】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図7】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図8】本発明の実施例1の流体計測装置の横断面図
【図9】本発明の実施例2の流体計測装置の横断面図
【図10】本発明の実施例3の流体計測装置の縦断面図
【図11】従来の流体計測装置の構成図
【図12】従来の流体計測装置の脈動の流速分布図
【図13】従来の流体計測装置の脈動の流速分布図
【符号の説明】
5 計測流路
6 流路壁
7 流量検出手段
8 流路分割手段
9 導入部
10 導出部
11 計測制御手段
12 計測制御部
13 流量演算部
14 流量補正部
15 脈動判定部
16 計測時間設定部
Claims (11)
- 流体の流れる計測流路と、前記計測流路の断面形状を上流側と下流側で異ならせ順方向及び逆方向の流れの流速分布を対称にするために前記計測流路の少なくとも下流側に設けられた流速制御手段と、前記計測流路に設けられた少なくとも一対の流速検出手段と、前記流速検出手段により計測された情報に応じて流体の流量を演算する計測制御手段とを具備する流体計測装置。
- 流速制御手段として計測流路を複数の分割流路に分割する流路分割手段を設け、上流側に設けられた前記分割流路の数よりも下流側に設けられた前記分割流路の数を増やした請求項1記載の流体計測装置。
- 流路分割手段を上流側と下流側で別々に設けた請求項2記載の流体計測装置。
- 流路分割手段を下流側のみに設けた請求項2記載の流体計測装置。
- 流速制御手段として計測流路の下流側の側面に突起部を設けた請求項1記載の流体計測装置。
- 流速検出手段を前記流速検出手段から送受信される信号の信号伝播路が流路分割手段により妨げられない位置に対向して設けた請求項1記載の流体計測装置。
- 流速検出手段を複数設けた請求項1記載の流体計測装置。
- 計測流路の入口側または出口側の少なくとも一方に整流手段を設けた請求項1記載の流体計測装置。
- 脈動の発生が検知されると、脈動周期に応じた計測時間を設定し、その計測時間中は流速検出手段による計測時間の間隔を短くするように設定した請求項1記載の流体計測装置。
- 計測流路の断面を矩形状とした請求項1記載の流体計測装置。
- 流速検出手段として超音波を送受信する超音波送受信器を用いた請求項1から10のいずれか1項記載の流体計測装置。
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- 2003-02-19 JP JP2003041086A patent/JP2004251700A/ja active Pending
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