JP2007147374A - 圧力センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化され、オフセット電圧が低減され、高感度を有し、かつ、容易に製造することが可能な圧力センサを提供する。
【解決手段】圧力センサのダイヤフラム部7は、平面視において、仮想の正方形または長方形9の四隅のそれぞれに円弧状部8を有している。正方形または長方形9の対角線と円弧状部8との交点から正方形または長方形9の四隅のそれぞれまでの長さがRであり、ダイヤフラム部7の面積がSである場合に、S>−2.94×R+0.22という関係が成立する。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリコンを用いた圧力センサに関するものである。
従来から、半導体、特にシリコンを用いた圧力センサが開発されている。従来の圧力センサにおいては、シリコン基板の一部がエッチングによって薄くなるまで削られ、凹部が形成される。凹部の底面として残存するシリコン薄板が圧力起歪部になる。このような圧力センサにおいては、真空中で凹部が他の基板によって密閉される。それにより、凹部内の空間が圧力基準室として機能する。その結果、絶対圧センサが形成される。
近年、たとえば、特開平5−340828号公報には、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いてダイヤフラム部の厚さを高い精度で制御する技術が開示されている。その技術によれば、圧力センサの小型化が図られる。また、SOI基板のシリコン酸化膜が、ダイヤフラムを形成するためのシリコン基板のエッチングのときに、ストッパとして機能する。そのため、ダイヤフラム部の厚さは、シリコン活性層の厚さと同じになる。一般にSOI基板におけるシリコン活性層の厚さは高い精度で制御することができる。
したがって、SOI基板を用いて圧力センサを形成する場合には、ダイヤフラム部の厚さを高い精度で制御することができる。一方、圧力センサを小型化しながらも、従来の圧力センサとほぼ同一の感度を得るためには、ダイヤフラム部を小さく薄くする必要がある。SOI基板を用いた圧力センサの一例が、前述の文献以外にも、特開平4−9770号公報および特開2002−350259号公報に開示されている。
特開平5−340828号公報 特開平4−9770号公報 特開2002−350259号公報
圧力センサの小型化は、機器への圧力センサの搭載のし易さおよび圧力センサの製造コストの低減という観点において、非常に重要である。しかしながら、上記従来のSOI基板を用いた絶対圧センサは、小型化されるにつれて、オフセット電圧が顕著に発生してしまう。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、小型化しながら、オフセット電圧を低減することができる圧力センサを提供することである。
本発明の圧力センサは、封止基板と、封止基板上に設けられたシリコン支持基板と、シリコン支持基板上に設けられた絶縁層と、絶縁層上に設けられたシリコン薄板とを備えている。シリコン支持基板には、その厚さ方向に延びる貫通孔が設けられている。貫通孔の上部にはシリコン薄板を含む構成のダイヤフラムが設けられ、そのダイヤフラムは、平面視において、仮想の正方形または長方形の四隅のそれぞれに円弧状部を有する形状である。仮想の正方形または長方形の対角線と円弧状部との交点から正方形または長方形の四隅のそれぞれまでの長さをRとし、ダイヤフラムの面積をSとしたときに、S>−2.94×R+0.22という関係が成立する。
本発明によれば、小型化しながら、オフセット電圧を低減することができる圧力センサを提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の圧力センサを説明する。なお、各実施の形態で同一の参照符号が付されている部位は同一の機能を果たす部位であるため、必要がなければ、その説明は繰り返さない。
また、ダイヤフラムの四隅に設けられるコーナー形状としての「円弧状部」には、以下の実施の形態に示される円弧状部以外に、真円の一部の形状または楕円の一部の形状等を含めたほぼ円弧状になっている部分が含まれる。また、コーナー部が鈍角になっている形状も円弧状部に含まれる。
実施の形態1.
図1および図2を用いて、実施の形態1の圧力センサを説明する。
本実施の形態の圧力センサは、図1に示すように、ガラス基板などからなる封止基板5と、封止基板5上に形成された単結晶シリコン支持基板1と、単結晶シリコン支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成され均一な厚さを有する単結晶シリコン薄板3とを備えている。なお、本実施の形態において、シリコンは、単結晶のものが用いられているが、多結晶のものが用いられても、非晶質のものが用いられてもよい。
絶縁層2は、絶縁性を有していれば、いかなる材料からなっていてもよいが、本実施の形態においては、絶縁層2がシリコン酸化膜からなっている。本実施の形態の単結晶シリコン支持基板1、絶縁層2としてのシリコン酸化膜、および単結晶シリコン薄板3からなる基板は、一般にSOI基板として市販されている。したがって、本実施の形態においては、圧力センサの製造のためにSOI基板が採用されている。さらに、単結晶シリコン支持基板1には、その厚さ方向に延びる貫通孔4が形成されている。貫通孔4の内側面は、単結晶シリコン支持基板1の主表面に対してほぼ垂直に延びている。封止基板5の上面、貫通孔4の内側面、および単結晶シリコン薄板3の下面によって囲まれた空間6は、圧力基準室として機能する。圧力基準室は、真空状態の空間であり、真空中において封止基板5と単結晶シリコン支持基板1との陽極接合によって形成される。したがって、本実施の形態の圧力センサは、絶対圧センサである。
貫通孔4は、封止基板5が単結晶シリコン支持基板1に接合される前に形成される。貫通孔4は、SF6などのエッチングガスを用いて、SOI基板の単結晶シリコン支持基板1をドライエッチングすることによって形成される。貫通孔4の内側面は、単結晶シリコン支持基板1の主表面に対してほぼ垂直に延びているため、圧力基準室の大きさが大きくなってしまうことがない。また、絶縁層2は、封止基板5が単結晶シリコン支持基板1に接合される前に、バッファードフッ酸などの溶液を用いて、ウエットエッチングされる。このとき、貫通孔4の延長線上の絶縁層2のみが除去される。それにより、絶縁層2にも貫通孔4が形成される。その結果、貫通孔4内に単結晶シリコン薄板3が露出する。この貫通孔4内に露出した単結晶シリコン薄板3が、起歪部として機能するダイヤフラム部7である。言い換えれば、貫通孔4の延長線上に位置する単結晶シリコン薄板3がダイヤフラム部7である。
ダイヤフラム部7の平面の輪郭は、図2に示すように、仮想の正方形または長方形9に近似された形状である。ダイヤフラム部7の仮想の正方形または長方形9の四隅には、図3に示すように、仮想の正方形または長方形9の隣接する二辺に連続しており、所定の寸法を有する円弧状部8が設けられている。なお、仮想の正方形または長方形9の頂点から仮想の正方形または長方形9の対角線dと円弧状部8との交点Oまでの距離をRとする。
さらに、本実施の形態の圧力センサは、図1および図2に示すように、ダイヤフラム部7内に歪ゲージ10aおよび10bが形成されている。歪ゲージ10aおよび10bは、イオン注入などによって、単結晶シリコン薄板3内に形成された不純物添加領域である。ただし、この不純物添加領域は、その周囲の不純物領域の導電型とは異なる導電型を有している。たとえば、不純物添加領域はP型であれば、その周囲の不純物領域はN型である。なお、歪ゲージ10aおよび10bは、ニッケルクロム(NiCr)などの抵抗材料がスパッタリング法などによって形成されたものであってもよい。
以下、前述の実施の形態の圧力センサにおいて、ダイヤフラム部7が、一辺の長さAの仮想の正方形に近似された形状であり、一辺の長さAは400μmと非常に小さい場合について検討する。なお、単結晶シリコン支持基板1の厚さが400μmである。
前述の距離Rの大小に応じて、出力のオフセット電圧がどのように変化するかが測定された。その測定結果が、表1に示されている。
Figure 2007147374
表1から分かるように、距離Rが大きいと、オフセット電圧が小さくなる傾向がある。一方、距離Rがある範囲内の値になると、距離Rの値が同程度の値であっても、オフセット電圧が小さいものと、オフセット電圧が大きいものとが混在している。なお、シリコン酸化膜からなる絶縁層2がダイヤフラム部7の下面上に残存している圧力センサにおいても、表1に示す結果と同様の結果が得られる。ここで、距離Rの単位としては、mmが用いられている。
また、距離Rが大きくなった場合の圧力センサの感度の測定結果が図4に示されている。距離R÷一辺の長さAが0.15よりも大きくなると、ダイヤフラム部7の形状が正方形または長方形9である場合に得られた値の95%未満の感度しか得られなくなり、圧力センサとしての機能が低下する。したがって、距離R÷一辺の長さAが0.15より小さいことが望ましい。このことは、後述する実施の形態2および3の圧力センサにおいても同様である。
次に、図2におけるダイヤフラム部7の正方形9の一辺の長さAが180μmから450μmまで除々に変更されたときの距離Rの値に対するオフセット電圧の値が測定された。長さA×長さAによって与えられる仮想の正方形の面積Sが一定である条件下において、オフセット電圧と距離Rとの関係が、図5、図6、および図7に示されている。図5は、面積Sが0.08mm2である場合の測定結果を示しており、図6は、面積Sが0.13mm2である場合の測定結果を示しており、図7は、面積Sが0.18mm2である場合の測定結果を示している。図5、図6、および図7から、距離Rが所定値以上になれば、オフセット電圧が急激に低減されることが分かる。ただし、オフセット電圧が変化するときの距離Rの値は、面積Sの値によって異なる。
そこで、縦軸をダイヤフラム部7の平面視における仮想の正方形の面積Sとし、横軸を距離Rとして、図5〜図7に示されているデーターを再度プロットし直すと、図8に示す関係が得られる。なお、図8には、数点ほど、図5〜図7において示されていない測定結果が加えられている。
図8に示されている直線は、S=−2.94×R+0.22という関数によって規定される直線である。図8においては、S>−2.94R+0.22という関係が成立する領域においては、オフセット電圧が急激に低減されていることが分かる。なお、距離Rの単位としてはmmが用いられ、面積Sの単位としてmm2が用いられている。また、オフセット電圧が1mV以上である圧力センサが不良(NG)として分類され、オフセット電圧が1mVより小さい圧力センサが良品(OK)として分類されている。オフセット電圧が1mVより小さければ、回路によって行なわれるオフセット電圧の補正を容易に行なうことができるためである。
以上の関係式から、面積Sが0.22mm2より大きい場合には、正方形9の四隅の距離Rの値に関わらず、オフセット電圧に起因した測定誤差の問題は生じないが、圧力センサが小型化されて、面積Sが0.22mm2以下になると、距離RがS>−2.94R+0.22という関係式が成立する値でなければ、オフセット電圧に起因した測定誤差の問題が発生することが、図8から明らかになっている。
前述したように、距離Rが大きくなれば、オフセット電圧に起因する測定誤差の問題は解決されるが、距離Rが大き過ぎると、圧力センサの感度が低下する問題が生じるため、距離R÷一辺の長さAが0.15より小さいことが望ましい。
上記関係式が成立すれば、オフセット電圧が低減されるということを完全には理論的に説明することはできないが、本願の発明者らは次のように推測する。
ダイヤフラム部7の仮想の正方形または長方形9の四隅においては、エッチング処理等において発生する残渣が除去されずに残存し易い。このエッチングの残渣が、圧力基準室内において、真空度を変動させている要因になっていると考えられる。ある程度圧力基準室の容積が大きい場合には、エッチング残渣が真空度に悪影響を及ぼすことはほとんどないが、圧力センサが小型化されるにつれて、圧力基準室の容積が小さくなると、エッチング残渣を無視することができなくなる。このエッチング残渣の量は、仮想の正方形または長方形9の四隅のそれぞれの距離Rに依存していると推測される。したがって、距離Rの値が適切な値に設定されれば、エッチング残渣の量を低減することができる。また、圧力センサが小型化され、面積Sが小さくなるほど、必要とされる距離Rの値は大きくなる。
なお、前述の測定結果としては、ダイヤフラム部7が正方形である場合のもののみが示されているが、ダイヤフラム部7が長方形である場合においても、S>−2.94R+0.22という関係が成立していれば、オフセット電圧が低減される。この点に関しては、後述する実施の形態2および3においても同様の結果が得られる。
また、本実施の形態においては、四隅のコーナー形状として図に示すような円弧状の形状が挙げられているが、円弧状部の形状としては、真円形状の一部のみならず楕円形状の一部からなる略円弧状の形状が含まれるとともに、鈍角からなるコーナー形状が含まれる。
また、前述の平面視においてダイヤフラム部7に四隅のコーナー形状として円弧状の形状を形成するためには、貫通孔4が単結晶シリコン薄板3に達した後に過剰なエッチングを行なえばよい。また、他の方法としては、単結晶シリコン支持基板1をエッチングするときに、開口の形状が貫通孔4に対応する形状を有しているレジストマスクを用いる方法が考えられる。
実施の形態2.
図9および図10を用いて、実施の形態2の圧力センサを説明する。
本実施の形態の圧力センサは、図9に示されるように、封止基板5と、封止基板5上に形成された単結晶シリコン支持基板1と、単結晶シリコン支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成され均一な厚さを有する単結晶シリコン薄板3とを備えている。本実施の形態の圧力センサにおいても、実施の形態1の圧力センサと同様に、SOI基板が用いられている。
さらに、単結晶シリコン支持基板1には、貫通孔4が形成されている。SOI基板が、真空中で、ガラス基板などの封止基板5に陽極接合されれば、圧力基準室が形成される。本実施の形態においては、貫通孔4は、KOHまたはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などのアルカリエッチング液を用いて、SOI基板の単結晶シリコン支持基板1をウエットエッチングすることによって形成される。そのため、貫通孔4の内側面は、SOI基板の主表面に対して約55度の交差角を有する方向に延びるテーパーを有する形状になっている。さらに、シリコン酸化膜からなる絶縁層2が、バッファードフッ酸などの溶液を用いるウエットエッチングによって除去される。その結果、単結晶シリコン薄板3の下面が貫通孔4内の空間6に露出する。それにより、ダイヤフラム部7が形成される。
ダイヤフラム部7は、図10に示すように、平面視において、仮想の正方形または長方形9に近似された形状である。また、ダイヤフラム部7は、仮想の正方形または長方形9の隣接する二辺に連続しており、所定の寸法を有する円弧状部8が設けられている。仮想の正方形または長方形9の四隅のそれぞれから対角線dと円弧状部8との交点Oまでの距離をRとする。ウエットエッチングによって貫通孔4が形成される場合には、シリコンの結晶異方性のために、ダイヤフラム部7の平面の輪郭は、仮想の正方形または長方形9になり易いため、距離Rを制御することは困難である。そのため、本実施の形態においては、絶縁層2をエッチングする時間を変更することによって、距離Rが制御される。つまり、前述の距離Rを大きくするためには、貫通孔4の形成のための絶縁層2のウエットエッチングの時間を短くし、前述の距離Rを小さくするためには、貫通孔4の形成のための絶縁層2のウエットエッチングの時間を長くすればよい。
また、本実施の形態においては、四隅のコーナー形状として図に示すような円弧状の形状が挙げられているが、円弧状部の形状としては、真円形状の一部のみならず楕円形状の一部からなる略円弧状の形状が含まれるとともに、鈍角からなるコーナー形状が含まれる。
さらに、本実施の形態の圧力センサは、図10に示すように、ダイヤフラム部7上に歪ゲージ10aおよび10bが形成されている。歪ゲージ10aおよび10bは、イオン注入などによって単結晶シリコン薄板3内に形成された不純物添加領域である。ただし、この不純物添加領域は、その周囲の不純物領域の導電型とは異なる導電型を有している。たとえば、不純物添加領域はP型であり、その周囲の不純物領域はN型である。なお、歪ゲージ10aおよび10bは、ニッケルクロム(NiCr)などの抵抗材料がスパッタリング法などよって形成されたものであってもよい。
また、ダイヤフラム部7の仮想の正方形9の一辺の長さAが400μmである圧力センサおよび800μmである圧力センサのそれぞれについて、単結晶シリコン支持基板1の厚さ400μmである場合の距離Rの大小に依存したオフセット電圧の値が測定された。
一辺の長さAが400μmである場合には、すなわち、面積Sが0.16mm2である場合には、距離Rの値次第では、S<−2.94×R+0.22という関係が成立する場合がある。この場合には、オフセット電圧は、10mVから20mVの範囲内の値という好ましくない数値になる。一方、一辺の長さAが800μmである場合には、すなわち面積Sがほぼ0.64mm2である場合には、距離Rの値がいなかる値であっても、S>−2.94×R+0.22という関係が成立するため、オフセット電圧は1mV以下になり、圧力センサの特性は劣化しない。
一方、圧力センサ同士の感度を比較すると、図4に示されている結果と同様に、R/Aが0.15よりも大きくなれば、ダイヤフラム部7の平面の輪郭が正方形である場合に得られた感度の値の95%未満の感度しか得られない。つまり、圧力センサの機能が低下している。
実施の形態3.
図11を用いて、実施の形態3の圧力センサを説明する。
本実施の形態の圧力センサの断面構造は、図11に示すように、封止基板5と、封止基板5上に形成された単結晶シリコン支持基板1と、単結晶シリコン支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成され均一な厚さを有する単結晶シリコン薄板3とを備えている。本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、SOI基板が用いられている。なお、本実施の形態の圧力センサの平面形状は、図2に示す実施の形態1の平面形状と同一である。
また、単結晶シリコン支持基板1には、その厚さ方向に延びる貫通孔4が形成されている。真空中で、ガラス基板などの封止基板5がSOI基板に陽極接合され、空間6が形成される。空間6は、圧力基準室として機能する。
また、貫通孔4は、SF6などのエッチングガスを用いたドライエッチング法によって形成される。貫通孔4内の空間6は、SOI基板の主表面に対してほぼ垂直に延びる貫通孔4、封止基板5の上面、および絶縁層2の下面によって囲まれている。つまり、本実施の形態においては、貫通孔4の延長線上の単結晶シリコン薄板3の一部および絶縁層2の一部によってダイヤフラム部7が構成されている。つまり、単結晶シリコン薄板3の下面上に絶縁層2が残存している。これにより、オフセット電圧に起因した測定誤差および周囲環境の温度変化に起因する測定誤差の双方が低減される。また、貫通孔4の内側面が単結晶シリコン支持基板1の主表面に対してほぼ垂直に延びているため、圧力基準室の大きさが大きくなってしまうことがない。
また、絶縁層2は、バッファードフッ酸などでエッチングされる。このとき、絶縁層2に貫通孔が形成されることなく、薄い絶縁層2と単結晶シリコン薄板3との積層構造からなるダイヤフラム部7が形成される。
本実施の形態においても、ダイヤフラム部7の平面形状は、図2に示した構造と同様に、仮想の正方形または長方形9の四隅のそれぞれに、仮想の正方形または長方形の隣接する二辺に連続しており、所定の寸法を有する円弧状部8が設けられている。仮想の正方形9の四隅のそれぞれから仮想の正方形9の対角線dと円弧状部8との交点Oまでの距離をRとする。円弧状部8の形状は、ドライエッチングを行なうときのレジストマスクの開口パターンの形状によって制御される。また、別の制御方法としては貫通孔4が絶縁層2に達した後に、過剰なドライエッチングを行なう方法がある。本実施の形態の圧力センサは、実施の形態2の圧力センサとは異なり、円弧状部8を形成するために、絶縁層2をエッチングする必要がないため、製造工程が簡略化されている。
さらに、本実施の形態の圧力センサは、図2に示すように、ダイヤフラム部7上に歪ゲージ10aおよび10bが形成されている。歪ゲージ10aおよび10bは、イオン注入などによって単結晶シリコン薄板3内に形成された不純物添加領域である。ただし、この不純物添加領域は、その周囲の不純物領域の導電型とは異なる導電型を有している。たとえば、不純物添加領域はP型でその周囲の不純物領域はN型である。なお、歪ゲージ10aおよび10bはニッケルクロム(NiCr)などの抵抗材料がスパッタリング法などによって形成されたものであってもよい。
前述のような実施の形態の圧力センサは、ダイヤフラム部7の仮想の正方形9の一辺の長さAが400μmと非常に小さい。また、単結晶シリコン支持基板1として厚さ400μmの基板が用いられている。
図2に示す仮想の正方形9の四隅のそれぞれから仮想の正方形9の対角線dと円弧状部8の交点Oまでの距離をRとして、ダイヤフラム領域の面積をSとした場合に、距離Rの大小に応じたオフセット電圧が測定された。その結果、本実施の形態の圧力センサにおいても、S>−2.94×R+0.22という関係が成立するのであれば、オフセット電圧を1mVより小さくすることができる。したがって、本実施の形態の圧力センサによっても、実施の形態1の圧力センサによって得られる効果と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態においては、四隅のコーナー形状として図に示すような円弧状の形状が挙げられているが、円弧状部の形状としては、真円形状の一部のみならず楕円形状の一部からなる略円弧状の形状が含まれるとともに、鈍角からなるコーナー形状が含まれる。
前述の実施の形態1、2、および3のずれにおいても、単結晶シリコン薄板3上に形成されるべき歪ゲージ10aおよび10bとパッド部とを接続する配線および保護膜の描画が省略されている。しかしながら、前述の測定結果においては、前述の配線および保護膜が設けられた圧力センサの測定結果である。
以上のように、実施の形態1〜3のいずれにおいても、絶対圧センサの小型化のためには不可欠な圧力基準室の小型化に関しては、ダイヤフラム7の平面視における仮想の正方形または長方形の四隅のそれぞれに円弧状部8を設けることが有効である。また、本発明の効果が得られる距離Rの範囲は、S>−2.94R+0.22という関係式で規定され得る。また、実施の形態1〜3のいずれにおいても、高い感度を得るためには、距離R÷一辺の長さAが0.15より小さいことが望ましい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態1の圧力センサの断面図である。 実施の形態1の圧力センサのダイヤフラム部および貫通孔の形状を示す平面図である。 図2のX部分の拡大図である。 スパン電圧とR/Aとの関係を示すグラフである。 実施の形態1の圧力センサのS=0.08mm2である場合の距離Rとオフセット電圧との関係を示すグラフである。 実施の形態1の圧力センサのS=0.13mm2である場合の距離Rとオフセット電圧との関係を示すグラフである。 実施の形態1の圧力センサのS=0.19mm2である場合の距離Rとオフセット電圧との関係を示すグラフである。 実施の形態1の圧力センサの距離R、面積S、および圧力センサのオフセット電圧の良否が所定の関係式によって区別されることを示すグラフである。 実施の形態2の圧力センサの断面図である。 実施の形態2の圧力センサの平面図である。 実施の形態3の圧力センサの断面図である。
符号の説明
1 単結晶シリコン支持基板、2 絶縁層、3 単結晶シリコン薄板、4 貫通孔、5 封止基板、6 空間(圧力基準室)、7 ダイヤフラム部、8 円弧状部、9 仮想の正方形または長方形、10a,10b 歪ゲージ。

Claims (5)

  1. 封止基板と、
    前記封止基板上に設けられたシリコン支持基板と、
    前記シリコン支持基板上に設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層上に設けられたシリコン薄板とを備え、
    前記シリコン支持基板には、その厚さ方向に延びる貫通孔が設けられ、
    前記貫通孔の上部にはシリコン薄板を含む構成のダイヤフラムが設けられ、
    前記ダイヤフラムは、平面視において、仮想の正方形または長方形の四隅のそれぞれに円弧状部を有する形状であり、
    前記仮想の正方形または長方形の対角線と前記円弧状部との交点から前記仮想の正方形または長方形の四隅のそれぞれまでの長さをRとし、前記ダイヤフラムの面積をSとしたときに、S>−2.94×R+0.22という関係が成立する、圧力センサ。
  2. 前記仮想の正方形の対角線と前記円弧状部との交点から前記仮想の正方形の四隅のそれぞれまでの長さをRとし、前記正方形の1辺の長さをAとしたときに、R÷A<0.15という関係が成立する、請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記絶縁層がシリコン酸化膜を含む、請求項1に記載の圧力センサ。
  4. 前記貫通孔の内側面は、前記シリコン支持基板の主表面に対してほぼ垂直に延びている、請求項1に記載の圧力センサ。
  5. 前記ダイヤフラムは、前記シリコン薄板と前記絶縁層とから構成された積層構造である、請求項1に記載の圧力センサ。
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